勝手な2人

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1:あゆみ ◆I1o.:2013/08/09(金) 03:03 ID:hOI

こんばんは!
16NJ(ボーイスカウトの集まり)から帰って来たあゆみです!←
いやぁ〜しばらく書き込めなかったんだけど、やっと書けるようになりました!

-ルール-
1.「スレおめ」とか「がんばって」などは、嬉しいんだけど、できるだけ書かないでください
(なるべく細かい感想がほしいです^^)
2.荒らしはやめてください
(ココに書いてあるのに荒らしてきたら阿呆だと解釈し嘲笑ってあげるよ?)
3.誤字脱字などがあったら教えてください!(アドバイスなども大歓迎です!)
4.まあ所詮私も小6は小6。バカにしたり見下したりしないでくださいね。
傷つくから←何の話

では。
明日からお話を書き始めようと思います

2:匿名さん:2013/08/09(金) 03:31 ID:jmA

批判が怖いなら書くな

3:あゆみ ◆I1o.:2013/08/09(金) 09:26 ID:hOI

>>2
批判が怖いんじゃありません
多少のことでは動じませんが、ただ言い方に気をつけてねっ、て話です

4:あゆみ ◆I1o.:2013/08/09(金) 14:11 ID:hOI


-プロローグ-

「里奈」と「千星」
2人はいつも噛み合わない

例えばこんなとき


『里奈ちゃん里奈ちゃ〜ん! お団子作ったんだ〜! いる?』
『いらない。食べれない。それ泥でしょ?」

こんなこともあった


『里奈ー!! カブトムシ捕まえたぞー! 一緒に虫取りするかー?』
『興味ないからしない。それより宿題は?』

________そして、今


「里奈! 好きだ! 俺と付き合ってくれ!」
「私に好意を向けてくれたのは嬉しいけど、付き合うって何処に?
悪いけど放課後はずっと勉強で忙しいから。さようなら」

ーーー……この噛み合わない会話の原因はただひとつ
“他人など必要ない者”と、“意地でも自分を求めさせようとする者”だから_____

5:あゆみ ◆I1o.:2013/08/09(金) 21:59 ID:hOI

改行おかしくなってすいません
(一度、機械がヘンになったときに、1行のところが2行、
2行のところが1行になってしまったことがあったので)
まあまだ誰も読んでませんが(笑)

あと、最後から2行目の伸ばし棒が、一本多くなってしまいました(-。-;

これからアドバイスや評価?をしてもらう際には、
どうかこのプロローグの基本などは見逃してくださいm(_ _)m

6:あゆみ ◆I1o.:2013/08/09(金) 22:48 ID:hOI

その1.「付き合ってくれ@」


「付き合ってくれ!」

これが、俺、真嶋 千星(ましま ちせい)の、人生初の告白だ。

「付き合うって何処に?ああもう、時間が……」

ちらちらと時計を見る姿に、腹が立って仕方ない。
それと同時に、何でこんなのを好きになったんだ?って気もしてならない。

「さようなら」
そう言ってスタスタと歩いて去って行く姿は、やけに凛として見えた。

せっかく雨が降ってきたから、俺の傘に入れてあげようと思ってたのに、
カバンから折り畳み傘なんか出しやがって……
自分の詰めの甘さにもちょっとイライラして、つい、舌を打ってしまった。
その音に気付いたのか、里奈は後ろを振り向いた。

「何なの?さっきから。気になるんだけど」

「何なのじゃねーよ!! いいからさっさと塾行けよ!バーカ!」
思わず涙目になって叫ぶ気持ちは、状況を理解をしている人なら、誰だって分かるだろう。

「そう、なら良いんだけど。ただ、言動はつつしんだり、自分を省みたりした方がいいかと」
その言葉、まるまるお前に返してやるよ。

何せ相手は無表情。
そんであって超鈍感。
ましてや俺に興味もないだろう。

この恋が叶うには、100年はかかるだろう。

7:あゆみ ◆I1o.:2013/08/10(土) 07:54 ID:hOI

その2.「付き合ってくれA」

____夏目 里奈(なつめ りな)
私の名前は、この学年全体が知っているだろう

成績はいつも学年トップ
それでも人前では優越感をもった表情をせずに、
寧ろ次はどう自分を高めていけるかを考える。
……でも、何故か千星の前では、そういうときはいつも
自然な笑みがこぼれてしまう

そして、勉強以外には揺るがない。どんな時だって。
オシャレも、遊びも、勉強以外に趣味なんてない。そして、

“人間関係をつくること”

ですらも、疎いのだ。

でも私は、そんな自分でも良いと思っている。
私自身が満足しているなら、それで良いでしょう?
……そうやって、思いたいんだ


……まあ、今、水たまりですっ転んでいる千星を見ると、
そんな自分が馬鹿馬鹿しくも思えない気もしないけど。
……何だろう、今日は彼が少し変だ
ちょっと前までは、私の傘にまでさえ、いちゃもんをつけていた。

「里奈!! さっきはバカって言ってごめんな! 許してくれ」

そう言って、「いてててて」とすりむいた頬を隠す千星。

そして、
「バカなのは、俺の方だよな」
って笑いながら私に言いかける。

思わず首を横に振ってしまった。


私を追いかけて、走って転んでそうなったの?
なんでそんなに一人の人に夢中になれるの?
変なの…… でもとっても嬉しい

「はい、絆創膏」
彼の頬に絆創膏をペタッと貼った。

「何でだろう…… 千星の前だと、本当に調子が狂うな」
少しの間だけ鳴った、この不可解な動悸の意味がわからない私。
そんな私を見て、何故か彼は顔を赤くしている。

「……とりあえず塾までは付き合わさせても良いかな」

ここでまた、自然な笑みがこぼれた。

「うん!」


ある雨の日、千星は、
私の……
私の……

“大切な友達”
になった。

8:あゆみ ◆I1o.:2013/08/10(土) 07:58 ID:hOI

訂正

表情をせずに→表情を変えずに
です

9:あゆみ ◆I1o.:2013/08/10(土) 15:29 ID:hOI

その3.「教室のふたり」

「おはよう。あれ? そう言えば今日は、私のこと迎えに来なかったのね」

俺を見上げて不思議そうに呟く里奈。

相変わらず表情を変えない。黒髪ロングの髪型も変えない。
……その髪、ポニーテールにでもしたら可愛いだろうに

なんて思ってる数秒間、彼女を上から下まで見下ろした。

「……だから何なのさっきから。予習中だから意味不明な行動を避けて欲しいんだけど」

「……別に」
「そう」

いかん!! このままじゃこれで会話が終了してしまう!!
俺の席はずっと向こうだから……

「な、なんだよ里奈!! 朝から勉強なんかしてよ〜 いつも1番なんだから
たまには息抜きしたって良いじゃんか」
「良くないわ。今良くたって、上には上がいるんだから。努力しなくちゃ」

……ふうん
そうか。そうだよな。それでこそ里奈!!

「俺、里奈のそういうところ、わりと好きだなあ!」

この狭い教室内で「好き」って言う。
俺なりには頑張った。とっても頑張った。

ザワザワする教室。
クラスメイトは俺らに視線集中。

「……どうするんだろうね夏目さん」
「さあ〜、ありゃ断るだろうね。そう賭ける!」
「じゃあ私はOKすると賭ける!負けた方は今日、うちら4人分のジュースを奢ること!」
「え〜」

なんだなんだ?
賭けまで始まってるよ。

そんな声をかき消すように、里奈は俺に向かって言った。



「私も好きだよ。千星のこと」


「え…」
目を丸くしてしまった。

「えー!! うっそ夏目さん、いつから真嶋のこと好きだったんよ〜」
「良いねえ〜お似合いだよっ、幼馴染カップル!」
「じゃあ今日は裕子がジュース買ってきてね〜」

さっきの倍ぐらいの声で教室内が盛り上がる。

そうか……
そうだったのか……
物心ついた時から一緒で、小6の頃から続いた片思いが、今実った……!

