恋愛拒絶。

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1:海莉:2013/07/25(木) 15:23 ID:Qpg

「立花さん、ちょっといいかな?」

「ん?何ですか?」

「…あの、付き合って……」
(罰ゲームにしても……これはひでぇだろ)
「……もう、嫌だ。」

彼には聞こえないような小さな声で
つぶやいた。

みんな、何を言ってるの?
入学して五ヶ月しか経ってないのに
私の何を知ってるの?

どうせ何も知らないくせに。

今もあんたの「心の声」聞こえてんだよ

「あの……?」
(あー、早く帰りてぇんだけど)

もう嫌だ

ニコっと心無い笑顔で私は去った

その時

(……今のヤバ……あんな顔するとかナシだろ)

ほら、やっぱりね

心無い笑顔でもちょっと笑えば…


やっぱり皆嫌い

大嫌い

自分が一番嫌い。

2:海莉:2013/07/25(木) 16:04 ID:Qpg

今は6月。

特別行事があるわけではない、
嬉しいけれど面白くない時期。

けれど今年の6月は少し違った

「山本海斗です!よろしくお願いしまっす!」

この時期に転校生がやってきたのだ

「この時期に転校生っておかしくない?」
「ねぇ!何かあったのかな?」

山本くんは私の隣の席に座って
「よろしく!えと……」

「立花空です。」

「立花さん!よろしく!」

「はい。」

「……。」
「……。」

なんだこの沈黙。

「ああ、困った事とかあったら聞いて下さい。」

「大丈夫!ありがとう!」

おせっかいだったかな
でも…嘘をついた時によく聞こえる「心の声」が聞こえない

「立花さん…ごめん、さっきの撤回」

「ん?」

「早速困りました……教科書見せて!」

「ああ…いいよ。」

「ありがとう!」

冷たい態度とってんのに
「暗い」とか思わないんだ


ふふっ

変な人…

3:海莉:2013/07/25(木) 16:10 ID:Qpg

トントン

と、肘をつつかれた

ノートの端を見てみると

『ありがとう』

そう、短く書かれてた

彼の性格なら「!」とかついてると思った

『いいえ』

『昼休み、学校案内しろ』

ん!?しろ!?

慌てて彼は消しゴムで文字を消し始めると

『昼休み、学校案内してくれるかな?』

と書いた

…見間違いかな?

『いいよ』

まぁ、暇だし

やることないから別にいいと思った。

4:海莉:2013/07/25(木) 16:23 ID:Qpg

今日の時間割は
1、数学
2、総合
3、学活
4、技術
5、国語
6、社会
だった

午前中の授業はただ、ボーっとしてたら
終わり、給食時間になった。

5人1班なので
山本くんと同じ班だ。

しかも給食時間中は向かい合わせで

まぁ、給食時間中はいつも一人だけ喋らないから別に大丈夫だと思った

「いただきます。」

いつもつけているマスクを外した

いつもは髪で目を隠し、マスクで口元を隠しているので
まだ私の顔をしっかりと見たことがある人は
いないだろう。

髪を耳にかけた時

「立花さん、昼休みだけど…」

「ああ、大丈夫よ。」

そう言って軽く微笑んだ

「…た!立花さん!」

「ん?なに?」

「あれ、立花さんが…マスク取って話ししてる…顔が見える…!」

「ははっ…それちょっと酷いですよ、伊藤さん!」

「みんなー!立花さんが笑ったよ!みんなー!」

「ええ!?立花さんが!?…うわ!マジだ!」

「やっべー!可愛い!」

…不思議。
こんなに注目を浴びたのは初めて。

自然と頬が赤く染まったのは
自分でもよく分かった。

5:海莉:2013/07/26(金) 09:06 ID:Qpg

「立花さん!立花さ〜ん……」

あれ、誰かの声が聞こえる

昼休みなんだから寝かせてよー……

「なぁ、山本くんと立花さんて付き合ってたりする?」

(!?付き合って…はぁ!?)

