【シンデレラの憂鬱】

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1:& ◆VPi.:2013/07/29(月) 18:02 ID:F1A

人が来るか分かりませんが!
小説書いて行きたいと思います〜

2:弥雨 ◆t5PE:2013/07/29(月) 18:06 ID:jQE

おぉ!

私、『○○の憂鬱』シリーズが好きなんです♪


おもしろそう〜(^^*)

3:さんご:2013/07/29(月) 18:59 ID:F1A

名前がうまく行ってない…
本当の名前(ニックネーム)はさんごと申します!

4:さんご:2013/07/29(月) 19:02 ID:F1A

登場人物紹介
小川 可憐(かれん)
星原 海斗(かいと)
山口 玲名(れな)
シンデレラって優しい女の子!的なイメージが多いと思います。
でも今回表優しく裏はクールなシンデレラ!
シンデレラのイメージ崩壊〜

5:さんご:2013/07/29(月) 19:03 ID:F1A

早速書いてませんがコメントありがとうございます!
初コメ〜

6:弥雨 ◆t5PE:2013/07/29(月) 19:07 ID:jQE


*さんごs


いえいえ 笑

わーい! 初コメGET♪w


裏表のあるシンデレラ…
楽しみです((°▽°*

7:さんご:2013/07/29(月) 19:19 ID:F1A

では早速本編…
とその前に年齢を書きこみます
3人とも中2です〜

わたしは嫌われているらしい。理由は知らないけど。
母から虐待を受け、しつけと言って勉強を怒鳴りながらさせている。
2人の姉には優しくしている。間、おかげで成績トップ。
財産は1円ももらえないだろう。どうでもいい。
自給800円の馬鹿な姉達は財産を使いきってしまうだろう。
私は自分の持つ知識を生かして正社員になって給料もらえればそれでいい。

いきなりだけど修学旅行
5/20は修学旅行で奈良に行く。班はくじ引きで決めるらしい。
班のメンバーは…
星原s山口、桜sになってしまった。桜sはともかく後はやっかいだった。
星原sは有名企業の会長の息子で、モテる山口は女子で目立つ方のリーダ的な人。
有名企業の息子は何かと文句を言うし、リーダーさんは私を嫌って嫌がらせをする。
星原sは「俺歩きたくないなぁ〜。」と文句を言い、
「私の言うこと聞きなさいよ!」と強がり、
「楽しみだなぁ〜^^」と不安な3人をよそにわくわくする桜s
リーダーシップがないのリーダーを気取っている山口が班長になった。
 
その夜眠れなかった。楽しみじゃなく、不安で。

8:さんご:2013/07/29(月) 19:27 ID:F1A

当日の日
班行動することになった。金閣寺とか、そういうの好きじゃない。
あっちこっち行く桜s
途中で「休もうよー」と少し歩いただけでぐたぐた。
「ちゃんとついてきてよ!遅いんだから!鈍足!」と口うるさい
「ぁーもー宿に着かないの」と小声でつぶやく私。
さり気なく案内マップを見ていると、山口の進む方向が間違っていることに気づいた
「あの…左に曲がるんじゃなかったっけ…?」ニコニコ顔で言った。
すると予想通り山口がぶちギレた。
「あっそ!どーせ方向音痴よっ!悪かったわね!」
と機嫌を悪くした。

9:さんご:2013/07/29(月) 19:28 ID:F1A

期待はずれだったと思いますww

10:弥雨 ◆t5PE:2013/07/29(月) 19:36 ID:jQE


*さんごs

期待外れな訳ないですよ!?


玲名ちゃんの性格悪い…w

11:さんご:2013/07/29(月) 19:37 ID:F1A

「さっきはごめんなさ…」「もういいわよ!うるさいんだから!謝んなくていいから荷物もって」
とリュックサックを押し付けた。「あんたなんかに触られたくないけど。」
雑用を引き受けてしまった。こんなリュック…!リュックサックをぎゅうっとつぶした。
「わはは〜これが金閣寺〜足利義政サイコ〜!」と無邪気に桜sが言う。異変(?)に気づいた。
「ぁ、いや金閣寺を立てたのは足利義政じゃなくて足利義満だよ^^;」と言っ他。怒られるだろうか…
「そっか!そうなの!?知らなかった〜足利って沢山いるもん!さすが成績トップ〜」
「ははは…」意外に怒られなかった。でも桜sは山口みたいに感情的にならない人だから。

12:さんご:2013/07/29(月) 19:37 ID:F1A

玲名性格悪ぃ〜ヒドいww

13:さんご:2013/07/29(月) 19:40 ID:F1A

歩くこと約4km。宿に到着した。
「この荷物…」「返してよ!汚い手で触んないで!せめて手を3回洗って消毒してから触って」
冗談か本気かよく分からない台詞を口にした。
まだ機嫌が悪い。ドアを力任せに閉めて閉める音が宿に響く。

14:さんご:2013/07/29(月) 19:47 ID:F1A

宿の部屋はケータイだの○Sなどが溢れていた。持ってきてはいけないのだが…
「通信しよ〜」「おk〜」「メアド教えてくんない?」「いーよー」
そういう声が聞こえる。
そのとき徐々に足音が大きくなっている
「ヤベッ!先生じゃね?」「隠して!」と慌てる
そしてノックしてきて、バタン!音がしたかと思うと「夕食の準備をしなさい」
と言ってきた。周りの生徒は首を立てに振って「はぃ…」とつぶやいた。

15:さんご:2013/07/29(月) 19:48 ID:F1A

夕飯なんで一回休憩〜

16:さんご:2013/07/29(月) 20:07 ID:F1A

お待たせ(?)しましたー

17:愛衣:2013/07/29(月) 20:17 ID:Pdk

頑張って下さい(=´∀`)人(´∀`=)

18:さんご:2013/07/29(月) 20:33 ID:F1A

夕食の後山口が気味悪い。ニヤニヤしてほか連中とひそひそ話してる。
「なんかたくらんでる…」そう思って話に乗らないようにしたが…
「暇だからトランプやりなさいよ!勝たせてあげようか ククッ」
「いえ、忙しいので」と断るとにらんできた
「へぇー…忙しいの?その仕事私がやってあげるからやんなさいよ!トランプ!」
「わかりました」
ニヤッとなった山口の顔。私はあいつらがトランプで負けさせる用ように仕組んだに違いない
そう思った。ババ抜き…ね
最初私がババを持っていた。想定内だわ。こんなの。
相手は♠3を取り、シャッフルした。
これをとられたら…どうやら相手はサインで位置を確認していた。
私の後ろから死角になるようにのぞいて私のカードを取る人に
okサインを送っているらしい。ならこっちはこうする。
簡単で単純なだまし。「さぁ、どうぞ。どれでもお好きなのをどうぞ」
右端のカードに手を伸ばしてババでないことを確認した。
okとサインが出てすっとカードを引いた。
しかしそれはババ。後ろの人が見たのは重ねておいた♣6のところを見て
okサインを出したが相手が引いたのはもう1枚重ねたババ。
結局あっけなく相手の負け。頭を使うことを知らないようだ。

19:弥雨 ◆t5PE:2013/07/29(月) 20:46 ID:jQE

玲名グループ完敗…w

20:さんご:2013/07/30(火) 07:56 ID:F1A

おはようですー☀
完敗ww卑怯ですね〜。

窓からは月の光が差し込むというのにまだ静まらない騒ぎ。
「こいつらねないつもり?」と顔をしかめて言った。
「ぁ…あの。」「何?寝たければとっと寝れば?」
「分かりました」無理に目を瞑るとゲーム機の光のせいか、まぶたの裏が明るくて眠れない
耳に入るボタン音。ひそひそ話す小さな声。

21:さんご:2013/07/30(火) 08:11 ID:F1A

小説で使える記号
☀♣♠♥♦❤☃☎☏☛☝✌☚☟✐ etc…

22:弥雨 ◆t5PE:2013/07/30(火) 08:31 ID:jQE

ゲームなんて、持っていってもいいのか!?
いいな〜w

23:さんご:2013/07/30(火) 08:40 ID:F1A

修学旅行2日目
「ひゃっは~><」「桜s騒がないで。班長の私が困るじゃない」
桜さんと山口の会話。
そして妙にじろじろとコチラを見てくる星原君。様子がおかしい。何かたくらんでいるのでは?
と警戒した。不自然すぎる。私の様子がおかしいのか…?
星原君は有名企業の会長娘だからモテる。財産目当てかよく分からない。
「な…何か?」「あ、いやなんでもない〜」「ならいいんだけど」「別に。気にしなくていいよ」
何か隠しているように聞こえる。私が嫌われている理由と関係が…?
山口も星原が好きらしい。「ねぇ、あの噂知ってる?星原君が小川の事好きなんじゃないかって噂」
「知ってるー。だからムカつくゥ〜」「ほんっと」
すぐに情報はつかめた。口から流れた噂を耳で受け取る。
ぅそー。あんなやつと付き合いたくない。ますます嫌われる。
「今度さぁー。誕生日パーティーやるんだけどさークラスみんなを招待しようと思って」
「行く行くー。」と真っ先に答えたのは山口。だろーな。
「小川さんは?」「えっとぉー…小川さんは用事があるのよねぇ〜残念〜っ」
そっと私の足を踏んできた。ニコニコしながら。
「ぇ、ぁ…」「迎えに行くから」「ふぇ?」「無理だたらそのまま行くから」

24:さんご:2013/07/30(火) 08:44 ID:F1A

誕生日パーティーは明日。予定つめすぎ…
一回修学旅行から帰宅した。明日は…こんなもんでいいかな


当日
ヒールを履いて転ぶ人がたくさん。なれないヒールを何とか履きこなす。
星原君の周りには女子が群がっている。

25:さんご:2013/07/30(火) 09:02 ID:F1A


私が履いていたのは赤いリボンのついたヒール。ガラスの靴なんかこの世にない。

グラスに注がれたジュースを一口飲む。
苦い味がする。でも懐かしい。飲んだ事があるような――…
「つまらない帰ろうかな」
お城みたいな豪邸をそっと抜け出す。

帰ろうと階段を見た。
私はシンデレラじゃない――――…
        だから靴は絶対に落とさない―――…
レットカーペットの上を歩く。5段下ったところで転落した。
「!?」転んだわけではなかった。
「あれぇ〜小川さん用事があるんじゃなかった〜」
山口が突き飛ばした。おそらく。
「…っ」「星原君が来ちゃうよ」「え!?」
この靴だけは拾わせない!足音が大きくなってくる。
必死で足を引きずり、やっと靴が中指に触れた。
「しまったっ」夢中で足を引きずり何とか門の前に出ようと思ったら
番犬に挟まれた。「ひゃあっ!あっち行って!」
そこにあった木の板を立てて道をふさいで時間を稼ぐ
その間に逃げたものの明日の学校はどうするのか…
そう考えるとストレスが溜まって思わず靴を川へ投げてしまった。
もう追いつかない速さで流れていく。
星の光に照らされて―――…

26:さんご:2013/07/30(火) 09:56 ID:F1A

つまらない小説

27:さんご:2013/07/30(火) 10:02 ID:F1A

批判コメきそうw

28:弥雨 ◆t5PE:2013/07/30(火) 11:02 ID:jQE

つまらなくないよ!!

°*シンデレラみたーい*+° ♪w

29:愛衣:2013/07/30(火) 14:43 ID:Pdk

そうそう
弥雨sの言うとうりだと思う(^-^)/

30:弥雨 ◆t5PE:2013/07/30(火) 15:41 ID:jQE


*愛衣s

だよねっ!
おもしろいよね〜(・ω・♡)

あと、呼び捨てOKです(^^*

31:愛衣:2013/07/30(火) 16:17 ID:Pdk

弥雨
うちも呼び捨てで良いよ(*^o^*)
あれっ?
修学旅行の5/20って弟の誕生日(^-^)/
うちはこれを読み始めたのは
ディズニープリンセスが好きだからだよ(・v・♪)

32:凛:2013/07/30(火) 18:04 ID:PuY

感想は
本気で書いた小説審査しますA書きました

見てください

33:さんご:2013/07/30(火) 18:33 ID:F1A

ありがとうございます!
以後気をつけますm(--)m;

34:さんご:2013/07/30(火) 18:55 ID:F1A

コメントありがとうございます愛衣s^^
続き

一方会場のほうでは――……
「星原君どうしたの?」「どこ行ってたの?」
「あ、大きな音がしたかと思ったら、なんでもなかった」
「ならいーや」「気のせいかな?あはははは」
でも星原は気にしないことにした。

「あいつから嫌われれば……」
星原が人気者でうらやましいと思ったときが1回だけあった。
でもその『人気』が人を幸せにすると思ったら違った。
不幸になる人もいるんだ……。
橋に寄りかかってため息をつく。
ひかりは自分の心に少し人気者の星原君に恨みがあった。
「何こんなところで片足裸足で突っ立ってるわけ?」と
笑いながら誰か声をかけてきた。
当たりは薄暗く、あまり顔が見えなかったが
ロングヘアで背の高い人。
また私をからかうつもり……?
「え?」「あ、私佐々木 香奈(ササキ カナ)」
「どうも……」と少し頭を下げた。
「パーティーつまらなかったから抜け出してきたのよ」
私と同じ人がいた――!?
「ほ……星原君人気だよね……」
「そうかな?私タイプじゃない人気の理由は……お金?」
やっぱそうか。あんなやつらの欲のせいで嫌われている
むしゃくしゃした。何だ。
「そうだ!今度勉強教えてよ!」
「いいですけど……」
「やったぁ〜これで私も成績トップ〜♬」
「そんなおおげさな……」と苦笑した

35:さんご:2013/07/30(火) 19:04 ID:F1A

〜新キャラファイル❶〜
佐々木 香奈 のデータ
人気者で成績は悪いが運動神経はいい。
特技:ダンス
好きな食べ物:ドーナツ
親は離婚して母と二人暮し。
母の仕事は星原の会社の正社員。

36:さんご:2013/07/30(火) 19:12 ID:F1A

翌日
勉強を教えてほしいから家に来てと
橋の前で地図を渡された。「明日の放課後。んじゃ」
「急に言われても……」と言ったがその時はもう
香奈の姿が見えなくなってしまった。
仕方なく行くことにしたひかり。
「坂の多い道。面倒だわ」と一気に自転車のギアを上げて
力任せにペダルをこぐ。
この速度のまま行けば約束の時間に着くのだが……
踏み切りの警報機が鳴ってしまった。
踏切まであと一歩と言うときに限って。
「早くしてよー」とイライラして足をdd。

37:弥雨 ◆t5PE:2013/07/31(水) 07:52 ID:jQE


*愛衣

ありがとー♪



続きが気になる(>_<)w

38:さんご:2013/07/31(水) 08:32 ID:F1A

人生で一度は言われてみたかったw「続きが気になる」

黄色と黒の踏み切りの棒がさっとあがる。
「ああ、やっと。」太陽の暑い日差し。5月と言うのに
とても暑かった。
踏切から約100m行き、香奈の家に着いた。
「こ……こんにちわー」「アー、ちょっと待ってね」
インターホンから香奈のあせった声が聞こえる。
2階建ての新しい家で茶色い屋根とレンガ風の模様の家。
「あ、あがってー」「お邪魔します……」
2Fに香奈の部屋がある。
ひかりは参考書とノートを取り出してぱらぱらめくった。
その姿に思わず香奈は、(こういう姿って天才に見える……)
と感じた。
「どこの問題が分からないのですか?」「あーえっと……全部!」
そうくると思った(笑)
「問1の科学反応公式は、塩酸の分解。つまり…………
科学反応公式はこうなる。 2Hcl→H₂→Cl₂」
「へ?何言ってるの?分からない……」

39:さんご:2013/07/31(水) 08:44 ID:F1A

             シンデレラの辞書 
現在辞書はありません

40:さんご:2013/07/31(水) 10:13 ID:F1A

いろいろ教えて2時間やっと理解したようだ。
手間がかかる。
「じゃあ、そろそろ終わりにする?」「うん」
「お疲れ様さようなら」「失礼しましたー」

41:さんご:2013/07/31(水) 10:15 ID:F1A

私が3日以上来ないときは誰かかいてくださいー
勝手に書いてどうぞ^^

42:さんご:2013/07/31(水) 10:22 ID:F1A

翌日
教室がざわつく中先生が声を張り上げる。
「転入生を紹介します。」「えぇ〜ッ!転入生っ!?」
ガラッと入ってきた。ショートボブの女子。
「湯川 沙織(ユカワ サオリ)です!よろしくお願いします」
「席は……小川の隣が空いているな。そこに座りなさい」
「はい」と教室の真ん中を通って向かってきた。
そんなー。折角1人で気楽に授業を受けていたのに…
「宜しく」「宜しくお願いします……」

43:さんご:2013/07/31(水) 12:15 ID:F1A

新キャラファイル❷
湯川 沙織 (ユカワ サオリ)
成績そこそこ運動そこそこな普通の人。
特技:ピアノ
好きな食べ物:アイスクリーム

44:さんご:2013/07/31(水) 12:24 ID:F1A

なんだかんだで、授業終わり。(←はやくね?)
帰ろうと思ったけどいつも行ってるレストラン『花見亭』
に寄り道しようと思った。
正門から大通りに出てすぐにある、小さな店。
大通りに出ようと思ったら山口とその仲間がいた。
「今日カラオケ行く?」「行く行く〜」
急いでひかりは新しく改装された狭い路地に逃げ込んだ。
「た……確かカラオケは大通りに出るから……
この路地を通る!」
見つかったら大変だ。
しかしもう間に合わない。あせって辺りを見回し、
横たわっている工事の看板を立てておいた。
「えぇ〜工事中〜?」「遠回りしなきゃいけないジャン」「面ど」
山口グループが去って行ったのを確認して大通りへ出た。

45:さんご:2013/07/31(水) 17:08 ID:F1A

ひかりは何とか花見亭に到着した。
コンクリートでできた白い建物。大通りの中のはじにあった
花見亭でよく夕食を食べていたりした。
なぜか花見亭に中学生もよく見かける
「こんにちわー」
「いらっしゃい。ひかりちゃん」とアルバイトの優美さんが言った
「えっと……オムレツの小盛ひとつとお茶一杯」
「かしこまりましたー」
待つこと約3分。オムレツとお茶が出された。
食事をしていると偶然湯川さんに会った。
「あ、あなたはえっとぉ〜」「小川ひかりです。」
「あ、そうそう!小川さん!偶然だね〜」「あ……はい」
「私も何か注文しようっと」とメニューをめくった。
めくったページはデザートのメニューが載っている。
「んーとじゃあ……アイスクリーム1つー」
「かしこまりましたー」と店員がバタバタ走る。
無意識に窓の外を見た。車がたくさん走ってにぎわう大通り。
明日も1日過ごせるのだろうか――……
   母に殺されないのだろうか――……
     いじめられないのだろうか――……
      

46:さんご:2013/07/31(水) 17:26 ID:F1A

〜NextDey〜
「ない。私のペンケースがない……」つぶやいた。
すると湯川さんが首を突っ込む。「ペンケース?」
「うん……水色のポーチ型。」
当たりに落ちていないか回りを見たら
後ろにいた山口と目があった。
山口はドキッとして目を反らした。
なんか怪しい気がした―
信じたくはないが
まさか―――……


下校中のこと。ペンケース事件でボーっとしていた
しかし思わぬ事態が起こった。
「今日も学校。明日も学校。自宅教育でいいのに……」
ぶつぶつ言っていると後ろから足音が大きくなる。
通行人だと思った。しかし……
バッっと音がした
「きゃぁっ!な……何!?」そういおうとしたが言えない。
何しろ゛口がふさがれている゛のだから。
そして急に眠くなってしまい、意識を失ってしまった。
誘拐犯はひかりの体をそのままトラックへ放り込む。
鍵をかけて行ってしまった。

まぶたの裏が明るくなった。
ふと目をあけた。意識が遠い。辺りを見回し、ここはどこか。
そこには――……

47:さんご:2013/07/31(水) 17:44 ID:F1A

そこには――……山口の姿があった。
「何であんたがここにいるわけ?」ため息混じりに問い詰める。
こっちが聞きたいぐらいだ。
「えっと……知らない人に誘拐されました。」信じてくれないだろう
しかし答えは意外なものだった。
「あなたも?」「えっ?山口さんも誘拐されたんですか?」
「そうよ。」とえらそうに言うと痛そうな顔をした。
肩の辺りを押さえている。
「ケガ……したの?」
「そうよ!あいつがこのトラックに放り込むトコまで覚えてる。
そのときぶつけたわ」
そういえば記憶がない。眠っていたからか。
「そういえば私のペンケース……なくなったんだけど何か知らない?
山口さんじゃない?」と責めると言うより心配そうな感じで聞いた。
演技だが。
「う…うるさいっ!」うつむいて怒鳴る。
「ごめん。私よ。隠したの」
「何で?」と言うと黙り込んでしまった。
腕時計の針が鳴っている。
「ムカついたから。あなたが星原君とくっつくのが。」
小声で言った。そのあとに続けて
「でも星原君は好きでもなかったし、嫌いでもなかった。
私が欲しかったのは愛じゃなくて金だったのよ」
ひかりは、あーあー。よくあるパターン。と心の中で思った。
   雨が降り出し、暗い時間が過ぎていった――……

48:さんご:2013/07/31(水) 18:10 ID:F1A

物音がする。

「誰か入る!眠ったフリしてっ!」小声で山口が言う。
「無駄よ。もうバレているから。そうよね?星原君!」
「……何で分かったの?」トラックのフタが開いて
星原君が顔を出す。紅い夕焼けの光が星原君を赤く染めて照らす。

「だって、あなたのいつもつけているエンブレムが
車内に放置されていたもの」と星原君に差し出す。
「なにっ!?」差し出されたエンブレムを見る
ダイア型に金の糸で縁取りされて星と月のマーク。☪
「これはあなたの会社、゛エネラス゛という会社の象徴。
エネラスはエネルギー資源を提供する会社よね?」
「ああそうさ。君たちを放り込む際、取れてしまったようだ。」
この話を聞いて山口は唖然とする。喋る勇気もない
「何でこんな事…」
「僕の好きな人をいじめた君も僕をフッたフった君も憎かったからさ」
「そんなことって――……」山口がやっと重い口を開く。

「君も僕をお金目当てにしただろう」と山口を鈍い目でにらむ。
山口は怖くなってトラックのすみに寄るがひかりは一歩も引かない。
「ここから出して」「出して欲しければ罪を償え!
今までの言葉すえて取り消せッ!!」
2人を夕焼けに赤く染まった目でにらみつけた

49:さんご:2013/07/31(水) 18:16 ID:F1A

「なぜエンブレムだけで特定した。」
「エンブレム。それは高貴な貴族、王様がつけていたもの。
これは会長一家しかつける事が許されない。でしょう?」
「なら俺の親父だって……!」「動機がないし。それに
前両親は海外に出張。なんて自慢してなかった?」
「くっ……」

50:さんご:2013/07/31(水) 18:18 ID:F1A

探偵になってるw
でも両親が帰ってきたら?ってみんな思ってるかもw
そこまで頭よくないので……

51:さんご:2013/07/31(水) 18:21 ID:F1A

キャラクターファイル❸
小川 ひかり (オガワ ヒカリ)のデータ

母から虐待され、周りからもいじめられている
特技:勉強
好きな食べ物:オムレツ(ケチャップかけない派)
母が昔花見亭でパートをしていた

52:さんご:2013/07/31(水) 18:28 ID:F1A

この小説はいったい何をテーマにしたのだろう……
友情?恋愛?なんでもない?

53:さんご:2013/07/31(水) 18:41 ID:F1A

ひかりのイメージ

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        八∧: /:ヽ_乂_ xvx          xvx /.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:|.:.:.:│
      UX.:.:.:.:,ハ         '         {/ .:.:.:.:.:.│:|:.:.:.〈
      {.:/i.:.:.:.:.:.:.:}ヘ、        , 、         {.:.:.:.:.:.:.:.:l|.l:|:.:.:.:.‘,
      |:{U.:.:.:.:.:.:i 公.、            イ八:.:.:.:.:.:.jリ.l:|.:.:.:.:.:.i
      |:{∧ :.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:>.. .._   _,. i〔.:.:.:j.:.::|∧ヽノ.:.∧.:.:.:.:.:.:i
      {:.:.:.:.:⌒ヽ/ .:.:.::::::::::::|       | :::::::::::::|:∨ ,:.:.:/ /!.:.:.:.:.:.:i
        i|.:.:.:.′.:.:.::::::::::::::::::: 」        乂:::::::::::|.: ∨∨ /│.:.:.:.:.:.l
      l|::::::/ .::::::::::::::::::___,ノ            ゙<_::|.:.:.:∨∨.:.:|.:.:.:.:.:.:.|
     l|i::::/ .:::::__,.r<,_             __,ノ⌒′|.:.:.:∧∧.:.:ト---ミj
.      j|i: />'゙´       `ー====‐-'´         l.:.:/ ∧∧.:|     \
来ヶ谷唯湖(リトルバスターズ!)がひかりのイメージに一番近い

54:さんご:2013/07/31(水) 18:50 ID:F1A

性格にてないけど顔(?)がねw

55:さんご:2013/07/31(水) 18:52 ID:F1A

おちます

56:さんご:2013/07/31(水) 19:06 ID:F1A

誰か来ないかな

57:愛衣:2013/08/01(木) 09:22 ID:Pdk

来ました(^-^)/

58:景:2013/08/01(木) 09:53 ID:Ygw

雑談が多く無いですか?
雑談したいなら、フリトに行ったらどうですか?スレ主さん。

59:愛衣:2013/08/01(木) 11:51 ID:Pdk

>>58
別に小説書いてるんだから良くないですか??

60:さんご:2013/08/01(木) 12:26 ID:F1A

フリトで小説を書くんですか?

61:さんご:2013/08/01(木) 12:42 ID:F1A

感想くらいいいのでは?

「君たちに罪を償ってもらうよ。」
可憐と玲名をにらみつける。
「……償う?」「そうさ。」
いつの間にか車は走っている。
大通りを走っている。窓の外を見上げた。
あたりは少し暗くなって薄い月も見える。
「お坊ちゃま。これからどこへ向かえばいいのですか?」
「僕の家へ向かってくれ。」「かしこまりました」

「あなたの家に行って何をするつもり?」山口が警戒して言う。
「それはまだ教えられないさ。」

62:さんご:2013/08/01(木) 12:50 ID:F1A

多く無い←無いならいいんじゃ?

63:さんご:2013/08/01(木) 13:00 ID:F1A

 星原君は不気味に笑う。悪魔か鬼か。
「君たちにいい物を見せてあげる」上から目線でえらそうに言う星原。
「ぃ……いい物?」ますます警戒する玲名。何もいわない可憐。
玲名は質問しようと思ったが口を開くのをやめた。
沈黙に落ちる―――。


「お坊ちゃま。ご到着です」「ありがとう。さぁ君達降りて。逃げたら承知しない」
「わ……分かったわよ」うつむいて返事をする可憐。
「行けばいいんでしょっ!?行けば!」怒った調子でそっぽを向く玲名。
「うん。それでいい」満足そうに海斗が言った。
 
  いったい何をするのだろう―――……

64:さんご:2013/08/01(木) 13:05 ID:F1A

また夕方来ると思うので
誰か書いてくれます?
無理に書けとは言ってませんのでw
書きたい人はご自由に〜

65:さんご:2013/08/01(木) 13:07 ID:F1A

補足
車を運転しているのは執事です〜
すみません書き忘れて……

66:さんご:2013/08/01(木) 13:15 ID:F1A

お詫び

とんだ駄作者ですみません……m(₋₋)m
誤字脱字、説明下手……

67:さんご:2013/08/01(木) 13:30 ID:F1A

アドバイス意味無い……

68:りな ◆snuQ:2013/08/01(木) 15:44 ID:dWQ

ども☆
うちシンデレラとかディズニー系好きなん。
読んでみようと思ってきたら、さんごさんのやし!!

ビックリでした♪

誘拐なんて新展開もめっちゃいいです!
がんばってください!

69:さんご:2013/08/01(木) 16:20 ID:F1A

ありがとうございます(>v<)
頑張りますね〜☆

70:さんご:2013/08/01(木) 16:44 ID:F1A

もう暗くなった頃―――……
可憐、玲名は強引に星原君に連れて行かれた。
「いい物って何?もったいぶらないで言ってよ!」玲名が問い詰める
「この家の客間にある。゛そこに行けばいい物゛が見つかるさ」
 ようやく゛いい物゛のありかを教えた。

長い廊下を渡って客間の星原君がドアノブに触れたとき
「いい物なんてどうでもいいから、早く外に出してっ!」と可憐が要求した。
「外に出たければ罪を償え。何度も言わせないで欲しいな」星原君が言いのける。
「罪なんて無い。あなただって山口さんをフッた……。」
 冷静にでも、強い口調で言う。
「でも君の事、いじめたんだよ?それでも許すの?かばうの?」
 厳しい調子で問いかける星原君。前の星原君の面影が無い――……
 星原君が続けて言った。
「君のために仕返しをしてあげたのさ。僕からのプレゼントだよ」
 ククッと笑って壁に寄りかかった。
 山口は泣き出した。
「誰が仕返ししてなんて頼んだの?そんなこと一言も言ってない。」
「仕返ししたかっただけさ。何をしようが僕のかっ……」

 パンッ!と鈍い音がした方思うと、星原君の頬が血で染めたかのように赤い。
「何をする!」可憐をにらんで頬に手を当てた。
「ひどいから……怒ったの。」
     窓から見える月は鈍い光を放って雲に隠れた―――……

 

71:さんご:2013/08/01(木) 17:28 ID:F1A

「もういい。帰っていい。だから少しここで待ってて」
 海斗はどうやらあきらめたようだ。
「やっと家に帰れるー」ほっとして胸をなでおろす玲名。
「でもこんなに簡単にあきらめるのかしら?」
可憐は何かたくらんでいると疑った。
 その時―――…………
 ガチャッ!ドアの鍵を閉める音。
「ほ……星原君っ!?まさか……っ!?」
 可憐は背中がぞっと冷たい物が走る
 ふりかえって素早くドアを開けようとする玲名だが
「だめ。やられた。鍵を閉められている…っ。」悔しそうに目を瞑る。
「星原君!!何で!」可憐がドアを叩く。
「じゃあ…窓!窓は!?」「だめ。開かない!強化ガラスだから割ることすらできない!」
「なんとか割って!」必死に言う玲名。
「無理よ。第一窓が開いたってここ3階。飛び降りるつもり?」
「…………っ」何も反論できなくなった。
 可憐がふと気づいた。
「ケータイは!?」「あっ!そうかっ!その手があったか!」
 かばんをあさるが、
「無い……」あせる玲名。
 その時客間のテレビに海斗の
「探し物はこれかなぁ〜?」と2人のケータイを見せた。
「私たちを眠らせたときに―――!?」驚く可憐。
「ちょっ!返しなさいよ!」怒る玲名。
「君たちに与えられたのはその部屋のみ。せいぜい頑張るんだね」
「出してよ!」玲名の声は届かず、
「言うことだけ言っといたから。」と言うとリモコンでプツンと
 電源を切ってしまった。

何が目的――?
 復讐?
   それとも―――……?

72:弥雨 ◆t5PE:2013/08/02(金) 07:38 ID:jQE

見ない間に、おもしろくなってる…!!

あ。あと、私は読む方専門します!
また、もう少ししたら書くかもw


*景s

ごめんなさい(>_<)
最初から見たら、多いですね…;
気をつけます。

73:さんご:2013/08/02(金) 08:59 ID:F1A

 
弥雨sありがとうございますm(₋₋;)m


 翌日の朝―――…………
 海斗の家の客間に監禁された玲名と可憐。
「何か使えそうなものあるかな?」辺りを見回す可憐。
「クカー……むにゃむにゃ……」寝言を言って熟睡中の玲名。
「もう学校の時間……星原君行かないつもりかしら」
 海斗はずっと隣の部屋で見張っていた。
 一方学校では
「今日の欠席は星原と山口、小川だ。3人とも風邪と聞いたが」
 するといつも山口と喋っている美都 小春(美都 小春)が言った。
「星原君と玲名にお見舞いに行くのはどうかしら?」
「いいね!今日の放課後ぐらいに行こうよ」「オッケー」
 お見舞いに行くことにした小春。
 助けることができるのか―――!?


 

74:さんご:2013/08/02(金) 09:04 ID:F1A

〜新キャラファイル➌〜

美都 小春(ミト コハル)
玲名の親友、幼馴染。
特技:おしゃれ
好きな食べ物:ケーキ

75:さんご:2013/08/02(金) 09:29 ID:F1A

☆〜番外編前編〜☆※ホラー苦手な人は見ないほうがいいです。知ってる人いるかも 
 シンデレラの裏と言うのは恐い。
 母は娘たちにガラスの靴を履かせる為につま先削れ、かかとを削れ。
 と言ったそうです。
 
 ここで出てくるキャラクターはこの先の鍵を握る人物かも

 下校中のことだった。
 コツンと可憐の頭に何かぶつかってきた。
「わっ、何?」頭にぶつかった物を見ると
「サッカー……ボール?」4号の大きさのボール。
 すると双子がやってきて、「すみませーん!そのボール投げて下さーい」
 ポイッっと投げると双子が駆け寄ってきた。

「ありがとうございます!って花見亭で何回か見かけた人だー」
「ぉぃぉぃ。初対面の人には敬語を使え。」
 2人とも茶色い髪の毛で明るい性格の人。
「僕は神山蓮(カミヤマ レン」「僕は神山令雄(カミヤマ レオ)」
「花見亭の…店長の子供なんだー」令雄が言うと可憐は
「ぁ、いつもお世話になってます」と言った。
「僕、学校で見たよー成績トップさん」蓮のほうが言う。
「あ、もどらなくちゃ!じゃあねー」
 蓮と令雄が走っていく後姿を見た。
 夕日が沈むのに2人は蹴り続けていた。

76:さんご:2013/08/02(金) 10:06 ID:F1A

番外編後編は夕方

77:さんご:2013/08/02(金) 13:46 ID:F1A

♡〜本編〜♡
 やっと目を覚ました玲名。重い目を開ける。
「ふぁ……」あくびをして、
「あーそうだった。星原の家か。ってここから出なくちゃっ!」
 いきなりあわてる玲名。
「まず落ち着きましょうよ」苦笑して可憐が押しとどめる。
 するとまたテレビから星原の姿が映った。
「やぁ君達。そろそろ胃袋も要求するだろう。そこにある冷蔵庫で生き延びてってね」
 笑いながら言うとすぐにプツンと切ってしまった。

その頃小春の友達は玲名の家に着いた。
玲名の家は2階建ての新しい家で住宅街の真ん中に並んでいる。
「ごめん下さーい」小春が言うとあわてて玲名のお母さんが出てきて、
「あの、玲名さんいますか?」と小春が言うと、
「それが昨日から帰って来ていないのよ。友達の家に泊まるって言って。」
「……えっ!?」「ほらメールが来たのよ。」
件名:お泊り会
本文
今日は友達の家でお泊り会するんだっ
だから夕食は抜きにしてねー(^^)y

「そんなこと聞いてなかったよね?」小春が周りの子と確認する。
「一言も聞いていないわ。」「うちも」
「とにかくいないの。ごめんねー」「失礼しましたー」

「おかしいわ」「何かあったのかな」口々に言い出した。
「仕方ないよ。とりあえず星原君の家に行こう」急ぎ足で駆け出した。

実は海斗がメールを送った。奪ったケータイで。
海斗は罪悪感が無い。

ピンポーン。ピンポーン。インターホンのチャイムが鳴った。
「ハイどちら様ですか?って美都さん!どうしてここに?」
 笑顔で行ったが少し焦り気味。入られたら困る。
「あ、風邪って効いたからお見舞いに」
「ありがとう。でも別にいいよ。」
「ぁ...ごめんね」少しうつむいてドアを閉めた。
 また2日目が過ぎようとしている
「出たら星原君の事、警察に通報したほうがいいかしら?」
「通報しないと!あんなやつ放っておく訳には行かないわよ!拉致監禁!」
「そうね……」
 
 空はまだ青いが、鳥一匹も鳴かない。
    これからどうすればいいのだろう――……

78:さんご:2013/08/02(金) 15:21 ID:F1A

ちょっと速めに番外編書かせて頂きますm(₋₋ ₋₋)m

 薄暗くなる頃――――
 花見亭で食事をしようと思った可憐。
 路地に入ろうとしたがピタッと足が止まった。
「蓮君と令雄君がいるのかしら?」
 蓮君、令雄君みたいなタイプは実は苦手。
 イケメンだったからなんとなくそういう人は嫌。
「ぃ……ぃぃゃ」と路地から出てコンビニに行った。

「いらっしゃいませー」店員が迎える。
「とりあえずこれでいいか」普通のコンビに弁当。
 とその時声がかかった。
「あ、えっと……誰だっけ〜?」蓮が声をかけた。
「小川可憐です。」「おイッ、また気安く話しかけてー」令雄が注意する。

「ぁ、ぃぇ」小さな声で苦笑しながら行こうとすると、
「あ、今日のサッカーボールありがとー」「どういたしまして」
 令雄と蓮は顔は似ていたが性格は違った。

「今日はサッカー、明日は野球。まったく面倒だなぁ〜」
ぶつぶつグチを言う蓮。「仕方ねーだろ」
 仲がいいんだな―
   私もああいう兄弟欲しかった―――
 姉はいるがあんな意地悪なのいやだ。

「2人は仲がいいですね」うらやましそうに言うと
「いや、俺達血は繋がってないんだ」令雄がつぶやいた。
「え、そうだったんですか」悪いことを聞いたような気がした。
「でも気が合うよな」蓮が自慢げに言うと令雄は「ああ」と答えた。

自分がばかばかしい―――

 兄弟でも無い人が仲良くなってるのに
   本物の姉妹がいじめあうなんて―――……

 哀しくなって目が少し湿った。

 でもこれでいいと思う―――
   なぜかこれでいい気がした――

79:さんご:2013/08/02(金) 15:25 ID:F1A

悲しい(?)番外編でしたー

何一方的に書いてるんだ!人もろくに来ないのに!><
  自分がばかばかしい!

80:音音 ◆YmRg:2013/08/02(金) 18:06 ID:Epg

何か、読んでたらおもしろくなって普通に読者になってます(((殴

続き、期待してますね!

81:さんご:2013/08/02(金) 18:28 ID:F1A

音音さん!こんな駄作にわざわざコメント……(泣)
期待って言われるとなんかプレッシャー☉☉;

82:さんご:2013/08/02(金) 18:48 ID:F1A

 夜、客間の冷蔵庫を玲名と可憐があさっていた。

「星原君なんでこんなこと……」
「何でって逆襲でしょっ?」あきれたように言う玲名
「冷蔵庫には1週間分ぐらいしかないから少なくともギリギリに出なきゃ」
 何か……。何か抜け出せる方法は――……

 ずっと考えていた。なのにまったくアイデアが思いつかない。
「ふぅーん。よくよく考えればこれは……ゲーム感覚で楽しめばいいわっ!」
 ポジティブに考える玲名は立ち上がった。
「そうよ!これは゛私゛の任務!本格的脱出ゲームよ!」
 目を光らせていきなりやる気を出す玲名。
「……え?だ……脱出ゲーム?」驚いている可憐を無視して玲名は
「うだうだしてないで鍵を探すのよ!」と可憐に命令する。

 命令で仕方なく鍵を探す可憐だが見つからない。
「これは紀元前10世紀のユア・ポタミアが描いた絵!?本物?」
 興味深く絵を眺める可憐。絵は壁にかけてあった。
 そっとめくって見て見ると壁に不自然な大きい四角の切込みらしき物があった。
「何……コレ?山口さん。変な扉みたいなのがあるんだけど……」恐る恐る言うと、
「ええっ!?秘密のトビラってヤツ??どれ?見せなさいよっ!?」わくわくして言う。
「あ、コレなんだけど。でもドアノブがなくて……」そっと切り込みに手を触れた
 その時―――……
「ぇえ?きゃぁぁ〜っ!?助けて!」切込みがいきなり回転して、どこかに消えた。
「何何?私も行く!」興味しんしんでついていく玲名。
「わぁ〜っ!?」玲名も扉の向こうへ消えた。

 その後どこへ行くのだろうか――

83:さんご:2013/08/02(金) 18:51 ID:F1A

駄作者からのコメント

絵の裏に扉がある!
llllよくあるパターンm(₋₋ ₋₋;)mllll
ネタがないっ><誰か書いてぇー

まったくなさけない作者だ。

84:さんご:2013/08/02(金) 19:12 ID:F1A

「何ここ?」暗い部屋につながっていた。
ポタ……ッ  ポタッ……
水滴が落ちる。石が沢山並んでいる。

「戻ろうよ……っ」可憐は戻ろうとした。
「私はココをみているわ。」恐い物知らずの玲名はいばる。
「先に戻ってる。」扉を探すが
しかし―――……

「と……扉はドコっ!?」扉が無くなっていた。
「嘘でしょう?冗談はやめてよ。まったくもう」
「確かココだったわよね?」「そうよ」
「見て……」可憐が指差すとそこはただの壁。
「そんなバカなっ!?ありえないわっ!何かの間違いよ!!」
慌てだした。「もう戻れないってコト?」「そういうことねっ」
仁王立ちしてため息をつく玲名。
「まぁいいわ。どっちにしろ最終的に私は抜け出すわ」
「どうやって?」「…………」玲名はその一言に口を動かせない。

「と……ッとにかく!私はここから抜け出せるスーパールーキーよっ」

85:りな ◆WVds:2013/08/02(金) 19:52 ID:FLA

>さんごさん
私で良ければ続きを書くことくらいは出来ますけど……駄作者でもいいですか?

86:さんご:2013/08/02(金) 20:57 ID:F1A

ぜんぜん構いません!
むしろうれしい〜
私みたいな駄作者いないですしw

87:さんご:2013/08/02(金) 21:18 ID:F1A

よろしくお願いしますm(₋₋ ₋₋)m

88:さんご:2013/08/02(金) 21:20 ID:F1A

http://ha10.net/novel/1375445869.html
投票&連載お願いしますm(−−;)m

89:さんご:2013/08/03(土) 20:08 ID:F1A

ここまで思いついたのでここからの続きを……m(₋₋ ₋₋;)m

 コツ……コツ……
 徐々に大きくなる足音。警戒して進む。

「……れ?誰?」おびえて小声で言う可憐。

「誰よッ!正体を現しなさい!」指をさして玲名が言った。

「あー。とうとうこの秘密の場所を見つけちゃったかぁ〜。ククッ」
 
 星原君……星原君の声……!
「星原君?星原君なのっ!?」可憐が叫んだ。

「あぁ。そうだよ。よくこの部屋を見つけたねー。想定外だ。」
 そして恐ろしいことを言った。
「ここに爆弾を仕掛けたよ。懐中時計の爆弾。」

「え!?爆弾」「!?」驚いて声が出ない。
 こに爆弾があるとしたら――とてもじゃないけど生き延びる事は――
「爆破時間は1時間さ」ピッ、ピッ

「契約しよう。」星原君が紙を見せた。
「もう二度と僕を侮辱しないなら爆発時間を10分延ばす。契約時間は1時間と言ったところかな」

 少し考えてから可憐は言った。
「いいわ。あなたなんか侮辱する理由も無い。」
「私も賛成だわ。」玲名も同意見らしい。
 可憐は生き延びていたら、警察に通報するつもりだった。

「ほう。いい度胸だ。」ニヤッとすると契約書を出してサインを求めた。
「サインすればいいのよね」サラッと書くと海斗が

「寿命が10分延びたようだねー君たち。」とニコニコして笑う。
「はぁっ!?ふざけんなっ!!」玲名が激怒した。

 10分でどれだけ考えられるか。
 
「大丈夫よ。爆弾なんか私の頭脳でフルボッコ♥」自身満々な玲名。
「えーと爆弾はチタン合金とか…」*ペダントリーに言い出す。

タイムリミットは1時間10分。地獄のカウントダウンが始まる――……

90:さんご:2013/08/03(土) 20:12 ID:F1A

〜シンデレラの辞書ℬook〜
ペダントリー
学者ぶるさま。知ったかぶり

91:さんご:2013/08/04(日) 12:44 ID:F1A

シンデレラの辞書ℬℴℴKV

チタン合金=金属製元素。各種金属と合金を作り
強度、耐久性に優れている。

92:さんご:2013/08/04(日) 13:33 ID:F1A

 気まずい状況。
「命が永らえたことは感謝するんだね」あっさり言うと奥へ消えてゆく。

「ふん!私は死ぬつもりなんかないっつーの」玲名は腕を組んで言う。
「奥に行って見る。」恐る恐る足を踏む。
 部屋は冷たい。
「コレって薬になる貴重な石、アリア石!」
 可憐は水色で透明の石を手に取る。
「へー」興味なさそうに見る玲名。

途中の道で暗い部屋があった。人骨やお墓など。海賊がいた痕跡。
「うっ!何コレ」玲名がビクっとした。

 鋭い光を放つ銀の剣。それから人骨。
「ひぃぃっ」足が後ろに退く玲名。
「メモかな?」可憐が隣にある古びた紙を摘み上げた。
「英語?成績トップでしょ?読んで見なさいよ」
「うん……」
 〜日本語訳〜

       聖なる剣
 1000年ほど前――
 勇者とともに旅をした剣
 意思を持つと言われ、心の汚い物は触れる事が許されない。
 邪悪なものが触れたなら、その者は恐ろしいざまになる。
 その力を封印し、邪悪なものが再び現れたならば封印が解けてしまう。

「……え?じゃあ触らないほうがいいわよね」ゾクッとして剣から離れる玲名
その時会とが現れ、

「それに触るなっ!」っと激怒した。
「言われなくても触らないわよ!こんな危険物!」
「どういうこと?星原君。」可憐が問いかける。
 海斗は言葉を詰まらせた。

「勇者とは私の先祖なんだ!代々受け継いだものだ!」
 海斗の先祖が勇者――?
「だからこの剣は僕が……」と剣に海斗が触れた。
 
 すると紫色に光りだして海斗を包む
「何なの!?」焦る玲名。「邪悪な力って……」何か可憐は気づいた。
「うわぁぁぁっ!!」海斗悲鳴がする

 そして―――
 
 カラン……ッと乾いた音がする。
海斗の近くに玲名と可憐が駆け寄った。
「星原君……?星原君の面影が……」
海斗は肌が紫色に変色し、しわだらけ。
「邪悪な力を持っていた……?」海斗を見つめる
「ちゃんと邪悪な力を浄化仕切れなかったんだわ……」
剣と海斗を交互に見つめた。
「変な石持ってだろ?薬になるって言う……」
「分かった。調合して見る」
無茶を引き受けた可憐。
「この石の成分はカルシウムとミネラル……それから少々塩酸を加えて」
かばんからフラスコや酸素ボンベが出された。
「実験用具持ち歩いてんの?」珍しそうに玲名が問う。
「そうだけど?」と当たり前なように返す。

「試作品サンプルだからあまり効果はないかと思うけどマシになるかも」
 瓶を見せる。
「大体どういう症状か分からないわ。対応できないかも。保証はしない」
 瓶を受け取った玲名が無理やり口に突っ込む。
「あんたを警察に連れて行くんだから生きなさいよ!恥さらしにするんだから」

93:さんご:2013/08/04(日) 13:46 ID:F1A

海斗は目をうっすら開ける

「あんたこそ罪を償いなさい」玲名が仁王立ちして言う
「コントロールができなかっただけだ!今度こそ」
と海斗が触る前に可憐が触れてしまった。
「きゃあっ」手を離そうとした。

すると海斗の時とは違い、白い光がまぶしいくらい輝く。
「えっ!?どうなっているの!?」玲名が目を押さえて叫ぶ。

そして剣は海斗のほうを向いて突進してくる。

可憐は気づいた―――
「剣の意思……!?もしかして!!」
剣は真逆さまに落ちて会との胸に突き刺さった。
「うわぁぁぁぁっ!!」「星原君!?」可憐が叫んでいこうとするがまぶしくて見えない

光が暗くなって海斗の方に行くと海斗は剣に刺さっていた。
2人とも言葉が紡げ無い。
「…………」可憐はうつむいて海斗から目を反らした。

「爆弾は?」可憐が気を取り戻すように言った。

「そうだったっ!タイムリミット残り1時間!」玲名が言う



 カウントダウンは終わっていない―――……

94:朝川 美野里:2013/08/04(日) 13:50 ID:EV.

 さんごさん、がんばってください!!

おうえんしています!!
さんごさんなりに書いてください。

おうえんします!!

95:さんご:2013/08/04(日) 15:22 ID:F1A

コメントキター!><
駄作ですが頑張りますm(--;)m

96:さんご:2013/08/04(日) 15:46 ID:F1A

 懐中時計の爆弾―――
「見つからないわよそんなもの」
 タイムリミットが10分まで来た頃だった。
 脱出ゲームと張り切っていたが気合がさめたようだ。

 少し歩いたところで休憩した。
 そこには湖があって2人の姿を映す。
 幻想的な青い水で噴水のように真ん中が噴射している。
「疲れたなー。広いから捜索しづらい。」
 ハンカチで汗をぬぐう可憐。

気分転換にそこらを歩く可憐。お墓の前で足を止めた。

「こ……コレって……」
 可憐が目に映った物は―――
お墓に巻きつけられていた金色の鎖のついた懐中時計。
「ねぇっそれって……まさか――っ!?」目を丸くして時計を指差す
「そうかもね。」落ち着いて言うと少し考えてから、
「私が劣りになる。この時計は……私が持つ!」「!!」

 鎖がジャラッっと音を立てる――

 可憐は別に助けるということで持つわけではない。そんなやさしくなかった
 爆弾の調査をしたいだけだった。
 これは可憐にとってもメリット。
「分かったわ。死んでも責任は取らない。」
そっぽを向いて玲名が言った。

 残り5分。
懐中時計がカチカチ鳴る。

カチャッ、カチャッ。
「中にはポリウレタンミサイル、10%の割合で銅を含む……」
「残り3分よ!逃げなきゃっ」玲名が腕時計を見て震える。

「ええっ!?」

爆弾は?どうなる!

97:りな ◆IoXo:2013/08/04(日) 22:37 ID:sL.

さんごさーん、なんか自分が書くと小説をめちゃくちゃにしてしまいそうで怖いんで、やっぱやめときます。
でも、助けて欲しい時とかあったら、いつでも言ってください。

98:さんご:2013/08/05(月) 09:53 ID:F1A

めちゃくちゃなんて……!Σ(☉o☉)
もともとめちゃくちゃですよw
『アリスと白うさぎ』良かったです^^

「爆弾は……!」
 残り3分。暗い部屋の中2人は解決策を考える。

 タイムリミットが―――!
「どう処置すれば……」必死に考え、知恵を絞る。

 2分―――

「この爆弾は破壊したら爆破する!」
 可憐はあらゆる方法を考えるが…
「早く!私まで巻き込まないで〰」泣き出す玲名。
 
 1分―――

「銅が含まれているから……」
 調べた成分を思い出す。
 1分1秒を争う。

 30秒―――

「湖……!水に弱いっ!この方法しか!」
「それで大丈夫なの!?」目をこわばらせて言う玲名。
「コレしか思いつかない。」うつむいてつぶやく。

 20秒―――

「さっきの湖は!?」焦って湖を探す。

「右に曲がって!」玲名が目を瞑って右をさす。

 10秒―――

「あった!」ようやく見つけた。

「早く!落として……っ」

 3秒―――

 2秒―――
 
 時計の針が重なろうとしている―――!

「えいっ!」湖に時計を素早い速さで投げ捨て……

2人とも目を瞑った。

 ポチャン…………
 10秒間の沈黙――
 

 水の音がするだけ。

「爆発……していない?」恐る恐る目を開ける可憐。
「大丈夫なの?」湖を覗き込む。

       時計の針は重なる直前で止まっていた―――

99:さんご:2013/08/05(月) 10:03 ID:F1A

♣〜シンデレラの辞書ℬℴℴK〜♣

知恵を絞る=ありったけの知恵を出す

100:ゆう:2013/08/05(月) 11:30 ID:tqE

サイコー!><💛

101:さんご:2013/08/05(月) 11:41 ID:F1A

ありがとうございますー

102:さんご:2013/08/05(月) 11:43 ID:F1A

シンデレラの悩み見て見ます^^

103:さんご:2013/08/05(月) 12:00 ID:F1A

ファンクラブ!?
違うシンデレラの憂鬱かなぁ〜?
http://ha10.net/novel/1375666997.html

104:さんご:2013/08/05(月) 12:18 ID:F1A

絶対そうか。

 爆弾を湖に落とした可憐。

「助かったの……?」玲名の汗が一滴落ちる。
「そう見たい」可憐が落ち着いて言う。

 私が触っても剣は大丈夫だった―――。
  でも子孫の星原君が触ったら死にそうになった?

105:☆さんご☆:2013/08/05(月) 14:48 ID:F1A

新しいpcにしたんでiⅮ変わってると思います

106:☆さんご☆:2013/08/05(月) 14:49 ID:F1A

よろしくです

107:☆さんご☆:2013/08/07(水) 12:11 ID:F1A

人少ないな〜

108:☆さんご☆:2013/08/13(火) 13:41 ID:F1A

お盆でお休みしてました〜(汗)
これから続けますー

109:りな ◆IoXo:2013/08/14(水) 00:03 ID:V4I

がんばってね\(^0<)/

110:☆さんご☆:2013/08/19(月) 09:27 ID:F1A

また書くね〜

部屋は薄暗い。

玲名と可憐は座っていた。

「なんで星原君を生かせようとしたの?」可憐が不思議に思っていた事を思い切って聞いてみた。

「償ってもらおうとした。死んで逃げるなんて許せない―!」ギュッと手を握っていた。

間をあけて言った。

「でも死ぬのがあいつの償いかなと思った」玲名は上を見て言う

111:☆さんご☆:2013/08/19(月) 10:27 ID:F1A

久しぶりに書きました〜

112:☆さんご☆:2013/08/19(月) 10:42 ID:F1A

うんざりしてきた。

爆弾は止めたものの――

 「おなかすいたぁ〜っ!」と玲名の声が悲しく響く。
 2日間、何も口にしていないから当然だ。

「ポケットにケータイはあるのかしら?」不意に思いついた。

「部屋に置いた可能性も……」と言ったが……

「そうだわ!あるはずよ!」玲名は海斗のポケットをあさり始め、

「あった〜!これあんたのスマホ?」と玲名が可憐のスマホを差し出した。

「あ、ありがとう」「これで出られるわ!」ほっと胸をなでおろしたが、

「ここ、電波繋がらないんじゃ…?」つぶやいた。

「…………」玲名の脳内が真っ白だ。

「何よ!折角出られると思ったのにっ!案外脱出ゲームって難しいのね」

鈴菜が腕を組んで言う。

だからゲームじゃないって――……

113:☆さんご☆:2013/08/19(月) 12:53 ID:F1A

玲名です(汗)登場人物の名前を間違えるとは…(汗)

114:☆さんご☆:2013/08/19(月) 13:48 ID:F1A

駄作ですみません(汗)

115:☆さんご☆:2013/08/19(月) 15:00 ID:F1A

剣があった石碑に可憐は座った。

剣を見てうつむいた。

あたりは少し明るくなってきたのに可憐の表情は暗い。

勇者だとか言うけどやっぱり厄介だな――……

石碑の周りの骸骨をけ飛ばした。

骸骨は転がってお墓に当たってゴンと音を出した。

「ちょっ…なにしてるの!?」ぶるぶる震えて玲名が言った。

「うんざりしたから」手を頭にのせて小声で返事した。

116:☆さんご☆:2013/08/19(月) 15:30 ID:F1A

ちょっとしか書けなかった

117:☆さんご☆:2013/08/19(月) 17:50 ID:F1A


少し明るくなった部屋に可憐と玲名が閉じ込められている。

お墓が気味悪いほど並んでいる。

「おなかぺこぺこ!あ゛ーっ!」

玲名が寝転んで愚痴を吐いた。

「どこか出口はないのかしら?」可憐は辺りをざっと見たが、

どこも骸骨とお墓ばかり。

「あるんだったらとっくに出てるわ!」玲名がきつい声で言う。

「普通2日もいなくなればケーサツとか捜索しないのぉ〜?」

「星原君がメールを送っちゃったから…」

一方……

花見亭でバイトの美憂がつぶやいた。

「この頃、可憐ちゃんを見かけないわ。何かあったのかしら?」

警察が捜索を始めていた。

118:☆さんご☆:2013/08/20(火) 18:24 ID:F1A

可憐の住む住宅地の周りを警察が捜索している。

「小さい街だからすぐに見つかると思うわ」と玲名のお母さんはとても心配して元気がない。

「最近、何か変わったことはありませんでしたか?」

「あ!そういえばこんなメールがありまして」玲名のお母さんが海斗の送ったメールを見せた。

「このケータイの位置情報を確認しましょう!」警察の人が駆け出す。

しかし電波がないのだから――

「反応が……ありません」警察の人が分析していたが位置が分からない。7

「圏外にいるのか」警察が推測した。

もう3日目が来ようとしている。

誰も気づかないのなら、自分で抜け出すしかない。


可憐のほうでは。

私なんか抜けたって、何もないわ。

骸骨を見て、自分もああなるのだ、と心のどこかで思った――……

119:☆さんご☆:2013/08/21(水) 14:33 ID:F1A

石碑のすぐ後ろに不自然な岩があった。

変な形で、まるで何かをふさぐような感じ。

「あの岩、なんだろう」可憐が岩を軽くたたいた。

「出口の扉だったりして」玲名が笑って岩をけった。

[破壊しちゃえ!」「すごくかたいし……。あ、さっきの剣ならいけるかな」

小さい銀色の剣を手に取った。

何も起こらない。

「触っても大丈夫だ……」不思議に思っていたけど今はそれどころじゃない。

早いとこ抜け出さないと体力も限界だ。


「じゃあ……」剣を岩に思いっきりぶつけた。

ガラガラ――……

岩が砕けて暗い部屋が一瞬でパッと明るくなった。

「!!」可憐が目にしたのは――――

120:☆さんご☆:2013/08/21(水) 14:51 ID:F1A

可憐が目にしたもの――

「何……コレ」

可憐の瞳に映が赤くなっている。

なぜなら、可憐の瞳が写したのは――

無数の炎。

数えきれないほどの火があたりを埋め尽くし、足の踏み場がない。

「はぁ!?どこここ!」パニック状態になっている玲名。

可憐は顔に表していないが脳内は混乱している。

戦争―――?

「もう戦争は1945年に終わったはずじゃ……」

「日本じゃないわよ!こんなところ!ありえない!!」

玲名の顔がこわばっている。

辺りを見回していると、日本語の文字が並ぶ標識がある。

さらに玲名の顔が崩れる。

「やっぱ……日本……」すぐには言葉が出ない状態。

その時、

バンッ

弾が玲名と可憐の目の前を通って壁に当たった。

「そこのやつ!さてはアメリカの軍隊ではなかろうな!」

迷彩柄の服を着て、重そうな鉄砲を持った人がこちらに向かって走ってきている。

「違います!」「よく見たら日本人の顔だな。」

「あの、今は何年ですか?」「何バカなことを言うんだ。今は1944年だろが!」

「……えぇっ!?」可憐と玲名は顔を見合わせた。

銃撃音をBGMに日が暮れる。

ここからどうやって帰れというのだろうか。

神様は無茶な試練を次々と出す―――

121:ニーちゃん:2013/08/21(水) 18:22 ID:qYg

頑張ってください!!

122:☆さんご☆     :2013/08/22(木) 08:51 ID:F1A

ニーちゃんさんの期待に答えられるよう、頑張ります〜

暗くなっても戦争が続いている。

いや、暗くならない。

炎が燃えあがて昼間と同じだ。

「不思議とお腹がすかないよ」玲名が言った。

可憐が今までのことを復習していた。

「別世界としたら時空間がねじれたりしたから、巻き込まれたんじゃ」

「タイムトラベルッ!?科学的にありえないわ!」ヒステリーに玲名が怒鳴る。

「じゃあ今日本は戦争してて、兵隊の人がうそをついたってこと?」

「……」

バン!バン!

