風が吹く教室

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1:若葉:2013/06/17(月) 19:42 ID:V6o

恋愛...とにかく学生の物語です……

2:& ◆Vo/k sese:2013/06/17(月) 19:44 ID:eMc

がんば。

3:& ◆U/Nk sese:2013/06/17(月) 19:44 ID:eMc

ふぁいと!

4:& ◆U/Nk sese:2013/06/17(月) 19:45 ID:eMc

頑張れ!

5:若葉 ◆k/o.:2013/06/17(月) 19:55 ID:V6o

__私以外誰も居ない始業式の後の教室に、暖かみがある春風と桜の花弁が教室へと吹く。

花弁を拾うと、さらっとしていて美しかった。
そして何よりも、もう二度とあの木に戻れないと思うと悲しげに見えた。


 私もこの散った桜の様に儚く、美しく命を散って居られるのだろうか……。

……そんな自信、私には少しも無い。
 
 私はそう思いながら花弁を外に放した。

何故かあの桜の花弁が私の様に見えてとても哀れだったからだ。

6:若葉 ◆k/o.:2013/06/17(月) 19:56 ID:V6o

>>2->>4ありがとうございます

>>5はプロローグです

7:若葉 ◆k/o.:2013/06/17(月) 20:32 ID:V6o

〜第一章〜 始まり

 私が変わったのはこの日から既に始まるっていた。

朝、目を覚まし時計を見ると、朝の六時を指していた。

 眠い目をこすりつつ中学の制服に着替える作業に取り掛かる。

 リボンタイを付け、髪をとかし荷物を玄関に置き、

朝食があるリビングに向かう。

 私は机に向かい、椅子に座り冷たくなってラップで包まれている朝食をレンジで温め、普通に食べる。

 味は不味いとも美味しいとも言えない味。

 私の母は既に他界していて、こうして朝早く朝食を作り、
置いて仕事へ出掛けて、私に食べさせてくれているのは父だった。

 そんな父への少しの感謝を込めご馳走様を言って
静かにドアを開き学校へと歩き出した。

周りの奴等は皆騒がしい。

校長がウザイだの学校面倒くさいだの

 どうでもいいと感じながら中学の門を潜る。

 騒がしい人混みに私も潜り4クラスの中の自分の名前を探す。

「山野 水佳……あった」
 そう呟いた。

クラスを見ると1ー3だった。

私は人混みを抜けて三階にある1ー3へ向かう。

 ドアの前へ立って窓を見るともう既に来ている人は多数居るようだ。

 そう思いながらドアに手をかけドアを開けた。

 皆私に気づかず大声で喋っている。

黒板の座席表を見て自分の指定席に座る。

そして、バッグから持ち物を出してバッグを机の横のフックに掛けるという事に取りかかる。

それが終わったら、ただ窓を見て時間が過ぎるのを待っていた。

8:若葉 ◆k/o.:2013/06/17(月) 20:59 ID:V6o

 しばらく窓を眺めていると一人の男が私に話し掛けてきた。

「……山野」

 声の持ち主の方へ顔を向けると顔立ちが整っている男子生徒が目の前に立っていた。

「あんた誰?」
 私がそう無愛想な返事をすると

「鈴木 隼人!」

「あっそ……いいから用件済ませて頂戴」

私がそういった瞬間隼人は少し話すのを躊躇っていて、顔が少し赤かった。

「小学校1年の時からずっと好きでした!! 俺と付き合って下さい! 」

「……お断りね。私興味が無いのよ」

 私がそう静かに言ったとき、周りが隼人を哀れみの眼差しで見ていた。

隼人はうつ向きながら元の場所へと戻っていった。

 私は先程と同様に桜が散っていく様子を窓から眺めていた。

 チャイムが鳴って、担任の教師が自己紹介をしている。

つまらないと思っていたら後ろの席の女子から小声でだが声を掛けられた。

「山野さん……貴女イケメンを振るなんてね」

「興味がない。しかも小学校の時一度もクラス同じじゃなかったし」

 後ろの席の奴は、チラッと隼人の方を見て私の方へと視線を戻した。

「一目惚れ……か」
 溜め息をつきながら後ろの席の奴は元の体勢へと戻った。

私もそれと同様に後ろを見ていた顔を前へと向けた。

9:若葉 ◆k/o.:2013/06/17(月) 21:33 ID:V6o

 先生の自己紹介が終わると今度は先生が生徒全員に自己紹介すると言い出した。

 私の出番が来て名前と宜しくという簡単な自己紹介を済ませ、またさっきのように窓を眺めていた。

「はいじゃあこれで今日はおしまいです。日直さんお願いします」
 
 担任はそういって、職員室へと足を向けてそのまま歩いていった。

帰りの会が終わって、一人で下校しようとした時後ろから肩に手を置かれてこう言われた。

「山野っ!一緒に帰ろうぜ?」

 それは、隼人だった。

「お断り致します」
 と私はキッパリと言った。

隼人は子犬の様に寂しそうな目をしながら男友達と帰っていった。

10:若葉 ◆k/o.:2013/06/17(月) 22:55 ID:V6o

「あいつバカ……だな」

 私は隼人の後ろ姿を見てそう呟いて帰った。

家へ戻るとやけに疲れた。

バッグが重いとか体力的な疲れではなく体に表せないような精神的な疲れだった。

 重い足取りで玄関までたどり着き、その足取りのままソファに身を投げ捨てた。

私はその体勢で、一度頭の中によぎった言葉について考えていた。

あいつはどうして私を選んだのか……。
どうして今日皆の前で告白したのか
……。

隼人への恋愛感情は自分では持っていないつもりだが
どうしてもこの事が頭の中を駆け巡っている。

 何時間も考えた末に結論は冷やかしで私に告白をしたのではないかという事に至った。

11:若葉 ◆k/o.:2013/06/17(月) 23:08 ID:V6o

 でもその結論に納得いかない自分が居ることに気付いた。

もしも……だが、
本当に隼人が私が好きであれを言ったのだったら

どうしてあのタイミングだという疑問が生まれてしまった。

 結論とか言っておいて本当は現実を飲み込みたく無いだけ……自分の弱さを見たくない……そんな思いがこの疑問から溢れてくるばかりだった。

その事を忘れようと必死に別の物事に集中しようとした。

だけど……やっぱり駄目なものは駄目で

どうしても頭の片隅に残ってしまって困ってる自分がいた。

「隼人が変なこと言うから……」

 私はたった一人の部屋で呟いていた。

勿論返事は来ないはずでその空間が虚しさで埋められるだけだった。

12:若葉 ◆a1ng:2013/06/18(火) 16:59 ID:V6o

 相談したいが、相談できる人すら私には居ない。

どうせ私には桜の様に華やかに命が散れないんだ……。

 私がこんなひねくれているのには理由があった。

それは、当時八歳の時の春だった。

 当時私は春休みを迎えていて普通の子のように

友達と外で遊んだり家でテレビを見て笑っていたりしていた。

 母は、その時買い物に行ってくると私に言い残し留守番させた。

__だが、母とは二度と顔を会わせることは無かった。

 心配して玄関で私は母の帰りを待ち続けていた。

突然ドアが開きドアの方を見ると母ではなく父が帰ってきていた。

その父の目には涙で一杯だった。

「お父さん…………!どうしたの……?」

「水佳……よく聞け、
 母さんは……交通事故で亡くなった…………」

父は重い口調で私に話した。

その顔からすると母は亡くなったというのが

現実であるという事が九歳の私でも直ぐに分かった。

「これからは俺とお前だけで暮らすんだ」

 涙を流しながら父はしゃがみ私の肩に手を置いた。

__優しくて面白いお母さんが亡くなった……

 その時から私の思考は私が人と深く関わる不幸にするという思考に至り始めた。

そのせいか親友が五人居たのが一気に一人も居なくなってしまっていた。

 そのままの心であれから四年が経ってしまった。

ひねくれている性格も悪化しますますひねくれた。

 本当はこんな自分が嫌だった。

でも、素直になると不幸にしてしまう……。

 一体どうすればいいんだ……?