その一言で完全に目が覚めた

「ああ、付き合ってねぇよ。」

「だ、だよね!山本くん、彼女とかいるの?」

「いねぇよ〜。まぁ、気に入ってる奴なら……」

「え!だれ!?だれ!?」

「なんで?」

「山本くんカッコイイかr……」

(語尾が聞こえなかった……あれ、私山本くんの顔ちゃんと見たことないや。うつむいてばかりだっったから)

「うそ!まだ、皆と知り合ったばっかだから分かんねぇよ!」

「そっか、そうだよね!じゃあ、今日の放課後遊び行かない?」

「ああ、いいぜ。」

「うん!約束!」

(楽しそうだなぁ……)

「その代わり……こいつ連れて行っていい?」

6:海莉:2013/07/26(金) 09:18 ID:Qpg

「えっ?……わたし?」

「やっぱ起きてたか。行こうな!」

「え、でも私行ったら「拒否権とかねぇし」

「よし!大勢の方が楽しいし立花さん参加ね!」

「あ、はい!」

「俺ら二人30分くらい遅れっから〜」

「え、私も?」

「いや、誰でもいいんだけど、ほら約束。今日のうちがいいな!って。」
『誰でもいいわけねぇよバーカ。』

「え?ああ、忘れてた。」

気のせいかな
今日はあんまり聞こえなかった「心の声」が今聞こえた
今のは山本くんの?
や、でも……おおお?
誰でもいいわけ……う〜ん……

「……で良い?立花さん!」

「え!?あ!うん!」

「じゃ、明日午後1時学校前、な!」


明日って






土曜日!?


私服!?

7:アリス pmp3:2013/07/26(金) 17:27 ID:Gfw

めっさ面白い!!!!山本君イケメンって勝手に想像してしまった自分が恥ずかしい……\\\\\←
山本君のキャラクターいいですね!裏ありそうで!←
早く読みたいです!!更新はやくお願いします!

8:アリス pmp3:2013/07/29(月) 16:54 ID:Gfw

はやく更新して〜;

9:海莉:2013/08/01(木) 11:16 ID:Qpg

アリスさん

コメありがとうございます!

めっちゃ嬉しいです!

いや〜…ちょっと駄作だし
自分でも「あれ?こんなんで良いのか!?キャラがわからなくなってきたぞ!?」
みたいな感じだったので本当うれしいですv(=^0^=)v

カメさん更新orz

10:海莉:2013/08/01(木) 11:34 ID:Qpg

5時間目と6時間目は
夢のように早く過ぎてしまって


吐き気がしそうなくらい大嫌いな社会が楽しくて

「はい、これテストに出すからね。じゃあ、山本。この人の名前は?」

「金森先生!」

「うわ!似てる!ハゲだ!」
「山本くん面白い!」

「山本〜あとで職員室な!」

「え〜……。」

そりゃそうでしょ!
先生をからかうって……(笑)

トントン
隣にいる山本くんに肘をつつかれた

『似てるよね?』

まだ言ってる(笑)

『似てない!……嘘、似てる!』

『だよね!あんなに怒らなくても……』

『言っちゃダメ!』

「こら!そこ!イチャイチャしない!」

「あれ!?先生、嫉妬ですか〜?」

「いや!してません!ごめんなさい!ほら、山本くんも!」

「ごめんさ〜い」


もぉ……成績下げられないよね?












……山本くんの(笑)

11:海莉:2013/08/01(木) 12:04 ID:Qpg

「また明日ね!立花さん♪」

「あ、はい!伊藤さん!」

……きゅ〜ん

伊藤さん、可愛い

ああ……手振ってくれてる

恋してるみたい(笑)

「立花さん、職員室行ってくるから……ごめん!教室で待ってって」

「あ、うん。わかった」

あの先生なら……30分くらいかかるかな?

「じゃあ、ごめんな」

教室は空っぽでちょっと怖い
誰でもいいから来てよ……

こう、「忘れ物した!」ってさ

「忘れ物した〜!」

おおおおおお!?
ビックリし……お!?