銃弾が飛んでくる。

「げほっ。煙がー」玲名がハンカチを口に当ててもごもごしゃべっている。

「とりあえず、あの路地に逃げ込もう」

小さいごみが積もった路地に隠れた。


その時、一緒に路地に飛び込んできた人がいた。

123:☆さんご☆     :2013/08/22(木) 09:38 ID:F1A

偉そうな人で、血一滴も垂らしていない。

立派な軍事服を着ている。

「あ…どなたですか?」可憐が恐る恐る声をかける。

「軍の司令官だ。」

「なぜこのような薄汚い場所へ?」

「爆弾でやられそうになって逃げてきたのだ」

玲名は軍の司令官と聞いて固まっている。

「戦争、やめたほうがよくないですか?」

あっさり初対面の人に言った。

可憐のまなざしは怒っているわけでもないけど、強い目だった。

「何を言う。戦争はいいことだ。日本が栄える。」

「死んででも訴えましょう。殺されてでも言いたいことがあるんで」

その言葉を聞いて司令官は

「もっと命を大事にしたらどうだ。」と反論した。

「だったら……げほっ」何か言おうとしていて咳詰まりに語り始める。

「こんなばかばかしい戦争で死ぬよりマシよ!」

「わかった。聞いてやろう」

124:☆さんご☆     :2013/08/22(木) 12:22 ID:F1A

ようやく納得して話を聞いてくれるそうだ。

「命を大切にしたいと思うなら、戦争をやめれば多くの命が助かるかと」

「その考えは保留しておこう」

話を聞いてくれた。

「ちょっ、お偉いさん前に何言ってるわけ?あなたはいいけど私まで…」

玲名がぶるっと身震いした。

「私の責任よ?あなたは関係ない」

「で……でも」

納得していないが話を進めた。

「ところで、見慣れない顔だな。どこから来た」

そう言われると、本当のことを言うには勇気がいる。

「えっとぉ〜...その...」

ほかの国から来たなんて言えば殺されてしまう。

「未来です」

「えぇ!ありえませんよねーうそですよーねー?ハハハは……」

玲名が笑ってごまかそうとしたが、

「嘘なんかじゃありません」と可憐が言い張っってしまった。

「ふむ。なるほど」

意外とすんなり受け入れたようだ。

「未来に帰りたいんです」

「ふむ。それならば佐々木博士の研究所に行くといい」

「佐々木博士?研究所?そこに行けば、未来に帰れるんですか?」

玲名が目を丸くして質問した。

「ああ。時空の研究をしている。そこに行くならこれを持っていたほうがいい」

ピンク色の紙を渡された。地図が載っている。

「何ですか、コレ」玲名が地図を見た。

「研究所までの地図だ」

「ありがとうございます」

2人はお礼を言って路地から出た。

125:☆さんご☆     :2013/08/22(木) 13:16 ID:F1A

最近人が……

小説の腕落ちたかなW

126:☆さんご☆:2013/08/22(木) 14:11 ID:F1A

「ふぅーん。小川さんはそういう人だったの?キャラ崩壊してるね」

玲名が言ってきた

「え、いや」笑って紛らわす

でも可憐は違う。

思いやりで言ったんじゃない。

戦争があると厄介だから、とっとと終わらせるつもりだった。

127:♪さんご:2013/08/22(木) 16:14 ID:F1A

「研究所はここかしら?」

木造建築1階建ての古びた家で、周りに家はない。

「あのー」可憐が声をかけた。

すると扉の向こうから声がする。

「何だ!また非難を言いに来たか」

怒鳴っている。

「あの、もしかしてあなたは佐々木博士ですか?」

「そうだが。また私の研究に文句を言いに来たんだろう?」

勝手に決めつけられてしまった

「文句を言われるのはもうごめんだね」

「いえ違います。その研究を生かしてしてもらいたいんです」

「何?私の研究を真に受ける人がいるのか。まぁいい。話は中でだ。とりあえず入れ」

木製のドアを開けて2人が入っていった。

「私は小川可憐と言います。」

可憐は自己紹介をうながすようにして玲名を見た

「山口玲名です……」


「あの佐々木博士、時空の研究をしていると聞いてきました。」

可憐が言うとつづけて玲名が、

「私達、どうやらタイムスリップしたみたいで」

「現在の人間の理論上ではありえないというが、私はそうでもない」

博士は顔を少し上げて言う

「タイムスリップはあり得ないといわれ、ここから追い出そうとしたり、
文句を言いに来るやつらが来るのだ」

「そうだったんですか。」

優しい可憐を演じなければ。

自分の本音をところどころ漏らすのが混乱している証拠。

128:♪さんご:2013/08/22(木) 17:23 ID:F1A

話が複雑になってきたww

129:♪さんご:2013/08/22(木) 17:49 ID:F1A

「ところで、私たち帰れるんですかね?」

玲名が話を進めた。

「今の時点では帰れる。」

「本当ですか!」

「あぁ。」

その時、

バン!と激しい銃声音が鳴って佐々木博士を貫いた。

「!!」

とっさに可憐と玲名は机の中に隠れたものの、軍隊は去っていない。

しかし軍隊はザッと周りを見て去って行った。

「……」

悲惨な姿。

佐々木博士の方に弾が突き抜けた後

カランと乾いた音を鳴らして弾が落ちてきた。

「どうしよう……」

「もう息がない。」

「この人がいないと、帰れないんじゃ」

「…………」

「そ……そこらへんのものいじっちゃえ!帰れちゃったりして」

玲名が笑っていったが心の中は焦っていた

「こんな時代にコンピューター?」

1台のノートパソコンが置かれている」

「こっちには博士のものらしき日記が!」

玲名が黒いノートを指差す。

「何か手がかりが?」

そこには研究の記録が残されている。

しかし天才の可憐も分からない

130:さんご:2013/08/26(月) 10:59 ID:F1A

「習っていないっ法則や公式……。弟子とかいなかったのかしら」

可憐が困ったように言う。

ページをめくっていると日本語でつづられた文字があった。


2013年。いや、1945年 7/3

時空の研究中、タイムスリップに成功した。

コンピューター1台持ち出して、研究を進める。

新たな研究に挑むつもりだ。


日記にはそう書かれている

これを読み終わった2人は、驚愕している。

「この人もタイムスリップしたの!?」玲名が驚いていた。

131:さんご:2013/08/26(月) 13:11 ID:F1A

その時誰かはいってきた。

「!!」可憐が驚愕した。

「誰?知ってるの?」玲名が可憐に小声で質問した。

「あの方は……大使官という役人で天皇の側近よ!」

立派な服を着ている。

「あの、どうかなさったんですか?」玲名が聞いた。

「イギリスの軍隊が……襲ってくる」

息切れしていてまともに離せない状態だった。

「えっ!えっ!?どうしたらいいの?」玲名がとまどう。

徐々に足音が聞こえる。

その時イギリス軍の兵隊らしき人物がやってきて、

バン!と銃声がした

「きゃぁっ」

イギリス軍は相当焦っていて玲名と可憐を殺す暇がなかったようで、

2人を殺さず去って行った。


「大丈夫ですかっ!?」

「どうしよう……」

その時日本の軍隊がやってきた。

「あの……さっき、イギリス軍人が大使館を殺して……」

可憐が焦って言うと日本軍人が

「何だって!?こっちにこい!」

大きな建物に向かって大使官を引きずりながら軍人は走ってゆく。

132:さんご:2013/08/26(月) 13:20 ID:F1A

しっかりした鉄鋼でできていて 

豪華な建物。

門番がいて、兵士がわけを説明すると通してくれた。


「イギリス軍人が……」

「お前じゃないのか?」

兵士ともう一人の大使官ともめ合っている。

「こいつを裁判に出せ!明日の午後だ!」

「はぁ……」兵士はがっかりしてうつむいた。

「何か……あったんですか?」

「俺が疑われたよ。」

「そんな!」

「明日裁判に出すってよ。お前らのせいだろっ!」

ヒステリーに怒って2人に拳銃を突きつける。

震えだした玲名。冷静な可憐。

「いいのかしら?私たちを殺して。証人がいなくなるわよ」

腕を組んであっさり余裕そうに言った。

「くっ」反論できない兵士。

「明日の午後まで証拠を見つけなきゃな」

「現場に戻ろうよ」玲名が可憐を引っ張る。

「手がかりはあるかしら」

「とりあえず、ここは危ない。別の場所に行くか」

兵士が黒く焦げた道を走っていき、

そのあとに続いて2人がついていく

133:さんご:2013/08/26(月) 13:30 ID:F1A

木造の研究所に戻る。

「この弾丸なんかどう?」

玲名が差し出した。

「使えそうだから回収しておこうか」

「この裁判、勝たないと帰れないわ」


「今日は俺の友人の宿に泊まるといい。」

「いいんですかぁ〜」

「証拠を見つけてもらったし、証人だしな」

134:さんご:2013/08/26(月) 17:11 ID:F1A

その日、古い宿に2人は泊まった。

もちろんお決まりの木造建築2階建て。

狭い中庭があるだけであとは部屋だけ。

お風呂も一切なく、夕飯は麦と漬物、ナスの味噌汁が少しあるだけ。


「うぇ〜、これだけぇ〜?」

玲名が文句を言う。

「この時期はこれでも高級品だったわ」

可憐が手を合わせて箸をとる。

玲名が漬物をまずそうにかじって言った。

「明日の裁判、天皇がくるってさ」

「ふぅん」

銃声の音を後ろに食事をしていた。

宿は小さな田舎町で戦場から離れていたが、銃声音がここまで響く。

「裁判所は、あのでっかい建物?」

「うん」

2人は緊張と疲れが混じって元気がない状態。

「とりあえず今日は休むわ」

可憐は食事を済ませて部屋に戻った。

135:さんご:2013/08/26(月) 17:20 ID:F1A

部屋に戻った可憐は明日の裁判のことで頭がいっぱいだった。

小さい布団を部屋の隅に敷いて、寝る準備をしていた。

そこへ食事を終えた玲名が来た。

「めんどくさいなぁ〜何なのよ、私まで巻き込んで」

玲名が可憐の敷いた布団に座った。

玲名が座ったので可憐は別の場所にもう一枚敷いてそこへ座った。

可憐がため息をついてつぶやいた。

「裁判が終わるのは時間の問題ね。」

「どういうこと?」

「なんでもない。」

何か言いたそうな顔だったけど黙った。

「電気消すよ。」玲名が提灯のような光る置物の前に立った。

「あ、いいよ」

カチッ

真っ暗になったけど銃声音は止まない。

裁判が気になって寝られない。

一応仮眠を取ろうと思い無理に目をつむった。

嫌な予感がする――……

136:さんご:2013/08/27(火) 08:01 ID:F1A

ついにやってきた。この日が。

決死の裁判。

「軍隊は先についてると思うから」

可憐が昨日言った道を思い出して走っていく。

137:さんご:2013/08/28(水) 12:50 ID:F1A

会場についた。

「お前ら何者だ?」門番が槍を構えて警戒してる。

「今日の裁判の証人です」

「なら良い。さぁ、ここから参るがよい」

ギィと音を立て、扉の向こうに大広間がある。

人でにぎわっている。100人程いる。

「あそこにいるのは、天皇かしら?」

可憐が指差した先に天皇が座っていて、そのサイドに大使官が立っている。

「では、これより裁判を始める」

裁判長の代わりに大使官が仕切る。

138:さんご:2013/08/28(水) 13:00 ID:F1A

「まずは被告人。その時の状況を述べよ」

「はい」

弁護人もいない、めちゃくちゃな裁判だ。

「私は戦場にいました。イギリス軍が逃げていくのを追いかけ

研究所に入りました。その時銃声音がして、見たら大使官が……」

「それには、無理があると思います!」

大使官の一人が言い出した。

「なぜだ?」

「その時戦場を拝見しましたが、そのような人は見かけておりません」

「ふむ。」

「それに、あの人は戦争反対者ですから、動機も十分です」

「証拠になっていないと思います」

可憐が初めて口を開いた。

「あの時、私たちも戦場にいましたが、人が多すぎるため、見逃したこともあり得ます」

大人びた正論意見に思わず大使官も口を閉じてしまった。

「それに、私たちも居合わせていました」

玲名が思い切って言う。

「大使官が……『イギリス軍に襲われた』と言っていましたから」

玲名が言った一言が周りを大きく変えた。

「何だっ!?それは本当か!?」

大使官が驚いている。

この裁判に負ければ、国民から批判されてしまい、政治にも影響がある。

「でも、それはあの小娘の嘘なんじゃ……」

「だったら……だったらほかの人の証言も同じことでしょう?」

静かに可憐が言った。

139:さんご:2013/08/28(水) 13:11 ID:F1A

「とりあえず、次に意見を述べましょう」

可憐が手を挙げた。

「はい、そこの人」

可憐が指名され、席から立って厳しい口調で言った。

「私たちは、ばかばかしい戦争を終わりにしてほしいんです」

その言葉に周りがざわつく。

「あわわわわわ……」

玲名が慌てて、可憐に小声で言う

「こんなこと言ったら、殺される!」

「私の責任よ?今ははなしを合わせて。」

「あなたはいいだろうけど、私まで……」

可憐を押し止めようとするがもう遅い。

この言葉に大使官は怒る。

「戦争は日本を豊かにする!国土を広げ、労働者が増え……」

「戦争をしていない地域は日本より技術が発達しているわ」

机を叩いて立ち上がりだす。

「いくら労働者が増えたって、次々戦争で死んでいくじゃないの!」

周りが静まり返って、中には同情する人も出てきた。

「それはどこだ?戦争をせずに豊に暮らせる地域とは」

意地悪く大使官が質問する。

「どうしよう」玲名は黙ってみているだけ。

「南地方のウィスティナ諸島です」

「ふむ。そこを襲撃すれば、わが国も高度技術を手に入れられるぞ」

「!?」可憐が驚いている。

「今すぐ襲撃の準備だ!」

140:さんご:2013/08/28(水) 15:05 ID:F1A

「!?これ以上他国を巻き込ませては……!」

可憐が行こうとするのを大使官が止めた。

「まだ裁判が終わっていないじゃないか。まぁ、生きて帰れるかね」

それは死刑のことだろうか――

「まぁ、まて。出兵は少なくとも明日さ」

裁判は一日かからないとしても、生きれるかが問題だ。

「なによっ!自分は天皇に使えるだけでちっとも戦わないじゃない!」

「何だこいつは……!」

「殴られる――!」玲名が叫び、可憐はじっとする。

大使官の動きをしっかり目で捕えて大使官の足を蹴り飛ばしてしまった。

「あなたなんか怖くないわ!今戦場で戦っている人のほうがよっぽど強いわ!」

周りの大使館が動揺を隠しきれず、じりじりと引いていく。

それを驚愕してみていた玲名。

小川さんってこんなに正義感あふれる人だったっけ――?

と玲名が一瞬心の隅で思っていた。

141:匿名さん:2013/08/28(水) 15:11 ID:uv6

おもしろいですね!
よむたび、つづきがよみたくなりますぅ

142:さんご:2013/08/28(水) 15:55 ID:F1A

コメントありがとうございます^^

久しぶりの読者さんが……(涙)

143:さんご:2013/08/28(水) 16:09 ID:F1A

その時小さな拍手が起こった。

天皇が拍手をしている。パチパチ音を立てて。

可憐も玲名も周りのギャラリーも黙ったまま。

小さく響き渡る拍手。

「……え?」可憐が質問するようにつぶやいた。

「私の考えが間違っていたね」

天皇はため息をついた。

「これで私も、一番なりたくないと思った立派な犯罪者だ」

続いて大きな声で叫んだ

「この裁判は君たちの勝ちだ!もう自由になるがよい」

「え、じゃあ……」

「私も死刑だな」ほろり簡単そうにその言葉が天皇の口から出た。

「そんなっ」玲名が乗り出る。

天皇が再び拍手を始め出した。

その拍手をさえぎるかのように大使官が叫ぶ。

「もうウィスティナ諸島への出兵は止められない」

「しまった――!」可憐が出ようとしたその時、

「これを持っていくがよい」

天皇が差し出したのは通行切符。

ウィスティナ諸島行と書いてある。

「ありがとうございます!」

深くお辞儀をして去っていく。

それを見えなくなるまで天皇が扉のそばに立っていた――……

144:さんご:2013/08/28(水) 16:11 ID:F1A

〜シンデレラの辞書BOOK〜

ギャラリー=見物人

145:りな ◆yXpc:2013/08/29(木) 17:12 ID:HWc

なんか話がすごいことなってきて頭の整理が追いつかないくらいすごい………

146:さんご:2013/08/30(金) 14:45 ID:F1A

なんか複雑になってしまいましたね…

ウィスティナ諸島は日本から近く、船でも行ける距離。

非難する日本人も多い。

喧嘩を好まない国で戦争をしていない。

船に乗り込み、阻止をしようとする。

可憐がここまでやるのは理由がある。

「なんでそこまでするの?」玲名が船の上で問う。

可憐は思い出したくないものを思い出すかのように顔をゆがめる。

「おばあちゃんのため。」

その一言をやっとの思いで口にした。

147:さんご:2013/08/30(金) 15:20 ID:F1A

おばあちゃんは放射能のせいで病気になり、亡くなってしまった

歴史を変えるため、出来る限りのことはしたい。

ウィスティナ諸島行の船を海軍が囲む。


ウィスティナ諸島まであと少しだというのに

玲名も可憐も話に夢中で海軍に興味がない。

散々軍隊を見て、ちっとも怖くはなくなってしまった。


「ふぅん〜」玲名は簡単にうなずく。

天皇の死刑のことも可憐の記憶を引きずる物となってしまった。

きっとその罪は万死に値する。

「天皇は……天皇は悪くない!」可憐が目をつむって小声で強く言う。

「どういうことなの?」玲名が驚く。

「歴史上では天皇の罪とされていた。でも本当は上皇からの嫌がらせよ!」

大使官と上皇が手を組み、戦争をやらせた。

「うそ……戻らなきゃっ!」

「ここは船よ。もう止められるはずが……」可憐が呆れる。

「上皇も処刑されるの?」

「いいえ。直接関わっていないとでも言うでしょう。それを知るのは極わずかな大使官のみ」


「直接?その言い方じゃ、間接的に関わったってことになるけど」玲名が軽く考えて言った。

「上皇は天皇の親だから謝罪はしないといけないわ」

「終点ウィスティナ諸島です」着物を着た人が叫ぶ。

「早く止めなきゃ」可憐と玲名が船から降りた。

148:さんご:2013/08/30(金) 18:35 ID:F1A

外国ですが日本語訳にさせていただきます



ウェスティナ諸島の商店街に来た。

にぎやかな街で日本のスーパーのような大きい建物がある。

バスも車も走っていて、1944年とは思えない。

「うわぁ、すごい!」玲名があたりを見回している。

「避難してきた日本人もいるね」可憐が歩き始めた。

「ここは何語を使ってるの?」

「主にアメリカの先住民だから英語ね」

「あ、あそこに新聞がある!もしかしたら書いてあるかも!」

「新聞の小さいとこ、戦争出兵って書いてある」

可憐が英文をパッと一瞬で訳す。

「こんな大変なこと、ふつうでかでかと書き立てるでしょっ!」

玲名が驚愕している。

確かに軍隊が一人も見当たらない。

「あの、戦争になりますよ?出兵しないのですか?」

可憐が周りに聞く。

「そんなの勝手にやらせておけばいいさ。その内つまらなくなって引き上げるよ」

一人の男性が言い、

「僕たちは喧嘩が嫌いでね」もう一人の男性も言う。

「いくら喧嘩嫌いでもおおげさだよぉ〜!」玲名が慌てている。

でも放っておくのも案外計算通りかもしれない――?

可憐は心の隅で思う。

149:さんご:2013/09/02(月) 16:17 ID:F1A

おばあちゃん―――……

いじめられ、虐待され、悲しい目にあった私をたった一人なぐさめてくれた人。

でも死んでしまった――


和な町の中、暗い思いをする。

「戦わないなんてどういうつもり!?」玲名はいつものようにキレる。

「ここの人は頭がいいのね」可憐が戦わないことに納得した。

「どういうことよ?」

「ここは面積も小さく、津波にあったら島が沈む。そして復興費を出すのは所有権を持つ日本」

「で?」

「日本は島ではなく技術を目当てに占領しようとしているんだわ」

可憐は奥を考える。

「つまり人を殺せば技術は手に入らない」

「おぉーなるほど〜」玲名は分かっているのか分かっていないのか曖昧な返事を返し可憐の話を聞く。

「つまり殺されないから恐れないのよ。ただ拉致監禁される確率は高いけどね」

名探偵のように決めた。

「そっかぁー」ほっっとしたが重大なことに今更気づいた。

「帰る……方法は……?」

玲名が青ざめる。

「とりあえず最後まで日記を解読しましょう」

黒い手帳を取り出し読み始めた。

150:さんご:2013/09/02(月) 16:22 ID:F1A

日記の内容はどれも役立たず。

法則や訳の分からないことが書いてあるだけ。

最後のページに来てしまった。

「コレ……」やっと日本語でつづられた文字を見つめる。


今日私の後輩弟子がウィスティナ諸島へ旅立った。

成功してくれるといいが――


「ここに弟子が!?」玲名は興奮している

「やけに都合がよすぎるわ」

「いいじゃん。細かいことは気にしない〜散々不幸な目にあったんだから」

おおざっぱな性格だ。

「とりあえず行ってみるしか……」

「ウィスティナ諸島の人に聞き込み開始!」

151:さんご:2013/09/02(月) 16:39 ID:F1A

 いまさら思うけどこれは夢……?

 私は今どこをさまよっているの――?

 あぁ、あぁ――

 頭が痛い――……

「目を覚ませーっ!」玲名がボーっとしている可憐を叩く。

「あ、ごめん。考え事をしてて」

 それでもまだ、ぼんやり歩いていた。

「そこの人ー」

 玲名が早速聞き込みを開始している。

「訳お願いね!」玲名は可憐を引っ張っる。

「ここら辺で時空の研究してるとこありますか?」

 可憐が英語で訳す。ペラペラペラペラ。

「あいにくお尋ねのことはわかりませんだって」

 可憐はまるで予想していたかのように言った。

「んじゃ今度はそこの中学生らしき人に聞こうっと」

 2人と同じくらいの年の女の子が歩いていた。

 漆黒のロングヘアの横に小さい三つ編み。

「あのー、って……アレ?あなた……」

 少女は黙っている。

「何か用ですか?って山口さん!?」

 日本語で話している。さらに玲名のことまで知っている。

 1944年だから玲名の存在を知る人は誰もいないだろう。
 
 しかしこの少女は知っている――

「双美 芹香さん……?」

「やはりあなたは山口玲名さんですね?そして小川可憐さん」

 涼しげな目元は二人の瞳を見ている。

「1年前、失踪したはず……」

 可憐は驚きを隠せない。

 双美芹香(ふたみせりか)はかつてクラスメイトだった。

 一年前の失踪事件が蘇る――……



 

152:さんご:2013/09/02(月) 16:41 ID:F1A

新キャラ登場ー!

キャラファイルW

双美 芹香 (ふたみ せりか)

年齢 14歳

好きな食べ物  ドーナツ

〜DATA〜

1年前失踪事件に巻き込まれ、亡くなったと思われていた。

153:さんご:2013/09/03(火) 16:15 ID:F1A

「双美さん!」可憐が驚き、玲名は口を開けない。

「えぇ。1年前失踪した事も記憶にあるわ」

 芹香は2人の驚愕が収まるまで待っている。

「ところでなんでここに?」可憐がわけを聞く。

「あれは1年前の事……」

 空を見上げて語りだす。

「学校の階段の鏡を見ていたら急にめまいがして、気付いたら戦争中の日本にいたわ」

「めまい?」

「細かく言うと、鏡がひっくり返って暗いところに来てめまいがしたの」

 鏡――

 可憐達も壁の穴から来たのだった。

「つまり芹香さんの失踪事件の真相は――!」

「えぇ。あなたたちと同じ。タイムスリップよ」

 あまりにも驚きすぎて固まったまま混乱している。

「そしてその後、坂井博士に助けてもらったの」

「坂井博士?」

「時空の研究をしているらしいの」

「!?」

 2人は顔を見合わせ、確証した。

 佐々木博士の弟子という事を―――……

154:さんご:2013/09/04(水) 16:11 ID:F1A

「時空の研究!?」玲名は嬉しそうなのか慌てているのか分からない表情で言う。

「えぇ。よかったら招待するわ」芹香は案内するそうだ。

「連れて行ってください!」可憐は落ち着いて承知した。

「じゃあついてきて」後ろを向き、軽い足取りで歩く。

 店の並ぶ街道を歩くこと5分。
 
 店から少し離れた建物に来た。

「ここよ」芹香が指差す。

 コンクリートで出来た築1年程の建物。

「わぁー立派」日本では普通の建物でも木造建築ばかり見ていたらご立派に思えるものだ。

 緑色の看板に銀色の文字で『坂井時空歴史研究所』と書いてある。

「さぁ入って」ドアノブを握ると同時に誰かを呼んだ。

「坂井博士ー。お客様ですー」芹香が博士を呼んだ。

「いらっしゃい」若い女の人が出てきた。20歳より少し手前頃の女性。

「こんにちわ。私は坂井 聖花といいます」

「坂井聖花!?」可憐がいきなり驚愕している。

「どうしたの?」芹香が心配そうに言う


 坂井聖花―――……!?

   おばあちゃんの名前っ!

155:さんご:2013/09/04(水) 17:35 ID:F1A

「なにかあったの?」芹香が不安そうな表情を浮かべている。

「あ、いや何でもないよ」笑ってごまかす。私のいつもの悪いクセ。

「あぁそう。ならいいんだけど」

「で、何か用かしら?」聖花が言う。

「私たち、未来から来たんです」玲名は恐る恐る真実を話した。

「なるほど」軽くうなずき、空を見上げた。

「中に入って」聖花が扉を開け、4人が入って行った。

「時空の研究をしていると聞いて……」

 玲名は助けを求めるように語った。

「変える方法はありますか?」

「えぇ。これを見て」

 博士はノートパソコンの隣にあるテレビのような機械を指した。

「あれは『タイムロード』を開く機械」

「タイムロード?」

 聞きなれない言葉に2人は首をかしげる。

「タイムロードって日本語に訳すと時間の道?」

「その通り!」博士は何やらパソコンをカタカタ打ち始めた。

「この機械を使えば未来に戻れるわ」

「それで帰れるんですかっ!!」興奮した玲名が可憐の肩を叩いている。

「もちろん」

「いつごろ帰れますか?」可憐ははしゃぐ玲名を放っておき冷静に質問した。

「タイムロードを開くには膨大なエネルギーが必要だから……」

 何やら計算をし始めた。

「大体2時間ね!」

「やったぁ〜〜っ!!」玲名はますます興奮している。

156:さんご:2013/09/04(水) 17:46 ID:F1A

「ここと未来の誤差は大体……」博士がまた計算してる。

「分かりやすい言葉で言って下さい!」玲名が混乱している。

「つまり、ここでの1日は未来では1時間に値するわ」

「えぇー、頑張って生きてもたったこれっぽっち!」

「エネルギーが貯まるまでこの諸島を散策しましょ?」

 芹香が楽しそうに言う。

「ならまた日本に戻って天皇を救おう!ね!」玲名は2人を引っ張る。

「日本に戻るの?」芹香が心配する。

 裁判のことをまだ気にしていたようだ。

「日本に行っても寿命が縮まるだけよ」

 可憐が押し止める。

「あら、天皇なら処刑されなかったわよ?」

 博士が新聞を見ている。

「証拠の書類が見つかって上皇と大使官が処刑されたらしいわ」」

「じゃあ!もう行かなくていいんだね!」玲名は笑った。

「うん」芹香は扉を開け、外に出て行った。

157:さんご:2013/09/04(水) 18:29 ID:F1A

時々コメント

最近読者が極端に少なくなったなぁ~と思います

後読めない漢字があったら遠慮せずに言って下さいね^^

第一章ついにクライマックス!

駄作ですが頑張りますー!

158:りな ◆IoXo:2013/09/04(水) 20:12 ID:cFE

>>157
うちはいつも見てるゼ☆

159:音音 ◆YmRg:2013/09/04(水) 21:05 ID:a2s

私も、コメントはしませんが読んでますよ♪
最後まで頑張って下さい!(*^_^*)

160:さんご:2013/09/05(木) 06:59 ID:F1A

>>158+159

ありがとうございます!こんな駄作を読んでくれるとは……


 アスファルトの街道を歩きだす。

「なんか元気ないよ?」

 芹香が可憐の瞳を覗き込む。

「え、普通だよ?」
 
「そう」芹香は納得していないような顔。

 おばあちゃんは昔研究を……?

   本当におばあちゃん?

「何ボーッとしてんのよ」玲名に引っ張られ色々見物している真っ最中だった。

「もしよかったら、ここの学校に行ってみる?」

 芹香が笑って勧める。

「学校……?」

「えぇ。テストだけでも」

「行ってみよー!学校はどこ?」

「目の前」芹香が指差した先には白い建物が建っている。

「あ、私英語話せないんだった。あんた通訳しなさいよ」

 可憐に通訳を押し付ける。

「あ、うん」

「そーいえば芹香さんは小川さんと成績を争っていたっていう……」

「あらやだ、小川さんと争えるようなレベルじゃないわ」

 芹香は自分を侮辱している。

「すみませーん、テスト受験生です」

 芹香は英語で訳すと先生が出てきた。

「さぁ、いらっしゃい。テスト受験だね。少し待ってて」

「緊張するぅ〜っ」玲名がはしゃいで緊張を紛らわす。

「問題文すら読めないのにね」

 可憐が言うと玲名は壁につっぷした。

「いいのよ。ここは英文だから出来る範囲で頑張って!」

 芹香が小さくガッツポーズをしている。


「準備ができたわ。では30分間行います。始め!」

161:さんご:2013/09/05(木) 07:08 ID:F1A

 あの名前、坂井聖花、聞いた瞬間運命を感じた――

「分かんない〜受けるんじゃなかったぁ〜」

 嘆き悲しむ玲名をよそに2人は集中している。

  この化学公式はこうね――

    この方程式――

      物理法則に当てはめて――

 ペンを握ったら30分間何も止まらず書いている

 問題用紙には法則、公式などずらり。

「で、出来たー」2人同時終わり、玲名は適当に答えを書く。

162:さんご:2013/09/05(木) 16:29 ID:F1A

「試験終了!ペンを置きなさい」

 試験担当の先生が時計を見ている。

 玲名は何を言っているのか分からず机に伏せた。

「こ……こーさん……」

「結果を発表します」

「なんて言ってんの?」玲名が訳を求める。

「結果を発表しますだって」

「双美芹香98点よ。惜しいわね。でも悪い点数ではないわ」

 先生がニコニコ笑っている。

「はい!」芹香も笑う。

「小川可憐さん、100点よ!すごいわ〜」

 先生が拍手をしている。

「ありがとうございます」

「えぇ〜っと……山口玲名さん、頑張りましょう」

「え、なんて言ってんの?」

「頑張りましょうだって」

 可憐が得意そうに訳すのを見て玲名はむっとしたが何も言わなかった。

「え……何コレ」

 答案用紙には一つも赤い丸がない。

「どうだった?」芹香がわくわくして聞く。

「ま……まぁ想定内ね!」

 0点をとったくせに偉そうに言う。

「そろそろ次行かない?」芹香は行動が早い。

「そうね」

 芹香がお礼を言い、銀のドアノブを握りしめ出て行った。

163:さんご:2013/09/05(木) 16:47 ID:F1A

「さぁーて次どこ行く?」

 芹香が張り切っている。

「勉強はもうこりごりよー、楽しいことしようよ〜」

 疲れ果てた玲名に気を使って芹香が提案した。

「喫茶店に行く?」

「うん。少し休憩したい」玲名がへとへとだ。

 3人は近くの喫茶店へ入る。

 カランという吊下がった看板の鈴の音。

 洋食レストランの花見亭を思い出す音。

「好きなの選んで。おごるから」芹香がメニューを開いた。

「えっ、いいの?じゃ遠慮なく〜」気楽な玲名はメニューをめくる。

 ぼんやりメニューを眺めていた可憐は迷っている。

「じゃ、このオレンジジュースで!訳して注文してよ!」

 可憐に通訳を押し付ける玲名。

「すいません、オレンジジュースひとつと、コ―ヒー下さい」

「コーヒー?そんな苦いものよく飲めるね」

 玲名がオレンジジュースのストローをしゃぶっている。

 貴方が子供なだけよ、と言いたかったがやめた。

「にしても帰る方法が見つかってよかった〜」

「こんなとこで人生を浪費するのもごめんよ」

 可憐がスパっ言ったので2人とも心の隅でうなずいている。

「もう2時間立ったんじゃない?」

 長いこと学校や喫茶店にいる。

「研究所に戻りましょう」芹香が財布を取り出している。

「疲れたな〜やっと帰れる」

 木製のドアを握りしめる。

 カランという音と共に足音が鳴り出した。

164:さんご:2013/09/05(木) 17:24 ID:F1A

 研究所に行くとタイムロードが開いている。

 青く澄んだ道。

「これで帰れるんだねっ!」泣きながら玲名は笑った。

「双美さんは帰らないの?」

 真顔で聞く。

「えっ!」

 沈黙になり、芹香が口を開いた。

「いえ……私は」

 その言葉をさえぎるかのように博士が口を開く。

「いいのよ。無理しなくて」

 研究が進んで帰れるようになったのにも関わらず帰らなかった――

「…………」黙ったままうつむく。

 可憐はタイムロードに踏み出せない。

  すぐ近くに帰り道があるのに。

   あと一歩なのにその一歩が遠く感じる。

「……私……帰りますっ!」

 目をつむり、涙を流して辛そうに叫んだ。

 博士も黙っている。

「そう。帰るのね」

 にっこり笑った。

「さぁ、もう時間がないわ」

 やっと一歩つま先がタイムロードに触れた。

  もうここまで来たら後戻りはできない――

   思い残すこともない――

     振り返ることさえも――

「さようならっ!」最後に小さくそう言った。 

 みるみるタイムゲートは小さくなる。

 青く澄んだタイムロードは七色に輝いて小さくなりやがて3人を包んで消えていった。

  穴が消えるまで博士は手を振った。

「さぁ、私にはやるべきことという仕事があるわ!」

 

 今日も誰かが歌を歌っている――
   
  ほんの少しの平和。
 
   また新たな事件が来るまでの―――……

165:さんご:2013/09/05(木) 17:39 ID:F1A

ううっ……

 急にまぶたの裏が明るくなった。

「…………あれ?」

 目を覚ましたのはベットの上。それも病院の。

「なんでここに?」

 頭が痛く、自分の声も遠い。

「やっと目を覚ました」

 湯川沙織と佐々木香奈が立っている。

「湯川さん?それに佐々木さんまで……」


「帰れた……の?それとも夢……」記憶が曖昧で自身がなくなる。

「も〜びっくりしたよ!3人路地に倒れててさー」

「えぇっ、路地に3人?」と驚愕した。

「うっ」頭を押さえている。

「無理しないで」

「何があったの?」

 可憐は驚愕して頭が痛い。

「下校中路地を通りかかったら小川さんと山口さんとなんと双美さんまで倒れてて」

 隣のベットに芹香と玲名がいる。

「え……じゃああれは……」

  夢じゃない――!

 今までの出来事は決して夢はなかった。

  悲しいこともあった。

   裁判だったり人が目の前で殺されたり。

   でもおばあちゃんにまた会えた。

              天皇も救えた。 

                 双美さんも帰れた。

  結局これで良かった。

   今日も明日もここと過去も未来も繋がっている――

      だから私も生きる―――

    

166:さんご:2013/09/05(木) 17:40 ID:F1A

 旅の最後に――

 今まで支えてくれた人たちにお礼を言いたい。

  「ありがとう――」

             <第一章完結>

167:さんご:2013/09/05(木) 17:44 ID:F1A

〜時々コメント〜

やっと第一章終わりました!

別に最終章ではないのでご安心を(汗&笑)

第二章では――!

可憐の学校生活を主に書いていきたいと思います><

蓮&令雄登場!でますます複雑になっていくかなぁ〜

ではお楽しみに〜

168:さんご:2013/09/05(木) 17:54 ID:F1A

というか、りなさんって『アリスと白うさぎ。』の作者様!!

(今頃気づきましたw)

物語だけ見ていて名前変更を無視してしまって申し訳ありませんでしたっ!

名前変更無視するくらいの面白さです(泣)

そんなお偉いさんに感想書いて頂けたなんて……!

169:さんご ◆JfuU:2013/09/05(木) 17:58 ID:F1A

第二章は明日頃書くのでー

最近小説詰で堅苦しいスレとなってしまいました!Ww

感想とか辛口コメもなんでも記入どうぞ!

170:さんご ◆JfuU:2013/09/05(木) 17:59 ID:F1A

【補足】

トリップ付けました

呼ぶときはさんごでokです

171:さんご <偽者>JfuU hoge:2013/09/05(木) 18:11 ID:F1A

土日祝日はかけないのでご了承ください

172:さんご ◆JfuU hoge:2013/09/05(木) 18:11 ID:F1A

↑あ、すみません>>171は私です

173:りな ◆IoXo:2013/09/05(木) 22:35 ID:1Jw

>>168
気づいてなかった感じですか?(笑)
でも、なんか嬉しいです(//ω//)

うちはさんごの小説尊敬しとるで、
2章もがんばってな!

174:さんご ◆JfuU:2013/09/06(金) 16:17 ID:F1A

>>173

私の小説を尊敬Σ!?

人生でこんなにありがたいことは(泣)

175:さんご ◆JfuU:2013/09/06(金) 16:37 ID:F1A

<第二章>

 やっと永い時空の旅は幕を閉じ、普通の生活に戻れた頃。

 文化祭が始まろうとしていた。

「これからHRを始める。まずは文化祭についてだー」

 先生が一声かけるとざわつき始めた。

「文化祭だって!」「わくわくする〜」

 そんな声が可憐の耳に入る。

 何なのよ、たかがお祭りで……

 いつもながら無感情。

「で、今日は係り決めなどをする」

 先生が黒板に係りの一覧を書き始めた。

「ねぇ、一緒の係りにしようよ!」

 湯川沙織が可憐に声をかけ始めた。

「えぇ?私と?冗談じゃ……」

「じゃっ、用具係みたいな雑用も意外と楽しいよ!やろやろ!」

 可憐は呆れて何も言えなかったため勝手に用具係にされてしまった。

「はぁ?なんなのよ。強引過ぎるわ!」

 不満をぶつぶつ言っているとチャイムが鳴った。

 みんなチャイムに急かされ帰っていく。

「ねぇ、一緒に帰ろ?」

 今度は佐々木香奈が声をかける。

「ごめん、用事があるの」

「そうなの?ごめんね」

 謝ると正門を出ていった。

 ああもう、みんなあっち行ってよ――

 可憐がうんざりして歩いているとあっという間に花見亭に着いた。

「今日はここで夕飯ね」

 と思ったが建物に布がかかっている。

 周りにはトラックなどが沢山止まっている。

「あら?」

 そう思っていると張り紙に気付いた。

    『花見亭改築中。ご迷惑をおかけします』

「花見亭が改築中?他のレストランに行くかコンビニで買うかね」

 しぶしぶ花見亭から離れていき、路地に入る。

「小川さん、一緒に係りやろうと思ったのにぃ〜」

 沙織と香奈が仲良く喋っている。

 沙織の声が聞こえ、とっさに花見亭に引き返そうとしたがその前に見つかってしまった。

「あぁ〜小川さんー!」

「やばっ」

 これは厄介なことになってしまった――!

176:さんご ◆JfuU:2013/09/06(金) 18:12 ID:F1A

「小川さん、ちょうどよかった!一緒に係りやろ?ね?」

 ここで断ればまた付きまとわれる。ここは同意して避ければいいか。

「分かった。一緒にやってもいい」

「え?本当!やった〜」ガッツポーズで飛び跳ねる沙織。

「何の係りがいい?」香奈が聞いてくる。

「別になんでもいいわ」

 そういう事にはあまりこだわらない。

「じゃあ……用具係なんかどう?」

「それでいい」

「じゃあまた明日!」

 香奈と沙織が手を振りながら走っていくのを立ち止まって見ていた。

「文化祭……か」

 正直こういう時に『みんなで団結しよー!』って熱血になる人苦手。

「面倒だなー」

 夕日を後ろに伸びをして家に帰って行った。

177:さんご ◆JfuU:2013/09/09(月) 17:14 ID:F1A

 翌日のHRで仮だった係りは正式に決められる。

「可憐ちゃん、用具係だよね!?」

「可憐ちゃん……?」

 そう呼ばれるのは久しぶり――……

「じゃあこのクラスは何をやるか提案がある人ー」

 可憐は考えもせず、過去を振り返っていた。

「喫茶店がいいと思います!」

 美都小春が手を挙げて言い出す。

「いいよね」「うん」

 周りには共感の声。

「他の意見がないなら喫茶店に決めるぞー」

 先生が声を張り上げるが誰一人意見を出さない。

「じゃあ決まりな」

 先生は黒板に喫茶店と書きだした。

178:さんご ◆JfuU:2013/09/09(月) 17:23 ID:F1A

 先生がやる気を引き出すような一言を言った。

「文化祭フェア売上No1には食堂3000円無料券が進呈されるぞ」

「マジ!?」

 男子も女子も騒ぎ立てる。

「えぇーじゃあこれは1位とるっきゃないね〜っ」

 沙織が張り切っている。

「気合いはいいけど……」

 可憐が考え出した。

「喫茶店ってありがちだからさ……もうちょっと工夫をしないと」

「あーうん」

「まぁとりあえずこれでHRは終わりにするー」

 先生の掛け声と同時にチャイムが鳴った。

179:さんご ◆JfuU:2013/09/09(月) 17:35 ID:F1A

「ねぇねぇ、なんか工夫ない?」

 沙織が可憐に答えを求めてきた。

「さぁね。どうでもいいわ」

「なんでよー」

 アスファルトの上強く踏む。

「面倒なのよ。みんな頑張っているフリして実はすっからかん」

 それは沙織にぶつけているようだった。

「…………」

 これ以上言うと可憐の気が悪くなる――

  沙織はそう思い黙ることしかできなかった。

「まぁまぁ」

 2人の亀裂を直すかのように香奈が間に入る。

「別に喧嘩なんかしてないわ」

 その一言で会話は途切れた。

180:さんご ◆JfuU:2013/09/09(月) 17:39 ID:F1A

 2人と別れた後花見亭の前を通った。

「まだ改築中か……」

 取り壊されている。

「今日は他のレストランに行こう」

 そのまま大通りに出るとそのままファストフード店に入って行った。

181:さんご ◆JfuU:2013/09/10(火) 16:21 ID:F1A

 店内は混んでいたが何とか一つ空いていた席に座った。

「ふぅ。疲れたな」

 メニューを眺めていた。

「これにするか」

「ポテトのSサイズと紅茶で」

「かしこまりましたー」

 そのまま可憐はぐったり丸いテーブルに伏せている。

「ご注文の品です」

 ポテトのsサイズと紅茶が運ばれてきた。

「はぁ―やっぱ花見亭の紅茶が一番いいなー」

182:さんご ◆JfuU:2013/09/10(火) 17:01 ID:F1A

 食べ終わってそのまま大通りに戻った。

 店が沢山並んで街灯も少しづつついて暗くなった。

 可憐は帰路に着く。

「強引すぎるわ、全く」

 今日も憂鬱な日々が続く――

183:さんご hoge:2013/09/10(火) 19:52 ID:F1A

 翌日。もめにもめた今日。

 文化祭も刻々と迫っているというのに。


「大変!大変!」

 美都小春が1枚のビラを持って教室を駆けずり回る。

「なによー?」

 玲名が雑誌から顔を上げ小春のほうに目をやる。

「隣のクラス……3組は当日アイドルを呼ぶらしいの!」

 クラス中一瞬沈黙になり、そのあと大声を出す。

「えぇっ!?誰が来るの!?」

「それが……大人気アイドルの『高瀬友里恵』なのよ!」

 高瀬友里恵――……

「うっそぉ〜っ!?ずるいわ!アイドル使って売上を伸ばすなんて!」

184:さんご:2013/09/10(火) 19:53 ID:F1A

いよいよ文化祭!って時にトラブルWw

185:さんご:2013/09/11(水) 15:31 ID:F1A

 クラスが騒ぐ中、可憐は幼稚園の頃を思い出した。

「そういえば……」

「ねぇーなんとかしてよぉ〜」

 玲名が嘆く。

 そこに可憐があり得ないことを言い出した。

「解決は単純よ。こっちもアイドルで対抗すればいい」

 小声で言ったが周りには聞こえた。

 一瞬の沈黙。

 そしてやっと玲名が口を開いた。

「……はぁ?何言ってんの?」

「だからこっちもアイドルを呼べば簡単なことでしょ」

「バカじゃないの?事務所に連絡しろっての?あははははっ」

 バカにするように嘲り笑う。

「簡単に呼べたら苦労はしないわ。あなたが呼ぶなら話は別だけど」

 そう言うとクラス全員がうなずいた。

186:さんご:2013/09/11(水) 15:37 ID:F1A

 それを聞いて可憐はいきなり鞄からスマートフォンをとり、画面をスクロールした。

「一体何をするつもり?」

 玲名が少し焦り気味。

 それを無視して可憐は教室の白い壁に寄りかかりながらスマートフォンを耳に当てた。

「もしもし?今から*清月学園に来てくれる?あ、うん」

 そういうと電話を切った。

「な……何よ、アイドルが来るの?お芝居はやめてよね?ホント笑っちゃう……」

 そういうと玲名は青いゴミ箱を軽く蹴った。

「そろそろ時間ね……」

 その時だった。

  ガラッ!

 引き戸を開ける音がしたかと思うとワンピースを着てマイクを持った少女が立っている。

「可憐〜、来たよー!」

 手を振って可憐のほうを見て笑った。

「え……うそ……!」

 クラス中が驚愕した。

187:さんご:2013/09/11(水) 15:39 ID:F1A

*清月学園

可憐達が通っている中学の名前

188:さんご:2013/09/11(水) 15:48 ID:F1A

「え……うっそ、アレ……『南条ルルカ』!?」

「アルバム1位をとったって言う……!?」

 クラス中が混乱している。何より驚いたのは玲名だ。

「嘘でしょ!?本物?」

「ハイ!南条ルルカでーす!可憐ちゃんの幼馴染!」

 クラス全員可憐のほうを見ない人は誰もいない。

「そうだけど?」

 そう答えると沈黙だった教室はざわつき始めた。

「で、用って何ー?」

「文化祭当日サイン会してほしいんだけど」

 そういうとルルカはすばやく返事した。

「いいよ!握手もサインも生ウタでもなんでもやるよ〜っ!」

 張り切ってガッツポーズをしている。

「ホール借りれるか先生に聞いてきて」

 可憐が芹香に言うと芹香はすぐに教室を飛び出していった。

189:匿名さん:2013/09/11(水) 16:13 ID:F1A

 クラスのみんなはルルカにサインや握手などを求めて群がっている。

 可憐はそれを無視して窓の外に目をやった。

 白いビルや住宅が並ぶ街。

「何なのよ……、文化祭って」

 文化祭という名の力を浪費するイベントには興味がない。

 心の中で可憐は゛憂鬱゛が作られていた。

「憂鬱な日々を送る――それが私?」

 学校はいつしか可憐の中で゛憂鬱の城゛となっていた――

190:匿名さん:2013/09/11(水) 16:15 ID:F1A

〜作者からのコメント〜

ピアノ教室行ってきますー

南条ルルカの特徴は

両サイド結んでパーマ(茶髪)

可憐は後程Ww

191:さんご ◆JfuU:2013/09/11(水) 16:16 ID:F1A

すみません!

>>189+190私です!

192:さんご ◆JfuU:2013/09/11(水) 17:52 ID:F1A

可憐は前のAAとは変更して……

ロングヘアで若干茶色(生まれつき)

193:さんご ◆JfuU:2013/09/12(木) 17:00 ID:F1A

 今日はとりあえず大通りに出て夕食選び中。

 ラーメン屋とかファストフード店、喫茶店が並んでいて迷ったけれど

 とりあえず『カカス』と書かれた赤い回転看板の立つ店に入って行った。

 店内は子供連れ家族でにぎわっていた。

 可憐は大通りの景色が見える窓側の一人用席に座った。

「日替わり定食でお願いします」

 注文すると店員が厨房へ駆けて行った。

  待つこと5分。

「お待たせしました」

 料理を置いてまた忙しそうに走る。

 しかし可憐の顔色は変わった。

194:さんご ◆JfuU:2013/09/12(木) 18:20 ID:F1A

 なぜならそこには玲名がいたから。

 幸いこっちに気付いていない様子。そのまま食事をした。

 
 あともう少しで食べ終わる。さっさと引き上げよう――

 そう思ったその時だった。

「小川さん、ちょっと!」

「何か用でも?」

 そのまま食事を続けた。

「何なのよ!アイドル呼んで目立っちゃって!」

 いきなり問い詰める。

「対抗しただけだけれど」

 そういうとますます怒る。玲名は顔をしかめて怒鳴った。

「はぁ?あんた何様のつもり?」

「ごちそう様」

 そういうと店から出て行った。

195:さんご ◆JfuU:2013/09/12(木) 18:27 ID:F1A

 今日は珍しく沙織と香奈がいなかったためスムーズに出来た。

「みんな本当に厄介だわ」

 白線の上を歩きながら愚痴を吐く。

 歩き続けてもう家についていた。

「ただいま」

 そういうと自分の部屋へ鞄を置いてピアノの前へ向かった。

 楽譜を台に乗せ、鍵盤に指を置き、金色のペダルを踏む。

「ちゃんとやりなさい」

 母からはこの一言だけしか残されていなかった。

「分かりました」

 可憐はいつもそう言うしかなかった――――

196:さんご ◆JfuU:2013/09/12(木) 18:29 ID:F1A

番外編を明日頃7やりたいと思います!

主役は勿論可憐!

197:さんご ◆JfuU:2013/09/13(金) 16:26 ID:F1A

予定していた番外編です!

可憐の裏が分かるかもしれません!

198:さんご ◆JfuU:2013/09/13(金) 16:32 ID:F1A

<番外編>〜シンデレラのスパルタレッスン〜

 今日も住宅街からピアノの音が聞こえる。それは1時間以上。

 叫び声とともに――

「ちゃんとやりなさい!ここの指使いを間違っているわ!」

「分かりました。気を付けます」

「まったくもう!」

 いつもの会話はこんなパターン。

 フローリングの上にぽつんと練習用のグランドピアノがあった。

 さらに2階の部屋にはアップライトピアノと小さい電子ピアノ。

「この作曲者はだれ?」

 お母さんが楽譜を次々出して質問している。

「フレデリック・フランソワ・ショパンです」

 早口で答える可憐。ピアノの弾き方だけではなく、色々教え込まれた。

199:さんご ◆JfuU:2013/09/13(金) 18:11 ID:F1A

 ピアノだけでなく、バイオリンやピアノも。

「次は絶対音感を鍛える練習よ」

 そういってお母さんはピアノの和音を一斉に弾く。

「答えられるかしら?」

 お母さんは可憐が答えられないと思って意地悪くした。可憐の才能を知らない母。

 1秒後とっさに答えた。

「ミシドの和音とファラシの和音」

 母は一瞬驚愕したが、偉そうに言った。

「これくらいできて当然ね」と。

200:さんご ◆JfuU:2013/09/13(金) 18:12 ID:F1A

 母はどうしても可憐の才能を認めないのだ。

 可憐を虐待する理由。それは――


 実の子ではなかったから――……

201:さんご ◆JfuU:2013/09/13(金) 18:22 ID:F1A

 さかのぼると14年前の事。

 元母は2¥1人の子に恵まれた。その名は可憐。

 しかしそれから1年経ち、妻が浮気していたことが判明し可憐の父は離婚した。

 夫はまた別の人と結婚して、母はその子には馴染めず、

 今の母親も1回離婚していたためその連れ子、つまり可憐の姉をかわいがり、

 実の子ではない可憐を虐待していたのだった。

 
 可憐はそのことを知っていた。だから我慢するしかなかった。

 

 実の母親ではなくても、たった一人私を育ててくれたから――……

202:さんご ◆JfuU:2013/09/13(金) 18:23 ID:F1A

2¥1の部分を訂正

1人の子に恵まれた  です(汗)

203:さんご ◆JfuU:2013/09/13(金) 18:24 ID:F1A

話がちょっと複雑なんで分からないところがあったらどうぞ

204:さんご ◆JfuU:2013/09/13(金) 20:12 ID:F1A

実の子ではないというシンデレラ風にしてみました★

205:さんご ◆JfuU:2013/09/17(火) 16:22 ID:F1A

 本編に戻らせていただきます

206:さんご ◆JfuU:2013/09/17(火) 16:31 ID:F1A

 翌日の朝はすんなり文化祭の練習や準備もできると思っていた。

「おはよーう!」

「おはよう」

 芹香と沙織が声をかけたので可憐も慌てて机の鞄を落とした。

「あ、おはよう」

 1時間目から『文化祭準備』と予定表に書かれている。

 しかし今日は勝手な行動をする人も出てきた。

「私やだぁ〜面倒だから手伝わないー」

 そう言って玲名は髪の毛をいじって白い壁に寄り掛かった

「はぁ?なんだよそれ!俺だってやりたくねーけど我慢してんだよ」

 クラスメイトの岡田聖也が供託を叩き、玲名にちゃんとやるようにうながしたが玲名は聞かない。

「正直に言っただけ。やりたくないならあなたもやんなければいいじゃない」

「そんなこと言ったら誰もやんねーじゃんか」

 

207:さんご ◆JfuU:2013/09/17(火) 16:36 ID:F1A

 クラス中がこそこそ話噂している。

「やりたい人だけやればいいのよ!」

 玲名は呆れて窓のアルミサッシに手を置いた。

「だったら3,4人程度しか集まらないわね」

 可憐がボソッとつぶやいた。

「食堂券なんてどうでもいいわ」

「あ、そう!なら出てけよ」

「いいわよ!」

 聖也と玲名がしばらく対立している。

「まぁまぁ」

 間に香奈と芹香が入ったが逆効果だった。

「うるさいわよっ!無関係者は黙ってればいいの!」

「え……」

「ほかの人まで巻き込むなよ!」

 そうして火花を散らしているとあっという間に1時限目は過ぎた。

208:さんご ◆JfuU:2013/09/17(火) 16:44 ID:F1A

 そのまま2人はにらみ合い、グループで対立してきた。

 美都小春などの女子が玲名のグループ、

 その他男子が聖也のグループ。

 可憐など興味がない、若しくはどちらでもないグループができた。

 放課後も準備の予定がつぶれた

「準備をとりあえずやりましょうよ」

 芹香が勧める。

「いや。私帰る!」

 そういって玲名は小春たちを率いて帰って行った。

 教室に残ったのは3分の2程だった。

「この頃あいつ(玲名)おかしいな」

 1人の男子がぽつりとつぶやく。

「あぁ。失踪してから変わった」

「にしてもこのボイコットは簡単に解決しないわね」

 どちらでもないグループの女子が言った。

「解決どころかエスカレートすると思う」

 なんでいきなりやりたくないなんて――……?

「もういいよ。俺たちだけでやろーぜ。あれくらいいなくったってへーき」

「うん」

 こうしてもめ事が続く毎日だった。

209:さんご ◆JfuU:2013/09/17(火) 16:57 ID:F1A

 花見亭の工事が終わって、新たに2階に喫茶店がオープンしている。

 いつも夕食を母が作ってくれないので、知り合いが経営しているこの店によく行く。

「こんにちわ」

「いらっしゃい!可憐ちゃん」

 真紅と白いテーブルクロスが2づつとカウンター席には花柄模様の紙が敷いてあった。

「2階の喫茶店も開店したの!」

「そうですかー」

 笑って答えてメニューを眺めた。

「そうそう、新メニューがあるの!」

「新メニュー……ですか?」

 ナイフとフォークを端に寄せて聞いた。

「ナポリタンとミートソーススパゲッティの2種類コラボ!」

「え……?」

「以外に合うよ!」

 ガッツポーズで言った

「じゃあ……それで」

 あまりにも目をキラキラさせているのでそれに押された。

210:さんご ◆JfuU:2013/09/17(火) 17:03 ID:F1A

 花見亭から出て2階のカフェを見てみた。

 水色の板に青色と金色の縁取り文字で

『カフェ〜ROSE〜』

 と書かれていた看板があった。

「ローズ……?」

 とりあえず中に入ってみると花見亭の店長がカウンター席にいた。

「店長?」

「あ、可憐ちゃん」

「このカフェ、店長の……?」

「えぇ」

 カフェを開いたなんて一言も聞いていなかった。

「おめでとうございます」

 ゆっくり頭を下げた

「ところで可憐ちゃんはコーヒー飲めるの?」

「はい、一応……」

「そっか、じゃあ今度来てね!花見亭のほうもよろしく」

 可憐は挨拶をして店を出て行った。

211:さんご ◆JfuU:2013/09/18(水) 15:19 ID:F1A

「はぁー。疲れた……」

 可憐は夕日に照らされ、その一言以外に何も言えなかった。

 そのまま家に帰り、ベットに横になった。

212:さんご ◆JfuU:2013/09/18(水) 16:02 ID:F1A

 翌日玲名に変化が起きた。

「今日も準備やるぞー」

 放課後聖也が声をかけている。

 玲名達は帰ろうと鞄を片手に持った。

「そういえば今日はルルカちゃんとリハーサルじゃなかったっけ?」

「うん」

 芹香と香奈の会話に玲名が割り込んできた。

「ルルカちゃんが来るの!?」

「そうだけど……小川さんから聞いていなかった?」

「一言も!ちょっと小川さん!」

 興奮しながらもヒステリックに言う。

「何か?」

「なんでルルカちゃんがくるって言わなかったのよ!」

「だって準備やらないって……」

 可憐はあっさり言ってのけた。

213:さんご ◆JfuU:2013/09/18(水) 16:06 ID:F1A

「ルルカちゃんが来るなら話は別!」

 偉そうに言い、そこへ聖也が入った。

「何だよそれ。散々ボイコットしといて、ただのワガママだろ?」

「はぁー?」

 また対立が始まった。

「いい加減にしろっ!」

「うるさい!好きにさせてっ」

 おろおろ見つめる香奈。

 ケンカを止めようとする沙織と芹香。

 興味のない可憐。

 それぞれが固まって冷たい視線で見ていた。

214:さんご ◆JfuU:2013/09/18(水) 16:09 ID:F1A

「まぁいいわ。本番の文化祭パーティーにも来るんでしょう?」

 そう言って玲名は聖也から目を反らし、引き戸の方に視線を向けた。

「帰るから帰ればいいんでしょ?」

「先生に告げ口すっから覚悟しとけよ」

 対立は一時的に収まった。

 そのままグレーの引き戸の取っ手を握ってガラッと音を立てて消えていった。

215:さんご ◆JfuU:2013/09/18(水) 16:12 ID:F1A

用語&人物集

小川 可憐(おがわ かれん)

双美 芹香(ふたみ せりか)

湯川 沙織(ゆかわ さおり)

佐々木 香奈(ささき かな)

山口 玲名 (やまぐち れいな)

星原 海斗 (ほしはら かいと)

岡田 聖也 (おかだ せいや)

神山 蓮  (かみやま れん)

神山 令雄 (かみやま れお)

216:さんご ◆JfuU:2013/09/18(水) 16:14 ID:F1A

いろいろいて覚えづらいと思います(汗)

これから(第3章で)あまり登場しない人物

岡田聖也

山口玲名

星原海斗(もう亡くなっている)

217:さんご ◆JfuU:2013/09/18(水) 17:40 ID:F1A

「もう、ホント自分勝手すぎんだよ。あいつ」

「なぁ。俺もそう思う」

 クラス中玲名の悪口が流れる。

「こんな事で騒いでないで準備やろうよ」

 一人の女子が口火を切った。

「うん。そうだね」

 そのまま今日という日は終わった。

218:さんご ◆JfuU:2013/09/18(水) 18:19 ID:F1A

3章が思いついてんのに2章が思いつかない……ww

219:さんご ◆JfuU:2013/09/18(水) 18:38 ID:F1A

 にしても玲名はただ単に面倒と理由でボイコットを――?

「ふぅー結局……同じ日常の繰り返し……ね」

 下を向き、コンクリートの道を見ながら帰る毎日。

 日常に変化はない

「憂鬱の城とはサヨナラしたい……」

 憂鬱って、こんな気持ちのことを言うの――?

「私なんて……」

 なんての後が言えない。

 いじめられたり虐待されたり、なんでこんなに嫌なことばっかり続くんだろ?

 私の行いが悪い――?

  それとも宿命と言う決まったこと――?

「あぁ、もう!なんでいきなりこんなこと――!」

 自分でもよく分からなく、乱れていた。

 隣の石で出来た塀に寄り掛かった。

 疲れとストレスが貯まって可憐の状態は鬱病に近かった。

220:さんご ◆JfuU:2013/09/18(水) 18:41 ID:F1A

 もうどうせなら鬱病になっちゃえばいい――!

 こんな中途半端な状態嫌!

