Deys of Death and me

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1:枢悠 ◆waco:2013/06/08(土) 18:38 ID:RCw

初めまして、枢悠(スウユ)と申します!
僕ラノ世界と掛け持ちで書くつもりですが、更新遅くなりますー(涙)
テスト前ですので、すみません……

さて、今回のDeys of Death and meは、間違っていなければ死神と僕の日々……です
僕ラノ世界では、元素と現実的(?)な者の話なので、今回は非科学的な有り得ない世界です
枢悠worldは本当に意味不明な日本語になっていたりしますがご了承を

では、有り得ない絶望の世界へ、皆様と楽しんで行けたらと思います
それでは、……START!

2:枢悠 ◆waco:2013/06/08(土) 18:41 ID:RCw

あわわ、間違えてますね。
完璧にスペルミスしてました、本当にすみません!!
正しくはDays of Death and meでした

……っていうかDeysって本当に何なのさ!!

3:枢悠 ◆waco:2013/06/08(土) 19:42 ID:RCw

Prologue

気がつけば、辺りは赤に染まっていた。
人の気配はなく、動く影も、人の形の物すらなかった。
あるのは、赤に染まった地。誰かの眼球や内臓。そして、細切れになった服の欠片。

分かっていた。こうなることは、目に見えていた筈だったのに。
「……ぁ……ァあアアっ!!」
口から漏れるのは情けない悲鳴。頭では分かってたのに、きっと内心では分かっていなかったんだ。

そんなことよりも、僕が生き残っているという現実自体が、何も分かっていないことを告げている。
普通なら、僕も目の前に広がる絶望の風景に溶け込んでいるはずなのに。
「さあ、これで貴方は死ねない……おっと失礼。死なない、だったね」

どこからか、聞こえてくる声。どこか楽しそうな、そんな音色で語りかけてくる。
「アンタ……誰だよ」
僕自身の、震えるようなか細い声が、ようやく人間の言葉を話し出してくれた。
「名乗っていなかったかい? 通りすがりの死神……とは言えないね。流石に」
ヒヒヒッと高らかに笑う通りすがりの死神さんは、冷たい深い青の瞳で、僕を見つめると__


「君の相棒(パートナー)だよ」
やはり、どこか楽しげに高らかに笑いながら、そう告げた。

4:枢悠 ◆waco:2013/06/09(日) 08:38 ID:RCw

Ⅰ.Practiced work

 もう、慣れた。嫌と言うほどに慣れきり、僕はまた、屍を踏み越える。
その後ろには、いつも奴がいる。ヒヒヒッと高らかに笑いながら、いつも絶対に側にいる。

「今日はここまでだネ……ヒヒヒ。どうするんだい、補導の常習犯くん?」
 真っ暗な闇の中を歩く。仕事終わり、奴と契約して何度も体験した、死神の仕事の終わった後。
最初の仕事の時は、内臓のはみだした死体を見て吐いた僕だったが、それももうない。
慣れほど恐ろしいものはないと思うが、何世紀もそれを見続けたのだ。毎回吐く方がおかしい。

「……どうするかね。せめて、大人になってから死ねば良かったよ」
 幼い姿で死という状況に堕ちた僕は、今ではイカれていると思うほどに生へ執着していた。
だから、目の前に出されたその手を取ったのだ。すがってしまったんだ、死神に。

5:枢悠 ◆waco:2013/06/09(日) 16:48 ID:RCw

「ヒヒヒッ……契約の取り消しは不可さ」
「んなの知ってる。出来てたらしてるしな。……キル、それにしてもお前……何故契約なんか」
 夜間に響く足音。人目に付かぬよう路地裏を通るのだから尚更だ。声も響き、大きく聞こえる。
僕は隣を歩く死神、キル(kill)を見上げ訊ねる。キルはヒヒヒッと、やはり笑いながら答えた。