里奈は首を傾けた。
何だこの歓声? って顔をしている。
本当に鈍感だなあ。


ノートを片付けながら話し始めた。
「……昨日、必死に私の方に駆けてくるあなたを見て思ったの」

続けて、
「ああ私この気持ちはきっと……」

言いかける、その言葉の先は、もう分かってる。
「恋」だろ?
聞きたい。
でもちょっと胸がくすぐったい。聞きにくい。








「____________千星のこと、すっごい大事な“友達”として見てたんだなあ、って」
ん?

「10年以上かけてやっと解ったわ。ハア、すっきりした……!!」
んんん!?


パアッと、今まででいちばん晴れたような表情だ。


……でも、その満面の笑みが、俺を、「死にたい。マジで死にたい」これだけの気持ちにさせるなんて、
張本人の里奈がいちばん分かってないだろう。

10:林檎:2013/08/10(土) 16:28 ID:Ygw

あゆみさんですね!
私の小説に来て下さりありがとうございます!
あゆみさんの小説を探してすぐ分かりました!

見た中では恋愛でしょうか?
とても面白いです!
小6の頃からの片想いが凄く共感します!
私、小4から現在ずっと片想いなので!

クラスの子達が個性的だなと思います!
これからも、あゆみさんの小説見に行きますね!

11:あゆみ ◆I1o.:2013/08/10(土) 23:08 ID:hOI

読者1号、林檎さんキターーーーーー!!((落ち着け

恋愛もの(に、しようと思っているけど、違う方向に行きそう)です
あ、でもこれからキャラを増やし、群像劇風にもしようかと思います

共感してもらって幸いです
“片思い”って切ない感じの筈なんだけど、なんか笑えるお話にしたいなと思います
(なんだかんだで両片思いなフシもあるけど)

「これからも」ですと…!
うれしすぎますー(泣)

12:あゆみ ◆I1o.:2013/08/11(日) 10:48 ID:hOI

その4.「その後の真嶋くん@」



「真嶋、一緒に購買行こう……ククク」
「ブフッ……今日から期間限定のパイナップルパン出るってさ」
「ヒッヒッヒッ……美味しいのかな? パイナップルパンは」
笑いを堪えてるような、堪えてないでオープンなような友達の会話。

そして、
「千星、パイナップルは好き?」
と、滝田がトドメを刺してきた。


“好き”
“好き”
“すき”……

あーーーー!!!!

ヤバい。また変なことを思い出してしまったよ……

ふられ……てるんだろうな事実上は。
まあ張本人の里奈はそんな気はしないで、何も考えずに言ったんだろう。
ああムシャクシャしてきた!

「滝田ー!! お前ワザと言ってんだろ! このバカー!」
「あ〜ら千星くーん? 八つ当たりはいけませんよ〜?」

涙目になった俺に、滝田がバカにするように、言ってきた。

なんだよちょっとモテるからって……
「男子と女子とで態度違い過ぎんだよー!!」

「ハア? 野郎に優しくしてどうすんだよ」
「ハハハ!!!! 言えてる滝田! やっぱイケメンは言うこと違うなあ!」

「今日は滝田開催の失恋パーティでもするか!」
「いらねーよ!」

絶対120パーセントからかってるぞ。みんな。




________ちょうどその頃、千星を見つめるひとりの少女が居た。
「萌ってば何〜? 真嶋くんばっかり見てさあ〜 あ! もしかして好きなの?」
「えっ! ちっ、違うよお〜 私、男の子苦手だし」

13:美鈴:2013/08/11(日) 13:24 ID:O/U

お話は、とてもいいお話でした。
その1その2などに分けていてとてもいいと思いました。
ただひとつ「……」こういうやつをたくさん使いすぎかな・・・とこもいました。

14:匿名さん:2013/08/11(日) 13:27 ID:O/U

あっ最後間違えました。

ただひとつ「……」こういうやつを使いすぎかな・・・と思いました。

です。

15:美鈴 :2013/08/11(日) 13:28 ID:O/U

14私です!

16:あゆみ ◆I1o.:2013/08/14(水) 12:38 ID:hOI

美鈴さん評価ありがとうございます

3点リーダの使い方、気をつけてみます

17:あゆみ ◆I1o.:2013/08/14(水) 13:18 ID:hOI

その5.「笹山さん達と昼休み。」


最近、少し変わったことがある。
「あ、あのっ……! 真嶋くん? 映画の試写会のチケット2枚あるんだけど……」

それは最近、クラスで、いや学年でいちばん可愛い女子、
笹山 萌 (ささやま もえ) によく話し掛けられるようになったこと。

「へえ! それは良かったね。上野とか、宮元とか、木戸とか友達誘って皆で行けば?」

「だ、だからぁ〜」
俺の応答に対し、笹山はジリッと頬を歪ませる。

するとそこに上野がやって来て、
「馬っ鹿言い真嶋くん! 2枚しかないんだよ? そんな何人もで行けるワケないじゃ〜ん
ここは間をとって真嶋くん一緒に……」
と言った。途中まで言って、むがっと笹山に口を抑えられた。

「もう!上ちゃんったら!」
不思議なことに、笹山の顔は真っ赤だ。

「……来週の日曜日、空いてるかな?」

改めて冷静になり、笹山は俺を誘った。

「ごめんな〜、その日俺は夏目一家と寿司屋に行く約束をしているのだよ〜」
ハハハハー!! 、と、ちょっとした優越感に浸ってしまった。
俺は里奈以外に、その家族とも仲が良いのだ。

それを見て笹山は、また頬を歪ませた。
今度はちょっと物憂げな表情で。

「本当に、駄目……?」
瞳をウルウルさせながら、背が小さいからか上目遣いで言ってきた。

「駄目だ」
考える暇もなく断る。
そう、これが本当の即答。

この時、笹山の中で、黒い心が育ちつつあった。
まあそれはまた、別の話。

18:海莉:2013/08/14(水) 23:10 ID:Qpg

こんにちは!海莉です(´∀`*)

千星くんと里奈ちゃんの会話面白すぎる!

千星くんが一途すぎてビックリしました(笑)
里奈ちゃんは色々尊敬(笑)

なんだかんだ言って両方「鈍感」ですね(笑)

クラスの人も面白くて…
賭けはやっぱやりますよね!

今後も読ませていただきます(`・∀・´)

頑張って!

19:あゆみ ◆I1o.:2013/08/15(木) 21:16 ID:hOI

海莉ちゃん、本当に来てくれた…!

そうそう、両方かなり鈍感なんです(笑)
特に夏目チャン(笑) 千星の倍上回るよw
そんな2人がどう意思疎通し、
そして、人付き合いの不得手な夏目が、ちょっとずつ人との関わりをもって変わっていくのがミドコロです♪

今後も、感想ジャンジャン下さい!←
時にはダメだしもw

20:あゆみ ◆I1o.:2013/08/15(木) 22:02 ID:hOI

その6.「Q&A。」


カリカリカリ……、とペンの走る音がする。
勿論これは里奈の。
だって、休み時間に参考書をめくり勉強するのは、少なくとも、この1年3組では彼女だけだから。

「あ、あのさあ里奈」
「何」
「お前、だ、男女交際って知ってるか?」
「またあなたは馬鹿馬鹿しい質問をするのね」

『バカバカしい』だと……!?
これでも振られた直後に話し掛けたんだぞ!
すっごい勇気いるんだぞ!?