13:若葉 ◆a1ng:2013/06/18(火) 20:04 ID:V6o

 考え込みすぎて頭が可笑しくなりそうな時インターホンが突然鳴った。

宅配かと思い、ソファから跳ね起きて玄関のドアを開けてみると

「おーい山野……じゃなくて水佳ってお前目が腫れぼったいぞ……?」

 半開きのドアの隙間から顔を覗くと正体は隼人だった。

そんな事より住所知っていたのが気味悪く感じる。

「どうしてここを……」

「いや……先日越したって聞いてるだろ?それ俺んち何だよなー」
 
へらっと黒い髪をいじりながら笑って私の質問に答えた。

「……涙流してるけど……どうした?」

 泣いている……?頬を触ると水の感触がする。

「……帰れ…………」
「え?」
「いいから帰れ!! 」

 私はそう叫んで玄関のドアを思いっきり閉めた。

14:若葉 ◆a1ng:2013/06/18(火) 20:22 ID:V6o

>>7から>>13まで水佳サイドです。

次から隼人サイドです。

「__ねぇねぇ遊ぼう!はーくん!」

「いいよ……!みーちゃん!」

 この会話だけで始まった俺の大きな初恋__。

「夢……か」

 俺はそう言いながらベッドから立ち上がり、中学の制服に素早く着替えた。

朝食を急いで食べ、学校指定のローファを履きこれまた学校指定のバッグを持ち、外へ飛び出した。

__水佳は、水佳は居るのだろうか。同じクラス何だろうか……。

 不安と期待を抱え込み桜が華やかに散っていく校門を通り、賑わうクラス表へ足を運ぶ。

「あった……1ー3だな」

 自分の名前と水佳の名前を探した。

水佳も1ー3。ということは俺は一年間同じクラスという事だ。

 水佳とクラスが一緒だと感じた瞬間一気に足が軽くなった気がした。

俺はその状態で1ー3へ向かう。

ドアの窓ガラスから人を見ると誰も居なかった。

「一番乗りー!」

 そう言って俺は黒板にある席表を見た。

そして、席表の通りの座席に座って

持ち込んだ小説を読んで水佳が来るまで時を過ごした。

 二分ぐらい経っただろうかそのぐらいから続々と人が入る。

俺と同じように席表を確認しそれぞれの座席に座り友人同士と喋っていたりしていた。

15:若葉:2013/06/19(水) 17:22 ID:V6o

 俺は水佳が来るか

ドアが開く音が聞こえるたび視線をすぐドアに向けた。

 どうして俺はこんなに水佳を待っているのかそれには一つ理由がある。

 あれは、俺が幼稚園ぐらいのとき。

俺と水佳は近所で

よく俺の母と水佳の母は俺達の迎えのついでに喋っていたりしていた。

俺と水佳はそこで初めて出会ってまず母に俺の自己紹介をされた。

「この子はね、近所の水佳ちゃんって言うのよ〜? 仲良くしてね? 」

 母がそう言い終わった直後に今まで一度も口を開いてなかった水佳が俺に首をかしげながらこう言った。

「ねぇねぇ名前なんて言うの〜? 」

「俺はねー隼人って言うんだ! 」

「んじゃあねはーくん! はーくんって呼ぶね? 
 はーくんは水佳の事みーちゃんって呼んでね? 」

 その時の水佳はニコッと笑っていた。

それが可愛くてそれでも着飾っていなくて……自然で…………。

__俺はそんな水佳を見てまだ幼いながらに恋に落ちたんだ。

16:若葉:2013/06/19(水) 19:13 ID:V6o

 最後に遊んで約8年__。

もう水佳は忘れているだろうな俺の存在を……。

 そんな事を考えているとドアが開いた。

俺はすかさず視線を白いドアに向けた。

……そこには俺の初恋の山野水佳がいた。

 水佳は席を確認し、俺の席を横切った。

__黒くて艶がある背中中央までの長い髪。

そして肌白い顔の中により際立つ真っ直ぐな瞳。

 その姿は昔と変わらなかった。

俺はその姿を見て、ある「決意」をした。

__それは、思いを伝える。フラれてもいい。

 久しぶりに会えたからこの8年間の思いを全て伝えたかった。

俺は席を立ち上がり、水佳の席に向かった。

彼女は窓を眺めていた。

「……山野」

 上手く言えただろうか。

俺はそう水佳に呼び掛けた。

 呼び掛けた時直ぐにくるりと首を俺の方へ向けて

キッパリと冷たい声で綺麗な髪をかきあげながら俺にこう言った。

「あんた誰?」

 やっぱり……覚えていなかったんだ当たり前か……。

と思いながら俺はにっと笑って返事をした。

「鈴木 隼人!」

「あっそ……いいから用件済ませて頂戴」

 溜め息つきながら用件を聞かれた。

用件が告白だなんて恥ずかしい。

 恐らく俺は顔を少し赤くしているだろう。

顔の周りがとてつもなく熱いのが感じる。

 俺は勇気を振り絞って用件……つまり告白を言った。

「小学一年の頃からずっと好きでした!! 
 俺と付き合って下さい! 」

「……お断りね。私興味が無いのよ」

 冷たい返事。

でも俺はちゃんと思いを伝えられた。

付き合えなくったって別にいいんだ……。

 俺は周りに哀れみの目で見られてるのがよく分かった。

「美少女」と「凡人」なんて釣り合う筈がないんだ。

 時が流れ、下校時刻になった。

俺は少しでも水佳に俺の事を思い出して欲しいと思って思いきって水佳を誘った。

だが返事はお断りという答えだった。

 俺は、友人に慰められながら下校した。

17:若葉 ◆k/o.:2013/06/19(水) 20:57 ID:V6o

 俺は友人と下校中に心配なことがあった。

それは、水佳には友達がいない、母親も他界。

「おうい隼人? お前顔色少し悪いぞ? 早くかえって休め」

「何でもねぇよちょっと心配事がなっ」

 俺は友人の心配を作り笑顔で誤魔化した。

弱みなんて握られたら友人が水佳に漏らしそうな気がしたからだ。

「お前らしくねぇなー」

 友人は俺の横っ腹を肘でつついた。

それよりも俺は水佳の事だけで頭が一杯だった。

 そんなこんなで歩いていたらもう家の近くになっていた。

俺は急ぎ足で家に入り親が居ないことを確認して

 急いで水佳の家へ向かった。

水佳の家の前にこれたのはいいものの、水佳はいるのだろうか。

 不安で汗びっしょりになりながら俺はインターホンを押した。

約5秒後にドアが半開きで開いた。

 俺はドアに近づき半開きのドアから家を覗いた。

いや、正確には水佳の顔を見ようとしていたが正しいだろう。

 目の前には目が腫れぼったい水佳が上使いで俺を見ていた。

俺はそんな水佳にこう話し掛けた。

「おーい山野……じゃなくて水佳ってお前目が腫れぼったいぞ・・・・・・?」

「どうしてここを・・・・?」

「いや・・・・・・先日越したって聞いてるだろ?それ俺んち何だよなー」

 俺は嘘をついた。

本当はずっと前からここにいる。

だけどしょうがなかった・・・・言い訳も自分でも見苦しく感じる。

 水佳の顔を見ると涙をポタッと流していた。

「・・・・涙流してるけど・・・・・・どうした?」

 俺がこう聞くと

「・・・・帰れ・・・・・・・・・」

「え?」

「いいから帰れ!! 」

 と叫ばれてドアを閉められた。

あんなに怒った彼女を見たのは初めて見た。

 俺はそう感じながら家へゆっくりとした足付きで帰った。

〜隼人サイド〜OFF
 t

18:若葉:2013/06/20(木) 16:56 ID:V6o

〜水佳サイド〜ON

 ドアを閉めた後私は鏡で自分の顔を確認した。

確かに隼人に言われた通り、目が腫れぼったくて赤い。

……こんなときにはーくんが居てくれたら良いのに……な………………。

でもはーくんは私の事覚えてないだろうな……。

 それでも会いたい。話したい。

__だって私の唯一の友人で……初恋の人……だから。

 私は、近所の電話番号表を探した。

その番号表は私の母が手書きで書き、
私でも電話を掛けられるように名字じゃなく

私のつけたあだ名で書いてある。

……あった。

 私は家の電話を右手に持ち、番号表を電話の上に広げて電話をかけた。

電話をかけて三十秒ぐらい経ってやっと相手が出てくれた。

出たのはお母さんだった。

「えっと山野水佳です……はーくん居ますか?」

「あっ水佳ちゃん?待っててね今呼ぶから」

 私はその間電話の前でぼーっとしていた。

……やっと会えるんだ。

そう思いながら……。

 その私を現実に引き戻したのは大体二分後ぐらいの事だった。

「みーちゃん? 」

「あっはーくん? 今から会える? 」

「オッケーんじゃああの公園で今から」

「うん分かった」

 私は電話越しでは伝わらない笑顔ではーくんと電話のやり取りをした。

19:若葉:2013/06/20(木) 17:27 ID:V6o

今から八年ぶりの再開を果たすなんドキドキしてきた。

 胸のドキドキを押さえつつも私は何も持たずに制服のままスニーカーを履いて徒歩約三分の公園に足を運んだ。

〜水佳サイド〜OFF

〜隼人サイド〜ON

 一戸建ての二階にある自分の部屋へ俺はゆっくり足を運び出した。

部屋へ着き、成績を上げるため勉強を開始した。

 問題を解いてる途中に母から呼び出された。