「あれ、立花さん何やってんの?」

「山本くん待ってて……」

「ああ……」

ちょっとブスっとした顔をした気がする

「立花ちゃんてさ、あいつのこと好き?」

「え?あぁ、面白い方だな〜とは思います」

「オレは……何か気に入らねぇかな……」

「え?」

『声』が聞こえないってことは本当に……

「なんか……あいつ、ダメ。何かありそうで怖い」

「はぁ……」

「あ、ごめんね!」

「いえいえいえいえ!」

「フッ……立花ちゃんて可愛いね(笑)」

「え……ちょっちょっと待ってください」

「ん?」

ポーチポーチ……

あった!目薬!

「安藤くん!目開けて!目薬!」

「何で目薬?」

「だって、かわ…って」

「それでか!立花ちゃんて天然なんだね!目は大丈夫だよ(笑)」

「よかった……」

「じゃあ、明日ね!空!」

「バイバイ!」

空、か……

「へぇ……」

私は今の会話を山本くんが聞いてるのを知らなかった


『安藤……か。あいつは俺も気に入らねぇ』

12:海莉:2013/08/01(木) 13:58 ID:Qpg

「にしても遅いなぁ…あ〜!眠い!ねる!」

独り言を喋った私は自分の机に突っ伏し寝た



「……苦しい」

マスクで苦しい

取っちゃえ


そうして私は眠りについた










「ん……」

ああ、寝てたのか。
どれくらい寝てたんだろう?

マスクをつけるとチラッと時計を見る

「え、6時!?」

「ああ、やっと起きた?」

「山本くん!ごめん!」

「別に大丈夫。」

「今日はもう……帰る?こんな時間だし」

「へぇ〜……誰のせいでこんな時間になったんだろうねぇ〜」

「ごめん」

「はい、案内係お願いね♪」

「うん」

こんなに案内って大変なのかな?




『なんでマスクつけっかな。顔見せろよっつーの』

13:海莉:2013/08/02(金) 10:51 ID:Qpg

「じゃあ、まず1階からね」

南廊下には職員室と保健室がある

「ここはさっき来たから大丈夫〜」

「だよね!」

「体育館、どこ?」

「ん、とね。廊下の突き当たりを左に曲がってまっすぐ行ったとこ。」

「あんがとな!たっちー!」

た……たっちー?
立花のたっちー?