 うんざりしていたその時だった。

「顔色悪いけど……」

 芹香が可憐の顔を覗き込んだ。

「え、あ、別に大丈夫だから」

 焦って言うとますます心配そうだった。

「本当に?」

221:さんご ◆JfuU:2013/09/19(木) 16:57 ID:F1A

そろそろ2章完結ですかね。

1章はちょっと長めで

222:さんご ◆JfuU:2013/09/19(木) 17:19 ID:F1A

 芹香は不安な表情をたたえて、疑うような口調で言った。

「うん。ちょっと気分が悪かっただけ」

 そう答えるとさっさと引き上げていった。

 芹香の顔には不満と書いてあったが。


 可憐は期末テストの参考書を買いに本屋へ立ち寄った。

 ネオンサインのような光る看板の下を通って金色の取ってを握った。

「テスト範囲は……」

 色々パラパラめくって探したが中々テスト範囲の参考書がない。

「ママ、この本、買って」

 ふと横を見ると幼稚園生ぐらいの女の子がお母さんと思われる女の人におねだりをしていた。

「何々?シンデレラの絵本?いいわ。買ってあげる」

「やったぁ〜ありがとうママ」

 そんな会話が耳に入り、耳から出て行った。

 
 
 

223:さんご ◆JfuU:2013/09/19(木) 17:32 ID:F1A

 数分後

 やっとテスト範囲の参考書が見つかった。

「これでいいか」

 そのままレジに持っていき、会計を済ませた。

 茶色い紙袋を抱えて金色の取っ手をまた握った。

「この参考書しかなかったんだもの……」

 参考書に不満をぶつける。

 可憐は灰色の地面のコンクリートを蹴る。

「仕方ないわ。何もないよりはマシ」

 そういうと家に帰って勉強机に向かった。

224:さんご ◆JfuU:2013/09/19(木) 17:42 ID:F1A

 翌日

「期末テスト始めんぞー」

 その掛け声が掛かるギリギリまで参考書を見つめていた。

「どうしよう。心配」

「可憐ちゃんが心配なら安心な子は誰もいなくなっちゃ言うじゃない」

 香奈は苦笑するが。

「うーん」

 可憐は納得していない。

225:さんご ◆JfuU:2013/09/19(木) 17:49 ID:F1A

「制限時間は30分。では、始め!」

 シャーペンを握りしめて、問題文に目をやる。

 昨日の参考書では満足できなかった。

 何とか解答欄は埋まったが心配だった。

「テスト終了!」

 シャーペンを置いて机に突っ伏した。

「ダメだわ」

「えぇー、小川さんもできないくらいの難問……」

 大げさに沙織が驚いている。

「あぁ、うん。まぁね」

 会話はそこで途切れた。

 おかしくなっている。

 そんなことは分かっている。自覚している。

  でも―――……

 原因も解決方法も分からない。

「あー。またやってしまった……」

 そう憂鬱になる日々だった。

 

226:さんご ◆JfuU:2013/09/20(金) 15:48 ID:F1A

「テストを返すぞ〜」

 先生は可憐と違って調子がいいのかテストの採点が早く終わった。

 教卓に手をついて偉そうにしていた。

「ふぁ〜い」

 元気のない返事を返す教室。

「小川、よくやったな」

「え?」

「99点……ですか?」

「99点はいい方だぞ。何しろ今回100点がいなかったんだからな」

 想定内だった。調子も悪いし、参考書が役に立たないのも一理あった。

「うっそ!?初99点!」

「マジで!?」

 そんなに驚愕することかな――?

「私だってこういう時あるよ。うん」

「新聞部のネタにしてもらうぜっ」

 新聞部までやって来た。

 全く大げさだ。

227:さんご ◆JfuU:2013/09/20(金) 15:54 ID:F1A

 よく見たらちょっとしたケアレスミスだった。

 100m2の2を付け忘れていた。

「ところで小川さんが間違えるくらいの難問ってどの問題?」

 新聞部の取材チームがわくわくして聞いてくる。

 今更ケアレスミスだなんて言える状態ではなくなった。

「あ、えっと……」

「どの問題?」

「この……問4かな?」

 笑顔を無理やり心の底から引き出した。

 可憐の周りには数十人のギャラリーができている。

「マジ?俺間違ってた!」

「私も〜」

 問4は合っていた。簡単な問1のケアレスミス。

「おい、人の回答を覗くな!」

 先生が教卓を叩きだした。

「チッ」

 新聞部は自分の机を軽く蹴った。

228:さんご ◆JfuU:2013/09/20(金) 16:11 ID:F1A

『学園頭脳四天王クイーンの99点革命!』

 新聞の見出しはこうなっていた。

「何よコレ」

「99点革命新聞」

 可憐のことを屈辱するのか、革命とまで名付けた。

「マリーアントワネットは革命の際処刑!つまり」

「私を処刑?」

 歴史オタクの新聞部部長が眼鏡を光らせた。

「はぁ?マリーアントワネットとか、そんなんじゃないし。革命でもないし」

 呆れたように新聞を落とした。

「双美さんは何点だったの?」

 新聞部長から目をそらし、視線を芹香の方にやった。

「96点!可憐ちゃんには負けちゃったよ!」

 さすが――……

「でもいい点ね。私なんか……」

「可憐ちゃん!あなたいったい誰と比べてるの!?」

 芹香がいきなり大声を出す。壁に手をついて。

「え……?」

 自分と比べる人――?

「世界一と比べてるの?」

 その言葉に反論は出来なかった。

「比べたことなくて……」

「いつも上ばかり見るから自分の才能を見落とすの」

 可憐は一瞬芹香の言葉が突き刺さった。

「自分の……才能?」

229:さんご ◆JfuU:2013/09/20(金) 16:38 ID:F1A

「私は運動が上手いわけでも、特別頭がいいわけでもない」

 芹香は自分の過去を振り返るように言い出す。

「頭……いいじゃない」

「勉強を人一倍やって、何とかここまで来れたの。あなたは才能が……」

「違う。間違ってる」

 芹香に可憐は言う。

「私もあなたと同じ」

 虐待されながらも楽しくないことをさせられていた。

 決して才能があるわけではない。

「うん。そういうこと」

 可憐は小声で言うと廊下を強く踏みしめてどこかへ消えた。

230:さんご ◆JfuU:2013/09/20(金) 18:08 ID:F1A

「可憐ちゃん、最近変だね」

 芹香の横に香奈と沙織が来た。

「やっぱそう思う?」

「うん」

 弾まない会話。

「文化祭、明後日なのに」

 香奈が心配そうに言う。

「友達関係とかそういうのに興味がないタイプだよね。可憐ちゃんって」

「クール系女子は大体そうだよ」

 確かに可憐は人を避ける。その行動はバレバレだった。

231:さんご ◆JfuU:2013/09/20(金) 18:27 ID:F1A

 友達を熱く信用したくない――……

  それは裏切られたと時の反動が大きいから―――……

「友達なんて、上辺だけなんだわ」

 かつて可憐も裏切られた。

 思い出しそうな記憶を打ち消すように頭を抱えた。

「あぁ、もうなんなのよ!」

 裏切りだったり、イジメだったり、虐待だったり。

 散々不幸な目にあってきたのに今一つ幸運に出会えない。

「友達という関係は浅いものなんだわ」

 沙織や香奈、芹香、そして裏切られた子のことを思い出さないわけにはいかなかった。

「母親でさえ虐待するのに」

 私のどこが嫌なんだろう――?

  私何か悪いことした……?

 いつもそればかり。

「なんか……悪いことした?」

 自分に問いかける。

 自分の調子を戻すように。

232:さんご ◆JfuU:2013/09/22(日) 11:18 ID:F1A

今日は少し書けると思いますー

233:さんご ◆JfuU:2013/09/22(日) 11:24 ID:F1A

「ねぇ、大丈夫?」

 ふと横を見ると芹香と沙織がいる。

「ごめん、調子悪く見えるよね」

「鈍感な私だって分かるよー」

 沙織がコンクリートの道に座った。

「文化祭、明後日だけど……」

「うん。それまでには調子治す」

 自分でも変な日本語だと思う。

「裏切られた……?」

 後ろから声がした。

「南条さん!?」

「ルルカでいいよー!アイドルって言ったって私もみんなと同じ」

 ルルカも慰めに来たらしい。

「幼稚園、小学校も一緒だったの」

 過去を思い出す。

「裏切られたって……?」

234:さんご ◆JfuU:2013/09/22(日) 12:14 ID:F1A

 2人は可憐の過去を知らない。

「裏切り……」

 沙織はその言葉を脳裏に刻む。

「小学生の時だった……」


「可憐ちゃん〜一緒に帰ろ?」

 ルルカとも仲が良かった。

 さらにその頃の友達 水上 風花(みなかみ ふうか)

「風花ぁ〜、最近可憐ウザいと思うんだけどさぁ〜」

 突然裏で可憐の陰口を言ってきた。ルルカだけに。

「え……?」

 ルルカは悪口を言うのをためらう。

「そう思わない?」

 それをこっそり可憐は聞いてしまった。

235:さんご ◆JfuU:2013/09/22(日) 12:22 ID:F1A

「私は……そうは思わない……」

 その一言を言うのがやっとだった。

「えーそう」

 つまらなさそうな顔をして言った。

「可憐、ちょっと勉強が出来るからって」

 可憐のことをねたんで虐めていた。

「私たちのことを見下してるのよ。きっと」

 何の根拠もないのにそう決めつける。

「ルルカ、そうは思わない!被害妄想もいいところだよっ」

 思い切って言う。

「あ、そ」

 不満そうに言うとルルカとも可憐とも話さなくなった。

「可憐〜、ノート取って」

 パシリに使ったり、カンニングといううそのうわさを流したり。


「その頃の記憶が色褪せて蘇るわ」

 可憐はそのトラウマ、ショックの反動で話さなくなった。


「大丈夫!私は裏切らないからっ!保証するよ!」

 沙織はコンクリートから立ち上がってガッツポーズを作る。

「うん。私も」

 芹香も少し笑った。


「ありがとう……」


 夕焼けに紛れて帰って行った。

236:さんご ◆JfuU:2013/09/22(日) 12:26 ID:F1A



 朝――……


 いつもと違って気持ちよく目が覚めた。


「ふぅ〜。さっさと支度しないと」

 
 着替えを済ませ、鞄を手に持つと駅まで走って行った。

 定期をかざし、そのまま電車に乗り込んでつり皮を握る。

 カタン……ガタン


 電車に合わせて自分も少し揺れた。


 正門まで一直線に駆け足で目指した。


「可憐ちゃん!」

 背中に届いた声。

「おはよう!」

「おはよう」

 朝一番に交わす言葉だった。

237:さんご ◆JfuU:2013/09/22(日) 12:55 ID:F1A

「ルルカ今日リハーサル行くね!」

 ルルカが手を振り、大きな車へ乗って行った。

 きっと撮影かなんかかな。

「じゃあね」

 可憐も軽く手を振った。

「ルルカちゃんじゃーねー」

 香奈と芹香が大きく手を振った。

238:さんご ◆JfuU:2013/09/22(日) 14:02 ID:F1A

「ルルカちゃん、憧れるね」

「うんうん!」

 沙織と香奈が盛り上がっている。

「アイドルって虐められたりするのかな……?」

 確かに小学校の頃ルルカはねたまれていたっけ……?

「うん。嫉妬する人とか居たよ」

 可憐が心の奥で心配する。

 机に荷物を置いて話している。

「だよね……」

 可憐もルルカと同じ気持ちを持つ。

「大丈夫だよ、一部ファンもいるし!」

「一部が余計だけど」

 芹香が沙織の言葉に苦笑した。

「サインもらってよかったなぁ〜」

 クリアファイルにローマ字でルルカとつづられている。

「ルルカちゃん、すっかり人気者だし」

 可憐が心配するほどでもなかった。

「ルルカは確か明日誕生日だった気が……」

「明日?丁度文化祭の日だね」

 芹香が声を上げる。

「ところで結局ボイコットは解決しなかったね」

 ぽつり香奈がつぶやく。

「確かに……」

239:さんご ◆JfuU:2013/09/22(日) 14:05 ID:F1A

 そう話しているとあっという間に1時限目になってしまった。

「今日は明日の文化祭に向けて最終仕上げだー」

 先生が色々用意した道具がダンボールにあふれていた。

「飾り付け、BGM、そして何より南条ルルカのライブ。これらを仕上げるぞ」

 

240:さんご ◆JfuU:2013/09/22(日) 14:06 ID:F1A

 きりが悪いですが続きは火曜日!

241:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 11:46 ID:F1A

さてさて2章クライマックス!

242:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 11:47 ID:F1A

なんかずっとメンテナンスしていたのでしょうか…?

243:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 12:02 ID:F1A

「明日の文化祭楽しみ〜」

 ルルカが今にも歌い出しそうな顔だった。

「ルルカちゃん当日なんの曲歌うの?」

 香奈が笑って言う。

「う〜ん……『シンデレラとガラスの靴』を歌いたい」

 シンデレラとガラスの靴……?

「あ〜イイよねその曲!」

 沙織が手を叩いて目を輝かせた。

「どういう曲だっけ……?」

 可憐が想像している。

「♪階段に落とした靴はー私のじゃないと願っていたけど〜って言うサビ」

「何それ?」

 可憐は自分のことを思い出し少し苦笑した。

「いい曲だよ〜あれ」

 騒ぎながら準備を黙々と進める。

244:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 12:07 ID:F1A

「今日は解散」

 先生の一声に片づけを始めた。

「明日楽しみっていうのは分かるけど、ボイコットはどうするの?」

 沙織が気安く聞いてきた。

「いいのよ、放っておいて」

「でも……」

 うつむく沙織。

「とりあえず今日は帰りましょう?」

 香奈が沙織を窘める。

「うん」

 少し憂鬱な文化祭の前日――

245:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 12:08 ID:F1A

多分文化祭終わったら3章突入ですかね〜

246:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 12:09 ID:F1A

http://chat.firebird.jp/profile/profile.cgi?mode=view&name=%81%F4%82%B3%82%F1%82%B2

こちらのプロフに愚痴&裏が書かれております〜

ちょいネタバレもあるのでネタバレしたくない人は遠慮を

247:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 12:18 ID:F1A

 鳥のさえずりで目が覚めた。

「おはよう」

 文化祭の看板の横に可憐が立っていた。

「おはよう」

 小さい声で返す可憐。

「今日は文化祭だよねっ!楽しみだなぁ〜」

 沙織は満足そうな顔。

「ホールは借りれなかったけど外のステージは借りれるみたいよ」

 香奈も合流した。

「香奈!おはようー」

 降水確率も低かった。

「そろそろ準備しないと」

 可憐が腕時計をじっと見ていた。

「あ、急がないと」

 香奈は沙織たちを置いて校舎へ入って行った。

248:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 12:28 ID:F1A

「もう開店してる」

 可憐達が着いた時にはもう開店していた。

「うわぁ〜いい匂い」

 沙織がうっとりしていた。

「ライブ、午後3時でしょ?」

「確かそうだった」

「ライブが1番楽しみー」

 今のところ問題はなく、順調に進んでいた。

「私たちも仕事しないと」

「あ、そーだった」

 教室に入っていると行列ができ、ルルカがサインを書いていた。

「ルルカちゃん!」

 沙織達がルルカに手を振るとルルカは笑った。

「忙しそうだねー」

 ルルカは大量の色紙を前にサインをしていた。

249:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 12:34 ID:F1A

「私たち、用具運んでくるから」

 そういうと可憐はダンボール箱を抱えて出て行った。

「私たちは厨房のお手伝いだったよね」

 教室の隅の厨房は荒れていた。

「うっそ〜」

 沙織が叫んだ。

「何これ、荒らされてる……!」

 厨房にはあるべきはずのコーヒーの袋がなく、無造作に用具が散乱していた。

「材料足りねーぞ」

「誰がこんなこと……」

 みんな唖然としているだけだった。

「これじゃ作れないじゃん」

 最初のほうは荒れていなかったがあとで材料をとろうとしたら荒れていたらしい。


「ただいまー」

 用具を抱えた可憐が戻る。

「可憐ちゃん、どうにかしてぇ〜」

 沙織が可憐に助けを求めた。

250:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 12:40 ID:F1A

「え、なんでこんなことになってんの?」

 可憐は説明を聞いた。

「残った材料は粉末ココアと砂糖、小麦粉、コーヒーと苺と卵……?」

 チョコレートケーキの注文があったがチョコレートはなくなっている

 その上スポンジまでない。

「分かった。チョコレートケーキは作るから」

 可憐は卵と砂糖、小麦粉を取り出した。

「え、作れるの?」

 沙織が心配する。

「そもそもチョコレートが……」

「チョコはココアで代用する。スポンジは始めから作り直しね」

 そういうと可憐は卵を割り、小麦粉を量り、混ぜ始めた。

「可憐ちゃん料理うまいね」

 沙織は驚いていた。

251:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 12:58 ID:F1A

「クリームは残ってる?」

「残ってるけど、少しだけ」

「分かった。それ使うから」

 あれこれ工夫をして作る。

「料理クラブの人も仰天ね」


「出来た」

 可憐は仕上げに苺を乗せ、完成させた。

「マジかよ」

「パテシエの才能あるんじゃない」

 口々に言われる。


「お待たせしましたー」

 係りの人が持っていき、無事注文は間に合った。

 

252:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 13:00 ID:F1A

「でもいったい誰がこんなこっぴどいこと……」

 可憐が首をかしげる。

「問題はそこだよな」

 聖也も同情した。

「でも今は喫茶店の仕事をしないと」

「そうだな」

 各自戻っていき、仕事をつづけた。

253:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 15:35 ID:F1A

 そろそろ3時になる頃――……

「司会は僕神山怜雄がお送りいたしまーす!」

 マイクを握った怜雄がステージのほうで手を振っている。

「これから南条ルルカさんのスペシャルライブを行います!」

 その一言で外はうるさくなった。

「きゃぁ〜っ!ルルカちゃ〜ん!」

「本物ー!」

 南条ルルカのファンは高瀬の何倍も上回っていた。

「シンデレラとガラスの靴を歌いまーす」

 怜雄からマイクを受け取り、歌い出した。


「♪割れたガラスの靴の欠片を握りしめ〜」

 順調に歌うルルカ。

 ステージの装飾の電球が眩しく光る。

 周りには手拍子が絶えなかった。

「わぁ〜聞いててうっとりする」

 沙織がぼんやりステージを眺める。

「この曲……」

 可憐は聞き覚えがあった。


「ん?」

 香奈は頬に冷たいものを感じた。

「まさかぁ〜」

 雨……?

 今日は降水確率も低かったし――……

 そう思うと香奈は安心した

254:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 15:41 ID:F1A

 ゛冷たいもの゛は徐々に範囲を広げていく。

「やばっ、これ雨じゃない?」

 沙織の手の平にも降って来た。

 気のせいではない

「嘘……」

 どんどん激しくなる。

「天気予報も役立たずね!それよりこの雲、乱層雲じゃない?」

 可憐はそう言うと空を見上げた。

「乱層雲……?」

 首をかしげる沙織。

「雨や雪を降らせる雲よ。こんな時に出るなんて……」

 近くにいた芹香が言った。

「うへぇ、運悪い〜」

 電球のおかげで辺りは明るいが気分は暗い。

255:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 15:46 ID:F1A

 小雨もつかの間。

 やがてバケツをひっくり返すような雨にまで発展した。

「どうする?」

 ライブ観客も唖然としている。

「ルルカ、やめる?」

 沙織達が聞く。

 ルルカはマイクを握り締め、黙った。

 やっと重い口を開く。

「皆さーん!私はこのまま歌い続けま〜す!」

 心の底から笑顔を引っ張り出し、ずぶぬれになって歌い続けた。

 その行動が帰ろうとしていた観客の足を止める。

「ルルカちゃん……」

 
 

 そのまま歌い、踊り続けた――

  雨の日の歌姫の声が心の奥まっで響いた――……

256:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 15:47 ID:F1A

雨の日の歌姫の声が心の奥まっで響いた×

雨の日の歌姫の声は心の奥まっで響いた○

のほうがいいかなw

257:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 15:55 ID:F1A

 ずぶぬれになったルルカを保護し、閉会式が行われた。

「文化祭フェア、どうなったかな」

 その声だけが耳に届く。

「大丈夫だって!頑張ったんだから」

 沙織は励ます。


「これより閉会式を行います」

 校長の声に、みんな静まり返る。

「フェア売上Nо.1クラスは……2年2組です!」

 校長がそのあと3位まで続けて言った。

「なんでだよ……」

 3組はふてくされている。


「やっぱり雨の日のライブは最高だね!」

 沙織が飛び跳ねる。

「まぁ、頑張ったていうのも一理あるけど」

 香奈も苦笑した。


 これは雨の日の不思議な歌姫の物語だった――……

258:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 15:56 ID:F1A

<2章完結>

259:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 15:59 ID:F1A

なんか微妙な終わり方ですね……(´^`;)

最後に〈2章完結〉を入れ忘れたしw

次からは第3章となります

簡単に予告しますと……『1章の続編』です!

ではまた明日ー

260:さんご ◆JfuU:2013/09/24(火) 16:01 ID:F1A

第一章 〜過去との繋がり〜

第二章 〜雨の日の歌姫〜

第三章 〜再開〜

第四章 〜宿命〜


こんな感じな題名ですかね(ネタバレしています)

261:さんご ◆JfuU:2013/09/25(水) 15:15 ID:F1A

今日から3章ですー(´∀`)ノ

頑張りますー

262:さんご ◆JfuU:2013/09/25(水) 15:29 ID:F1A

<第3章>〜再会と別れ〜


 過去の1946年……

 戦争も終わり、平和になった頃――……

 ウィスティナ諸島の研究所に1つの依頼が来た。

「すみませーん」

「どうぞ、開いてますから」

 研究所に何人かの男の人がやって来た。

「時空の研究をしていると聞き、やって来ました。申し遅れました、私、片桐琉人といいます」

「はい、それで何か御用でも?」

 坂井博士はお茶を出しながら言った。

「私たちは歴史の研究をしています。それでタイムロードを使わせて頂きたいのですが」

 タイムロードを――……?

「しかしタイムロードの所有権は私にはありません。許可を得なければ」

 坂井博士は慎重に答えた。

「所有権は誰にあるのです?許可をもらって下さい」

 男の人の代表が求めた。

「タイムロードは本来、初めて通った人の物になります。ですから有権者は……」

 芹香や可憐、玲名のことだった。

「分かりました、出来れば早く許可をもらって下さい。それでは」

 男の人たちは引き上げて行った。

 勝手な人たちだった。

「困ったわ。有権者は未来にいるのに……送れるエネルギーはないし……あっ!」

 博士は何かを思い出すように、真っ白な便箋を取り出し文字をつづった。

「大人を送るくらいのエネルギーはないけど、手紙なら未来に送れる!」

263:さんご ◆JfuU:2013/09/25(水) 15:42 ID:F1A

 その頃可憐はお母さんに屋根裏部屋の掃除を押し付けられ、掃除をしている最中だった。

 埃がたまってもはやじゅうたん状態だった。

「あ〜もう!」

 可憐がぶちギレてはたきを乱暴に叩いていると、お爺ちゃんの写真にあたった。

 写真は倒れ、中から書類や写真が溢れ出した。

「あぁー」

 急いで拾うととても昔のとは思えない真っ白な便箋を見つけた。

 その文字は最初は薄かったのにだんだん濃くなっていく。

「え、気味悪い、なんだろう……」

 恐る恐る1も時1文字を読む。


『芹香たちへ

 タイムロードの権利はあなたたちにあります。

 今タイムロードを必要としている人がいます。

 どうかタイムロードを開放し、こちらの世界に来ていただけませんか?

 坂井聖花より』


「お祖母ちゃん?」

 その手紙をじっと見つめる。

 SОSなんだ――……

「でもコレいつのか分からないし……今行っても間に合うのかな?」

 悩んでいても仕方ない。とりあえず芹香と玲名に相談することにした。

264:さんご ◆JfuU:2013/09/25(水) 15:43 ID:F1A

開放×

解放○

ですね(汗)

265:さんご ◆JfuU:2013/09/25(水) 15:49 ID:F1A

 芹香の連絡先を教えてもらったからとりあえずそこにかけてみた。

「もしもし?今から待ち合わせできるかな?大事な話があるの」

「いいけど」

「あと山口さんの連絡先知ってるよね?山口さんも呼んで欲しいんだ」

「分かった。どこ集合?」

「じゃあ喫茶店ROSEで」

「了解」

 電話を切り、鞄を手に持ってえきまえのはなみ亭に向かった。

 街灯もぽつぽつ付く。

 急いで駆けて行くが信号がなかなか青にならない。


 数分待ってやっと青になり、喫茶店へ向かった。

「遅くなってごめん!」

 玲名が仁王立ちして偉そうに言った。

「遅いわよ!もう!」

「まぁまぁ」

 たしなめるように芹香が言った。

「とりあえず……店内に入ろうよ」

 芹香がドアノブを握った。

266:さんご ◆JfuU:2013/09/25(水) 15:57 ID:F1A

「で、話って何?話って」

 玲名が詰まらなさそうに言う。

「これ見てくれる?」

 可憐が真顔で便箋を差し出す。


 読み終えた2人は落ち着かせるように話し合った。

「えぇ〜!?またそこ行くの〜?」

「確かにちょっと危険だね」

 芹香も玲名も納得しない。

「でも博士が困っているわ。私は助けたい」

 可憐が言う。

「私もそう。それに……博士にもう一度会いたい」

 芹香も真面目に答える。

 可憐は玲名の方を向いて返事を促すように見た。

「私は……べっ……別にいいけど」

 偉そうに腕を組む。

「ところでどこからタイムロードに行けばいいの?」

 芹香が問う。

「そういえば私達、路地裏に倒れてたって……」

 沙織と香奈の証言を思い出す。

「じゃあ……とりあえず路地裏行ってみる?」

「そうしようか」

 会計を済ませ、路地裏へ向かった。

267:さんご ◆JfuU:2013/09/25(水) 16:07 ID:F1A

「コレ……」

 玲名が指差した先にはコンクリートの壁にタイムロードの穴の跡があった」

「ここから帰ったんだ……」

 何か月か前の記憶をしみじみ思う。

「準備はいい?」

 芹香が2人に問いかける。

「うん」

 首を縦に振る。

「タイムロードを……解放する!」

 芹香は穴の跡を強く押す。

「タイムロードが……」

 見覚えのある、青く澄んだ道。タイムロード。

「ここから通れば……!」

 3人はタイムロードにためらうことなく足を踏み出す。

 そして路地裏の穴は閉じて元の跡に戻った。

268:さんご ◆JfuU:2013/09/25(水) 16:15 ID:F1A

 何メートルか歩くと真っ白な光が見えて来る。

「もう少しだ!」

 玲名が駆け出す。

 それにつられ、芹香と可憐の足取りも早くなった。


「坂井博士、お久しぶりです」

 タイムロードを抜け、最初に見えたのは坂井博士だった。

「あなたたち!手紙が届いたのね!」

「はい。でもなんで私の家に……?タイムロードは路地裏に繋がってたはず……」

 可憐は疑問を持つ。

「それより、タイムロードを解放してくれてありがとうございますね……それから」

 坂井博士は何かを思い出すように言った。

「あなた……天皇がお目にかかりたいと仰っていたわ」

 博士は可憐を指した。

「天皇が……?」

「日本に戻ってみてはどうかしら?1946年、戦争も終わって安全よ」

 坂井博士に勧められ、日本に行くことにした」
 

269:さんご ◆JfuU:2013/09/25(水) 16:15 ID:F1A

最後の 」 余計でした(汗)

270:さんご ◆JfuU:2013/09/25(水) 18:04 ID:F1A

「さぁ〜船で出発〜!」

 妙にテンションが上がっている玲名。

「あ、船来た。タイミングいいね」

 待って1分もしないうちに船は来た。

「これって日本行ですよね?」

「あぁ、乗っていくのか」

「はい」

 船長と会話し、日本までのせて行ってもらうことにした。

「天皇が呼び出しなんて……」

 玲名は少し不安を覚えた。

「別に私たち悪いことしてないし……」

 可憐が心配を打ち消す。

「う〜ん」

 

271:さんご ◆JfuU:2013/09/25(水) 18:11 ID:F1A

そろそろ300!
。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo

「到着です」

 船長は放送を流す。

「あぁ〜やっと着いた」

 玲名は伸びをして力を抜いた。

 木製の船から降り、土道を歩き出す。

「天皇ってあそこにいるっけ?」

「多分」

 裁判の行われたあの建物に行ってみることにした。


 立派なコンクリートの建物は少し古さびている。

「あぁ、懐かしいというか1ヵ月前だけどね」

 玲名がふらふらしながら眺めた。

「じゃあ入るか」

 鉄製のドアを力いっぱい押して何とか入った。

「こんにちわ」

 そこには天皇が玉座に座っていた。

272:匿名さん:2013/09/26(木) 16:13 ID:F1A

「天皇、何故態々お呼びになったのですか」

 脚が埋もれそうな赤いじゅうたんを強く踏みしめる。

 可憐が敬語を怠らないよう話した。

「お礼をするべきかと思い。それから……」

 言葉を詰まらせ、会話の流れを遅くする天皇。

「止めて欲しいものがある」

「止めて欲しいもの……?」

 玲名が答えを探すように問う。

「実は゛レトリス共和国゛の戦争を止めてほしい。」

 レトリス共和国―――……?

「それって……太平洋に面している小さな国ですよね」

 可憐が天皇に言う。天皇は玉座の手すりを擦りながら言った。

「どうやら日本に襲撃してくるらしい。力では鎮めることはしたくない」

「じゃあどうやって……?」

 玲名が少し怒り気味で天皇に答えを求める。

「言葉の力で収めてほしい」

 ぽつりとつぶやく天皇。

273:さんご ◆JfuU:2013/09/26(木) 16:17 ID:F1A

>>272私ですすみません(汗)

274:さんご ◆JfuU:2013/09/26(木) 16:22 ID:F1A

「其方の説得力は十分だ」

 天皇は可憐に自信を持たせる。

「それは構いませんが……ここから遠いですよね?どうやって行けば……」

「今日の午後。戦争実行集会が行われる。所謂会議だ」

「それで?」

 玲名が面倒そうに言った。

「レトリス共和国も出席するらしい」

「それはここで行われるのですか?」

 芹香が聞く。

「あぁ。他にアメリカ、フランスやイタリア、イギリス、中国が来る」

 今の日本は無くなってしまうかもしれない――

 歴史を変えてしまう――……?

 そう思うと身震いがする。

 でも……


「私、説得しますから」

 やっと一言口にできた。

275:さんご ◆JfuU:2013/09/26(木) 16:32 ID:F1A

「本気なの!?」

「可憐ちゃん……」

 2人とも心配している。

「私まで殺される!」

 訂正すると1名除いて。

「歴史を変えてしまうかもしれないでしょ?」

 可憐は仕方なさそうに言った。

 天皇は玉座を蹴って興奮していった。

「本当か!」

「えぇ」

 可憐は沢山の写真の額がかかった壁に寄り掛かった。

「でも一旦、帰らせて頂いていいですか?」

「構わない」

「では」

 芹香と玲名を引き連れて鉄製のドアを開けた。

276:匿名さん:2013/09/26(木) 16:56 ID:F1A

「大丈夫なの……?」

「うん。いざというときには天皇が保証してくれる」

 空を見上げ、芹香に言う。

「私は行かないから。とりあえず坂井博士の所に戻ろう」

 土道をじゃりじゃり引きずって歩く玲名。

「うん」

「なーんか来るたび事件起こるよね……」

 疫病神だもの――……どうせ。

 私がいるとみんな不幸に巻き込まれる。

「船あと5分だってさ」

 石と岩で埋まった河原にぽつんとバスの時刻表のようなものが立っている。

「ちぇっ」

 5分も無駄にしたくない玲名はイライラして言う。

277:匿名さん:2013/09/26(木) 17:02 ID:F1A

 待つこと5分

「船来た〜」

 5分が1時間に感じるような伸びをする。

 木製の船に乗り、可憐が言い出した。

「思ったんだけど……一々私達がタイムロードを解放するのは面倒だと思うの」

「で?」

 玲名が船の周りの魚を見ながら言った。

「所有権を博士に譲ろうと思うの」

 可憐は2人に向かって言った。

「うん、賛成!私たちが持っていても仕方ないわ」

 芹香は賛成する。

「えぇ〜私どうでもいい〜好きにしてぇ〜」

 可憐の話より魚に興味があるのか魚を脅かしている。

「じゃあ決まり」

 船はそのまま島の港に着いた。

278:さんご ◆JfuU:2013/09/26(木) 17:03 ID:F1A

また匿名さんになってる……

それから番外編を挟みます!

279:さんご ◆JfuU:2013/09/26(木) 17:35 ID:F1A

芹香が主人公のお話です!

えぇ〜芹香が主人公ー?

不満な人もいるかと思いますが^^;

280:さんご ◆JfuU:2013/09/26(木) 17:51 ID:F1A

番外編 〜ローマの貴婦人〜

「これから年に1度のイタリア留学について説明する」

 清月学園では年に1度、2ヵ月留学がある。

 1年はロシア、2年はイタリア、3年はフランス。

 可憐は日本語を除いて5か国語喋れる。

 ロシア語、イタリア、英語とフランス語と中国語。

「そっか、そろそろ留学の時期だっけ」

 芹香は失踪する前に留学はした。

「ロシアは寒かったよ〜」

 沙織はぶるぶるしている。

「イタリアはおいしいものがいっぱいだよね!」

 香奈は笑って言う。

「うん!スパゲッティとかピザとか!」

 芹香も乗ってきた。

「だよね!持ち帰って花見亭の店長にお土産として渡そっかな?」

 沙織がはしゃいで上の空。

「留学でしょ?お土産去年はだめだったんじゃ?」

 可憐は沙織に聞く。

「今年からオーケーなんだって!」

「ふ〜ん」

 

281:さんご ◆JfuU:2013/09/26(木) 17:52 ID:F1A

今頃言いますが芹香視点です

282:さんご ◆JfuU:2013/09/26(木) 17:59 ID:F1A

 留学は1ヶ月ご後か

 まだまだ先だな――……

「でも楽しみだな〜」

 文化祭が終わったばかりだというのに

「あっ、パスポート期限切れる……!」

 ふと気づいた。何年か前に更新したけど。

「作んなきゃ」

 

283:さんご ◆JfuU:2013/09/26(木) 18:15 ID:F1A

1ヶ月後―――……

「来たぁ〜っ!イタリアのローマ〜!」

 沙織が我を忘れて飛び上がる。

 ローマの町並みは美しく、レンガの建物、石像――

 色々と日本とは違う風景。

「グループの自由行動を許可する。ただし5時にはホテルに戻って居ろ」

「へぇ〜い」

 先生のいう事なんか上の空で聞いている。


 グループは可憐と芹香、沙織と香奈。

「まずはローマの文化を調べ……って!」

 可憐以外は皆お遊び状態。

 芹香は除くが。

「ちょっと……レポートまとめられなくても知らないわよ!?」

 しぶしぶ一人で書き出す可憐。


「わぁ〜、このクマの人形可愛い〜」

 レンガ造りの可愛い店の窓に飾られたクマの置物。

「自分用お土産に買っとこ」


 小さな茶色い紙袋を見学用ポーチに入れ、みんなと合流した。

284:さんご ◆JfuU:2013/09/26(木) 18:20 ID:F1A

 その時だった―――……

「きゃあぁぁぁっ!!」


「!?」

 耳の割れるような悲鳴が聞こえた。

「な……何の声!?」

 その声はすぐ近くの城のようなレンガ建ての建物から聞こえ、駆けつける。


「え……!これ……」

 芹香が目にしたもの―――……

285:さんご ◆JfuU:2013/09/26(木) 18:39 ID:F1A

「殺されてる……!?」

 女性の周りは紅く染められ、すぐ横にナイフがカーペットに突き刺さっていた。

「…………」

 黙るしかない。

「警察……呼んで!」

 イタリア語の話せる可憐に求めた。

「あ、うん!」

 鞄からメモを取り出し、スマートフォンを握った。

 可憐は前以って警察や救急の電話番号を調べてある。

 スマートフォンの画面を強く押す。


 数分後到着した警察。


 辺りは散らかされたが上等なものは何1つ盗まれていなかった。

 殺された人の名前はラフラン婦人。

 そしてその現場の近くに可憐達、そして別の場所にその娘、

 レイア嬢がいた。


 死体は玄関の入り口に靴と一緒に埋まっていた。

 しかしドアに鍵がかかっている。内側から。

 すべての窓も同じく。

286:さんご ◆JfuU:2013/09/26(木) 18:43 ID:F1A

「密室……?」

 奇妙な事件だった。

 遺体は包丁が刺されたのではなかった。

 調べによると毒薬が体に回っていたらしい。

 しかし血は出ている。

 その血はラフラン夫人のもの。

 見ると背中から掠り傷が見つかった。


 
 

287:さんご ◆JfuU:2013/09/26(木) 18:44 ID:F1A

なんか殺人ってあんまりよくないですかね……

でもワンピースとか見ると殺されるとこありますしね

小説ですからセーフかなぁ〜?

288:りな ◆fDt6:2013/09/26(木) 20:41 ID:OOQ

うちは好きだよ!
推理だからOK!

289:さんご ◆JfuU:2013/09/27(金) 06:51 ID:F1A

>>288そうですか、安心しました^^

290:さんご ◆JfuU:2013/09/27(金) 06:57 ID:F1A

 詳しく現場を見る。

 遺体の横にはナイフ1本と軍手、ジョウロなどのガーデニング用品がある。


「まずは貴方からお話を聞きましょう」

 警官はレイア嬢に話を聞いた。

*レイア嬢の証言

「私はずっと自分の部屋で小説を書いていました。一応小説家で

明後日が締切で忙しく、殺している暇なんてありませんでしたわ」

*お手伝いさんの証言

「私は中庭の掃除を頼まれ、中庭にいました。その他のメイドも見ているはずです」

*ボディーガードの証言

「私は夫人から休みをいただいたので、客間にいました。その時私は1人でした」

291:さんご ◆JfuU:2013/09/27(金) 07:00 ID:F1A

 警察は詳しく捜査をする。

 お手伝いさんは半年前入った新人で、ボディーガードは3年前からのベテラン。

 メイドは他にもいたが最初に入ったのがこのメイドさんなのだ。

 メイドさんは主人と人間関係も良く、親切にしてくれたらしい。

 ボディーガードは口数が少なかったため、普通の関係だったらしい。

292:さんご ◆JfuU:2013/09/27(金) 07:12 ID:F1A

「どうやってこの掠り傷は……」

 芹香はサスペンスには興味がなかったけどこの事件は不思議だった。

「その答えはこれじゃないかしら?」

 可憐が指した先。それは鉄製の手すり。

 先が鋭く尖って鈍く反射する。微かに血が付着している。

「血の量からしてみんな気付かないのも無理ないわ」

 可憐はなおも続ける。

「ここに拭かれた後。犯人は気づいたんだわ」

 芹香は大きなヒントを得た。

 しかし密室。いくら殺し方や凶器があっても逃げ方が分からない。

「普通に表面を見てたら分からないわよ」

 可憐の一言が正解の一部をくれた。

293:さんご ◆JfuU:2013/09/27(金) 16:43 ID:F1A

「正面を……?」

「普通に逃げたならとっくに解決してる」

 それもそう。

 そして不自然なことに気付く。

「ボディーガードの足……」

 ボディーガードのベージュの革靴に不自然な黒い粉。

「なんだろ……」

 芹香が不思議に思っていると何かにぶつかった。

「わ、サンタさんの置物?」

 暖炉のそばにサンタクロースの置物が並んでおいてあった。

 芹香の足もとに横たわっている。

 芹香がぶつかる前にも散らかっていた。

「サンタクロースはいつの間にか入ってくるわよね……あっ!」

 そのつぶやきがこの事件のカギだった――

294:さんご ◆JfuU:2013/09/27(金) 16:47 ID:F1A

「煙突……」

 暖炉に入る芹香。

 灰と煤だらけだったけれど足跡を見つけた。

「これだわ!」

 今までの考えを整理する。

 犯人は煙突で逃げ、風呂場へ行って煤を落とす―――

 そして客間に向かったんだわ

 ん?でもそしたらわざわざ出る必要が―――?

 でもその時レイア嬢と私たちが来たから……!

「分かった!分かったよ可憐ちゃん!」

 芹香は目を輝かせて可憐に言うと可憐は少し笑った。

295:さんご ◆JfuU:2013/09/27(金) 18:16 ID:F1A

 警察が苦戦する中、芹香たちは帰りたかった。

 しかし第一発見者として取り調べを受けるため、帰ろうにも帰れない。

「そろそろ取り調べを……」

 日本語が話せるイタリア警官が言った。

「その必要はありません」

 芹香がスッと言った。

「私分かりましたわ。だから無駄なことはおやめください」

「何を言っている、此方は時間がおしているんだ」

 面倒そうに言うとボールペンをノックし、手帳を構えた。

「中まで調べましたか?煙突の」

「……は?」

 笑ったように首をかしげる警官。

「煙突の中に足跡があるはずです。調べてください」

「ふっ、探偵気取りのお嬢ちゃんのいう事なんか下の鑑識にお相手させるわ」

 芹香を嘲り笑った警官。

「おい、見習い、煙突を調べろ」

「承知しました」

 小さな暖炉に向かい、ガスマスクを付け調べる。

「確かに足跡が上まで続いています!」

「何だと!?」

 警官は芹香を一瞬すごい形相で睨むと暖炉に駆けつける。

 可憐はその警官をとげのような眼差しで見る。

「本当だ!何故分かった!?」

 警官が必死に問う。まさかこんな少女が警察に劣るなんてプライドが黙ってはいない。

 芹香は視線をボディーガードの靴に向けた。

「靴……」

 警察は一瞬何を見れと言ったのか分からなかったがすぐに理解した。

「煤と灰だらけのその靴、見せて頂こう」

「え……!?」

 ボディーガードの顔に動揺が走る。

「見せられないということは、何か隠しているのですか?」

「そんなこと……」

「だったら見せなさい」

 しぶしぶ警官に靴を渡した。

296:さんご ◆JfuU:2013/09/27(金) 18:22 ID:F1A

「鑑識結果……この暖炉の足跡と一致。そして煤と灰も一致した。これはどういうことかね?」

「な……まだ矛盾している点が……」

「何だ?」

 ボディーガードは焦りながらも笑う。最後の切り札を出す。

「殺害原因は毒。しかし何故出血しているのか、そこはわかったのですか?」

「関係ないだろ」

「それに私の指紋は……?」

「…………」

 黙り込むと芹香を睨んだ。

「軍手を使いましたでしょう?」

「ふっ、じゃあどこにあるんだよ、その軍手は」

 ボディーガードが笑う。

「ガーデニング用品と紛れてそこ等辺に放ってあるでしょう?」

 ジョウロやスコップに紛れ、軍手があった。

 全て血が付着していて殺害に使っても気づかれない。しかし乾き具合は違う。

「じゃあ掠り傷は?」

 警察も笑い始めた。

297:さんご ◆JfuU:2013/09/27(金) 18:31 ID:F1A

「この手すりが原因です」

 可憐が指した手すり。鉄製の尖った所を指す。

 警察が暖炉から離れ手すりを調べた。

「僅かながらも血が付着しています。そして拭いた後も」

「確かに」

 警察が相槌を打ったため、ボディーガードは別のことを言い出した。

「じゃああのナイフは!?」

「テーブルを見れば食事中。きっと手手に持ってそのまま倒れたのも可笑しくはないでしょう」

 芹香は反論した。

「つまりこうです。先程説明した殺し方で殺し、洗面所に向かい、煤を落とす」

 警察がメモを取っている。

「そして客間に戻ったわけです!」

298:さんご ◆JfuU:2013/09/27(金) 18:41 ID:F1A

「さぁ、あなたの反論をお聞かせください」

 警官が推理したのでもないのに決め台詞を言った。

「あぁ、もう降参だよ降参」

 目をつむって項垂れた。

「さぁ、署で話を詳しく聞く」

 そして玲名は唖然としたままだった。

「ふん!シロートが」

 中学生が解決したのが不満なのか意地を張っている。

「あれ、クマの置物……」

「はい」

 可憐に小さい紙袋を渡された。

「あ、探してたよ!ありがとう」


 こうしてローマの貴婦人は眠りについた――……
 

299:さんご ◆JfuU:2013/09/27(金) 18:43 ID:F1A

【時々コメント】

今回の番外編は長かったですね〜

可憐は最初から分かってたんだったら教えてあげろよー

此方も更新したのでどうぞ
http://chat.firebird.jp/profile/profile.cgi?mode=view&name=%81%F4%82%B3%82%F1%82%B2

300:さんご ◆JfuU:2013/09/27(金) 18:47 ID:F1A

300記念としてキャラ投票行います!
(1個しか集まらないんじゃね?)

1位は番外編の主人公にしようかなぁ〜なんて思ってますw

1.可憐

2.芹香

3.沙織

4,玲名

5,香奈

6.蓮&怜雄

301:りな ◆fDt6:2013/09/27(金) 20:20 ID:xTE

>>300
300おめでと!

うちは、やっぱ…6で!!

302:さんご ◆JfuU:2013/09/29(日) 16:40 ID:F1A

蓮&怜雄ですか!
確かにあの人イケメンですよね〜^^

303:さんご ◆JfuU:2013/09/29(日) 16:42 ID:F1A

直に>>299のプロフのほうに
4章の登場人物乗せます
※ネタバレ注意

304:さんご ◆JfuU:2013/09/29(日) 17:03 ID:F1A

今日は時間がないので明日本編の続きを書きます

305:さんご ◆JfuU:2013/09/30(月) 16:22 ID:F1A

〜休憩〜※本編とは関係ありません

 ブックストアに行った時のこと

「出てる出てる!『アリスと白うさぎ。』の新刊!!」

 芹香が手に取ったのはりな様作の小説だった。

「これ、1冊も売れてないらしいよ」

 香奈が指差す小説。

「まったく作者は私たちをどうしてくれるのかなぁ〜!?」

 起こった調子で沙織が不満そうに言った。


↑1冊も売れていない小説……=私?(by作者)

芹香ちゃんたちには大変ご迷惑をおかけしているなぁ〜と思ってww

306:さんご ◆JfuU:2013/09/30(月) 16:59 ID:F1A

「坂井博士!」

 砂利道を必死に走り研究所へ着いた。

「あら?もう用は済んだの?」

「いったん戻っただけです。それから」

 走ってきたため息切れしていてなかなか会話が進まない。

「タイムロードの所有権を譲りたいんです……」

 可憐と芹香が同時に言い、玲名が腕を組む。

「……え?」

 博士は意味が飲み込めず唖然としていた。

「一々タイムロードを開けるのは面倒なので博士が自由に使って下さい」

「え?いいの?」

 芹香が博士にきっぱり言うと真紅のソファーに座った。

307:さんご ◆JfuU:2013/09/30(月) 17:23 ID:F1A

「私たちが持っていても……仕方ないじゃないですか」

 芹香が坂井博士に笑って言った。

「そう……」

 納得したように呟く博士。

「ありがとう……」


「それより会議はどうするの?」

 玲名が話を持ち込んだ。

「とりあえず……、身を任せる」

「はぁ?」

 玲名が突っ込み、芹香が黙る。

「まだ相手の意見を聞いていないから言い様が無いわ」

 可憐は少し上を見上げ2人に呟いた。

「少なくとも止めなければならないのはそうだけど」

 窓のほうに視線をそらすと木々が揺れていた。

308:さんご ◆JfuU:2013/09/30(月) 17:34 ID:F1A

 運命のサミット(会議)まであと10分――……

  私が日本の危機に巻き込まれるなんて思いもしなかった。


「でも……日本の存亡がかかっているのよね……」

 そう思うと気が重くなる。

「大丈夫だって、可憐ちゃんは苦手なものとか無いし」

「蟋蟀とか苦手」

 意外なことに可憐は虫が嫌いだった。

「え!?蟋蟀?」

「うん。噛まれたことがあって」

 蟋蟀なんかに噛まれたってそんなには痛くないだろうに。

「意外だよ」

「へっへ!弱みは握った!私の勝ちよ!」

 なぜか嬉しがる玲名。

 可憐への優越感を感じたらしい。

「それはともかくもうそろそろ時間。もう行くわ」

「まだ大丈夫じゃん」

「船で行くから時間がかかるの!」

 そういうとソファーから腰を浮かせ、立ち上がった可憐。

 

309:さんご ◆iAoc:2013/09/30(月) 17:45 ID:F1A

トリップ変更

310:さんご ◆iAoc:2013/09/30(月) 17:48 ID:F1A

「レトリス共和国ってどんなとこ?」

 玲名が訊いてみた。

「太平洋の小さい国だけど資源が豊富」

 芹香が説明した。

「その国、もうないの?」

「うん……歴史上、ね」

 芹香が何かを言いたいように呟いた。

「まぁどっちにしろ小国であってもなくてもいい国よ」

 可憐がまるで自分のことを言うかのように呟く。

「酷!」

「事実よ」

 そんな言い合いは船を降りてからも続いた。

311:さんご ◆iAoc:2013/09/30(月) 19:24 ID:F1A

「レトリス共和国……」

 天皇は写真を見つめて呟いた。

「昔は親友だったのにがなぁ」

 写真を引き出しに戻し、玉座へ座った。

「もう昔に戻れんのか……」


「お待たせしました!」

 可憐と芹香が先に入り、玲名が後から来た。

「おぉおぉ」

「ていうかあんた来ないって言ったじゃん」

「い……っいいから」

 ヒステリーに言うと天皇に目を向けた。

312:さんご ◆iAoc:2013/09/30(月) 19:29 ID:F1A

今日はここまででーす

プロフにNEW!がついてるのは3日以内の更新です

4章ネタバレしています

313:りな ◆fDt6:2013/09/30(月) 23:19 ID:rd2

うちの小説がなんか本になってる(笑)(笑)

“本屋byりな”では「シンデレラの憂鬱」はベストセラーだぜぃ☆

314:さんご ◆iAoc:2013/10/01(火) 16:18 ID:F1A

by本屋りなww

そのうち『アリスと白うさぎ。』も本になったりしてw

315:さんご ◆iAoc:2013/10/01(火) 16:25 ID:F1A

「レトリス共和国とはずっと前同盟を結んだ……」

 天皇は3人の顔も見ずに呟いた。

「え?」

 真顔になって聞く可憐。

「私とレトリス共和国の総理大臣、『カリア総理』とは親友だった」

「え!?じゃあなんで襲撃を!?」

「裏切ったからだ」

 天皇の一言は沢山の記憶を蘇らせた。

「裏切ったって……どういうことですか!?」

316:さんご ◆iAoc:2013/10/01(火) 16:44 ID:F1A

 裏切り―――……

  その言葉を聞いて可憐も天皇も記憶を思い出す――

「一体何が……」

「私が天皇に即位したためだ」

 訳のわからないことを言い出す天皇。

「私は昔カリアと同じ、貧乏人という身分だった」

「え!」

 思わぬ真実に驚愕する玲名。

「ある時捨て子になった私は上皇に拾われた」

 態々上皇が拾った――?

「子孫がいなかったため、残そうとしたのだろう」

「捨て子に政治を任せるなんて……!」

 玲名が強い調子で言った。

「そして天皇に即位したからか貧乏人のカリアは怒った」

 天皇は泣きそうな表情で言った。

「あいつは言った。いつか天皇になって見返してやる、と」

 天皇は悪くない。しかしカリアからは悪く見えた。

317:さんご ◆iAoc:2013/10/01(火) 16:48 ID:F1A

「あいつの気持ちも分からなくはない。もとは同じ貧乏人だったからな」

「だけどその恨みと憎しみを暴力に変えることはないはずです」

 きっぱり可憐が言った。

「そうだよ!ひどすぎるよ!」

 玲名も言い出す。

「天皇は悪くない……だから胸張って会議に参加しましょう」

 芹香も勇気付けた。

「ありがとうよ……」

318:さんご ◆iAoc:2013/10/01(火) 17:04 ID:F1A

「約束の時間だ、会議してもらおう」

 突然グレーのスーツを着たブロンドの男性が日本語で喋ってきた。

「いいでしょう。私が天皇の代理人として解釈しましょう」

 可憐が立ち上がり、赤いじゅたんを踏み、カリアに向かって言った。

「あなたはカリア総理ですよね」

「私を知っているのか、なら話は早い」

 ニヤッと不気味に笑い、可憐を見下した。

「ただの子供だろう?子供は工場で働くんだな」

 偉そうに言い、鼻で括る様な態度をとった。

「アメリカの軍隊さん、まだ核爆弾はありますか?」

 可憐が突然とんでもないことを言い出した。

「な……どうしろと!?」

「爆発させやしない。うまくいけば……ね」

 冷静な態度で言うので核爆弾を渡してしまったアメリカ軍。

「この焼野原を見ましたか?こんな無様な姿になりたいのですか?」

 核兵器を持ち上げ、真顔でカリアに言い放った。

「ふっ、落とされやしないよ」

「ある一通の手紙が来ています」

 可憐が戦争会議をすると聞いてレトリス共和国の少女が送って来た物だった。


『私はバカバカしい戦争のおかげで家族を失いました。

 都合のいいことばかり考えている人達には分からないでしょう。

 この゛悲しみ゛を。

 戦争のせいでもう私の人生は台無しです。

 殺されてもいい。言いたいことが言えればそれでいいです』


 その手紙を可憐は真剣な眼差しで読み終えた。

319:さんご ◆iAoc:2013/10/01(火) 17:08 ID:F1A

「そんな人には付き合ってはいられないよ」

「戦争をやめなければ核兵器を落とします!こんな有様になりたければどうぞ戦争を続けてください」

 あり得ない一言を大きく、強い口調で言った。

「な……、嘘だろう」

 焦ってカリアは植木に肘をぶつけ、植木は音を立てて倒れた。

「どうぞ。どちらにしても戦争は終わります」

 芹香も加わった。

「お前ら何なんださっきからっ」

 カリアが激しく怒鳴る。


 

320:さんご ◆iAoc:2013/10/01(火) 17:14 ID:F1A

「もういいだろう、やめにしないか」

 その時カリアの背中に1つ言葉が届いた。

 天皇が目をつむってカリアに話しかけた。

「…………」

 黙ったまま口を閉じるカリア。

「また昔のように仲良くしようじゃないか」

 天皇はカリアの背中を押す。

「うぅ……」

 カリアはその場に泣き崩れ、倒れてしまった。

「さぁ、もう終わりだ。全ては解決したよ。ありがとう」

 天皇は玉座に戻り、泣き崩れるカリアを見守った。


「もう帰ろうよー終わったことだし」

 玲名は開き直って出口に近づいた。

321:さんご ◆iAoc:2013/10/01(火) 17:55 ID:F1A

 もう暗くなった。

 かれこれ5時間は経過しているのに彼方の世界ではたった5分に過ぎない。


「でもよかった!一件落着ぅ〜気分爽快!」

 羽を伸ばす玲名。知らず知らずのうちにもう研究所に着いていた。


「大変!」

 怒鳴り声がしたかと思うと博士が急に飛び込んできた。

「何があったんですか!?」

 芹香が心配して博士に問う。

「タイムロードを解放したせいか、歴史が混乱し始めているわ!」


 ……え――――!?

322:さんご ◆iAoc:2013/10/01(火) 17:59 ID:F1A

「えええぇぇ!?」

「なんか大変なことに……」

 慌てる玲名。焦る芹香。混乱する可憐。

「どどど、どうすればいいの!?私達!」

「解決は簡単よ!今すぐタイムロードを閉じるの!」

 博士がパソコンをカタカタうっている。

「幸いエネルギーはある!早く通るのよ!」

 3人とも躊躇することなく足を踏んだ。


 もう使命は果たした――

 
  この世界に用はないわ―――……!


 大きく1歩を踏み、そのまま穴は閉じた。


 −−−−−−−−−

323:さんご ◆iAoc:2013/10/01(火) 18:01 ID:F1A

「う……っ」

 前と同じパターン。

 路地裏の冷たいコンクリートに横たわっていた。

 まだ穴の跡はある。


「帰れた……のかな?」

 ゆっくり起き上がる可憐。

「うん。きっと」

「帰ったんだよ、私達」


 タイムロードのような青い空は可憐達に無言で「おかえり」と伝えているようだった―――……

324:さんご ◆iAoc:2013/10/01(火) 18:03 ID:F1A

3章終わりましたぁー
なんか短いですよね!
そろそろ4章!
4章はアクション系!(作者が書いてみたくなっただけ)

サヨナラの人

坂井聖花博士
海斗君
玲名ちゃん(少し登場する)

325:さんご ◆iAoc:2013/10/01(火) 18:05 ID:F1A

プロフも訂正しました

326:さんご ◆iAoc:2013/10/01(火) 18:10 ID:F1A

4章新キャラ

早乙女 音色(Saotome йeiro)♀

綺崎 琴栄 (Kizaki Kotoe) ♀

川口 瑠依 (Kwaguti Rui)♀

益田 裕翔 (Masuda Yuto)♂

327:さんご ◆iAoc:2013/10/01(火) 18:12 ID:F1A

用語集

CLOCK(通称クロック)

学園を守る組織。

HARRIS(通称ハリス)

学園を襲う組織。

328:りな ◆fDt6:2013/10/01(火) 18:58 ID:/Vk

>>314
ありえないから安心安心♪(笑)

329:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 06:39 ID:F1A

安心ってww

330:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 06:43 ID:F1A

第4章 〜宿命のエースクイーン〜


 タイムロードを解放し1ヶ月―――

「ねぇ、今日見慣れないスポーツカーが止まってたんだけど知ってる?」

 可憐と芹香、沙織と香奈で話していた時のこと。

「新しい担任のじゃない?そういえば先生辞めるなんて聞いてなかったよね」

 香奈も知らないようだった。

「え〜、先生がスポーツカー?いくらなんでもそれはないって」

 芹香は呆れたように笑った。

「そろそろ全校朝会だから体育館に行くね」

 可憐は3人をおいて先に体育館に行ってしまった。

「ちょっと待ってー!」

 あとから沙織が追いかける。

331:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 06:49 ID:F1A

 いつもの校長のだらだらと長い話……

「えー、今日は新しく入った先生を紹介します」

 いきなりざわざわ騒ぎ立てる全校生徒。

「静かにしなさい」

 教頭が鎮めようとするがまだ声は濁って飛び交っている。

「2年2組担当であり、2年生の音楽担当の早乙女 音色先生です」


 校長が視線を向けた先には派手な服装の女性が手を振っていた。

「はい!私が早乙女音色です!宜しく―!」

 
 ガキ(小学生)みたいな先生だな――――……

「やっぱあのスポーツカー……」

「音色先生のだったんだ!」

332:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 06:50 ID:F1A

書くの楽しいから更新率↑です

300いっちゃいました

333:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 06:55 ID:F1A

 朝会が終わり、帰った時には教室には音色先生がいた。

「さぁみんな!1時間目は音楽の授業よ!音楽室へ行きなさいー」

「はぁ〜い」

 ガキだ―――

「先生ってどこの大学出身ですか」

 1人の男子がニヤニヤして聞いて来た。

「大したところじゃないわ。ハーバード大学ってところね。みんな知ってる?」

 ハーバード大学―――……だと!?

 このガキみたいな性格の先生がっ!

「えぇ〜!?」

 驚愕するのも当然。

「先生天才!」

「すご!」

「さぁさ、音楽の授業よ」

 先生は音楽室へ先に行くと準備を始めた。

334:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 07:02 ID:F1A

「あの先生すごいよね」

「うん!綺麗だし天才だし!」

 噂は教室中に広まった。


「この複雑なリズムとメロディー……これ弾ける人はいるかしら?」

 先生が楽譜を眺め、みんなに向けて言った。

「やってみます」

 可憐が恐る恐る手を挙げた。


 どのくらい難しいのかしら―――……?

「いいの?じゃあはいこれ楽譜」

 楽譜を渡すと可憐は10秒ほど見つめ、先生に楽譜を返した。

「あら?楽譜見ないの?」

「はい」


 学園のピアノは2段式のグランドピアノ。家のと全く同じ―――


 可憐は指を鍵盤に滑らせるように弾き始めペダルを強く踏んだ。

 2段目も見事に使いこなす。


「す……すげー……」

 唖然とするクラスと先生。

「すごいわ、これがCLOCKの……」

 先生は聞きなれない単語を口にした。

335:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 07:05 ID:F1A

 鍵盤を端から端まで使いこなし、終わりはドーンと勢いのある和音。


「どこか間違えたところがあれば……」

「すごいわ!*初見でここまでできるなんて!」

 先生は目を丸くして感激しているようだ。

「そ……そうでしょうか?」

 微笑して言い、席に戻った。


 さすが。これがCLOCKの゛エースクイーン゛……!

336:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 15:21 ID:F1A

〜シンデレラの辞書BOOKV〜

初見

楽譜を初めて見ていきなり弾くこと

337:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 15:47 ID:F1A

 授業が終わり、昼休に入った。

「小川さん、悪いんだけどこれ準備室に持っててね」

 音色先生に荷物の片づけを押し付けられた可憐。

「え、あ」

 何も言う間もなく、押し付けられたがために戻すことになった。


 ん――?

「非常口の階段……」

 いつもは閉まっているはずの非常階段が少し開いていた。

「誰かいるのかな?」

 恐る恐るドアに手を伸ばす。

「誰かいますかー?」

 小声で言ったが響いている。

 真っ暗で何も見えない。

「誰かのいたずらかなんかかな」

 そう思って閉めようとしたが何か話し声が聞こえた。

「やっぱり誰かいるんだ」

 思い切って入ってみる。

「誰もいないか。話し声はここからじゃないみたい」

 ほっとしたその瞬間……


「わ!」

 ガタン!

 何かが倒れる物音とともにどこかへ落ちたような感覚に襲われた。

338:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 15:52 ID:F1A

「ん……?」

 不思議に思って辺りを見回す。

「あ……あれ?ここ生徒会室」

 なんで生徒会室に―――……!?

「え、誰かー」

 大きめの声で叫ぶとそこには音色先生がいた。

「先生!」

「小川さん!」

 2人とも驚いているが音色先生はどうってことなさそうだ。

「すみません、非常口の階段の扉が開いていて入ったらここに……」

 必死で訳を説明する可憐。

「あなたから来てくれるなんて」

「え?」

 
 どういう意味―――……?
 

339:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 17:15 ID:F1A

 理事長と校長もいる。

 そして女の子が一人と蓮君、怜雄君、双美さん……

「みんな……なんでここに……」

 芹香に向けて言った。

「私達生徒会……いやCLOCKは学園を守る組織なの!」

 芹香の一言は可憐の運命を変えた―――……!

340:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 17:16 ID:F1A

蓮&怜雄トウジョー♪

さてさて何の役ででてくるかな?


蓮&怜雄「りなさんこんにちわー」

341:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 18:20 ID:F1A

「は……?」

 何それ聞いたことない、私は関係ない――……!


「この学園のシステムを停止させようとする゛HARRIS゛」

「それを防ぐために作られた組織ってわけ!」

 蓮と怜雄が説明する。でもその説明も良く分からない。

「え?でなんで私がここに……?」

 一番知りたかったのはそれだった。

「CLOCKは生徒会で出来ている」

「生徒会長は分析係、書記、会計は防衛係、副生徒会長は管理部ね」

 音色先生があっさり説明した。

「私は副生徒会長の綺崎琴栄です。宜しくお願いします」

 礼儀よく頭を下げた琴栄。

「で私が生徒会長の芹香!」

「俺は初期の蓮」

「僕は会計の怜雄だよー」

 それぞれが自己紹介をする。

「芹香ちゃん、生徒会だったの……?」

「いえ、これからなるのよ」

 芹香は本気でこの組織に入るようだ。

「でも私は何なんですか。全て揃っています」

 確かに生徒会長から会計まで。他に役があるのだろうか。

342:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 18:22 ID:F1A

「あなたはエースクイーンという役職よ」

 音色先生が言った。

「エースクイーン……?」

「会計、書記、生徒会長……すべてに当てはまる役職」

 ぽつり琴栄が小声で呟いた。

「7年に1度派遣される役職……今年で7人目」

 先生が詳しく話す。

「私が……?」

 
 エース・クイーン―――……

343:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 18:25 ID:F1A

今日はここまでー

琴栄ちゃんは唯一の眼鏡っ子です!

清楚で礼儀正しい子です!

新キャラ見守ってくださいね〜

344:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 18:51 ID:F1A

エースクイーンの由来

エース(なんとなく)

クイーン(女王)

エース+クイーン=エースクイーン

345:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 18:52 ID:F1A

プロフ更新報告

>>266のプロフ更新完了

346:さんご ◆iAoc:2013/10/02(水) 18:53 ID:F1A

miss

>>246

347:いちご:2013/10/02(水) 21:03 ID:QTw

ひ○みさんですか?
私ゆ○なだよ!
やっと見つけられたよ!
さんごで探すの大変だったんだから!

348:りな ◆fDt6:2013/10/02(水) 23:01 ID:vXs

>>340
りな「わーい!双子さんこんにちわー!」

349:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 07:12 ID:F1A

>>347本気でなーさん!?

>>348双子ちゃんからメッセージが届いています^^

350:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 16:10 ID:F1A

メッセージ

怜雄「『アリスと白うさぎ』作者さんだぁ〜!」

蓮「そんな作品ないぞ!怜雄!『アリスと白うさぎ。』だぞ!」

怜雄「厳しいよぉ〜……」

351:りな ◆fDt6:2013/10/03(木) 16:30 ID:sSY

>>350
普通に喋ると分からないとこ指摘する怜雄くん(笑)

なんか、雑談ぽくなっちゃうから一旦ストップしとく

352:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 16:33 ID:F1A

「さぁ、こうしちゃいられない!早速ミッションがある」

 理事長は徐に早口で言う。

「ミッション?スパイかなんかですか?いっておきますが私はやりません」

 バカバカしそうに断ると非常口のドアを開けた。


「ダメでしたか……」

「みんなありえないと思うだろう。そうそううまくいかない」

353:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 16:38 ID:F1A

>>351了解(*^_^*)つ

354:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 17:11 ID:F1A

「あーあー、なんでこう、私の周りにはあり得ない事ばっかり起きるわけ」

 確かに信じ難い事。

「認めるわけない、あんなの」

 1人でぶつぶつ言いながら教室に向かった。


「今日は昨日の続きからぁ〜」

 音色先生も敵に見えてきた。


 何がエースクイーンよ。なんで私?あり得ない。


「小川さん、小川さん!」

 隣で香奈が声をかけてきた。

「ここ訳して」

 ぼんやりしていたからか自分が指名されたのに気付かなかった。

「え、あ、はい」

 教科書を持つといつも通りスラスラ言えた。

355:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 18:36 ID:F1A

「やっぱすごい!これならエースクイーンもカンペキだよ!」

「だから私はならないって」

 ムキになって可憐は芹香にぶつけた。

「そんなことない、ね?」

 しつこく問うのも学園の為。

「エースクイーンがいないとCLOCKは成立しない……!」

「エースクイーンは私じゃなくてもいいでしょう?」

 面倒……それも一理ある。

 でも―――……

 自分に自信が持てないだけだった―――……


「簡単だってミッションは!HARRIS基地に潜入してデータ取ってくるだけ!」

「簡単じゃないじゃない!」

356:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 18:39 ID:F1A

 データ取ってくるとか、分析しろとか……できない。私には。

「大体、なんで私?どうして私?私じゃなきゃダメ?」

「ダメ」

 あっさり答えた。

「理由は?」

「天才だから」

 天才だから。それだけが理由。

「なんで天才が必要?他に天才はいますよねー」

 ふざけ乍ら答えた。

「理由は聞かないでよ、どうせ答えられない」

 訳の分からない言い訳をして誤魔化した芹香。

「もういい、疲れた。とりあえず今日のところは帰る」

「この件考えといてねぇ〜」

「言っとくけど100%入んないからぁっ!」

357:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 18:47 ID:F1A

 花見亭へ向かう気もせず、そのままぶらぶらしてようやく花見亭に足が向かった。

 着いたのは10時頃だった。


「いらっしゃいー、遅いね可憐ちゃん」

「用事があっただけです」

 いつもながら笑いを絞り出し、精いっぱい笑った。

 これが限界の笑顔――……

「夜遅いから気を付けてね。最近誘拐事件が相次いでいるから」

 お皿を拭きながら店長は言った。

 誘拐―――……?

「誘拐……ですか?」

「知らない?ここ何日か誘拐事件があってね。それも全てココの近く」

 なんか不気味だな――

 もしかしてHARRISだとかCLOCKとかに関係してる――……?

「そんなまさか……」

 打ち消すように呟いた。

「遅くならないようにね〜」

「はい」

 そう挨拶するとカランと音を立てて出て行った。

 

358:いちご:2013/10/03(木) 18:50 ID:QTw

さんご本当ですよ〜
リア友としてとっても嬉しいです〜
頑張れ♪\^ω^/

359:いちご:2013/10/03(木) 18:52 ID:QTw

今度コメントするときは
いちご○○○……
という感じでよろしくね!

360:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 18:54 ID:F1A

ok-!

361:いちご:2013/10/03(木) 18:55 ID:QTw

コメントに返事よろしく!

362:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 18:57 ID:F1A

プロフ報告V

>>299のほうに更新しましたー

特に重要なネタバレはありません

ツチノコ飼いました^^それくらいです

363:いちご:2013/10/03(木) 18:57 ID:QTw

コメントで話さない?

364:いちご:2013/10/03(木) 18:59 ID:QTw

パソコンで更新してるの?

365:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 18:59 ID:F1A

雑談控えめってあるからフリトでなら大丈夫かも

366:いちご:2013/10/03(木) 18:59 ID:QTw

♪♪

367:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 18:59 ID:F1A

うん

じゃあこっちきて
http://cgi-games.com/abi/abiya/index.cgi

368:いちご:2013/10/03(木) 19:04 ID:QTw

どうやって喋ればいいか分からない!
あと名前何?

369:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 19:06 ID:F1A

「るるか」ね

まず名前入力

パスワード決める

文字色決める

そんくらい

370:いちご:2013/10/03(木) 19:09 ID:QTw

OK!

371:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 19:10 ID:F1A

雑談多すぎると叩かれるから

プロフィール登録してくださいってかいてあったら

このメアドつかって

maicchimaicchi328@ezweb.ne.jp

372:いちご:2013/10/03(木) 19:14 ID:QTw

どういくのかわからない!

373:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 19:21 ID:F1A

URLクリック

374:いちご:2013/10/03(木) 19:41 ID:QTw

いけないよ!

375:さんご ◆iAoc:2013/10/03(木) 19:45 ID:F1A

えぇ〜?じゃあこっち↓

http://ha10.net/test/read.cgi/frt/1380797112/

376:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 06:38 ID:F1A

 真っ暗になり人通りの少ない道。ある光は街灯くらい。

「大丈夫よ……」

 自分を落ち着かせながら言った。


 コツ……コツ――

 徐々に音を大きくする足音。

「通行人かなんかだわ」

 大丈夫―――そんなはずない。


 ドン

「!!?」

 可憐は逃げようとした。でも逃げなかった。いや、逃げられない状態にあったから。

377:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 06:45 ID:F1A

「あぁ〜あ、やっと捕まえられた。エースクイーン」

 見知らぬ少女がロープを持って面倒そうに可憐をぐるっと縛っていた。

「あなた誰!?私をどうするつもり!?」

 口は塞がれていなかったため質問はできた。

「あぁ〜あ、口塞いで無かったか」

 ガムテープを取り出し、アスファルトの上に置くと何センチかに切った。

「ふぅ〜これで良し!任務完了。おっと!こいつを倉庫に入れるんだった」

 すぐ近くの倉庫まで可憐を引きずった。

「よっと」

 そのまま放り込まれ、鍵をかけられた。


「ふぁいあふ(最悪)」

378:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 06:49 ID:F1A

 中は外と同様真っ暗。防犯ブザーなんて小学生みたいな物持ってないし。

 ただただつけないため息をついていた。

「んーんー」

 どうにかできないか。

 どうにもできなかった。

「ふ〜!(あ〜!)」

 ムキになって叫びながら荷物をけった。

 蹴ることはできた。


 ピーピーピーッ!

「!?」

 赤いランプに倉庫の荷物が当たってしまったようだった。

「ほーひほー(どーしよー)」

 急がないと……

379:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 07:00 ID:F1A

 ガタン!

 アルミ製の扉が何者かによって叩かれている。

「!!」

 ブザーが鳴ったせいか、誰かが気付いたらしい。

 可憐は祈るだけだった。


 助けてくれますように――


「ビンゴ!」

 扉を開けて第一声を放ったのは芹香だった。

「ふはみはん!(双美さん!)」

「小川さん、やっぱり狙われていたのね」

 鉄製のパイプをコンクリートの床の上に置くとロープを解いた。

「所長の言い付けで来たらどんぴしゃり。やっぱり連続拉致は……」

「HARRIS」

 芹香の言葉をさえぎるように可憐が一言。

「えぇ。全く困った奴」

380:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 07:03 ID:F1A

毎朝(土日、祝日除く)
毎夕(土日、祝日除く)

更新中です^^

381:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 16:16 ID:F1A

 その日可憐は芹香に見送られ、無事に家に帰宅した。


「はぁ〜……色々あって疲れた。今日のところ寝る」

 ベットに横になり、自然と目は閉じられ、深い眠りについた。


 キューキュー

 鳥の囀りで目が覚め、花柄の布団の上。

「あー、学校……」

 起きた時間は5時50分。

「早く起きちゃったな。まぁいっか」

 ゆっくり支度して1階に降りた。

382:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 16:29 ID:F1A

「さてと」

 革靴を履き、駅に向かってノンストップで走り出す。

 あんまりゆっくりしていると6時30分になっていた。

「あーギリギリ」

 着いた途端急行列車が到着していた。


 電車の景色が流れるように過ぎていく。

 可憐は参考書と睨めっこ。

 でも集中できない。昨日のことが気にならないわけにはいかない。

「またあんな目に合うの?だったら尚更行きたくない……」

 聞き取れないほどの小さな声で呟いた。

 電車の広告が激しく揺れ、騒めいているような気がする。

「あーどうしよう」

 そう考えるともう終点だった。

383:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 16:32 ID:F1A

 とりあえず教室に向かう。芹香が付きまとうのを前提に。

「小川さん、昨日は……」

「ありがとう。でも狙われるんだったら尚更行きたくない。当然でしょ?」

 冷たい愛想のない声で言った。

 机の上に教科書を置くと椅子から腰を浮かそうとした。

「待ってよ、ねぇ」

 芹香の声が虚しく響く――……


「あぁもう、次はインターネットで調べ学習でしょう?先行くから」

 芹香の話を無視して行ってしまった。

「いないと困るのに……」

384:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 16:36 ID:F1A

 パソコン室に行くと約40台のパソコンが並んでいる。

 青色の有線が絡まっている。


 パソコンを立ち上げようとした。しかし……

「ん?エラーが発生?」

 どのパソコンにもエラーが発生している。

「音色先生、パソコンにエラーが……」

 小春が心配して先生に報告すると音色先生は険しい表情で

「今日の調べ学習は中止します。速やかに教室へ」

 と厳しい口調で言った。


 これもHARRISの仕業―――……?

  やっぱり厄介だな……

385:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 16:44 ID:F1A

「さっきの……HARRISが?」

「そうね。新種のウイルスよ。あれは修復に時間がかかるわ」

「ウイルスバスターインストールしてないの?」

「強力過ぎて防げなかったみたい」

 そんなに強力なコンピューターウイルス……

「HARRISを潰さないと色々不便ね」

「じゃあ入る……!?」

 その言葉に興奮した芹香。

「考えとく」

386:チョコ:2013/10/04(金) 16:57 ID:bE6


ハローーー!!

誰だと思う??

カノンだよ

387:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 18:07 ID:F1A

うええええ!?Σ

こんどは花音!?

388:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 18:12 ID:F1A

 調べ学習はできなくなる、拉致される……

 やっぱぶっ潰したほうがいいのかな?


「双美さん!」

「ん?」

「1ヶ月やってみる。それで無理だったらやめる。これでどうかな?」

 自己中なお願いだけどそうしたい。

「構わないわ」

「じゃあそうしてもらうよ」

「宜しく」

 芹香は満足そうに笑った。

389:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 18:14 ID:F1A

 にしても何すればいいのかな?

 基地潜入とかそういうのはちょっと……

「双美さん、何すればいいの?私」

「とりあえず生徒会室来てくれる。ミッションについて説明するから」

「あ、うん」

 とりあえず生徒会室に。普通に行った方がいいよね。非常口より。

390:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 18:15 ID:F1A

 コンコン

391:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 18:16 ID:F1A

ミスってしまった>>390

無駄レス連続すみません><

392:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 18:25 ID:F1A

 コンコンと白い扉をノックし、入ろうとした。

「何やってんの?生徒会しか入れないはずだけど」

 そこに玲名が偶然通りかかった。

「え、あ」

 一応可憐も生徒会所属している。

「生徒会長に呼び出しがあって……」

「ふぅ〜ん」

 納得していなさそうだったが可憐はさっさと生徒会室に引き上げた。


「遅くなりました」

「やぁ、ここに座りたまえ」

 ソファーに案内され、真紅のふかふかに腰かけた。

 埋もれそうなほど柔らかかった。

「生徒会へようこそ。君は7人目のエースクイーンとして任務を果たしてもらう」

 理事長が言った。

「えっとあなたは……?」

 可憐は理事長に会った事がないため誰だか分からなかった。

「私は理事長の益田裕翔だ」

「あ、はいはい」

 益田裕翔さんか。

「ミッションについてだ。最初の任務は双美君がサポートするから安心したまえ」

「はい」

 芹香が可憐に手を振った。

「ミッションの内容は強力なウイルスバスターのデータをHARRIS基地から取って来る事」

 校長が眼鏡を整えながら言った。

「え、HARRIS基地って何処ですか?」

「それを突き止めるのが君たちの仕事だ」

 
 理事長は意外としっかりしていない――!?

393:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 18:30 ID:F1A

「基地、分かっていないんですか!?」

「あぁ」

 自慢げに言うとティーカップに入った紅茶を啜った。

「HARRISのメンバーは知っている」

「え!誰ですか!?」

 可憐は拉致した奴に会いに行きたかった。仕返しをするために。

「川口瑠依、空野紫音、そして水上風花だ」

 水上風花――?それってまさか――……!?

「水上風花ですか!?」

「あぁ。そういった」

 風花……何バカな事してんの――!?

「分かりました!何とかします!」

394:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 18:37 ID:F1A

 風花の居場所は分かるわ。どうせいつもの公園。


 城ヶ丘公園に向かうと海が見え、山があり、自然に恵まれた場所。

「やっぱりそこにいた」

 風花はベンチに座って海を眺めていた。

「風花を追跡すれば基地も分かるはず……!」


 風花を追跡し、5分。

 風花は立ち上がり、公園から出ると喫茶店ROSEに向かった。

「ROSE……?何の用かしら?」

 可憐はさり気なく追跡した。

395:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 18:43 ID:F1A

 ROSEから出るとまた城ヶ丘公園に向かった。

「なんでまた戻るの……」

 そのまま風花はベンチの下を探っていた。

「何をするつもり……?」

 どうやらこっちの尾行には気付いていないようだった。


 ずっと目を見張ると……

 ガンッ

「あれは……」

 ベンチの下が開いて、風花はその中に消えた。

「基地はそこだったのね……!」

 案外簡単だった。

 これならやってもいい。

「意外に楽ね」

 余裕で蓋をあけて入り込んだ。

396:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 19:13 ID:F1A

「所長ー」

 風花は何回か所長を呼んだが誰も返事をしない。

「ちっ」

 舌打ちすると椅子に座った。

「誰もいねーのかよ」


 ……でどれがウイルスバスターソフトなんだろ……?

 ついでに風花に話しかけてみようかな。

「風花」

 小さく呼んだ。

「お……お前CLOCKの!」

 こわばった表情でもあり、険しい表情でもあった。

「裏切った……」

 可憐も負けていられないほど強気な態度で接した。

「何よ、どうやって来たのよ」

「基地を分析するのは難しい。でも貴方を追跡するのは簡単だったわ」

「調子に乗って……!」

 何方も怒って睨み合っている様子だった。

「好い加減にして。HARRISなんてやめて。学園を襲わないで」

「嫌よ!HARRISに入ったら……生き返るって……」

 最後のほうは小さくて聞き取れない。

「なんて言った?」

「いいから!」

 大声で言い、机をけっ飛ばした。

「ウイルスバスター何処かしら……?」

 小声で呟くと風花は指差した。

「これが貴方のお目当ての物よ」

 あっさり可憐に教えた。

397:☆チョコ☆:2013/10/04(金) 19:16 ID:bE6

 
はっはっはっーーーWW
かのんでーーす!!
また来たよーー!!ひろーー!!

398:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 19:17 ID:F1A

「え?なんで教えるの?」

「HARRISに入ったのは学園を荒らしたいんじゃない」

 じゃあどういう目的――……?

「なんでHARRISに入ったの?」

「教えられない。教える由もない」

 強い口調。大きな声。

「コレはもらっておくわ」

 SDカードを握ると最後に一言言った。

「学園祭の厨房荒らしも貴方でしょ?」

「うん。所長に頼まれた」

 表情のない声で答えた。

「それから私を拉致したのって誰?」

「さぁ?瑠依じゃない?」

 何を聞かれたのか分からないような感じで答えた。

「もう用はないから」

 可憐は天井の銀色の蓋を開けると城ケ崎公園に戻っていた。

399:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 19:18 ID:F1A

http://ha10.net/test/read.cgi/frt/1380797112/

こっちにゆうなさんもいるからこっちで話してね

雑談すると怒られるから。

400:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 19:21 ID:F1A

祝400!〜時々コメント〜

400来ましたぁ〜

といっても無駄レス&雑談ですーー;

100一気にいきましたよ!驚きましたよ!

こんなに長く続くとは思わなかったです!

目指せ!駄作卒業!

401:☆チョコ☆:2013/10/04(金) 19:24 ID:bE6

了解!!!

402:さんご ◆iAoc:2013/10/04(金) 19:25 ID:F1A

蓮&怜雄主人公番外編近日載せますね^^

403:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/04(金) 19:30 ID:F1A

生徒会長 双美芹香

副生徒会長 綺崎 琴栄

会計 神山 怜雄

書記 神山 蓮

404:さんご ◆iAoc hoge:2013/10/06(日) 07:43 ID:F1A

番外編〜怜雄VS蓮〜 怜雄視点


 俺はいっつも――

  あと少しってとこで兄さんに劣る。

   今日もそうだった。


「蓮ー!パスー」

 大きく手を振り上げ、コートのど真ん中に立つ怜雄。サッカーの試合中だった。

「ったく、お前にはシュートできねぇっつーの!」

 起こりながら言い、蓮はシュートを入れていた。


「すっげ〜蓮!」

「さっすがぁ〜」

 周囲にもてはやされ、いい気になっていた。


「なんだよ、俺だって……!」

 あの時パス回してくれりゃあ俺だって出来たのによー

405:さんご ◆iAoc:2013/10/06(日) 07:46 ID:F1A

 試合は勝った。いや、蓮だけ。


「なんであの時パスくれなかったんだよ」

「お前がまだまだ未熟だからだよ」

「だんだとっ!?」

 蓮ともめてしまった。


「まともにドリブル出来ねーくせに」

「俺だって沢山練習したんだよ!ちょっとできるからって!蓮のバカヤロォーッ!」


 怜雄は涙をぬぐいながら原っぱを走って行った。

406:さんご ◆iAoc:2013/10/06(日) 07:59 ID:F1A

 蓮と喧嘩した。顔合わせないほうがいいか――

 あぁ〜でもCLOCKの時皆に言うんじゃね?蓮。


「蓮って自分より下を見下すよなぁ〜」

 テストでもサッカーでも……


「来週は大会かー……どうせレギュラーにしてくれないだろーけど」

 怜雄はなにかと言った事が当たる。

「蓮なんか無視してやる!」


 それが俺の決意だ――っ!
 

407:さんご ◆iAoc:2013/10/06(日) 08:08 ID:F1A

 翌日になってもその決意は薄らがない。

「なぁ、怜雄話が……」

「…………」

 無視して参考書に目を落とした怜雄。

「んだよ」

 何方も気分が悪くなる。

 元はといえば見下す蓮が悪く、怜雄も喧嘩を売るからだ。

「なぁ怜雄話聞けよ」

「…………」

 何を言っても黙っているだけだった。

「いいニュースなのになぁ」


 そうやって俺を釣ろうとしてるだけ。

 このまま黙ってよっと。


「好い加減にしろっ!」

 あまりにも黙るのでとうとう連もキレた。

408:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 08:34 ID:F1A

 大会まで刻々と迫る時間――……


「蓮のやつが1人でゴール決めてりゃあいいよ」

 次第にその思いは一層、強く―強く―。

「ま、どうでもいい」

 空を見上げながら楽観的に言った。

「ROSEにでも行ってくるかぁ〜」

 花見亭をチラッと見ると蓮が居た。

「うえ、バレないように行こう」

 忍び足で2階に上がった。

409:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 08:39 ID:F1A

「いらっしゃい、って怜雄」

「なんだよ母さん」

 お母さんにも八つ当たりしていた。

「蓮と喧嘩なんかしてー」

「だって蓮が俺にパスしなかったんだぜ!」

 得意そうな顔をして言いつけた。

 横にあった植木を睨んだ。何故か。

「そんなことで?」

「おまけにお前にはできないってバカにしたぜ、あんやろう」

 コレで蓮の負け。俺の勝訴!

「どっちも悪いわよ」

 ぽつり呟き怜雄の瞳を覗き込んだ。

「なんでだよ」

「喧嘩はよくない。戦争をしてるのと一緒」

「はぁ?だって蓮が……」

 そのあとの言葉に詰まってしまった。

「でもやり返すのはいけないわ」

「…………」

410:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 09:04 ID:F1A

 大会当日――

 順調に進み、決勝まで勝ち上がって来た。

 蓮がシュート全部入れてたけど。

「間ぁ基本的に俺ディフェンスだし」

 つまらない役だけど俺がなきゃ勝てない


 決勝の前――

「おい、お前がシュート決めろよ」

「は?」

 初めてそんな言葉聞いた。

「お前入れろよ、俺どうせできねーし」

 そっぽを向いて意地悪くした。

「いいからやれ。キャプテン命令だ」

「……分かったよ」

 しぶしぶやる。でも――

 ピィーッ

 笛が鳴り、ボールを思いっきり蹴った。

 緑色のコートを駆けずり回り、奪ったり、奪られたり。

 それが何とも楽しかった。

 
  最後のシュート!これで決まる!!

「いっけぇ〜っ!!」

 蓮の声が怜雄の耳に届いた。


「これで決めるぞぉー!

 力を全てボールに入れ、思いっ切り蹴った。


 その結果――……

「優勝、チーム清月学園!」

 司会の声。完成の叫び。


「ありがとな、蓮」

「あぁ」

  空には雲1つ無く――……

    何事もなかったようだった――

411:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 09:24 ID:F1A

ここから本編*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:゚・:,。*:..。o○☆゚・:,。*:..

「あっさりデータを渡した。他に目的が……?」

 深く考える。風花の目的は何なのか。

「とりあえずCLOCKに届けよう」


 生徒会室に入ると芹香と怜雄、琴栄、音色がいた。

「データ、回収してきました」

 音色先生は差し出したSDカードをひったくると分析した。

「間違いありません!ウイルスバスターです」

 画面には英語や記号が映し出された。

「うわぁすごい」

 芹香は初ミッションの可憐に感心した。

「それが……簡単にそのデータを差し出したんです。水上風花が」

「え?それは奇妙ね……」

 皆首をかしげる。

「他に目的があるのでは?」

 そうとしか考えようがない――

「可憐ちゃん、ほかに心当たりない?」

「うん」

 もやもやした気分。

「でもウイルスバスターは手に入った。何とかなるわ」


 CLOCKの活躍で学園のシステムは正常に戻った。

412:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 09:28 ID:F1A

〜休憩U〜

「いっつも小川さん、なんの参考書使ってんだろ?」

「気になる」

 香奈と沙織の雑談。


「あ……あれはっ!」

「高校2年生の参考書!」

413:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 09:41 ID:F1A

 風花一体なんで――?

「まぁ、深いとこはまた後で」

 芹香は気にするなと言った。

「うん、そうだね」

 できるだけ気にしない――


 3時間目

「先生、山口さん、体調崩して……」

「え?」

 教室で玲名が熱だった。

「高熱だわ……今すぐ早退ね」

 先生は駐車場に行くとスポーツカーのエンジンを鳴らした。
 
 キィィィーッ

「さぁ乗って!」

 玲名を後部座席に乗せるとすごいスピードで行ってしまった。


「すご……」

 クラス全員唖然としているだけだった。

414:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 10:17 ID:F1A

 音色先生ってカンペキ――……

 ああ見えてもハーバード大学卒業生……

「すごいなー」

「子供っぽいけどね」

 芹香が微笑した。

「それがちょっと残念」

「可憐ちゃんだってカンペキ!」

 芹香がグット親指を立てた。

「蟋蟀はやめて」

 可憐も笑った。


「おい、HARRISからこれが!」

 怜雄は1枚の封筒を走りながら持ってきた。

「何コレ」

「いいから……っ」

 封筒をあけ、読んでみた。


『CLOCKの諸君

 此方はより強力なウイルスを生み出した。

 ウイルスの阻止は自分で考えろ。

 まぁもっともお前らには阻止できないだろうけど

 ルイ』


「な……!」

「だからあのウイルスバスターを!」


 またまたミッション開始!?

415:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 10:28 ID:F1A

「音色先生に伝えなきゃっ」

 怜雄が生徒会室へ走る。

「待って。先生は早退の人を送りに行ったわ」

「チクショー!」

 悔しがりながらも歯を食いしばった。

「何もないよりはマシだわ。さっきのウイルスバスターをインストールしましょ」

 芹香は生徒会室に急いだ。


 ガラッ

「先生!」

 理事長が座っていた。

「何か用かね?」

「これ!」

 封筒を渡し、助けを求めた。

「成程……」

「このままでは感染してしまいます!」

「先程のウイルスバスターを一応インストールしておきます」

 可憐はパソコンを開き、SDカードを差した。

「これね……!」

 急いでクリックした。

「あとはこれに対抗できるウイルスバスター……」

416:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 10:32 ID:F1A

プロフ報告W

>>299のほうに5章ネタバレ

417:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 10:47 ID:F1A

「ウイルスバスターなら問題ないわ」

「音色先生!」

 突如後ろから声をかけてきたのは音色先生。

「どういう事ですか?」

「このウイルスバスターのデータを利用して強化したの」

 右手にフロッピーディスクを持っていた。

「え、今時フロッピーディスク?」

「いや、そういう問題じゃないでしょ」

 ふざける怜雄に突っ込んだ芹香。

「それ、インストールしますか?」

「勿論!」

 パソコンに入れるとキーボートを打ち始めた先生。


「これで完了!」

「ふぅ〜」

 一安心。


「そういえばそろそろ体育祭ね。頑張ってね」


 体育祭――……!?

「嫌な予感が……」

 
       一難去ってまた一難――……!?

418:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 10:50 ID:F1A

完結する小説がありますね…

私は1000行きたいです〜

419:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 10:56 ID:F1A

第5章突入!

新キャラ

星原 騎士 (ほしはら ないと)

↑この名前、覚えありませんか?

420:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 11:03 ID:F1A

午後から5章開始です!

421:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 12:38 ID:F1A

第5章〜呪われたボール〜


「第49回清月学園体育祭に向けて……」

 いつもの長い校長の話。体育館の端に可憐は寄り掛かりそうになった。

「早く終われっての」

 玲名もぶつぶつ文句を言い出す。

「この体育祭のタイミングを狙ってHARRISが何か仕掛けてくるかも」

 ひそひそ芹香が可憐に囁いた。

「確かに全校生徒が集まるものね……」

「だから毎年CLOCKは警戒をしているのよ」

「去年は?」

「特になにも」

 詰まらなさそうに芹香はため息をついた。


 CLOCKって大変だな〜

422:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 12:45 ID:F1A

 それから5分後――

 長い無駄話に絡まれた主婦のように解放された。

「後で生徒会室集合ね」

「分かった」

 フラフラ元気のない足取りで帰って行った。


 授業では大混乱だった。

「えーこの式はこうなるのね。だから答えはこうで……って、あれ?」

 音色先生は黒板に止まらず書き続けるため、理解できたのは芹香や可憐程しかいなかった。

「皆には難しかったかしら……?」


 そんな授業も終わり――……

「生徒会室集合か」

 腕時計を見ながら歩いて行った。


「今日は新メンバーを紹介する」

 理事長が手招きした。

「新メンバー!?」

 5人とも聞いていなかったようだった。


「どうも、星原騎士です」

 ん?星原――……?

「あ、貴方海斗君の」

「はい、海斗兄さんの弟です」

 兄弟だったんだ!

「宜しく」

 騎士は笑った。

「よ……宜しく」

423:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 12:48 ID:F1A

「騎士君、貴方のお兄さん……」

「分かっています。”神聖の部屋”で死んだんでしょう」

 急に真顔になった騎士に可憐はビクッとした。

「あぁ、うん」

 驚きながらも小声で言った。

「身を清めずに聖剣に触れたため、神の怒りに触れたのでしょう」

 騎士は分析しながら言った。

「…………」

 可憐はとりあえず黙った。

424:りな:2013/10/06(日) 13:42 ID:6XQ


海斗の弟!?
って、ことは騎士くん1年?

425:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 13:57 ID:F1A

はい!1年生です^^

426:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 14:04 ID:F1A

 海斗と騎士は似ても似つかないような兄弟。

「兄さんの亡骸は回収しました。あのまま天へ収めます」

 しみじみとした表情になって言った。

「兄さんが監禁したのは済みません。なんて言ったらいいのか……」

「別に騎士君の責任じゃないから」

 可憐は窘めた。

「済みません、こんな情けないところを……」

 兄に代わって謝罪するなんていい人だな。

「因みに僕は情報係を担当します。今年のエースクイーンの派遣は驚きましたよ。何せ小川さんですから」

「そうですか……」

 

427:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 14:09 ID:F1A

 そんなにすごいことかな―と思いはしたが口には出さない。

「それよりHARRISについて情報を入手しました」

 可憐、芹香、琴栄、蓮と怜雄、音色が揃って同じ表情を向ける。

「HARRISは当日使うボールに爆弾を仕掛けるらしいです」

「!?」

 爆弾を――!?

「HARRISのデーター内部をハッキングすると計画しているメールがあります」

 画面を先生に見せた。

「困ったわね……体育祭中止にするわけには……」

「そのボールを探しましょう!」

 先生の言葉をさえぎるように芹香が言った。

「私、探します!」

「僕も情報を集めてみます!」

 芹香と騎士が立ち上がった。

「勿論可憐ちゃんも一緒にやってくれるよね?」

「え、あうん」

 あまりの勢いにそう答えるしかなかった。

428:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 15:47 ID:F1A

 そして翌日からボール探しが始まった。

「ボールはもう仕掛けてあって、当日爆破するよう設定してあるそうです」

 これが騎士が調べたデータだった。

「せめて何のボールか書いてない?」

「ソフトボールかテニスボールって……」

 それを聞いた途端芹香は体育館倉庫に突っ走った。


「にしても爆発はやりすぎよね……」

「やっぱそう思う?」

 テニスボールを全て床にぶちまけ2人で探していた。

「コレも違う、アレも違う……」

 色々探したが怪しいボールは見つからなかった。

「おかしいなぁ〜?」

「もう1回探そうよ、ね」


 このせいでテニスボールとソフトボールは使用禁止になった。

429:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 15:53 ID:F1A

「一通り全部探したわよ」

 可憐が汗だくになってテニスボールを片付けた。

「う〜ん、まだおいてないのかな?」

「その可能性は薄いよ」

 騎士が言った。

「メールにはもう置いたって書いてあるんだ。少なくとも1週間前に」

「そんなに前からあったなんて……」

 騎士は厳しい顔になった。

「ソフトボールかテニスボールは間違っていない。でも体育館倉庫じゃないらしいんだ」

「え、つまり他のところ?」

「そういうこと」

 騎士はそう告げると忙しそうに走って行った。


「何処にあるのかなぁ〜?」

「なかったら中止にするしかないわ。犠牲者を出さないために」

 険しい表情になる可憐。それを阻止しようとする芹香。

「絶対……見つけないと!」

430:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 16:12 ID:F1A

 ソフトボールとテニスボールは使用解除された。

 そして校内に指名手配所のようなものが貼られた。

『体育館倉庫意外の場所に怪しいボールがあればすぐに

 生徒会室に持ってきなさい。

 テニスボールかソフトボールだ。

 見つけたら直ちに生徒会室へ!』


 なんか星原君の時のを思い出すな――

 懐中時計の爆弾――……


「今日も全力で探すよ!」

 芹香は張り切ってガッツポーズで歩いている。

「うーん、なんか引っかかるんだよね」

「え?」

「なんでHARRISは清月学園をそこまでして襲うの?」

 前からずっと気になっていた事――

「詳しいことは分からない……けど理事長とHARRISの所長の関係が悪いみたいで……」

「ふぅーん」

 

431:さんご♪ ◆iAoc:2013/10/06(日) 16:33 ID:F1A

「こっちもないよー」

 芹香が手を振って来た。

「だめ。家庭科室も無かったわ」

「美術室も」

 芹香は美術室、可憐は家庭科室を担当していた。


「じゃあ次は私理科室やるから、双美さんは音楽室お願い」

「うん」

 二手に分かれて校内を捜索した。


「音楽室はないなー」

 色々楽器を放り込み、木製の床は楽器で埋まった。


「家庭科室は特になにもないか」

 コンロの周り、冷蔵庫の中……


「ダメだ、ない」

「こっちも」

 一向に見つからない。ただ1つのボール。


「多目的室調べたっけ?」

「ううん」

「じゃあ行こうか」

 多目的室まで急いだ。

432:さんご ◆iAoc:2013/10/07(月) 15:57 ID:F1A

今週から此方のプロフに更新します!

http://cgi-games.com/abi/profile/profile.cgi

433:さんご ◆iAoc:2013/10/07(月) 15:58 ID:F1A

「無いなぁ〜」

 探すこと20分。

「可笑しいわ」

「見落とした?」

 芹香と可憐は首を傾げた。

「騎士の情報大丈夫かしら……?」

 可憐が騎士を疑った。

「大丈夫、騎士君頭よさそうだし!」

 訳の分からないことを言って誤魔化している。

「もう他に探して無いとこないし……」

 まさか生徒会室なんてあり得ない。理事長が見張っているもの。


「CLOCK絶滅の危機……!」

 芹香が興奮していた。

「それにしてもあんな爆弾なんてどこで手に入れたのかしら……?」

「騎士の情報では海外から密売しているらしいの」

 

434:さんご ◆iAoc:2013/10/07(月) 16:08 ID:F1A

 芹香が険しい表情になった。

「密売……?」

「貿易会社の会長らしいの。HARRISの所長は」

 貿易会社の会長――!

「そうなんだ」

「だから密輸することも可能なんだわ、きっと」

 最低だわ――


「それよりボールの件はどうなった」

「あっ」

 その問題になるとまた気分はどん底。

「もう、どこにあるのかな」

「あったとしても始末の仕方すら分からないんだから」

 爆発させて処理してしまうか――

  それとも――……

     見つけるか――!

「もうひと踏ん張り!今度は職員室とかもう一回探そ?」

「うん」

435:さんご ◆iAoc:2013/10/07(月) 16:17 ID:F1A

 結局見つからなく、日が暮れて下校となった。

 気分的に城ケ崎公園に足が向いた。


「涼しいなー」

 海がありビルがあり山があり……


「ん?」

 可憐の目の先に風花が海を眺めていた。

「あっ」

 風花は可憐の視線に気付き、目を反らした。

「ねぇ、爆弾仕掛けたのどこ?」

 ストレートに可憐は質問した。まぁ答えてくれるわけないと思うけど。


「裏切り者には教えて欲しくないでしょ」

 ツンとしたように答えた。

「でも、ヒントなら教えられる」

 少し声が大きくなった風花。

「目的は体育祭をめちゃくちゃにするのも一理ある。でも実際……CLOCK消失が目的よ」


 その言葉を聞いてはっとした。

「風花有難う!」

 手を振って風花に礼を言うと学園に戻った。

436:さんご ◆iAoc:2013/10/07(月) 16:26 ID:F1A

 なんで……っ!

  なんでこんな簡単なことが分からなかったの――っ!


「先生!」

「可憐君」

 理事長が書類に目を通していた。

「爆弾の在処が分かりました。この生徒会室です!」

 息切れしながらも強い声で言った。

「ここは私が見張っていたはずだが……」

「1度も席をはずしていないはずありません、だって1週間前……会議があったんですから」

 その言葉に納得したように理事長は驚いた。

「確かにそうだった!その時なら……」

「仕掛けるのは可能です」

 

 今すぐ探さなきゃ――!

437:けい:2013/10/07(月) 17:50 ID:KTk

さんごうちが誰だか分かるよねー?w

438:さんご ◆iAoc:2013/10/07(月) 18:42 ID:F1A

……分かる……

439:さんご ◆iAoc:2013/10/07(月) 18:57 ID:F1A

 でもどこにあるんだろ――?

 トロフィーや書類が床に散らばっている。

「うーん、見つかりにくい所かー」

 考えても答えはでない。ひたすら探す。


 探すこと30分

「見つからなかったなぁー……ん?」

 ふと見ると壁に四角い枠があった。

「理事長これは……?」

 不思議に思い、理事長に尋ねてみた。

「それは鍵をHARRISに取られ、いまだにあかないんだ」

 
 ここに入っている可能性もあるかも……

440:ゆず*:2013/10/07(月) 20:19 ID:Viw

頑張ってネ^^

441:りな:2013/10/07(月) 22:51 ID:rwY

なんか、さんごの小説は波瀾万丈で読んでて楽しいよね!!

442:さんご ◆iAoc:2013/10/08(火) 15:16 ID:F1A

波乱万丈ですよ…

過去に行ったり天皇相手に裁判だったり…

ゆずさん頑張りますね^^

443:さんご ◆iAoc:2013/10/08(火) 15:24 ID:F1A

波瀾万丈だった゜Д゜
 ̄ ̄ ̄ ̄

 仕方なく今日のところ帰宅することにした。


 影が大きく伸びていて夕日が眩しかった。

 ビルの立ち並ぶ国道の裏側は人通りが少なく危険だと知りながらも一人で帰った。

「疲れる……でもコイツらぶっ潰さないといつ襲われるか……」

 可憐はまだ信じられなかった。

 だって自分がそんなミッションだとかスパイ的なこと――

「現実なのか分かんなくなってきた……とりあえず現実として飲み込もう」

 カラスが喧しく泣いてくる。


 門の前に着いたのはもう6時頃だった。

444:さんご ◆iAoc:2013/10/08(火) 15:34 ID:F1A

 翌朝――


 いつもの登校ルート。

 交通安全の広告の旗も風で激しく揺れ、海には観光客がいつもより多く居た。


「おはよう」

 スクールバックを机に降ろし、教科書を取り出した。


「双美さん……ボールの場所……分かったかも」

 参考書を整理しながら周りには聞こえないよう囁いた。

「えっ、ホント!?」

「うん、予想だけどね」

 自信はないけど確率が高い――

「で、どこどこ?」

「生徒会室の鍵がかかってる所だと思うんだけど……」

「あぁ、鍵をHARRISに取られたっていう」

 芹香も知っているようだった。

「予想だけど」

「可能性は高いよ。あそこは金庫みたいなもので貴重なデータも入れてたから」

 芹香も納得した。

「今日、基地に行ってみるね」

「小川さん、行くの?」

「うん」

 丁度チャイムが鳴り、ハチャメチャ授業が始まった。

445:さんご ◆iAoc:2013/10/08(火) 15:45 ID:F1A

「はぁ〜い、ここまでノートにまとめられたかしら?」

 指し棒をくるんくるん回しながら弾んだ声で言った。

「先生、分かりません!」

 岡田聖也が質問した。

「どこがかしら?」

「全部です!」

 教室中にどっと笑い声がした。

「あらま、それは大変〜天才小川さん解説お願い」

 ウインクしながら可憐に強請って来た。

 可憐は溜息交じりに呆れた顔をし、チョークを持つと黒板に式を書いた。

「さっき先生が言ったのは、昨日習ったこの公式を利用したもので……」

 分かりやすいよう簡単に説明した。

「わ……分かりましたー」

 唖然としている聖也もお手上げのようだ。


 先生としてあれは駄目ね――何しろ説明が早すぎる。

 あんな滅茶苦茶な授業初めてだわ。


「今日、城ヶ丘公園に行ってみようかな?」

 急にそんな気持ちになった。

「双美さんに基地に乗り込むなんて言っちゃったし……」

 しぶしぶ今日の放課後行くことにした。

446:匿名さん:2013/10/08(火) 16:02 ID:F1A

 放課後――

 体育祭の練習で100m走の練習があった。

「城ヶ丘公園は終わったら行くか……」

 可憐は予定が重なったがCLOCKのことを後回しにした。


「えぇ〜やだぁ、髪の毛ボサボサになっちゃうぅ〜」

 またも文化祭同様玲名がボイコットする。

「あーあー、またまた拒否ですか!勝手にすればどーですか」

 自ら進んでリーダーになった聖也が嫌味っぽく玲名に言った。

 玲名も黙っていられるはずがない。

「好きにさせてもらうわ。行こ?」

 小春たちを引き連れ、帰路に着く玲名。


 やがて姿は見えなくなり、聖也が不満を言った。

「好きにさせとけ」

 もやもやした気持ちのまま体育祭の練習となった。

447:さんご ◆iAoc:2013/10/08(火) 16:02 ID:F1A

↑私です

448:さんご ◆iAoc:2013/10/08(火) 17:24 ID:F1A

 灰色の砂が散らばるグランド。

「あー疲れた」

 2周走って汗だく。水筒をひっくり返すように飲んだ。

「100mタイム8秒01だった」

 可憐が息切れしながら言った。

「私7秒ー」

 香奈も参戦してきた。

「香奈ちゃんすごい!わたし9秒!」

「沙織ちゃんと同じくらい」

 芹香も言った。

「香奈ちゃんは運動得意だね!」

「まぁ、勉強よりはマシかな?」


 放課後の練習はこれで終わり。

 あとは公園に行こう。

449:さんご ◆iAoc:2013/10/08(火) 17:36 ID:F1A

 でも運よく風花だけかな―?

  瑠依とか紫音とかって私を襲うよね……

「仕方ないけど行くしかないか」

 もしそうだったら意地でも連絡しよう。


 ベンチの下の銀色の取って手を汗のにじむ手で持った。

「助かりますように……」

 祈るように目を瞑り、レンガの蓋を引き上げた。


「またあんた来たんだ」

 風花がパソコンの前でカタカタやっているだけだった。

「HARRISのメンバーは?」

「知らない。みんなどっか行った」

 紫音と瑠依はいないらしい。これは可憐にとって好都合だ。

「なんでいつも1人?」

「”HARRIS”の雑用係だから留守番だよ」

 パソコンから目を離さずに答えた。

「じゃあなんであっさりデータを渡したの?」

「HARRISに興味がないから」

 不愛想な声で床に落ちていたクッションをけ飛ばした。

「貴方の目的は何?」

 可憐の厳しい口調。そして少し長い間――

「お母さんの……夢を叶える事」

 小さくも強い声で言った。

「お母さんは研究をしていたの。次世代データ分析プログラムの」

 机に置いてある親子の写真をしみじみ見ながら続けた。

「だけど私が強盗に会い、撃たれてしまった……私を守るために」

 可憐もただ聞いているだけ。

「だからその研究をやり遂げようと思った。そしたらある日、突然……」

 記憶を思い出すように言った。

「HARRISの所長が、次世代データ分析プログラム完成の話を持ち掛けてきたわ。条件にHARRISに入れと」

 お母さんのため――

  CLOCK撲滅が目的じゃなかった――

「そう……それから鍵」




 

450:さんご ◆iAoc:2013/10/08(火) 17:40 ID:F1A

「鍵?」

「HARRISが奪ってったでしょ?」

 風花は一瞬何を問われたか分からない顔をしていたがすぐに答えた。

「あぁ、金庫の鍵ね。それならそこの引き出しの3番目にあるわ」

 指差した先にプラスチック製のカジュアルな柄の引き出しがあった。

「有難う」

「これで借りは返したわ」

「え?」

「なんでもない」

 可憐は納得していない顔だったが引き上げた。


「あぁ〜このことがバレたら所長に大目玉喰らうなー」

 風花は大きく伸びをしてパソコンから目を反らした。

451:さんご ◆iAoc:2013/10/08(火) 17:46 ID:F1A

 今日はもう遅いから明日にしよう――

 可憐は自分の部屋の鍵付き引き出しに入れておいた。

「じゃあお休み……って誰に言ってんだろ」

  ”お休み”という相手もいない。

 与えられたのは狭い部屋。姉はとても広い自分の部屋を持っているのに。

 そしてご飯も姉の食べ残しの残骸。それがたまらなくなって花見亭に行っている。

「はぁー……」

 なんで私ってこんなに不幸な目に会うんだろ――?

  私って……何かいけないの?

 誰かに何かを問う。

 それが今の日課だった。

 

452:りな:2013/10/08(火) 18:38 ID:n4Q

>>448
50mじゃなくて100m?

453:さんご ◆iAoc:2013/10/08(火) 18:56 ID:F1A

あ゛〜っ!間違えた!

ボルト選手超えてるww

訂正 50m

454:りな:2013/10/08(火) 19:00 ID:n4Q

>>453
だよね(笑)
日本記録軽く超えちゃってるw

455:さんご ◆iAoc:2013/10/09(水) 15:16 ID:F1A

ですねー^^>>454

456:さんご ◆iAoc:2013/10/09(水) 15:20 ID:F1A

雑談カフェ↓コチラで雑談などはお願いしますね>>ケイさん
http://ha10.net/test/read.cgi/frt/1380797112/

457:けい:2013/10/09(水) 15:26 ID:KTk

さんごカリガトー

458:さんご ◆iAoc:2013/10/09(水) 15:38 ID:F1A

 翌日――

 鴎の鳴き声で目が覚め、昨日入手した鍵を持って学校へ向かった。


「おっはよ〜」

 いつもながら沙織が声をかけてきたが……

「ご免、今忙しくて」

 生徒会室まで急ぐ可憐。

「何かあったのかな?」


 ガラッ

「鍵を入手しました!」

「おぉ、早速開けてくれ」

 理事長が待ったように感激した。

459:さんご ◆iAoc:2013/10/09(水) 15:44 ID:F1A

 汗滲む手が握る銀色の鈍い光を放つ鍵。

 恐る恐る深い鍵穴にグッと押し込む。

 カチャッ……

 小さい音を立てた。

「やった"アタリ"だわ!」

 蓋を開けるとSDカードやディスクが散らばって来た。

「わあぁぁっ」

「これは開発途中の貴重データ!でかしたぞ」

「爆弾……!」

 理事長の言葉なんか無視して大量のSDカードの中からボールを探した。


 その時――

  ガラッ!

「可憐ちゃん!早く、今日は体育祭でしょっ」

 芹香が立ってた。

「あ、忘れてた!もうちょっと待って」

 あぁ〜すっかり忘れてたっ

460:さんご ◆iAoc:2013/10/09(水) 15:48 ID:F1A

 ピッ―ピッ―

 この音……!

「やっぱりこの中!」

 書類なんかそこらにバラまき、ひたすらボールを探す。


「あった、コレよ――!」

 ソフトボールからはオレンジ色の光が放たれている。

「でもどうやって……?」

 始末すればいいのか聞こうとした芹香。

「大丈夫、コイツは……!」

 可憐は窓から中庭へ飛び降り、学校の校門を抜けた。



「一体……どうするつもり――!?」

461:さんご ◆iAoc:2013/10/09(水) 15:57 ID:F1A

 可憐は学園から500mほど離れた城ケ崎公園に向かった。


 海の見える公園――

「こいつなんかっ……こいつなんかこうしてくれるのよっ!!」

 海へテニスボールを力一杯投げた。

 ソフトボールは水面に勢いよく叩き付けられた。


「どうなったかしら」


 ピッピッピッ―……

 音と共にオレンジ色の光も消え、深く―深く沈んだ。


「ふぅー……」

 一つため息をつき、ホッとしたところ。

「おぉ〜い、小川さん!」

 芹香が遠くから声をかけてきた。

「双美さん!」

「もう始まっちゃうよ、ってあれ爆弾は……?」

「大丈夫、処理しておいたから。これでもう」

 あいつ等の野望は跡形もなく消えたわ――……

462:さんご ◆iAoc:2013/10/09(水) 16:00 ID:F1A

<5章完>

463:さんご ◆iAoc:2013/10/09(水) 16:01 ID:F1A

何この章。なくても良かったんじゃない?

って思う人居るかもしれませんが実は重要ですよー


何しろ騎士君登場!ですからね

464:さんご ◆iAoc:2013/10/09(水) 16:13 ID:F1A

<7章 〜守るべき物〜 >


 ここのところHARRISの動きは目立っておらず平和だ。

「今日もCLOCKなしかー」

 可憐にとって時間にゆとりが出来た。

 家事も任され、ピアノとバイオリンのレッスン、勉強……

 これらを全てやりこなしているため、疲れるのも当たり前。

「今日はゆっくり休もう……」

 久しぶりに夕焼けの下を歩く。

「休めるうちに休まなきゃ……」

 その日は早く帰って来た。


 一方いつもHARRISに警戒する琴栄。

「データからは此方の機具にウイルスは送り付けてませんね……」

 最近妙に可笑しいです。HARRISが手を出さないなんて――

「今日はここまでにしておきましょう」

 パチンと電源ボタンを切って、パソコンを閉じた。

465:さんご ◆iAoc:2013/10/09(水) 16:17 ID:F1A

一方、蓮と怜雄のほうでも――

「なぁ、此の頃HARRIS可笑しくねぇか?」

「あっちだって少しは”余裕”というものが必要だろう……」

 2人で議論中だった。

「綺崎も警戒してたぜ」

「まぁ、全く警戒しないというのは危ないが……」

 視線を少し上に向けて、蓮は呟いた。

「そうか……」

 怜雄は不自然に思った。

466:さんご ◆iAoc:2013/10/09(水) 17:22 ID:F1A

 一方騎士のほうでは――

「最近は時間が空いたよ〜やれやれ」

 肩を叩いてため息を付いている。

「データ分析も一苦労。まぁ俺より綺崎さんのほうが得意そーだし」

 騎士はこのことについてはなにも思わなかった。


 そして芹香は――

「なにかあったのかしら?HARRIS……」

 此方も不自然に思う。

「ほっとした隙に不意を衝くつもり……?それとも計画の実行中なのかしら?」

 色々推測し、警戒している。

467:さんご ◆iAoc:2013/10/09(水) 18:07 ID:F1A

 5人ともいつ襲われるか覚悟した上CLOCKに所属している。

 だから自分たちは周りに気を付けている。


「あぁ〜あ、爆弾計画失敗かぁー」

 瑠依、紫音、風花の居るHARRIS基地。

「基地の居場所も突き止められたそうだね」

 紫音が風花を睨み、風花は黙って下を向いている。

「まぁとにかく!あっちも気抜いてるでしょーし。この計画は今の内よ」

「そうね」

 瑠依と紫音が言い、風花は黙って首を縦に振った。

「今度失敗したら承知しないから」

 紫音と瑠依は風花を除け者扱いした。

468:さんご ◆iAoc:2013/10/09(水) 19:08 ID:F1A

今日はここまででーす

7章も短め?ですかねー

469:りな:2013/10/09(水) 23:08 ID:7oo

風花ちゃんいっそのこと…CLOCKに入っちゃえ!←

470:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 06:35 ID:F1A

>>459ですね…w

471:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 06:42 ID:F1A

「目立った動きをしていないからといって油断は禁物」

 翌日のCLOCK会議。

「双美さんの言う通りだと思う。今朝分析してみたら妙なメールがあって」

 琴栄はスマートフォンの画面を見せた。

送信メール
『紫音ー、いつ計画実行すればいいのぉ〜?』

受信メール
『好きなようにして』


「やっぱり計画を裏で練っているんだと思います」

「琴栄ちゃんの言う通りね……」

 芹香も頷いた。

「だけどさぁ〜、何を警戒したらいいんだよ?」

 怜雄が言った。

「何をって……」

 言葉に詰まった芹香。

「とりあえず何かが起こるということは承知しておいてください」

 丁寧な口調で琴栄が言った。

472:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 06:53 ID:F1A

 今日も基地に行って風花に助けてもらおうかな?

 会議が終わった夕方――公園に来てしまった。

  でも風花が大目玉喰らいそうだし……

「何をするつもりなの?」

 誰にも向けないその問の答えは自分で見つけるしかない。

 海が波を揺らし、鴎が喧しく泣いている。

 そしてビルの明かりはぽつぽつ付き始めている。

「今日はあまり深く考えないほうがいいかしら……」

 学校行けば玲名相手にいじめだし家に帰れば母相手に虐待……。


 鴎の鳴き声が沈むと自然と可憐も帰路に着いた。

473:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 07:07 ID:F1A

 翌朝になってもその"問の答え"は見つからない。全員。

「今日起こるのかもな」

 昨日の話を聞いて怜雄は警戒モードだ。

「お前なんか警戒強くても何か起こったらすぐパニクるだろ」

「なんだよそれぇ!」

 蓮の一言に怒った。


「やっぱりみんな警戒しはじめたね」

 綺アさんの説得力はすごいな――

 

474:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 15:26 ID:F1A

 そう感心している場合ではなくなった。

「小川さん、私の席の周り埃だらけだから掃除してくれなぁ〜い?」

 私はしばらく黙って少し考えてから、

「…………いいよ」

 と言った。

「あはははっ、あっさり引き受けたぁーマジ笑えるぅ〜っ」

 全く何が面白いんだかさっぱりだ――


 しぶしぶ跪いて薄汚い灰色の雑巾を赤く擦り傷だらけの手で冷たい水で絞った。

「あはははは!」

 指の皸と擦り傷は家で料理と皿洗い、掃除をして手荒れしたもの。

「ふぅ……」

 玲名の机の周りは一通り綺麗になった。

475:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 15:34 ID:F1A

 掃除を頼んだのはご存知の通り――……

「玲名ー、今度は鞄持ってもらお?」

 あいつだ――

「いいねぇ〜」

 調子に乗って鞄を投げて来た。

「持っててよ」

 あっという間に可憐の両手は鞄でいっぱいになった。

「あーあ。どこに持っていけばいいのかしら」

 肩に2つ掛け、両手は塞がれた。

 コスメだとか色々入っていて重い。

「ちょっとノロマァ〜、早く運んでよー」

「……」

 黙っているしかない。

「もういいわ。自分で持つ」

 とうとうキレた玲名。

 玲名は鞄をひったくると肩にかけた。


 やっと自分で持った――

  面倒だなー

 

476:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 15:45 ID:F1A

 ピアノを弾く時もこの皸と擦り傷の手がしばしば気になった。

 指を曲げるととても痛い。

「お母さんの馬鹿」

 冬になればカイロ1つも与えられない。

「最悪……」

 自分の部屋に冷房や暖房器具もなく、リビングで食事の後片付けの時、こっそり暖房に手を当てるだけ。

 軟膏を少し塗らせてもらえるくらい。

「はぁ〜……」

 どうにかお母さんの心を変えたい――……

   それが今の思い――……

477:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 15:56 ID:F1A

「ん?そろそろ朝会じゃない?」

 芹香が腕時計で確認した。

「なんだろ、また長い話が続くな」

「仕方ないなぁ〜」

 体育館へ急ぎ足で向った。


 ざわざわした雰囲気。

 ある噂を聞いた。

「今日は転入生の紹介ですって」

「そういえば駐車場に黒い高級車みたいなのがあったわ」

 黒い高級車?


「えーっと、皆さん今日は転入生を紹介したいと思いま〜す」

 何故か音色先生がマイクで喋っていた。

「それではっ、前に出てきてください」

「はぁ〜い」

 元気な声。この声に2年2組は聞き覚えがある。いや、2年2組だけじゃない――

「はぁ〜いっ、南条瑠々花で〜す!宜しくね!」

 体育館に騒めきはもはや騒めきではない。

「え?え?南条ルルカって……!」

「あの南条ルルカ!?」

「瑠々花は本名だよっ!みんな初めまして〜」


 なんだかまたまた厄介者が現れた――!?

478:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 16:37 ID:F1A

「教室案内するよ」

 芹香が瑠々花に手を差し出した。

「有難う!」

 その手を握って振った。


「マジかよ」

「サインもらおうっと」

 他クラスの人がルルカの周りに群がった。

「握手して下さい!」

「サイン下さい!」

 色紙とペンを持って並ぶ人。

「え?あ、うん。いいよ」

 サラッとマジックペンでサインすると色紙を返した。

「一生の宝にしますっ」

 その人は色紙を抱えて嬉しそうに話しながら行った。

479:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 16:50 ID:F1A

「ここが教室」

 芹香が連れてきたのは2年2組の教室。

「わー、普通ってカンジ!」

「今まで何処の学校にいたんだか……」

「アイドル専門学校!」

 瑠々花は自分の机に案内され、腰を下ろした。

「なんでここに?」

「アイドル専門学校が廃校になったから」

 悲しげに、かつ嬉しそうに言った。

「なんで廃校に?」

「……知らない」

 うつむき加減で呟いた。

「とにかく宜しく」

「うん!」

 瑠々花はいつもの通り笑うと鞄から教科書を取り出した。

 
  
 あんな顔の瑠々花初めて見た――……

 

480:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 17:02 ID:F1A

瑠々花ちゃんは天才天然を目指して書いていきたいです^^

481:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 17:26 ID:F1A

最初に比べて誤字脱字克服出来ましたー♪

誤字脱字見つけ次第遠慮なく叩いて下さい!(´・ω・`)つ

482:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 18:10 ID:F1A

 放課後――

「じゃあ帰るね〜」

 思い切り手を振り、スキップしている瑠々花。

「車でお迎え?」

 沙織が羨ましそうに言った。

「ううん、今日は撮影無いから徒歩」

 そういうと正門を軽い足取りで出て行った。


「今日は楽しかったなぁ〜っるんるんー」

 瑠々花は鼻歌を歌いながらスキップした。

 人通りの少ない、海に面した道を歩いている。

「明日から頑張ろぉー」

 コツ……コツ――

 革靴の足音はゆっくり、強く音を立てている。

「るんるん〜」

 鼻歌を歌っているため、足音に気付かない。

 ドン!

「!?」

 瑠々花にぶつかったかと思うと口はハンカチで塞がれ、意識が薄らいでゆく――

「…………」

 

483:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 18:11 ID:F1A

なんか誘拐の繰り返し…(汗)

484:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 18:15 ID:F1A

 意識は薄らぐ――

 でも完全にないわけではない。

 紫音に抱えられ、どこかに連れていかれる様子。

「誰か……助け……」

 聞取れない程の小声で言った。


 どうにかして見つけてもらわなくっちゃ。

 あ――っ!

「ん……っ」

 踏ん張ってスクールバックに手を伸ばす。

 そしてノートやシャーペンを落としていった。

「なにやってんだか」

 紫音は呆れている。


 持ち物に全部名前は書いてある――

  これでやることはやった――!

 

485:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 18:20 ID:F1A

 その頃 可憐――

「HARRIS発展なしか。これはこれで平和でいいけど」

 歩きながら参考書に目を通した。


 ピピピピピ……ピピピピピ……

「うるさいわね」

 スマートフォンから着信があった。

「もしもし?」

『あぁ、小川君か。緊急ミッションがある』

「緊急ミッション?」

 可憐は眉間に皺を寄せた。

 また事件でもあったんだろうか――

『南条瑠々花が帰ってこないらしい。それに……」

「それに?」

『HARRISが人質として誘拐し、話を聞けと手紙が届いている』

 理事長の声は重く、ため息交じりに話している。

「そうですか……では探してみます!」

『くれぐれもHARRISには気を付けろ。其方に神山君と双美君も向かわせるからな』

「はい」

 ピッ

  可憐は電話をきって駆け出した。

 

486:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 18:24 ID:F1A

「全くあいつ等……!」

 あーもうバカバカしい。これは夢?

  夢なら夢でやってみる。

  成り行きってヤツ――?

「南条さんー?何処にいるんだろ」

 また誘拐か――!?

「公園に行ってみよう」


 城ヶ丘公園に着いたが何もなく、ただ海がいつものように騒めいているだけだった。

「ハズレか」

 舌打ちすると町内を駆けずり回った。

487:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 18:29 ID:F1A

 探すこと30分――


「全く見つからないじゃないの、もう!」

 辺りを見回すともう暗くなっている。

「公園も商店街も海も探したのに……」

 呆れ、怒っていると……

「ん?こんなところに落し物?ってこんなにっ!?」

 参考書やノートが列になってコンクリートの上に無残な形で落ちている。

「全く……名前はかいてあるかしら?」

 ノートを拾い上げ、ひっくり返す。

「南条……瑠々花……」

 真新しいノートの裏に濃くはっきり書いてあった。

「これも……これも……」

 可憐が拾い上げたもの全てが同じように名前が書かれていた。


 もしかしてこれって……瑠々花のSОS――……!?

488:さんご ◆iAoc:2013/10/10(木) 18:51 ID:F1A

今日はここらへんでー

あんまり更新しすぎると読みづらいですよねーー;

明日は学校は午前で終わるので…

目指すは500!

489:さんご ◆iAoc hoge:2013/10/11(金) 06:46 ID:F1A

朝から奮闘中です!o(`・ω・´)О

490:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 06:46 ID:F1A

hogeてしまった…

無駄レス連続ごめんなさい!

491:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 06:52 ID:F1A

 ピピピ……ピピピ……

 スマートフォンからまた着信があった。

「双美さんからだ」

 ピッ

「もしもし?」

『見つかった?』

「ううん、だけど手がかりならあるわ」

 "落し物"を眺めながら強い口調で対話した。

『手掛かり?』

「南条さんの落し物が道になって続いてる……これって南条さんのSОSなんじゃないかしら?」

 可憐の推測は薄いけれどコレにかけるしかなかった。

『……じゃあそっちに怜雄と蓮と私で向うから』

「保証はしないよ」

『構わない』

 

              ピーピーピー……

492:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 07:07 ID:F1A

 スマートフォンを鞄にしまうと、落し物を拾いながら列を辿った。


「こんなに沢山ストラップなんか付けてて……校則違反」

 ハートや写真のストラップが落ちている。

「ん?」

 可憐が手に取ったのは、風花と可憐と瑠々花の写真ストラップだった。

「懐かしい……小学校の頃撮ったっけ?」

 バックに虹があって、記念に1枚!とその場で撮った物。

「そういう場合じゃなかった」

 懐かしさを胸に仕舞い込み、列に沿って歩き出した。


 空には星と月がいつもより小さく光っている――

493:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 07:13 ID:F1A

 最近書き込み禁止に巻き込まれることが多いです……

 なので土、日祝日以外で書き込みがなかった場合は

 つなげてくれるとうれしいです^^

494:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 12:26 ID:F1A

 ピピピピピ……

「もぉ〜、また?怜雄君から着信……」

 スマートフォンを強く握ると耳に当てた。

「もしもし?南条さんのことは分かったから……」

『いや、そうじゃない』

 電話からも怜雄の厳しい顔が分かる。

「じゃあ何?」

『新しくメールが来たんだ』

「え?」

 HARRISから――?

『人質と引き換えにウイルスバスターソフトを持ってこいだとさ。どうする?』

「…………」

 可憐は黙ったまま考えた。

 ソフトも大事。命も大切。

 何方かを犠牲にせずに救えないだろうか――……

「ソフトをコピーしてもらえる?本物を渡すからバレないはずよ」

『分かった。音色先生に頼んでみる」

 忙しそうに電話をきると列を眺めた。

「ふぅ……」

495:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 12:34 ID:F1A

 怜雄と琴栄の方では全力でデータをコピーしていた。

「33%です!もう少し速度を上げてみましょう!」

「琴栄ちゃん、コレ!」

「有難うございます!」

 データのコピーは簡単ではなく、精密な一部分も乱してはならない。

「40%まで来ました」

「その調子でコピーしよう!」

 パソコンの前に座ると琴栄の目つきは変わり、眼鏡を外すのだ。

「琴栄ちゃん怖い……」

496:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 14:10 ID:F1A

 一方可憐も慣れない夜道と格闘していた。

「どこまで続くんだろ」

 10m間隔でノートや鉛筆が置いてあった。


 そして着いた場所――

「路地裏……?」

 最後のシャーペンを拾い上げると列は途絶えていた。

「どこだろう」

 ガタガタ

「ん?」

 可憐の背後から音がする。静かで気味悪い音。

「後ろ……」

 可憐が振り向くとタイムロード跡の前にゴミ箱があり、揺れ動いていた。

「もしかして」

 そっと開けようとすると声がした。

「データは持って来たの?」

 初めて聞く声。高く早口な感じ。

「……え?」

 また背後に振り向くとそこには見慣れない少女がいた。

497:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 14:18 ID:F1A

「貴方……誰?」

 眉を寄せて強い声で言った。

「私は空木紫音。HARRISの管理部よ?」

「データは仲間が持ってくる。それまで手出しはしないで」

 可憐が険しい顔で言うと1枚の紙が可憐の前に差し出された。

「何コレ」

「契約書。データを渡したら書いてもらうから」

「…………」

 何故契約書を書く必要があるのか可憐には分からなかった。

「いいわ。だから人質は開放してもらうわ。それが条件だもの」

 可憐が涼しい顔で言ったのが気に入らなかったのか紫音はもっときつい表情になった。

「水上風花だけど。あいつは貴方のせいで大目玉を喰らったのよ?あなたが訪ねるから」

「風花の目的も知らないでそんなこと言えるのね」

 対立はなおも続いた。

「目的?CLOCKを潰すことじゃないの?」

「バカね」

 両者絶えず睨みつけた。


 

498:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 14:20 ID:F1A

新キャラファイルV

空木 紫音 (うつぎしおん)7

DATA

HARRIS管理者

499:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 14:33 ID:F1A

「遅くなってごめん!」

 芹香が走って可憐に手を振って来た。

「これ、データ」

 可憐の手に無理やり渡すとその場に座り込んだ。

「有難う。さぁ、これで契約書を書いて人質を開放してもらう」

 紫音は差し出したSDカードをひったくると代わりに紙を差し出した。

「これでいいかしら?」

 サラッとペンで書き終え、紫音に渡した。

「あとは自由にしなさい」

 詰まらなさそうにゴミ箱を軽く蹴るとアスファルトに石を投げつけた。

「お察しの悪い奴め」

 芹香が不貞腐れた態度で言った。

「この中ね」

 可憐は慎重にゴミ箱の蓋を開けた。

500:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 15:01 ID:F1A

「ビンゴ!」

 意識を取り戻した瑠々花がゴミ箱を倒して出てきた。

「あ……ありが……」

 かなり疲れているらしく、喋ることすらできなかった。

「少し休んでいたほうがいいわ」

 芹香も窘めた。

「うん」

 その一言で力を使い切ったのかその場に横になった。


 そして――――

「あ、いつの間に寝てたんだろ……」

 路地裏でそのまま横になっていた。

「家まで送るから。立てる?」

「あ、いや、これから清月学園の生徒会室に案内してもらえる?」

 とんでもないことを言い出した。

「え?なんで?」

「CLOCKに所属するらしいんだけど……」

「CLOCK!?」

 

501:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 15:06 ID:F1A

「案内してくれる?」

「何しろ私たちCLOCKに所属しているもの。お安い御用だわ」

 芹香は立ち上がってスカートをはたいてプリーツを整えると瑠々花に手を出した。

「うん」

 瑠々花はその手に捕まり立ち上がった。

「私も行くわ。説明してもらわないと」

 笑った声で言ったが瑠々花を軽く睨んでいた。

「うわぁ〜可憐ちゃん怖いよぉー」

 瑠々花はわざとらしく脅えると笑った。


「あ、それからこれ」

 可憐はノートや参考書、ストラップを両手に瑠々花の前に差し出した。

「あー気付いたんだ、これ」

「それからストラップ付け過ぎは校則違反だからね!」

 芹香が仁王立ちして注意した。

「分かったよ〜」

 諦めた声で言うと3人ともアスファルトの上をコツコツ音を立てながら歩いて行った。

502:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 15:09 ID:F1A

 続々増えるCLOCKメンバー♪

 それにHARRISも対抗する!?

503:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 15:12 ID:F1A

 〜時々コメント〜

コレってジャンルなに?

恋愛?NO
友情?NO
学園?NO
アクション?NO

作者の気まぐれ。書きたくなったジャンルを書きますWw

504:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 18:18 ID:F1A

 HARRIS会議――

「また失敗してー人のこと言えないじゃん」

 瑠依が紫音に向かって睨みながら言った。

「うるさいわね、あいつも予想以上に粘り強かっただけよ」

「油断は禁物って言ってるじゃない。自分で」

 嫌味っぽく瑠依がクスクス微笑しながら言った。

「好い加減にしろっ!」

 ついに紫音もキレた。

「失敗した上に新メンバーまで……全く」

 笑いながらも紫音のことを屈辱する。

「こっちだって新たなメンバーを派遣したわ」

「誰よ?」

「ふふふ……それは秘密にしておくわ。お楽しみがなくなっちゃうもの」

 ニヤリと不気味な笑顔で後ろを向きながら言った。

「ふん」

505:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 19:01 ID:F1A

 CLOCK会議――

「新メンバーとなりました、南条瑠々花です!」

 大きく手を振ってウインクしている。

「理事長、何故この様なバカを?」

「バカにしてはいけない。データ分析は神業だ」

 頷きながら首を縦に振った理事長。

「はぁー……」

 これはマズいな――


「わぁー、金髪イケメン初めて見た!」

 蓮と怜雄は瑠々花に言われ、顔を見合わせた。

「あぁそう」

「今度からヒヨコちゃんって呼ぶね!」

「誰がヒヨコちゃんだって!?」

 いつも大人しい蓮が爆発した。

「蓮って自分のプライドだけには拘るよなぁ〜」

506:さんご ◆iAoc:2013/10/11(金) 19:02 ID:F1A

蓮&怜雄=ヒヨコちゃん。

ヒヨコちゃん1号は蓮

ヒヨコちゃん2号ってでたら怜雄だと思ってください

507:さんご ◆iAoc:2013/10/13(日) 19:31 ID:F1A

金髪=怜雄
銀髪=蓮

銀髪でヒヨコちゃんっておかしい……?

508:さんご ◆iAoc:2013/10/15(火) 06:39 ID:F1A

ヒヨコちゃんは怜雄だけでw

509:さんご ◆iAoc:2013/10/15(火) 12:41 ID:F1A

その頃HARRIS――

「風花って使い物にならないわね」

 冷たく、棒読みのような声で紫音が睨んだ。

「申し訳ございません」

 頭を深く下げ、一礼した。

「ほんと困るよー。貴方がしっかりしてくれないと」

 瑠依はソファーに埋もれながらケータイをいじっている。

「済みません。以後気を付けます」

 風花の目には涙が貯まっている。


 諦めないのは夢のため――……

「お母さんもこんなんじゃ悲しむわね〜」

「全く、所長に言いつけなきゃダメなようね」

「それだけは……!」

 言いつけられればデータの件も引き受けてくれなくなる。

 何しろ条件はHARRIS雑用を任命されたのだから。

「次やらかしたら承知しないわよ」

「ま、新しいメンバー、所長が派遣したらしいけど」

 瑠依と紫音の不気味な声に退く風花。

 怖くても逃げない。いや、逃げれないのだから。

「許して下さい、お願いします」

 跪いて涙を落とした。

「煩いわね。分かったから黙ってて」

 瑠依は風花の気持ちは構いなしでケータイで遊んでいた。

510:さんご ◆iAoc:2013/10/15(火) 14:02 ID:F1A

 翌日――

「ふぅー……」

 なんだかんだで瑠々花が来た。

「最悪なんだだけど」

 頭を押さえてため息を付いた。

「やっほ〜」

 手を振って可憐に挨拶している瑠々花。

「やっほーじゃないわよー」

「疲れてるの?」

「いつも疲れてるわよ」

 ヒステリックに言った。

「あ、ゴメン」

 今日は機嫌が悪いんだと思い、瑠々花は放っておいた。


「にしてもHARRISは新メンバーを派遣するって……」

 芹香が可憐に声をかけた。


 それは昨日のこと。

「何だよコレ」

 蓮の手元に見知らぬ茶封筒。

「どっから来たんだ?」

「さぁ?気付かなかったわ」

 とりあえずゆっくりテープを剥がした。

「手紙……?」


『CLOCKへ

 私達は新たなメンバーを派遣する。

 後日教えてやろう。楽しみにしていろ。

 きっと泡吹いてぶっ倒れるからな』


 そう書いてあった。
 

511:さんご ◆iAoc:2013/10/15(火) 14:08 ID:F1A

「泡吹いてブッ倒れるって……」

 芹香は苦笑している。

「後日っていつかな?」

「さぁ」

 CLOCKメンバー全員さっぱり分からないのだ。

「曖昧な書き方ね」

「逆にハッキリ書くと情報が漏れるんじゃないかしら」

 2人の推測。

「このことは置いておきましょう」

 芹香が茶封筒を片づけた。

「でも今回思い知らされたわ。ずっと警戒しなくちゃ」

 茶封筒を見つめながら可憐は小声で言った。

「ええ。音色先生もウイルスバスターを強化するつもりだって」

「へー」

 

512:さんご ◆iAoc:2013/10/15(火) 15:01 ID:F1A

最近ブログ整理してませんでした

ネタバレ注意

http://cgi-games.com/abi/profile/profile.cgi

513:さんご ◆iAoc:2013/10/15(火) 15:33 ID:F1A

「会議終わった〜」

 瑠々花は大きくのびをし、怜雄は溜息をついた。

「帰ろ帰ろ」

 正門をでると前に人影がゆらいだ。

「ん?」

 薄暗く、3人が誰なのか分からない。

 足音も近づく。

 蓮は警戒し、怜雄は平気な様子。琴栄は何も言わず黙ったまま。

 芹香は茶封筒を取り出した。

 可憐は眉を寄せた。


「こんにちわ。CLOCKの皆さん」

 高い男の声。

 その人物はあり得ない人。


 
 

514:さんご ◆iAoc:2013/10/15(火) 15:36 ID:F1A

こんにちわ×
こんにちは○

515:匿名さん:2013/10/16(水) 15:43 ID:F1A

 街灯に白く照らされ、姿を現した3人。


「な……なんであなたがここに……!?」

 照らされた内の1人に対して驚いている。

 驚愕したのは可憐と騎士だけだった。

「僕が亡骸を回収したはず……兄さん!」

「誰?君たち。見覚えがないんだけど」

 そう言うのは海斗だった。

「これが私達HARRISの新メンバーよ」

 いつもながら不気味な声で紫音は言った。

「なんで生きてるの?可笑しい。そんなはずは……」

 可憐は汗を垂らしながら言う。

「ちょっとまって、そういう事?説明して」

 芹香が可憐の肩を叩いた。
 
 
 

516:さんご ◆iAoc:2013/10/16(水) 15:47 ID:F1A

匿名さんになってますが私です

517:さんご ◆iAoc:2013/10/16(水) 17:15 ID:F1A

「私は星原海斗君に監禁されたわ。山口さんも」

 言葉1つ1つを飲み込みながら言った。

「そしたら、変な部屋に入ってしまって、短剣を見つけたの」

「短剣?」

 騎士が何か思い出したように言う。

「ええ。そしたら不気味な文が綴られた手紙が添えてあったの」

「どんな文?」

 急に怜雄が興味を持ったのか乗り出した。

「穢れし者が聖剣に触れると剣の意思によって命を絶つみたいな?」

「怖い……」瑠々花の顔が曇った。

「そしてその短剣に星原君が触れたみたいで、勝手に剣が星原君を突き刺したの」

「やっぱりか……」

 小さくうなずく。

「そのことに何か知ってるの?」

「あぁ。小川さんが迷い込んだのは"シンデレラ城"だ!」

「シンデレラ城……!?」

518:さんご ◆iAoc:2013/10/16(水) 17:49 ID:F1A

 確かに星原君の家のすぐ横に小さいお城があったけれど――……

 可憐は騎士の顔を見たが騎士もさっぱり分からない様子で俯いているだけだった。

「そんな話はどうでもいい。とにかく覚悟しておくことね」

 紫音は2人を引き連れ、やがて影も形もなくなった。

「変なヤツ」

 瑠々花は口を尖らせた。


「なんで……」

 あの時完全に死んでいなかったの――?

「どう思う?星原さん」

「さぁ、僕にもさっぱりだ。お墓に埋めたから掘り出すこともできない」

 暗い気持ちになるばかりだった。

 気が付けば自分の目にもアスファルトが映っている。

「でも私達のことを覚えていないなんて……」

「記憶を消されたのか?」

「そんなことが人工的に出来るというの?」

「分からないがあいつらの持つ技術で出来るのかもしれない……」


 もし完全に死んでいなかったとしたら――

  罪を償ってもらいたい。

519:さんご ◆iAoc:2013/10/16(水) 17:59 ID:F1A

 眠れないまま無理やり目を瞑り、自然と早く目覚めた。

「昨日のことは一体なんだったんだろ……」

 紅茶を注ぎながらぼんやりしていた。

「あっつ」

 ボーっとしていて気が付けば紅茶はティーカップから溢れていた。

「拭かなくちゃ、あぁ制服にシミがー」

 床と制服を強く擦ってなんとかシミにならずに済んだ。


「おはようー」

「おはようーってなんかいつも通りだ」

「いつも通りだったら言わなくていい。それより昨日……」

「あぁ、HARRIS新メンバーのこと?」

 キッチリ覚えている。夢じゃなかったらしい。

「夢だと思っていたのにー」

「そんなに重大?」

 瑠々花は海斗のことを知らない。だけど新メンバーが加わることに何も警戒しないのは可笑しい。

「貴方は知らないでしょうけど」

 うんざりしながらため息を付いた。

「へぇー、コードネーム、エースクイーンさんは疲れるんだね〜」

「エースクイーンって呼ぶな!」

 
 

520:さんご ◆iAoc:2013/10/17(木) 13:40 ID:F1A

「シンデレラ城の謎……興味深いね。今日シンデレラ城に行っていいかな?短剣の事も気になるんだ」

 芹香は騎士に頼んでみた。

「いいけど、あそこは危険なんだ。3,4人で行ったほうがいい。出口もややこしいんだ。僕もついていくよ」

 たしかにどんなに探しても出口がなかった。どこにあるんだろう――?

「いいわよ。今日の放課後行きましょ?」

「私も行っていいですか?」

 琴栄がいつの間にか生徒会室にいた。

「いいよね?騎士君」

「構わないさ」


 こうして可憐と芹香、琴栄と騎士でシンデレラ城に向かうことにした。

521:さんご ◆iAoc:2013/10/17(木) 14:21 ID:F1A

プロフ更新報告V
今週からネタバレと裏話を選べるようにしましたー

ネタバレ編↓
http://chat.firebird.jp/profile/profile.cgi?mode=view&name=%81%F4%82%B3%82%F1%82%B2

裏話編↓
http://cgi-games.com/abi/profile/profile.cgiでるるか♪で検索

522:さんご ◆iAoc:2013/10/17(木) 15:05 ID:F1A

 懐かしいというか怖い思いが脳裏に色鮮やかに蘇ってくる。


「ここがシンデレラ城?にしては骸骨とお墓ばかりね」

 前と変わらず骸骨が転がり、お墓がいくつも並んでいる。

「昔海賊が葬られたんだ。その名残だよ」

「短剣はどこなんでしょうか」

 琴栄が見回した。

「多分もっと奥のほうだよ」

「奥に行って大丈夫?」

 芹香が心配で落ち着かない様子。自分から行きたいと言い出したのは芹香だが。

「大丈夫だって」

 窘めるように言い、騎士がハッとした。

「あれだあれ。間違いないよね?小川さん」

「ええ。これだわ。それにまだ紙切れも残っているわ」

 可憐が指した先には黒焦げたかんじの小さい紙切れ。

「確かに小川さんが言ってるような内容があるわね」

 琴栄は近くで真剣な表情になった。

「これは触ると危険なので離れてください」

 銀色の鋭い光が反射する短剣。

「ん?」

 芹香は注意されながらも短剣の近くに立った。

「なんだろ、これ……」


 反射する刃の先には深く"URANUS"と刻まれていた――……

523:さんご ◆iAoc:2013/10/17(木) 15:28 ID:F1A

「URANUS……」

「ウラノスって読むんです、それ」

 琴栄が近寄って来た。

「びっくりしたー」

「済みません」

 眼鏡を整えながら頭を下げた。

「ウラノスはクロノスの親です。ギリシャ神話、ローマ神話、などで有名です!」

「クロノス……って?」

 可憐が小さく質問した。聞いたことはあるが何なのか知らない。

「クロノスというのは最高神ゼウスの親です。クロノスとガイアからゼウスとユノが生まれました」

「よく知ってるね」

「親が神話の学者なので……」

 自慢することじゃない、と謙虚がちに小声で呟いた。

「すごっ」

「初耳……」

 綺崎さんは天才だなー

「この短剣を持ち出して詳しく調べる」

「危ないよ!」

 必死に芹香が止める。

「浄化したんだ、兄みたいにはならない」

 恐る恐る触る――

「…………」

 中指が触れた。

「ふぅ……」

「よかった」


 その後短剣は厳重にCLOCKの金庫に入れられた。

524:さんご ◆iAoc:2013/10/17(木) 16:42 ID:F1A

最近更新率低くなりました
まえは1日多いときで20レスぐらいしてたのに…
頑張りますーー;

525:♪さんご ◆iAoc:2013/10/17(木) 18:19 ID:F1A

 その日の授業も落ち着かなかった。

「じゃあ空気中物質の割合をそうね〜小川さん」

 教科書を見ながら黒板の前をうろつく音色先生。

「え?」

 可憐は先生に言われ、反射的に立ち上り、机がガンッと音を立てた。

 一瞬何を問われたのかわからなかったがすぐに答えた。

「窒素78.1%、酸素29.9%、アルゴン9380*ppm、オゾン0.03ppm、二酸化窒素0.02ppmです」

「それだけ?まだあるわよー」

 周りを見ると玲名が軽蔑したような目で可憐を見ている。

 その視線に怖がりながらもなんとか口にできた。

「二酸化炭素330ppm、ネオン18.2ppm、ヘリウム5,24ppm、メタン1.6ppm、水素0.5ppm、二酸化硫黄0.002ppmです」

 何とか言いきれた。

「チッ」

 可憐の横からいつもながらの舌打ちが聞こえてきた。

「ふぅ」

 可憐はため息を付きながら机の上に突っ伏した。
 

526:♪さんご ◆iAoc:2013/10/17(木) 18:22 ID:F1A

〜シンデレラの辞書BOOK Vl〜

ppm 1%の一万分の一

すごい僅かですねー
私が習ったのと皆さんが習ったのでは誤差があると思いますがご了承くださいm(__)m

527:♪さんご ◆iAoc:2013/10/17(木) 18:38 ID:F1A

今日はここまでにしまーす
金曜日更新して土曜日、日曜日に休暇挟みます
プロフもよろしくです^^

 祝!プロフ人気者1位!

528:りな:2013/10/18(金) 00:11 ID:/0k

酸素の%間違ってると思う

529:♪さんご ◆iAoc:2013/10/18(金) 16:18 ID:F1A

あー。20%ぐらいかな?

530:さんご ◆iAoc:2013/10/18(金) 18:22 ID:F1A

「この短剣を詳しく調べました」

 放課後。琴栄が絹ごしに剣を机へ置いた。

「で、これはなんだったの?」

「お父さんの研究によると……これはウラノスのものであり、トロイア戦争の際使われたものらしいです」

 聞き慣れない単語を耳にした可憐。

「トロイア戦争って……?」

「トロイア戦争とは紀元前13世紀に起きた戦争の事です。主にゼウスが原因です」

 琴栄は古本のページを器用に捲った。

「それって……ヘラとアテナ、アフロディテの対立とか……」

 蓮が首を傾げながら呟いている。

「そうです。三大女神が対立し、『パリスの審判』として有名です」

 琴栄が本のページを蓮に見せながら解説した。

「さらに驚くことにこの剣は……」

 琴栄は瑠々花、芹香、騎士、蓮、怜雄そして可憐の顔を順番に見ながら言葉を飲み込んだ。

「HARRISの物でした」

「えっ?」

 意味が分からなかった。HARRISと何の関係が?

531:さんご ◆iAoc:2013/10/18(金) 18:33 ID:F1A

「HARRISの物?トロイア戦争って本当にあったの……?」

 可憐は不安な表情。

「それは分かりませんが、剣はウラノスの物。そして何らかの出来事がきっかけでゼウスの手に渡ったのでしょう」

 琴栄は慎重に推測し、厳しい表情になった。

「さらに川口瑠依……あの人はアフロディテの後世の可能性が高いです」

 アフロディテの後世!?

「CLOCKの中には、南条瑠々花さん。貴方がユノの後世だと考えられます!」

 そのことに瑠々花はきょとんとしている。

 その横の怜雄はチラッと瑠々花を心配そうな表情で見ている。

「え……?知らない、私……」

 小声で言葉を何とか繋いでいる。

「貴方が持つ、真紅の薔薇の髪飾り。それはどこで買いましたか?」

 琴栄が指差すのは瑠々花のポニーテールの少し下の真紅の花弁が何枚も重なった髪飾りだった。

 その指先を全員同じ表情で見つめている。

「これは買ったものじゃないわ。ひいお祖母ちゃんの形見よ。先祖代々貰ってるって……」

 瑠々花は改めて髪飾りを撫でた。

「それはユノの後世の証拠です。同じように川口瑠依もコスモスの髪飾りを付けていましたから」

532:さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 07:21 ID:F1A

 あまりにも琴栄が真剣な眼差しで言うので6人とも話を早く飲み込んで理解した。

「でもそれだけじゃ……」

「それだけではありません。ユノはJenоと書きます。英語読みでジュノーですから。そして頭文字『J』の傷、若しくはあざが南条さんの手の甲にあります」

「え?」

 瑠々花は手の甲を不安げな表情で見た。

「確かにJの字の傷があります。小さいときからあって、お母さんもお祖母ちゃんもみんな同じところにぽつんとあるの」

 みんな驚愕と不安が混じったような表情をしている。

「川口瑠依の足もとにアフロディテはAphroditeと書くのでやはりAの字の傷もありました」

 琴栄は表紙が切れている古本を眺めながら真顔だ。

533:さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 08:29 ID:F1A

「対立していても仕方ありません。ここはウラノスの封印を解くしか……」

 琴栄は絹漉の聖剣を見つめている。

「ウラノスに報告するんです」

「え?ウラノスは死んだんじゃ……?」

 芹香は神話を思い出しているらしい。

「ええ。死んだ……というよりこの短剣に封印されたらしいです」

「封印?」

 聖剣に封印?ってウラノスの魂を?

「ウラノスの微かな魂が感じられます。封印を解きましょう。南条さん、ここの紅い石を撫でてくれませんか?」

 琴栄が瑠々花に短剣を近づけた。

「え……私が?」

 戸惑う瑠々花。

「封印を解いた時点でどうするの?」

「ウラノスに処理してもらいましょう」

 何を……?と聞きたかったがやめた。

「じゃあやってみる」

 瑠々花は汗をカーペットにたらしながら慎重に撫でている。


「わっ」

 赤い光に包まれたかと思うと前に知らない人が浮いている。

「浮いてるっ!?」

 上半身だけ透けて薄く見えていた。

「封印が解けた……何でだ!?」

 ウラノスと思われるおじさんは両手を見ながら硬直している。



 

534:さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 08:59 ID:F1A

実際にユノの後世は瑠々花ではありません
↑そりゃそうだろw

535:さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 15:17 ID:F1A

「誰?この人」

「さぁ?」

 生徒会室に現れた謎の人。

「申し訳ございませんが、何方でしょうか」

 可憐がその人に丁寧に質問した。

「何を言う、其方が封印を解いたのだろう。そこにいるのはユノの跡継ぎではないか」

 その人は可憐と瑠々花を指差した。

「じゃあこの方はやはり……」

 琴栄はそのあとの言葉が紡げない。

「ウラノス……」

 誰かがつぶやいたので琴栄が首をゆっくり縦に振った。

「そうだ、ウラノスと申すが」

「ウラノス様聞いてください!」

 瑠々花がいきなり大声でウラノスに近づいた。

「ユノとアフロディテは対立しているのはご存知の通りです。それで……」

 少し言葉が途切れ、瑠々花が口を開いたのと同時に扉がノックされた。

 カッカッ

 乾いた音は小さかったけれど沈黙の中、大きく響いているように聞こえる。

「どうぞ」

 理事長はウラノスを布で隠すと一言軽く返した。

「どうぞとはご丁寧な出迎えね。遠慮なく入らせてもらうわ!」

「この声!開けちゃダメッ」

 瑠々花はドアを閉めようとしたが間に合わず、中から3人が来た。

「HARRIS!!」

 可憐達は咄嗟に警戒した。

「ついに突き止めたわよ、貴方たちの居場所!これで貴方たちを……!」

 瑠依が叫ぶと、ウラノスが布を破って出てきた。

「これはアフロディテの跡継ぎ。何をしている」

「はぁ?それよりあの短剣は……!」

 瑠依は聖剣を見ると後さずりした。

536:さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 15:33 ID:F1A

「あれは……もともとHarrisの物よ?なんであなたたちが……!」

 瑠依の指差す手は細かく震えている。

「ここで戦いは御免だわ!」

 芹香は3人を窓から押し出した。

「きゃあっ、何すんのよ!」

 1階の窓から中庭へ3人とも落下した。

「待ちなさい」

 ウラノスの低い声が中庭に響く。

「ユノの後世、封印を解いてくれたことは感謝する。令とは言わないが望みを一つ叶えてやろう」

 瑠々花の方に全員視線を向け、瑠々花は硬直している。

「え、どうすればいいの……」

 瑠依は冷たい眼差しでウラノスと瑠々花を交互に睨む。

 可憐達は心配そうな顔。紫音は面倒そうにしている。

「私の願いは……ユノとアフロディテを殺して下さい」

 驚愕の沈黙。

 意味が飲み込めず、唖然としていたがこれは瑠依と瑠々花を殺せ、ということだとみんなようやく気付いた。

「ちょっ、何言ってんの!?」

「これ以上対立しても無駄。これでアテネも対立する相手がいないわ。命を処分して」

 瑠依は何が何だか分からない様子。

「命を処分?バカね」

 紫音は嘲り笑った。

「つまり川口さんの命も奪われるという事ですよ」

 琴栄が眼鏡を整えながら言った。

「は?訳わからない……」

「瑠々花ちゃん、本気なの!?」

 蓮と怜雄がそろって同じ表情を向けてくる。

「えぇ。さようなら、ヒヨコちゃん」

「誰がヒヨコちゃんだよっ」

 突っ込み乍らもこれは”心配”を示している。

「なんだよそれ……」

「時間がない。望みを実行する」

 ウラノスは空気を読まずに杖を持ち上げた。

「察しの悪い奴」

 紫音がウラノスを睨んだ。

537:さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 15:34 ID:F1A

アテネ×
アテナ○

なにだよアテネって……ww

538:さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 15:43 ID:F1A

「準備はいいか」

 ウラノスは問いかけというより合図をした。

「えぇ」

「まって、なんで!」

 瑠依は混乱したままだ。

「さぁこれでお仕舞だ」

 茶色の杖を高く振り上げた。

「何が起きているんだ」

 同時に理事長が駆けつけてきた。


「皆……今まで有難う」

 力のない、か細い声だけが耳に入った。

「命を落とすなんて……っ」

 芹香は手を強く握った。

「これがいわゆる"玉砕"ね……」

 半目にして、意識を薄めてゆく――……

「何縁起も悪い言葉言ってんの?ねぇっ」

 芹香は起こし上げようとするが、瑠々花の体は透けてきている。


「瑠依?瑠依?」

 紫音が叫んでいる。

「意味分かんない……だけどこれだけは言える。私はもう死ぬんだって」

 首を下に下げると目を瞑った瑠依。

「…………」

 紫音は涙を流さなかったが俯いている。


「そろそろ消える。この魂ごとね」

 死ぬとは思えない表情の瑠々花。

「最後に言うのはこの言葉。"さようなら"……」

 小さくてを左右に振り



  消えていった――……

539:さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 15:50 ID:F1A

 可憐はコンクリートの上に座り込み、芹香は泣き崩れた。

「これ……」

 再び可憐は立ち上がると、真紅のバラの髪飾りを拾った。

「あれは……」

 紫音も桃色のコスモスの髪飾りを摘み上げた。

「瑠々花……わっ」

 可憐の手のひらでバラは真っ白になり、花弁が風に吹き飛ばされた。

「これも……!」

 紫音の手の平からもコスモスの花弁が舞い上がった。

「なにこれ」

 紫音は唖然としている。

「もう使命を果たしたのね。これも」

 可憐は手のひらに向かって小さく呟いた。

 

 白銀の花弁は空に消えるまで舞い続けた――……

               皆の涙と共に――……

540:さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 15:53 ID:F1A

<〜第6章完〜>

541:さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 15:54 ID:F1A

最初のほうに7章とか書いてありましたが6章でしたねw

7章予告

ファンタジー系小説読んでたらファンタジー書きたくなった

8章ファンタジーにするー

作者の気まぐれにお付き合いくださいw

542:さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 16:01 ID:F1A

ネタバレ編
http://chat.firebird.jp/profile/profile.cgi

裏話編 今週は名前の由来を掲載!
http://cgi-games.com/abi/profile/profile.cgi
るるか♪で検索

543:♪さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 16:04 ID:F1A

ネタバレ編は♪さんごで検索してください

544:♪さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 16:05 ID:F1A

若しくはネタバレ編コチラからどうぞ

http://chat.firebird.jp/profile/profile.cgi?mode=view&name=%81%F4%82%B3%82%F1%82%B2

545:♪さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 18:00 ID:F1A

とりあえず8章頭くらい書きますね

546:♪さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 18:34 ID:F1A

〜第8章〜 魔法が使えたら……

 放課後のちょっと前――


「ルルカちゃん転校!?」

「やだぁ〜」

 そんな声で教室は煩くなった。

 瑠々花の事務所は理事長が処理してくれたらしい。

 可憐は参考書と隣の空いた、瑠々花の席を交互に見るとため息を付いた。

「一体何だったの」

 参考書を閉じると生徒会室に向かった。


「こんにちわー」

 すでに芹香と蓮、怜雄、琴栄がいた。

「誰が行く?あの件」

「うーん……」

 4人とも何やら悩んでいる様子。

「どうしたの?」

 やれることならやってみよう!

「実は……ミラクル帝国に理事長が手紙を出すんですって」

「ミラクル帝国?」

 全く聞き覚えのないアニメ風の名前の国だなー

「地球の裏側の小さい国。地図にも載っていないから知る人は数少ないのです」

 いつもながら本を見つめて解説する琴栄。

「郵便じゃだめなの?」

「極秘の手紙だから郵便に任せられないって。で、私達のうち誰かが行くの」

 それならやっても……いいかも。うん。

 少し考えてから言った。

「行ってもいいよ、他にいないなら」

「え?いいの!?」

「うん」

 その言葉に芹香は不安げな表情になり、

「私も一緒に行く。万が一何かあったら……」

「いやいいって」

 可憐も芹香を心配させないがために断った。

「いえ、ここは複数で行ったほうがいいです。お任せしていいですか?」

 琴栄は2人の瞳を深く見つめた。

「えぇ。構わないわ」

「うん!」

「じゃあこれで決まりな!」

 怜雄は他人事のように言うと、ソファーに埋もれた。

547:♪さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 18:42 ID:F1A

 大体そんな国があるなんて思わないし――……

 ミラクル帝国ってアニメみたい。

「でもどうやって行くの?飛行機?」

「いえ、此方から行けます」

 琴栄が右に顔を向けた。

「何コレ……」

 訳の分からない変な機会が理事長の椅子の横にあった。

「これでどこでもワープできるそうなんです」

「そんな技術が?」

「いえ、タイムロードっていうところから未来から取り寄せたらしいです」

「え?今タイムロードって言った?」

「あ、はい」

 タイムロードを理事長が……!?

「うそ、なんで」

「どうかしました?」

「いえ、なんでも」

 お祖母ちゃんの知り合い?

「そういえばそれっていつ行く予定なの?」

「3日後です」

 3日後といえば何もないな。お母さんにどう説明しよう……

「帰りが遅くなったらお母さんにどう説明すれば……」

「大丈夫です。此方の1秒が彼方では1日と、時間の速さが違うため、寿命も違うんです」

 そういえばタイムロードの時もそうだったっけ――?

「そうなんだー」

 知って知らないふりをする

「すごいですよね、今の技術は」

 琴栄は機械を見ながら呟いた。

548:♪さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 18:50 ID:F1A

時々コメント

久し振りにこんなに更新したー

これからも頑張るので感想&アドバイスよろしくです!!

549:♪さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 18:59 ID:F1A

 そんな国があるなんて行ってみたいなー

 緊張というよりかは興味のほうが半数以上占めていた。

「手紙なんて自分で送ればいいのに」

 態々任せる理由が分からない。

 面倒だから?そう推測するしかない。


「そこの掃除もして頂戴」

 母親からの言い付けで床をせっせと拭いている。

「うわ、汚い」

 姉達の残した夕食がフローリングに散らかっているのだ。

「下品な食べ方ね」

 お母さんに聞こえないように小さく呟いた。

「ピアノとバイオリンやって予習復習してやっと寝れるのね……」

 同じ所を何回も拭きながらブツブツ愚痴を吐いている。

「ちゃんとやりなさい。全く呆れるわ」

 そう言い残すとドアを力任せに閉め、出て行った。




 

550:♪さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 19:03 ID:F1A

 天皇とかには言いたいことが言えた。

 なのにお母さんには何で言えないんだろう――……

 それはほんの少しでも"尊敬"していたから――

「あんな母親でも自分の世話をしてくれてるもの。我慢しなくちゃ」

 そう思えば掃除なんて容易い。

 ほかの家の子だってこれくらいはお手伝いしてるでしょ。

「頑張らなきゃ……」

 虐待とは思いたくない。

 虐待って蹴られたり殴られたりすることでしょ?

 私は違う。ただのパシリ……

「いった」

 指を伸ばすと血が垂れてくる。

「またかーもう」


 そんな夜を今日も、きっとまた明日も過ごすのだろう――

551:さすらい ◆xEr6:2013/10/21(月) 19:43 ID:1pE

足跡レス残しておきます

552:♪さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 19:45 ID:F1A

さす兄!?

553:さすらい ◆xEr6:2013/10/21(月) 19:56 ID:1pE

>>552
(`・ω・´)そうです

554:♪さんご ◆iAoc:2013/10/21(月) 20:07 ID:F1A

さす兄は私の尊敬するお方です

あぁー泣けます…!

555:紅蓮のkido:2013/10/21(月) 20:25 ID:tcg

554
泣いちゃえww

556:さすらい ◆xEr6:2013/10/21(月) 20:33 ID:1pE

>>555
kidoも来てたんですかw

557:さんご ◆iAoc:2013/10/22(火) 16:17 ID:F1A

kidoまで!

サイコー

558:さんご ◆iAoc:2013/10/22(火) 16:28 ID:F1A

 滔々その3日目――……

「緊張する〜!」

 重そうなリュックを背負った芹香が生徒会室で叫んでいた。

「何かあったら……怪獣に襲われたりして……」

「それは無いって」

 可憐は呆れて窘めるが、芹香には無効だ。

「自分から行きたいって言ったくせに」

「だっていざとなるとー」

 藁にも縋る芹香は苦しい言い訳をする。

「ここでひいたらカッコ悪いし」

「そういう問題?」

「うん」

 芹香にとっては何よりも自分の"立場"が大事らしい。

「双美さん、そんな性格だったかしら?」

「豹変した?」

 苦笑しながら緊張している。

「琴栄ちゃんが来たら準備してくれるらしいから、それまで遺書書いておこうっと」

「大袈裟よ……」

559:*もちづき* ◆r9YM:2013/10/22(火) 16:42 ID:Viw

持続力尊敬します...

560:さんご ◆iAoc:2013/10/22(火) 16:46 ID:F1A

「準備しますね」

 琴栄が来ると芹香の緊張感は一層高まった。

「帰って来れる?大丈夫?」

「そんなんだったら私1人で十分よ……」

 微笑しながら言った。

「準備はできました」

 琴栄がセットを完了させた。

「心の準備はまだ〜っ!」


 可憐が窘め、5分後――

「もういい!後は野となれ山となれ!さぁ行きましょう!」

 さっきまであんなんだったのに……

「押しますね」

 琴栄がボタンを押すと、機械はガタガタ音を立ててきた。

「大丈夫かしら?故障?」

「えっ!?」

 芹香が言い終わらないうちに機械は閉じてしまった。

「大丈夫!?」

 琴栄が駆け寄るが開かない。

「きゃぁ〜っ」

「え!」

 気づけば2人の悲鳴は部屋中に響き渡っていた。

 

561:さんご ◆iAoc:2013/10/22(火) 16:56 ID:F1A

 ガンッ

「いったぁ〜」

 2人が落ちたのは柔らかい緑の芝生の上。

 芹香は頭を押さえ、辺りを慎重に見回している。

「しかしワープがこんなに過激だったなんて……」

 悲鳴と同時に、可憐達は急降下、いや落下したのだ。

「ここは……ほかの国?」

 海と山と建物があり、夢の国のような感じではなかった。

「案外普通ね」

「安全そう……」

 ホッと一息ついたところで重大なことに気付いた。

「私達……」

「迷子じゃない?」

 顔を見合わせ、頬を真っ青にした。

「どどどどうすんの!?」

「慌てないで、まずはワープ入口をしっかり覚えておきましょうよ」

 芹香は強張った眼でワープの機械を見つめている。

「分かった。で手紙は?」

「これ」

 見てはいけないと散々言われたもの。

「危険なことを私達にやらせるなんて、酷い」

 芹香が誰に頷いているのか、首を縦に振っている。

「仕方ないわね。王宮を探しましょう」

 相手は王様。王宮にきっといるはずだ。

 2人は町に向かって歩き出した。

 

562:さんご ◆b57A:2013/10/22(火) 17:28 ID:F1A

「済みません、王宮の場所を知りたいのですが……」

 日本語でとりあえず言ってみる。

「あぁ、王宮ならそこを曲がって直ぐだよ」

「有難うございます!」

 浅く頭を下げた。

「日本語話せるんだ」

「そうみたいね」

 そんなことを思いながら歩いていると、王宮の前に着いている。

 金色の真新しい建物だった。


「何者だ」

 門番は槍だの鉄砲だの向けてくる。

「あぁ、許可証ありますから」

 可憐は鞄から紙を1枚取り出すと、門番は槍を引っ込めた。

「どうぞお通り下さい」

 金色の重い扉を門番が開けた。


「こんにちわ」

 手紙を片手に挨拶し、深くお辞儀をした。

「入りなさいませ」

 タキシードを着た人が出迎えた。


 カッカッ

「失礼します」

「入りなさい」

 奥から低い声が聞こえてきた。

563:さんご ◆b57A:2013/10/22(火) 17:36 ID:F1A

「こんにちわ」

「失礼します」

 また可憐達はお辞儀をした。

「手紙のことだな?それは聞いている」

「存じておりましたか。ならば話は早いです。受け取って下さい」

 1枚の茶封筒を王らしき人物に渡した。

「もう帰ろうか」

「そうだね」

 ひそひそ聞こえないようにいったつもりだが……


「貴方は魔法を信じますか?信じませんか?」

 いきなり側近が可憐に聞いて来た。

「え?」

「科学で証明できないからと言って、非科学を真っ向から否定するのはよろしくないですよ。小川可憐さん」

 側近は得意そうに言った。

「魔法は皆さんが思うような、呪文を唱えて何か出てくる……ではなく、この国では"ラッキー"即ち運のことを指すのです」

「その通りだ。ここは運を主義とする国なのだよ」

 王様も口出しして、可憐達に言い聞かそうとしている。

「どうです?1度"ラッキーコントロール"を習得してみませんか?」

「ラッキーコントロール?」

 聞き慣れない言葉に顔を見合わせた2人。

「その名の通り、運を操作するという事です」

 側近は丁寧に解説すると2人の表情を伺った。


「役に立つの?それ」

「これからHarrisに対抗するのにはいいかもしれないじゃん!」

 可憐の同意を得ずに芹香は叫んだ。

「はい!習得してみます!」

 その声を聴くと王も側近も微笑し、

「此方へどうぞ」

 と、別の部屋へ招いた。

564:さんご ◆b57A:2013/10/22(火) 17:53 ID:F1A

「で、何するんですかっ」

 心配なんて一つもなさそうな瞳に可憐は押され、しぶしぶ部屋へ向かった。

「まず両手を合わせてください。そして神に訴えます……」

 目を閉じ、手を合わせ、祈っている。

「そうやるんだ〜」

 芹香はかなり気楽にやっている。


「お祈りはできましたか?」

「はいっ」

「これで練習は終わりです」

 これだけ?

「え、これでいいんですか?」

「大事なのは気持ちを強くすることですから、特に練習などは不必要です」

 また扉を開けると可憐達を誘導した。


「これで幸運が沢山くるんだ〜」

「そうとは限らないでしょう」

 いまだに可憐は魔法なんて信じられなかった――

565:さんご ◆b57A:2013/10/22(火) 18:36 ID:F1A

「もう帰ったほうがよくない?」

「そうだね。失礼しました」

 くるっと出口側を向き、自分でドアを閉めた。


「さぁ帰るか〜」

 神はいるんだって思った。

 でも魔法なんて信じがたい――

「魔法って言わないじゃない、それじゃ」

「魔法の意味を私たちが勘違いしていただけなのかも」

 しみじみ思う芹香。

 たしかに魔法とは、パリ―ポッターだとかで見たからといって信じ込んでしまったのかもしれない。

 作者の妄想に付き合ってただけなんだ。

「確かに……」

 魔法とは呪文ではなく祈りなんだ――

566:りな:2013/10/22(火) 22:57 ID:9Fk

パリーポッター吹いたww

いやぁ、相変わらずの破天荒!(笑)
面白いから文句言えない←

567:さんご ◆b57A:2013/10/23(水) 06:46 ID:F1A

パリ―ポッターは金ロドで3週連続ですね
意外と批判されそうな部分ウケた(?)

568:さんご ◆b57A:2013/10/23(水) 07:02 ID:F1A

「どこだっけ?あの機械」

「まさか忘れたの?」

「そうじゃないけど」

 芹香は事実を曲げたが、可憐が覚えているだろうと思い、嘘をついた。

「王宮の斜め右でしょう」

「そうそう!」

 そのまま歩き、可憐の言われるがまま進むと……

「何だ、あれ」

 リスと狸が融合したような訳の分からない生き物が無理やり機械の帰る穴に減り込んでいる。

「大変だー!」

 リスたぬきを引っこ抜こうとするが、体重が重くて2人の力では引っ張れないらしい。

「あぁー遅かったか!」

 芹香の手が滑り、リスたぬきは穴へ落下した。

「穴を開けておくのが間違いだったわね」。しょうがないから後で送り返すしかないわ」

 可憐も後を追って穴に躊躇なく入り込んだ。

569:さんご ◆b57A:2013/10/23(水) 07:03 ID:F1A

パリ―ポッター×
ハリーポッター○

>>566

570:さんご ◆TiAI:2013/10/23(水) 07:07 ID:F1A

トリップが変わってますが気にせずにー

571:さんご ◆TiAI:2013/10/23(水) 07:07 ID:F1A

>>569の訂正
>>567だすみません

572:さんご ◆TiAI:2013/10/23(水) 15:28 ID:F1A

「ただいま〜!お土産だよーって……」

 王様からもらったお土産を両手に笑っていたら、騒がしい雰囲気が漂っていた。

「書類はどこだ!」

「引き出しにしまったはずでしょっ!?」

 なんだこの嫌な予感は――……

「どうかした?」

「説明してる暇はないわ!」

 琴栄に聞いてみたがなにも答えてくれない。

「何があったの……?」

 芹香と可憐は黙って顔を見合わせるだけだった。


「そういえばリス狸は?」

「あぁ、そうだった!」

 琴栄たちは気づいていないかもしれないしなぁー。話しかけたって答えてくれないだろうし。

「いいじゃない……リス狸の1匹くらい」

 可憐は呆れたが芹香は

「だめよ!小さな命が……」

 芹香は生徒会室を抜け、どこかに行ってしまった。


「なんなのよ、もう」

 可憐は途方に暮れるばかりだった。

573:さんご ◆TiAI:2013/10/23(水) 15:40 ID:F1A

「せめて何があっただけでも……ん?」

 HARRISと書かれた封書が、紅茶の横に添えてあった。

「予告状……?」

 小さい文字で綴られた手紙。


『シンデレラ城にあった短剣。もとはHARRISの聖剣だ。

 前にウイルスバスターを渡した時の契約書があるだろう。

 それを持ってシンデレラ城に来い

 逆らえば分かるだろうな。お前らの仲間を殺すことなんて

 一瞬で出来るんだからな』


「短剣を……?別にいいけどさー」

 あんなの、捨て場に困っていたくらいだ。持ってって構わないと思うが。

 あれで一体なにをするつもりだろう?

「短剣なら置いてあるけど……」

「契約書が見つからないの!」

 琴栄は必死に探し、プリントや書類が床にぶちまけられ、絨毯状態だ。

「何の為に契約書を?なくても短剣を渡すことだって……」

「目的は分からない。でも持っていかなきゃ……」

574:さんご ◆TiAI:2013/10/23(水) 16:12 ID:F1A

 あの後どこに置いたんだっけ……?

 記憶を辿ってみるが、思いつくのは無駄なことだけ。


 王宮では

「王様、祈りの力が要約貯まりましたね」

「あぁ。祈りの力でこの国を支えてきているのだからな。力がなくなれば……国もなくなるな」

 王宮の窓から、激しく波がたっていた。


「リス狸ど〜こだっ」

 芹香も奮闘している真っ最中だ。

「どこに逃げたんだー?」

 コンクリートの路地裏に毛が所々落ちているのが分かった。

「さては、ここを通ったわね……!」

 毛の跡を追いながら芹香は探していた。

575:さんご ◆TiAI:2013/10/23(水) 17:38 ID:F1A

 ガサガサ

「ぬ!?怪しい……」

 ゴミ捨て場の中から不自然な音。

 青いネットがガサガサ音を立て、三角形になった。

「さてはそこね……!」

 芹香はネットを引き上げると、案の定。

「いたいたぁ〜っ!ん?」

 リス狸の背中に妙な紙切れがあった。

「あーあー。ゴミじゃない。ん?契約書……」

 芹香が手に取ったのは契約書だ。

「大事そうだし……一応持ってようっと」

 芹香はのんきに言うと、リス狸を無理やり抱えて歩き出した。

576:さんご ◆TiAI:2013/10/23(水) 17:55 ID:F1A

「ただいまー」

「捕まえてきたの?」

 抱えているのは茶色い艶のある毛並みのリス狸。

「うん、それから契約書落し物箱にいれとくねー」

 芹香は『落し物箱』とマジックペンで書かれた、今にも切れそうなダンボール箱に入れた。

「今契約書って言わなかった!?」

 突然琴栄が歩み寄ってきたため、芹香はビックリしている。

「あぁうん……言ったけど……」

 琴栄の瞳が強くなったので慌ててダンボール箱を指差した。

「あった!コレよコレ!」

 帽子やノートの山からくしゃくしゃになった紙を引っ張り出した。

「これで助かるわ!」

可憐は琴栄から契約書を引っ手繰ると短剣と一緒に抱えて走り出した。

「大丈夫かしら……?」

「可憐ちゃんに任せよう、ね?」

 芹香は軽く琴栄の肩を叩いた。

「僕たちは無事を祈るだけだよな」

 怜雄はソファーに座り込んだ。

「ヒヨコちゃんは行かないの?」

「あぁ、足手纏いになるだけだしなってなんでヒヨコちゃんなんだよっ」

 瑠々花に続いてヒヨコちゃんは芹香も呼ぶようになった。
 
 

577:さんご ◆TiAI:2013/10/23(水) 18:00 ID:F1A

なんかクラシック聴いていたら眠くなってきました(´ω`)。о○

寝ボケているので誤字脱字があると思います。

ご了承くださいー

578:さんご ◆TiAI:2013/10/23(水) 18:10 ID:F1A

更新しましたー

裏話編 全キャラ好きな食べ物を掲載中 金曜日まで
http://cgi-games.com/abi/profile/profile.cgi
るるか♪で検索

http://chat.firebird.jp/profile/profile.cgi?mode=view&name=%81%F4%82%B3%82%F1%82%B2

579:さんご ◆TiAI:2013/10/23(水) 18:11 ID:F1A

2個目のURLはネタバレ編です

580:さんご ◆TiAI:2013/10/23(水) 19:06 ID:F1A

今日はここまでかな?

明日書きます

581:さんご ◆TiAI:2013/10/24(木) 16:36 ID:F1A

 シンデレラ城にあいつがいるはず――!

 短剣を絹漉に抱え、契約書を翻し乍ら走っている。


「着いた!」

 夕日はシンデレラ城をオレンジ色に見事に染め、緊張させる雰囲気。

「約束よ。これを渡すから殺さないで」

 契約書と短剣を差し出すと紫音は引っ手繰り、可憐を睨みつけた。

「ご苦労さんねぇー。渡すとは思わなかったわ」

 口元が笑い、可憐の緊張を誘う。

「気が変わることだってあるのよ?敵を信じるなんて。バカね」

 紫音は言い終わらないうちに短剣を可憐に向けた。

「貴方最初からそのつもりで!?」

「御名答。短剣なんてどうでもいい。貴方を殺すためよ」

 夕日の光で短剣の先はオレンジ色に反射し、可憐から10cmも満たない距離まで近づいて来た。

「騙したのね」

 可憐は短剣から遠ざかろうとし、コンクリートに足が擦られる。

「騙した?信じてたあなたが悪いわ。貴方何様のつもりよ?」

「何様ですかって?そうね……ご愁傷様よっ!」

 紫音の笑った一瞬をついて可憐は絹地を紫音の顔にかけ、視界を見えなくした。

「ちょっ、何するのよ!」

 紫音はバタバタ慌てる。

582:さんご ◆TiAI:2013/10/24(木) 16:49 ID:F1A

「今だわ!」

 すらっと短剣を紫音の手から抜くと、紫音に向けずに後ろの廃棄されたと見られる工場に放り込んだ。

「……何よ?刺さないの?」

 紫音は不満そうな顔。

「バカバカしい。刺してどうにかなるのかしら?刺したかったら勝手に1人で刺してらっしゃいよ」

 可憐は工場を指差すと苦笑しながらも軽く睨んだ。

「…………ちっ。この借りは必ず返す」

 スカートを波磔と廃棄工場に向かわず、どこかに行ってしまった。


「この借りは必ず返すですって?マンガの見過ぎじゃないかしら」

 アニメなどにありそうな台詞を口にした紫音が可笑しく思わず笑ってしまった。


 夕日はもう紫音とともにどこかへ行ったらしい――……

583:さんご ◆TiAI:2013/10/24(木) 17:40 ID:F1A

最近書ける気分じゃない…ーー

更新多いときはとことん多くて少ないときには少ない…

584:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 06:57 ID:F1A

「ただいま」

 可憐は重い表情で生徒会室のドアを閉めた。

「渡して来た?」

 そう言われると困る。目的は殺すため。心配かけたくないしなぁ……。

「うん、渡した」

「良かったー」

 みんな安心そうな顔。なんとか誤魔化せた。

「そうだ、もう一つ伝えなきゃいけないことがあるの」

 琴栄はスマートフォンのメールボックスの画面を可憐に見せた。

『明日頃新メンバー、宮織星羅と朝比奈銀河を其方に派遣する』

「新メンバー……?」

 首を傾げながら画面を見つめた。

「そうよ。宮織星羅(みやおりせいら)と朝比奈銀河(あさひなぎんが)」

 琴栄はスマートフォンの電源を切って鞄に入れるとため息を付いた。

「銀河っていい名前だよなー。俺もそんな名前が良かった」

 怜雄がどうでもいいことを言うと蓮が制した。

「怜雄、今はそういう話じゃないだろ」

「へいへい、いつもお前は緊張感を張りつめるよな」

「んだと!」

「やれるもんならやってみろ」

 怜雄と蓮の取っ組み合いなんか見ていられない、と言いたげな顔で琴栄と芹香と可憐は黙っている。


「とにかく、彼方もガタガタしてるのよ。メンバーが急にいなくなったりして」

 芹香はサイドの三つ編みを直しながら言った。

585:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 06:59 ID:F1A

〜新キャラファイル〜

宮織 星羅 Miyaori seira

DATA
Harrisの中ではテンションは高い方。

ポニーテールといつも赤色のカチューシャがトレードマーク。

好きな食べ物 紅茶

586:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 07:02 ID:F1A

〜新キャラファイル〜

朝比奈 銀河 Asahina ginga ♂

DATA
髪の毛は首までと長め。

テンションは蓮並み。

好きな食べ物 ハンバーガー


注意 蓮とキャラが被るかもしれない

587:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 07:05 ID:F1A

返事遅れてごめんなさい、*もちづき*S
宿題終わったら勉強夜なんで結構暇ですw
小説で暇つぶし
本作が初小説何でかなり駄作です
5年生の時に色々な作品を見て、6年になってやっと書きはじめましたw

588:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 07:07 ID:F1A

因みに1000まで行くつもりです。

無理だと思っていましたが案外500超えたのは意外です…w

589:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 16:13 ID:F1A

仕方ないなぁ〜チョコ
URL置いてくよ

http://ha10.net/test/read.cgi/frt/1380797112/l50

590:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 16:26 ID:F1A

 宮織星羅と朝比奈銀河ってどんな人だろう――?