一階に降りて母親の元へ行くと電話を渡された。

これに出ろという意味らしい。

俺は悟って電話を受け取った。

 電話の相手は……水佳…………みーちゃんだった。

20:若葉 ◆k/o.:2013/06/20(木) 19:35 ID:V6o

 俺は正直言って吃驚(ビックリ)した。

あんなに俺に冷たく当たっていたのに・・・・・・・・・。

 俺は頭の隅でそんな事を考えていた。

考え事をしていたせいか相手の水佳を待たせてしまった。
 
 俺は確認のために水佳に緊張しつつも呼びかけた。

その呼びかけは、俺が幼なじみとして覚えられているかという意味も含まれていた。

「みーちゃん? 」

「はーくん? 今から会える? 」

「オッケーんじゃああの公園で今から」

「うん分かった」

 そう水佳に電話を切られた。

俺は突然水佳に会いたいと言われて驚いた。

当然断る理由なんか見つかるはずもなく、承諾した。

 俺は電話を終了した直後、母親に許しを貰い直ぐにスニーカーを履き玄関を勢いよくあけた。

そして、待ち合わせ場所の公園まで急いで走った。

 汗や周りの目などきにしていられなかった。



あ、>>17は水佳の家に隼人が行った後に母親が帰ってきています。
    今更ですがすみませんでした。

21:若葉 ◆k/o.:2013/06/21(金) 17:08 ID:V6o

 生ぬるい、春ならではの風が俺の汗を吹き飛ばすかのように当たる。

やっとの思いで着いた。

水佳はブランコをゆっくりとこいで俺を待っていた。

 水佳は俺の足音で気がついたのか俺へ視線を向けた。

その瞬間水佳は目を丸くしてボロボロと涙を流していた。

 水佳はブランコから降りて俺の方へ歩いてきた。
「あんたがはーくん・・・・だったの?」

「何で・・・・何で最初に言わなかったの・・・・・・?」

「それは・・・・・・もう覚えてないって思ってたから」
 震え声でポタリと話す度に涙を流している水佳を見て俺は正直焦って、怖くて心が痛んだ。

「ごめん・・・・・・な」

 俺はただ、謝るしかなくてずっと水佳に謝った。

22:若葉:2013/06/21(金) 20:11 ID:V6o

〜隼人サイド〜OFF

〜水佳サイド〜ON

「・・・・・・少し早く着きすぎたかな」
 私はブランコをゆっくりとこいで、

少し遠くでドッジボールで遊んでいる小学生位の子を眺めながら呟いた。

私はいつ、はーくんが来るかそわそわしていた。

私が来てから約三分……私に近づく足音が聞こえてきた。

はーくんかなと思い私は足音の方へ顔を向けると

何故か隼人が居た。

 私はその瞬間こう思った。

はーくんは鈴木隼人……の事だったんだ。

 初恋の人が今ここに____

私は、一番近くに居る好きな人に気がつけなかったんだ……私って最低の人間だ。

私の視界が涙によって段々歪んでポタッと砂に落ちていった。

 私はブランコから涙を拭かずに降りて、隼人の方へ向かって行った。

一歩進む度涙が少しずつ落ちていくのが分かった。

そして隼人の近くに立ち私はこう隼人に言った。

「あんたがはーくん・・・・だったの?」

 そして私は隼人を追い詰めるかの様に更に続けた。

「何で・・・・何で最初に言わなかったの?」

「それは・・・・・・もう覚えてないって思ってたから」

「ごめん・・・・・・な」

 隼人は悪くないのに、私の勘違いが全て悪いのに謝ってきた。

私はずっとそのまま泣き続けていた。

23:t:2013/06/21(金) 21:56 ID:V6o

 落ち着いて、ベンチに私たちは座った。

「もしもだけどさ、
 あの時の告白の返事を取り消して
 ……OKを出したらどうする? 」

 ドキドキと、隼人に聞こえるんじゃないかってぐらい心臓がなる。

「付き合う・・・・・・かな」

「そっか・・・・・・・・」

 私は、なんて言おうか迷った。

このまま黙っているか・・・・。

____告白するか。

 私は後方を選んだ。

勿論キッパリと言える筈もなくもじもじと自分らしくない。

「あの・・・・さ?
 私と付き合って……くれる? 」

 隼人は顔を一気に真っ赤な火のように赤らめていた。

24:若葉:2013/06/22(土) 11:30 ID:V6o

「いいよ……? 」

「ありがと……」

 生暖かい春の風が私の、隼人の黒い髪を撫でるように吹く。

__恥ずかしく響く無言の空間。

それは、決して悪い意味ではなくいい意味だと私は解釈した。

 何の前置きもなく隼人は急に私を抱き締めた。

彼の髪の匂い……桜のいい匂いが私の鼻をスッと通る。

「好き」

「・・・・私も」

 その会話はドキドキを更に大きくさせた。

25:若葉:2013/06/22(土) 12:05 ID:V6o

〜水佳サイド〜OFF

〜隼人サイド〜ON

 水佳が落ち着き、俺達は公園内の木の陰にあるベンチに座った。

「もしもだけどさ、
 あの時の告白の返事取り消して
 ・・・・・・OK出したらどうする? 」

「付き合う・・・・・・かな」

「そっか・・・・・・・・」

 水佳はそう言い終わったあと何か言いたそうにもじもじしていた。

「あの・・・・さ?
 私と付き合って・・・・・・くれる?  」

 思ってもいなかった、言葉が水佳の口から漏れた。

俺は顔を赤くしているだろう。

春なのに真夏のような暑さなのだ。

「いいよ・・・・・・? 」

「ありがと・・・・・・・」

 その後の無言の空間はなんとも言えない初めての感触だった。

恥ずかしくて、嬉しくて__

 矛盾する言葉。

これが「恋」なのだろうか。

 俺はそう考えていたら体が勝手に水佳を抱き締めた。

「好き」

「・・・・私も」

 俺は幸福者なんだ。

幸せというモノが俺の心を充満させた。

26:若葉:2013/06/23(日) 00:15 ID:V6o

「あっ・・・・ごめん」

 俺はそう言って離れようとした。

だが水佳は俺の腰に腕を回して、ぎゅっと強い力でギュッと抱き締めていた。

「離れんな・・・・」

「離れる訳ねえじゃんか」

 俺は笑いながら言った。

水佳は昔みたいに黒い真っ直ぐな瞳で俺の顔を見て

ニコッと笑顔を俺に見せた。

 母親を亡くして以来見せてない笑顔・・・・・・。

俺は、誰よりもその笑顔が見たいと望んでいた。

__それが今、目の前で叶ったんだ。


〜隼人サイド〜OFF

27:若葉:2013/06/23(日) 16:53 ID:V6o

〜水佳サイド〜ON


 そんなこんなで私達は付き合うことになった。

その日はメアドと電話番号を互いに交換して帰った。

自宅の二階の自分の部屋の淡い黄緑色の布団が敷いてある

ベッドへ制服のまま倒れこんだ。

 さっきまでの事が夢なのか現実なのか区別が全然出来ない。

私は天井を眺めながら考え込んでいた。

 ベッドの隣にある白い小さなテーブルに金色の目覚まし時計と

私のピンクのケータイそして

私、母、父、私の弟の夕人の家族写真


綺麗なビーズ細工が施(ホドコ)してあるフォトフレームがあった。

 私はその家族写真を手に取り見つめた。

幸せな笑顔で満ちている家族写真。

 私はその写真を見て、胸が心が苦しくなった。

そんな時に、私のケータイに通話のアラームがかかった。

 私はケータイを手に取り開いた。

私に電話をかけたのは隼人だった。

 私はその電話に出た。

「何・・・・?」

「んーあー水佳?俺だけど隼人だけど、大丈夫? 」

「何が・・・・? 」

「いや、今日家行ったときに泣いてたじゃん・・・・・・? 
 辛いことあんなら・・・・・・」

「私は大丈夫だから! 心配しないで切るね! じゃあまた明日ね」

 私はそういって電話を切った。

迷惑かけたかもしれないがこうするしかなかった。

 だって、亡くなったお母さんの事で泣いてたから。

私はあまりお母さんの事について触れられて欲しくなかった。

触れられると、あの時の事が全部頭を駆け巡ってくる。

 だから__切るしか逃げる道はなかった。

私は心の中で謝りながら枕に顔を埋(ウズ)めた。

28:若葉:2013/06/24(月) 17:01 ID:V6o

 埋めてから数分経ったとき木製のドアがギギギッと音をたて開いた。

「ただいまー姉ちゃん」

「お帰りー夕人(ユウト)」

 今ドアを開けてきたのは、私の弟の山野夕人、ちなみに夕人は今年から小学四年生だ。

「今日遅いけど、何、居残り? 」

 私が起き上がりベッドの上に座った。

「うんまぁそんなとこ」

 そういって、ドアを閉めて私の部屋から夕人は出ていった。

〜水佳サイド〜OFF

29:若葉:2013/06/26(水) 20:38 ID:V6o

〜隼人サイド〜ON


 俺は家に帰り、二階の北にある自分の部屋へ戻った。

俺は手にしている携帯を手にし、

 水佳の電話番号の場所を押し、

通話ボタンを少し震えながら押した。

 話す事なんて無かった。

ただ単に水佳と話したかった__という理由だ。

 プルルルと呼び出し音が右耳へ響く。