気がつくと彼の姿はどこにもなくて

「足速いな」

私も走って追いかけた

「山本くん〜……」

目に入ったのは紛れもなく
バスケットボールを自由に操る彼の姿で

ダンクでもスリーでもない
ただのシュートがカッコよく見えて

「あ、たっちー……あのさ」

「ん?」

「ごめんね、先行って。怖くなかった?」

「怖いに決まってんじゃん!」
少し怒った表情をしてみる

「立花ちゃん怖い……」

「でもね、体育館に山本くんいるって思ったら平気だったよ?」

これは、本当に私の思ってることで
嘘なんて一つもない

「立花ちゃんて……少しツンデレ属性?」

「なっ……!違うよ!バーカ!」

「ふーん…可愛いくないね。」

「言われなくても分かって『……ヵヮィィ』

「言われなくても分かってる」って言葉を塞いだのは
彼の『声』で

しばらくフリーズ

聞き間違いかもしれない
いや、絶対そうだ

「ほら、行くぞ」

「ん。」

短く返事をした








『可愛い?いや、でも俺が好きなのは……』

14:海莉:2013/08/02(金) 11:09 ID:Qpg

2階は1年生の教室と音楽室と2、3年生の教室があって
ごちゃごちゃしている

「2階は1、2、3、年生の教室があるのでも、A組だけね。あと、音楽室」

「ごちゃごちゃしてんな」

「ね。」

「「……。」」


んーと、何か会話

「なぁ、3階行こうぜ」

「そうだね」


階段を上っているとさっきより暗くなった気がして

「怖い……」

「ん?ああ、大丈夫だよ」

「や、暗いのダメ……怖いよ…」

「あんまり遅いとおいてくぞ」

クルっとこっちに向かって歩いてきた彼は

「ほら。」

私の左の人差し指を軽く掴むと
私の横を歩いてくれて



……イジワルだ





『……似てるな、やっぱ。』

15:海莉:2013/08/02(金) 15:34 ID:Qpg

「3階は1、2、3年生のB、C組と視聴覚室、図書室ね」

「なぁ、職員室行った時に聞こえたんだけどさ図書室、出るんだって」

「そ……そうなの……?」

そんなの初めて聞いた


「あれ、もしかして怖いの?」

「全然ヘイキデス」

「ふ〜ん」

人差し指がひんやりしたのを感じた

「大丈夫だよね?」

「余裕。全是大丈夫。」

怖い怖い怖い!

颯爽と前を歩く彼

ちょっとだけ、頼っていいかな?

さっきかれが掴んだように
彼の人差し指を掴んだ


「……立花さんって人が怖がってるから」

「そっか、ならしゃあねぇ」

「うん。」

『初めから頼れよバーカ』

「馬鹿ってなによ!」

「は!?どうして分かった!?」


……やってしまった

「いや、山本くんの考えることくらい分かります!」

「こわ。」

「言うな」

ダメだ、調子狂う






『強がりのくせに怖がり、か』

16:海莉:2013/08/02(金) 15:49 ID:Qpg

「4階は1、2、3年生のD組とその他教室」

「大雑把ですね」

「帰りまそ」

「帰るか」

教室に行ってカバンを持つ

「7時か。」

「うわ、外まだ明るいよ。やっぱ夏だね」



「「さよなら〜」」

周りに誰もいないけど一応

「山本くん、じゃあね」

「ん。」

何か今日は疲れた

早く寝よう


「……あの?」

「なに?」

「何でついてくるの?」

「家が隣だから?」

「え?……え!?」

「うん。」

「さっき、じゃあねって言ったから反対方向だと思ってた」

「オレは行ってねぇし」

「そっか……そっか!」





『言ってなかったっけ。つーか少し口角上がってね?』

17:海莉:2013/08/03(土) 11:01 ID:Qpg

街灯が少なくていつもは
怖い道が今日は怖くなくて

「あ、ごめん。俺あそこのコンビニ行って色々用事済ましてくる」

「ああ、分かった。……待ってても良い?」

「え、待っててくれないの?」

「ここにいるね!」

「消えるなよ。……お前は。」

お前は……?

お前はって何?

ダメだ、今は考えられない
お腹空いてダメだ
何で今日こんなに暑いの?

マスクを取ってみた

「外の空気気持ちいい」

明日、マスク外して行こう


「ねぇ、そこの女の子!一人なの〜?雄兄ちゃんと遊ばない〜?」
『誰でも良いから付き合いてぇ。独りは嫌だ』

「一人でいたら危ないよ〜直樹兄ちゃんと向こう行こう♪」
『誰か彼女と別れた俺の心の隙を埋めてくれ』

「お兄さん達が守ってあげようか〜?」
『俊、オレはお前が好き。でも男同士ってキモイよな?』

「あっちの方で楽しいことしよっか♪」
『亮、守るならオレを生涯守ってくれぇぇぇぇ!』

……これはマズイぞ
4人に四方八方囲まれてて逃げれない
……声が出ない

ああ、でも行ける気がする
同性愛者ね……

「あの……雄さん、あなたならすぐ彼女ができますよ。それに仲間がいるから独りじゃない。
 直樹さん、直樹さんも仲間がいるし……癌ですよね?だから彼女に自分から別れを告げた
 でも、彼女は待ってますよ?……私が言うことじゃないかもしれませんが、信じてあげてください。」

