題名なし

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1: ◆3Ir6:2013/07/22(月) 21:52 ID:zkk


君たちは、つけていないテレビの中に否応無く映った空を見たことはあるだろうか。

実際、広大な空を直接眺めてみるのも良いかもしれないが、どこまでも続く本物の空よりも、

心が狭い俺には、映った偽者の空に、自然と共感してしまったのかもしれない。




[気がむいたらコメントおねがいします。]

2: ◆3Ir6:2013/07/22(月) 21:53 ID:zkk

第一話  プロローグ


ある国立高校で現代文の授業を受けていた。暑い、体がやけてしまいそうだ。国立高校はエアコンは入らないどころかまず無い。それは当然知っていたがここまで暑いとは…。そんな時、四時限目の終わりを告げる鐘が鳴る。
「注目、礼」
クラス委員のかけ声に合わせて皆がお辞儀をする中俺は暑さにうえて突っ立っていた。
「昊、屋上いこうぜ、飯飯。」
俺の友人の影久、巨大な弁当を左手に持ち、だらしない腰パンで俺の左前の席に歩み寄ってきた。
「悪い、俺パス。食欲ない。」
簡単にそれだけをいい他の奴らは近くの机を使い飯を済ませようと群がってくる中、俺の席の左隣の窓を開けている最中、ふと目に入ったのが…テレビだ。だが勿論、電源は入っていない。ああ、なんて綺麗な空なんだろう。一度自分の席に座り、もう一度テレビを眺めれば、そこには窓からの空が反射して映った偽物の空があった。…なぜだろう、この偽物は俺に似ている。
「…ああ、そうか。」
この空はきっと、外に出たくても出れないのだ。…その画面の中でしか、この偽物は存在する事が出来ない。幾ら他の場所に反射する事が出来ても、カーテンで隠れてしまえばお終いだ。このテレビの中の偽物もそれと同じだ。
 俺だって、昔からこんな消極的でつまらない奴ではなかった。彼女だっていた。告白をした、付き合った、だがあまりに素直だった彼女は、別れを告げられた時、「逃げては悪いのか」と俺がいった時、こう言った。
『そっか…君は堕ちているんだね…残念だよ…』
堕ちている?この世の中で逃げていない奴なんているわけ無いだろう?テストで百点を皆が取れないのは、勉強から逃げている、それと同じじゃないか。馬鹿らしかった。最初から付き合うんじゃなかった、何度もそう自分のベッドの中でその言葉を繰り返したんだ。
まるで自分を正当化するように。それに比べて、この本物の空と雲を憎く思う。大きな空と雲はいわゆる自由奔放だ。何も考えていない、何もしなくていい。人の気持ちを、無神経にその天気次第で変えられる。それが…憎い。いいや、むしろ羨ましかったのかもしれない。そんなことを考えているうちに、七月二十二日の夏期休業に入る行事が終わっていた。

3: ◆3Ir6:2013/07/22(月) 21:54 ID:zkk

第二話  出会い

時計の音に目を覚ました。安っぽい親に貰ったデジタル時計を見ればAM11:10と、少し寝すぎたようだ。だが体を起こそうとした瞬間、何故だか体が全く動かない。何故だ、何故?これが金縛りというやつか?そう思っていた時、目の前を見ればすぐに理由も検討がついた。だが有り得ない。
「あ、起きたぁ? 君良く寝てたね」
「起きた起きた。寝てた寝てた」
何故近所で見たこともない子どもが乗っている?だが、眠気が覚めていない俺には怒る気すら起きなかった。取りあえず名前を聞いてみようか。
「お前ら、名前は?」
「ウチは空天」
「ボクは雲天」
「ウチらは八百万神の空の神と雲の神の遣いだよ。」
意味が分からなかった、明らかに現実離れしている話。八百万の神、昔親に聞いたことがある。神道における神観念で、無限に近いほど多くの神の事とか。だが神なんて有り得ない、神がいたら人間が辛い思いをする必要なんてないではないか。
「貴方、神様がいれば人が苦労するわけないとおもってるでしょっダメだなぁ」
「っ…!」
見透かされた…そんなバカな。
「…そうだ、何か悪いか」
「罰が当たるよ、罰が当たるよ」
雲天が微かな笑みを浮かべるなり雲行きが怪しくなってきた。すると、あっという間に大粒の雨が降りだす。
くそ、今日からずっと快晴のはずなのに。勿論傘なんて持ってきていない。まさか…こいつ…雲天が降らせた、とでもいうのか。
「さすが雲天!ウチの弟!」
「さすが空天、ボクの姉。」
まるで雲天は言葉を重ねるように続けた。俺にとって最低最悪の日になったのだ。

4: ◆3Ir6 hoge:2013/07/22(月) 23:27 ID:zkk


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