「面白いだろう? 死にたくないとすがったその手を取り、死にたいと思うまで仕事をさせるなんて」
「…………そうだな。傍観者側なら、さぞかし楽しかろう」
 僕はキルを睨み付け、歩調を上げた。この死神には腹立たしさしか感じない。
僕が望んだことを良いことに、自分は楽しむ人でなし……死神なしが。


「恨むかい? 仲間を蹴落とし、手に入れたその命(椅子)で……君はまた後悔する」
 本当にムカつく。椅子取りゲームとでも言うように、僕の手に入れた命(椅子)のことを後悔させる。
まるで忘れるなとでも言うかのように。僕が手を伸ばしたのは間違えとでも言うかのように。



「…………今日は、帰らないで、仕事を続ける。どうせ、疲れもしないんだ」
「そうか。……ヒヒヒッ、なら現場に向かおう。横取りされる前にね」
「ああ」
僕は、歩くのをやめ、後ろにいるキルの後に続く。仕事だ、終わらない仕事だ。
全人類が滅ぶまで、椅子がなくなるまで……次の仕事へ向かおう。

6:若宮鈴音 ◆RCWE:2013/06/09(日) 16:52 ID:ez-J/6

*スーちゃん..

おおっ!!
スーちゃんだ!!

頑張れッ★

7:枢悠 ◆waco:2013/06/09(日) 18:47 ID:RCw

>>6
はい! スーちゃんです!!
頑張るです! 宜しくです!!!!

8:枢悠 ◆waco:2013/06/09(日) 21:46 ID:RCw

 今日もまた、屍を踏み越えるのだと思っていた。
いつものように、尽きた命(椅子)を回収し、場外へ運ぶと思っていた。
「っ…………!?」
思わず顔を背けそうになった。驚きと恐怖で声も出なかった。目の前に広がる光景が、信じられなかった。
声を出そうとしたら、後ろからキルに掴まれて、口を抑えられた。
キルの瞳も見開き、それをギョロギョロとした目で見ていたが、僕よりは断然冷静だった。

「………………」
 そのまま一言も口に出さず、少しも物音を立てずに移動し、物陰に身を潜めた。
死体はある。死に方も、死神との契約時に授かった左目で、はっきりと見えている。綺麗に。

今回の、この生というゲームのプレイヤーのゲームオーバー場面は、とても本当に単純で、簡単な物だった。
後ろから心臓を一突き。綺麗な赤い液体が宙を舞った。
その証に、綺麗な赤い水溜まりがあり、そして跳ねた血が所々に付着している。

 でも、そんな簡単なコイツの死に様には、続きがあった。僕のように死神の手を取ったのではない。

9:枢悠 ◆waco:2013/06/10(月) 18:40 ID:RCw

それは、何よりも最低な死後の終わり方なんだと思う。
「キシシシシッ」
そのプレイヤーの前にいた影が、不気味な笑い声を上げ、そのまま消えた。

「キル……あれって」
「ヒヒヒッ。悪魔だねえ、初めて見るけどねえ」
 そう、プレイヤーは、悪魔に喰われていた。体に喰われた外傷は一切ない。
が、僕らが取るもの……魂がなくなっていた。少しもない、本の欠片も。

「キル……完っ璧に、横取りされたけどいいの?」
「ヒヒヒッ……今夜は本当に帰れないよ。報告書の山だしネ」
僕は深い溜め息を吐く。本当に運がない。今日は少しも休めそうにない。
異常な仕事はすぐ報告。嫌でも叩き込まれた死神ルールの一つ。面倒だが、"上"に帰るようだ。


「なあ、キル。普通に悪魔の存在無視してるけどさ……これ、上に言ったら大事件だよな」
「ヒヒヒヒヒヒッ! 一度事件を起こした君の言えたことじゃないだろう?」
「……だね」