「直樹、癌だったのか?」

「なんで言ってくれねぇんだよ!」

「俺ら仲間だろ!?」

「わりぃ、詳しくは明日話す。今は……アイツの所に行ってもう一回告ってくる」

「頑張ってください!」

「ありがとうな!」

初めて。
この力が役に立って、感謝されて。

ドン!と強く亮さんの背中を押した

「うわ!……俊、ごめん」

「いや、大丈夫……」

「俊、亮、なんで顔赤くしてんの!?」

うん、上手くいった

「「なんでもねぇ!」」


「……立花ちゃん、その方たち誰?」

「あ、ううん!なんでもない!帰ろ!」


「「「立花さん?ありがとう!!」」」

嬉しい
本当に嬉しい

「何があったの?」
「なんでもない!」



『大丈夫だったかな?』

18:海莉:2013/08/03(土) 12:01 ID:Qpg

「口開けて目瞑れ」

「え?なん

『で』が言えなかったのは
片手で目を隠され顎を持ち上げられたから

「甘い。……チョコ?」

「ん。じゃな」

「え?ああ。」

もう家か。

「また明日」

隣の家に入っていく彼を見てたら
なんだか安心して

「ただいまー」

スリッパを履くと

空へ

ごめん!海外出張入っちゃった(。・ ω<)ゞてへぺろ♡
一ヶ月くらいかな!
空の机の上にお金置いといたからそれ自由に使って生き延びて♪



「うそ……」

家の中は真っ暗で

「とっとりあえず部屋」
階段の電気をつけて
怯えながら上がっていく

パチ

部屋の電気もつけ
制服から薄手のワンピに着替える

「ご飯……オムライス!」


キッチンでチキンライスを作っていると

ピーンポーン

「はーい」

こんな時間に誰だろう?

「ん。」

「山本くん?」

渡されたのは可愛い包装された箱で

「はい、これ。」

「あ、あの」

「んじゃ」

「ちょっ待ってよ…」

「なに?どうした?」

「お母さんがね海外出張で」

「なるほど。お前、部屋の窓空けといて」

「なんで?」

「いいから」

そう言うと彼は帰っていった

指示通り窓を開け
完成したオムライスを平らげ食器を洗っていると

「お前、もう風呂入った?」

「きゃーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

だれ!?怖い!

「山本くん助けて…」

「その山本くんなんですけど」

恐る恐る顔を見上げると
本人がいて

「びっくりした?」

「そんなもんじゃないですよ……」

「ごめんごめん」

19:海莉:2013/08/03(土) 12:17 ID:Qpg

「お風呂入ってきます」

「分かりました」


そういえば山本くん、ご飯食べたのかな?
今日は長風呂してられないな

シャワーにしよっと

そういえば山本くんの『心の声』
があまり聞こえないのはなぜだろう?

本当にたまにしか聞こえない
ま、いっか!


「上がりました〜」

髪はまだ濡れてるけど…まぁ、いいか

「立花ちゃん、何時くらいに寝るの?」

「今日は11時30分くらい…」

「ん」

部屋に上がってスマホを見ると
LINEが6件ほど来てた

ゲームの招待が5つ
トークに返信をしていると

「ID教えて」

後ろから声が聞こえた

「え!あ、はい」

IDを教えると

「誰と会話してたの?」

「安藤くんだよ」

「……ふーん」

20:海莉:2013/08/03(土) 14:32 ID:Qpg

「ねぇ、山本くん。何かしない?暇じゃない?」

「そうだな」

部屋からリビングに戻りテレビをつける

恋愛モノのドラマがやっていたからそれを見ることにした


『優太〜嫌いなんて嘘だよ……だから…お願い戻ってきてよ』

『愛ちゃん、これ……優太の机から出てきたの』

『手紙……』

愛へ

これを読んでるってことは俺はもうお前のそばにいないってことだな
ごめんな
お前に病気だったこと言えなくて
お前の誕生日、7月だよな
誕生日プレゼントにしては早いと思うけど
7月の誕生石、ルビーだっけ?
よく覚えてないや
立派なものじゃないけどさ、
左手にはめておいて

愛、結婚しようなって言ってたのに
ごめんな
愛してくれてありがとう
愛してるよ

優太

封筒の中を見ると
ルビーがはまった指輪があって


プチ

テレビを消した

あまりにも似ていて

あの時の光景が

蘇ってきて

「立花ちゃん?どうしたの?」

そこにいるのは大輝なの?