「何・・・・? 」

 呼び出し音がプツリと消えて水佳の少し低めの声が聞こえる。

俺は曖昧な口調でとっさに考え付いた用件を述べると

 少し涙声の返事が来て、電話をいきなり切られた。

俺は泣かせてしまったことに罪悪感を持ち、

 罪悪感を振り払うかのように木製の机とセットである

椅子に座り雑に置いてあるシャーペンを持ち、

開けっぱなしにしてあるノートに向き合った。

……だが、罪悪感は消えなく勉強に集中出来ない。

 俺は、椅子から立ち、

伸びをしながら部屋の西にある

 青色の薄手の毛布がピシッと敷いてあるベッドへうつ伏せで寝転がった。

30:若葉:2013/06/26(水) 20:54 ID:V6o

 うつ伏せでも考えていることは全部水佳の事。

ふと、目線をカーテンが両端へ寄せてある窓へ向けると

 そこには美しい夕日を浴びている桜の花弁がゆっくりと流れるかの様にひらひらと宙へ舞っていた。

__その桜は何となくだが水佳に似て、哀しく思えた。

……桜。それは俺らの出会いと幸福の思い出の象徴。

〜隼人サイド〜OFF

31:若葉:2013/06/26(水) 21:16 ID:V6o

〜水佳サイド〜ON

__その日は流れて翌日。

私は予定時刻の六時に目覚ましで起きて、

中学の制服へ着替え朝食をとり、

 外へ出た。

ここまでは私の小学校でも同じ手順で違うのは制服位だ。

 だが、日常が一気に崩れた。

ドアを開けたら私を待っている隼人がいた。

「おはよう、水佳」

 ニコッと優しく笑い私の手を取り私を教室まで連れていった。

私は、恥ずかしさで顔を赤くして隼人になされるがままだった。

 教室へ着いた瞬間、

私の後ろの席の慣れなれしい女……

 後藤 泉(ゴトウ イズミ)が私のもとへ走ってきて目を輝かせながらこう言った。

「ねぇ! もしかしてだけど付き合ってる……? 」

 泉の言葉に皆は

「ヒューヒュー」

 と冷やかし始めていた。

私は昔から冷やかしがうざったくて大嫌いで、もうすでに、うつ向いて涙を流しそうだった。

 隼人は、私の異変に気がついたのか

「うっせーよお前ら。少しは頭で考えてから喋れようざったいんだよ」

 と冷たい言葉を放ち、私を引っ張り席まで向かった。

そして私が座った後、

「俺の彼女だから。一切触んないでくれる? 」

 とクラスメイト皆を睨んで席に戻っていった。

32:若葉:2013/06/26(水) 23:49 ID:V6o

 気まずい空気のまま一、二時限目を終え長い二十分の休み時間が私にきた。

私が席に座り窓を眺めていると

「ちょっと来てくれない? 」

 このクラスの中心グループ

つまり竹田 美枝(タケダ ミエ)率いるグループが私の元へやって来た。

こいつらと私は小学校が同じで

私の経験からだと、とにかく気持ち悪い四人グループだ。

はっきり言うと私は嫌いだ。

 有名な噂でそのグループは

私の彼氏・・・・隼人のファンクラブの会長や

書記等勤めるファン中のファンという事らしい。

 誰かが喋ろうとしたり近づくと暴行や暴言等をする。

 その場面に私は昔立ち会った。

私はもう大体の検討はついていた。

 暴行__いじめだ。

私は美枝に女子トイレの一番奥の個室へ無理矢理押し込まれた。

そして外側に残り物はよっかかって出口を塞いだ。

 その中に美枝が水で一杯のバケツを持って個室に入ってきた。

入ってきてすぐのことだった。

……水を掛けられた。冷たい。

私は困らせる為に大きな声で泣いてやった。

「おい! 何してんだよ! 」

 個室のドア越しに隼人の怒りの声が聞こえる。

「えっ・・・・あのこれはね! 」

 美枝が焦った表情で言い訳を始めた途端私は、ドアを蹴った。

私は濡れた髪を絞って睨み付けた。

 相手はオドオドと焦っている。

33:若葉:2013/06/27(木) 18:26 ID:V6o

 私はバケツに水道で水を満帆にくんで

「美枝以外下がってろ」

 私はそういい放ってバケツの水を美枝にぶっかけた。

「・・・・何すんのよ! 」

 美枝がキーキーと喚いている。

だが私には嫌いでうざったい奴なんかに耳を傾ける筈がない。

「アンタがやったことそのままやっただけだけど何か・・・・? 」

 美枝の質問に私は答えた。

隣で隼人は腕を組みながら美枝を先程からずっと睨んでいる。

「何・・・・よ! 調子に乗って! うざいんだよ! 」

 美枝は私に向かってモップで殴ろうとした。

そんな時に目の前に隼人の後ろ姿が視界に入ってきた。

その行為は私を庇うという事を意味していたのに直ぐ気がつき私は

「おい! 危ない!! 」

 そう呼び掛けた__。

だが遅かった。

目をゆっくりと開けて見ると、頭を抱えている隼人がいた。

 隼人は、そんな状態なのに私の腕を引っ張り女子トイレから共に逃げた。

 逃げた先は第一音楽室。

私は着いた瞬間ドアを閉めた。

 そしてドア近くの床へへたりこんだ。

少し冷たい木の感触が手のひらへと当たる。

 油断してた時に美枝達の声が聞こえた。

「こっちか!? もっと探せ! 」

 私が動く前に隣に胡座で座っている隼人が

「行くぞ」

 と小声で呼び掛け私の前で小走りに音楽準備室へ向かい、

奥の方の金管楽器のケースの裏に隠れた。

34:松潤LOVE♪:2013/06/27(木) 20:54 ID:qoc

若葉ぁーー!! 来たよ♪
すっっごく面白いね☆☆
隼人たち……、どうなっちゃうんだろぉ……。

35:若葉:2013/06/27(木) 22:16 ID:V6o

>>34ミツケラレタカッw
さて…どうなるかねw

「ほら! 行くわよ! 」

 大きな声が廊下から遠い準備室まで届く。

声が止まった瞬間ドアが開く音がした。

 隼人と私は出来るだけくっつき、バレないように体育座りで縮こまっていた。

「居ない……わね」

 美枝は準備室に来て呟いた。

足音がコツコツと近づいてくる。

あともう少し近づいていたら見つかっていた。

 美枝は準備室から出て

「居ないわ」

 と言い、取り巻きを引き連れて音楽室から出ていった。

〜水佳サイド〜OFF

〜隼人サイド〜ON
(書き方変更)

 危なかった。

キス寸前まで水佳と俺の体がくっついて

とても恥ずかしくて体がさっきよりの熱いのが分かる。

36:若葉:2013/06/27(木) 23:11 ID:V6o

 俺は美枝達が出てった事を確認し水佳に手招きの合図をした。

水佳は合図に気付きすっと立ち上がり俺と一緒に三階の一の三へと踏み出した。

 二階の第一音楽室は俺達の教室から遠く結構な時間がかかった。

教室に着いた瞬間女担任の水無月 由架(ミナヅキ ユカ)は俺らに質問をした。

「山野さん、それと鈴木君、何をしてたんですか? 5分の遅刻ですよ」

 静かに呆れ口調で言うと俺は言い訳を始めた。

「俺はもう兄貴の行事とかで、
 この学校に来るの慣れてたんで、
 慣れてない山野さんに学校案内してました」

「あら感心ねそれなら仕方が無いわね 座りなさい」

 俺は大体先生の口調から言い訳を昔から

すぐ言える奴で今回は良いことする生徒に甘い教師のようだ。

 俺は三列目の一番前の席に座り、

国語の授業の準備をし、取り組んだ。

 実際には担任の話は聞いていなく、

黒板のを写すというスタイルでこなしている。

 

37:若葉:2013/06/28(金) 07:24 ID:V6o

 大きなあくびが出るほど退屈な授業。

でも右側を向くと少し先に真面目に授業に取り組む水佳がいた。

そして俺に気がついたのかニコッと笑って手を小さく振っていた。

 俺は手を振り返すと水佳はちょっと頬を赤らめて黒板の方へ向いていた。

俺も前向くと黒板がさっきよりもかなり進んでいる。

俺は急いでシャーペンを持ち黒板のを写した。

38:若葉:2013/06/28(金) 21:34 ID:V6o

〜隼人サイド〜OFF

〜水佳サイド〜ON

 今日は、何て言う日なのだろう。

私はそう考えながら

水色のシンプルなデザインのシャーペンのグリップ部分を静かに握った。

 窓を見ると暖かな春の日差しと華やかに散っていく桜の花弁が窓一面に広がっている。

今現在の黒板の文字をノートに写し、

担任が新たに付け足すまで私は隼人を見ていた。

どうして見てるか

「__好きだから」

と表すしかない。

 黒板をチラリと見る彼の真剣な眼差し。

撫でてみたくなるような黒い髪。

昔から変わらない彼の性格。


私は鈴木 隼人の全てが好きだ。


 そう私の心が、体が、認識しているのだ。

 彼を見つめながら想っていると彼と目があった。

私は恥ずかしさを紛らわそうと隼人に微笑み手を振った。

 手を振り返され、私はますます顔が赤くなっていくのが分かった。

 私はこれ以上見つめ合っていると

頭が恥ずかしさで一杯になりそうで

取り合えず前に視線を向けた。

39:松潤LOVE♪:2013/06/28(金) 21:38 ID:qoc

ピュアだ!
ピュアなラブストーリーだ!!