10:枢悠 ◆waco:2013/06/11(火) 17:37 ID:RCw

Ⅱ.My big crime

「嘘じゃないのか!? こ、コイツは過去に大罪を起こしてるじゃないか!」
 裁判の簡易版……というか、分かりやすく言えば武器を持っての話し合いが始まった。
予想通り、僕らの話を聞いた悪魔側はそう叫ぶように言った。

「……ヒヒヒッ、言われてるねエヴァ」
 少し離れた場所で聞いていた僕に、隣にいたキルが話しかけてきた。
下では黒いフードパーカーの服が、重たいローブになっていたために、一瞬誰かと思ってしまう。
「キル……似合わないな、それ。ってかエヴァって呼ぶな。僕は__」
「ヒヒヒッ、覚えてないんだろう? 良いじゃないか、認めたら?」
「煩い。……でも、ムカつくよなーあの言い様」
僕がため息と共に、先程よりも少し声を小さくして言う。黒のローブの下から、キルは笑みを溢した。

「やったことは本当じゃないか……ヒヒヒッ」
「あれは半狂乱だったんだよ。仕方ないって、あんなの」
「……あんなの?」
「絶対、許せねぇじゃんかよ」

11:枢悠 ◆waco:2013/06/11(火) 18:10 ID:RCw




「君は選ばれたんだ……いや、選んだんだネ、ヒヒヒッ」
 真っ暗な闇に浮かぶシルエット。辺りの血に埋もれた僕を、見下ろしていた。
大きな鎌を持ち、微笑む姿は__死神以外に見えなかった。

「相棒(パートナー)って……選ばれたって何だよ」
「ヒヒヒッ、君……エヴァはすがったんだよ。この死神に」
高らかに、本当に楽しそうな口調と音色で話すコイツは、まるで死神のフリをしたピエロだった。
「意味分かんない、頭イッてる」
「ヒヒヒッ……まずは仕事だよ。ソイツらを片付けよう」
死神(仮)は、持っていた鎌の柄で、僕の近くにある細切れの死体をつついた。まるで、物に対してみたいに。
「と……友達に触んなっ!!」
「ヒヒヒッ……ふーん。これが、友達…………ねえ?」
近くの木材の上に立っていた死神(仮)は、ストンと地面に下りると足元の物をグチュグチュと踏みながら寄ってきた。
そして、近くにあった眼球を拾うと、笑いながらペロリと舐める。まるで、飴玉を食べる子供のように。

「煩い! やめろよ、触んな」
「……これが友達なら、君は裏切ったんだネ?」
「ぇ」
「君は友達が助かることを願わず、自分の幸せだけ願って……こうやって生きているんだ」
「っな」
「……それって、さあ。______最低だと、思わない?」

12:枢悠 ◆waco:2013/06/11(火) 20:04 ID:RCw

死神(仮)は、面白そうにこちらを見ながら片手で眼球を撫でる。
それを見ていると、だんだんと気分が悪くなるのを感じた。怒りの念と、恐怖心が要り混じって、口から出た。
死神(仮)が気にする様子はない。持っていた鎌で、それを一突きにした。
……が、それが切れる事はなかった。代わりに黒目の部分が紫色に焼けるような音を立て変化する。

「ヒヒヒッ、これで初仕事の準備は出来たね」
ポンポンとボールを投げるように、眼球を投げながら寄ってくる死神(仮)。
「エヴァ、君は……生きたいかい? それとも……永遠の闇に溶け込み、終わりのない死を味わいたいかい?」
死神は、笑顔でそう聞いてきた。まるで、女子が好きな人を教えて? とでも言うように。
だから、僕も言ってやる。お前が教えてくれるなら、俺も誰もいないことを教えるって。

「僕はエヴァじゃない。…………さっき、アンタ言ったよな。最低だと、生きることを」
「ああ、言ったよ。ヒヒヒッ」
「なら、俺は…………絶対に生きてやる。永遠にだとしても」
そう言った瞬間だ。死神(仮)は、鎌を僕の瞳めがけて振り下ろした。必然的に目を閉じようとしたが、金縛りのように動かない。

