十二支の国のアリサ

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1:日向 霧乃:2013/08/06(火) 19:10 ID:PHI

初めまして、クリック(?)してくれてありがとうございます^^
日向 霧乃(ヒナタ キリノ)です、よろしくお願いします

十二支の国のアリサ、一応ですがふしぎの国のアリスとは残念ながら、別物になります
私、ふしぎの国のアリス読みきれたことも、見きれたこともないんで、アリスの知識は0に近いです
ただ、題名を考えていたら、ふと思い浮かんだというだけなんですよ

だから、アリス好きのご期待には添えませんね^^; すみません
でも、少しでも楽しめるように小説自体は頑張るんで、どうぞ、宜しくお願いします

2:日向 霧乃:2013/08/06(火) 21:25 ID:PHI

<登場人物>

主人公
 灯明 存磋(トウミョウ アリサ)

子(鼠)              午(馬)
 四月一日 紘(ワタヌキ ヒロ)     八月一日宮 真紀(ホズノミヤ マサキ)
丑(牛)              未(羊)
 五月七日 水面(ツユリ ミナモ)     八月十五日 那浩(ナカアキ トモヒロ)
寅(虎)              申(猿)
 六月一日 真乃(クサカ マノ)     八月朔日 刹那(ハツミ セツナ)
卯(兎)              酉(鳥)
 六月一日宮 榛(ホズミヤ ハル)    十一月二十九日 那由他(ツメズメ ナユタ)
辰(龍)              戌(犬)
 八月一日 梨茉(ホズミ リマ)     十二月一日 雪音(シハスダ ユキネ)
巳(蛇)              亥(猪)
 八月一日 梨琴(ホズミ リコト)    十二月三十一日 琴葉(ヒナシ コトハ)

3:日向 霧乃:2013/08/06(火) 22:19 ID:PHI



 __十二支に、何故猫はいないのか。
昔話には、子が集まる日の一日後の日を教えたからだと書かれていて、それを理由に猫が鼠を追うといわれる。
他にも、猫が顔を舐めた手で擦るのは、昔話で神様に寝惚けてないで、顔を洗えと言ったからといわれる。

 けれど、それは違う。
猫が追う理由は、怯えて逃げる体の小さな鼠を獲物と考えやすいから。
そもそもの話、動物が何なのだろうと関係なかったのだ。

 元々、十二支は方角や時間を表すもの。鬼のパンツがシマシマなのも、ここからだ。
鬼の来る鬼門の方角が、丑と寅の間だから、丑の持つ角と寅柄のパンツ。
そういう風に、方角などを表す中国語の読みと同じ響きだったから、その動物を当てはめた。
言わば当て字。猫に当てはまる方角がなかったというだけ。


 そう。ただの適当に当てはめただけの、適当な動物の集団。
けれど、何故かミンナは繋がってる。縁という糸に、絡みつかれて。そして、神様と、宴を始めよう。
それこそ、いつまでも。永遠に。終わりなどないこの路で。

4:日向 霧乃:2013/08/06(火) 22:57 ID:PHI

⒈蛙始鳴

 立夏。つまりは夏の始まり。暦の上で、今日から立秋まで夏なのだ。
そろそろ蛙の声も聞こえてくるであろう頃合い、そしてゴールデンウィークの終わり。
2071年までは、5月5日か5月6日が立夏なのでそれもそのはずだろう。
一昨日。つまりは立夏当日に、ネットで検索したのを覚えている。


 私はそんなことをボンヤリと考えながら、堂々と全校生徒前で自己紹介をする。
「月見里(ヤマナシ)中から来ました、灯明存磋です。宜しくお願いします」

拍手や、ヒソヒソ声もない。ただ、皆が舞台上にある、私の姿を見上げて固まっている。
一同騒然、といったところだろうか。当たり前ともいえるだろう。第一にこんな中途半端な時期の転入生。
それでもって、その転入生の髪色が綺麗に染め上げられた金髪なのだから。

