空っぽな感情

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1:咲良:2013/07/21(日) 20:58 ID:Ygw


プロローグ

私は感情も何も無いロボットの様。

何故私は車椅子が無いと動くことが出来ないの・・・?
何故私は声が出なくなったの・・・?

何故私は________・・・、



人を愛する気持ちが分からないの・・・?

2:咲良:2013/07/21(日) 21:17 ID:Ygw

*


カーテンから光が溢れる。
雀の鳴き声で目が覚めた。
ボーっと白い天井を見詰める。
しばらくするとお母さんの威勢の良い声が響いた。
「美紀、いつまで寝てるの!いい加減起きなさーい!」

全く、朝から勘弁して欲しい。
ブツブツ文句を言って階段を駆け下りる。


おっと、紹介し忘れた。
私、上條 美紀。
私は、普通の子じゃ無いんです。

実は・・・、

「姉貴ー何で声出ないの?」
「・・・・」
「なぁ、聞いてるのかよ姉貴」

無言のまま弟を見詰める。
お母さんが弟を睨む。

「志紀、その話しするなって何度も言ったでしょう」
「御免なさい・・・」


そう私は、声が出ない病気。
産まれた時、呼吸困難に陥った。
手術して成功した引き換えに声が出なくなった。

全く志紀ったら私の気に触る事ばっかり。
私は、お味噌汁をすすりながら弟を睨んだ。

3:咲良:2013/07/21(日) 21:24 ID:Ygw

「行ってらっしゃい」
「・・・」

私は、お母さんに背を向けて戸を開ける。
最近、私は体が思うように動かなくなった。
学校では車椅子が多い。
今日は、たまたま階段を早く下りれるくらいの元気があるけど・・・。
何で私って不自由なんだろう。
自由に成りたいな・・・。

風見たいに。
空見たいに。
月見たいに。

自由に成れれば人生お気楽だろうに。
と、時々馬鹿な妄想を繰り広げている。
時計の針を見ると、丁度8:00を差していた。

ヤバ・・・!!
今日は元気だから走れるかも!と思ったが走ろうとした瞬間一気に力が抜けた。
はぁ・・・。
私は仕方がなく、フラフラと歩いて登校した。

4:咲良:2013/07/22(月) 16:34 ID:Ygw

学校に着くと、一限目に入っていた。
あーあ・・・、完全に遅刻だ。
國村先生煩いんだなぁ・・・。
仕方がない、一人で操作すっか。
一人で車椅子に乗り操作した。
やりずらい・・・。

あっ・・・!
突然、ガタンッと揺れ落ちる。
ヤバイ・・・!誰か!


ドサッ!


「_______っ!」

目をそっと開けると、男子が下に居た。
もしかして・・・庇ってくれた?
私はとっさにペコリと御辞儀した。
男子はニコリと微笑んで車椅子を立て直してくれた。

「俺が操作するよ、ササッ乗った乗った」
私は返事が出来ないのでコクリと頷いた。
「何年生?」
どうしよう・・・答えられないよ。
あ、そうだ!

私は鞄からメモ用紙を取りだし書き始めた。

【一年六組です】
「そっか、じゃそこまで案内してあげる」
多分、私の事は知ってるのだろう。
何も不思議がらなかった。


*


「へぇ・・・、鍛冶屋 美紀って言うのか君」
コクリと再び頷く。
いつの間にか、もう教室だった。
「あ、もう着いたか・・・じゃね鍛冶屋さん」

そう言って彼は隣の五組へ入っていつた。
へぇー五組なんだ。

と、ぽけーっと思っただけだった。

5:咲良:2013/07/22(月) 16:41 ID:Ygw

ガラッ・・・
教室に入ると皆注目していた。
あ、ヤバイなぁ・・・。
國村先生が此方を睨んでる。
「鍛冶屋、今何時だと思ってる!!」
「・・・」
「はぁ・・・もう良い席に座れ」