 そんなことを思いながらまだ明るい帰路を歩いていた。

「少なくとも……敵……」

 なんでこんなことになったの?全て私のせい?

「風花も……関係ない人まで巻き込むなんて」

 明確に言えば自分も関係ない。

「誰よ全く」

 そのくせ理事長は詳しく話さない。

 名も知らない花や広告の旗が流れる景色。

 海に観光客は1人もいなく、ビルの明かりはぽつぽつ付きはじめる。

「とにかく、警戒を強めろってことよね」

 
 

591:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 18:25 ID:F1A

 鳥の囀りで起き、朝食を喉に詰め込み、1人で海沿いを歩きながら登校……ではなかった。

 ピンポーン

 モニター画面無機質なには芹香と琴栄の顔が映っている。

「え、なんで双美さんと綺崎さんが……?」

 そう呟きつつもドアを開ける。

「おはよー」

「おはよう」

 一方的に可憐に挨拶すると、琴栄ではなく芹香がケータイの画面を可憐に行き成り見せつけた。

「な……何よ」

 突然のあまり、動揺しながらも画面を見た。

『宮織、朝比奈のミッションは小川可憐を尾行せよ』

「……は?」

 意味が分からなかった。私を尾行?

「そういうことだから、1人じゃ危ない。学校では私たちが着いて行くわ」

 芹香は水色のケータイをパタンと閉めると、少し得意そうに笑った。

「え?」

 意味が飲み込めない可憐なんか無視して、芹香は可憐を引っ張った。


「え?ちょっと意味分かんないんだけど――!」

592:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 18:38 ID:F1A

 琴栄は周りに警戒するが、芹香は全く気にしない様子だ。

「さぁ〜着いた着いた!」

 なんだか沙織並みのテンションだなぁ……


「ちっ、付き人がいんぞ、星羅」

「喋らないで。聞こえちゃうじゃない」

「なんだよ」

 制服を着て生徒に紛れ乍ら草村に隠れる。


「でさー昨日ねー」

 芹香は一方的にテレビの話をしてくる。

「ゴメン、私ニュース以外あまりテレビ見ないのよね……」

「え〜!じゃあ今度見て見て!」

 可憐の事情も知らず、楽しそうに話している。まぁ虐待なんて事情は思いつかないだろうが。

「ラッキーコントロールの調子はどう?」

「そんな使う機会ないのよね……。抑々まだ信じてないし」

 少し頭を上に向けて言う。

593:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 18:44 ID:F1A

 周りの人はチャイムに促されるように教室まで駆け上がる。

「ギリギリセーフ!」

 可憐は芹香を置いて先に教室で教科書の準備をしていたのだ。琴栄も。


「そういえば生徒会長って3年生じゃなくてもなれるの?」

「そうみたい。学年統一テストの順位で決まるらしい」

「生徒会長だって事、いつ発表されるの?」

「実は……今日の朝会」

 今日の朝会かー

「でも小川さんは発表されないのよ」

「寧ろそのほうがいいわ。下手したら目付けられるから……」

 可憐は玲名のほうをチラッと軽く睨むと視線をすぐに黒板に向けた。

594:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 18:50 ID:F1A

 朝会。体育館に全校生徒が真っ直ぐ(所々ズレているが)並んでいる。

 芹香はステージそでで待機している。

「新生徒会メンバーを紹介します」

 赤いスーツの先生がマイクに向かって言った。

「あ、みんなだ」

 芹香、琴栄、蓮、怜雄の順にお辞儀をした。

「今年は2年が多いなー」

 男子の誰かがこっそり呟いたので、周りの人も次々首を縦に振りながら頷いた。

 言われてみれば――

 と、感心しながら舞台を見ていた。

「皆さん、新しい生徒会を宜しくお願いします」

 芹香はマイクを握ってお辞儀をまたした。

595:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 18:55 ID:F1A

 星羅と銀河は生徒に紛れ、朝会の様子を伺っていた。

「いたぞ、双美芹香と神山と綺崎」

「マスター(所長)の言う通りみたいね」

 星羅は眉を顰め、銀河は何故かニヤニヤしている。

「あら?小川可憐がいないじゃない」

「確かに、何処だ?全校生徒が集まっちゃぁー分かんねーよな」

 キョロキョロ怪しそうに探すが分からない。

「見失ったって平気よ、教室に戻れば絞り込めるんだから」

「まぁな」

 星羅と銀河は体育館から抜け出すと、教室に極小カメラを設置した。

596:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 19:03 ID:F1A

 そんなことは知らずに呑気に喋っている芹香。

「今日のテスト範囲ってどこかなー」

 教科書をパラパラ捲っている。

「テスト範囲は多分55ページから66ページまでよ」

「なんで分かるの!?」

「前回のテストが54ページまでだったから」

 普通に考えればそうだ。

「そっかー、じゃあ復習かな」

 楽しそうに話す芹香。カメラが設置してあるとは知らずに。

597:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 19:21 ID:F1A

 その日は会議もなく平和――ではなかった。

「視線を感じる……」

 芹香の一言で飛び上がった星羅と銀河。

「な……よくわかったな!」

 銀河が苦戦しているように言った。

「……あなた誰?」

 芹香は銀河に面識はない。

「誰って、俺は朝比奈銀河だよ!」

「折角知らなかったのにぃ〜!」

「じゃああなたは宮織星羅?」

 芹香は指差すとヒステリックに星羅が怒鳴った。

「はぁ?気安く呼ばないで!そうよ、それが何っ」

 自分が何をしたかもわからない感じだ。

「自分がなにしたか分かってる!?」

「尾行」

「分かってるんだ……」

 あっさり銀河が答えてしまったので突っ込みどころがなくなった芹香。

598:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 19:22 ID:F1A

銀河も星羅も星をモチーフにした名前です。

本当は紫音も星音にしたかったけど被る…ということで

名前変更しましたw

599:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 19:24 ID:F1A

何様?と言われたら
御愁傷様と答えましょうw

600:さんご ◆TiAI:2013/10/25(金) 19:24 ID:F1A

所で皆さんは蓮派ですか?怜雄派ですか?

投票しますw

私はう〜ん…どちらでもないなぁー

601:りな:2013/10/25(金) 21:13 ID:9Fk

600おめ!

>>599
勉強になりますw

>>600
うちはー……ヒヨコ派w

602:さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 07:20 ID:F1A

「もういい、尾行はお仕舞だ。住所も暗記したからなっ」

 銀河はつむじの部分をポンポン叩きながら自慢してくる。

「引き上げる?」

「あぁ」

「ちょっとまってよ!」

 芹香が2人を引き留めようとする。

「待たねーよ」

 銀河は振り向きもせずに冷たい声で言った。


 生徒会室にもやもやした気持ちで行った。

「なんでCLOCKっていうと思う?」

 突然琴栄が聞いて来た。

「さぁ?」

「これ見て」

 琴栄は1枚のサイン色紙を可憐に渡した。

603:さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 07:41 ID:F1A


 C= CAmaraderie 友情

 L= lasting  永遠に 

 О=  Objective 目標

 C= capable 有能

 K= kind 優しい』

「そうだったんだ……」

 CLOCKって時間って意味だと思った。

「HARRISは?」

「さぁねー……それさえ分かればなぁ」 

 琴栄はため息交じりに苦笑した。

604:さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 07:43 ID:F1A

>>601

勉強…w!別に役立つ知識ではないでぶ!

ヒヨコというと怜雄ですねw

605:さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 07:43 ID:F1A

今日は風邪で休みなんで大量に更新しますw

誤字脱字もその分大量に))殴

606:さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 08:44 ID:F1A

 HARRIS――聞き覚えがあるようなー

 その言葉が脳内で渦回ってる。

「ただいま」

 いう相手なんていないのに言っている。

「ニュース雑誌か」

 チラッと雑誌を眺める。

「ん?」

 大きな広告。

「貿易会社Harris……HARRIS!?」

 雑誌一面を占める程の大きな広告。

「そういえば貿易会社って言ってたかしら?じゃあ会長が誰だか突き止めれば……!」

 可憐は雑誌を捨て、スマートフォンを手に取った。

607:さんご:2013/10/28(月) 10:36 ID:F1A

 プープー……

 まずは芹香にかけてみることにした。

 長い呼び出し音。

『もしもし?』

「双美さん!」

『可憐ちゃん、どうしたの?そんなあせって」

 芹香は呑気そうにポテトチップスを頬張っている。電話の向こうからバリバリ音が鳴る。

「HARRISの正体が突き止められそう……!」

『うぐっ』

 飲み物を咽てしまったのか、慌てている様子だった。

『それ、本当?』

「疑うなんて酷いわ。広告に貿易会社HARRISがあったもの」

『今すぐググって!』

「グ……ググる?」

 意味の分からない単語を最後に聞き、電話を切られてしまった。

「なんだ……ググるって……」

608:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 10:45 ID:F1A

 ググるの意味をwiciで調べてみた。

「グーグルで調べる、検索する……」

 あぁ、そういう事か。

 早速"ググって"みた。

「貿易会社Harris会長、と」

 うちキーワードはこんなものでいいかしら?

 ずらっと出る検索結果。1番上のを押してみる。

「え……」

 HARRISは会長を公開していないらしい。

「あと一歩なんだから!」

 遠い一歩。

 でもこれはヒントになる。

 皆に伝えておかなきゃ――
 

609:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 10:53 ID:F1A

 直接基地に乗り込む?

 でもなぁー……

 ポケーッとフローリングを拭きながら上の空。

「何ぼんやりしてるの!早く済ませなさい。バイオリンのレッスンもあるんだから」

 楽譜をひらひらさせながらそっぽを向く母。

「済みません」

 何分だっただろうか。

 ずっと頭を下げたままだ。

「風花に会いに行く……」

 決心した。明日会いに行く。個人として――

610:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 11:03 ID:F1A

「ここだ……」

 海の展望台の真横のベンチ。

「風花、居る?」

 蓋を半開きにしながら、なるべく小さな声で言った。

「また来たの?」

「えぇ。でもエースクイーンとしてじゃなくて……個人として来たわ」

 その言葉が分からないのか、首をかしげたまま。

「銀河も紫音も海斗も星羅もいないわ。話だけなら聞いておく」

 可憐を招いて、スマートフォンをいじっている。

「海斗君……死んだはずじゃないの?」

 単刀直入に話した。

「そうよ。海斗の髪の毛から作った、コピーらしいわ。記憶がないのも当たり前……」

 後のほうは聞取れないくらいの声で独り言のようだ。

「コピー……か」

 どおりで記憶がないはずだわ。

「大目玉喰らっちゃうから、もう出てってくれる?」

「あ、うんごめん」

 怒っているというより、不安な表情の風花に違和感を感じた。

611:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 11:11 ID:F1A

 そういえば私って1度だけ、記憶喪失になったんだっけ――

 記憶は一部しか取り戻せなかった。

「記憶がないのも当たり前……」

 風花の言った言葉。あれが記憶を甦らそうとしている。

「なんだったかしら?」

 自分のSDカード級の記憶力揚力から検索している。

 記憶が消された分、覚えられる容量も多い。


「……あっ!」

 そうだっ、元々風花と海斗は……付き合ってたんだ!

 それで性格の豹変した海斗に別れを告げたんだ……風花が。

「思い出した!だから記憶が無いのも当たり前って落ち込んで……!」

 性格が豹変したのは私と山口さんを監禁した時……時が重なるはず!

「ピンと来たわ。記憶が戻って来た」

 記憶の欠けたピースは元の位置に戻った。

612:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 12:04 ID:F1A

 大事な子と話すから喫茶店ROSEに来て。

「っと」

 メールを一斉送信し、ROSEの窓際にあるカウンター席に座った。


「来たよ〜」

 芹香が一番乗りで可憐の横の席に座った。

「大事なことがあるの。みんなが来たらいうから」

 真剣な眼差し。

「そ……そう」

 動揺しながら小さく頷く芹香。

 あまりの可憐の眼差しにひいていたんだろう。


 10分後

「みんな揃った?」

 それぞれの顔を見た。

「話って?」

 琴栄が口火を切った。

「Harrisは貿易会社の会長。それで正体を隠してるの。パソコンで検索しても出ないの」

「貿易会社の会長ってことは分かったんだけど、会社名までは分からなかったな」

「僕もハッキングしてみたけど全く分からなかったんだ」

 蓮と怜雄が同時に首を縦に振った。

「それでもう1つ。今まで黙ってたんだけど……水上風花ね」

 今朝の出来事を整理しながら続けた。

「風花の目的はCLOCK撲滅ではなく、亡くなった母の作ったプログラムの完成。雑用になる代わりに完成させて貰えるんですって」

「そうだったの?じゃあ無理やり縛られて……」

 そのあとが紡げない芹香。

「それから騎士君。海斗君はどうやら髪の毛から作ったコピー。記憶なんてあるはずない」

「そうだったんだ……」

 ため息を付きながらもホッとした様子。

「そのことだけ伝えておく」

613:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 12:10 ID:F1A

「この後『爆怒鳴る弩』に行く?」

「なにそれ……」

 いかにも怒っているような名前。

「バクドナルドって言うんだけど、正式名『爆怒鳴る弩』!今人気のファストフード店で激辛ハンバーガーが人気なんだよね〜」

 芹香と何故か琴栄が笑いながらああだこうだ言ってる。

「あぁそう……」

 話についていけない可憐は、ただただ頷くだけだった。


 仕方なく着いていくことにした。

「マスターこんにちわっ!」

 常連客なのか、店長に馴れ馴れしい態度で接する芹香に呆れた。

「やぁいらっしゃい。そういえば1週間前からその席でずっといる人がいてさぁ」

 指差す席にはハンバーガーを頬張る……銀河だった。

「よぉ〜……」

 脅えた声で言うと、顔が青ざめていくのが分かる。

「こんなやつ相手にしてたなんて……」

 当然みんな気分を悪くした。

614:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 14:02 ID:F1A

 気分を悪くしたせいか、ハンバーガーの味もよく分からなかった。


「呆れたよー」

「まぁ人にも趣味ってものが……」

 琴栄が窘める。

「今日のところ帰る」

 ムキになった芹香がプンプンコンクリートを踏んでいく。


「じゃあ」

 芹香は海沿いの海岸を歩いていき、琴栄は国道を歩いて行った。

「うん」

 手は振らなかったが軽く返事をし、可憐はビルの並ぶ道へと消えていった。

615:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 14:35 ID:F1A

 記憶を思い出すキーワード……

 それはなくした記憶の分だけある。

「はぁ……思い出したくないこともあるのよね……」

 嫌なことだけ残って、楽しかった事は全て消えた。

「ピアノのレッスンの前に掃除かぁ」

 モップを持ち、『ルンパ』のスイッチを付けると大きくため息を付いた。


 記憶喪失になったのは1年前―――……

 ある薬の副作用から起こったものだった。

 その薬は覚えていないが、飲んで眩暈がし、病院に運ばれ、数か月かけて徐々に取り戻した記憶。

「たしか……あぁ思い出せない!」

 記憶の価値はなににも当て嵌められないもの。

 
 14年の記憶を清算するための副作用。

 それが『記憶喪失』―――……
 

616:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 14:49 ID:F1A

 可憐は翌日また風花を訪ねた。

 公園ではなく、ROSEで。

「正直、蘇って欲しくなんかなかったわ。元と同じ人でもないし、どうせ生き返ったって、ほんの僅かな時間しかない」

 俯き、ため息。

「本人が生き返ることを望んでいなかったとしたら……」

 天国で楽しくやっている?そんなんだったら辛い。

「蘇るっていうの?別人なんだから」

「海斗は自分の欲で死んだのよ?そんなんで罪を……」

 最後は口パクで言うのをためらっている。

「死因が分かったの?」

「えぇ。騎士さんに個人的に言われたわ。もう死んだって」

 騎士君は……

 騎士君はどう思うんだろう――……

617:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 16:47 ID:F1A

 Harrisの方では

「所長ー……この間の任されたものです」

 風花は16GB程のSDカードを渡すと、所長の手に傷があった。深い傷……。

「この傷……」

 思わず震える風花。

「分かったか……」

 所長は苦笑しつつもため息を付き、そして風花を睨んだ。

「この傷は……お母さんを殺した……」

 言葉が言い出せない。恐怖心と怒りで。

「あぁ、あの時お前の母親を殺した……強盗犯だよ!」

「!!」

 嘲り笑うような不気味な笑み。

「なんで……っ!」

 自分の太ももを叩いた。

「お前の母親の作るプログラムはさっぱりだ。中止だな」

「話が違うじゃない!私が雑用になれば完成するんじゃなかったの!?」

「知ったこっちゃねぇな」

 所長は風花を追いやるとソファーに座った。

618:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 16:50 ID:F1A

CLOCKの由来の英語>>603
間違っていたら言ってください
胡乱覚えで…w ^^;

619:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 19:20 ID:F1A

今日はここまで

最高記録18レス…!

620:さすらい ◆xEr6:2013/10/28(月) 19:21 ID:1pE

お疲れ様ですー

621:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 19:27 ID:F1A

さす兄さんもお疲れ様です^^つ

kido先生も小説頑張って下さいねー

622:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 19:48 ID:F1A

>>621といいつつもあと1レスw
・゜・*:.。..。.:*・゜・*:.。..。.:*・゜・*:.。..。.:*・゜・*:.。..。.:*

「そんな……裏切ってただなんて……っ!」

 涙が収まらないのも無理はない。何しろ裏切られたのだから……

「……っ!」

 言葉にできない、どこへも追い遣れないこの怒り。


「どうしたの」

 背中からくる声は……芹香だった。

「え、あぁっ」

 芹香は風花の座っている花壇の上に乗り、仁王立ちしている。

 風花は泣き顔を見られたのが恥ずかしいのか、芹香から視線を反らした。

「可憐のほうが良かった?」

「……え?」

 なんで可憐と関わり合いがあるのを知っているの――?とでも言いたげな顔で。

「裏切られたんでしょ?丁度公園を通りかかったら声が聞こえてさぁ〜。可憐から聞いた。友達なんでしょ?」

 やれやれという感じでため息を付く芹香。

「もう居場所なんてないのよ。信じたくない。いや、信じられなくなったのよ、私」

「1人が裏切ったからって、この世のすべての人が悪いように思うなんて違うわ!元々あいつは悪い奴だしっ」

 何が言いたいのか、大きく両手を広げる芹香に少し笑った風花。

「でも、雑用から解放された。それに裏切られた時の気持ちが分かった。可憐を裏切ったのは悪かった……」

 少し言うだけで涙が出る。笑おうとするともっと涙。

 だから無理に笑わなかった。

「CLOCK基地に来なよ、落ち着くまで」

 涙で濡れた手を芹香は引っ張って行った。

623:♪さんご ◆TiAI:2013/10/28(月) 19:49 ID:F1A

>>622初めて芹香が大人に見えたレス……w

624:りな:2013/10/28(月) 21:55 ID:9Fk

>>622
芹香に感動(;▽;)

625:♪さんご ◆TiAI:2013/10/29(火) 16:28 ID:F1A

>>624か……感動ですかっ

芹香もたまにはいいこと言うねw
    ̄ ̄ ̄ ̄

626:♪さんご ◆TiAI:2013/10/29(火) 17:52 ID:F1A

「みんないる?」

 芹香は慎重にドアをゆっくり開けた。

「どうしたの?あ、風花!」

「…………」

 風花は黙ったまま、涙を流す。

「とりあえず、ほら、お茶!」

「えぇ、あ、はい」

 芹香が琴栄を促し、騎士も蓮も怜雄も黙っている。

 書類にハンコを押す蓮の手も止まった。

「とりあえず、落ち着くまで座っててよ」

 椅子に座らせると風花は声を上げるのをやめ、吃逆をしながら話した。

「裏切られた。ただそれだけ……組織から追い出されたの。もう……もう……」
 
 ポケットからハンカチを取り出すと、乱暴に拭った。

「へ?」

 みんな何が何だか理解出来ない。そもそも追い出された理由が。

「一から話す。私は母が研究員だったの。あるデータの研究をしていた。そんな時ある日突然――」

 思い出すと拭った涙より多くの涙が溢れ返る。

「強盗に殺されたの。その強盗が……」

「強盗が?」

「Harrisの所長だったの。手の傷。全く同じだった」

「!?」

 ガチャーンッ

 琴栄の手から、ティーカップが滑り落ちた。

627:♪さんご ◆TiAI:2013/10/29(火) 18:12 ID:F1A

「済みません!」

 急いで雑巾で床を慌ただしく拭く琴栄。

「それで問い詰めたわ。その末、追い出されてこの様よ」

 ハンカチを床に軽く投げる。

「ねぇ、風花。聞いてい良い?」

 本を読みながら話を聞く可憐の視線が、本から風花へ移った。

「何?」

「Harrisの所長って……誰?知ってること、全部話してくれる?どうせもう仲間じゃないんでしょ?復習したいんでしょ?」

 その言葉に風花は軽く頷く。

「所長の正体は誰も知らないのよ。いつもどこにいるかも、名前すら名乗らないのよ」

「え……じゃあ、CLOCKと対立する理由も?」

「理由は聞いたことある。誰だったかしら……昔の仲間とケンカしてとか」

「喧嘩が理由でこんなことになったわけ!?」

 呆れてものが言えない芹香は、怒りと悲しみを混じらせた顔だった。

628:♪さんご ◆TiAI:2013/10/29(火) 18:13 ID:F1A

番外編をそろそろはさみたいと思います^^

629:♪さんご ◆TiAI:2013/10/29(火) 18:27 ID:F1A

「今日はもう帰るよ。ちょっと落ち着いた」

 風花はハンカチをつまみあげると、ドアのほうへ向かった。

「ちょぉ〜っと待ってぇ〜っ!」

 風花を芹香が無理やり引き留めた。

「最近、南条瑠々花がいなくなって空きがあるじゃん?みんなどう?」

 ニヤッとしながら、CLOCKメンバー全員を順に見た。

「……いいんじゃない?」

「理事長に許可取る?」

 口々に言う。

「……え?」

 突っ立ったままの風花は逃げ出しそうになった。

「どう?復習のついでにCLOCKに入ったら?」

「…………」

 風花は芹香を驚きながら見ている。

「理事長の許可が取れれば……だけどね」

 芹香は驚く風花の緊張を解こうと笑っている。

「でも……私はHarrisの元メンバーよ!?そんな奴が今更助けを求めて入ろうなんて……っ!」

 ハンカチをまた床に落とす。

 それぞれの表情は笑っている。

「いいの。心が浄化されたんだったら」

 芹香はハンカチを拾うと、風花に渡した。


 1分の沈黙。緊張の糸が張りつめられているかのよう。

「……理事長?がいいって言ったらいい」

 そっぽを向きながら恥ずかしそうに言った。

「よっしゃぁ〜っ!」

 ガッツポーズで飛び上がる芹香に風花は又もや苦笑する。


 響き渡る鴎の囀りと波の音――……

 まるで風花を祝福する歓声のように――……

630:♪さんご ◆TiAI:2013/10/29(火) 18:28 ID:F1A

<第7章完>

631:♪さんご ◆TiAI:2013/10/29(火) 18:34 ID:F1A

瑠々花が出て、脱退し、風花が入ったところで7章終了!

瑠々花の出番が少ない…w


番外編予告
【コチラ逆襲委員会!?】

風花はCLOCKに入るとともに、清月学園に入学。

所属委員は学習委員会。

主に先生の手伝い、宿題提出チェック…

しかしその裏は……!


ネタ事情により、変更する場合がございます。

632:♪さんご ◆TiAI:2013/10/29(火) 18:47 ID:F1A

番外編 〜コチラ逆襲委員会!?〜

「こんにちわー。学習委員会新メンバーの、水上風花です」

 学習委員会に入った理由は数日前――


「CLOCKに入るなら当然、清月学園に入ること!」
 
 理事長はネクタイを直しながら言った。

「構いませんが」

「因みに学習委員会の人数がガラ空きなんだよ。そこに所属してもらうが」

「えぇ」

 あっさり返事をする。別にそんなのどうでもいいし。


 そして"今"になったわけだが――……

「学習委員会、別名逆襲委員会とも呼ぶ。まぁ、簡単な仕事だ。この書類に記入してくれ」

 委員長の神崎杞憂(かみざき きゆう)が、何十枚の書類を渡して来た。

「え?今逆襲委員会って……」

「あぁ、ここは逆襲委員会という裏での活動をしている。依頼者は今年で100人越えだ!」

 人差し指を上に向け、仁王立ちする神崎。

「そんなの聞いてませんけどっ!?」

「聞いてなくて当たり前だ。非公認で理事長も知らない。"裏"って言ったろ?裏って」

 書類を風花に押し付け、トランプを弄る神崎。

 これじゃあ人数ガラ空きなのも当然……

 
 はぁ?意味分からないんですけどっ!?

 何この委員会――!?

633:♪さんご ◆TiAI:2013/10/29(火) 18:52 ID:F1A

 学習委員会ならぬ逆襲委員会。なんなのよ

 帰り道、ため息を付きながら怒っている。

「あんなのチクったら……ん?逆襲……」

 所長……いや、馬鹿野郎にも逆襲できるってこと!?

「でもなぁー」

 その人まで巻き込むのも良くないし……お母さんも逆襲を他人にしてもらうなんて、望んでないだろうし。

「こんな委員会あるんだ」
 
 聞いたことない。もじっただけ?

 ぎゃくしゅうとがくしゅうを。

「まぁいいや。面白そう……だし」

 ポジティブに考えよう。うん。


 浜辺のスコップが倒れる。

 薄暗い灰色の雲は、積み重なり、入道雲のように渦巻いていった。

634:♪さんご ◆TiAI:2013/10/29(火) 19:02 ID:F1A

今日はここまでです♪

明日番外編の続き、出来たら8章突入ですね^^

635:りな:2013/10/29(火) 20:03 ID:9Fk

8章も楽しみにしてるぜ

636:♪さんご ◆TiAI:2013/10/30(水) 06:36 ID:F1A

りな様が楽しみにしてる…!?Σ(゚Д゚)

637:♪さんご ◆TiAI:2013/10/30(水) 06:44 ID:F1A

「おはよう」

 教室のドアを開けた瞬間……

「さぁ、このプリントの丸付けを」

「は?」

 杞憂がプリントを風花に自慢するかのように見せつけてきた。

「学習委員会の仕事だろう?」

「……はぁ」

 戸惑いながらもプリントを受け取る。

「委員長、でもこんな逆襲委員会なんて、誰かにチクられたら……」

「安心しろ。案外人気でチクったやつは大勢から嫌われるんだ」

「…………」

 逆襲なんてよくないと思うけど……

 でも本当に酷い目あってみれば逆襲なんてやりたくなるんだ。

638:♪さんご ◆TiAI:2013/10/30(水) 06:57 ID:F1A

 今日も1人の少女の依頼を受け持つことになった。

 "今日も"じゃ可笑しいか。今日は。

 名前は保志夢愛(ほしゆあ)と名乗る。

「誰に復習か……復習の理由を」

「美月琥珀(みづきこはく)です。理由は散々いじめられたからです」

 ボールペンをカチッとならし、メモ帳に書き込む。

 ……で?作戦を立てろと?

「何年何組?」

「1年B組です」

「分かった。どういう逆襲がしたい?」

 机をくるっと回しながら言った。

「もういじめないように……です」

 彼女は海のほうを眺めながら静かに言った。

「分かりました。では作戦……どういう風に逆襲するか」

「彼女をいじめる作戦です。他の人もいじめられていて、私が代表で依頼しました。数人数でいじめます」

 彼女はいきなり立ち上がった。

639:♪さんご ◆TiAI:2013/10/30(水) 07:00 ID:F1A

最近風花視点多いなぁー

640:♪さんご ◆IZcg:2013/10/30(水) 07:16 ID:F1A

トリップしょっちゅう変わる…

ここはIDがあるから分かるとおもうけど

641:♪さんご ◆iAoc:2013/10/30(水) 15:43 ID:F1A

 実行開始!……?

「とりあえず1年B組行くかー」

 渡されたプリントを忘れ、放置した。


「誰が 美月ってヤツ?」

「真ん中の席……あの人です」

 保志さんのいう"仲間"を呼んで作戦を立てる。

 でもその前にどういう事が弱点なのか、タイミングなどを狙うために尾行する。

 Harrisで訓練したため、結構尾行はお手の物。

「まずは尾行からと行きましょうかっ」

 ニヤリとした表情で言う。

 
 とっととこーゆーのは……終わらせなくっちゃね!

642:♪さんご ◆iAoc:2013/10/30(水) 16:06 ID:F1A

「あたしってぇ〜、算数苦手でぇ〜っ。あははははっ」

 ピク!

 算数が苦手だって!?弱み見つけた!

 早速メモに書き込んだ。薄い字で。

「弱みは見つけたわ。あとは貴方と仲間で打ち合わせ!」


 その日の放課後……

「いい?彼女に、『この問題分からないんですけど』っていう。そして出来なかったらバカにするの」

「出来たら?」

「自慢?とか言ってバカにする」

「分かった、それでいこう!」

 約5人程いじめられて、逆襲委員会に頼っている。

643:りな:2013/10/30(水) 19:10 ID:9Fk

>>636
様なんて付けやんといてよ(笑)
8章は風花ちゃん活躍とかするんかな……?あと、紫音も←風花ちゃんと紫音ちゃん大好きなんでww

644:♪さんご ◆iAoc:2013/10/30(水) 19:11 ID:F1A

書ける気分じゃ……ない

今日は更新少なかったです

645:♪さんご ◆iAoc:2013/10/30(水) 19:13 ID:F1A

りなs>風花も活躍します!

騎士と海斗の対決も書きたかったなぁ〜

紫音×可憐もいつか(終わりごろ)やります

P.sネタバレ

646:りな:2013/10/30(水) 21:47 ID:9Fk

>>645
おっおお!
風花ちゃんの活躍楽しみにしとる!

紫音と可憐はなんか因縁ありそーw

647:♪さんご ◆iAoc:2013/10/31(木) 06:43 ID:F1A

ありがとうございます^^

648:♪さんご ◆iAoc:2013/10/31(木) 06:50 ID:F1A

作戦実行開始!


「あのー……ここの問題分からないんですけど……教えて頂けませんか」

「いいわよーこの天才にお任せ〜」

ゲラゲラ笑っている。いつものことだけど。

「……わっかんない、自分で考えなよ」

夢愛に言いつけると、ノートを投げつけた。


「へぇ〜、それくらいも教えられないんだぁー、"天才"って言ってたのに〜」

「バカじゃん」

間に合わせ、その他4人を入れ、推敲。

「……っ」

反論できず、黙り込む琥珀。

「もういじめないで。分かったんだったら」

5人で言うと、琥珀は睨みながらも悔やんだ。


逆襲は悪いこと――

でも逆襲の意味。

相手にもう悪いことをさせない。それが逆襲なんじゃないのかな?

「一件落着……じゃなかった」


今日も明日も――

数えきれない憎しみをたたえた依頼が舞い込む――

649:♪さんご ◆iAoc:2013/10/31(木) 06:58 ID:F1A

<第8章> 〜インフィニティードリーム〜

ミラクル帝国のリス狸の戻し方が分からない。

それは5日前――


「リス狸ちゃんを戻すよー」

芹香は無理やり尻尾をつかむ。

「駄目です、機会に触れないで下さい!」

なぜか琴栄が慌ててリス狸を機械から遠ざけた。

「な……どうして」

「機会が壊れているんです、修理中です!いま入ると、みんな粉々になりますっ!」

「うぇ〜っ!?」

芹香は目にも見えない速さで、機械から遠ざかった。震えながら。

「いつ直るの?」

可憐が本を読みながら、呆れていった。

「あと10日は最低でもかかります」

「じゃあその時までリス狸ちゃんは預かっておこうっか」

芹香は尻尾をなでると笑った。


ということだったが――……

650:♪さんご ◆iAoc:2013/10/31(木) 07:07 ID:F1A

リス狸イメージ画像

http://ord.yahoo.co.jp/o/image/SIG=13c11jj1g/EXP=1383257169;_ylt=A3JuNIXQgnFSuCAAUyqU3uV7;_ylu=X3oDMTAyN3Vldmc1BDAD;_ylc=X3IDMgRmc3QDMQRpZHgDMQRvaWQDYnV6ejZjY1VWSU9BemFmMEkEcAM0NE9CNDRLbjQ0SzM0NE9qNTR5cgRwb3MDMQRzZWMDc2h3BHNsawNzZnN0/*-http%3A//img5.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/f6/7c/suumar1992/folder/844331/img_844331_17608618_2

チヤシャ猫じゃんww

もうちょっと顔がリスみたいな感じなんだけど……

651:♪さんご ◆iAoc:2013/10/31(木) 07:09 ID:F1A

>>650失敗

チヤシャ猫ってなんだ…wチェシャ猫ねw

http://ord.yahoo.co.jp/o/image/SIG=13adiu26g/EXP=1383257296;_ylt=A3JvcopPg3FSAW8AaDSU3uV7;_ylu=X3oDMTAyN3Vldmc1BDAD;_ylc=X3IDMgRmc3QDMQRpZHgDMQRvaWQDYnV6ejEzQnVlczRxbzdQbjJlBHADNDRPQjQ0S240NEszNDRPajU0eXIEcG9zAzIEc2VjA3NodwRzbGsDc2ZzdA--/*-http%3A//img5.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/c9/00/mikan247/folder/937103/img_937103_15372865_4

652:♪さんご ◆iAoc:2013/10/31(木) 07:10 ID:F1A

見なくてもいいよーって人はスルー

見たい人は下の行までコピーして、URL検索欄に貼り付けてみてください

653:りな:2013/10/31(木) 15:43 ID:9Fk

サイト出てこない(;ω;)

654:匿名さん:2013/10/31(木) 16:12 ID:tqE

今学校ではやってます!

頑張ってください!

655:匿名さん:2013/10/31(木) 16:14 ID:tqE

http://ha10.net/test/read.cgi/frt/1383203576/

ファンクラブ

656:匿名さん:2013/10/31(木) 16:32 ID:tqE

来てください!

657:♪さんご ◆iAoc:2013/10/31(木) 17:27 ID:F1A

ぇええええ!?

学校ではやってry...))

ファンクラブ行ってみますね

658:♪さんご ◆iAoc:2013/10/31(木) 17:30 ID:F1A

ハロウィン! 台本書きでいきますw

芹香「トリックオアトリート!先生っ」

音色「あら?今日はハロウィンね。じゃあ、はい、これ」

芹香「……え?」

音色「宿題よ」

芹香「ぎゃあぁぁっ」

659:♪さんご ◆iAoc:2013/10/31(木) 17:49 ID:F1A

だが――……

「ダメ!ちゃんと最後まで見送んなくっちゃ!」

芹香が可憐に怒った。

「つまり……それは私にミラクル帝国へ一緒に行け……と?」

「そういうこと」

満足そうに頷くと、首をゆっくり縦に振った。

「仕方ないなぁ」

「お土産もね!」

「芹香!」

「はい……」

お土産の問題どころじゃないのにな。


「ということで……とうとう10日経ちました……」

さぁ、ミラクル帝国へ行って危険な目にあえだとさ。

リス狸もみんなに触られ、無様な有様。

「ミラクル帝国へ行っておいて来ればいいのね?」

「うん」


みんなに別れ(死ぬかも10%の確率で)を告げると、面倒そうに穴へ入った。

660:♪さんご ◆iAoc:2013/10/31(木) 18:01 ID:F1A

「っと」

着陸の体制は崩れたが、助かった。

「さてと……置いてけばいいのよね……って、あぁっ」

可憐のいつもつけている腕輪を引っ手繰ったリス狸はすぐさま王宮のほうへ駆け出す。

「あれはお婆ちゃんの形見!まてー」

あれは絶対になくしちゃいけない!

「ちょっと……」

なんでよー、私が来ると何か事件が起こる。

もう嫌だ……!


「ここって……」

リス狸が止まったのは王宮。腕輪を加えたまま突っ立って、可憐のほうを見た。

「な……なによ、早く返して」

リス狸に手を伸ばした瞬間……


「可憐さん!」

聞き覚えのある、深く高い声。

「貴方は……」

「王の側近でございます。王がお伺いしたいと仰っていまして」

「私を?」

「はい。相談が」

一瞬戸惑った。リス狸は、芝生の上に腕輪を置くと、恐縮したように首をひっこめた。

それを拾うと首を縦に振った。

「分かりました」

661:♪さんご ◆iAoc:2013/10/31(木) 18:09 ID:F1A

無様な有様ってどうかと思う……

 自分で書いた文なのにw

662:♪さんご ◆iAoc:2013/11/01(金) 16:35 ID:F1A

「そこに腰かけてくれたまえ」

可憐は言われるがままに、宝箱の横の椅子に座った。

「それで……なんでしょう?」

話は聞いたものの、早く帰りたい気分だった。

「ここの国は祈りの力で支えてきた……近年祈りの力が、何者かによって、吸い取られている」

勝手に1人でうなずいている王。

「君に招待を突き止めてほしい。何故なら……君の先祖しか止められないのだからな……」

王は後のほうを小さく、かつ部屋の隅まで聞こえる声で言った。

私の先祖がまたなにか……やらかしたの―――?

「私の先祖?」

ため息をつきながらうんざり。

「君の先祖はこの国王の血が流れている。だがなんらかの関係で、君に渡ったらしい。私は義理の王だからな……止めることは難しい」

自分の中に流れる血がこの王国のもの?嘘つけ、だって私は……


そうだ、自分の母は、本当の母じゃない……じゃあ、本当のお母さんは……?

663:♪さんご ◆iAoc:2013/11/01(金) 16:36 ID:F1A

招待×
正体

変換ミス乙...

664:♪さんご ◆iAoc:2013/11/01(金) 16:45 ID:F1A

お母さんもここに来たの――?

「でも、なんで国王の先祖ではないと、救うことができないのですか?いえ、そういう問題より、何故私が先祖だって……」

「それだ」

可憐が言い終わらないうちに国王は指差す。まっすぐに。

「これは……」

リス狸に奪われた、あのブレスレット。

サファイア、オパール、エメラルドアクアオーラクリスタル、……

全て違う種類の石が、1粒ずつ連なっている。

「国王しか嵌められない。君が持っているなんて驚愕だ」

665:♪さんご ◆iAoc:2013/11/01(金) 18:24 ID:F1A

「でも、だからといって国王以外救えないなんて……」

「それには理由がある」

王は厳しい口調で言った。

「王の血が流れる者にしか扱えないその腕輪。腕輪を青銅の像に嵌め込むんだ」

庭にある、丸いくぼみの入った石堂。

意味が飲み込めない可憐は黙っている。

「つまり、そのブレスレットを嵌め込むのです」

側近が静かに言う。

「腕輪は他の者が触ってはならぬからな……嵌め込むと正体……力を吸い込む正体が分かるのだ」

「それから聖剣も必要ですね」

ぽつりと側近が呟く。

「え?」


聖剣って―――……

666:♪さんご ◆iAoc:2013/11/01(金) 18:30 ID:F1A

〜可憐のブレスレットのデザイン参考〜

エメラルド→ローズクォーツ→アクアオーラクリスタル→カヤナイト→アーゲート

→オパール→ガーネット→ルビー→サファイア→ターコイズ→トルマリン→ガーデンクォーツ

さすが王の物であって、宝石が紛れ込む……

全てパワーストーンのデザイン設定。

667:♪さんご ◆iAoc:2013/11/01(金) 18:41 ID:F1A

「聖剣って……?」

まさかとは思うが――

「ゼウスの聖剣……ですね」

側近がまたもや誰に向かってか、呟く。

「ふぅ、ゼウスね」

なんか安心した。ウラノスのじゃないんだ。あの時工場へ追いやって回収して廃棄したもの。

「最高神ゼウスの聖剣は王家しか扱えません。お願いします、可憐さん!」

必死になって頼むのも無理はない。

もう……慣れてきた。

「いいですよ……」

ため息交じりに言い、疲れた表情を見せた。

「そうですか!」

「で、その聖剣はどこへ?」

「…………」

突然、王と側近から笑顔が消え、黙り込んでいる。

分かった。これは―――

「分からないんですよね?在処が」

「御尤もです……」

恐縮しながら謝っている。

「探して下さい、頼みます!」

「はいはい」

668:♪さんご ◆iAoc:2013/11/01(金) 18:48 ID:F1A

また厄介――

なんで?どうして?

全ての問題は分かるのに、初めて見つからない答え。

私が来ると何かしらある。国を救え?天皇助けろ?タイムスリップしろ?

ふざけんな、こっちだって真剣なんだ。

「王なんてありえない、誰が信じるか」

虐待にあうわ、いじめられるわ、ひどい目になるわ。

憂鬱どころじゃない。



王と天皇とCLOCKのせいで私の人生めちゃくちゃよ!

669:♪さんご ◆iAoc:2013/11/01(金) 18:51 ID:F1A

今日はここまで〜

月曜まで更新できません

火曜日は校外楽手なんで更新厳しいかなー

できたら更新します

670:♪さんご ◆iAoc:2013/11/01(金) 18:51 ID:F1A

校外楽手×
校外学習

誤字脱字多すぎ……

671:♪さんご ◆iAoc:2013/11/01(金) 19:54 ID:F1A

8章のインフィニティードリーム

意味が分かった人はすごい…←作者がバカだから分かりづらいと思う

672:りな:2013/11/01(金) 23:13 ID:9Fk

>>671
直訳するなら、無限の夢かなぁ?
でも、よく分かんない

673:♪さんご ◆iAoc:2013/11/02(土) 16:43 ID:F1A

りな様分かった!?

でも詳しく言うとネタバレになるねーぐふふw

674:♪さんご ◆iAoc:2013/11/02(土) 16:49 ID:F1A

何の手がかりもなしにどこかへ向かう可憐。

一方、日本――

「HARRISについて詳しく調べる前に、知ってることを話してほしいの」

風化をCLOCK全員で囲むようにした。

「正式に仲間じゃなかったし……」

俯くように答えた。役に立てなかったのが嫌だったんだろう。

「ビクビクする必要なんてないんだから」

「うん」

琴栄は恐怖に怯える風花を落ち着かせようと、ゆっくりした声になる。

675:♪さんご ◆iAoc:2013/11/03(日) 14:17 ID:F1A

「メンバーのことで知ってたら教えてほしいんだけど……」

琴栄は聞取れないほどの声で言ったが――

「私のメンバーは全員、『私立船城学院』の生徒。私もね」

「船城学園かぁー、俺もサッカーで対戦したことある。ま、1点差で勝ったけどな〜」

自慢らしく浮かれている怜雄。

「それから……CLOCKに知られてないと思うけど、船城十夢(ふなしろ とむ)もHARRISの一員よ。あまり活動しないからね……」

「えっ、他にメンバーがいたの?」

琴栄はソファーから反射的に立ち上がり、蓮は目を丸めて、怜雄は紅茶が噎せ返った。

「ゲホッ」

「そういや、サッカーの時のエースだったろ?あいつ」

蓮が紅茶に砂糖を入れながら言った。

「覚えて……ゲ、ねぇーよ、ホ……」

怜雄は噎せ返りながらも一言紡いだ。

676:♪さんご ◆iAoc:2013/11/03(日) 14:24 ID:F1A

「船城って……学院と苗字が一致してるけど……」

芹香が入ってきた。

「十夢のお父さんは理事長なのよ。だから同じ苗字なの。優等生だったわ」

風化はため息をつきながら話した。

「ちょっと『爆怒鳴る怒』に行ってくる!」

芹香はショルダーバックを肩に、扉を力任せにして出ていった。


「何をするつもりかしら?」

みんな黙って見送るだけだった。

677:♪さんご ◆iAoc:2013/11/03(日) 14:28 ID:F1A

〜新キャラファイルΩ〜

船城 十夢 Funasiro Tom ♂


DATA

親が学院の理事長。

HARRISの仕事はサボってばかり。

678:♪さんご ◆iAoc:2013/11/03(日) 14:32 ID:F1A

蓮、怜雄、騎士、海斗、十夢......

蓮、怜雄、海斗はともかく、騎士とかキラキラネームじゃんw

芹香←も

まともな(ゆいとかまいとか)のができないねw

679:♪さんご ◆iAoc:2013/11/03(日) 16:19 ID:F1A

 カラン。

 店のドアが開く。

 芹香はカウンター席にいつも居る銀河のところまで行き、

「ちょっと、どういう事!?」

 ヒステリックに問い詰めた。

「主語と述語がねーよ、何が言いたいんだか」

 嘲笑うように呆れる。

「何がって……船城十夢!知ってるんでしょう?」

「あぁ、風花が情報伝えたのか。全くマスターの考えが分かんないよ」

 ハンバーガーを頬張りながらも会話を続ける。

「なんで黙っていたの?情報がフェアじゃないじゃない!」

「お前らだって勝手にメールハッキングしてんだろ」

「そ……それは……」

 言葉につまり、反論できない。

「俺は知らねーからな。星羅とかに聞けよ」

 銀河はお札をレジに置くと、紙袋を抱えて出て行った。

 きっと持ち帰りしたんだろう。

「全くもう」

680:♪さんご ◆iAoc:2013/11/03(日) 16:21 ID:F1A

フェア=公平とか、平等

あまり使われないかも…"(-""-)"

681:♪さんご ◆iAoc:2013/11/03(日) 16:28 ID:F1A

 同じ頃に風花は城ケ崎公園に居た。

 海が眺められるベンチの下。睨めっこするかのように睨み合った。

「入ろうかな」

 潜入することを躊躇するが、可憐はきっとためらうことなく入っただろう。

「でも……可憐は他人だったから……」

 組織を裏切った自分なんか、今更行ったって……

 でもそれは怖いから入りたくない言い訳。

「よし」

 覚悟を決めて銀色の引き金を汗ばんだ手で引っ張る。


「…………」

 居たのは星原海斗、ただ1人。

「あ……」

 気まずくなった。

 海斗は睨みつけてきた。

682:♪さんご ◆iAoc:2013/11/03(日) 16:34 ID:F1A

「なんでこんなとこにいるの?出てって」

 黒い瞳は、一瞬の瞬きで赤色に染まった。

「海斗、どうかしてるわ!なんでそんなんになっちゃったのよ」

「僕は僕。君こそ何だ。出て行ってくれたまえ」

 赤いのに冷たそうな瞳はずっと風花を睨みつけたまま。

「もしかしたら、僕は君の知る僕ではないかもしれない。だが、だからと言ってなんだ。僕に構うな」

 そうだ、あいつはコピー……

「そうね、貴方が知ってる私も違う。消してやる!」

「待った!」

 いきなり背中から声がした。海斗と似た声――……

683:♪さんご ◆iAoc:2013/11/03(日) 16:46 ID:F1A

「貴方は……」

 後ろには、海斗と瓜二つの騎士が息切れ状態で立っている。

「星原さんっ?」

「待ってくれ、兄さん……いや、偽物は僕が倒すんだ!」

 いきなり騎士は暴走したように駆け出す。

「やめて!」

「好い加減にしろ、海斗!」

 海斗は苦笑したように笑った。

「ここで戦われても困るねぇ。じゃあコレだっ!」

 海斗は言い終わらないうちに物体を床に投げつけると、部屋中に煙幕が掛かった。


「ここって……」

 薄暗い、洞窟部屋――シンデレラ城。

「さぁ、戦いを始めよう」

「ちょっと、そんなつもりじゃあ……」

 風花の声は2人に届かず、廃棄したはずの聖剣が何故か2人の手にある。

「な……それは!」

 2人が剣を交えて火花を散らす。

「廃棄工場の後、僕が持って来たんだ。兄さんのはクロノスの聖剣だろう?」

「兄さんって呼ぶな。まぁ、お前のウラノスの聖剣では勝てない」

 そういうと騎士の顔が微かに揺らいだ。

「なんでいいきれるの?」

「そうなんだ……神話の通りに行けば、僕が負ける」

 騎士の顔がさらに歪み、汗が垂れはじめる。
 

684:♪さんご ◆iAoc:2013/11/03(日) 16:55 ID:F1A

「神話?」

「最終的にウラノスはクロノスに殺されるんだ……」

 聖剣には深く『CRONUS』と刻まれている。

 鋭い光を放つ。

「もう……やめてよ、負けるって分かってるんだったら!」

 風花からは涙、そして海斗と騎士から汗が垂れる。

「兄さんを止める!」

「此奴を始末する!」

 両者本気で殺し合う様子に耐えられない。

「兄弟喧嘩にも程がある!」

 2人の間で項垂れる、泣き崩れる。

「2人の願望は分かった。でも両方の星原さん。こんな方法で止めるなんて……」

「痛い目見なきゃ分かんねーんだよ、このバカは」

「兄さんは暴走しているんだ!抑えられるのはこの手段しかないんだ」

 両者怯むことなく剣を交える。

685:♪さんご ◆iAoc:2013/11/03(日) 17:10 ID:F1A

「あぁもう!ゼウスの聖剣どこよー」

 途方に暮れる可憐もまた、聖剣を探す一方である。

「誰かぁ……」

 泣きそうな表情を堪え、歩き、そしてまた泣きそうだ。

「手がかりもないなんて」

 ブレスレットをさすってため息を付いた。

「ラッキーコントロール……か」

 呟いただけ。信じるわけない……

 でもほんの少し。

 祈ってみたい――……

「い……っ、1回だけ」

 藁にも縋る気持ちで、冷たい皸た手を合わせた。

『ゼウスの聖剣を見つけて下さい。お願い致します……』

「…………」

 静まり返るだけ。物音一つやしない。

「バカバカしい」

 そういいながらまた、エメラルド色の芝生に座り込んでしまった。

686:♪さんご ◆iAoc:2013/11/03(日) 17:31 ID:F1A

「大丈夫かしら、芹香ちゃん」

 琴栄はイタリア製の花柄ティーカップに紅茶を注いだ。

「心配するだけ無駄だろ」

 蓮は下を向いた。

 フォークにケーキをぶっ刺している怜雄。

 蓮は琴栄の心配を踏み躙り、窓に目を向けた。

「冷てーなー」

「うるさい」

 こちらも兄弟喧嘩中だ。

687:♪さんご ◆iAoc:2013/11/03(日) 17:32 ID:F1A

ここまでにします…

もっと書きたかったけど…(兄弟げんか終わるまで)

お腹痛い、バームクーヘンがヤバかった…))ぐたっ

688:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 16:09 ID:F1A

同じ頃、1人の不幸な少女がいた。

「小川さんの家から小川さんを叱る声が聞こえるわ……虐待なんてまだいいほうね。私の父母ときたら……はぁー」

彼女は白戸 亜嫩(しらと あのん)。なにかと不幸な目にあう。

捨て子で両親はいない。親戚と思われる船城家に引き取られたが、いやがられて1人で暮らせと言われる。毎月料金を振り込むから1人で暮らしなさい。

そういわれて、古いアパートで1人孤独に暮らす。

「ひどいわ。私のことなんてちっとも理解してない」

さらに、病弱でいつ死んでも可笑しくないらしい。

「いじめられる……小川さんはみんなの前でいじめられているから、一部の人は可哀想と思うでしょうけど……」

亜嫩はいつも放課後、体育館倉庫でこっそりいじめられているのだ。

「小川さんと双美さんが楽しそうに喋っているとこも見たことあるし……人目につかないとこでいじめられてるからなぁ。私」

頭が並外れてすごいとか、スポーツ万能とか、ピアノが弾けるとか、何一つ特技もない。


私は悲しい人よ。小川さんなんて、特技もあるし友達いるし――

なんでひどい目にあうのよ……

689:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 16:38 ID:F1A

「もう……やめよって」

風花が何度も窘めるが、2人は気に留めない様子でいる。

短剣なので、必然的に距離が近まり、ひやひやさせる。

「いつまで続くのよ」

風化は呆れながら、見るに堪えない感じでため息をつく。

「お前が死なねぇーと、終わらねぇーんだよっ!」

「兄さん、乱暴な言葉は駄目です!」

カッカッ

銀色の鋭くとがった刃は、切られたら一溜りもない。


その頃――……

「綺麗なお城ね。まぁ私には縁のない話……」

亜嫩は少し諦めたように笑ってみせた。

叶わない夢。

「へぇー、こんなお城があるんだ。ここら辺はリゾート地だからそのために建てたのかな」

可憐達が住む地域は、海があり山があり、高いビルが建っていて、リゾート地になっている。

「ん?」

亜嫩が感じたのは、もめ合う声。

「何だろう……」

もう1回殴られたら人生終わる。


いや、終わって欲しい――……

690:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 16:43 ID:F1A

〜新キャラファイルZ〜

白戸 亜嫩 Sirato Anon ♀

DATA
いじめ×1人暮らし×病気の不幸な少女。
船城家の親戚と思われる。

691:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 16:52 ID:F1A

「さぁ、決着だっ」

 ガッ

「しまった!」

 騎士が海斗の聖剣をはじき、海斗の聖剣はシンデレラ城のステンレスガラスを軽く割って外へ物凄い勢いで飛び出る。

「大変だわ!星原さん、その聖剣をちょっと貸してっ!」

「いいけど……」

 風花の物凄い形相に騎士は驚いて聖剣を渡す。

「外の人が危ない!」

 外には亜嫩がいる。

 風花はコンクリートの上を強く蹴って走る。


「な……なにこれ」

 亜嫩に聖剣が飛び込んでくる。亜嫩の目はスローモーションになった。

 このまま、突き刺されば――……

「危ないわ!」

 亜嫩から聖剣の距離まで、あと5cm程の距離になった。

「一か八か!」

 風花が騎士から借りたウラノスの聖剣を素早く投げる。

「当たれ!」

 その時、騎士と海斗も走って来た。

 ガチャンッ

 乾いた音を立て、クロノスの聖剣はウラノスの聖剣に弾かれた。

「危なかったぁー、大丈夫?」

 風花は亜嫩に手を差し伸べた。

692:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 17:01 ID:F1A

 なんで――っ

 あと少しで死ねたのに!

「…………」

 差し伸べられた手をつかまず、黙ったまま亜嫩は立ち上がった。

「立てる?」

「立てるわ、これくらい」

 スカートを強くはたきながら風花のほうを睨んだ。

「それじゃあ」

 亜嫩は愛想のない声でスタスタ路地裏のほうへ行ってしまった。


「もういい、やめにしろ」

 3人の後ろから聞き慣れない声がする。

「十夢!邪魔する気か!?」

 海斗はヒステックに声をあげ、聖剣を十夢にむけた。

「組織以外に情報がもれたらまずいだろ。ここは引き上げろ」

「そうよ、もうやめにして」

 風花も一緒になって騎士を引っ張る。

「ふん、また出直す」

 両者強く睨み、風も激しく吹き荒れた。

 木々は風花の心のざわめきを表すかのように、もみじの木が揺れ、赤色の葉が落ちる。

「ちっ」

 どちらからか。いや、どちらからも舌打ちが聞こえる。


「兄さん!」


「騎士って野郎!」


 2人の憎しみが重なった夕日は血のように紅く、赤く――

 海を染めて行った――……

693:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 17:05 ID:F1A

「お前はミラクル帝国の女王だろ?」

「それが何?」

 Harrisの基地で、紫音はマスター(所長)と話している。

「小川可憐が女王だとかって噂になってる、帝国で」

「はぁ?冗談じゃない、女王は私のはずよ!」

 紫音は何かと激怒し、読んでいた本を床に投げつけ、バサバサ音を立てた。

「帝国に行ってくる、許可はもらわないわよ」

 CLOCKの基地にあったものと同じ、あの機械に入った。


「せいぜい気を付けろ」

 マスターは苦笑しながらも嘲笑うような顔で呟いた。

694:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 17:17 ID:F1A

小説として足りないところ……

他の小説を見るとコメントが殺到してるのに...


才能がないから仕方ないw

695:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 17:34 ID:F1A

「っと」

 綺麗にエメラルド色の芝生に着地する紫音。

「あいつ!王宮に行ってやる」

 紫音は王宮に向かって怒鳴った。


「なんだろ、ここ」

 可憐が迷い込んだのは洞窟。
      ・ ・ ・ ・
「なんか……ありそうな雰囲気ね……」

 警戒しながら進む可憐。

「不気味ね……」

 緑色の宝石みたいな石が重なって出来たような洞窟。

 可憐の身長がすっぽり収まるくらいの高さだ。

「さっさと片付けて帰らなきゃ」

 ぶつぶついいながら探していった。

696:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 17:47 ID:F1A

 亜嫩は戦いに巻き込まれ、CLOCKに事情聴取のような感じで生徒会室に招かれた。

「私は白戸亜嫩と言います。いつも教室の隅で誰も気付かないでしょうけど……」

 後のほうは心の声になっている。

「その時、なにかおかしいものを見たり、聞いたりしましたか?」

「いえ……あ、男の人のもめている声が……」

 風花は騎士のほうを心配そうに見た。

「正直に話したら?」

「……あぁ」

 諦めた顔でうなずき、白いソファーの上に座って言った。

「俺は兄さん……じゃなくて、兄さんのコピーを見た途端、何かが暴走し始めて、ウラノスの聖剣で戦ったんだ。自分でもよく覚えていない」

 騎士は額に手を当てながら俯いて言った。

「なのに、それが無関係の人を巻き込むなんて、思いもしなかったんだ」

 みんな黙って聞き、海の波と、鳥の声しか聞こえなくなった。

「水上さんの声も聞こえなかった感じで、夢中で聖剣で戦ってたんだ」

「戦わなくてはならない時もあるだろうけど……今はその時じゃないと思うの」

「いつ戦うの?」

 ふざけた調子で怜雄が両手を挙げる。堅苦しい雰囲気を溶かそうと思ったのだろう。

「今でしょ……」

 琴栄が怜雄を睨んでいるので、怜雄は慌てて辞めた。

697:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 17:54 ID:F1A

「なんだろう」

 一方可憐のほうは、洞窟で怪しげなものを見つけた。

『ゼウスとウラノス、クロノスの聖剣は3つが対となって生まれたものである。ただその3つが

 世界中のどこかで散らばってしまった。

 ゼウスの聖剣は、聖なる槍と呼ばれ、この洞窟に封印されている。

 インフィニティードリームと共に』

「この洞窟……っ」

 やっぱりここにあったのね!

 英文で綴られた紙をポケットにしまうと、辺りをパッと見まわす。

「聖剣…てんじゃなくて今回は槍なのね。それと……」

 インフィニティードリーム?

 聞き慣れない単語が出てきてますます混乱する可憐。

「なにかを意味するものかしら?聖剣と関係のある……何かに」

 インフィニティードリームの謎が今回の鍵を解くかもしれない。

698:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 18:06 ID:F1A

 生徒会室――

「ところで、Harrisって知ってます?」

「Harris……?」

 いきなり問いかけられ、頭がごちゃ混ぜになってしまった亜嫩。

「聞いたことはあります。船城財閥がどうのこうの……」

「船城財閥?」

 蓮、怜雄、琴栄、風花、騎士はそれぞれ顔を見合わせる。

「何か……知っているの?」

 優しく問う琴栄に安心したのか、亜嫩はゆっくり語りだす。

「私は捨て子で、船城家が親戚と言われたの。それで船城財閥を経営していて、Harrisっていう貿易会社と交流していて……」

「船城財閥って、船城学院と関係あるのか?」

 ぽつりとつぶやく蓮。

「そういう可能性もあるわね」

 険しい表情になる琴栄。

「とりあえず、今日は色々……そのー、巻き込んじゃってごめんなさい」

「別に気にしてないわ」

 亜嫩は風花に背中を向けると、生徒会室を出て行った。

699:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 18:18 ID:F1A

「あいつが女王?笑わせないでよ」

 そういいながらも笑っていない紫音。

「絶対に勘違い!あのブレスレットは……」

 その先を呟くのをやめ、前を見れば王宮にいた。


 王宮の前の門番に事情を言うが――

「怪しいな。そんなものを通すか」

 険しい顔で、鋭く研いだ槍を紫音に向ける門番。

 紫音は仁王立ちしている。

「お引き取りせよ」

「いやよ」

 2人の間のレンガの上ををアリが通過してゆく。

「何かもめ事か」

 散歩帰りなのか、豪華な金色の装飾の馬車のようなものに乗っている王がチラッと顔をだした。

「この者が怪しいので、王宮に入れないように言い聞かせましたが……」

「話を聞こう。その者を通せ」

 その命令に驚愕したのか、門番は反射的に、

「はいっ」

 と言って、重い扉を開いた。

700:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 18:19 ID:F1A

あと300レスで話をすっぽり収めなくては……

しかもメッセージも残したいしなぁ 可憐とかからの御礼を掲載したい

どういう設定にしよう……

701:カノン(優妃) ◆fP1o:2013/11/05(火) 18:29 ID:Viw

るるかおめでとーーーー!!!
すげぇ、すげぇよ!
4、4ヶ月ぐらいで700!?
初めてみたよ!!!?!!
も、もう読むのは遅い…
ながすぎるorz
後悔!!

702:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 18:31 ID:F1A

ブログ整理してなかたー

裏話編 
http://cgi-games.com/abi/profile/profile.cgi
るるか♪で検索

ネタバレ編 衝撃的事実掲載
http://chat.firebird.jp/profile/profile.cgi?mode=view&name=%81%F4%82%B3%82%F1%82%B2

703:♪さんご ◆iAoc:2013/11/05(火) 18:38 ID:F1A

今日はここまでが限界...

最近繁栄してるね、この板

704:愛乃れい(りな):2013/11/06(水) 21:59 ID:9Fk

700おめ!!

>>694
さんごは1日の更新量が多いから、
コメント少なく感じるんじゃない?

>>700
2を作るって手もあるよー!

705:♪さんご ◆iAoc:2013/11/07(木) 06:36 ID:F1A

>>704そうだね、2をつくるか〜

コメりな様1人...

昨日お父さんがいて更新できなかったー

706:♪さんご ◆iAoc:2013/11/07(木) 06:37 ID:F1A

カノン、ありがとうね^^

2から読んでくれるといいな♪w

707:♪さんご ◆iAoc:2013/11/07(木) 06:44 ID:F1A

扉を開かれ、紫音は満足そうに笑いながら堂々と入って行く。

赤いカーペット、金色の椅子、植物がいくつか仲良く並んでいる。

「用件は……」

「これです」

王の言葉を遮るかのように、可憐と同じブレスレットを差し出した。

「!?」

側近も、王も驚愕していて、言葉を紡げない。

「どうよ、これが女王の証でしょう?」

「偽物なのでは?!?」

側近が咄嗟に答えるが、紫音は笑みを浮かべる余裕すらあった。

「その可能性は薄い」

王が呟く。

「何故なのです、王女は1人……」

「こういうことはありえぬか?」

王は側近の耳元で囁いた。


「しかし、そのような場合もあり得ますが、本物と判断するのは……」

「気配を感じる」

険しい顔で王は言いだす。

側近は後ろに退き、植物の木に肘がぶつかった。

708:♪さんご ◆iAoc:2013/11/07(木) 07:06 ID:F1A

「認めて」

「…………」

王は何か考えるように言った。

「小川可憐……即ち今の女王へ繋がりを確認してくる」

「繋がり?」

どういうことなのか説明して、と言いたげな顔で王を睨んだ。

「とにかくその腕輪に加え、腕輪の1つ1つに刻まれている文字が本物を意味するかもしれん」

王はブレスレットをじっと見つめながら言った。

「ふん、小川可憐が何よ」

怒って帰っていく紫音。


「あの2人がもしそうだとしたら……」

「この国の王女は2人になるな……」

側近の言う言葉を王が続けた。

709:♪さんご ◆iAoc:2013/11/07(木) 07:13 ID:F1A

ブログのネタバレは変更する場合もあります

(今のところ変更はなし)

710:♪さんご ◆iAoc:2013/11/07(木) 16:35 ID:F1A

「ったく!」

 芹香は銀河を追いつめたが逃げられた。

「なんで!なんで教えてくれない訳?」

 不満そうに激辛ポテトを自棄食いする芹香。

「帰って報告かなー」

 腕時計を見ると、もう5時を過ぎていた。


「亜嫩さんを、いや、他の人をこれ以上巻き込ませない方がいいわね」

 琴栄は心配そうに呟いた。

「でも、手掛かりは見つかった。船城財閥と関係があること」

「船城財閥の会長を調べてみました。会長は潤賀 永遠(うらが とわ)らしく……」

「船城じゃない!?」

 怜雄は驚愕し、蓮は複雑な表情だ。

「少なくとも、船城財閥とHarrisは関係あったんでしょう?」

 風花は怜雄を窘めるように言った。

「そうね、本人……つまり別の人という可能性も」

「そしたら"潤賀財閥"なんじゃ……態々船城にする必要はないよね」

 誰かが言ったのでため息がもれた。

711:♪さんご ◆iAoc:2013/11/07(木) 17:29 ID:F1A

私の参考にしている小説

エドガー・アラン・ポー モルグ街の怪事件

アガサ・クリスティ 華麗なるアリバイ

江戸川乱歩 怪人二十面相

アリスと白うさぎ。 りな


是非ぜひ読んでみてください!
青空文庫にあるとおもいます^^

712:♪さんご ◆iAoc:2013/11/07(木) 18:07 ID:F1A

今日はここまで

なんか更新しづらい状況...

713:愛乃れい:2013/11/07(木) 19:59 ID:9Fk

>>711
私のを参考にすると話がめちゃくちゃになるよ!(笑)

いろんな本読んでるんだねー!
道理で発想が豊かなわけだ!すごい!
うち本読むの好きじゃないから…

714:♪さんご ◆iAoc:2013/11/08(金) 16:08 ID:F1A

書くのは隙なんですね^^

麗の作品をうまく参考にするとめちゃくちゃになるよ、上手すぎて。

でも私はうまく参考にできる能力ないからなぁw

715:♪さんご ◆iAoc:2013/11/08(金) 16:09 ID:F1A

隙×
好き アホですw

シンデレラの憂鬱を一時ストップして気分切り替えるため(ネタ切れたため)

短い別作品書きますね

716:♪さんご ◆iAoc:2013/11/08(金) 16:20 ID:F1A

〜SUPER?NETGIRL!〜 スーパーネットガール


私は祇園 麗美華 (ぎおん れみか) ある"特別な性質"を持つ。


私の通う学院、『船城学院』

「今日はテスト結果発表かー」

私はこんなことで憂鬱になるわけがない。

むしろ……

「うわぁっ、また祇園さんが1位トップ!?」

「すげぇ、マジ神!」

気分がいいくらいだ。

いつも騒がれる。

ま、当たり前のことね。


だって私は―――……

"頭がネット通信されている"のよ!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

717:♪さんご ◆iAoc:2013/11/08(金) 16:28 ID:F1A

生れるときに、父が誤って高性能インターネットチップを埋め込んでしまったみたいね。

私にとって好都合。

「これで来週のテストも……!」

何しろインターネットなんだもの。

結果発表の掲示板の『1位 祇園麗美華』のところをじっと見つめながら笑った。

Googlo(グーグロ)もahoo!(アホー!)も検索できるし、電卓もあるんだから!

スキップしながら帰る道。

「本当にこれでいいのかな……?」

今になって呟くが、どうしようもないんだから。

薄暗い空には、雲が全面を覆うようになって広がる。

昼のエメラルド色の海は、サファイア色になっていた。

718:♪さんご ◆iAoc:2013/11/08(金) 16:29 ID:F1A

グーグロとアホー!の由来

グーグル→ググる→ググろ→グーグロ

Yahoo!→ahoo! アホー!

719:♪さんご ◆iAoc:2013/11/08(金) 16:39 ID:F1A

複雑な表情で悲しい視線で海をみる麗美華。

「う……っ」

水彩画のようにピントの合わない海の景色。

めまいと頭痛が酷く、蹲ってしまった。

「誰か――」

声にならない声。

どこかへ消えてしまった声。

「助け……」

意識をもうろうとし、ついにはなくしてしまった、意識を。

やけにあわただしく吹く風と、高波が助けを求めるかのよう。

アスファルトの上に横たわる麗美華。

路地裏で、見つかりにくい場所だ。

720:♪さんご ◆iAoc:2013/11/08(金) 16:41 ID:F1A

複雑な表情で悲しい視線で海をみる麗美華。 のあとにつけたし

『糸が切れたかのように、突然めまいがし、ぼやける視界と激しい頭痛』



ごめんなさい!

721:♪さんご ◆iAoc:2013/11/08(金) 18:18 ID:F1A

ここは――夢か何かの中?

でもまだ痛みはあるけど、少し薄らいだ。

『どこ、ここ!』

声にならない……口は動いているのに――

やっぱり夢なんだ。

辺りは赤、青、緑、黄色、紫、オレンジ、桃色の霧に包まれている。

麗美華は浮いている感じだった。

『インターネットで繋がっているってことは……メールは――』

思いついた、"ahoo!mail"で伝えればいいんだ!

『ahoo!mailで検索……』

検索すると、頭は痛くなり、しまいには耳鳴りもする。



でもこれが我慢できれば私の勝ちよ!

722:♪さんご ◆iAoc:2013/11/08(金) 18:33 ID:F1A

システムエラー!?

な……能力が無効化、ブロックされている!電波も届かない!

体は金縛りのように、動けなくなっていた。

『どうすればいいの――?』

5色の霧は、忽ち濃くなっていき、麗美華の姿を隠すほどにもなった。

『策はないけど、とりあえずここはどこなのか、そして何を意味するのか……」

「貴方の能力……即ちチップを渡しなさい」

どこからか、男の声が聞こえる。聞こえるのだ、夢なのに。

「貴方は……?」

気が付けば、自分も声が出るようになっていたのだ。

723:愛乃れい:2013/11/08(金) 18:48 ID:9Fk

>>714
やったぁー!
さんごがうちの事普通に呼んでくれた!

麗って懐かしい♪

724:♪さんご ◆iAoc:2013/11/08(金) 18:50 ID:F1A

「誰なの!」

 霧のせいで姿は見えないが、低く怪しげな声で男性と分かる。

「誰だというと……"crossapp"の組織だ」

「crossapp?」

 怪しい組織に怪しい人。何か嫌な予感がする。

「チップなんて取り出せないもの……それにあなたなんかに――!」

 いきなり、口に手が触れていないのに喋れなくなった。金縛りと同じような方法だろう。

「それ以上言われちゃあ困るね。だが!」

 いきなり声が大きくなった。

「もうすでにチップは貰ったよ。君に用はない」

『何なの!』

 また最初のように、口だけ動けるようになった。

725:♪さんご ◆iAoc:2013/11/08(金) 18:51 ID:F1A

あ、なんかご免>>723

まぁタメで^^;

726:♪さんご ◆iAoc:2013/11/08(金) 18:52 ID:F1A

crossappはUでも出そうと思います。

新たな組織?

727:♪さんご ◆iAoc:2013/11/08(金) 18:59 ID:F1A

「ん――っ」

 重いまぶたをそっと開く。

 そこは薄暗い路地裏。

 痛みは何事もなかったかのようになくなっていた。

 海の波はいつも通り漂って、鳥は何も声をあげない。ビルの明かりはつき始めている。

「夢から……覚めた?あっ」

 ダメだ……ネットに接続出来ない――

「あいつ、夢の中で?」

 御父さんに報告しなきゃ。

 でも誰がそんな話信じてくれるだろう。

 夢でチップ抜かれた?バカバカしい。

「でもチップ埋め込んだだけで脳内がネットに接続されるほうがもっと可笑しい……」

 苦笑してあきらめた。
 

728:♪さんご ◆iAoc:2013/11/08(金) 19:02 ID:F1A

とある宣伝。
-------------------------------------キリトリ--------------------------------------
Harrisと黒うさぎ。

紫音作。

ノーヒット

逆にパクリという批判が出た。

----------------------------------------キリトリ------------------------------------

729:愛乃れい:2013/11/08(金) 20:28 ID:9Fk

>>728
そんな小説書いてたっけ?

730:♪さんご ◆iAoc:2013/11/09(土) 14:52 ID:F1A

>>729

船城学院の国語の授業の課題として、小説を書くことになった。


ということw

731:♪さんご ◆iAoc:2013/11/09(土) 14:53 ID:F1A

月曜&火曜更新少な目、若しくは更新しない

テスト勉強なので...

732:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 06:56 ID:F1A

「神様が怒ったんでしょうね。悪用するから」

山の葉は黄色くマスタード色に染まっている。

海は夏と違い人影は疎らで、足跡の一つもなかった。

「お父さんにどう説明しよう……」

父は麗美華の脳内から研究データを抽出しているため、いきなり通信が切れれば不可解だ。

まさか、脳内に埋め込んだチップが外れるなんてことあるまい……

「ん、授業中に私がインターネットを使っていることも……分かっていたのかしら?」

本当に偶然?私は所詮、研究のためのモルモット?

代替インターネット接続脳内のことを知る人は私の家族だけ……

おかしすぎるわ。

733:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 15:59 ID:F1A

報告しなきゃな、お父さんに。


「ただいまー」

革靴を脱ぎ捨て、お父さんの機嫌をうかがった。

「よし、いい調子だ」

お父さんは粗ぶっている様子がない。

「お父さん」

ひと声かける。

「なんだ」

「よく分からないけど……誰かに脳内のチップを抜かれたの。繋げない」

泣きそうな声で麗美華は言った。

「なんだ、それなら構わないさ」

さっきよりも少し微笑している。

「……え、なんで……」

「ふふ」

夜空の月を眺めながら笑う父に疑問を感じた。


でも、これでよかった。自分の力じゃないから。


麗美華は諦めながら笑った。

見えないくらいの小さな星のように――


〜完結〜

734:愛乃れい:2013/11/11(月) 16:02 ID:9Fk

>>730
読んでみたいな(笑)

735:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 16:10 ID:F1A

ため息は生徒会室中に流れた。


同じ頃――

コツ……コツ……――

わずかな足音。可憐はそれでも気づいた。

誰かいるのね?この洞窟に――

「誰?いるの、返事して」

覚悟を決め、声をかける。

「あら、これは小川可憐じゃない。こんなところで出くわすとはねぇー」

聞き覚えのある、怪しく高い、"あの声"だ――!

「空木紫音……ね」

「御名答。あなたもゼウスの聖剣を追って来たんでしょう?」

「あなた"も"?」

つまり紫音も聖剣を求めているということになる。

「まぁね。いらないけど王の命令ね」

「貴方、帝王に……?」

「そうだけど?ちなみにそのブレスレット……何方かが偽物のようね」

紫音が指差す先には可憐と同じ、あのパワーストーンの連なるブレスレット。

「あなたも同じものを……!?」

動揺のあまり、可憐は退き、革靴が洞窟の地面にガッっと音を立てた。

「先祖代々の物よ。あなたのはどうなのよ」

可憐はブレスレットをじっと見つめ、汗をかく。

736:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 16:10 ID:F1A

>>735から本編

>>734えぇっΣ

737:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 16:16 ID:F1A

「……っ」

何も反論できずにいた。

お互いのブレスレットの順番さえも一つも間違えることなく瓜二つ。

それぞれのガーネットの部分には『K』と『S』字が彫られていた。

「可憐でK、紫音でSじゃないの?なのに……2つ入違っているわ」

可憐は言った。それに紫音が言う。

「そんなことを意味するわけ?とにかく聖剣を探せばいいじゃない」

「あなたは探さないの?」

「面倒。あなたが探してそれを奪ったほうが手っ取り早いわ」

可憐から背を向け、ツンとした声。

「あなたには渡さない。帝国を守るんだから」

可憐は紫音の背を睨んだ。

738:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 16:28 ID:F1A

日本では亜嫩がいじめられていた。

「バーカ!」

「うざい」

ゲラゲラ笑う玲名と小春達。

まだ悪口なのだが、後からエスカレートしてゆくのだ。

「この辺におわない?」

「うんうん」

その時……

ガタン!

「におうのは貴方たちからなんだけど?それともにおうのはいい香りなのかしら?それとも危険な香りかしら?」

風化がドアを乱暴に開け、立っているし、わきに芹香がいる。

「ぎゃ……逆襲委員会!?」

「憲法第二十五条すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」

ニヤッと笑った芹香。

「憲法違反だぁ、これは大変、裁きにかけましょう」

風花が険しい表情で指差すと、それに押されるかのようにいじめの集団は揃ってあとさずりする。

「ちっ」

舌打ちを誰かがすると、それを合図に体育館倉庫から退散したいじめ集団。


「大丈夫?」

「え……えぇ。でも私依頼なんか……」

「サービスってことよ」

険しい表情の風花は笑いながら手を差し伸べた。

739:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 17:38 ID:F1A

 その頃もまだ紫音との対立は続いた。

「ブレスレットはどこで手に入れたの?」

「ママからもらったけど?」

 紫音は得意気になって答える。

 "作業"を続け乍ら。

「ゼウスの聖剣は……インフィニティードリームと共に……」

 最後の言葉を何度も唱え返した。

「インフィニティードリーム……」

「インフィニティードリーム?」

 オウム返しに紫音が尋ねる。

「さぁ、私にも分からないわ……」

 ガッ

「きゃあぁっ」

 可憐が躓いたのは――……

740:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 17:47 ID:F1A

「うわっ」

「眩しい……!」

 目を傷めるほどの輝きを持つ、ダイアモンド。

 それも可憐が躓く前はただの石だったのだ。

「なんだろう、すごい輝きだけど……」

 目を細めながら手に取ると、重く30カラット近くだ。

 可憐は鞄からフラスコを持ち、ガラス越しに覗いた。目を傷めないためだ。

「INFINITY―DREAM……」

 一番上の面に、そして下の面にそう刻まれているのだ。

「なにかしら、見ていると視力が落ちる」

 紫音は呆れながら目を背けた。

「眩しすぎるから、ハンカチに包んでおくわ」

 花柄のレースの付いたハンカチに包んでも、まだ光は漏れている。

 正直、フラスコのガラス越しで見ても眩しい程だったのだ。

「今まではただの石だったのに……」

 呟きながら言うと、光は薄まり、七色の光が一直線に同じ方角を差している。

「まるで私達を導いているかのようね」

 2人は顔を見合わせ、交互にダイアモンドを見た。

741:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 17:53 ID:F1A

 光の先――

 そこは幻想的な湖。

「怪しい雰囲気を漂わせるけど、なんだか綺麗ね」

 水はダイアモンドの光に照らされ、七色に光っている。

「湖を差しているみたいだけど……」

 紫音は目を細めながら言った。

「インフィニティードリーム……っこのことだったのかしら?」

「分からないけど、もしかしたら剣を導くための……」

「道標?」

 2人は同時に誤差もない程ぴったり重なって言い張った。

「やっぱり……」

 湖を見つめ返しながらポケットから紙を取り出す可憐。

「この湖の中かもね……」

 険しい表情に強い口調。

 あったとしても、潜らなければとれない。

 どちらが先に決心をするかで、王女は決まる――

742:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 18:04 ID:F1A

「私が先に……っ!」

「待って!」

 粗ぶっている紫音を押し留める。

「何よ、取られたくないってわけ?」

「深さも分からないのに無謀すぎるわ、死んだら意味ないじゃない。ここは一旦棒とかで……」

「分かったわよ」

 紫音は言い終わらないうちに、すぐ横にあった木を1本へし折ると、つついている。

 可憐は後ろに下がった。

「どう?」

「……やばい、棒1本余裕で入っちゃったわ。これでも3メートルはあるのに」

「深いわね……まるでそこの無いような……」

「馬鹿じゃん、CLOCKもダメなやつばかりね!」

 可憐からの反論はなかったので、紫音は優越感に満ちている。

743:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 18:13 ID:F1A

「もうちょっと長い枝を……」

 何本か折って何本も入れるが――

「ダメ、何本入れても飲み込まれる」

「可笑しすぎるわ、ゼウスが眠って……ん?」

 ゼウスが眠っている、だから――!

「そもそも聖剣は神を宿らせた代霊。魂を剣に変えたものだから、これを……」

 ハンカチからそっとダイアモンド――いや、インフィニティードリームを取り出す。

「何する気?」

 紫音の質問に答えず、インフィニティードリームを静かに湖へ落した。

「貴方の宝物はお返し致します。ですから姿を現して下さい、ゼウス様」

 沈黙に陥る10秒――

 そして――……

「きゃぁっ」

 湖からは噴水のように水が盛り上がり、可憐達を取り巻いた。

744:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 18:22 ID:F1A

「何したのよ!?」

「眠りから覚ましただけよ、ゼウスを」

 涼しい顔で言うが、内心驚愕しているのだ。

 噴水の切っ先から、槍が水を貫くようにして

「眠りから覚ましたのは誰かと思えば……私の宝物じゃあないか」

「ゼ……ゼウス――?」

「いかにも、ゼウスだが」

 槍から声がする。

「頼みます、ミラクル帝国を守るため、聖剣が必要です」

 可憐は驚愕に負けず、ひざまづく。

 紫音はお辞儀をした。

「はぁー、仲間を返すなら良い」

「仲間?」

 それはウラノスのことを言っているのだろうか。

「今となっては地球のどこかへ眠りについたが……合わせてくれ」

 聖剣は横たわったままだ。

「お安い御用です、仲間とはウラノスのことでしょうか?」

「あぁ、そうだ」

 ウラノスの聖剣は……騎士君が回収した。

 可憐は騎士がこっそり取っていくところを見たのだ。

 
 

745:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 18:23 ID:F1A

成り行きはやすぎww
まぁ散々あり得ない事起こったからなぁ
>>744

746:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 18:44 ID:F1A

今日はここまででー

明日も更新するかも  50%

奇跡的に時間余ったんでえ

747:♪さんご ◆iAoc:2013/11/11(月) 18:50 ID:F1A


シーズン2の予定があります

大体950で建てます

主人公は誰にしようかなぁー…

748:♪さんご ◆iAoc:2013/11/12(火) 06:56 ID:F1A

カッ

静かな刃音がするだけで、湖の中は沈黙だった。

「ちょっと、私が見つけたのに!」

紫音は怒りながら追いかけている。

「私が見つけたの、しかもウラノスの居場所も知らないでしょう?クロノスの行方は知らないけど……」

「分かったわ、私の目的は違うから。ついでってわけ」

可憐の"正論"に柴音は不貞腐れている。

鋭くとがった先、真ん中にはインフィニティードリームが埋め込まれていた槍。


「ところで、なんでインフィニティードリームが関係あるって……分かったの?」

「琴栄さん……綺崎さんから聞いた話があったの」

749:♪さんご ◆iAoc:2013/11/12(火) 16:59 ID:F1A

 
 インフィニティードリームはゼウスの命その物でした。

 ゼウスが死んだとき、一緒に沼に葬られました。

 しかし、何者かが宝石だけを抜き取ったがためにゼウスの怒りに触れ、その者は殺されました。

 ゼウスはその宝石を冥界から探すが見つからない。


「ふぅん……それで」

「えぇ、だからこの宝物を返せばいいと思ったのよ」

「ところでそれ、貸してよ」

 槍を指差す紫音に背を向けた可憐。

「汚い心で触ったら殺されるわよ」

 厳しい顔で睨んだ。

「汚いですって!?悪用するつもりだとでも?」

「えぇ、Harrisのことでしょうから」

 ゆっくり言いながら紫音を見て嘲笑った。
 

750:♪さんご ◆iAoc:2013/11/12(火) 17:03 ID:F1A

最後だけ敬語じゃない民話…ww>>749

751:♪さんご ◆iAoc:2013/11/12(火) 17:24 ID:F1A

見つかりませんでした

に訂正よろ☆ww

752:♪さんご ◆iAoc:2013/11/12(火) 17:30 ID:F1A

 外を出れば、青色の澄み切った空……ではなかった。

「不気味な雲ね……雨雲があんなに黒い――」

 それは漆黒の真っ黒な雲で、不吉な予感を漂わせる。

 なぜだか、商店街の店のシャッターはガランとしまって、人なんて少ない。

「なにか、嫌な、不吉なことを意味するのかしら」

 つぶやいたのは可憐だ。

「ばか、天気の関係!なにいってんのよ、王宮へ急ぎなさいよ」
    、、、、、、、
 紫音はこのときまでは笑っているだけで済んだのだ。

753:♪さんご ◆iAoc:2013/11/12(火) 17:31 ID:F1A

、、、で強調したいけど…


、、、、、、、
このときまでは   強調点どうすればできるかな…?

754:♪さんご ◆iAoc:2013/11/12(火) 17:52 ID:F1A

「持ってきてくれましたか、ではそこの銅板に腕輪の宝石をはめ込んで頂けませんか?」

「はい」

 ブレスレットをパチンと外すと、宝石を崩した。

「あら?くぼみは24個でブレスレットの宝石は12個……」

 紫音の腕輪を見た。

「2つ合わせてはめろ……ってこと?」

 紫音も外すと、宝石を取り出した。

「嵌めてみるしかないわ」

 可憐は順々丁寧に嵌めこんだ。

 紫音も1つずついれていく。


「何も変化起こらないじゃない」

 紫音が言った直後。

 ガ――――

「え?」

 誰が言ったのか分からないが疑問の声。

 前には黒真珠のような珠が1つ現れただけだ。

「…………」
 
 それをじっと見つめていると……

「この聖剣で破壊すればよい」

 耳からではなく、頭から声が聞こえてきた。

「ゼウス様?」

 槍に向かって話し、ぐっと握り締めながら汗を垂らした。

「これで貫けばいいのね?」

「きっとな」

 その言葉を信じ、珠に槍を向けた。

755:♪さんご ◆iAoc:2013/11/12(火) 18:26 ID:F1A

ここまでで

明日はたっぷり更新!?

756:♪さんご ◆iAoc:2013/11/13(水) 15:19 ID:F1A

シンデレラNEWS

更新予報 怜雄がお送り致します^^

来週の更新率は

月曜 50% 全小説的に高気圧

火曜 90% 雨が降るようです

水曜 50% 洗濯物は乾きにくい?

木曜 60% 結構晴れ?

金曜 90% 快晴です^^

以上更新ニュースお伝えしました♪

757:♪さんご ◆iAoc:2013/11/13(水) 15:49 ID:F1A

 ガンッ!

 ガラスが割れる音を立て、真珠は割れるというより、砂になって風に吹かれ、そして――消えた。

「あら?」

 石板に文字が刻まれてゆく。

『ALTO GAEA』

「何、この名前」

「こ……これは!」

 側近と王だけが驚愕を顔に表し、紫音と可憐は黙ったままだ。

「なんですか、その人」

「これは……アルト・ガイア――マジカル共和国の首相……」

「え、マジカル共和国?」

758:♪さんご ◆iAoc:2013/11/13(水) 15:54 ID:F1A

「えぇ、かつてこの国は一つでした……」

 側近は、説明するというより呟きながら言った。

「だがアルト・ガイアが分裂させてしまったのだ、貧しくて」

「飢饉に追われたのです、ですから堪り兼ねた町人が立ち上がったのでしょう」

 涙目になりながら石板をみつめる側近と王。

 リス狸が静かに4人の前を横切った。

「なんとかして、祈りの力を返してもらわないと……」

「何か策があるうえで言いなさいよ」

 紫音はリス狸を追い払った。

「む、それは30年前に絶滅した『リアキャット』ではないか」

「リアキャット、絶滅?」

 今までなついてきたリス狸だが絶滅しているとは思いもしなかった。

 芝生の上で日向ぼっこする様子が見られる。

「神の代理人ともいわれる神聖な生き物だ、保護しなさい」

 王の命令で側近は静かに手をリアキャットに差し伸べた。

759:♪さんご ◆iAoc:2013/11/13(水) 17:21 ID:F1A

「ですが……彼らがその力を吸い取っているわけですから、奪い返せばいいのでは」

「それは不可能だ」

 王はきっぱり言い張った。

「え?」

 相手が強すぎるから?

「彼らは飢えに苦しんでいた……だから此方として犯人があの人達だと知った以上……」

「手を出すわけにはいかない、ですね」

 側近は王の先を読み、言った。

「あの方たちを受けに苦しませたのは申し訳ない、だから償いとして祈りの力を吸い取ろうが何も言わないさ」

 ため息を付いた王を2人はみているだけだった。

「……条約」

 紫音がつぶやき、王はハッとした。

「なるほど、条約を結ぶというわけで国交回復を目指すというわけですね、彼方に有利な条件で」

「あぁ、そうすればいつかまた、併合できるかもしれんな」

 

760:♪さんご ◆iAoc:2013/11/13(水) 17:29 ID:F1A

 一方、風花は船城学院に潜入した。

 ベージュのブレザーの生徒が次々はき出されていく。

「ふぅん。一見普通の学校ね」

 風花は清月学園の制服のままだったため……

「清月学園の制服じゃん」

「わぁ、エリート!」

 清月学園は一応偏差値が高い方、(玲名は理事長の関係でバカだけど入学できた)だ。

「ふふふ、船城学院の偏差値もちゃーんと調べておいたんだから!」

 偏差値50、清月学園と同じく、留学が年に1回ある。

「ん、宮織星羅と朝比奈銀河?星原……海斗まで」

 やはりこの学院に所属していたようね、3人とも。

761:♪さんご ◆iAoc:2013/11/13(水) 17:40 ID:F1A

 ベージュの制服に紛れ、1人紺色の制服の生徒が。

 これは当然目立つだろう。

「あら、これは裏切り者の水上風花じゃない」

「やめたくてやめたわけじゃないわ」

 3対1なんて無茶すぎる、ここは一旦引いた方が……

「何の用」

「くっ……」

 追跡しに来た、なんていえば何をされるかわからない。

「船城学院の友達に用があったの、転校したから」

「あっ、そう」

 不満そうに引き上げる星羅の後ろ姿が消えた後、そのまま帰った。

762:♪さんご ◆iAoc:2013/11/13(水) 18:24 ID:F1A

今日ここまで

PARTUから新しくやり直したいww

763:♪さんご ◆iAoc:2013/11/14(木) 06:59 ID:F1A

「ところで王様、どうなされるのです?このままではエネルギーが賄えません」

「ふむ、それより先に条約の準備だな。すんなり受け入れないと思うが目的は併合だ。あちらに有利な条件でよろしい」

2人とも複雑な表情で腕を組み、家来は慌ただしく家中モップで走っているのだ。

「私たちはこれでー……」

「待ちなさい」

折角帰れると思ったら、今度は何!?

「条約を結ぶのに女王は必要だ」

「……つまり出席しろと?」

「そうだ、2人ともな。今のところ君たちは――」

「王様!」

側近が口を慎むよう王に呼びかけ、王は分かっているという仕草をした。

764:♪さんご ◆iAoc:2013/11/14(木) 16:47 ID:F1A

「何か?」

「あ、いや……」

2人はわざとらしく咳をすると、慌ただしく王宮へ戻る。


「はっきり言いなさいよ」

柴音は見えない2人に向けて唾を飛ばす。

「言えない理由があるのよ、絶対」

可憐はそうつぶやくが、その意味が分からない紫音は首をかしげながら怒っている。

765:♪さんご ◆iAoc:2013/11/14(木) 17:13 ID:F1A

「まさか……あの二人が――だったなんて」

「思いもしなかったな」

険しい表情で言った。

「ところで、いつ条約を為さるおつもりで?」

「うむ、早いほうがいいな、予定では明日だ」

「承知致しました」

側近はスーツの襟元を整えるとその場を去った。

「条約の内容……この国の市民が賛成してくれるのか……」

ため息をつきながら万年筆を走らせる。

「つらいな――あの2人が対立しているとは」

766:♪さんご ◆Ah9w:2013/11/14(木) 17:15 ID:F1A

うぅ…更新しにくいなぁ

767:♪さんご ◆iAoc:2013/11/14(木) 18:06 ID:F1A

「出席は明日になります」

 側近は2人にそう告げると、何やらスタスタ引き上げていく。不自然そうに。

「怪しいわ」

「うん」

 紫音のことに初めて同感する可憐。


 翌日――

「今日は出席の日でございます」

「わかってる、私達なにをすればいいの?」

 紫音は溜息交じりにソファーの上に座りながら言った。

「申し訳ございませんが、何もされなくてよいのです」

「むしろそのほうがいいわ」

 紅茶をすすりながら言う可憐。

「それはよかった、出発いたしますよ」

 側近は何かを唱えると、あっという間にみな消えてしまった。

768:♪さんご ◆iAoc:2013/11/14(木) 18:24 ID:F1A

 シャンデリアに細かい細工のステンレスガラスにふかふかのじゅうたん――

「うわぁ、すっごい広い……」

 可憐は天井を見上げ、歓声の声をあげる。


「で、王はどこよ」

「確か……演説の時以外は身を潜めているらしいです」

 静かに側近が言うと、紫音は期限を悪くした。

「早く帰りたいっつーの」

 ぶつぶつ愚痴が聞こえるが、側近は気にしない様子だ。

「あの、私達何もしないのに、居ても意味あるんですか?」

「王女という権限があれば……」

 言い終わらないうちに演説が始まるのか、ライトアップされたステージに目を向ける客。

「演説が始まるのね」

「あぁ」

 表情を一瞬で切り替え、警戒する3人。王は後ろの特別席で同じ表情を浮かべている。

769:♪さんご:2013/11/14(木) 18:37 ID:F1A

「これから条約抗議を始めます」

「抗議?」

 やはり否定するつもりね……こうなったら裏をかかないとね――帝王!

「我々は独立国として、何者の手も借りずに生きてゆく!」

 力強い発言、厳しい口調。

 心から否定していることが声で分かる。

「無理矢理併合するなんて……」

 小さく呟き、潤んだ眼で王を見た。

「こうでもしないと……不法なことばかりするのですから」

 複雑な表情で俯く。

770:♪さんご ◆iAoc:2013/11/14(木) 18:44 ID:F1A

「条約の内容を述べよ」

「はい」

 王は優雅に立ち、紙を開くと、大きな声で言った。

「マジカル共和国に祈りの力を捧げる。

 貿易の関税は其方で決めても良い。

 何かあったら軍を此方から送り、援助する。

 以上でございます」

 王は書を読み上げると、静かに座った。

 その声は部屋中に大きく反響した。

「王様、立派でございました」

 拍手の嵐が止まず、ミラクル帝国の物は涙目になっている。

「ふむ……」

 ステージの上で、ガイアは考えてから言った。

「いいだろう、認める。しかし期限付きでな」

「期限付き?」

 王と側近いや、その他の人までが首をかしげた。

771:♪さんご ◆iAoc:2013/11/14(木) 18:49 ID:F1A

今日はここまでかな?

この章はちょっと長いね…

772:♪さんご ◆iAoc:2013/11/15(金) 06:59 ID:F1A

「一か月間、この条約で満足できたのならばいいだろう」

「そんな!どうしてそんなことを言い出すのですか!?」

「この条約ではなにか不満とでもいうのか!?何が不満か申し出てみよ」

自分勝手すぎる自己中心的な考えに、しびれを切らすのも当然であろう。

「怪しいのだ、条約にはこちらに有利なことばかりではないか。さては何か企んでいるだろう……?」

「違います、貴方の民族はとても貧しかったでしょう、その償いにこの条約を結ばせたいのです」

王も側近も手が汗ばんで、こわばった顔に変化していく。

「お試しってやつだよ、分かるか?たくらみも消えただろう?併合という名のね」

高らかに笑いながら舞台の上でマイクを持ち上げるガイア。

773:♪さんご ◆iAoc:2013/11/15(金) 18:17 ID:F1A

「待って下さい!意見があります、聞いて下さいませんか?」

制服姿のまま、手を真っ先に挙げたのは――可憐。

「なんだ、そこの者!身の程知らずめ、庶民のお前が王に気安く話しかけるなど無礼ではないか!」

銀色の鉄甲冑を身にまとった兵士が、細い槍を可憐に一ミリ程度のところまで突き出した。

「庶民?これでも私は女王らしいですけど?ご存じでないのですね!」

早口のように言うと、ガイアを睨んだ。

「併合と分かる訳はなんですか?理由は根拠は結論は!すべて主語述語できっちり言い表してみなさいよ」

そういうと、王は切羽詰まったように黙り込む。

「さては盗聴したのでしょう?証拠はあります。盗聴器の致命的な"副作用"がありますからね!」

774:♪さんご ◆iAoc:2013/11/15(金) 18:37 ID:F1A

それは、前日の事だ―

リリリリ――……リリリリッ

繰り返し鳴らされる、日本では珍しい黒電話の音。

赤い布の上にちょこんと置いてあった。

「もしもし?」

『大臣です。声が大きいですよ、王様』

「普通の声でしゃべっているのだが……大きく聞えるな。そちらの声が小さく聴こえる」

『むむ、不思議ですなぁ』

首を傾げながら大臣は言った。

「さらに録音テープのサァーって音が……」


「これはかなり昔の盗聴器、36gbt型で雑音対策がないものね。だから分かった」

可憐が手に持っているのは、トランシーバーのような黒い盗聴器だ。

「何を言う!でもな、何方にしろ併合が目的というのも分かっているんだぞ!」

苦しい言い訳を続けるガイアは、息が切れるようにやっとの思いで叫んだ。

「お前らが聖剣で青銅を割り、私と突き止めたのもな!」



「…………なんでそこまで知っているのですか?」

775:♪さんご ◆iAoc:2013/11/15(金) 19:19 ID:F1A

「しま……っ!」

「盗聴したからこそ分かった事、そうでなくともスパイを送っても犯罪ですからね」

 不特定多数の目で睨まれるガイア。

「併合は――条約を結ぶ」

 無理矢理結んだかのように書類にサインをした。

「これで帰っていいぞ」

 王は偉そうに言うが、そんなのに怒りはしなかった。

 どうでもいい、早く帰りたい――!

「さようなら」


 エメラルド色の芝生に立った。


 いつか、必ず併合できますように――

 この本当の祈りは心を込める。


 だから、いつか併合するはず――……

 夜になった空の流れ星に願い事はしなかった。

 消えてしまった。 

 流れ星は遠く彼方へ併合という願いを乗せて――……

 

776:♪さんご ◆iAoc:2013/11/15(金) 19:19 ID:F1A

<〜第8章 完〜>

777:♪さんご ◆iAoc:2013/11/15(金) 19:20 ID:F1A

8章完結しましたー

9章を入れ、10章でエンド!

 ってカンジにしたいww

778:愛乃れい:2013/11/17(日) 19:06 ID:9Fk

沈まないと思うけど、あげとく!
9章もがんばってねん♪

779:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 06:44 ID:F1A

THANK YOU れい!

9章は貿易会社の関係とかについてかなぁ

780:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 07:10 ID:F1A

〜\章〜 命の価値


HARRISと船城財閥の関係もまた疑問の1つ。

放課後のティータイム(CLOCK会議)で紅茶をやけにすする怜雄。

「私たち……いっそ船城財閥のビルに乗り込もうかしら……」

芹香が突然無謀な提案を平気で言いだしたのだ。

「ダメよ、無謀すぎるわ」

音色先生は真っ向から否定し、他のみんなもため息交じりに首を横に振った。


亜嫩は生徒会室のドアの前で突っ立っていた。

親戚はHARRISっていうのに人質にされたらしいな――

カッカッ

「どうぞ」

亜嫩は思い切って銀色のドアノブを一回転回した。

781:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 15:35 ID:F1A

「ちょっと……今の話聞かせて下さい!」

 亜嫩は息切れしながら言った。

「何の話?」

「船城財閥に乗り込むっていう話です」

 赤いじゅうたんの上に亜嫩は堂々と立つ。

「その話……でも危険すぎるわ」

「親戚が会社に人質としてとられています。助けたくて――」

「親戚が人質に?」

 可憐は興味深そうに紅茶のティーカップをガラスの机に置いた。

「えぇ。十夢です。幼馴染で、5歳の頃人質としてビルに閉じ込められていました」

「大変だぞ、そんなことがあったら!」

 蓮は目をまるくし、言葉を選びながら続ける。

「なぁ、お客という立場で行ってみないか?パンフレット集めたりとか」

「お客として――ね」

 蓮の提案に音色先生は軽く頷き、何か考えてから答えた。

「少しの間だけ、お客ということで行ってみましょうか。ただ潜入はしません」

 音色先生は厳しい口調に険しい顔で言った。

「分かりました、で誰が行くのです?」

 騎士が一言言うと、

「お客だよ、大人が言ったほうがいいんじゃないか」

 怜雄が一言。

「音色先生、お願いします」

 芹香が笑いながら言った。

782:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 15:40 ID:F1A

プロフの裏話編

船城十夢を来渦十夢にしたかった(くるうず とむ)

783:♪さんご:2013/11/18(月) 15:51 ID:F1A

「わ……分かったわよ」

 音色先生は鞄を持って、力任せにドアを閉めた。

「亜嫩さん、ちょっと人質の件を詳しく尋ねてもいいですか?」

「構いません」

 亜嫩は溜息をつきながら、ソファーにゆっくり座った。


「なんで人質にされたかって分かる?」

「予測ですが……十夢は有能でしたから。成績とか」

 

784:♪さんご:2013/11/18(月) 16:26 ID:F1A

ブログにも来てね〜☆

ネタバレ編
http://chat.firebird.jp/profile/profile.cgi?mode=view&name=%81%F4%82%B3%82%F1%82%B2
♪さんごで検索

裏話編
http://cgi-games.com/abi/profile/profile.cgi?mode=view&name=%82%E9%82%E9%82%A9%81%F4

るるか♪で検索

785:♪さんご:2013/11/18(月) 16:27 ID:F1A

いつもいます 紹介者を るるか♪ にしてほしいです〜

http://cgi-games.com/abi/abiya/index.cgi

http://chat.firebird.jp/abiya/index.cgi

786:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 17:08 ID:F1A

 音色先生は地図を頼りにやってきた。

 白い真新しいビルには【HARRIS貿易会社】と書かれている。

「開いていないわね……今思えば、貿易会社にお客が用なんて……」

 シャッターが閉められ、周りには人がいない。

「ダメだわ、侵入できない……」

 ため息をつき、引き返した。


「あら?」

 最上階だけシャッターは閉めていない。

 男性が書類に何か書いているのが分かる。

787:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 17:12 ID:F1A

「誰?会長だとしたら……HARRISのマスターとは――」

「御名答」

 後ろから突然声がし、音色先生は躓いた拍子に、アスファルトに転んだ。

「あれは僕の手下だ。私が会長だがね」

「HARRIS……CLOCKを知っているの!?」

「あぁ勿論。敵対する組織だからね。それと私が駆使する組織」

 不気味な笑みをうかべ、余裕のある態度。

「私が駆使する?何いっているの」

「知らなかっただろうが――HARRISとCLOCKのマスターを入れ替えさせたのだよ」

「はぁ?」

 音色先生にも意味が飲み込めず、アスファルトの上から立ち上がれない。

「HARRISにはCLOCKのマスター、CLOCKにはHARRISのマスターと入れ替えたのだ」

「なんで?そうする必要が……?」

 険しい顔で睨みつけた。

788:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 18:21 ID:F1A

「最初から逆だったのだよ――僕は元々CLOCKのマスターだった」

 上を見つめ乍ら続ける。

「ある日持ち込まれた話は、HARRISとCLOCKを逆転させないかという話。メリットがあるとは思わなかった、が」

「な――なんで……」

「私はその条件を飲んだ。何しろ、HARRISを好きに動かせるのだから」

「!?」

 思いもしなかった一言――

 本当の敵は――CLOCKだというの!?

789:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 18:30 ID:F1A

 曇った顔で生徒会室に戻った。

「どうでした?」

「驚くべき事実が――あったの」

 小声で呟き、ため息を付いた。

「いつもの……いつもの音色先生じゃない」


「CLOCKとHARRISのマスターが――入れ替わっていたの」

「な……そんな!?」

「じゃあ今の所長は……理事長は――HARRISのマスターッ!?」

 皆驚かない訳にはいかなかった。

「どっちが良くて、どっちが悪いっていうの……?」

 可憐は驚愕の顔のまま誰かに問いかけた。

「あぁ、もう分かんないよ!」

 怜雄は頭を抱えるし、蓮は舌打ちをする。

「先生、HARRIS……いやCLOCKの所長に会ったの?」

「えぇ、若い男性だったわ」

 音色先生は鞄を放ると、紅茶を啜った。

790:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 18:39 ID:F1A

「CLOCKの所長……じゃなくてHARRISの、マスターを問い詰めましょう!」

 琴栄はいつもより大きな声で叫ぶと、音色先生は頷いた。

「きっと理事長室に居るわ」

 CLOCKのうち、怜雄と可憐と芹香と音色先生が駆け込んだ。


「……いないっ」

「ほかの場所へ行ったのかしら?」

 茶色い革の椅子があるだけだった。

「でも……エアコンは付けっぱなしよね」

 可憐が言った。

「すぐに戻る可能性も?」

791:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 18:47 ID:F1A

 そうつぶやいた音色先生。

「大体、バレたわけでも……ないのよね」

「理事長が逃走したら、朝会に出れない。そしたら不自然だろ」

 怜雄は慎重に推測しながら、茶色い椅子を眺めた。

「そうね……校長はなにかご存じかしら?」


 校長室を訪ねた。

「校長先生、理事長が今日出張するとか」

「じゃあさっきのエアコンは……?」

 エアコンをつけたまま出張するバカなどいないはずだ。

「誰かが入った?」

「いや、その可能性は薄いな」

 芹香の意見に怜雄が言った。

「理事長室には厳重に鍵がかかってるし……合鍵は音色先生のみ持っている。それにガラスが壊された跡なんてなかったぞ」

 こうなると、自作自演という道が出来た。

「これで全てが繋がったな」

 蓮が堪り兼ねたように言った。

792:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 18:54 ID:F1A

「なんで来たんだよ」

「悪ぃ、興味があって。騎士と琴栄と風花は残ってるぞ」

 銀色の頭をかきながら蓮は言う。


「ねぇ、ヒヨコちゃん、もう一回理事長室調べる?

「ヒヨコじゃねぇよ、まぁ調べるか」

 
「荒らされた跡もないしなぁ、ん?」

 真っ白い置手紙がクリップに挟んであった。

『これから出張に行ってきます。

 船城学院に』


「船城学院に出張?」

「つーことは……」

 やはり入れ替わってたわけか!

793:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 19:09 ID:F1A

「でも、いくつも不自然なことが……」

「ん?」

 可憐のつぶやきに芹香が言う。

「だって、CLOCKを動かすために入れ替えたのは分かるけど……指揮は音色先生に任せっきりよ。情報を集めるとでも言うの?」

「うーん、確かに……スパイ見たいに乗り込むのかもね」

 首を傾げながら芹香は椅子に座った。


「なぁ、船城学院に行ってみる?」

「でも……態々行く?帰ってからでも――」

「逃げるかもしれないぜ」

 怜雄はいつになく厳しい顔で言った。

794:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 19:10 ID:F1A

800いきたいなぁ

これまで1000いった小説あるのかな?

795:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 19:15 ID:F1A

「ここは蓮と怜雄で行く」

「私も行く!」

 可憐の横にいた芹香が言い張った。

「危ないだろ」

「2人もね」

 対立している暇なんてないのに。

「俺らは行ってるからな!」

 芹香の気持ちを無視して2人は行った。


「ちぇっ」

「双美さんを心配して言ったんじゃない?」

 背後から声がする。

「うわぁ、水上さん!」

「怜雄君が好きなんじゃないの」

 突然、何故か恋バナになってきた。

「はぁ?何?私が?アホらし……」

 苦笑しながらも汗が一滴滴り落ちた。

「無理してるんでしょ」

「ヴッ」

 

796:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 19:15 ID:F1A

恋の路線は苦手で…

そういうの入れてほしかったら言ってください〜芬
あまりうまくないですが

797:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 19:18 ID:F1A

「そんなことより、私達に役がないって言うわけじゃないでしょう」

 可憐は腕組をし、長考した。

「そもそも船城財閥に関しては調べていないでしょう?」

「あと人質もどうにかしないと」

 十夢は敵対するが、人質と聞くと助けたい。

「そうだね、でもHARRIS撲滅が優先じゃない?」

「HARRISと手を組んでると厄介だもの、先に突き止めなきゃ」

 色々案がでるが、いいアイディアはなく――

798:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 19:21 ID:F1A

「怜雄と連絡とってみる」

 芹香はケータイを取ると、怜雄にかけた。

「もしもし、芹香だけど、今どこら辺?」

『もう着いた』

「どこにいるか分かる?」

『いや』

 彼方もかなり苦戦しているらしい。

 芹香の声が早くなった。

「じゃあ、生徒会室を見てきて」

『なんで?』

 怜雄が問いかける。

「きっと……生徒会室に居る、だって――ブッ」

 言いかけた時、電話が突然切れてしまった。

「充電切れ……!」

799:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 19:22 ID:F1A

チャット(わいわい亭)に来てくださいね〜

雑談とかしたいなぁ

800:♪さんご ◆iAoc:2013/11/18(月) 19:22 ID:F1A

今日はここまで

明日も更新します^^

801:愛乃れい:2013/11/18(月) 21:03 ID:9Fk

これまで、1000行った小説…
2つ知ってる!!
逆に言えば2つしか知らない←

802:♪さんご ◆iAoc:2013/11/19(火) 06:53 ID:F1A

画面がいきなり真っ黒になり、紅い怪しいライトが異様な空気を漂わせる。

「どうしよう……まぁいいや、きっとあの2人なら生徒会室に向かってくれる――!」


一方怜雄と蓮――

「生徒会室に何があるんだよ」

「さぁ?」

蓮は納得しない様子で船城学院の校舎を見つめた。

ちょっと古そうなコンクリート造りの校舎の周りに、ちょっと黄色くなった芝生。

「窓から……様子を見る」

怜雄はさりげなく校舎裏に回った。

船城学院の制服をあらかじめ用意し、着て、怪しまれないようにしたのだが……

803:♪さんご ◆iAoc:2013/11/19(火) 07:03 ID:F1A

「キャァ―――ッ!」

「!?」

女子の悲鳴が束になって蓮と怜雄に飛んできた。

「イケメン、カッコイイィ〜」

「誰?よく見かけない顔だけど……転校生!?」

あぁ――よくあるパターン……

「うん、そうだよ」

「は?え?」

蓮の対応に怜雄は戸惑う。

小声で蓮が檄をとばす。

「話を合わせろっ」

「ったく」


「うん、転校生だよ。それで……生徒会室を案内してくれるかな?」

とびっきりのニコニコ顔で言われたらたまったもんじゃない。

「オッケェーッ!私が案内するぅ〜」

「ずるぅ〜い」

女子の悲鳴がBGMになって案内された。

804:♪さんご ◆iAoc:2013/11/19(火) 07:13 ID:F1A

モーニングnovelはこてで終わりかな
あとは昼に沢山更新予定

805:♪さんご ◆iAoc:2013/11/19(火) 17:26 ID:F1A

ナイトnovel発信!(`・ω・´)つ

806:♪さんご ◆iAoc:2013/11/19(火) 17:54 ID:F1A

職員室隣りの小さいドア。

「ここか、でも本当に居るのか?」

「分かんないが……外の窓から様子を見るぞ」

怜雄は蓮に引っ張られ、外へと不満そうな顔で出ていく。



「怜雄と蓮……大丈夫かな」

「そんなに心配_?」

風化は笑いながらため息をついた。

「だって……」

芹香の顔が、頬が赤というより薄いピンク色になった。

807:♪さんご ◆iAoc:2013/11/19(火) 17:55 ID:F1A

http://chat.firebird.jp/abiya/index.cgiの関係で
更新量少なくなるかも

808:紅蓮のkido:2013/11/19(火) 18:12 ID:tcg

新みんチャしばらく行けんわw

809:♪さんご:2013/11/19(火) 18:14 ID:F1A

ねぇ、kido先生、新みんチャ可笑しくなってない?

小説続けます〜

810:♪さんご:2013/11/19(火) 18:19 ID:F1A

 芝生に膝をついて観察。

「ホントだ、馬路で理事長が……!」

「そんなバカな、あいつの言っていることがあっているのか」

 怜雄が言うと、蓮は動揺した。



「なんで生徒会室って分かったの?双美さん」

 風花が不意に聞いていた。

「これよ、追伸でこうある」

 1本のライト付きペンを取り出した。ライトを当てると字が読めるタイプの物だ。

『生徒会室でHARRISと打ち合わせ』

「!?」

 光を当てると薄く文字が映った。

「さすが双美さん!」

「へへっ?」

811:紅蓮のkido:2013/11/19(火) 18:23 ID:tcg

そうだな…つか俺500エラー出て何か入れねぇんだけどw

812:♪さんご:2013/11/19(火) 18:24 ID:F1A

エラー……か――

まぁ雑談になるんで一先ず終了

813:♪さんご♪:2013/11/19(火) 18:28 ID:F1A

「そろそろ……行くか」

「えっ、入らないの?」

 蓮が立ち上がると同時に怜雄が口を開いた。

「相談してからにするよ」

 蓮は面倒そうに言うと、芝生の花を踏んだ。

「ひ……ひでぇ」

「俺は酷い、今気づくお前もトロい」

 冷たい目、冷たい口調――

 蓮とは思えない。

「お前……」

 蓮じゃない!

「じゃあ質問だ、蓮。俺らの所属するサッカーチームは何だ」

「言う間でもないだろ」

「分からないんだな?」

 答えない蓮を怜雄は厳しい目で睨んだ。

814:♪さんご:2013/11/19(火) 19:06 ID:F1A

「…………知らないんだろ?」


 長く、睨みあう暗黒の沈黙。

「分かったのか?」

「あぁ」

 怜雄は一瞬フッと笑っただけで、後はすごい形相になった。

「俺は船城十夢だよ」

「本物の蓮はどこなんだよ!それにいつ変装して……!?」

 驚きながらも落ち着いた表情で言った。

「行く途中、トイレへ行っただろう?その時だよ。本物は公衆トイレだ」

 
 

815:♪さんご♪:2013/11/19(火) 19:19 ID:F1A

今日はここまで〜^^

816:漣 ◆WOJE:2013/11/19(火) 19:50 ID:uwA

お邪魔します。
私、小説コンテストというものをしているのでよかったら推薦を。
http://ha10.net/test/read.cgi/novel/1384855318/l50

817:♪さんご:2013/11/20(水) 06:56 ID:F1A

えぇっ、Σ(゚Д゚)

まぁ、はい...

818:♪さんご:2013/11/20(水) 07:04 ID:F1A

一応やってみたけれど…
本気で優勝にぶつかるぞ――!

みたいじゃなく、いつも通り書こうっと♪

819:漣 ◆WOJE:2013/11/20(水) 15:43 ID:KvY

ご推薦いただいたさんご様。
結果発表の日時はまだ決まっていないので決まった次第、書き込ませていただきます。
ご推薦どうもありがとうございました。

820:♪さんご:2013/11/20(水) 16:10 ID:F1A

はい、お誘い有難うございますね。
決まったら見に行きます^^

821:漣 ◆WOJE:2013/11/20(水) 16:12 ID:KvY

はい^^

822:♪さんご:2013/11/20(水) 16:16 ID:F1A

 風は怜雄の向い風、逆に言えば十夢の追い風だ。

 芝生の上の蟻は一匹も姿を見せない。

「さぁ、どうする?」

 十夢はニヤッと怜雄を見据えると、余裕のある態度を示した。

「どうするかって?俺は……」

 少し考えた後、睨みながらも顔が笑った。


「蓮を探しに行くんだよっ!」

 十夢に気取られず、公園の公衆トイレへと急いでいる。


 建物を7つほど越えただろうか。

 公園の近くには無邪気な子供の声が飛び交っていた。

「蓮っ」

 公衆トイレをノックしたが応答がない。

 信じたくないがもしや――……

823:♪さんご:2013/11/20(水) 16:19 ID:F1A

「蓮!居るんだろ?」

 公衆トイレは一つしかないので、入るとしたら選択肢はここだけなのだ。

 口を房がれているだけ、と願っている。

「上から……入るか」

 怜雄は汗ばんだ手を握り締めると、ドアの上を見つめた。

 公園の子供の声が聞こえなくなるほど、真剣に。

 男子トイレのプレートが反射して怜雄を照らした。

「蓮……"生きていろよ"」

 蓮はこれが最後に聞く言葉にならないように――

 ただただ怜雄は祈るだけだった。

824:♪さんご:2013/11/20(水) 17:26 ID:F1A

 ん?まて……

 修理中のはずで鍵がかかっていたし、意識のあるまま上から放るのは無理がある。

 眠らせたとしてもとても上へ追いやるなんてできそうにない……

「分かった、用具入れだなっ」

 トイレの横にある、四角いドアをためらうことなく怜雄は開けた。

「やっぱり!蓮っ、蓮!」

 何度も、何度も叫んだ。

「口が塞がれているな……ロープも解くか」

 きつく瘤結びしてあった荒縄を解き、慎重にテープも外した。

825:♪さんご:2013/11/20(水) 17:35 ID:F1A

 怜雄は意識を手放したままで、これが生きているのか死んでいるのかが区別すらつかないくらいの状態だった。

「ヤバい、人目につくとなぁ……一先ずCLOCKに引き返すか」

 怜雄は制服の上着をそっと蓮に被せて、引きずるようにした。

 人通りの少ない道を選んで、蓮を背負ったり引きずったり。

 蓮の顔は蝋人形のようだし、手に力も入っていない。

「我慢しろよ……なぁっサッカーで決着つけてないだろ」

 蓮にも、そして自分にも。

 心で大きく、口で小さく言い聞かせた。

 蓮は死んでしまった?

 いや、有り得ない、蓮に限って。

 思いを打ち消すように首を振った。

826:♪さんご:2013/11/20(水) 17:40 ID:F1A

なんでさんごって名前なの?
よく言われました。

やっぱり一番は漫画家の『森本サンゴ』さんに憧れてです。
少女記者マイちゃんしか読んだことはありませんがw
それで自分も新聞部に入るという…←

827:♪さんご:2013/11/20(水) 18:04 ID:F1A

「大変だ!」

 ドアを慌ただしく開け、泣きそうな顔の怜雄に、外の雀は一匹残らず消えた。

「な……何!?」

「ん?蓮君どうしたのっ」

 口々に同じ質問が怜雄に向かってきた。

「十夢にやられたんだと思う、きっと」

 険しい表情になると、怜雄は蓮の汗を拭った。

828:匿名さん:2013/11/20(水) 18:43 ID:F1A

「怜雄、離れた方が……いいんじゃないかしら?」

 芹香は怜雄に向かって小さく呟いた。

「何でだよっ」


「死んでしまう人を見届ける勇気があるならいいけど」

「死ぬだって!?考えるなよそんなこと」

 怜雄はすごい形相になって、生徒会室に怒りを燈らせた。

「分かったわよ」

「アリア石……あれなら蘇らせることができるのかも」

 監禁された洞窟にあった、水色の透明な石。

「あれは別名"revive Stone"(蘇りの石)。でもそれだけあって副作用として……代価として――」

 言葉を途切らせてしまった。

 副作用が分かれば使用させないかもしれないからだ。

「どんな副作用でも生き返らせたい、教えて」

 怜雄は真剣な眼差しで、可憐に向かって言った。

 ほかの人は真っ白いソファーで黙っている。

「副作用の発生確率99.99……記憶喪失」


 長い沈黙の末……

829:♪さんご:2013/11/20(水) 18:47 ID:F1A

>>828匿名さんだけど私ですよー

830:♪さんご ◆iAoc:2013/11/20(水) 18:52 ID:F1A

「それでもいい、俺は」

「えっ!?」

 小さく琴栄が言った。

 それでも沈黙は長引くばかりで、不穏な空気を漂わせる。

「生き返ればいいし……それに……完全な100%じゃない。残りの0.01%にかける……ってやつだろ?」

 格好つけて言ったつもりらしいが、涙がこぼれていくのを見逃さない訳にはいかなかった。


「…………今すぐ調合する。アリア石を入手しに行くわ」

「待って、アリア石って貴重でしょう?それに加工技術も難しいって……」

 琴栄は可憐を押し留めた。

「一回調合したことがあるの。それにアリア石はシンデレラ城にあるわ」

「そうなの?」

「えぇ。今すぐシンデレラ城に向かう」

 
 可憐の後ろ姿は、いつになく凛々しく思えた。

831:♪さんご ◆iAoc:2013/11/20(水) 18:56 ID:F1A

「残りの0.01%にかけるって……完全アニメの名台詞じゃねぇかよっ」

「蓮!?」

 今耳の奥で蓮の声がした……はず。

 でも未だに意識はない顔をしているし―――

「空耳か」

 諦めたように笑って、蓮の顔を見た。

 青と水色のグラデーションの空は、もうじき夕焼けの合図。

 
 日が暮れても――

 どんなに残酷な生き返りでも――

 絶対にそれを受け止めて、耐えて――……

832:♪さんご ◆iAoc:2013/11/20(水) 19:05 ID:F1A

今日はここでギブ...
明日もモーニングnovelとナイとnovelの予定!