「ふう……っ」と、ひとつ深呼吸をする。
今、里奈を100発は殴れる気になってるので、それを抑えるための深呼吸。

「……いいから答えて」
「知ってるよ。私をなめないで。好き同士の男女が、付き合うってことでしょう?」

『好き同士』って、可愛い言い方するんだな。

それより、今『付き合う』って言ったよな……?
俺に告られたときは『何処に?』ってマヌケ面で返したくせに。

_____もしかして俺は、彼女の中で「男」として見られていないのではないのだろうか



「じ、じゃあもし、俺が交際を申し込んだら……?」
意を決してした質問だ。





「即効で断る」






______え?
もしかして今、完っ全に振られた?

21:あゆみ ◆I1o.:2013/08/16(金) 06:01 ID:smw

その4.「その後の真嶋くん@」
とありますが、これは間違いでAはありません

**********

その7.「彼」


「俺がもし交際を申し込んだら……?」

なんで彼はそんなことを訊くんだろう。
なんの冗談? 誰に言ってるの? と思ったがこの場合は確実に私に向かって言っているだろう。


「即効で断る」


思っていることを言っただけだ。別に彼も本気じゃないだろう。

「……あ、そう。別にいいんだけど、さ。答えてくれてありがと」
なのになんでそんな、悲しいような、怒ったような顔になってるの______?




それ以来、しばらく千星は私に話し掛けなくなった。
お弁当を食べるときも、休み時間も、そして今、放課後も。

どうしてだろう、勉強第一な私にとっては、いちばんの目的に差し支えなくなり、
これはとても喜ばしいことの筈なのに。
何故だかそれが喜べないの。

____千星とは、家が隣同士で、物心がついたときから、高校生の今まで、ずっと一緒だった

でも私は、「いつでも会えるから」という理由で、自分からは彼をあまり遊びに誘わなかった。
逆に、遊び=勉強の邪魔、と考えてる私には、千星の存在が邪魔だったこともある。
そんなことがあっても、彼は私のとなりに居るのを辞めなかった。
それ、私にとって少し心地よかったんだ。

でももし千星がこれからずっと、冷めた態度だったら?
今までみたいに、自然に仲が直らなかったら?

今思うと、彼は私に、いろんな“何か”を与えてくれてたんだな。
私はなにも与えられず、いつもつき離してばかりだ。



だから……
だから…………

_______私が、私から向き合わなくてどうするの……!!


気がついたら、勉強を辞め、私の足は一歩一歩千星のもとに引き寄せられるように走っていた。



千星は今頃、私のことなんか考えもせず、友達と仲良く帰ってるだろう。
でも、それでも、それでもいいの。



「______千星!!」

力を振り絞って出した声が、彼に届くといい。

22:あゆみ ◆I1o.:2013/08/17(土) 22:24 ID:smw

あげます
(小説書かないが((((

23:あゆみ ◆I1o.:2013/08/18(日) 15:20 ID:smw

その8.「和解と誤解。」


「_____千星!!」

_____え?
嘘、里奈が俺の名前を大声で呼んでる……
何かの幻覚か?
あの、冷蔵庫みたいに冷たい里奈が、今、息を切らして駆けつけてきたんだ。

しばらく現実を受け入れられず脳は起動停止だったけど、ちょっとして、
「お、お前里奈なのか? 夢じゃないのか?」
と、試しに訊いてみた。

「ハア……ハアッ、ハア……そうだよ。どこからどう見ても夏目里奈でしょう」

この返事で、目が覚めた。


こんな必死になってる理由は何なんだろうか。
「振ってごめんなさい」とでも言いにきたのか。

それとも、俺の大事さを再び分かって、告白しに来たとか__________?
い、イヤ、そ、それはないない…………!

と、思いつつ、わずかな期待をしたりして。

「……あなたなんで、今日はあの有り余る程たくさんの友人たちと帰らないの?
こんな誰も居ない玄関に居るの? しかも妙に浮かない顔して」
「り、里奈だって、放課後は宿題をしてから家に帰るんだろう!」
「わ、私は、そ、その……」

こんな調子で会話をすると、
「なんでか分かんないけど、ちょっと里奈に会いたくなっちゃってさッ」
よっ、と腰を掛けていた下駄箱から降りた。
とびっきりの笑顔を里奈に見せながら。

「……私も。なんで千星がそんな不機嫌か知りたくて」

プイっ、と里奈は口をとんがらせて、そっぽを向く。
不覚にもその顔は、ちょっと赤いように見えた。
「可愛い」って言いたいけど、なんだか今は少し言いにくい。

ていうか今コイツ、「俺が不機嫌な理由」を問わなかったか……?

「お、俺が不機嫌な理由!? そ、それは……」
「うん、それは? 早く言ってよ」

「『即効で断る』って言われて、結構凹んじゃったから、かな」
「かな」じゃない。確信的な理由なのに。
なんで俺はこういつも肝心なところでヘタレちゃうんだ……
里奈に俺の気持ちが伝わらないのは、5パーセントぐらい俺にも問題があるんだろう。
まあ、95パーセントは里奈のせいだけど!
……いや、もうちょっと俺のせいか?


自問自答を繰り返す中、肝心の里奈というと、
「え、だ、だって、それは、あなたのためを思って断るのであって……」
と、相当挙動不審だ。

ん? 俺のため?
「なんで俺のためなんだ?」

「だってあなた……」
次の瞬間、里奈の口から衝撃の言葉が出てきた。




「あの髪ふわふわな可愛い人と付き合ってるんでしょう……!」



髪がふわふわ……
可愛い人……

って、笹山のコトか!?


「ちげーよ!!!!」


_______6月上旬、放課後。
一組の男女の元気な声が、1年生の校舎に鳴り響きます。

24:あゆみ ◆I1o.:2013/08/20(火) 08:18 ID:Gts

その9.「帰り道。」


「_____でさあ、それでな、滝田がな……って、聞いてる?」
「ええ、話を聞く限り、滝田くんはとても良い人なのね」

今日の里奈は、少しおかしい。
いつものように2人で一緒に帰るのは同じなのだけど、普段のように歩きながら単語帳を見たり、
参考書を読んだりしていないのだ。

「里奈、なんか良い事でもあった?」
「え、思い当たることと言えば……」
里奈は、頬を抑えて考える仕草をする。


「______こうやって千星とまたいつものように普通に喋れることが、すごく嬉しい」

そう言って、風で揺れる髪を抑えてはにかんだ。
いつもとは少し違う、女の子の表情だ。
ああ、やっぱり俺ってこいつのこと‥‥ーーーー

「……あのさあ〜、里奈ってさあ〜、ほんっと素直だよな〜、全く!!」
ああもう、にやけそう。そう思って鞄で顔を隠した。

「あり、がとう?」
里奈は、褒めてるはずなのにちょっと怒っている俺を見て不思議そうだ。
よし、話題を切り替えよう。

「そう言えば今日は、里奈の母さんは、早く帰って来るの?」
「ううん、9時まで帰って来ない。セツナ姉ちゃんも、大学の課題で遅くなると思う……」

ションボリしている彼女を見ると、なんだかこっちの調子が狂いそうだ。
ーーーー‥‥なんとかして、彼女を元気にしたい

「偉いんだな、里奈は」
「え……?」
「勉強も家事も、どっちも頑張って凄い」
「そんな……凄くなんか……」

「凄いよ! 少なくとも俺にはそう見える! 昔から見てるから! 」
ヤバい。勢い余って大きな声を出してしまった。
周囲からの視線が痛い、

「……いつか、報われると良いな」
そうやって里奈の頭を軽くぽんぽんと叩く。


「帰る!」

えーーーー!!!!
そうやって、まるで小さな子供のような声を上げて、彼女は颯爽と走り出した。
ど、どういうことだ!? 帰ってる途中に「帰る」って……
乙女心って、摩訶不思議。