 私は壇上を下り、教師陣の中に戻っていった。後ろからは、生徒会の司会進行が聞こえる。
これで、この学校での生活を始められるのだ。新たな担任と、新たなクラスメイトと、新たな居場所で。

5:日向 霧乃:2013/08/07(水) 09:24 ID:PHI



 恵人(エト)中の一年Z組、一年の階の一番端にある、学校の「恥」の場所。
私のクラスは、そんなところだった。担任に話を聞きながら、私は教室前までやってきた。
「恥」と呼ばれるくらいなのだろうから、ヤンキー軍団の巣窟なのかと思ったが、意外にも普通の教室だった。

 担任と共に教室に入ると、私みたいな金髪もいないし、血のついた鉄パイプも、立ち歩く生徒もいない。
十二人と、生徒の少ないただのクラスというのが、最初の印象だった。

「先程、朝会で紹介のあった灯明 存磋さんです」
「宜しくお願いします」
 そんな担任の紹介を受け、一礼すると、一番前の中性的な顔をした人物が叫んだ。
ガクガクと震えて、今私が少しでも触れたら気絶しそうなほどにビビりながら。

「に、人間……!!」
「あ! この馬鹿がっ」
すると、後ろに座っていた少年に口を塞がれて、結局最後の方までは聞こえなかった。
「すみません、コイツ頭を打ったみたいで。俺は八月十五日 智浩です。あ、先生コイツ保健室に連れて行きます」

八月十五日はそう言うと、先生も返事も聞かず、その人物を引っ張っていった。
取り残された皆は苦笑ぎみに、それを見ると、こちらに視線を戻した。
先生が、私に席を言い私は言われた席に向かって歩くと、グイッと右側から手を引っ張られた。

「ぐぎゃっ」
もっと可愛い声は出ないのかと思うようなおかしな声を出してしまった。
それを腕を引っ張った主はクククッと笑いながら私を見ている。

6:日向 霧乃:2013/08/07(水) 13:15 ID:PHI


 腕を引っ張った主の顔を見て、思わず驚きを隠せなかった。
透き通るような白い肌、綺麗な白銀に輝く髪、見たことのないような赤い眼。世にいうアルビノだ。
小柄で、華奢な細い腕には似合わないような強い力で、少年は私を引っ張りながら笑っていた。

「面白いね、君。……アリサとか言ったっけ? 俺は六月一日宮 榛。『卯』だ」
「よ、宜しく」
彼はニンマリと笑いながらそう言うが、私には『ウサギ』の意味が分からなかった。
言われてみれば、小柄な白い体に赤い眼というのは、思い描くような兎だからあだ名か何かだろうか。

 ハテナを頭の上に浮かべながら、緩められた手を払い、席に着く。
気がつけば、先生の姿は見当たらなくなっていて、普通の賑やかな朝と化していた。



 一時間目が始まった。ここまでで、二つの分かったことがある。
第一に、ここのクラス内では皆がみん、先程の『卯』のように、動物の呼び名で呼び合っていること。

 そして、もう一つ。ここには、「普通」という存在がないのだ。
必ず、転入生がいたならば、少しは興味を持ってもいいものの、皆が私を見ると脅えたように縮こまる。
もしくは、涎を今にも垂らしそうにしながら、ニヤニヤと獲物を見るような目で笑いかけてくるのだ。


「おい、転入生。転入早々ぼんやりするな! ここの問題を解いてみろ」
 急に指されて、先生のいる黒板を見て、思わず、は? と言ってしまった。
<1+8=>
ここは小学校ですか、と思って周りを見回すと、皆がふざけることもなく、真面目にノートをとっていた。

「どうした転入生。分からないのか?」
「いや、そんなの9ですけど……けど、これって小学生の勉強じゃ」
「アリサさん。皆が皆、頭いいわけじゃないんです」

小学生の勉強じゃないんですか、と続けようとしたら、朝に中性的な子を保健室に連れて行った八月十五日に遮られた。
先生も相変わらず、足し算引き算のことを黒板に書いていて、皆が一斉にノートをとる。
普通だけれど異様な、このクラスそのものを表すような授業風景だった。


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