「だい……き……」

「落ち着いて。オレだよ。海斗。」

「あ……ごめんなさ……」

ポロポロと目から出てきた
雫はしょっぱくて
止まらなくて

「あ…ああ……」


私は山本くんを彼の身代わりにして
泣き崩れた

21:海莉:2013/08/03(土) 15:03 ID:Qpg

あれは去年のちょうど今頃で

川原大輝との過去で

「空!大きくなったら結婚しような!」

「うん!大輝、好き!」

小6のくせに生意気だとかバカバカしいとか
思われていたかもしれない

でも、好き。大好き。

ある日を堺に大輝が大輝じゃなくなって

「別れよう?」

そう言われた

「え?なんで?」

「だって、まだ小学生だし」

「でも、構わないって大輝言ってたじゃん!」

「ごめん」

そう言って大輝は帰って

「なんで?」

ごめんって行ったとき、何で大輝泣いてたの?
何で?
何で今大輝が隣にいないの?

次の日
学校に行くと大輝の姿はなくて

「川原大輝のことだけど……亡くなったそうだ」

「えー!先生、本当ー?」

「ああ、そうらしい」

「先生、冗談はやめて授業始めてください」

「立花、冗談じゃない」

「だって、先生淡々と喋ってるし。大輝昨日元気だった……」

嘘。本当は少し気がついてた

最近学校休みがちで
顔色が悪くて
咳もすごくて痩せたのも分かった
体力もなくなって

「帰ります」

私は帰る準備をした
先生は止めようとしなかった

会いたい、会いたい、大輝に会いたい

「おばさん!大輝いますか?話がしたくて」

「そら…ちゃ……」

「どうしたんですか?」

「ごめ……ね……」

そう言って渡されたのは
一つの封筒で

空へ

空、落ち着いて読んでくれるか?
俺は癌だったの言えなくてごめんな
昨日、別れようって言ったけど
本当は俺がシワシワになるまで隣にいてほしかった
でも、空にも皆にも会えて悔いはない
ただあるとしたら結婚したかった本気で
まだガキとか言われて馬鹿にされても良いから
もう一度お前に触れたかった
中学生になったらキスしような!とか言わなきゃ良かった
空、


愛してる

大輝


気がつくと私は泣いていて

袋から何かが落ちてきて

ルビーのピアスで

「ピアスなんて早いよ馬鹿……」
それから先は時間の流れが早く感じて
何も覚えていない

ただ、覚えているとしたら

『心の声』が聞こえるようになったのはこのことがきっかけだということ、

大輝はもういないってこと

22:海莉:2013/08/03(土) 22:28 ID:Qpg

「立花ちゃん、大丈夫?」

「あ……う……ごめ……」

目元を一生懸命拭っていると
グイっと両手を抑えられた

「明日、皆と出かけるのに……目、腫れちゃうよ?」

「ん……」

「ちょっと待っててね」

彼はそう言うと微笑んだ
似てる
似てる
似てる

私が大輝を好きになったあの時に似てる

「これ、使って」

「冷たい……」

水で濡らされたハンカチを渡された

「ありがと……」

「これくらい普通だし」

今だけで良いから
甘えさせてね

私は彼の肩に寄りかかった

「ん?」

「ちょっとだけ……このままでいさせて」

「気が済むまで」

「うん」

目を冷やしていると眠くなってきて
でも聞きたいことがあって

「山本くん……」

「ん?どうした?」

眠い、明日でいいや

「海斗、ありがとぉ」

『海斗』その呼び方が自然と口から出てきた

「空、おやすみ」


そこから先は何も覚えていない

23:海莉:2013/08/03(土) 22:42 ID:Qpg

「ふあ……」

あれ?何で私の視界、真っ暗なの?