「て、里奈、そっち逆方向だよ_____!」



感情が読み取りにくいけど、優しくて素直。
でも、とても鈍感でたまにおっちょこちょい。

そんな彼女に、俺は惹かれたのだろう。

25:あゆみ ◆I1o.:2013/08/20(火) 12:58 ID:Gts

その10.「寄り道ー夏目里奈の思うことー」


『帰る!』

せっかく優しくしてくれたのに、この態度はさすがに誤った行動だ。
何故だろう? 何で? 素直に「ありがとう」って言いたかったのに。
私も千星みたいになりたい、って言いたかったのに。

そしてもうひとつ、思うところが。
頭を撫でられてから、ずっと、体温が熱くなり、妙に鼓動がうるさい。
もしかしたら千星の手には、私をこんな風にする魔法の力があるのかもしれない。


走りながら、つい自己分析していた。



_____まあ理由はともかく、すぐに彼に謝らまくては。
あ、“すぐ”には、謝れないか……。何故なら道を間違えたから。

無駄な時間を費やしてしまった。
早く家に帰って勉強して、その後はご飯つくって……

『ちょっとぐらい息抜きしたっていいじゃんか』
いつかの彼の言葉が頭をよぎる。

そうね。その言葉に、あながち異論はないか。
たまには、学生らしく、寄り道でもしてみようかな。

「ま、時間の浪費も若者の特権か」
そう、ひとつ呟いた。


「この近くだったら……」

見渡す限り、よく分からない店ばかり。
キョロ、キョロと周りを見渡す。

「とりあえず、ここにしよ」

見つけたのは、人の少なそうな、でも可愛くて女性に人気そうなカフェ。
【cafe *HATSUKOI*】という看板を見て、やけに「初恋」という言葉が胸に引っかかる。

ガチャン、とドアを開ける。鈴のカラーンコローンという可愛い音が鳴る。
「いらっしゃいませ____! 」という女性店員の声が鳴り響く。




「_______あ、夏目さんだっ」

______この‘寄り道’が、里奈と、そして彼女を変えるきっかけだろう。
まあそれは、まだ誰も知らない。

26:あ〜ヤ@ ◆I1o.:2013/08/20(火) 13:14 ID:Gts


-作者の言葉-
あゆみ改めまして、あ〜ヤです。(以後、お見知り置きを)

「勝手な2人」その10まで行きましたよ。ええ!
ここまで気長に、心が折れずに書き続けられたのは、私として多分初めてです。

それもこれも、感想を下さった方々のお陰です。(まだふたりだけですが……(^_^;))

その11からは、今までチラチラ出てきたキャラが何人か登場し、もっと物語を盛り上げていく予定です。
読む人が楽しんでくれる、そんな小説にしたいです。

また、この「作者の言葉」を読んで、少しでも心に響いた方は、試しに読んでみてください。
(上から目線、すいません)
もしかしたら、もしかしたら(←どぶろっくじゃございませぬ)、楽しんで頂けるのではないかな、と思います。

27:カスガイ:2013/08/21(水) 01:28 ID:Tb2

あゆみさんへ

小説読ませていただきました!
とっても面白いですね!!(*^_^*)更新が毎回楽しみです!
キャラ設定とかあるんですか!?
あればホントいつでもいーので教えて下さいっ<(_ _)>
これからもヨロシクお願いします!

28:海莉:2013/08/21(水) 15:12 ID:Qpg

おおおおおお!?

ついに里奈ちゃんが!?
里奈ちゃんが!?

と思って読んでいました(´∀`*)

それにしても里奈ちゃんは寄り道をしないし
帰るときも参考書とかを読みながらなんて……!!

私も里奈ちゃんを見習います!

ではではノシ

29:あ〜ヤ@ ◆I1o.:2013/08/29(木) 22:15 ID:u5c

書き込みエラー解除できた〜♪

>>カスガイさん
毎回楽しみ……ですと!?
嬉しい~(泣)
キャラ設定、もちろんありますよ〜
登場人物ひととおり出てきたら、(時間があったら)カキコしますね
あ、キャラデザインとかも、いつかブログに載せますので、そのときはURL貼るので、見てってください♪

>>海莉ちゃん
(⇧ちゃん付け、いい?)
久しぶり〜
私も彼女を見習おう……!!←自分のキャラだろ

ふたりともずっと、蔑ろにしてゴメンなさい><

ではでは、海莉ちゃんの小説、見に行きます(`・ω・´) ヽ

30:あ〜ヤ@ ◆I1o.:2013/08/30(金) 15:47 ID:tdw

その11.「寄り道ー美少女とガリ勉とスイーツと。@ー」

わあ……、綺麗な店だな。

「何名様ですか?」
店員さんは笑顔で訊いてきた。

「ひと……」

「2人でーすっ!!」
答えようとしたら、いきなり横から、少女の可愛らしい声が聞こえた。
ニコっと、愛らしい表情で私を見つめる。


__________あ、この人、同じクラスの……

「そうですか。なら、こちらの方と同じテーブルですね」
「はいっ。ほらほら、夏目さん、あっちだよ〜」

「え? え? なんなの一体」
わけの分からない私をよそに、彼女は私の手を引っ張って、向こうの小さなテーブルまで案内してくれた。


椅子にちょこんと腰をかけると、私はメニュー表を取り出した。

「……ハイ問題! 私の名前は何でしょう?」
この人は一体何を考えてるんだろう。不思議でならないけど、とりあえず考えてみた。

「えーっと、ささ、ささ……笹倉さんだったっけ?」

「違うよ夏目さん。笹山だよ〜。笹山萌! 覚えてね〜 ハハハハハ〜」
なんでこの人は、名前を間違えられて笑ってるんだろう。

「はあ…… で、要件は何でしょう。あ、店員さん、キャラメルフラペチーノとレアチーズケーキ下さい」
「かしこまりました」
いつまで経っても話の趣旨が見えてこないので、勉強道具を鞄から取り出し、スイーツを注文した。

「もう! 夏目さんったら! こんな時にまで勉強しなくて良いじゃない!」
「良くない。そんなこと、笹山さんが決めることでもないでしょう」

だんだんだんだん、笹山さんの笑顔は引きつっていった。
……なんか怖いな。


「私と友達になってくれる? 前からずっと夏目さんに興味もってたんだ〜」


「_______友達? 別に良いけど、中間と期末テストの邪魔にはならないようにしてほしい」

何を思って私に興味をもったんだろう。
というか、興味と好意は、違うのではないのだろうか。


「やったあー! でね、それで、夏目さんに協力してほしいことがあるの________」

31:あ〜ヤ@ ◆I1o.:2013/08/31(土) 15:40 ID:tdw

ちょっと来てない間に……
読者が……

とりあえあず一旦
あげあげあげあげあげあげあげ……

32:ゆり:2013/09/01(日) 12:58 ID:etc

from あ〜ヤさん

『小説紹介所』から参りました、ゆりです。

「勝手な2人」読ませて頂きました!
URLまで貼って頂き、感謝します。

いや〜、小6なんですね!

私より年下なのに、文才がある!

頭はいいのに、「恋」っていう感情に疎い里奈ちゃんの気持ちとかが
すごくリアルです。

でも、ちょっと展開が足りないかも。
ちょうど今、笹山さん(だっけ?)と里奈ちゃんの間で何か起きそうだけど
こういう展開もうちょっと早くてもよかったかな?みたいな。

どんどん物語を展開していったほうが、読者はひきつけられるかも。。


ここに来るのは不規則だけど、定期的に見に行こうと思います!