40:若葉:2013/06/28(金) 22:08 ID:V6o

>>39ピュアを目指すよーw
コメントある(り)がとん

__三時間目の終わりを告げる鐘が鳴った。

休み時間は十分。

皆は友人の席に行ったり、喋ったりしている。

 私は長いようで短い十分を

小説で潰そうと押し花の栞(シオリ)が挟んであるページを開いた。

 読んで約二分の事だった。

ひょいっと小説が取られた。

 誰だと思い顔を見ると泉だった。

「読書ばっかしないで喋ろう? 」

 サイドテールで纏めてある黒髪を揺らして泉は私ににっと笑った。

「私と話しても何も面白くないから」

 私は早く小説が読みたかったので短く終わるように仕向けた。

そうすると泉は、

「分からないよ? 」

 と言い私に小説を軽く投げた。

そして泉は自分の席に戻っていった。

41:若葉:2013/06/29(土) 00:38 ID:V6o

 恋人らしい事は一切なく

あっという間に学校が終わり帰りの会が始まった。

 短い五分の帰りの会。

そんな時に紙が私に回ってきた。

紙を見ると水佳へと書いてあったので開くと

「一緒に帰ろう」

 という文が書いてあった。

私はそれを見てクスッと笑い、筆箱から赤色のペンで

「いいよ」

 と書いて隼人に回した。

 回ったときの隼人の嬉しそうな笑顔が愛らしくて、

その笑顔を独り占めしたい

という欲求まで心に芽生えた。

__人を好きになること。

 それは今まで雑草の様な人生を

桜のように華やかな人生に変える

第一歩だと私は思った。

〜水佳サイド〜OFF

42:あずき ◆kSp2:2013/06/29(土) 12:17 ID:3eA


|・ω・`)オジャマシマース…

こういうストーリー好きです!!
これからも、読ませてもらいます^^*

43:若葉:2013/06/29(土) 13:12 ID:V6o

>>42本当ですか!?ありがとうございます!


〜隼人サイド〜ON

 俺にとってはいつも短い五分間の帰りの会。

今では、長く感じる五分間。

それは__水佳と一緒に帰る時が待ち遠しいからだ。

 やっとの事で終わった帰りの会。

俺は急ぎ足で水佳の机へと向かった。

 水佳は

「焦らないでゆっくり行こう? 」

 とクスッと笑って俺の手をきゅっと握った。

俺は水佳の行動に照れつつも

「分かってる」

 と返事して約十分の通学路に向かおうと俺達は長い階段を下り

桜並木がある道へと歩んだ。

 俺たち以外に誰もいない沈黙で溢れる通学路。

そんなときに、桜の花弁がその桜のように美しい水佳の髪に乗る。

44:あずき ◆kSp2:2013/06/29(土) 13:25 ID:3eA

ピュア(〃ノ∀`〃)

:若葉s

呼びタメOKです(^^*)

45:若葉:2013/06/29(土) 14:21 ID:V6o

>>44へい!まいどあり!

〜水佳サイド〜ON

 桜が吹く道を歩んでいると隼人が私の髪に触れた。

「桜が付いてる・・・・」

 私はありがとうと言って少し俯(ウツ)むいた。

髪に触れられて変な勘違いした自分が恥ずかしいからだ。

「水佳・・・・どうした? 」

 隼人は俯く私の顔を下から覗き込んで私に問いた。

顔が真っ赤になってるのが分かったのか隼人は

「あっ・・・・ごめん」

 と私と同じ様に顔を赤らめて言った。

この会話だけで終わった通学路。

 私には離れたくないという執着心が心に芽生えた。

その執着心が体を支配して私は__隼人の唇に自分の唇を重ねてしまった。

46:松潤LOVE♪:2013/06/29(土) 15:13 ID:qoc

っっっ!まじすか!!!
やっぱり若葉はすごいZ 天才でチュー☆

47:若葉:2013/06/29(土) 15:32 ID:V6o

>>46違うでチュー!

柔らかくて温かくて、ミントの様な匂いが口全体へじわりと広がる。

 私は離れようとして後ろへ下がると

顔を温かく大きな手で押さえられ口がまた重なった。

「こういうのは男の仕事だっての」

 ニコッと笑い私の髪をクシャッと撫でて隼人は言った。

「水佳、好きだぞ」

「うん・・・・」

 この言葉を交わして隼人は家へ戻っていった。

48:松潤LOVE♪:2013/06/29(土) 15:39 ID:qoc

キュンキュンする〜〜!!