「あ、起きた?」

「山本くん…?」

「俺以外の人間だったら事件だから」

「だって、顔見えない……」

目元が冷たい

「よし、大丈夫なはず」

私の目元を抑えてた冷たいものがどかされた

「ハンカチ……?」

「そう、腫れたら嫌でしょ」

「何で腫れるの?」

「覚えてない…の?」

「え?うん」

何を言っているんだろう?

「ねむ」

「山本くん、もしかして寝てないの?」

「いや、大丈夫」

絶対大丈夫じゃない

グイっと手を引っ張ってベッドの中に入れる

「寝てください」

「俺の言うこと二つ聞いてくれんなら」

「了解」
私のせい?で寝てないんだから
それくらい当たり前

口角を上げる彼

「俺のこと、海斗って呼ぶことと一緒に寝る」

「え?一緒に寝る……?」

「うん、そう」

平然として顔色を変えない彼と
テンパる私

「おやすみ、空」

「はい……」

24:海莉:2013/08/03(土) 23:03 ID:Qpg

「よく見ると睫毛長い……」

こんなこともう、二度とないと思ったから
顔を少し観察することにした

髪は若干茶が入っててサラサラしてて
鼻がスっと通ってて
肌も綺麗で
布団の上にある手は若干、血管が浮いていて
唇が薄くて赤くて

思わずまじまじと見てしまう

「そんなに見られると照れる」

彼の唇が動いた

「ごめん」

「ううん」

「一時間しか寝てないよ?」

「お腹空いちゃて」

「そっか」

時計を見ると9時を回ってて

「山本くん、何か食べる?何がいい?」

「まかせる。山本くんって言ったからデコピンな」

ピコンって

「痛い!」

「罰ゲーム」

こんなに痛いデコピンは初めてだった

ムクっと体を起こすと

「ハハハ!山本くん、髪はねて……」
しまった

「今のは許してやる」

「え?なんで?」

「なんでも!シャワー浴びてくる」

「あ、うん」

カラと、窓を開けると家に帰っていった

何か……急に静かになった

早く戻ってこないかな……

ご飯作って待っていよう


顔洗って、歯磨いて

洗面所の鏡を見ると
ほのかに白っぽい痕があって

「なんだろ?よだれ!?……違う」

涙の痕だ

よっぽど泣いていたんだな

でも、なんで?

なんで泣いていたの?

目を見ると目はいつも通りで

一生懸命、冷やしてくれたことが目に見えて

「ありがと、海斗」

『感謝』よりも別の感情

『愛おしい』の方がピッタリな気がした

25:海莉:2013/08/05(月) 20:38 ID:Qpg

パスタで良いかな?
やっぱアルデンテだよね〜

茹でたパスタにミートソースをかけたお皿がテーブルに2つ並ぶ

やまも……海斗が来るまで待っていよう

一人で食べるより
二人で食べるほうが美味しさ2倍だもんね♪

「まだかな……」

タンタンタンタンタン

リズミカルな音を立て階段を降りてきた

「ただいま」

「おかえり!」

じっとテーブルと私を見つめた彼は

「待っててくれたの?」

「え?うん、そうだよ」

「ありがと!」

今まで見たことないくらいの笑顔で『ありがとう』って言われたら……

心臓、喉から出てきちゃうよ

「た……食べよっか」

「そうだな」

「「いただきます」」

あー……ドキドキする
お母さん以外の人にご飯を作るのって始めて

「美味しい?」

「あ、聞いちゃう?」

「お口に合うかな?って」

「ああ、大丈夫。めっちゃ美味しい」

「本当!?」

「嘘だったら食ってねぇよバーカ」


その後会話があるわけでもないのに居心地がよくて
安心した

「「ごちそうさま」」

「お皿、下げるね」

「それくらい流石に自分でやるから」

「ありがと」


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