まずここまでこつこつ連載していることに拍手!

頑張ってくださいね♪



(上から目線だったらすみません)

33:海莉:2013/09/01(日) 17:11 ID:Qpg

ずっと更新されるの待ってたよ♪

うちもね、新しく書き始めたから中々更新できないの゚(゚´Д`゚)゚

あ〜ヤちゃんの小説はやっぱり面白い!

笹山さん怖い……!

それよりカフェでしかも友達がいるのに
勉強し始める里奈ちゃん怖い!(笑)

ではではノシ

34:あ〜ヤ@ ◆I1o.:2013/09/03(火) 08:00 ID:.bk

か、風邪引いちゃいました……
でも、iPadなので、寝っ転がりながら書こう……!

>>ゆりさん
来てくれてありがとうございます
文才なんて……!
滅相もございませんよ……!(ただの漢字マニアです)
まだまだこれからですので、応援よろしくお願いします
定期的に見てくれるんですか
本当にありがとうございます!

>>海莉ちゃん
海莉ちゃん新しく書き始めたんだぁ〜
読んでみたいな←
フフフフ…里奈も笹山もなんか怖いでしょ…(笑)

35:あ〜ヤ@ ◆I1o.:2013/09/03(火) 08:47 ID:.bk

その12.「寄り道ー美少女とガリ勉とスイーツと。Aー」


「________協力? 一体何に。赤点防止策とか? そうか、それなら……」

「違う!」

私の目を見て、さっきより真剣そうに、且つ大きな声で言ってきた。
だから、さすがの私も、もう質問やらなんやらは出来なくなった。

「……真嶋くんのことだよ」
「千星が? 彼が一体どうしたの」

「夏目さん……」
そう言って彼女は、小さく息を吸い込んだ。そして、





「木戸っちの恋に協力して!」

え?



「ちょ、ちょっと待って笹山さん……」
「ダメ!? やっぱりダメかな!? やっぱり夏目さん真嶋くんのこと好……」
笹山さんは、そこまで言いかけて、少し浮いていた身体を椅子に戻した。


「中1からの友達だもん。その友達の恋が叶うなんて、そんな良いことないんだもん! だから協力して!」

ん? やっぱりこの人の言ってることの意味がわからないな。



「笹山さん少し会話を中断させてもらって良いかな? 今の話を聞くに、木戸さんは恋をしていると。でも
一体誰に? というかなんで最初に千星の名前が……」


「だ〜か〜ら〜!!」
はっきりと疑問を伝える私をよそに、笹山さんは怒りだし、私にグーッと顔を近づけてきた。
さっきまでのお人形さんみたいに可愛い顔は、もう欠片も見えないように変化していた。
声のトーンも、一気に低くなった。

「木戸っちは……木戸っちは……」
そして、顔を離し、



「真嶋くんのこと好きなんだよ!」
と、テーブルを力強く叩いて叫んだ。




「_______え?」


そんな笹山さんの後ろには、上野さんに宮元さん、そして……






_________木戸さんが居た。



「嘘……でしょ。萌ちゃん、私を騙してたんだ」
木戸さんは泣きそうになっていた。


「ち、違うの! 違うの! そういうことじゃないの! だからこれはその……」

笹山さんは、誤魔化しながら、段々と声を小さくしていった。
うつむいた顔は木戸さん以上に泣きそうだ。


反論がしたいものの、私には出る幕はなさそうだ。


「そっか。やっぱり私も思ってたんだ〜、てか、こんなところで夏目さんに相談してさ〜
誰もあんたの味方になんかなんないわよ!」
「前から萌、真嶋くんに色目使ってたもんねえ」
上野さんも宮元さんも、ギャーギャー騒いで笹山さんを睨んでいた。


「何それうっざー!」
そして最後に、ふたりまとめて言った。
笑ってるような、怒ってるような、そんな顔で。


でも、たったひとり、何も言わなかったのが、木戸さんだった。
そんな木戸さんも、最後にたった一言、



「萌ちゃんなんか……友達じゃなかったら良かった」



_______そう、そのたった一言だけ、呟いた。
その言葉が何よりも、笹山さんを傷つけたんじゃないのだろうか。

36:@ ◆I1o.:2013/09/04(水) 16:50 ID:.bk

あげ♪

37:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/04(水) 21:45 ID:.bk

その13.「ほっかむり少女。」


今日は、6月9日。土日明けの月曜日だ。
里奈は今、中間テスト期末テストの勉強に猛烈に燃えている。

ガラッと教室のドアを開ける。
「おっはよ_______う!?」
「あ、おはよう千星ー、つか何驚いてんだよ」

「だ、だってあれ……」
と言って俺は掃除用具入れの方を指差す。

そこに居たのは……




__________タオルを頭に被ってほっかむりをしている笹山だった

た、体育座りしてうつむいてるぞ!?
なんか一瞬こけしと錯覚してしまったのだが……


「ああ笹山さんのこと?」
「そうだよ! 何かあったのかな!? なあタッキー」
「俺に聞くなっつーの ていうか何時の間に俺のことタッキーって呼ぶようになったんだ」


「……」
「……女友達との間で何かあったんじゃないの?」
「へ?」

間抜けな表情をした俺に対し、タッキー、いや滝田が説明してくれた。

「だからさ、そう考えればそうなんじゃないの? いっつも一緒に登校してる木戸さんとか、
まだ教室に居ないじゃんか」

「確かに! でも、俺だったら、あそこまで落ち込むかな……」
チラッと、1oも動いてそうもない、ほっかむり笹山の方をを見た。
なんか、見てはいけない物を見たような気分だ……
もう見ないでおこう。

「笹山さん、女子に気い使ってそうな感じするし。だから余計落ち込むんじゃない?______ま、
俺には関係ねえ話だけどな」

タッキー、笹山のこと、よく分かってそうだなあ。
でも、中学違うって言ってたし、一体どうなんだろう。




__________その時だった
さっきまで勉強をそていた里奈が、ついに立ち上がった。
スタスタと歩く、その先にはなんと笹山が居た。
仲良くなったのかな……? そしたら意外な組み合わせかも。
話しかけるチャンス……だけど、この間突然帰られた件とか色々あるし、なんとなく話し辛かった。




「笹山さん……」
「な、夏目さん……!! 心配して来てくれたの? もうずっと寂しくて……あと頭が熱い……」
「心配……してたのかな私。少し勉強が手に付かなくて」

「やっぱり心配してくれてたの……!! 夏目さんやっぱやさし……」


「そこで考えてみたのだけど、この間のあなたの友人たちとの蟠りの件は、そうなってしまう関係に
問題があるんじゃないの。あと、熱いならタオル外せば」

おいおい里奈、それは今言っちゃヤバいんじゃ……
密かに、俺は心の中で色々と突っ込んでいた。


「ひ、人がせっかく感動してたのに……!! 空気読めないの夏目さんったらっ、もう、バカっ、バカっ」


あーあやっぱり

……ていうか笹山ってこんな性格だったっけ?
今だって、彼女は泣きながら怒ってるけど、ちょっと見てるこっちは笑えてくる。
以前のようなおしとやかな感じはどこに行ったんだよ、って言いたいぐらい。
どっちかって言うと今の笹山の方が、俺と気楽に喋れるかも。



___すると、

「キャハハハハ!! そうそうそう、マジ受ける〜」

と、上野の声が聞こえた。


ビクっ、と一度身体をブルつかせた笹山は、
「う、うわあ〜ん!! 着いて来ないでね夏目さあ〜ん!」

……と、教室を出て走って何処かに行ってしまった。




「情緒不安定だな笹山さん。________さて、勉強しよう」

38:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/06(金) 17:06 ID:.bk

>>35の描写が分かり辛いと思うので再更新。

***********

その12.「寄り道ー美少女とガリ勉とスイーツと。Aー」


「________協力? 一体何に。赤点防止策とか? そうか、それなら……」

「違う!」

私の目を見て、さっきより真剣そうに、且つ大きな声で言ってきた。
だから、さすがの私も、もう質問やらなんやらは出来なくなった。

「……真嶋くんに関係することなんだけどさ」
「千星が? 彼が一体どうしたの」

「夏目さん……」
そう言って彼女は、小さく息を吸い込んだ。そして、





「木戸っちの恋に協力して!」

え?