49:若葉:2013/06/29(土) 16:20 ID:V6o

 家へ戻り、部屋へ入ると

蒸し暑い空気が私を包む様に襲った。

「暑い・・・・」

 私は、そう呟きつつも

机の棚に押し込まれている団扇(ウチワ)を

 取りだしベッドに座り自分を扇(アオ)いだ。

「姉ちゃんただいま! 遊びに行ってくる! 」

 弟の夕人が学校から帰ってきたらしく

私の部屋のドアを急いで開けて

 ドアを開けっぱなしにして夕人は自分の部屋へと向かっていった。

 私は夕人が閉め忘れたドアを閉め、鞄からA4のクリアファイルを取りだし、手紙を見た。

すると手紙の中から『部活動を始めよう!』というキャッチコピーの紙が現れた。

「部活か・・・・美術かな」

 私はそう呟きその手紙をクシャッと丸めてゴミ箱へ放り投げた。

大分涼んだ所で私は携帯を手に取った。

 携帯をいじってると、一通のメールが受信された。

「部活何にする? 俺は美術」

 偶然にも同じらしく私は驚き急いで文字を打った。

「私も美術かな」

 送信ボタンを押し、携帯をパタリと閉じて

私は宿題を鞄から抜き取り、机の上へ雑に置いて取り組んだ。

50:若葉 ◆cmNw:2013/06/29(土) 17:57 ID:V6o

 静かな部屋に煩い携帯のメール受信音が響いた。

携帯のメールボックスを見ると

一件の新着メールがあった。

送信者は隼人だ。

 ドキドキしつつ内容を見ると

「そっか、んじゃ明日職員室に一緒に入部届貰おうぜ」

 私は宿題を一旦止めて、こう文字を打った。

「いいよーじゃ明日ね」

 部活・・・・か余り好きじゃない響きだが隼人が居るなら・・・・・・。

私はそう思いながら送信ボタンを押した。

〜水佳サイド〜OFF

〜隼人サイド〜ON

 水佳とメールで約束をして俺は

宿題を約五分程度で終わらせて

 自分の部屋にあるパソコンで無料サイトのゲームで約三時間暇を潰していた。

時計を見てみると夜九時過ぎだった。

「暇だ」

 ゲームにも飽きた頃に俺はこう呟いた。

だがここは俺の部屋なので

俺以外に誰もいるはずないので

呟いた言葉がポツリと悲しく感じる。

 俺はパソコンをシャットダウンして

ベッドに寝転がりウォークマンで

音楽を聴いていた。

 そのうちに眠くなり起きたのが朝六時四十分過ぎごろだった。

 俺は、急いで一階へ行って目の前のあるスーパーのメロンパンを頬張った。

そして食べ終わったら顔洗って歯磨きして制服を着た。

 そして、時間割表を見て急いで教材を突っ込み

鞄を持ってローファを履いて、玄関から出た。

__出た先には水佳がいた。

「ゴメン待たせて」

「いいよ全然ほらいこう? 」

 水佳はそういい、俺の腕を引っ張って学校へ歩み出した。

51:若葉 ◆cmNw:2013/06/29(土) 21:51 ID:V6o

〜隼人サイド〜OFF

〜水佳サイド〜ON 
教室へ着いて、席へ座った。

だが皆の視線が冷たい。

気のせいかと思って机の中を見たら

 昨日机の中に置いた、筆箱のシャーペンが折れてる状態で出されていた。

クスクスと聞こえる気味の悪い笑い声。

それはまさしく、美枝の声で

 私は美枝の席に行って

「調子乗んないで」

 と言い、美枝の頬に平手打ちをした。

「言っとくけどあたしは、教育委員長の孫よ? 」

怒りに満ちた美枝の目は哀れだと思った。

自分があからさまに悪いのに気づかないんだもの。

「どうしたそれが? 
 祖父の権利を自分の権利みたいに自慢しないでくれる? 」

 私と美枝しか聞こえない教室の中に甲高い泉の声が響く。

「君らも何か言ったら? 」

 私は美枝の取り巻きを指差した。

その取り巻きは小学校時代皆美枝にいじめられた奴で

いじめられたくないから取り巻きになったらしい。

「だって・・・・本当の友達なんかじゃないんでしょ? 
 上っ面だけの付き合いで」

 私の質問を泉が更に厳しくして取り巻きに問う。

52:若葉 ◆cmNw:2013/06/29(土) 22:13 ID:V6o

「友達だよ! 取り巻きじゃ……「言い返せないんでしょ? 弱いから」

 隼人は冷たい静かな声で笑い言った。

「そんな奴と居るといつまでも
 ソイツに操られたまんまだよ? 」

 隼人は美枝を指差してニヤッと悪どい笑いを浮かべて言った。

取り巻きの文月 爽(フミツキ サヤ)は美枝の元から離れて私の後ろへついた。

 そして、残り三人の取り巻き、

西田 冷夏(ニシダ レイカ)、門真 茜(カドマ アカネ)、

月下 華代(ツキモト カヨ)と続き私の方へとやって来た。

そして泉は

「これでアンタは独りぼっち」

 とニヤリと笑った。

53:若葉:2013/06/29(土) 23:27 ID:V6o

 ケタケタと狂った様に笑う泉。

「君は弱虫だ。誰かと居ないと何にも出来ない意気地なしで弱虫」

 私はそう美枝に吐き捨て、席へ戻っていった。

〜水佳サイド〜OFF

〜隼人サイド〜ON

 
 俺は決めた。

__俺の一生を掛けて水佳を守り貫いてやる。

美枝なんかに、水佳を傷つけさせない。

 なぜそう誓ったか・・・・

それは、水佳がたった今俺の目の前で涙を流しているからだ。

__水佳の幸せは俺にとって幸せ。

54:若葉 ◆cmNw:2013/06/30(日) 01:12 ID:V6o

 目が回るような午前の授業が終わって昼休みになった。

「水佳! 入部届! 出しにいこう」

「あ、うん! 」

 私はいつものように小説……推理小説を読んでいて、

読みかけのページに押し花の栞を挟んで

私は本をほったらかしにして隼人と共に職員室へ足を向けた。

 私らのクラスから職員室までは近く目と鼻の先に職員室がある。

私は咳払いをし、声を整えてからドアを開けて

「失礼します。一の三の山野水佳です」「鈴木 隼人です」
「あの……美術担当の
 安藤 恭子(アンドウ キョウコ)
 先生はいらっしゃいますでしょうか」

 職員室から見た目的には二十代の女性が現れた。

「何でしょうか」

 私らは入部届けですと一言言い、安藤に渡した。

「はい。確かに受けとりました。
 もう行って良いですよ」

 そう安藤は言ってドアをゆっくりと閉めた。

私らは職員室に背を向けて教室へ足を傾けた。

55:若葉 ◆cmNw:2013/06/30(日) 14:52 ID:V6o

〜水佳サイド〜OFF

〜隼人サイド〜ON

 入部届も届けて俺らは教室に戻った。

さっきと同じざわざわと会話が煩い光景が目に入る。

 水佳は席につき、読書を再開していた。

俺はやることも無いので水佳と同様に小説を読んでいた。

 昼休み終了の鐘がなり、続々と皆が自分の席に戻っていく。

約一分後に、担任の水無月は次の授業の教科書を持ち俺達の前に現れた。

「はい、日直さんどうぞ」

 水無月の声の数秒後日直の河園 裕也(カワゾノ ユウヤ)の

気だるそうな号令がかかり、皆はダラダラと席から立つ。

 号令が終わると皆は席につき、水無月の方へ視線を向けた。

「はい、では教科書十二ページ開いて下さい__」

 水無月は授業を始めて俺はそんな水無月の話も聞かずに

ボーッと目が可笑しくなるぐらいに水佳を見つめていた。

水佳は真剣に水無月の話を聞き、

黒板のをノートに写す作業に入っていた。

 俺も成績が下がらないようにノートをとった。

書いていても何があったかはさっぱり分からず

少しでも印象を良くし、成績を上がらせようと

水無月の方へ視線を向けた。

56:若葉 ◆cmNw:2013/06/30(日) 15:04 ID:V6o

 そんなこんなで一日は終わって

昨日の様に水佳と一緒に帰る事になった。

「水佳行こうぜ」

「ちょっと待って……ほらこれ」

 俺ら以外に誰も居ない夕日が差し込む教室に水佳の照れた表情が

逆光により薄暗く見える。

「誕生日・・・・でしょ? 」

「・・・・・・覚えてくれてたんだ」

水佳は、俺に淡い青色の小さめの紙袋を渡した。

 中を見ると、クッキーが入っていた。

「こんなのでごめんね? 」

 水佳は上目使いで俺を見る。

俺はクッキーを一枚手に取り食べた。

「美味しいよ。ありがとう」

「そう・・・・・・・・良かった」

 安心したかの様にフッと水佳は微笑んだ。

それが可愛くて俺は耐えられなくなり

__ギュッと水佳を抱き締めた。

57:若葉 ◆cmNw hoge:2013/06/30(日) 22:31 ID:V6o

〜隼人サイド〜OFF

〜水佳サイド〜ON

 急に温かく、ミントの様な匂いが鼻を撫でるように通る。

それと同時に桜の花弁がヒラヒラと可憐に落ちていく。

「離して・・・・」

 私がそういうと

「嫌だ」
 
 と笑いながら隼人は答えた。

「バーカ」

 私はそういって、隼人が力を弱めた隙に離れ、口を重ねた。

「・・・・大好き。バカなんて嘘だよ? 」

 私は笑顔を作ってそういった。

そしたら、体がすっと持ち上がって

 予想外のことに驚き私は隼人の肩をギュッと掴んだ。

「可愛いから罰ゲーム」

 そう私に隼人は言って家の前まで送られた。

58:若葉 ◆cmNw:2013/06/30(日) 22:44 ID:V6o

 家に着いた後も体が焼けるように熱くて

私は先に帰ってきている

 弟の夕人にバレないようにササッと

急ぎ足で自分の部屋へ向かいドアを勢いよく開けた。

 熱い私を迎え入れたのはいつもの蒸し暑い空気だった。

「今日も暑い・・・・。シャワー浴びてこよ」

 私は鞄を床へ雑に置き、

タンスから下着、濃い緑の半袖ジャージを用意して一階にある風呂場まで急いで行った。

 幸い、誰にも使用されておらず私はシャワーを浴びた。

「サッパリしたー」

 私はシャワー浴び終わって部屋に戻った。

「暑いなーここエアコン・・・・やっぱやめとこう」

 私がエアコンを付けなかったのは

父が必死でかき集めた金を無駄遣いしたくなかったからであった。

 私は髪を一つに束ね、宿題を机に置き暇だったので終わらせた。

やることも無かった私はベッドへ身を投げ捨て

隼人に電話を掛けようと、ミニテーブルに置いてある携帯を手に取った。

 通話ボタンを勇気を振り絞って押した。

59:蝶 :2013/07/01(月) 16:06 ID:.qQ

こういう話好き
続き楽しみにしてます

60:若葉 ◆7Szo:2013/07/01(月) 16:57 ID:V6o

>>59ありがとうございます!期待に添えるよう頑張ります!