「死神KILL。生選ぶ者と交わり、永遠の命引き換えに永遠の生を与える。契約の代償は、EVERの自由」

そんなことを死神(仮)が呟いたかと思うと、そのまま左目に鎌が刺さり痛みが走る。
そして、血は出ぬものの、死神(仮)が目から上げた鎌の先には、僕にさっきまで填まっていた眼球が付いている。
思わず左目を覆おうとしたが、それをする間もなく、先程まで死神(仮)の投げていた眼球が、空っぽになってしまっていた部分を埋めた。

13:あゆみ ◆I1o.:2013/06/13(木) 16:21 ID:ods

初のご依頼、ありがとうございます
そして、私の小説も見てくれてありがとうございます。ありがとうございます。

……さて、内容の方はというと。
好きな人にはたまらないお話ですね!
……でも私、ちょっとグロいの苦手です
せっかく依頼してくれたのに、大変申し訳ありません

でも、だからと言って枢悠さんのかいているこの、「Deis of Death and me」の作風を
変えず、もっとたくさんの人に読んでもらえると良いですね
期待してます^^

あ、でも、もっと分かりにくい漢字をひらがなにした方がいいと思います
実際、ちょっと読めない字がありました(~_~;)
まぁそれは私が悪いのですが

まとめると、「読者像を考えて、表現や漢字を使う」ってことです

テスト前……ってことは中学生か高校生ですよね?
小6のクソガキが上から目線、すいません

これからも頑張ってください!!

14:枢悠 ◆waco:2013/06/15(土) 12:57 ID:RCw

>>13
評価ありがとうございます<(__)>
グロ入れてすみません。最近グロに洗脳されてて……。
漢字、ですか。考えもしなかったΣ(° д°) ありがとうございます、難しいのには振り仮名を付けることにします

また、何かありましたら、頼みます! その時は、宜しくお願いしますね^^
(あと、Daysです。題間違えてますので……すみません)

15:枢悠 ◆waco:2013/06/15(土) 18:15 ID:RCw

「……っ!? な、ななナな」
「ヒヒヒッ。これで、君は死神の大事な腕。これで、もう死ねない……消えない……forever」
死神(仮)はそう笑いながら言い、歩き出す。のんびりと、物音一つ立てずに。
こちらを振り返った際、生暖かい強い風が吹き、彼の顔半分を隠していたパーカーのフードを脱がした。
その下から除いた、奴の顔。

 __白銀に輝く髪、けれども、それは周りの闇に溶け込み、漆黒(シッコク)に染まっていた。
それは、右目を覆うようにして前髪が長い。あとは、肩にかからない程度。
そして……、そしてこちらを見る瞳は赤く、血のような赤黒さで僕を捉(トラ)えていた。

「ヒヒヒッ、早く行こう……エヴァ」
「エヴァじゃない。僕は」
もう一度、自分の名を言おうとした。その瞬間に喉元に奴の鎌を押し付けられた。
「じゃあ、君は誰なんだい? 君は死んだんだ。けれど契約して生き続けた。一度死んだ魂は転生するだけだ」

16:枢悠 ◆waco:2013/06/16(日) 18:28 ID:RCw

僕は、赤黒い瞳に吸い込まれそうになった。それと同時に、その話にも吸い込まれていった。
僕が死んだということをつきつけられて、そして、僕の存在そのものを否定される。
耳を覆いたくとも、体はその話から逃れさせてくれない。

「同じ魂が存在する方法は、転生のみ。君は記憶があるだけで、転生をしている。……死神の腕として」
「だ……だけどっ!!」
「もう、君は人ではないんだヨ。人との感情を持ち、新たな名で……生まれ変わった」
それだけ言うと、奴はクルクルと鎌を振り回し、ニンマリと笑った。
「行こうじゃないか、エヴァ。最初の仕事へ。……ヒヒッ」
何事もないかのように笑う奴が、一瞬だけ怖くも、そして不気味にも思えた。

