それでもやっぱり、好きでした

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1:鈴:2013/06/03(月) 13:51 ID:IXI






何度もぶつけあって、何度もすれ違って

ぼろぼろになるくらい傷ついて



もうだめだって思ったら、そこで終わりだけど

それでも好きって思えば、きっと何かは得ることができる



大嫌い

そう言った先にあるのは、大好きだという一言

2:鈴:2013/06/03(月) 14:07 ID:IXI


第一章





四方八方にあったゴミが跡形もなく消える。
角にたまっていた埃もひとつも残らず姿を消して、見栄えのいい部屋へと変化


教科書の雪崩が嘘のように机は整っている。
おまけに本棚も整理して、買いためた少女漫画さえ新品のように感じた。



数ヶ月、何もかもを散らかしたまま放っておかれた汚い部屋の面影はもうない。
隅から隅まで輝きを放つ部屋は、二時間の苦労が十分染み出ていた。



片付いた、まるで新居のような正方形の部屋を端から端まで見渡し、私はほっと息をつく。
疲れた、と一言だけ残し、そのままベッドへ倒れこむ。




季節は、夏。

現在高校一年生、学校生活にも慣れて、今まさに人生で最高の時期。




浮かれ気分の私の部屋は、恐ろしいほどに散らかっていた。


四方八方にゴミ。
勉強中には、つまさっていた教科書の山が崩れ落ちてくる。



見るも無残な姿へと変化を変えた私の部屋は、今日この日を境に、まるで新居のように新しくなった。
ピカピカという言葉がまさにぴったりの部屋。

気が向いたからはじめた掃除。
こんなに時間がかかるとは予想外だったけど、ようやく終わりを遂げた。



諦めずにやってよかった、と思いながら、ゆっくりまぶたを下げる。
どっと溢れ出す疲れ。
寝るのを一生懸命我慢しながら、私は大きなあくびをかみ締めた。

3:鈴:2013/06/03(月) 14:20 ID:IXI









どれくらいの時間が経過したのだろう。


ベッドからはみ出た足にぐっと力を入れて、勢いよく立ち上がる。
目の前には、真っ白な壁。


ぼやぼやとして、はっきりしない視界。
頭のてっぺんを掻いてみれば、持ち上げた腕にさわさわと当たる何か。



私はようやく、寝癖がつくくらいに爆睡してしまっていたことに気づく。



半ば寝ぼけたままふらふらと回れ右をして、自分の背より少し高い位置にある時計に視線を向ける。
ぐっと目をこらしてみれば、長い針は4を、短い針は8を指していた。




――――8時20分。やばい、寝すぎた。




宿題も終わってないのに、これからご飯を食べて、お風呂に入って――となると、寝るのはどんなに遅くなることか。
このままでは、明日確実に朝目覚めることは不可能。



眠ってしまったことを酷く後悔しながら、とりあえず携帯を見る。
一旦冷静にならなければ、と思ったからだ。

4:鈴:2013/06/03(月) 14:27 ID:IXI




携帯は、一件のメールがきていることをお知らせしていた。
必死に青色のライトを点滅させていて。


携帯相手なのになんだか申し訳ない気持ちになりながらも、私は何のためらいもなくメールを開く。



一通のメールのあて先は、同じクラスの、そして幼なじみでもある早川翔(はやかわ しょう)からのメールだった。

メールの内容は、ほんの一言。
なのに私は、数秒ほど息もせずに硬直してしまう。





―――――『美羽って好きな人とかいるの?』





たったこれだけのメール。

このメールに息をするのも忘れるくらい硬直してしまう理由。
それは、私が小学生の頃から翔のことが好きだったからだ。

5:鈴:2013/06/03(月) 14:35 ID:IXI



冷静になろうとなんとなく開いた携帯。
そんなときに来ていたメールは、冷静を失うメール。


はっと我に返り、忘れていた呼吸という作業を必死にする。
それからもう一度メールに目を通してみれば、このメールは20分前に届いていたということに気づく。



早く返信しなければ、翔が心配してしまうかもしれない。

でも、ご飯やお風呂や宿題もある。
それになんて返事したらわかんないし、いるもいないも言えないし…。



ごちゃごちゃと、寝ているときが嘘だったかのようにかき混ぜられる頭。
思考を失い、何が最優先なのか――それが全く考えられない。



挙動不審な人のように、綺麗になったばかりの部屋をうろうろと動き回る。
その時、下から響いた声に私はびくっと跳ね上がった。





「美羽!まだ寝てるの!?」

6:鈴 ◆Hm66:2013/06/04(火) 20:14 ID:IXI


上げます。


今思えばきちんと自己紹介していなかった気がするので、
改めてしたいと思います。



見ての通り、名前は鈴です。

読み方は「すず」で、「りん」ではありません。


好きなことは小説を書くこと。

ただひたすら、普段カチカチ携帯で打っています。



この小説は、後に携帯小説サイト様に移動させるつもりです。

ですから、三点リーダーの数やダッシュ記号のことなどは基本無視させていただきます。

携帯小説とは自由なものですので。


それでも構わないって方は、どうぞご覧になってください。