 携帯を押し付けている右耳にプルルルという呼び出し音が聞こえる。

数秒たったあと聞こえたのはいつも聞く隼人の声。

「どうした水佳? 」

 ちょっと心配そうな隼人の声が聞こえた。

私は理由を聞かれ、戸惑いつつも応答した。

「隼人の声聞かないと何か落ち着かなくてさ・・・・」

「姉ちゃん電話貸して! 」

 いつの間にか夕人が私の部屋のいた事にとても驚いた。

「どうして居るのよ・・・・! 」

「お兄ちゃんの声がするんだもん」

 お兄ちゃんというのは隼人の事で昔何回か遊んだことはある。

だが、何回か遊んだだけなのによく覚えていられたなと私は感心した。

「今、夕人が変われ変われ煩いから夕人に変わるね」

 私はそう隼人に一言言い、夕人に携帯を渡した。

邪魔しちゃいけないと私は思い、

勉強机の付属の椅子にゲーム機を持っていきしばらく時間を潰した。

61:若葉 ◆cmNw:2013/07/01(月) 18:39 ID:V6o

 私は余りにも夕人の電話が長いので

「夕人携帯返してー」

 と呼び掛けた。

夕人は

「姉ちゃんが返せって言ってるからまたね! 」

 と言って、私に携帯を渡して夕人はそっとドアを閉め、自分の部屋へ戻っていった。

「ごめん・・・・俺がもっと早く切り出せば良かったな」

「ううん隼人は謝んなくていいよ。
 悪いのは夕人だしさ」

 そこから約十分程隼人と電話で話した。

十分なのに一時間ぐらい話してるみたいにゆっくりと感じる。

「じゃあ俺勉強あるからさ
 またメールで」

「じゃあねー」

 私はそう言って切を押した。

さっきまで楽しい空間が一気に寂しい空間になった。

「寂しい・・・・な」

 私はそういって、閉じた状態のゲーム機を手に取りゲームを再開した。

62:松潤LOVE♪:2013/07/01(月) 20:44 ID:qoc

父が必死でかき集めたお金ってことは、
もしかして父子家庭なのかな?
だとしたら、きっと苦労してるんだね。

63:若葉 ◆cmNw:2013/07/02(火) 18:37 ID:V6o

 かれこれゲームで四、五時間は経った。

ゲームを休憩を挟まずにやっていた為か頭痛が私を襲う。

 私は数メートル先にあるベッドへフラフラとしながらベッドに身を投げ捨てた。

今は何時だろうと私はベッドの隣にある

ミニテーブルの上に置いてある時計を見た。

 時計は午後十時過ぎを指している。

頭痛と共に眠気も襲い私は夕飯のコンビニ弁当を食べずにその日は寝てしまった。

 起きると朝の六時を指している。

私はベッドから体をおこし、制服を白いクローゼットから抜き出し着替えた。

着替えたあとに一階のリビングに行き昨日のコンビニ弁当を食べた。

 味は__愛のない機械で作られた寂しい味。

 お母さんが生きていれば・・・・こんなの食べないで済んだのかな・・・・・・。

私は涙を堪(コラ)え愛のない温かくない美味しくない弁当を必死に食べた。

64:若葉:2013/07/02(火) 20:32 ID:V6o

 身支度も終わり私はもう今にも玄関から出ようとした。

「行ってきます・・・・」

 私はそう誰もいない我が家に言い残し、学校へ隼人と向かった。

教室へ着き、準備は終わって読書をしていた。

そんなときに、泉から

「水佳ー美術部部長さんからご用件みたい」

「そう、ありがとう・・・・」

 私は静かに席を離れ私を手招きしている部長の方へ向かった。

部長は肩ぐらいまでの黒い髪に凛とした顔も整っていた。

「部長の、二年四組神奈月 夏乃(カンナヅキ ナツノ)よ
 今日から部活だから
 この階の西にある美術室に、
 放課後来て頂戴と他の部員にも伝えといて」

「はい」と私はいい、夏乃は「じゃ」
と行って走ってどこかへ行った。

65:若葉:2013/07/02(火) 21:04 ID:V6o

「うわっあの人超美人・・・・」

 隼人がそう言った。

「もう知らないあの人と付き合えば? 」

 私はそのあと、図書室に隼人と一緒に行くことにした。

途中まで部長の話をして今こんな会話が飛び交っている。

「・・・・・・水佳が好きに決まってるよ」

__隼人は私にそう言って私の額に口を付けた。

「馬鹿」

 私は顔を赤くさせて隼人を少しに睨んだ。

「やっぱり水佳の方が可愛いな」

 隼人は私の手をギュッと握って図書室までそのまま行った。

66:若:2013/07/03(水) 07:26 ID:V6o

「で、今日は何で来たの? 」

「この間決めた美術部の部屋までの地図がここにあるから確認よ」

 私はそう言って、壁に張ってある大きなめな地図を指差した。

「俺他の部員三人呼んでくる! 
 確か漣 海果(サザナミ ウミカ)と
 木田 勇斗(キダ ユウト)と菊地 綾(キクチ アヤ)だよな! 」

 そう言って図書室から飛び出した。

67:若葉:2013/07/03(水) 17:14 ID:V6o

〜水佳サイド〜OFF

〜隼人サイド〜ON

 俺は水佳を置いて一人で教室に美術部部員を呼びに来ていた。

「美術部の部員来い! 」

 ドアの近くで俺はそう叫んだ。

そうしたら美男美女の三名が俺の元へ来た。

「木田 勇斗だ。」

「漣 海花・・・・」

「菊地綾です」

 美男美女・・・・詳しく容姿を言うと

綾はウェーブの肩までの栗毛色の髪で目が大きくて美しいよりか可愛らしい。

それと反対に海花は肩までの黒い髪に大人っぽい顔付き。

勇斗は、茶髪で少し黒い肌。イケメンと言われるタイプだ。

「今日から部活だ。
 部長からの話もあるけどここだと煩くて
 聞こえなさそうだから場所を図書室に変えよう」

 俺はそう言って皆で図書室まで横一列に並んで行った。

68:若葉:2013/07/03(水) 18:58 ID:V6o

 約、

「部長・・・・!? 」

「部長を置いて会議はズルいよ? 」

 部長はニカッと笑った。

それよりもどうして場所まで知ってるのかが怖い。

「部長はどうしてここで会議するの知ってるんですか? 」

 海果は俺の言いたい事を先に言った。

「ああー海果……海ちゃん? 
 それは、水ちゃんと隼人くんが図書室行くとき後ろで尾行してたのよ」

 水佳は部長の発言に呆れている。

当然だろう。

先輩なのに後輩をつけるなんて・・・・。

 部長は図書室の椅子に座り俺らも座った。

部長は

「・・・・それでは、第一回美術部部活動会議を始める」

 部長はそういい、ちょっと咳払いをした。

 

69:若葉(訂正):2013/07/03(水) 19:22 ID:V6o

約、三分立って俺らは図書室に入った。

だが、目の前にはさっきまで居なかった部長が水佳の隣に立っていた。

 俺は驚きこう部長に言った。

これを>>68の「部長・・・・!?」の前に入れてお読みください。

あと漣 海果が海花になってました。

正しいのは海果です。

70:若葉:2013/07/03(水) 19:29 ID:V6o

>>69は経ってです。

「あー部長の神無月です。
 新入生は二年間宜しく。
 副部長のえっと、山野 水佳ちゃんに説明を」

 部長はそういって、机に足を乗っけた。

水佳は突然副部長と言われたのかかなり戸惑っている。

「えっと・・・・んじゃ部長に代わり説明させていただきます本日からの美術部集合場所は____」

 と水佳はさっき部長から簡単に説明された事を話した。

「はーいありがとさんではこれで第一回美術部部活動会議を終了とする。
 解散! 」

 部長はそう言い残し足早にどっか行ってしまった。

俺達も教室に一緒に戻り、残り五分の休み時間を過ごした。

71:若葉:2013/07/03(水) 21:48 ID:V6o

〜第一章〜 始まり END

〜第二章〜 希望の裏 START

〜水佳サイド〜ON

__五分休みも過ぎて、いよいよ部活が始まった。

私達美術部員は、美術室に入った。

 目の前には美術部とは思えない光景が広がる。

ソファーに低めのテーブル、一番奥の方にはステンドグラスの窓。

そしてステンドグラスの手前には革製のイスと照らされているツヤツヤな机。

その側には漫画の本棚や冷蔵庫。

テレビも本棚の近くに置いてある。

本棚の上にはゲームやソフトが乗っている。

もうこれは部室じゃない。

 私は本当に美術室なのか疑った。

「わっ・・・・・・! 」

 後ろからそう言われて振り返ると部長が「わ」の口のまま私を見ている。

「・・・・ようこそ美術部へ! 」

 咳払いして部長は言った。

「あの・・・・ここ絶対に美術の部屋ですか? 」

「そうだけど? 授業で使うのは皆の想像通りの第一美術室。
 ここはそうね・・・・第二美術室よりも
 遊びの為にある部屋でこの美術部も遊びのためよ」

 顧問の安藤はソファーで寛(クツロ)いでいる。

「あーお茶出して喉乾いたわ」

 安藤は私を指差した。

私は面倒くさいと思いながら冷蔵庫らしき所から缶ジュースを取りだし、安藤に投げた。

 カシュッと缶ジュースは音をたてグビッという音が聞こえる。

 皆の分も私が持ってきて全員に投げた。

「あー部活の内容は『楽しく』ね」

 安藤はジュースを片手に持ってやる気ない声で言う。

皆は、それぞれ行動し私はゲームを選んだ。

72:松潤LOVE♪:2013/07/04(木) 17:13 ID:qoc

美術部じゃないのかよ!

73:若葉:2013/07/04(木) 21:59 ID:V6o

 部活終了の鐘が部室に響いた。

なり終わったと同時に顧問の安藤は

「解散しろー」

 と言い、部長は一番早く鞄を持っていき廊下を駆け抜けていった。

私たちもそれに続くように続々と鞄を持って、学校から出た。

 私と隼人はいつものように、二人で帰っていた。

隼人は

「__でさ幸助がさ」

 幸助とは、隼人の親友で荻原 幸助(オギハラ コウスケ)二人が小学校でもじゃれあってるのはよく見る光景だった。

「へぇー」

 と私は笑顔で隼人の話を聞く__。

これが幸せだとは私は気付かなかっただろう。

でも気付くのは次の瞬間。

 後ろから鳴り止まないクラクションに私が振り返る。

隼人の後ろにはトラックがある。

「危ない隼人・・・・・・・・! 」

 私がそう忠告した。

でも時は既に遅く、ガンッと聞きたくもない音が無理矢理私の耳へ通った。

 トラックは隼人を跳ねて二、三秒で止まった。

急いで、隼人の元へ行くと

さっきの暖かみのある笑顔の欠片もない表情に

____赤い赤い・・・・液が滴る。

 私は声を掛けるよりも、先に携帯を握っていた。

掛けた先は、病院__。

 その次に私は見たこともない指の動きで隼人の家に電話を掛けた。

74:松潤LOVE♪:2013/07/05(金) 17:55 ID:qoc

隼人、死ん……だ?