「お前、名前は?」
僕が先を行く奴を、見上げながらそう言うと、一瞬だけ迷ったように黙った。
「名前、ネぇ。……うーん、名前っていうよりは鎌名になるけどネぇ。KILL、かな」
「キル?」
「ヒヒヒッ、発音が悪いねぇ」
キルと名乗った死神に、僕はこの瞬間から逃げられない運命になった。
死にも生にも属さない、愚かな神の称号を抱えて生きる……いや、過ごすのは、この瞬間から始まる。

これが、僕の第二の生誕の日のこと。

17:枢悠 ◆waco:2013/06/18(火) 19:59 ID:RCw




 それから、僕は死神、キルの開く誕生日会……つまりは仕事へと向かった。
簡単な説明を受ける。死に方を調べ、場外へと運ばれるその椅子(魂)に、それを刻み込むらしい。
それが仕事。永遠の生への僕の、最後に残された枷(カセ)。

「ヒヒヒッ、いいかい? 最初の仕事は、ここだよ」
 ちょっとした角を曲がる前、そう言われた。ニンマリと笑う口から除く鋭い歯。
それを見ながら、一つ頷いた。死体を見ないといけないというのは嫌だが、物は慣れだ。
唇を噛み締め、力を入れると曲がり角をキルを追って曲がった。

 が。意気込みは虚しく、見た瞬間に戻した。
気持ち悪さとか、そんな気分を吐きだすが、そんなことでは足の震えは収まらなかった。
「……ン……ょ、何だよ……これ」
友達が死んだ時とは違って、悲鳴だとかは一切出なかった。ただ、震えるだけだった。
「ヒヒヒッ。それを調べるのが仕事だろう? その瞳で、彼の最後を見届けなよ」

18:枢悠 ◆waco:2013/06/19(水) 20:12 ID:RCw

キルは無情にも、鎌を僕に託すと近くのブロック塀の崩れた破片に座り込み、こちらを見ているだけ。
今すぐぶっ叩こうかと思ったが、腰が抜けて動けない。
真っ直ぐ見つめる視線の先には、先程の死体が変わらず消えず残っている。

「…………っ」
 思わず唾を飲み込んだ。もう、吐きそうもない。
慣れ……という訳ではなさそうだ。胃がもう空っぽ、といったところだろう。
仕方なく、言われた通りに彼の死に様を見ることになりそうだ。
不気味な色のためと、たまたま通夜をしていた家の前で、死に様が見えそうになったことからウインクのように閉じている左目を開く。

「…………っ……ぁ」
無理だった。これはヤバイ。映画なら、何歳以上制度を付けるべきなものだった。
胃液を戻した。キモチワルイ。涙を溢した。オソロシイ。

19:枢悠 ◆waco:2013/06/21(金) 21:20 ID:RCw

震えの治まらない手で、鎌をグッと握り直した。暖かみのない冷たい感覚が、僕の指先に広がる。
 彼の過去を見ながら、僕は震える足を引きずり横たわる彼を見下ろす。
膝立ちになり、未だに脈を打とうとする黄緑に不気味に光る魂に、ゆっくりと鎌を当てた。
自分の左目に映るものを必死に刻みつけると、また、ゆっくりと刃を魂から持ち上げる。

それと同時に、魂が消滅……いや、転生という新たなゲームへの道へと"飛んだ"。


「ヒヒッ。どうだい初仕事は?」
 その直後に、背後から能天気で、何となくムカつくような声が掛かった。
振り替えると、ニンマリと歯を覗かせて気味悪く笑うキルがいた。それを見て鼻で笑う。
「最悪だね。抜け出せない地獄って感じだよ」
「君が望んだことだろう? ヒヒヒッ、君みたいな奴(人間)は本当に面白いよ」
いかにも面白いというような笑い声と口調と、そして腹を抱えて笑うポーズ。本当に嫌な奴だ。


