委員会戦争

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1:大工 ◆IIII:2013/07/08(月) 16:16 ID:J.Y

ここは生徒の自立を理念とし、大いに奨励する中学校、『海原中学校』である。
主に8つの『委員会』と呼ばれる生徒の自治組織から成り立つ海原中学校には、昨年度からとある実験的な制度が導入された。
それは各委員会の成果を点数化し、1位から8位まで順位付けするという制度だ。
さらに、その点数及び順位次第では、委員達は高校受験において大きな優遇を得ることができる。
その優遇を巡り、8つの委員会間には競争意識が生まれた。

その制度の名を『委員会戦争』……

2:大工 ◆IIII:2013/07/08(月) 17:01 ID:J.Y

初夏、朝、まだ涼しい風が品やかに吹く頃。
今日も海原市の中央部にある海原中学校は、賑やかに登校する生徒を迎え入れている。

【3年A組】

3年A組の教室では40人近くの生徒が談笑をしていた。
しかし、その中で山本和也は教室の自分の席に座り、未だかつてない焦燥に駆られている。
和也は今日の委員長会議で提出する活動報告書を書くのを完全に忘れてしまったのだ。
自慢では無いが、生徒の自立を重んじ、委員会の活動を最重視するこの学校では『委員長』は最高クラスの権力を誇る。
なんと和也は、先月の委員長選挙でそんな特別階級に選ばれていのであった。

しかし、高揚している場合ではない。事態は余りにも深刻だ。
8つの委員会の委員長8人が学校の自治について話し合う委員長会議で、低クオリティーの報告書など出せるものか。
そんなことをしてしまえば、我らが『広報委員会』は委員会戦争において絶望的な立ち位置に……

「おっ、もっさん!何してんの?」
「うおおおおおおおおおおおおっ」
「え?おい、何を書いてるんだ?」
「思い浮かばねええええええ」
「話聞けよ」

3:大工 ◆IIII:2013/07/08(月) 17:12 ID:J.Y

和也が鉛筆を手に悪戦苦闘していると、横には冷ややかな視線を投げかけてくる友人、沖田が立っていた。
ちなみに「もっさん」というのは 山本 という苗字が派生した和也のあだ名だ。

「お前のような変態に付き合っている暇なんて……」
「あ!これ委員長の活動報告書か!」

言うが早いか、沖田は和也の机の上から素早く報告書を抜き取っていた。
ヤバいと思った時にはもう遅く、沖田は報告書を音読し始める。

「『委員ですか委員ですか
こんなにのめり込んじゃって委員ですか
委員ですよ委員ですよ
あなたの選んだ人ならば あなたの選んだ道ならば』…………ってこれLEDWIMPSの新曲『委員ですか?』じゃねぇか!!」

ゲラゲラと笑い出す沖田に和也は腹を立てた。
和也なりに一生懸命考えた報告書なのだ。
悪ふざけなんて7割くらいしか入っていないというのに。


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