最後に、こんな無愛想な私でもコメントをくれれば喜びます。

ただし雑談目的、荒らし、誹謗中傷などとのコメントを見つけた際は無視させていただきます。

ので承知した上でコメントしてくれると嬉しいです。



恋愛一色の小説ですが、読んでくれると嬉しいです。

では、つまらない小説ですが、これから完結までよろしくお願い致します。

7:鈴 ◆Hm66:2013/06/04(火) 20:33 ID:IXI



いきなり名前を呼ばれたことで、びくっとカラダが飛び上がる。
思わず後ずさりしてしまったその先にあるのは、ゴミ袋にゴミを捨てたばかりの、ゴミ箱。


ゴミ箱は、がたっと小さな音をたてて、後ろにひっくり返る。
私はそれをしゃがみこんだ状態で、元の体勢に戻す。



―――中身が入っていなくて、よかった。



ほっとしたのも、つかの間。
よくよく見れば、捨てきれていなかったチリやカスが綺麗になったばかりのカーペットに、こぼれ落ちてしまった。


それに気づいた途端、安堵の表情は嘘のように消える。
また掃除しなければいけないことを思うと、顔を歪めずにはいられなかった。



しかし、ゴミ箱の体勢を戻したとこで、私は立ち上がる。
先ほど響いた母の怒りの声を思い出し、小さくため息をついた。


そして、携帯に開かれたままの翔からのメールを閉じる。
ディスプレイに映る時間は、8時22分。今日は夜更かしをして、大量に出た宿題をなんとか終わらせよう。



それにはます、食事を取らないと。



部屋のドアをあければ、ふいにお腹が鳴った。
食べ物を必要としているらしい。

そんなわがままな自分のお腹を軽くさすってから、重い足取りで食卓へと向かった。

8:鈴 ◆Hm66:2013/06/06(木) 16:18 ID:IXI







リビングに行くと、鬼の形相を浮かべた母の姿。
私は申し訳なさそうに肩を竦めながら、自分の昔から決まっている椅子へと腰かける。



それから30分ほどでご飯を、同じく入浴も30分ほどで済ませ、すでに9時は過ぎていた。



もう少しで、9時半。
ゴミ箱を倒したせいで散らばったチリを、今は片づけてる暇なんてない。


早く、早く宿題を終わらせなきゃ。

焦りでいっぱいだった私の額は、せっかくお風呂に入ったというのに汗でいっぱいになっていた。
それを、黄色でドットの可愛らしいパジャマで強く擦り拭う。


それからふうっと気合いの声を漏らし、勉強開始だ。
夏だけあってもちろん袖はなし、気合いを表すもののひとつの、腕捲りという行為をすることはできなかった。



が、今はそれどころじゃなく、他に気合いの印になるものを探す暇なんてない。



さっそく勉強に取りかかる。
しかし目がチカチカするほどの公式と宿題の多さに、危なくひっくり返るところだった。



だから、あまりに集中しすぎて、忘れていたんだ。

翔からきていた、あのメールのことを。

9:鈴 ◆Hm66:2013/06/07(金) 18:47 ID:IXI







それから、約2時間後。


時刻は既に11時を回っていて、さっきから欠伸をかみ締めるという行為しかしていない。
それでもようやく片付いた宿題にほっと安堵の息を吐く。



ぐーっと椅子に座ったまま体を伸ばして、今まで我慢していた欠伸をする。
くぁ、と大きい口を開いて欠伸をしたあとは、明日の学校の準備に取り掛かる。



教科書を入れて、出して、という作業を数回繰り返し、机の上に置いてから私は勢いよく体重をベッドに預けた。






「はぁ…やっと終わった」






そう一言はいてから、何の気なしに携帯を見る。
勉強に集中したくて、電源を切っていたんだ。


もうこんな遅い時間だし、誰からもきてないと思うけど。


そんな浅はかな思いを抱きながら携帯を見れば、一件のメールを知らせるマーク。
何かの広告かな、と思いながら、躊躇せずメールを開いたときだった。





今まで普通だった顔色が、あっという間に青色を増す。

10:鈴 ◆Hm66:2013/06/09(日) 18:09 ID:IXI






――――『やっぱり、いいわ。いきなりごめん。
     おやすみ。』







受信していたメール。
fromの部分には、たまらなく胸が締め付けられるような名前。


翔、画面の上部分にはそう表示されていた。

そして内容は、先ほどの質問を取り消す内容。
安心したような思いが積もる。





が。





返信をしなかったことに、翔は怒ってないだろうか。
言い方もなんだか素っ気ない気がするし。


でも、おやすみって一言があるのに、それに対して返信するのもどうかと思う。
もしかしたら翔も寝てるかもしれないし。



って、こんな時間じゃまだ起きてるか。
私だけかな、早く寝てるのは。




ほんとは高校生らしく、もっと起きてみたかったりもするんだけど。


美容のたまには、早寝早起き。
その理由は翔、彼にある。



翔が好き。
そう自覚してからは、おしゃれに一層気を使うようになった。


だって少しでもかわいく見られたいし。


幼馴染の私はもう見飽きたかもしれないけど、ちょっとでも可愛くなりたいから。
こんな感じに、翔のことを四六時中考えてるほど、私は翔に惚れている。


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