「それじゃあ、エヴァ」
ニンマリと笑いながら、僕が手放した鎌を持ったキル。僕は、気持ち悪いほどに微笑みながら、続きを代わりに言った。
「次の仕事へ…………向かおう」


君と僕の、地獄の始まり。____まあ、僕が本当の地獄を味わうのはまだ少し後。

20:枢悠 ◆waco:2013/06/24(月) 21:31 ID:RCw

 あれから一週間近く仕事には「慣れなかった」。
キル曰く、初めての仕事の一週間がここまで酷なものが当たるのは、ほぼ奇跡に近いらしい。
今でも、綺麗な死に方は出来ないのかと言いたくなるほどの汚さでも普通にこなせているのは、きっとこの時のお蔭だ。
かと言って、この体験に有り難みを感じることは零に近い。



「なあ、キル?」
 そう。それは仕事開始から一年と百二十三日目のこと。仕事に慣れ、生への不満が高まってきた頃のことだった。
空は、新月のため小さな星々が輝くのみで、少々薄暗く、何か胸騒ぎもするであろう夜更け。
仕事帰りの僕らは、黒で統一された「上」からの支給品を着て歩いていた。

 いつものように、キルは黒のパーカーのフードから歯を不気味に覗かせ笑いながら答える。
「どうかしたかい? ヒヒヒッ、良からぬことを企んでいそうだが……」
「相変わらず勘が良いねぇ」
僕も、そう微笑み返しながら言った。黒のワイシャツに紺のジーパン。
ベルト用の……こう、フック的なのに付いた死神に仕える者の証のチェーンを指に絡み付け言った。
「もしさ、僕専用に回って来る仕事をほったらかしたらどうなんの?」
そう、これが僕が永遠に十字架を背負うことになった理由。

 初めに少し解説しよう。仕事は二つに分類することが出来る。
____それは、専用と、そうでないもの。
専用とするのは、その人の業績からして出来るものを選び、仕事場の近辺にいることを条件として与えられる仕事。
そうでないものは、近辺にいることを条件にし、誰が行おうと勝手な、どのレベルにもできる仕事だ。

21:由美菜:2013/06/24(月) 21:58 ID:/P6

どうも、由美菜です。枢悠さんの小説読ませてもらいました。

面白いですね。ひきつけられました。

私も、小説を書いているので、見てもらいたいんですけど…
小説の名前は「幸平と私だけの秘密」というのを書いているんですけど
アドバイスをお願いしたいんですけど…
お願い致します

そして、あなたに頼むのは、書くのがうまいと思ったからです。
時間があったら、宜しくお願いします。

22:枢悠 ◆waco hoge:2013/06/25(火) 07:26 ID:RCw

>>21
由美菜様、読んでいただき本当にありがとうございます<(__)>
惹き付けられただなんて……私なんかには勿体ないお言葉、嬉し泣きしそうです!!

私なんかで良ければ、是非アドバイスでも何でもさせていただきます!
また読んでいただけたら、嬉しいです

23:枢悠 ◆waco:2013/06/29(土) 12:53 ID:pBQ

その、専用とするものの仕事の方は、どんなに目の前にその死体があろうと手出ししてはいけぬもの。
もしも、それを回収しなければ……どうなる? 始まりは、そんなだった。

 仕事には飽き飽きしていたし、丁度いい息抜きとゲームになるかな程度にしか思いもしなかった。
キルもキルで、別にいいんじゃないと笑いながら言っていたので、その死体は魂入りのまま埋葬された。
面白そうだったので、キルに他の仕事を頼むと僕は、魂入りの墓の前で数日を過ごしていた。