「ちょ、ちょっと待って笹山さん……」
「ダメ!? やっぱりダメかな!? やっぱり夏目さん真嶋くんのこと好……」
笹山さんは、そこまで言いかけて、少し浮いていた身体を椅子に戻した。


「中1からの友達だもん。その友達の恋が叶うなんて、そんな良いことないんだもん! だから協力して!」

ん? やっぱりこの人の言ってることの意味がわからないな。



「笹山さん少し会話を中断させてもらって良いかな? 今の話を聞くに、木戸さんは恋をしていると。でも
一体誰に? というかなんで最初に千星の名前が……」


「だ〜か〜ら〜!!」
はっきりと疑問を伝える私をよそに、笹山さんは怒りだし、私にグーッと顔を近づけてきた。
さっきまでのお人形さんみたいに可愛い顔は、もう欠片も見えないように変化していた。
声のトーンも、一気に低くなった。

「木戸っちは……木戸っちは……」
そして、顔を離し、

そして、テーブルを強く叩き、叫んだ。






「真嶋くんのこと好きなんだよ!」





「_______え?」


そんな笹山さんの後ろには、上野さんに宮元さん、そして……






_________木戸さんが居た。



「嘘……でしょ。萌ちゃん、私を騙してたんだ……
萌ちゃんも、真嶋くんのこと好きだったんだ…………最悪」
木戸さんは泣きそうになっていた。


「ち、違うの! 違うの! そういうことじゃないの! だからこれはその……」

笹山さんは、誤魔化しながら、段々と声を小さくしていった。
うつむいた顔は木戸さん以上に泣きそうだ。


反論がしたいものの、私には出る幕はなさそうだ。


「そっか。やっぱり私も思ってたんだ〜、てか、こんなところで夏目さんに相談してさ〜
誰もあんたの味方になんかなんないわよ!」
「前から萌、真嶋くんに色目使ってたもんねえ」
上野さんも宮元さんも、ギャーギャー騒いで笹山さんを睨んでいた。


「何それうっざー!」
そして最後に、ふたりまとめて言った。
笑ってるような、怒ってるような、そんな顔で。


でも、たったひとり、何も言わなかったのが、木戸さんだった。
そんな木戸さんも、最後にたった一言、



「萌ちゃんなんか……友達じゃなかったら良かった」



_______そう、そのたった一言だけ、呟いた。
その言葉が何よりも、笹山さんを傷つけたんじゃないのだろうか。

39:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/07(土) 11:11 ID:4lg

その14.「彼女の居場所。」


_____友達
そんなもの私にはいらないと思ってた
たくさん勉強して 立派な大人になって お母さんやお姉ちゃんをしあわせにする
ただ それだけを願ってた________

……それなのに
高校に入ってからどうだろう
やたらと千星の行動に一喜一憂し、たまに勉強に集中出来なくなってしまう
「隣人」から「友人」に変わるのって大きな変化なんだな




「________今はそんなことより、資料資料。えーっと、経済学の本は……」
放課後、今私はレポートの資料を図書室で探している。

「あ、あった______って、ん!?」



「うっうっ、うえ〜ん……ひっく、ひっく、木戸っち……と……友達……じゃなか……ったら
学校……来る意味ないよ……うわあーん!!!!」



そこには、泣き崩れている笹山さんが居た。
今朝のようにタオルを巻いたままだ。


私も驚いたし、彼女の心中は察するけど、今は他人に構ってる暇はない。
だからことごとくスルー。次の本を探し始める。




……そうはしたいけど、何故だろう、放っとけないのは。


「ど、どうせ……夏目さんなんか、ひっく……鉄のこころの持ち主だし……ひっく
絶交なんてされても……屁でもないだろうね……「絶交」……思い出すだけで涙があ……!!」


笹山さん、顔が真っ赤だ。
それだけあの人たちのことが大事だったんだろうな。


_______そういえばこの間、


『裏切られるのは慣れてるけど、木戸っちだけは特別なんだ!! あの子が笑ってくれればそれでいいの』

とか言ってたっけ。



“あの人たち”じゃない。
“木戸さん”がいちばん大事だったんだ。


その友達に絶縁されてしまったのだ、へこむに決まってる。


___________そんなことに慣れるほど耐えてきたのか、彼女は

そんなことを思いながら、笹山さんを見つめる。


「笹山さん______とりあえずこれで涙を拭いて」
ポケットからティッシュとハンカチを出して差し出す。

「あ、ありがとう。えへへっ、やっぱ夏目さん優しいんだね……はははっ」
「無理に笑わなくて良いんだよ? 泣きたければ泣けば良い」


「……今の私にはこれぐらいしかできない。慰め方も分からない。
でも、たったひとつ言える」


「____何?」



「笹山さん、あなたは友情に厚い良い人だ。そんな友達を見捨てるなんて、私はできないよ」


こういうときは、笑った方がいいな、と思って微笑んだ。


そして笹山さんは、さっきとちがう色の涙を浮かべた。
ウルウルと瞳を輝かせている姿はなんとも愛らしい。

「な……!!」
「な?」



「なっつん、好き________!! 大好き!! なっつんが居るなら一日も学校休まないよお!」


と、笹山さんはタオルを取って私に抱きついてきた。

な、なっつん!!? ああ夏目だからか。

「さ、ささ、笹山さん!? 重いって……放してってば!」
「放すもんか放すもんか〜!!」




次の日から、笹山さんはカルガモのごとく私にくっ付いてきた。
その日から、笹山萌のなっつんさ大好きデイズが始まったのだ。

40:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/07(土) 13:22 ID:4lg

『「勝手な2人」色々投票所』⇩
http://ha10.net/test/read.cgi/frt/1378527452/l30
よかったら来てください♪

41:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/08(日) 17:57 ID:4lg

オマケ小説【その14,5.あの後(千星目線】

俺、真嶋千星の最近の悩み……
それは……


木戸にモテたこと!

「フフ……グフフ……うっへへへ……」
「何だよ気持ちわりい。その優越感見え見えの顔やめろ」

滝田の冷静な突っ込みで目が覚めた。
そうだ、俺はひとりの女の子を虜にしてしまったんだ……!!
告白はされてないとはいえ、今から振りに行かなければ!



「おーい! 木戸ー! 話がある」
「な、何!? ……って、真嶋くん……!? 話って……」

昇降口で、木戸を呼び止める。
丁度今は放課後。
俺も木戸も帰るところだ。

「おう。お前を振りに来たところだ」
「え!? えええ!!? 何で真嶋くんそんなこと知って……」
「里奈から聞いた」

そして木戸は、「夏目さんったら……」とか言いながらとても赤い顔で下を向く。

「そのことなんだがな」
「……うん?」

木戸は顔を上げる。
俺はスーッと息を吸い込んだ。


「_______悪い! 諦めてくれ、木戸! あいにく俺には里奈という未来の嫁が居るんだ!」
「え!? ちょ、真嶋く……」

「じゃあな木戸! また明日」

と、俺は颯爽と走り始めた。
よし、これで里奈を口説く自信がついた。



丁度その頃木戸さんは……
「うーわ最悪……何で私あんな人好きになったんだろう」

100年の恋も覚めました。



end.

42:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/08(日) 21:46 ID:4lg

その15.「私の家」


「ただいまー」

笹山さんとの一件から、はや1週間が経つ。
以来、彼女は何かと私に懐いてきた。


「あ、お帰り里奈〜!」
この人は夏目 刹那(なつめ せつな)。
私の姉だ。

時計を見たら、4時半丁度。
お姉ちゃんが帰って来るにはとても早い時間だな。

「え!? セツナお姉ちゃん帰ってたんだ」

「うん。課題が割と早く終わっちゃって。それに今日、バイト無いからさ〜」
そう言って、ニカっと微笑む。

……嬉しい
ただそれだけに尽きた。


「お姉ちゃん……」
「何? 里奈」

「ありがとう。いつも、いつも、私やお母さんのために働いてくれて」

胸があったかい。涙が出そうだ。
ああ、家族っていいなあ……


「んもう里奈ったらあ〜、照れるってばっ、もうっ」
と、セツナ姉ちゃんは私の背中をバシバシ叩きながら笑ってる。

セツナ姉ちゃんの笑顔で、私も笑顔になる。幸せになれる。
だからこそ、少し照れ臭い気持ちもそこに混ざっている。

「……こちらこそ、ありがと。里奈」
「……え?」
「「え?」って! 毎日、勉強してるでしょ? 私たちのために。だからお互い様」

頭をポンポン、と撫でられた。
ここまで家族とふれあったの……何年ぶりだろう。

努力が人に認められる……それは今までに無い嬉しさ。
もしかして、以前千星の言ってた、『報われるといいな』は、
この事なのかもしれない。

ああ、千星に会いたいな。
会って、会って……何て言おう?

えーっと、「久々にセツナ姉ちゃんが帰ってきて嬉しかった」でいいのか?
でも、「嬉しい」だけじゃ物足りないな。

_________まさか、ここまで千星のことで悩むとは、思いもしなかった。
でも、今ではその悩みも愛おしい。



この気持ちを、大事にしたい。

43:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/09(月) 16:50 ID:4lg

その16.「攻略法」


「おはよう里……」

「おはようなっつんー!!!!」
と、笹山は俺の声をかき消すように大きな声で挨拶し、里奈に抱きついた。

「ちょ……笹山さ……この下り何度やるつもりなの。……あ、千星おはよう」

「ちぇっ、俺はオマケかよ〜、ずっるーい、笹山」
と、唇をとんがらせて、ボソッと呟いてみた。

「ん? 何か言った?」
「べ、別に〜」


______と、その頃クラスの男子は、
「笹山さんってさ、夏目さんと仲良くなってから今までより一段と可愛くなったよなあ」
「あ、分かる分かる! 元気っぽいところもまた良いよねー」
とか騒いでる。


________ま、俺は里奈しか目にないから別にどうでもいいけどね。


「さ、寒い……! 鳥肌が立つよ、なっつん……」
と、笹山はブルブル震えながらか細い声で言った。
「何を言ってるの笹山さん。今6月よ、寒いはずないじゃない」
里奈はまたいつもと同じ、スーパークール発言。

「だ、だだだだって……! 私のこと可愛いとか言ってくるんだよ! 気持ち悪いったらありゃしない」


「……笹山さん、あなた男の人が嫌いなの」
「ようやく気づいたなっつん! その通り! あ、でもチセくんは別だよ〜
だってチセくんなっつんしか…………グワッ」

と、笹山が言いかけたところで、彼女の口を強引に抑える。
この間告って流されたのだから、今更ってのは、ちょっと、な。
あとで、笹山は「ごめんごめん……」と謝ってきたので、俺も謝った。

まあ当の里奈本人は何も分かってなくて、ポカンとしている。
呑気だなあ……
ま、今に俺のこと惚れさせてやるけどな!



「_______あ、そうそうなっつん! 学生のいちばん大切なことといえば?」
と、笹山はカバンから何かゴソゴソ取り出しながら言う。

さ、笹山、君はバカなのかい?
そんなの絶対決まってるよ……

「勉強」
ほら即答。

「そ、そうだよね。まあそれは、「なっつんにしては」だけどさ!
私にとって有意義な過ごし方っていったらあ〜」
「あなた何が言いたいの」

ほらほら余計にこじらせて……これだから夏目里奈初心者は。
と、呆れながらも2人を見つめる。

「学生といえば! 恋愛に! 友情! だよ!」
「……仮にそうだったとしても、それがどうしたの」


「だからその両方に必要なものといえば、ズバリ!

『遊び』だよっ! 今日の放課後……」



「_______心中察するけど、お断りします」

「そ、そんなあ〜」

笹山……!
Forever!
見てるこっちが切なくて泣けてきそうだわ……


「まあまあ、里奈!」
と、駄目元で里奈の肩をトンっと叩いてみる。
「何?」

「将来、社交性も必要だよ? だからさ、放課後ぐらい良いんじゃないのっ」
と、親指を立てて、笑顔で説得してみた。

頼む……!!
頼む里奈……!!
その永久凍土をどうにか溶かしてくれ

少し間を空けて、



「_________そっか、社交性、か。千星が言うなら、行こうかな」

と、里奈は呟いた。
……「俺が言うなら」か。
ふふっ、悪くない。


「やったあー! なっつん大スキっ、チセくんありがと〜」
「……うんまあ、私も少しは手を抜いても、学年トップはトップなわけだし」





_________そして、俺も笹山も、放課後を待ちに待ち、6時間目の終わりのチャイムは鳴った。

44:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/10(火) 16:57 ID:4lg

その17.「うろんな放課後」


「……じゃ、駄菓子屋の前で集合ってことで!」
「了解」
「りょーかーいっ」

結局今日は、近所の駄菓子屋さん店内の鉄板焼き屋さんに行くことになった。

笹山さんの案は、「女子高生っぽくお茶してショッピング」だったのだが、千星は女子ではないので、あえなく却下。
そして、千星の案は「里奈の好きなところならどこでも」で、笹山さんもそれにのっかり鉄板焼き、ってことに。



ようやく、駄菓子屋前に到着した。
そこまで辿り着くまで、何故かずっと笹山さんの、「理想の友達」について私と一緒に喋っていて、
比にすると、私2:笹山さん8のような感じだった。

「感動だよ感動だよ〜 放課後に友達と食べ歩きなんて、中1ぶり……!」
「ははは、そうなんだ……さて、店の中入ろうぜっ」
「そうね」

と、軽い談笑を済ませると、さっさと店の中に入った。



「……よお千星」
「ようタッキーっ! おう、里奈、笹山、こっちこっち」

千星の誘導うする席には、なんと彼の友人である滝田くんが座っていた。
それを見た笹山さんは、顔を青くし、私の腕をギュッと掴んだ。

そして、
「……ゲッ、な、なんで!? 今日なっつんとチセくんだけと食べるんじゃ……
それなのになんで滝田くんなんかが……! 男子は嫌いって言ったでしょ! ひどい!チセくんの裏切り者ー!」
と滝田くんを指を差しながら言った。
「俺「なんか」……? 俺にそんなこと言うなんて、度胸あるね笹山さん……
可愛い割に酷い女だねえ」