75:若葉:2013/07/05(金) 19:37 ID:V6o

 救急車がやっと来て、私も隼人の家族一緒に乗った。

「水ちゃん大丈夫よきっと・・・・」

 隼人のお母さんが私の背中を擦った。

近くの病院に着き、隼人は手術中だから私は隼人のお母さんに

「手術終わったら連絡下さい! 」

 と行って自分の家へ一旦帰り宿題や夕飯を弟の夕人共に作った。

何をするにも隼人の事ばかりで

__隼人が消えてしまうのが、居なくなるのが恐かった。

76:若葉:2013/07/05(金) 20:07 ID:V6o

 いつ電話が掛かっても良いように私は携帯を制服のポケットに入れていた。

その携帯が夕食の最中に鳴った。

 震えた手を押さえるようにギュッと強く携帯を握り、

緊張しながら通話ボタンを押した。

「・・・・水佳ちゃん? 隼人の母よ
 もう手術は終わって今
 隼人の病室の四〇一号室にいるわ
 隼人の側にいてあげて・・・・」

 隼人のお母さん・・・・が涙声で言っている。

「分かりました。急いで向かいます」

 私は、夕食を放って、

ポケットから自転車の鍵を抜いてガレージから

青い自転車を引っ張り出した。

午後九時の街灯で照らされる道を足が可笑しくなるぐらい走った。

 約自転車で十分の病院が三十分にも一時間にも感じた。

やっとの思いで病院に着き受付の人に

「あの! 四〇一号室はどこですか!? 」

「西側の階段を上った二階ですが・・・・」

 私は走って、病室へ向かった。

汗とか疲れとかを吹っ切る様に私は走った。

 気がつくと四〇一号室の札がある扉の前で自分が止まっていて、

私は病室のドアをそっと開けた。

「隼人・・・・」

 見えたのは穏やかな顔で眠る隼人。

ベッドの横にある小さなテーブルに隼人の鞄と写真らしき紙が置いてあった。

 手に取ると、それは

__幼い時の私と隼人の写真だった。

ああ、そっか・・・・私は・・・・・・・忘れ去られてないんだ。

 写真を見つめると視界が歪み、写真に涙が垂れた。

77:若葉:2013/07/05(金) 20:28 ID:V6o

〜第二章〜 希望の裏 END

〜第三章〜 涙と希望の日々 START

 月光と星にに照らされる彼の顔は、

窓から見える桜の花弁の様に美しかった。

「起きて・・・・? 独りはもう沢山よ・・・・・・」

 私が隼人の手をそっと握った。

ふと窓を見ると、風でカーテンが揺れて

一緒に桜が私の制服の袖へと付いた。

 そんな時に、ノック音が静かな病室に響いた。

「面接時間は終了です」

 冷たいナースの声が耳へ通る。

私は荷物を持って、うつ向いて

走って病院から出た。

78:若葉:2013/07/05(金) 22:48 ID:V6o

 自転車を必死に何も考えずに漕いでるのに、

溢れるのは全て『涙』だった。

 途中から雨が降り、雨が制服を少しずつじわりと滲む様に雨は制服に染み込む。

それに伴い、涙が視界を歪ませる。

往路よりは、時間は短く感じられた。

 でも復路で『時間』より重たい“モノ”を私は背負っている。

それは____『悲しみ』

 幼少時代の母を失った苦い、悲しい思い出が頭を駆け巡った。

__優しくて大好きなお母さん。

そして母のように優しくて大好きな隼人。

大切な人をもう・・・・失いたくないんだ。

 家へ戻ると夕人が

「・・・・姉ちゃん!? タオルで拭きなよ」

 そう言って、私にタオルを渡した。

私はそのタオルに顔を埋めて泣いた。

__泣き崩れるしか今は道が無いんだ。

隼人の目が覚めたらきちんと笑顔で居るから・・・・。

だから今は泣かせて・・・・・・?

79:若葉:2013/07/06(土) 09:18 ID:V6o

 少し落ち着き、私は部屋へ戻って着替えた。

いつもの蒸し暑い部屋が私を迎える。

幸いにも金曜日だったから制服は何とか洗って乾きそうだった。

 いつもの緑の半袖ジャージに着替え、ベッドへ寝転がった。

「寂しい・・・・な」

 呟いても何も返されず虚しいだけだった。

この家は何も変わったことが無いのに

心のどこかが寂しいとそう・・・・感じた。

 隼人が、生きて帰って来ますように・・・・

私はそう願って朝まで深く眠った。

80:若葉:2013/07/06(土) 09:33 ID:V6o

 朝起きて隣の目覚まし時計を見ると八時半だった。

私は鉛の様に重たい体を起き上がらせ、ふと窓を見た。

 窓には桜が散っていくのと澄みきった青い美しい空に

レースのカーテンから漏れてくる春の日差し。

 私は、一階へ行き、朝食を一人で作り作り終わった後は

二階へまた登り夕人を起こして姉弟で一緒に朝食を取った。

私は、食べ終わったら直ぐに顔洗って歯を磨き、

二階の自分の部屋へ上がった。

 そしてクローゼットから、淡い緑の半袖ワンピースを手にとって

髪をブラシでといて、隼人のいる病院へと向かった。

81:*若葉* ◆laVU:2013/07/06(土) 12:56 ID:V6o

 病室へ着くと、昨日と同じように隼人は静かに眠っていた。

「隼人・・・・・・」

 私はそう呟き彼の黒い髪をそっと手のひらで撫でた。

「早く戻って来て・・・・? 」

 消えないで__

私はその言葉を願うばかりだった。

私は隼人の手をぎゅっと握った。

 涙がじわりと出る。

いくらハンカチで拭ってもじわじわと

視界が歪み、涙が頬を伝っていく。

 そんな涙を乾かすかの様に窓から優しい風が吹く。

「死ぬなよ・・・・・・?
 そんなの嫌だから・・・・」

 私はそう隼人に呼び掛けた。

でも当然の如く返事は来ない。

もう帰ろうかと思って立った時、

腕を掴まれた。

 振り返ると隼人が

「行くなよ」

 と言った。

「うん」

 私はこう答え、起き上がった隼人を抱き締めた。

82:*若葉* ◆laVU:2013/07/06(土) 13:06 ID:V6o

「ごめんな心配掛けて」

 隼人は、優しい笑顔で私にこう言った。

「大丈夫だよ・・・・・・・・それよりも生きてて良かった」

 私も笑顔で答えた。

そこに、若くて長い黒髪を揺らした凛とした顔つきの女医が来て

「体調も良好みたいなので鈴木さんはあと一週間で退院できますよ」

 と言った。

私はその言葉に涙を流した。

__さっきとは違う、安心という涙を。

83:若葉:2013/07/06(土) 17:10 ID:V6o

 その日から私は一週間毎日暇なときに隼人の病室へ向かった。

今日もそうだ。

だがいつもと違うのは私と隼人のもう一人の幼馴染みの

笹野 春美 (ササノ ハルミ)と隼人の親友の幸助が一緒に来たことだ。

 私は病室の白いスライド式のドアをゆっくりと開けて病室へ入った。

私は隼人のベッド横の緑の丸い椅子に座った。

 私は隼人に、果物を、春美は花束を、幸助は漫画を持ってきていた。

私たちはそれぞれに隼人に渡した。

隼人は皆に

「来てくれてあと、こんなものまでありがとな」

 と笑っていった。

「何言ってるんだよーこのこの!」

 幸助は肘で軽くつっつき、隼人は何するんだよーと笑って答えていた。

私と春美はそんな様子を暖かい目で見ていた。

84:若葉:2013/07/07(日) 13:58 ID:V6o

 そんな一週間が過ぎていき隼人が二時限目でやっと学校へ来た。

ガララとなる教室のドア。

その時誰よりも早く視線を向けたのは私だろう。

 担任の水無月は

「あら、鈴木くん退院おめでとう」

 と言い、授業を進めていた。

隼人の近くの席の友人たちは皆笑顔で

「来るのおせーぞ」

 とか言っていた。

二時限目も終わり長い二十分の業間休みが来た。

 私はいつもを装う様に推理小説を読んでいた。

そんなときに隼人が

「本ばっか読んでないで部室行こうぜ? 」

 と本を取り上げた。

85:若葉:2013/07/07(日) 16:52 ID:V6o

 隼人に強引に腕を引っ張られそれと共に体も引っ張られる。

着いた先のドアには第二美術室と書いてある表だけの札がある。

 隼人はドアノブを握ってそっと部室のドアを開けた。

〜水佳サイド〜OFF

〜隼人サイド〜ON

 ドアを開けると顧問の安藤と部長、美術部部員が居た。

俺らが最後らしく皆はこの間の様にゲームや、漫画を読んだりしていた。

86:若葉:2013/07/07(日) 17:13 ID:V6o

 やっと気がついたのか部長は

「遅い! 」

 と頬を膨らませて言った。

俺は

「すみませんねー」

 といって、水佳と共に部室の革製の茶色いソファーに座った。

 水佳はため息をついて、部長に

「あの・・・・ゲーム等以外にも
 活動しましょうよ・・・・・・・・
 もうすぐ春の文化祭ですよ? 」

 そう、俺らの中学は季節ごとに一回文化祭がある。

今月末に春の文化祭がある。

 春の文化祭では、各部活動をPRするという内容であった。

 今頃他の部活では文化祭の準備をしているだろう。

だが、この部だけは何もしていない。

 部長は面倒臭そうにこう答えた。

「あー水佳ちゃん、貴女に任せとくわ」

 水佳が呆れているときに一人、水佳達とは違う声が聞こえた。

「あの・・・・
 メイド喫茶しません? 」

 その声の持ち主は菊地 綾だった。

87:若葉:2013/07/07(日) 17:22 ID:V6o

 その内容に皆驚き一気に綾の方へ視線が集まる。

「良いんじゃない? 
 『PRをする』だから
 どんな形でも例えメイド喫茶でもさ」

 勇斗はPSPをやりながら言った。

部長も立ち上がって机を叩いて

「メイド喫茶で良いよね!
 良いですよね! 安藤先生? 」

 目を輝かせながら言った。

顧問の安藤は「良いんじゃないの?」

と適当に言っている。

 部長は咳払いをしてこう述べた。

「では、女はメイド! 男は執事だ!
 衣装は私が持っているので何時でも来なさい。 
 では鐘も鳴りそうだし解散! 」

 その声を聞き皆は一斉に散らばった。

88:若葉 ◆7Szo:2013/07/09(火) 18:00 ID:V6o

〜水佳サイド〜ON
 それからはあっという間に文化祭当日になった。

私達美術部は第二美術室でメイド喫茶をすることになった。

私は昨日徹夜で久々に家族皆で作ったクッキーを白い皿に並べて

冷蔵庫の中を覗いてアイスティーの在庫をチェックしていた。

その他の皆は雰囲気作りに掃除や家具を変えたり

忙しそうにそれぞれメイド服や執事服を来て働いている。

 時が流れオープン時間の午前の十時になった。

開始十分程度しか経って無いのに人二、三十人は来ている。

 部長はいかにも作り笑いと言う表情で接客している。

部長は表情からするとあまりこう言うのは好きじゃないみたいだった。


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