野猫

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1:枢悠 ◆9b8A:2013/06/16(日) 23:08 ID:RCw

初めまして、枢悠(スウユ)です!
Days of Death and meと共に書く野猫です。
僕ラノ世界、ネタが浮かばず勝手ながら諦めました、すみません……<(__)>

テスト前に何やっとんじゃですが、宜しくお願いします
今回の野猫は、前回英語で失敗したので中国語で!! 普通に日本語で書く方が早いのですが……
日本語にすれば、野良猫です。ちなみに英語ではhomeless catとかでしょうか?

Days of Death and meはグロ目指して楽しんでますので、こっちは落ち着けると良いですね
のんびりと更新進めますので、どうぞ宜しくお願いします

2:枢悠 ◆waco hoge:2013/06/16(日) 23:12 ID:RCw

すみません。今回はトリップミスしてましたーorz
こちらのトリップが正しいです、すみません

3:枢悠 ◆waco:2013/06/17(月) 07:32 ID:RCw

序幕

有了野猫……いや、野良猫はいた。そう言った方が分かりやすいだろう。
日本には、野良猫という生物が存在している。そう、猫とは違う、新たな生物。
そう捉えた方が分かりやすそうだ。

野良猫が、日に当たり微睡んでいる姿を見、可愛いと言う人々。中には連れて帰りたいと言う者もいた。
が、その猫がゴミを荒らした瞬間「やっぱり野良って駄目よね」。無責任な発言。
どこまでいっても自己中心的な物言い。責めているわけではない。
その人はただ、自分の幸せを掴み取る努力をしているというだけで、野良猫とそう変わらない。

皆がそうだ。変わらない事実。
その点、猫は違う。誰かに可愛がられ、餌を貰いノウノウと生きている。

必死に、生きる努力をする野良猫や、幸せを掴み取るため足掻く者を指しおいて。

4:枢悠 ◆waco:2013/06/17(月) 22:03 ID:RCw

第一故事

 ……有了少年。そう、少年はいた。
この物語の始まりは、本当に唐突な物だ。私は今から、彼のことを綴ろうと思う。
これが、私の出来る彼へのお詫びと、そして感謝の思いだ。彼の名は、猫呀(マオヤー)。皆は、マオヤと呼んでいた。
これは、たった一人の……たった一匹の物語である。昔話を聞くように、リラックスして読んで貰いたい。

 彼は、いつもそこにいた。路地裏の隅にしゃがんで、向こうに見える人々の行き交う道を見つめる。
人通りの多いとは言えないその場所で、静かに息を潜めてそれを見つめる。
彼には、家がなかった。捨て子で、親の顔も覚えていなかった。施設に入れられることなく、そこで過ごしている。

「………………」
 彼は一言も喋らずに、ただ見つめているだけだった。何年か、彼を見続けていた私も喋る所を見ていない。
骨が浮き出そうなほどに痩せ細った体、流れる黒髪に琥珀の瞳。その体には、喋る気力も残っていないのだろう。

5:枢悠 ◆waco:2013/06/19(水) 22:55 ID:RCw

彼は、何かを探すかのように、「狩り」以外の時はずっと、瞬きも忘れて見つめている。
何を探しているのかも、何を見つめているのかも、何も話さない彼は、私達に教えてくれなかった。
そう。結局、最期の最後まで、そうだった。

 今考えてみると、彼は本当に最初から最期まで不思議だった。
話さないのに、何故か皆名前を知っていて、子供で親もいなかったのに生きていた。
その路地の近くにある居酒屋で話を聞くと、決まってこう言われた。

「ンなの、知るか。ああいうのが飲食店の近くにいるってのが気に食わねぇよ」

乱暴で、無情で、でも、何となく分かってもいた。彼は本当に不思議なのだから。
私だって、最初は汚いなあ、だとかある本で読んだが、衛生面での本能が働いていた。
本当に、今となっては申し訳ない限りである。

 まあ、ともかく物語の「起」は彼の不思議な日常である。

6:枢悠 ◆waco hoge:2013/06/24(月) 19:49 ID:RCw

 彼の朝は早い。とても早く、通常の「人」では体を壊す生活をしている。
起きるのは午前三時。冬なんかは本当に寒く、まだ辺りは真っ暗だ。
けれど、彼は時計もないのにピッタリその時間に起床し、やはり、路地の向こうを見つめ続ける。
何かない限り、……いや彼は何かがあろうと動かないだろうが、ともかくそのまま夜になるまで動かない。

 そして、真夜中の一時。彼はようやく立ち上がり、歩き出す。
一度だけ、一度だけ彼を追ったが行き着いたのはごみ捨て場。適当に食べられる物を見つけてその場で食べる。
汚かろうと、蠅がたかろうと彼は食べるしか道はないのだ。食べなければ待つのは死。
胸が痛まないことはないのだが、やはり人間、自分のことが一番なのだ。


 そう。私も、その自己中心的な人間の一人で、それが当たり前なのだ。
どこかの誰か、きっと、この文を読んだ方で、一人はそんなことないと言うだろう。
けれど、それは問題になっている「日本人の幼児化」の傾向の、一つなのかもしれない。
自分にあてて考えられない、そういうものなのかもしれないのだと、私は思っている。


 話がそれてしまったようだ。そして、彼はまたすぐに路地裏に戻り、二時から一時間だけ眠る。
けれど、それも浅い眠りで物音一つ立てれば顔を上げ、そちらを見る。
そんなのが、彼の一日だった。

7:枢悠 ◆waco:2013/06/24(月) 21:48 ID:RCw

 が、たまに変わる日もあった。その「食事」が「狩り」へと変化する時。
私が、食事について行ったのは一度きりと言ったはずだ。それは、「狩り」を見たのが原因と言えるだろう。

 私も仕事をしたりと忙しいので、平日は仕事終わりのみ彼を見に行っていた。
何も出来ることはないが、どうしても、元気に……いや、はっきり言えば生きているかが、心配だった。
それは、確か何かの宴会騒ぎで帰りが遅くなった時のことだったと思う。

次の会場に移るという仲間と別れ、午前一時頃彼のところへ向かった。
彼のことを知って、まもなかった私はこの時間寝ているだろうと思い路地裏に向かったが、彼はちょうど歩き出したところだった。
「何か、あったの?」
不安に思った私は、ゆっくりと彼のことを追ってみた。彼はのんびりと、自分のペースで歩いて行く。


……そして。
たどり着いたのは、やはり路地裏だったが先程とは別の、とても汚く異臭もしていた。
彼はそこに佇むと、しばらく止まっていた。私も物陰から見ていたが、物陰になってよく見えなかった。
急に素早く動き、パシリと何かを掴んだ様子の彼。近眼でもある私には、何をしているかなど、全くわからなかった。

暫くそこで座っていた彼だったが、立ち上がると、またこちらに向かって歩いてくる。
何となく気づかれないようにと、ものの裏側にへばりついて隠れた。
一瞬だけ見えた彼の横顔に、思わず息を飲んでしまった。理由はとても、簡単なものだ。

 ____口元に、血がついていた。

赤黒くベットリとついたそれは、彼のものではないと分かっていた。
彼は、食べたのだ。食事をするために、あそこで捕まえた鼠かなにかを。


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