そして、ある日、ある「玩具」の存在を知った。

 死神界の死神魂を回収する、そんな職務につけるのはほんの一握りらしい。
優秀で、有能で、何より従順なこと。それに値する人物(神物)というのは少ない。
キルなんか、それに値する族(ヤカラ)らしい、信じられないが。ともかく、その一握りに憧れる子供は多く、そのためこの玩具が誕生した。

人間の過去が見える宝玉。先程出会った死神の類(タグイ)の餓鬼から取ったものだ。
これで、ふとこの墓の主を見てみることにした。確か、死んだときの推定年齢は四十五。
最近の記憶でも、昔の記憶でも、どちらにしろ面白そうだ。

24:蜘蛛 ◆kumo hoge:2013/06/30(日) 19:53 ID:pBQ

この度、お名前変えさせていただくことにしました
勝手ながら、トリップも変更させていただきます

改めまして、蜘蛛(チシュ)といいます
内容には、まったく支障きたしませんので、ご安心ください
本当に、心よりお詫び申し上げます すみません

25:蜘蛛 ◆kumo:2013/07/03(水) 21:10 ID:lG2


 キルが仕事を終え、戻ってくるまで。

そう決めるや否や、宝玉と向き合う。
不思議な色に次々色を変えるそれは、色々な過去を持つ冷酷さや温かみのあるものだった。
それに思わずニンマリと笑みを浮かべてしまう。面白そうだ。
例えるなら、小さい子供が丁度いい玩具を見つけたような感じだ。いや、死神界では実際そうなのだが。

「汝、彼(ヒ)の三世の内の過去世ここに表せ」
 まるで、キルのようにヒヒヒッと笑い声を上げながらそう唱えた。
それに反応するように宝玉が妖しげに光る。
僕はてっきり、この宝玉に写し出されるのかと思っていたが、宝玉が光るにつれて頭の中に映像が流れ込んできた。


「……っ!! ぁ、あアあ」
 今すぐこの商品を回収すべきだと思った。いや、死神の子供なら全然平気な代物かも知れない。
まあともかく、この宝玉は彼の「全て」を知ることが出来た。それは、聴覚も嗅覚も味覚も……そして痛覚も。

26:蜘蛛 ◆kumo:2013/07/05(金) 23:02 ID:lG2

記憶のテープを巻き戻していくような感覚で、まず彼の死が見えた。
そして、それを感じていく。身体中に痛みが走り、死にそうな感覚が走るが死ねない。

「何だよ、何なんだよこれ」
 頭を巡っていく過去は、異常で異例で「ミス」をしたのだと直ぐ様理解した。
キルがこの魂を回収しなくてもいいと簡単に言った理由というのが漸く分かったような気がする。

<この魂は、人間として『いてはいけない』存在だ>

 この魂は、報告書やら始末書やらが引っ付き虫としてついてくるような類だった。
普通のおじさんではない、既に僕が回収を任されたときには死んでいた。
もう、二十、三十年も前に滅し消える予定で……「契約」さえ、結んでいなければ、狂いもしなかったのに。

 彼は、運が悪かった。いや、それ以上のものかもしれない。
彼の運命は残酷で、残忍で、最低で、幸せで、幸福なものだった。苦しみと言う名の祝福だ。

27:蜘蛛 ◆kumo:2013/07/06(土) 17:54 ID:lG2



 彼の名を中崎利岸(ナカザキリギシ)といって、心優しい穏やかな人物だった。
けれど、悪くいえば自分の意見は言わず、周り流されてしまうような、暗い奴だった。

 そのせいもあってか、中学時代酷いいじめに遭っていた。
皆が友達の仮面を被り、じゃれ合いという名の暴行をうけて、お願いという名のカツアゲをうけた。
でも、学校を休まなかったのは「負け」たくなかったからだろう。最後に残ったプライドで崖っぷちに佇んでいた。