声が出ないのですぐ諦めた先生。
それなら説教すんなよ。

すると、ヒソヒソ声が聞こえてきた。
「ズルいよねー声が出ない人って」
「國村って彼奴には優しいよね」
「ひいきでしょ完全にねぇ・・・」

聞こえてるし。
陰口じゃ無くて堂々と言って欲しい。
コソコソ隠れて言うなんて軟弱な野郎だな。

6:咲良:2013/07/22(月) 16:54 ID:Ygw

「じゃ、教科書のP73を開けー」
ヒソヒソしてた陰口集団は前を向いた。
ホッ・・・、


「美紀ぃ〜ここ分かんないよぉ」
【菜摘、自分で考えなよ】
「だってぇ、美紀頭良いんだもん」

この子は、橋床 菜摘。
唯一の友達・・・ううん、親友だ。
中学からの付き合いだが、一番仲が良い。
菜摘は、バスケは得意な癖に頭のレベルは下の下だ。

「ねーねー、國村って結婚してるんだって」
へぇ・・・あの國村がねぇ。
『コラ!授業中だぞ!』
「ひゃっ!すいませーん」

「ボサッとすんなよ、今日は小テストだぞ」


「えー」と文句を言う皆。
菜摘もゲンナリしている。

はぁ・・・小テストかぁ。
またお母さんに怒られる・・・。

7:林檎:2013/07/22(月) 17:02 ID:Ygw

カリカリカリ・・・

シャーペンの走る音が教室内に響く。
うわっ!ここ分かんねぇー。

「後ろから答案集めろー」

あーあ、終わっちゃった。
「美紀書けたぁ?」
【まぁまぁかな?】
と紙に書いて送る。
「良いなぁ、全然書けなかったよぉ」


キーンコーンカーんコーン・・・
早っ!
あ、今日はB日課だからか・・・。
「美紀、明日休み?」

コクリと頷いた。
「じゃ、明日ゲーセン行こ」
私はニコリと微笑んでまた頷いた。

8:林檎:2013/07/22(月) 17:11 ID:Ygw

*


「起立!」

ガタッ!

「礼!」
『さようならー』


やっと終わった・・・。
一日は長いものだ。


「美紀ー、明日塾有るんだった御免!」

私は首を横に振った。

「良かった、じゃお礼にジュース奢るよ」

菜摘がフンフンと鼻唄を歌っていた。
すると・・・急に菜摘の後ろからトラックが来た。

「_____!」
「~~♪」
どうしよう・・・声が出ないよ。


もうトラックは、菜摘を引きそうだった。
「__________っ!!!!!」



『危ない!!!!』

9:林檎:2013/07/22(月) 17:21 ID:Ygw

ガシッ!

ブォー・・・


目を瞑ってて目を開けると菜摘の横には・・・、

「_______!」
「大丈夫か?お前」

今朝の男子だった。

キリッとした眉毛に少し日焼けした肌。
目は優しい目付きをしている。
顔はほっそりしていて、背が高い。

口をパクパクさせていると彼は「よっ」と微笑んでいた。

菜摘がとっさにお礼を言う。
「あ、ありがとうございます・・・」
「どーもってか敬語使うなよ俺、一年だし」
「えっ・・・二年生だと・・・」
「俺、老けてる?酷いなぁ」

菜摘と彼は喋り続けてる。
結構お似合いかも。


「あ、鍛冶屋美紀・・・だよな?」
コクッと頷く。
「この子は・・・?」
「・・・」
菜摘と言っても声がかすれて出ない。
「あー私から言うね菜摘、だよ」
「ふーん・・・あ、俺は秀だ宜しく」

彼は、「じゃ」と言って自転車を漕いで行ってしまった。

10:訂正林檎:2013/07/22(月) 17:23 ID:Ygw

すみません!
>>2には美紀の苗字【上條】になっています。
正しくは【鍛冶屋】です。

11:林檎:2013/07/22(月) 17:27 ID:Ygw

「秀君・・・かぁ」
と、菜摘がぽーっとしていた。
まさか・・・菜摘、あんた・・・。

ニヤニヤしてると菜摘が焦った。
「違っ!別に変な意味じゃ無いよー」


青春だなーと思った一時だった。

12:林檎:2013/07/22(月) 17:30 ID:Ygw

「じゃ、私此方だから」
と菜摘が背を向けた。
「バイバイ」
と言えないので手を振った。
当の本人は背を向けて歩いてるけど。

なんだか、今日は楽しかったな。
私は車椅子で道を行った。


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