833:♪さんご ◆iAoc:2013/11/20(水) 19:09 ID:F1A

最終回についてのアンケートとろうかなぁ

と思ったけど毎回れいしか回答してくれないし(ー3−)=3ブー
もういいや、自分で考えようっと

834:♪さんご:2013/11/21(木) 17:15 ID:F1A

ナイトnovel発信します♪

835:♪さんご:2013/11/21(木) 17:28 ID:F1A

 来たくないけれど来なきゃいけない宿命の場。

 芹香と可憐と、そして今回は琴栄も心配して見に来たのだ。

「アリア石って……確かだけれど、骸骨と墓を囲むようにしてあったんだ」

「へぇ、じゃあ骸骨と墓を探せばいいんだね」

「えぇ。きっとそうだわ」

 暗い中にも薄明るい光がほんの少し差し込み、顔の区別が出来るくらいだ。

 蓮は今、微かに息を繋いでいる。瀕死の状態らしい。

「あの状態……生きていて不思議なくらいだったわ」

「生きているのかすら、分からなかったけれどね」

 口々に蓮の状態を言い合いながらアリア石を求めた。
 
 ポタッっと鍾乳洞から垂れる水の音がリズムよく落ちている。

「アリア石って見たことないけど、どんな特徴が?」

 芹香が真剣な顔、真面目な口調で尋ねる。

836:♪さんご:2013/11/21(木) 17:41 ID:F1A

「えっと、澄んだ水色で、微妙に星型……そして何より、光を当てると七色に光る」

「へぇ、じゃあこれが必要だねっ」

 芹香は万年筆型のミニ懐中電灯を鞄から取り出した。

 先っぽのキャップからは、青白い光がぼんやりと放たれた。

「へぇ、便利だね!」

「どう見ても万年筆だわ……」

 芹香は気分がいいらしい。


 一方、瀕死の蓮――

「…………」

 何も口も目も開かない、蝋人形。

 感情もなく死んでいくなんて……嫌だ。

 せめて笑って息を絶えさせればいいのに。

「何されたんだよ……っ」

 蓮の体には傷一つなく、薬でこんな状態にされたと思われた。

 両親は外国に出張中なのですぐに呼び出せない。

 親類の邪魔もしたくないし、それにまだ――……

 希望の光はある。

「待ってろよ、耐えてろよ、それくらいの事が出来なきゃあ俺の勝だからな」

 自分でも訳の分からないことを無意識に言っていた。

 ベットの上。

 銀髪の髪が風に靡かれ、震えているかのようだった。 

837:♪さんご:2013/11/21(木) 17:47 ID:F1A

 その頃、騎士と風花は亜嫩のもとを尋ねた。

 事実を伝えに。

「えぇっ!?十夢が殺した!?あり得ないわっ」

 亜嫩は目を丸くするというより、瞬きを繰り返す。

「落ち着いて、十夢さんは本当にやったというの」

 ため息を付きながら風花は細い声で言った。

「十夢は……十夢はそこまでしないわ。海斗なら――」

 亜嫩は何か言いかけたまま、俯いてしまった。

「海斗……なら?」

「海斗ならあり得るわ。人を監禁したって言うんですもの」

「それは――小川さん達のことだね。確かに兄さんならあり得るな……」

 騎士は辻褄が合ったらしく、ゆっくり頷いた。

「でも――私達には何とも言えない。十夢は監禁したってだけもあり得るし」

「海斗は幼い頃十夢と遊んでいましたから、よく知っています」

 亜嫩は少しでもいい方向に持っていこうと、必死だ。

「海斗兄さんにあったら……話してみる」

 騎士は空を見上げた。

 雀は電柱に止まったまま、時が止まったかのように動かなくなった。

838:♪さんご:2013/11/21(木) 18:02 ID:F1A

「ただいま」

 風花と騎士は、亜嫩を連れて生徒会室へ戻った。

「白戸さん?」

「あっ、十夢の事です」

 落ち着いた表情で、静かに言った。

「えっと……十夢じゃないと思うんです、あくまで私の予想ですが」

「……え?」

 怜雄は何が何だかよく分からないという顔で唖然としたまま。

 亜嫩はまごついた感じで言った。

「海斗がやったと思います……ケッケッ」

 乾いた咳を繰り返すと、ふら付いて風花に支えれた。

「あ……いけない、薬の時間だわ」

 生徒会室を風花に支えられながら退室した。

 怜雄はじゅうたんを踏みつけ、拳を握ると

「海斗……海斗だったのかっ!」

 燃えるような形相で叫んだ。

839:♪さんご:2013/11/21(木) 18:09 ID:F1A

「あったわ!」

 可憐のほうでは、先に琴栄が見つけたらしい。

「ライト、貸して」

 芹香から万年筆風LeDライトを受け取ると、光を当てた。

「間違いない、本物だわ」

 赤、青、緑……と、色を瞬く間に変えていく。

 その光は鍾乳洞を照らした。

「調合を……」

 可憐は鞄から、フラスコ、試験管、ビーカーなどを取り出した。

「実験道具を持ち歩くって……」

 芹香が驚きながら苦笑した。

840:漣 ◆WOJE:2013/11/21(木) 18:29 ID:TuE

突然ですが・・・
今日、結果発表をしたいと思います。

841:♪さんご:2013/11/21(木) 18:31 ID:F1A

了解です〜
お知らせどうも^^

842:♪さんご:2013/11/21(木) 18:37 ID:F1A

「急いでっ、蓮君の状態はっ!?」

「あぁ、何とか息は続いている!」

 可憐はドアを慌ただしく開けると、青色の液体の入ったガラス瓶を怜雄に渡した。

「間に合って……」

 琴栄が手を合わせて願った。

 そうだ……ラッキーコントロール……

 手を誤差なく合わせ、心を込めて願った――

「記憶も……あったらいいな」

 一言譫言のように呟くと、怜雄は瓶を蓮の口元に当て、ゆっくり注いだ。

843:♪さんご:2013/11/21(木) 18:43 ID:F1A

 しばらく変化はなかった。

 涙を少しずつ流す人もいた。

 日の光は消え、同時に……

「……っ」

 小さく息を紡ぐ声が聞こえた。

「!?」

 この瞬間を怜雄は捉えた。

 ほんの1秒にも満たないこの一瞬――

「蓮!?」

 吐息は徐々に大きくなり、鼓動が高鳴る。

「やった!」

 蓮が目を開ける前に、CLOCK一同は飛び上がった。

 そして――……


「ん?」

 瞼を薄らと、ゆっくりとあけ、そして周りを見た。

 問題は

 記憶が残っているかどうかだ。

 
 0.01%にかけた思い――……

844:♪さんご:2013/11/21(木) 18:48 ID:F1A

「…………お前――だ……」

「!?」

 『だ』と言われたらもう、『誰?』と聞くに違いない。

「誰?」

 あぁ、やっぱり!

「なんでだよっ蓮!記憶を――」

「怜雄、落ち着いて」

「そうよ、ここは命が永らえただけでも……喜ぶべきじゃないかしら?」

 琴栄が静かに言うと、怜雄は可憐の方に目をやった。

「ごめんなさい、何か……」

 調合のミスがあったわけでもないが、あまりにも怜雄が複雑な表情だった。

「いいよ、悪くないから」

 冷たく、悲しい声だった。

845:♪さんご:2013/11/21(木) 18:53 ID:F1A

 蓮はゆっくり起き上がると、怜雄を見据えた。

「よかったな、蓮」

 怜雄は優しい目に戻ると、蓮を見つめた。

 全員の視線は蓮と怜雄のほうに自然と向けられた。

「俺、怜雄って言うんだ、宜しくな」

「へぇ、俺は……俺は……」

「蓮って言うんだよ」

「そうなんだね」

 蓮は純粋な笑顔で怜雄を見た。

「記憶の引き算ってやつかな」

「え?何のこと?」

「なんでもない」

 諦めても笑った。

 可憐は自分を責めるしかないと思っていたけれど。

 この笑顔でせめる気持ちはまっさら消えたのだ。

 砂になって。

846:♪さんご:2013/11/21(木) 18:54 ID:F1A

記憶はあってほしかったけど、ありきたりのパターン……
ってことでなくしました、すんませんw

847:♪さんご:2013/11/21(木) 18:58 ID:F1A

蓮の性格が豹変します。
ご注意を!!

848:♪さんご:2013/11/21(木) 19:08 ID:F1A

今日はここまで〜

849:♪さんご:2013/11/21(木) 19:49 ID:F1A

「さて残るは……」

「あぁ」

「船城財閥とHARRISの関係……ね」

 分かっている、というように芹香が呟いた。

「乗り込みに行くか」

「私も……私も行かせて下さい!」

 怜雄に続いて、亜嫩は真剣に言い張った。

「部外者の私が首突っ込むのもなんですが……十夢を……お父さんを救いたいんです!」

「え?」

 全員、首を傾げながらも、可憐が言った。

「ダメよ、危険だわ」

「貴方たちと私、どう違うんですか?同じ人間、同じ年齢。危険なんかじゃあ有りません!」

 亜嫩は頑固に言った。


「……許可するわ」

「えぇっ!?」

 音色先生がぽつり、言った。

「ダメじゃあありませんか」

「いいわ、その代り命令には従って」 

「はい!」

850:匿名さん:2013/11/21(木) 19:50 ID:F1A

あちゃぁ、書き過ぎ?www

851:♪さんご:2013/11/21(木) 19:54 ID:F1A

morning novel 6:45〜

Night novel  6:00〜

852:瑠璃 ◆WUeQ:2013/11/21(木) 20:59 ID:Yhg

こんにちは!凄くおもしろいです!!
頑張ってください♪

853:♪さんご:2013/11/22(金) 06:37 ID:F1A

ありがとうございます!
久し振りに読者様が来ましたよぉ〜\(゜ロ\)(/ロ゜)/

854:♪さんご:2013/11/22(金) 06:45 ID:F1A

「なぁ、蓮」

「……あ、うん」

 怜雄は青い1枚の封筒を手にしていた。

 太陽に照らされて水色のようになっていた。

「あ、それ……」

 蓮は何かを思い出すように、か細い声で呟いた。

「確か、4歳の時の誕生日に?」

「そう、その封筒だよ」

 蓮の記憶は……自分で修復してみせる。

 できるはずなんだ。


「確か私も記憶が一部亡ななって……あっ」

 可憐は譫言の呟きが記憶のピースを嵌めた。

「私が飲んだ薬は……蓮君が飲んだのと同じものだったはず」

855:♪さんご:2013/11/22(金) 06:54 ID:F1A

「私は先にビルに行ってくる」

 音色先生は堪り兼ねたように一言発しただけで、後は何も喋らなかった。

「白戸さんは、私達と一緒に行ってね」

「はい」

 亜嫩は不安と似たような表情を抱くと、前を見た。

「十夢も……お父さんも……無事だといいな」

856:♪さんご:2013/11/22(金) 07:06 ID:F1A

「もう……行き時かしらね」

 琴栄が"何故か"名残惜しそうに言った。

「音色先生から連絡があったわ、今すぐ来てって」

「じゃあ、もう行くわ、日の暮れないうちにね」

 空は夕日がまだ沈まない程度だった。

 可憐と芹香、そして亜嫩は革靴を履いて、外に出て行った。


「私、いつもこの部屋に残っているのよね……」

 騎士と風花と蓮、怜雄の残る部屋で琴栄が物悲しそうに呟いた。

「綺崎さんだってこれまでにすごい功績だったじゃないか」

 怜雄が慰めるように優しく言ったが琴栄の心には入っていないようだった。

857:♪さんご:2013/11/22(金) 07:10 ID:F1A

「突入しに行くことだけが、援護じゃないんだよ」

 騎士が一言、ゆっくりと言った。

「データをハッキングした、それも援護だし、手当もした、それも役に立つことなんだ」

 怜雄が言葉を選ぶように続けた。

「屈辱だったもの、何も……出来なくって」

 絨毯に鳥の影が薄ら映り、踊るようにして影法師が揺れた。

「船城財閥に可憐ちゃん達が入ったわ、私は……私は……」

 琴栄は何か言いかけたが、すぐに口を閉じてしまった。

858:♪さんご:2013/11/22(金) 16:13 ID:F1A

Nightnovel発信タイム〜

859:♪さんご:2013/11/22(金) 16:38 ID:F1A

 真新しい白いコンクリート造りのビルに、金の文字で『船城財閥』

「本当に……船城財閥なんだ」

 海沿いのビルはガラス張りで綺麗。

「行ってくる……!」

 芹香はコツコツと階段を踏みしめ、その後を可憐と亜嫩が続いた。

 最上階までは厳重な警備があることを予想し、許可書を持ってきた。

「この許可証があります」

 厚紙に書かれた、判子まで再現された許可証を芹香は差し出した。

「ふむ……」

 なにか考えるように警備員はじっと許可証に焦点を定めた。

 そして険しい顔になって答えた。

「通しても良いが……くれぐれも身を慎め」

「どうも」

 一礼すると足を速めて階段を駆けて行った。

860:♪さんご:2013/11/22(金) 16:48 ID:F1A

「ふふ、こんなにすんなり通れるとは……警備も甘いわね」

 許可証は音色先生の知り合いから譲り受けたもの。

 でもこんな子供では通してくれるか心配だった。

「最上階には……潤賀永遠が居るのね」

861:♪さんご:2013/11/22(金) 18:21 ID:F1A

ここからが本番!

862:♪さんご:2013/11/22(金) 18:31 ID:F1A

『会長室』と掲げられた札を確認し、全員が頷いた。


「失礼します」

 冷たい顔に豹変した芹香が冷たい声で言う。

 若い男性は、後ろを向いて返事もしない。

 海が波を慌ただしく叫ぶかのように立っている。

「潤賀永遠さんですか?それとも……船城陸夢さん?」

 可憐達に背を向けていた永遠……いや、陸夢がすごい形相で振り返った。

 でも冷静に。

「何故それが分かった」

 陸夢の3人を順に睨む目が止まった。

863:♪さんご:2013/11/22(金) 18:35 ID:F1A

「お前……」

「お父さん、もうやめて!」

 亜嫩は割れた声で叫んだ。

 動揺が奔らんばかりに陸夢の瞳が揺らいだ。

「お前は私が捨てたはず……!」

「えぇっ!?」

「なんですって?」

 陸夢の叫びに、動揺の声が漏れる芹香、そして亜嫩を驚愕の視線で見る可憐。

「話は全て親戚から……聞きました」

 やがて亜嫩は俯いてしまった。

 よほどの力がいるのだから。

「教えて下さい。HARRISとの関係を」

 可憐はキッと見据えると、静かに厳しい口調で要求した。

864:♪さんご:2013/11/22(金) 18:40 ID:F1A

「ふん、子供ごときが。君らの指揮者は……」

「……っ!?」

「この様だ。はははぁ」


 陸夢の声と息を呑む声。

 それぞれが重なり合う沈黙。

「音色先生を……人質は音色先生だったのね!」

「ひどいわ、なんでそこまでしてっ」

 可憐が大声で怒りの声をあらわし、続けて芹香が激怒の瞳を見せた。

「関係は教えてやる。命と引き換えにな。おっと、察に電話すれば情報も命もなしだ」

 ポケットからピストルを取り出し、可憐達に向けた。

 青白い細い煙がたって余計怖く思える。

 これは”玩具ではない”。

「わ……分かったわ、電話はしない」

 3人同時にケータイを机に置くと同時に、陸夢もピストルを置いた。

「さぁ、宿命の選択だよ」

865:漣 ◆WOJE:2013/11/22(金) 18:41 ID:zv2

いや〜長続きだな〜見習わないとっ

866:♪さご:2013/11/22(金) 18:50 ID:F1A

 3人話し合う事もせず、じっと棒立ちになったまま。

 音色先生が囚われている。

 HARRISの関係も知りたい。

 亜嫩の父と親戚の救助も。

「……条件は――」

「「命」」

 亜嫩の後を続いて可憐が言った。

「でも、音色先生の命は情報とは引き換えに出来ないわ」

「そうね、またの機会を伺いましょう」

 1分もたたない相談の結果。


「いいわ、情報は要らない。その代り音色先生を開放して」

「いいだろう」

 舌打ちをした陸夢だが、すぐに余裕を見せた。

 一瞬もないうちに。

「また来て同じ手だとは思うなよ」

867:♪さんご:2013/11/22(金) 19:08 ID:F1A

「音色先生!」

 地下に案内され、白と黒のタイルが交互に並ぶ錯覚部屋。

 そこに音色先生は涙ぐんだ眼で横たわっていた。

「済みません、手古摺ってしまって……だってまさか――」

「えぇ。裏の裏をかいて手を回していたなんて……くっ」

 音色先生は悔しさの声を呑むと、自力で起き上がって来た。

「今日は引き返すほかに術はないようね」

「はい、早くそこの通路から出ましょう」

 音色先生の呟きに亜嫩が険しい表情で通路を指差した。

「また……後で別の方法で探るしかなさそうだわ」

 可憐はガッカリした様子で俯いた。


 通路を出てからというもの、皆調子を悪くした。

868:♪さんご:2013/11/22(金) 19:15 ID:F1A

 一方蓮と怜雄――

「この封筒……うっ」

 蓮が封筒を眺めながら頭を抱えた。

「大丈夫かっ!?」

「うん、なんとかね」

 頭をますます上下左右に振り、目を苦しそうに瞑った。

「おいおい、無理すんなって」

「ううっ……うっ――」

「もういい、病院へ……」

「うわぁ――――ーっ!」

「!?」


 蓮はうめき声を長いことあげ、そして――……

「ん?……トイレの用具入れ……じゃないな。生徒会室――」

 蓮は頭をかきながらとぼけたことをぼんやり呟いた。

「まさか――っ」

「なんだよ、怜雄」

「記憶が戻ったのか!?」

 驚愕と嬉しさを混じり合わせた複雑な感情を抱き、怜雄はばねが付いたかのように飛び上がった」

 太陽の日差しは蓮を照らした。

869:♪さんご:2013/11/22(金) 19:24 ID:F1A

もっと更新するつもりだったけど
明日とあさっては休みだよぉ

870:匿名さん:2013/11/22(金) 19:24 ID:F1A

ネタ切れだよHELP

871:♪さんご:2013/11/22(金) 19:47 ID:F1A

>>870私ですーー;
よく匿名さんになっちゃうんだよなぁ🐽

872:♪さんご:2013/11/25(月) 06:49 ID:F1A

書いていきますかぁ〜(*^▽^*)

873:♪さんご:2013/11/25(月) 06:57 ID:F1A

「おい、蓮なにされたんだよ」

「さぁ、記憶によれば一酸化炭素中毒だと思う」

 険しい顔で問い詰める怜雄に向かって呑気そうに蓮が答えた。

 いつもと逆だ。

「まぁ記憶があるなら話は早い」

 もう生徒会室には誰もいなかった。

 きっと琴栄も我慢できずに飛び出していったのだろう。

「俺……最初十夢だと思ったんだよ、でもあれが海斗だったって気付いたのは今だ」

「十夢じゃないのか。辻褄が合わない……」

「そんなことないぜ、連れてったのは十夢だ」

 2人の会話だけが生徒会室に重い空気を招いた。

874:♪さんご ◆iAoc:2013/11/25(月) 07:01 ID:F1A

<\章完> 〜命の価値〜

875:♪さんご ◆iAoc:2013/11/25(月) 07:03 ID:F1A

変なところで途切れましたねーー;  ・・
でも番外編とか入れたいし、乗り込んで"最期”だし...
                   ――

876:♪さんご ◆iAoc:2013/11/25(月) 07:11 ID:F1A

]章 〜最後の舞踏会〜


 ”あれから”遅くても3日は立つだろう――……

「最悪だったわ、やっぱり計画してなかったから――」

「うかつだったわね」

 溜息交じりに亜嫩と可憐が交互になにかもごもご言い合っている。

 そう、乗り込んだ時の愚痴だ。

「CLOCKも……そろそろ終わりじゃないかしら」

「えっ」

 隣に居た芹香は驚愕しないでは居られなかった。

「だって、これで事件が片付いたらさ……もう必要――ないんじゃない?」

「そ……そんな――」

 亜嫩と可憐は複雑な表情を浮かべ、芹香は心配そうにした。

「私はいいわ、早く面倒な危険な任務が無くなるもの」

「酷い、私は――っ」

「CLOCKなくなる=皆居なくなるってことじゃないの」

「……あっ」

 芹香は要約乱れた調子を戻したらしい。

877:幼音アリア:2013/11/25(月) 07:43 ID:HB2

この小説は本当に大傑作だと思います!

「最後の舞踏会」ってタイトル見たときに

「もう終わりなのかな・・・?」ってちょっと心配になっちゃいました

2も書いてほしいです!

878:♪さんご ◆iAoc:2013/11/25(月) 16:17 ID:F1A

アリアさんだって沢山の作品を書きながらもネタ切れしないなんて…!
羨ましいですわww

879:♪さんご ◆iAoc:2013/11/25(月) 16:18 ID:F1A

2も書くつもりですよ〜

〜シンデレラの憂鬱 VERSIONU〜

こんな題名で行きます

880:♪さんご ◆iAoc:2013/11/25(月) 16:26 ID:F1A

それからしばらくして――

「あの時突入してメリットがあったわ」

「えっ?」

「メリットは……隠し通路が分かったということよ」

芹香の疑問に音色先生は真顔で答えた。

「隠し通路があるんですね!」

「えぇ。確か錯覚部屋の窓の横に小さい穴があった。そこからだと会長室へ行けるはずよ」

「じゃあ……その手にかけるしかない……ということですね」

意味を理解した琴栄が言った。

「そういうこと」

881:♪さんご ◆iAoc:2013/11/25(月) 16:33 ID:F1A

音色先生はウィンクをすると、鞄を持った。

「……えっいきなり――ですか?」

「そうよ、とっとと片づけなきゃ」

斬新なやり方に、琴栄をはじめとするメンバーは唖然としたまま。

「無茶です、先生!」

「危険です」

口々に言い、押しとどめようとするが、聞かなかった。

「いつやったって同じ!早く白戸さんと小川さんと双美さん」

顔を見合わせて苦笑しながらうなずいた。

882:♪さんご ◆iAoc:2013/11/25(月) 16:33 ID:F1A

今日で900は行こう!
と思う。

883:♪さんご ◆iAoc:2013/11/25(月) 17:13 ID:F1A

また来た、あの憎らしい建物に。


「入り込んで、早く!」

「はいっ」

おどおどしながら芹香は扉を潜った。

「大丈夫……なの?」

納得しない、不満顔で亜嫩が呟いた。

「私を信じてみて!」

「……はい」

面倒な声で返事をした可憐。

884:♪さんご ◆iAoc:2013/11/25(月) 17:25 ID:F1A

暗いと予想していた通路は案外明るく、ランプが所々置いてある。

「ランプがあるってことはこの通路は使用しているのね」

「鉢合わせになったら大変だわ」

そんなことをブツブツ言いながら歩いて行った。

「随分長いと思ったら……もう着いたみたいね」


その頃、風花。

「えっと……ビルの横の倉庫に侵入って」

横に小さい鉄造りの倉庫には、書類や段ボールが山積みだ。

「確かデータを持ってきなさいとか……わぁっ」

背後からの気配は全くなかったのにも関わらず、突然ドアは閉まった。

「うそ!誰!?」

とっさに一声叫ぶと、ため息が横から聞こえるのが分かった。

「俺だよ、俺」

「これは――この声は……朝比奈銀河?」

「そうだよ、御尤も」

「なんで閉めるの!」

「俺は閉めてねぇよ、逆に被害者さ」

「はぁ?」

意味の分からない言い訳を聞くたびに風化は呆れた。

885:♪さんご ◆iAoc:2013/11/25(月) 17:29 ID:F1A

「なんで……朝比奈が居る訳?」

「星羅と一緒に来たんだが警備員に見つかって放り込まれた」

「ドアホ!」

溜息交じりに風化が豪い剣幕で吐き捨てるように叫んだ。

「真っ暗で何も見えないじゃない……」

「ライト持ってないのか」

その言葉にむっとした風化が叫ぶというより嫌味らしく言った。

「そうですかぁ、あなたは持っていますかぁ?」

「…………」

言い終わると同時に万年筆を取り出した。

カチャッ

「万年筆型ライト。芹香が忘れてったのを届けようとしたの」

キャップの先端がぼんやり光を放った。

886:♪さんご ◆iAoc:2013/11/25(月) 17:33 ID:F1A

「持っていたんだったら最初から言えよ」

「持っていないなんて一言も言っていないわ」

その後に続くのは長い沈黙だった。

気まずい状況に陥ってしまった。


「俺はHARRISの人間じゃあないぞ」

「はぁ?また意味わからないこと言う」

「俺は星羅と一緒に抜けたんだよ」

「えっ」

急に真顔になる銀河に思わず思った。

これは、”嘘じゃない"って――

「それ……本当?」

「あぁ。もう生徒会室にも顔を出してない」

あまり出番が無かったくせに抜けるなんて。

「怖いの?くくっ」

「そういうわけじゃねぇよ」

本当に険しい顔つきになった。

887:♪さんご ◆iAoc:2013/11/25(月) 17:40 ID:F1A

そんなことも知らずに最上階に上って行ってしまった可憐達。

息を激しく切らせて睨んだ。

「船城陸夢、貴方の本当の真実……聞かせてもらおうかしら?」

「どうやってここまで――さては隠し通路を?」

「そうよ、いいからHARRISとの関係は!?」

芹香が怒鳴ると、亜嫩が静かに一歩前に歩み寄った。

「お父さん、もうやめてよ、こんなことを――」

「ふん、玩具ごときに何が分かる」

厳しい目で亜嫩を見据えると、睨み始める。

「私は貴方が私を捨てた理由が分かったわ」

「そんなのどうでもいい、帰れよ」

「お父さん……私を捨てたのは――……」

「黙れ!」

亜嫩の言葉を態と陸夢は遮った。

先を聞かれたくないのだろう。

「やめて、これでもやめないの?」

亜嫩が言い終わらない内に、黒服の警備員が周りを隙間なく固め囲んだ。

888:♪さんご:2013/11/25(月) 17:56 ID:F1A

「お前ら……!」

権幕のすごい陸夢。

「教えて!HARRISとの関係は……何!?」

「もうこれで終わりよ」

叫ぶ芹香と睨む可憐に促され、陸夢は八つ当たりらしく答えた。

「HARRISとこの会社は同じ会社なんだ」

「つまり……潤賀財閥とHARRIS貿易会社は――同じ!?」

考えられない、こんな出来事―――……

どうしても――

889:♪さんご:2013/11/25(月) 17:59 ID:F1A

「ということは――貴方がHARRISの所長!?」

「あぁ、潤賀こそがCLOCK指揮官だよ」

諦めたように笑って見せたが、それは嘲笑いに見えた。

「さぁさぁ、こんなことしている間に城に行ったらどうかと思うが」

「!?」

突然余裕の顔に切り替えられた。

同然4人は焦るが、何一つ質問しなかった。

「ふぅん、分かったわ、シンデレラ城にHARRISを?」

「今のところ十夢と海斗と紫音を向かわせたがな」

890:♪さんご:2013/11/25(月) 18:20 ID:F1A

「私は……残るわ。お父さん、貴方を相手にとるとしてもね」

「度胸だけはあるな」

フッと微笑した。

「何よ。侮辱する気?」

「あぁ」

子供みたいなやり取りをしているうちに可憐達はビルをそっと抜けていった。

891:♪さんご:2013/11/25(月) 18:38 ID:F1A

はぁ…900行かない気が…

892:♪さんご:2013/11/25(月) 18:39 ID:F1A

早く2を書きたいんだけどこっちを始末しなくちゃ…

893:♪さんご:2013/11/25(月) 18:43 ID:F1A

待ちきれないから立てよっかな…(´・ω・`)

894:♪さんご:2013/11/25(月) 18:47 ID:F1A

シンデレラ城に――

騎士たちが向かっていたとしたら?

そんなことを考えていたらもう着いてしまった。

「騎士達は知らないはずね……」

「おいっ」

背後から声がしたかと思うと騎士が剣を3本もって、1本投げてきた。

「それ、使って!」

「なんでここにHARRISが居ると……?」

「メールが来たからだよ」

騎士の後を続くのは蓮と怜雄だった。

「これで――最後だよ」

「待って、風花は?」

芹香が言うと、音色先生がハッとした。

「まずい、まさか倉庫に!?」

895:♪さんご:2013/11/25(月) 19:01 ID:F1A

音色先生はビルに引き返すと、その場に残ったのは生徒だけとなった。

「どうしよう……」

怜雄が俯いて小声で呟くと蓮が檄を飛ばした。

「どうするって、これで戦うしかないだろ」

「私戦うとかさ……嫌いなんだけど」

芹香は溜息で文句を蓮にぶつけた。

「僕は行くよ。海斗兄さんを止めるためにね」

「琴栄ちゃんに連絡する」

芹香は電話をかけると、真顔になった。

「もしもし、今シンデレラ城にいるんだ」

『はい』

「それでね。ちょっと頼みたいことがあるんだ」

『?』

それから芹香は場所を移動すると、こそこそ怪しげに言った。

896:♪さんご:2013/11/25(月) 19:07 ID:F1A

「もう、行くよ」

騎士は躊躇せずに、中へ入って行く。

「1階は僕が食い止めるよ、その上を行ってほしい」

「分かった」

蓮1人だけが頷くと、全員中に入っていった。


そのころ……

「はやく、水上さんを!」

音色先生はノンストップ全速力で走って行く。

塀や垣根が流れるように過ぎていくのと同時に陸夢の姿も紛れ流れる。

「船城!?」

すれ違った瞬間足を止めようと思ったが、ここで止めたら……

「そうよ、今は……!」

真剣な顔で走って行くが、ビルにはどうしても、どうしても辿り着かない。

897:♪さんご:2013/11/25(月) 19:11 ID:F1A

同じ時―――

「まだ、誰も助けに行かないのね」

「お前は仲間が居るわけか」

銀河は羨ましそうに、かつ嫌味っぽく言った。

「いいよなぁ、俺なんて孤独だったぜ」

「ふん、彼女もいないわけね」

「お前は?」

「私はいたわ。でも今はそんな気まっさらないわね……消えた」

その言葉を聞くと、銀河は声がおかしくなった。

「ふふふ、ふんっ自慢かよぉっ」

「はぁ?」

少し声が慌てている。咳払いをして銀河が言った。

「俺だって彼女はいた」

「誰?」

「星羅だよ」

その言葉に段ボールが崩れ落ちた。

風花が余りにも驚愕だったため、肘をついてしまった。

898:♪さんご:2013/11/25(月) 19:14 ID:F1A

「嘘……星羅と?」

「知らなかったのかよ」

呆れた声で言った。

その時……

ピッ

「しまった、ライトの電源が切れた……」

周りは暗くなってしまい、どこに誰が居るのか不明。

そして緊張が高まった。

「あ――どこにいるの」

「お前の足がなんか段ボール突き抜けてるんだけど」

「えぇっ」

ガタンッ

「きゃっ」

「うぉっ」

2人は鼻と鼻が触れ合って、口まではいかなかった、が。

「っぶねぇー……」

「ちょっと――」

899:♪さんご:2013/11/25(月) 19:15 ID:F1A

風花と銀河を合わせるつもりは無かったんだけど…

900:♪さんご:2013/11/25(月) 19:15 ID:F1A

今日はここまでにします^^
そろそろ番外編挟んで終わり!

901:霧臘 ◆WOJE:2013/11/25(月) 19:57 ID:js2

誰だかわかります?
結果発表します^^

902:♪さんご:2013/11/26(火) 06:43 ID:F1A

あ、分かりましたどうも

903:♪さんご:2013/11/26(火) 06:49 ID:F1A

 ダダダッ

 2人は何メートルも離れた先に行くと、背を向けた。

「……あほっ」

「ふんっ」

 しばらく暗闇の沈黙が2人を渦巻くと……


「ごめん、遅れた!」

「音色先生!」

 音色先生は鍵を持って開けてくれたのだ。

「ありがとう、出られたわ」

「あら?朝比奈銀河も……」
 
「彼はHARRISを抜けたそうよ。宮折星羅とね」

 銀河は薄く頷いた。

904:♪さんご:2013/11/26(火) 06:52 ID:F1A

訂正
宮折星羅×
宮織星羅○

すんましぇn...

905:♪さんご:2013/11/26(火) 07:00 ID:F1A

versionU作りたい…!

906:♪さんご ◆iAoc:2013/11/26(火) 07:04 ID:F1A

 シンデレラ城の入り口に居たのは――

「やぁ、騎士」

 案の定海斗だ。

「海斗は――兄さんは……僕が斬る。4人は先に行って」

「うん」

 又しても怜雄だけが頷くと、螺旋階段を駆けあがった。


「騎士……騎士なら心配ないだろ」

「騎士だからこそ心配なのよ」

 あれれ?と思って振り向くと、いつの間にか風花がいた。

「いつの間に!?」

「さっきからよ」

 微笑するとすぐに険しい顔に戻っていた。

907:♪さんご:2013/11/26(火) 07:07 ID:F1A

「なんで……騎士だからこそ心配なの?」

「騎士だからこそ――暴走するのよ」

 

「兄さん、また会ったね」

「ふっ、此方は聖剣に負けない粒子で作った剣だから古剣に勝てるはず!」

「聖剣を甘く見るなぁっ」

 海斗の微笑した瞬間に1秒にも満たない隙が出来た。

 シュッ!

「!?」

 騎士が一振りすると、海斗の足を掠めた。

「……ちっ」

 舌打ちした海斗は、剣を大きく騎士に投げかかった。

 カンッ

「なんだよ、お前は!」

「騎士だよ!」

 騎士は剣で剣を弾き返し、海斗を睨んだ。

908:♪さんご♪:2013/11/26(火) 07:11 ID:F1A

あぁ、時間がないのでここまで\(゜ロ\)(/ロ゜)/
夕方の更新も〜

909:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 15:46 ID:F1A

学校の帰りが早かったので早めに小説書きます...φ(・・)

910:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 16:27 ID:F1A

 螺旋階段の先にいるのは――十夢と紫音だった。

「3階……3階に誰かいるかもしれないから、俺と蓮と水上さんで行くから」

「双美さんと小川さんで頑張って」

「えっ――そ……」

「じゃあ、レッツゴー!……だね!」

 可憐の焦りも気にせず、更に螺旋階段を楽しそうに踊りながら登っている。

「ゼウスの聖剣で……頑張ってね」

 風花は悲しそうな表情で可憐を見ると、視線を十夢と紫音のほうに向けた。

「ふっ、3人と2人……どちらにしても此方が勝つわね」

 紫音は髪の毛をサラッと靡かせると、挑戦的に睨んできた。

「頑張るよ――」

 不安な表情を讃えたまま、芹香の後に続いて階段を重い足取りで登る。

911:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 16:28 ID:F1A

早くいけば……今日で完結かな!

912:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 16:33 ID:F1A

 そこには、二度と見たくもない――……

 船城陸夢の姿があった。

「やはり先回りして待ち伏せを?」

 芹香は予想していたのか、それ程驚いた様子は無かった。

「そうだよ、1階も2階も頑張っているだろうねぇ、無駄な努力だ」

 余裕の笑みを浮かべ、いつもの図々しい笑顔を見せた。

「何故……何故学園を……学園を襲う必要があるの!?」

 さっきまで口を閉じて立ち尽くしていた可憐が、要約怒りの声を上げた。

「何故……だと?分からんのか、鈍い奴め。当然永遠への復讐に決まっているだろう?」

 不気味な目で2人を見据えると、陸夢は余裕の笑みから怒りの表情へ変わった。

913:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 16:34 ID:F1A

フィナーレに誤字脱字は許せん……!
慎重にやるから遅れるかも(-_-;)Λ

914:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 16:38 ID:F1A

 1階での戦いは何方も二分する――

 というわけではなかった。

 少し騎士の方がおされている。

「く……っ」

「どうしたんだ、ふふふ……」

「兄さん……やっぱり怒りの気持ちがなければ手加減してしまうようだね」

 コピーなんだ、そんなこと当然分かっている。

 でも―――……

「兄さんの死ぬ姿なんて……もう見たくもないんだ!」

「じゃあ見せないように俺が殺してやるよ!」

 騎士は何度も剣で弾きかえすが、それが精一杯で責めることは出来ない状態。

 海斗に余裕が出来た。

「もう――コピーは……」

 騎士の顔が苦痛で歪み、海斗の顔が喜びで綻んだ。

915:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 16:42 ID:F1A

 2階では、怜雄が聖剣を使い、蓮と風花が早くも負傷した状態。

「ははっ、2人を傷つけるのも簡単さ」

「と言いつつ、そちらもそろそろギブアップじゃあないかなぁ?」

 怜雄も十夢も笑っているが、紫音、蓮、風花は顔を怒りに染めた。

 カンッ

 クロノスの聖剣が、粒子で造った剣を傷つけたのが分かった。

 浅かったけれど。

「こんなんで――勝ったと思うなよ!」

「勝った気になっていないしなっ」

 2人のプライドは顔に現れていた。

916:♪さんご♪ ◆iAoc hoge:2013/11/26(火) 16:47 ID:F1A

 風花は辛い顔のまま、何かを手に握っている。

「…………っ」

 手の中の物がステンレスガラスの光を通して、虹色に反射した。

 風花は蓮には何も言わずに、十夢の真横までこっそりと数歩歩み寄る。

「水上さん……?」

「ちょっと……黙ってて」

 苦痛の顔が一瞬の瞬きで怒りの顔に変化し、拳が強く握られた。


 パキンッ

「!?」


 僅かだけれども、金属音がした。

917:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 17:30 ID:F1A

「しまった!」

怜雄に向かって剣が1ミリの距離で向かってきた、その時……

バキンッ!

「!?」

乾いた金属音がシンデレラ城中に響き渡った。

「お……お前!?」

十夢は睨む余裕もなく、驚愕のまま叫んだ。

何があったかというと、剣が何かによって弾き飛ばされたのだ。

918:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 17:36 ID:F1A

「琴栄に頼んでおいたわ。ガラス玉数個届けて練ってね」

怜雄も蓮も呆気にとられ、茫然としている。

紫音は涙目になっている。

確かに螺旋階段からは、投げたガラス玉がカンカンと音を立てて落ちてきた。

「貴様……!」

不気味な目で睨む力もなく、十夢は項垂れた。

その隙に蓮が剣を回収してしまったからだ。

タンッ

蓮は十夢に剣を突き付けた。

「…………」

「斬らないのか」

呆れたように十夢が呟いた。

919:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 17:40 ID:F1A

「許すから負けたと認めろ」

蓮は睨むというより、心配な表情で 言った。

「命は惜しいからな……」

座り込んだ十夢を見て、怜雄は蓮の持つ剣を下げた。

あれだけ自信に満ち溢れていた紫音は泣き崩れた。

「まさか……貴方に負けるとはね」

紫音は傷だらけの足で3階へ上がっていった。

「何をするつもりだ」

蓮が睨んだ。

「何って?アホらしいボスを倒しにね!」

920:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 17:48 ID:F1A

「許すよ、たとえどんなに酷くてもね……」

蓮は俯き呟いた。

「ふん、お人好しが」

十夢はしかめっ面で豪そうに言った。

「俺は……もう帰るからな」

十夢は面倒な声で言うと、紫音に合図をすると、螺旋階段からではなく、別の入り口から出て行った。


「ふぅっ、HARRIS撲滅だな」

「いよいよ……CLOCKもHARRISも――」

シンデレラ城を見上げると、外に逃げた亜嫩が十夢に声かけた。

「あぁ、亜嫩」

「十夢……っ無事だったの?」

「なんとかな」

諦めたように笑うと、歩き出し、そのあとを亜嫩は追いかけもせず、見つめた。

921:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 17:51 ID:F1A

まだ1階と3階が勝利を収めてはいなかった。


海斗も息を切らし、騎士も限界。

海斗が体制を少し崩すのを騎士は見逃さない。

「今だ!」

騎士は睨みながら聖剣を強く、硬く握りなおした。

「させるか!」

剣を握る力が弱くなっているのも自分でも分かる。

「…………っ!」


瀕死の状態のまま、騎士は……

922:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 17:54 ID:F1A

一瞬の出来事はスローモーションのようになった。

ガラスの破片が踊るように飛び散り、2人を渦巻いた。

「…………っ」

「はぁっ」


騎士が海斗の剣を除け、海斗を貫いていた。

「……」

「――あっ」

海斗の眼は漆黒になり……

「さようなら――兄さん」

海斗の体は、宙に浮き、薄くなって消えた。

923:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 17:59 ID:F1A

「ゼウスの……聖剣で――っ」

「無駄だ」

陸夢はポケットからトランシーバーを取り出すと叫んだ。

「これは今まで仕掛けたのとは違う、大規模な爆弾だ」

「!?」

不気味な笑い声。

「永遠を復讐する理由……」

「それは何なの、理由は!」

「鈍いお前らのために教えてやろう」

陸夢は2人を嘲笑った。

924:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 18:02 ID:F1A

それは、永遠の父が警察官でとある事件を捜査していた。

陸夢は弟が被害にあうと予告場が届き、驚いた。

守ろうと永遠の父に相談し、警備を固めた。

が、永遠の父は犯人に殺され、しまいには陸夢の弟も殺された。

その罪を償ってもらうため。

925:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 18:04 ID:F1A

「永遠さんは……関係ないじゃない!」

「関係あるっ」

吐き捨てるように怒鳴った陸夢。

芹香は顔を背けた。

「ははは、もうすぐアイツは……」

笑っているのか諦めているのか分からない顔。

926:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 18:07 ID:F1A

その時だ。

「待って!」

なぜか背後からは風花と紫音の声がした。

紫音、風花が螺旋階段から駆け上がってきた。

「なんで……!?」

「実は――」

螺旋階段を上っている途中。

「待って!」

風花は紫音を引き留めた。

「一緒に……行かせて!」

927:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 18:07 ID:F1A

今日完結は……無理かなぁ

928:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 18:27 ID:F1A

VERSIONUのキャラを載せておきました!
どうぞ
http://chat.firebird.jp/profile/profile.cgi

929:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 18:28 ID:F1A

訂正
こちらです
http://chat.firebird.jp/profile/profile.cgi?mode=view&name=%81%F4%82%B3%82%F1%82%B2

930:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 18:31 ID:F1A

「そんなこと……ノコノコやっていられるかな?」

「何よ、その態度」

急に不気味な笑顔、いや不気味な笑顔が増す。

「君たち、爆弾を仕掛けてあることを忘れちゃあいけないね」

「貴方も自滅するわよ?」

可憐は厳しい目で言うと、陸夢は言った。

「どうでもいいさ、あいつを地獄に落とすためなら……!」

「そこまでして命を――!?」

紫音は陸夢をすかさず睨む。

その様子を風花は心配そうな目で見ていた。

だって、可憐と柴音は驚愕の関係があったのだから。

931:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 18:37 ID:F1A

いつ言うか、タイミングを逃したら終わり。

今言って心配させたら隙を突かれてしまう。

「爆弾じゃあ……とても太刀打ち出来ないわ!」

風花は気にかけるように言うと、芹香がニヤッと突然笑った。

「爆発する前に壊せばいい!」

「壊せるかな?私の手にあるのだからねぇ」

顔に余裕が映っている。

「えぇ、力づくでも」

「タイムリミットは5分だよ。さぁ運の尽きだね」

涼しい顔で言うと、爆弾をポケットに入れた。

「本当にむかつく!」

紫音は太ももを手で打つと叫んだ。

932:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 18:41 ID:F1A

「残念だが、先に手を打っておいたよ」

陸夢は別のリモートコントローラーを取り出すと、赤いボタンを押した。

ビッ

「きゃぁっ」

1枚の床が外れてしまった。

ガタン!

「しまった、芹香っ!?」

可憐は下を覗いた。

「ダメだわ、3階から2階に落ちて相当負傷している!」

風花が可憐に告げると、また陸夢を厳しい目で見た。

「これで邪魔が減ったな」

笑みを閉ざすと可憐達を睨み始めた。

睨んだり笑ったりの繰り返し。

「残り……3分をきった」

「!?」

もう残された寿命は3分――

タイムリミットは3分―――――……

平和という名の宝をかけたタイムリミット――……

933:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 18:43 ID:F1A

しまった!ラストでミスとは!

平和という名の宝をかけたタイムリミット×
平和という名の宝をかけたカウントダウン○

934:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/26(火) 18:58 ID:F1A

今日はここまで
明日完結&VERSIONU突入です!

935:愛乃れい:2013/11/26(火) 23:22 ID:9Fk

誤字見つけちゃった…

Ver.2も楽しみにしとるよ♪

936:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 06:36 ID:F1A

朝更新開始!

937:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 06:39 ID:F1A

れい>ありがとう期待に応えられるか…

938:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 06:43 ID:F1A

「俺の予想が当たればだけど……」

騎士は3階を少し眺めてニヤッと笑った。

螺旋階段から気づかれないよう、目を覗かせた。

「綺崎さんに報告だな」

騎士はある所へ大急ぎで向かう。

3分までに知らせないと――……


「綺崎さん!」

「あれ、星原さんどうしたんですか!?」

琴栄はいつものように1人分析を頑張っていた。

「実はね……あの城には――秘密があるんだ」

939:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 06:49 ID:F1A

「秘密……といいますと?」

琴栄は首を傾げたまま質問した。

「1枚だけ床板が外れて、逃げれる壕があるんだ」

「それで――?」

「今爆弾を仕掛けられている。ダイナマイト級のね」

「大変じゃないですか!?」

琴栄は話を聞かずに飛び出そうとするところを騎士が押しとどめた。

「ハッキリ言って僕も壕の在り処が分からないんだ。けど……」

「?」

騎士が取り出したのは1枚のメモ用紙。

「ここに壕の床板の在り処が記されている。小川さん達ならきっと暗号を解く」

騎士は真剣なまなざしでメモ用紙と琴栄を交互に見つめた。

『壕の在り処

漆黒の光と白銀の光が重なる時

壕の隠し場所が分かるだろう』

くっきり字が読めなかったが、これで辻褄が合う。

940:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 06:50 ID:F1A

「綺崎さん、連絡してくれる?直に言いに行くと陸夢に殺されかねないからね」

「分かった、爆弾の被害を受けずに済むのなら……!」

琴栄はケータイを素早く取り出し、可憐の番号を打つと、汗を垂らす。

「繋がって……!」


プープープー……

戦っているのか、長い呼び出し音ばかり。

941:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 06:53 ID:F1A

「電話――?」

可憐はスマートフォンに目を向け、螺旋階段を少し下ると

「もしもし?」

電話に小声ででてみた。

『もしもし、可憐ちゃん』

「綺崎さん?」

余りにも状況が飲み込めなかったので、電話を勢いで切りそうになってしまう。

『よく聞いて。爆弾から逃れる壕があるの』

「壕?」

『えぇ。漆黒の光と白銀の光が重なる床板が外れるの!』

琴栄は早口でそれだけ言ってしまうと、すぐに電話を切られた。

「漆黒の光と……白銀の光?」

942:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 06:56 ID:F1A

「…………」

しばらく考えた。

「残り2分さ。どうするかねぇ〜?」

「もし――予想が"当たれば"だけれども……」

可憐は俯き加減で考え込み、下の芹香を見やった。

「芹香は一応爆弾の被害はなさそうだけれど……」

風花が心配そうに呟いた。

「いっそ下に逃げれば――?」

紫音の言葉に可憐が否定した。

「ダメ、芹香が傷で済んだのは偶然。死ぬかもしれないわ」

「でも爆弾で死ぬよりまし!」

風花の叫びに可憐は押しつぶされそうになったがすぐに言った。

「私に……考えがあるんだ」

943:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 06:57 ID:F1A

これが終わった後に番外編をやります
そのあとキャラ全員からメッセージという形で行きます!><

944:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 07:00 ID:F1A

可憐は聖剣をそっと前に出し、陸夢に向けた。

「ほほう、やる気か?」

陸夢も調子に乗って、不気味さが更に増す。

「やる気はないわ、でも……」

可憐が言葉を途切らせた合間に陸夢がナイフを突き出した。

「やっぱり――!」

予想は正しいわ。慎重に……慎重に逃げなくちゃ!

945:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 07:04 ID:F1A

「何……この光と影は!」

風花が叫んだのは、剣から放たれる光。

床の模様も見えないくらいの光と、床の模様を塗り潰す光。

「ふふ、ビンゴ!」

「何がだ」

可憐に要約笑みが浮かんだ。

不気味じゃない、楽しそうな。

「これでチェックメイトね」

笑みに圧倒される陸夢は後左図りする。

「もう遅いわ!残り……10秒!」

「早く、壕に逃げてっ」

可憐は光の重なる床下の真上に立った。

その時風花は叫んだ。

「思い出せないの?貴方たちは――紫音と可憐は――"実の双子"なのよ!」



ダ――――ンッ

946:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 07:05 ID:F1A

天井が瞬く間に破壊されるとともに、呆気にとられた3人はすぐさま壕へ逃げる。

「うわぁぁ――っ」

甲高い悲鳴だけが城に響く。

なんとか壕に可憐達は入れたのだ。

じっと目をつむって爆発が終わるのをただじっと待っていた――

947:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 07:08 ID:F1A

カタン……

「もう爆発は――収まったのかしら?」

風花が泣きながら呟いた。

爆音も、甲高い悲鳴も、何一つ物音しなくなった城。

「もう……収まったんじゃないかしら」

紫音は風花を慰めるように小声で答える。

「あいつも終わりね」

恐る恐る可憐達は壕をそっと出てみた。

948:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 07:08 ID:F1A

時間が無い!
夕方完結です!

949:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 07:14 ID:F1A

スレッドたてようとしたら
あなた!オプション指定がないわよ!
ってでてきた
最悪〜〜!

950:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 16:14 ID:F1A

スレたてられるので大丈夫です^^

951:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 16:18 ID:F1A

「…………」

天井は穴が開き、ステンレスガラスは何故か無傷。

「酷い有様ね――」

風花は物悲しそうに周りを見つめた。

亡骸は見つからなかった。

逃げたのだろう。

「様見ろ」

力のない声で紫音は言った。

様と本気で言っていないらしい。

「もう……終わりよ」

可憐は物悲しい雰囲気を笑顔に変えて見せた。

952:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 16:21 ID:F1A

幼い頃からの疑問……

この世界の中心は?

今答えが分かった。

いないんだって――……

「もう……これは要らないわね」

可憐は悲しそうにゼウスの聖剣を放った。

光が天井に登り、聖剣の輝きは無かったかのように聖剣はどす黒く変化した。

ゼウスの魂が帰ったんだ。

ウラノスもクロノスも。

953:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 17:21 ID:F1A

3つの魂が踊るようにして、紅い天へと戻っていった。

「さようなら――……」

可憐は寂しそうに上を見やった。

七色の光が壊れた天井の穴から綺麗に差し込み、可憐達を輝かせた。

ステンレスガラスを通してではなく、太陽本来の光。


今、全世界がこの太陽に照らされた――……

そう、全世界が―――……

七色の世界に―――……


〜ЁйD〜

954:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 17:22 ID:F1A

番外編でその後を書き、キャラ全員コメント書いて終わりです!

955:さすらい ◆xEr6:2013/11/27(水) 17:34 ID:Q0E

(`・ω・´)お疲れ様です

956:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 17:43 ID:F1A

さす兄〜
完結したよぉ〜(ノД`)・゜・。

957:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 17:44 ID:F1A

VERSIONU作ってきました!
見てくださいね^^
http://ha10.net/novel/1385540794.html

958:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 17:47 ID:F1A

番外編 任務の後には

永遠と陸夢は、絶望の再会が先に待っていた。

「また会ったな、永遠」

「陸夢こそ随分変わったな」

2人は握手することなく、睨むこともなく、真顔で言った。

「すまない、よくよく考えれば……」

「いいんだ、親父が手古摺ったのはすまない」

永遠は見上げながらあっさり呟いた。

「私のせいで生徒を危険な目にあわせてしまった――」

永遠は陸夢から顔を背けた。

「いいんだ、もう」

陸夢から暖かい手を差し伸べてくれたのだ。

「いいだろう、もう」

2人は固く、強く握りしめた。

悪意という名の心を。

959:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 17:49 ID:F1A

「お母さん……!?」

可憐は紫音と双子ということを知り、本当の母を訪ねた。

空木美愛ということを思い出した。

「可憐……随分大きくなったわね――」

美愛は涙目で可憐を見つめた。

「本当のお母さん……?」

信じられない気持ちだけど、どこか懐かしい心もあった。

「よかったわね」

紫音はクスッと笑うと、青い空に目を向けた。

960:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 17:53 ID:F1A

「あっ」

突然視界が黒くなって、何もかもが閉ざされた。

目を開けたのは、何故か白いシーツの上。

理解できない。

「ゆ……め?」

夢なのか現実なの状況が飲み込めない。

きっと夢だろう。

「まだ……6時ね」

時計はいつもの通りだし、部屋も変わっていない。

認識した。今までのは夢だって……

961:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 17:55 ID:F1A

いつもの部屋、いつもの制服。

「行ってきます」

少しだけ、悲しい気持ちもあったけれど気にしなかった。

いつもの銀色のドアノブを回し……

いつもの―――

「あ……ちが……っ」

962:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 17:57 ID:F1A

「だ……誰っ!?」

可憐も驚愕するはずだ。だってまさか――

「誰って?双美芹香よ!」

夢だと思っていた人物が現実に居る!

「CLOCK……」

「そう、CLOCKは……もう――」

CLOCKと聞いたら聞き返すはずなのに――!?

「その足……」

「あぁ、落ちた時の衝撃ね。覚えてない?」

「あぁ、あぁ、あぁ……」

可憐は目をくらまし、額に手を当てた。


「うそ――――っ!?」

963:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:22 ID:F1A

蓮と怜雄

「また試合しような!」

「うるさいぞ、いつもながら」

呆れたように金髪を掻き毟った。

「ヒヨコちゃん、黙れよ」

「誰がヒヨコちゃんだ!?」

「ひぃ、怖い」

怜雄が笑いながら怯えている。

「変わってないな」

「なんで豹変するんだよ」

いつもより沢山笑った気がした。

964:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:25 ID:F1A

騎士

「兄さん……」

お墓参りに騎士は来ていた。

「もう、気が落ち着いたか?」

「はい、父上」

顔を父のほうに向けると、涙目で答えた。

「海斗は罪を犯した。それなりの処罰だな……」

悲しい目で墓石を父は見つめた。

「そうですね」

騎士は顔を空に向け、苦笑した。

海斗の居る空へ向かって――……

965:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:33 ID:F1A

琴栄

「分析も役に立ったんだ……!」

琴栄は改めて思った。

あの時怜雄が言ったこと。

意味が飲み込めた。

「ありがとう、神山君……」

あの時反抗した自分がどんなにバカだったか――

でもそんな自分を責めるわけでも、開き直るわけでもなかった。

「これから頑張ればいい!」

琴栄は前向きに前を見据えた――

966:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:46 ID:F1A

番外編 終わり

967:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:46 ID:F1A

最後が琴栄で終わるってどうかと思うけど…

968:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:47 ID:F1A

キャラよりメッセージ
>>697より!

969:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:48 ID:F1A

可憐から

色々死にそうになったけれどなんとか助かってよかった
これで少しは楽な生活ができるわ…

970:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:48 ID:F1A

芹香より

CLOCK解散しちゃったよぉ…
さみしいけれど、頑張らなくっちゃ!

971:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:49 ID:F1A

怜雄より

まったくひどい目にあったぜ。
何がヒヨコちゃんだよ!
いい加減にしろよな!

972:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:50 ID:F1A

蓮より

怜雄のやついつも足引っ張りやがって……!
ヒヨコはピーピーないてろっつーの

973:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:51 ID:F1A

琴栄より

みんなのお役に立ててよかったです
役立たずと思ったけれど、最終的にこの仕事は大切だって分かった!

974:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:51 ID:F1A

騎士より

兄さんはどうしようもないやつだったけど
兄さんのことだからなぁ
CLOCKの生活も楽しかった。
ありがとう!

975:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:52 ID:F1A

音色先生より

言うことの聞かない生徒が多くって大変……
ゆっくりエステでも行こうかしら?

976:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:52 ID:F1A

永遠より

一時期はどうなるかと……
俺の親父のせいだぞ!

977:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:53 ID:F1A

陸夢より

まぁ許してやろう
今回だけだからなぁ!永遠っ

978:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:53 ID:F1A

紫音より

まさか可憐と双子だったなんて……
あいつとどこが似てるっていうのかしら?

979:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:54 ID:F1A

風花より

大事なこと……伝えられてよかった。
小さい頃よく柴音ちゃんと遊んだからなぁ〜

980:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:56 ID:F1A

銀河より

あの風花ってやつ、けっこう粘り強いなぁ
万年筆ペン、俺もほしいなぁ
100均で見かけたぞ、あれ!

981:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:56 ID:F1A

星羅より

結構私出番少なかったわ……
意味があったの、私

982:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/27(水) 18:57 ID:F1A

今日はここまで!
明日にもっとメッセージがあるので〜

983:愛乃れい:2013/11/27(水) 23:16 ID:9Fk

完結おめでとう!!

984:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/28(木) 06:48 ID:F1A

れい>いつもコメントありがとう(´・ω・`)

985:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/28(木) 06:49 ID:F1A

瑠々花より

アイドル退職しちゃったよ…
あぁまた歌いたいな〜

986:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/28(木) 06:58 ID:F1A

沙織より

うーん、小川さんと親友ってかんじにはなれなかったなぁ
残念だけれど頑張ろ

987:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/28(木) 06:59 ID:F1A

香奈より

小川さんに教えてもらったら順位が10あがったよ!
すごい、塾でもこんなにあがらなかったのに!

988:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/28(木) 07:01 ID:F1A

瑠衣より

なんで私がアフロディテとかで天国にいるんだ!
私は何もしてないぞー!

989:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/28(木) 07:02 ID:F1A

小春より

2回しかでてないじゃん
玲名とか羨ましいわ

990:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/28(木) 07:03 ID:F1A

玲名より

なんであいつの弱点が分かったのに!
蟋蟀捕まえてやるぅ〜
きゃっ、怖い!

991:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/28(木) 07:05 ID:F1A

作者より

シンデレラ=可憐だけど、シンデレラ=亜嫩でもあったかなぁ…
どちらかというと、私は可憐ではなく、亜嫩に似てます。

ハッピーエンドって、主人公がハッピーになればハッピーエンドになる?
全員ハッピーだったらいいけど、こんな結果に……
ハッピーエンドじゃなくても、エンドの後をハッピーにすればいい!
自分でハッピーにしてください、陸夢さん

992:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/28(木) 07:12 ID:F1A

夕方にもまた更新しまふ!

993:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/28(木) 17:32 ID:F1A

可憐「終わった終わったー」

芹香「寂しくないの?」

可憐「えぇ。面倒な仕事が終わったもの」

芹香「ひどいわ!」

994:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/28(木) 17:35 ID:F1A

可憐「いいでしょ?」

怜雄「サッカーもおもいっきりやれるしな!」

芹香「みんな自分のことばっかり!自己中っ」

蓮「さぁ、自己中じゃない、完全人のためという人間なんてアニメだけだぞ」

怜雄「100人のうち1人とかね」

風花「すごい確率ね……」

芹香「百分の一ミラクル!」

995:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/28(木) 17:36 ID:F1A

可憐「そのうちの1人に双美さんも入っているかもね……」

芹香「ところで愛姫学園には変人が沢山居るってね」

可憐「そうよ、中二病に天才気取りにオタク……はぁ。まともな人がめずらしいくらいよ」

怜雄「一億分の一ミラクルを起こせ!」

蓮「全校生徒一億人いたら大変だよ……」

996:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/29(金) 07:10 ID:F1A

今日の夕方で1000!

997:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/29(金) 16:17 ID:F1A

夕方の更新します!

998:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/29(金) 16:45 ID:F1A

可憐「あぁ、そろそろ転校」

怜雄「んじゃお元気でぇ」

芹香「ちょぉーっと待ったぁ!」

可憐「何よ?」

芹香「お別れ会は!?」

玲名「いいわよ、時間の無駄」

芹香「酷いわ!」

999:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/29(金) 18:11 ID:F1A

蓮「仕方ないなぁ、サーティーツーのアイス買ってくるよ」

怜雄「俺チョコ」

可憐「バニラ」

芹香「トリプルストロベリー!><」

1000:♪さんご♪ ◆iAoc:2013/11/29(金) 18:13 ID:F1A

可憐「そろそろ……おしまいね」

蓮「ほい、買ってきたぞ」

芹香「おいし〜」

怜雄「この季節に食べるってのもどうかと……」

芹香「そんなの気にしない!」


全員「「「さようなら〜っ!」」」

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