 そんな日々は、案外あっさりと終わる。
新たなターゲットへ移り、いつしかいじめを受けていたことも忘れ、自分がいじめる。それが常識。
罵り、見下し「いじめる」側の『友達』が出来ていく。けれど、それももう終わりだ。


 ____2XXX年。
僕、エヴァをも貶め殺した「DEVIL」が登場し殺された。
ようやく出来たと思った『友達』も、いじめていたターゲットまで無差別に。
この辺りが本当に、幸福で滑稽で……素晴らしいのだと思う。
つまり、いじめを受けてもしても、結局同等で視点を変えて、全然違うところから見ればどちらもクズなのだ。

けれど、その視点を変えた第三者の「DEVIL」にもこちら側から見れば理解不能な考えもある。
その理解不能というのが「利岸との契約」。

28:蜘蛛 ◆kumo hoge:2013/07/12(金) 14:25 ID:eyU

「DEVIL」は、利岸が死ぬのを見下ろすと、キシシッと笑い問いかけた。

 __「生か死か」
甲高い、脳天に響いてくるような甘い「DEVIL」の囁き。
利岸は黄泉の世界に堕ちていくなか、その言葉に反応した。そして、「生」を選ぶ。

魂自体に契約の刻印が押され、死後、輪廻転生の環に戻れなくなることを条件に。
馬鹿で愚かなものだ。こんなちっぽけな一生に、これからの輪廻で生まれるはずのものを無くすなど。
今回の人生に、そこまでの価値があろうことか。

だが、「DEVIL」にとってはそれがいいのだろう。
「DEVIL」は、魂を喰らえない。人を殺して遊ぶだけ。だから、それを喰うのは運のよい奴のみだ。
が、今回のように契約することで許可が下りる。

そして、ようやくディナーにありつけるのだ。
まずは誤った判断をし、喰らわれゆく魂を弄び、あとは一口だ。
利岸の運命はこれで、定まったも同然。良かったことといえば、いい奥さんに出逢って幸福な日々にありつけたことくらいだ。


まあ、結局のところ、消滅することに変わりないのだが。

29:蜘蛛 ◆kumo:2013/07/12(金) 14:28 ID:eyU

>>27
「結局同等で視点を変え」は、「結局は同等で、視点を変えて」です
少々前回の文では分かりにくかったです……すみません。

30:蜘蛛 ◆kumo:2013/07/13(土) 14:05 ID:eyU

 ただ。
僕は彼の過去が一瞬でもいい、やり直させたいと思った。
彼と自分の待遇が、少しでも被っているのなら……助けてやりたい。別に、親切心ではない。
世の中の不平等さを哀れみ、彼に手を伸ばしてやりたくなった。

__願わくば、彼(カ)の過ちを晴らせると……そう、させてほしい。
自分の力で、それが可能ならば……どうか。


 僕は、彼の魂を救いとった。そして、それを……喰らった。
美味しくも、不味くもない……命の灯火を感じられた。これでもう、彼の魂は「DEVIL」に喰われない。
その時、左目に激痛が走る。

『利岸と一体化する__』

僕の細やかな彼へのプレゼント。
もう一度、貴方が復讐できますように。僕と共に。
死神と共に。「DEVIL」と共に……どうか、復讐の舞を。

31:蜘蛛 ◆kumo:2013/07/16(火) 01:07 ID:okU



 その時だった。風が吹き抜けたと共に、背後から声が掛かる。
彼のトレードマーク(?)とも言える、高らかな笑い声と共に。
「ヒヒヒッ。面白いことをやってるねー。僕(ヤツガレ)も交ぜてよー、ヒヒヒッ」
「……っ!?」
キルが楽しげに微笑んで、……そう、とても楽しげに微笑んで、言った。
「ついでに報告書と審問会へもネ」
これが、僕の失態の始まり。これが、僕に枷を掛けた理由。


たったひとつの、僕の失態と……そして、もうひとりの僕の相棒の誕生。


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