なんだか火花の舞ってる笹山さんと滝田くん。
まさか男嫌いもここまで来るとは……
でもなんだかんだで、滝田くんは今までの女子への優しい振る舞いではなく、
素の、どちらかというと男子への態度と似ている態度で接して、楽しんでいる。

とまあ、そんなふたりは置いといて、私と千星はというと、

「鉄板焼き……私初めてかも……!」
「そっか、もんじゃかお好みどっち食べたい?」
「じゃあ今日はもんじゃで」
「俺もそんな気分ー! やっぱ気い合うなあ〜」

ほんとに、意外なところで気が合うな、私達。
何度かテレビのグルメレポートで観たことのある、もんじゃ焼き。
一度食べてみたかったんだよなあ。



ジュージュー……と、お好み焼きともんじゃ焼きの焼ける音がする。

「いい!? 私たちはたまたま2分の1の確立でお好み焼きを食べたいと思っただけで、
別に趣味が合うとかそんなんじゃないもんねー!」
「はいはいはいはい、分かった分かった。笹山さんほんっとに子供だねえ。
あ、そっちももういいんじゃない?」
「滝田くんに言われなくても分かってますよ〜! べーっだ!」


ふたりともまだ言い合ってるのか。ていうか笹山さんが一方的な気がする。
なんか笹山さん、滝田くんとぐらいしか喋ってないな……
私も千星とぐらいしか喋ってない。


「……なあ里奈、あいつらどうする?」
という千星の声が助け舟で、なんかホッとした。

「まあ笹山さんも笹山さんで、滝田くんと気兼ねなく喋ってるわけだし……」
と言いつつ、横目でチラッと彼女たちを見て、

「あのー……ふたりとも、ていうか主に笹山さん。あまり騒ぎすぎると危ないよ。
あと、もんじゃとお好み焼き少しずつ交換しよう」

と、おそるおそる言ってみた。

すると笹山さんは、
「なっつんが言うなら騒ぐのやめる〜 こっちこそ、半分こしようねっ。 はいあ〜ん
どう? おいしい? おいしい?」

と、いきなり声を高くし、笑顔で私の口にお好み焼きを入れようとした。
あまりに急かすものだから、すぐにパクっとそれを口に入れたら、熱くて熱くて急いで水で流し込んだ。

「や〜ん、焦ってるなっつん可愛い〜。はい激写っ」
「ちょっと、笹山さん! 勝手に人の顔映さないでっ」
「てへっ」

「やーい逆ぶりっ子〜」
「うるさいっ、ナルシスト滝田」

「……3人とも、俺のこと忘れてない? あと笹山、あとでその写真ちょうだい」





__________そんなこんなで、私たちは放課後鉄板焼きデビューを果たした。
めちゃくちゃだったけど、美味しかったからまあ良いとする。

45:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/12(木) 21:42 ID:4lg

その18.「男友だち(仮)」


「_____私の理想の放課後ってのはね」

ただひたすら可愛い格好をして、なっつんとオシャレっぽいお店を練り歩く……
それでそれで……恋バナとか、最近の悩み事を相談したりとか、そんなことがしたかったのに______


それなのに……
それなのになんで…………

「それなのになんで________

こんなチャラ男ともんじゃ食べて一緒に帰ってるのよ!? 滝田くん帰り道こっちじゃないでしょ」

「は? 」

そう、今は鉄板焼き屋からの帰り道。
となりには長身で耳にピアスをした、今時っぽい制服の着こなし方と髪型をした同級生の男子が居る。

「わ、私の目はごまかせないんだからねっ! 何か企んでいるんじゃ……
……はっ、もしかして私のこと好きなんじゃっ」


______何故怪しむかって、滝田くんはいつも帰り道こっちじゃないもの。
登下校一緒になったことないんだから。

モテモテな滝田くんに惚れられたりなんかしたら、たまったもんじゃないよ。
即女子に疎まれるんだから。

「あのさあ……ほんっと笹山さんガキだよな。頭悪すぎ」
「な、なんだと……!?」

ムカムカムカムカ……と、私の脳内に、「ガキだよな」の一言がよぎる。
こ、こっちが悩んでるのに、何その言い返し!



すると滝田くんは、
「だから! …… 確かに俺の帰り道こっちじゃねえけど!」

と、ちょっと大きな声で言ってきた。
思いの外顔が近づいたので、恐怖心かなんかで私はビクッと肩を動かした。

それに伴い滝田くんも顔を離す。

続けて、

「……笹山さん可愛いだろ。だから、変な奴に絡まれるよりも、俺に送られる方がマシだろ。
…………って言ってんの! 分かったか!?」



彼はプイっと顔をそっぽに向け、ぶっきらぼうに言った。


嬉しい……!! そんな風に思ってくれてたんだ

……でも私は『送ってくれてありがとう』って言葉を飲みこんで、


「可愛いとかすぐ言う人は嫌いだもんっ」
と、強気に言い張ってしまった。



________ああ、滝田くん怒ってるかなあ。

___って思ったがあら不思議。彼はニコッと微笑んでる。

「えー? 俺はかっこいいってすぐ言ってくれるコ、好きだけど」
「私と滝田くんは違うもん」

ーー……あーあ、また素直になれなかった
今日お好み焼き食べてるとき、意外と気が合って楽しかったのに、……残念



_______って、そんなこと思ってる場合じゃないじゃない!! せっかく良い友達ができるチャンスなんだから




「なあーんてねっ! 送ってくれてありがとっ! タッキーくん!」



勢いで、ニックネームを呼んだ私に、滝田くんはしばらく目をまん丸にしていた。
……でも、少し経ったらとっても素敵な笑顔になっていた。
私が笑ったからかな?


「……ひ、ヒドイこと言ってごめんね? 友だちになってくれる? あ、嫌ならいいんだけど____!!」


「友だち? あったり前じゃん! なるに決まってるつーの」


「やったあ_______!」

友だちになれた!
それがただ嬉しくて嬉しくて、飛び上がってしまった。

「うっれしい、うっれしいー!! 友だち記念日〜」

「笹山さんはしゃぎすぎー」
「タッキーくんだって嬉しそうじゃない!」




これからもっと、毎日が楽しくなりそう!


……まあタッキーくんが私を好きにならなかったらの話だけど

46:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/13(金) 17:09 ID:4lg

今更ながら、登場人物紹介します。

今回は里奈と千星で。


*夏目 里奈(なつめ りな)*
−−−−−DATA
12/25生まれ
身長162cm
髪型は腰まで伸びた黒髪ロング(漫画でいうとベタ髮)で、前髪は横わけ。
比較的整った顔立ちだが、地味な格好や雰囲気から、あまり周りから見た目について良く思われてない。
−−−−−人物紹介
家族を幸せにするために日々たゆまぬ努力をしている。
色々鈍感。
以前までは千星のことは、ただの「隣の家の子」としてしか見ていなかったが、今は「友達」に。
他人に対して、基本ドライな対応で、冷静で淡白。
だが、一度惹きつけた人は離れない特別な何かをもっている。
(特に笹山さんからは絶大な好意を受け、里奈は少し困っている)
−−−−−ちょこっと情報
・今いちばん欲しいものは電子辞書。
・千星とは、小学校の6年間で一度もクラスが同じにならず、幼稚園で2回、
中学3年生で1回同じクラスであった(尚、その際には二人の受験勉強や千星の部活などで忙しく、
学校ではあまり喋っていなかった)
・通っている高校は、家事と両立ができるという一点で選んだ、

*真嶋 千星(ましま ちせい)*
−−−−−DATA
7/7生まれ
身長168cm(低くはないが、里奈とあまり身長差がないことを若干気にしている)
髪型は君に届けの風早くん的な←で、漫画でいうとトーン髪。
平凡な顔立ちであるが、明るい性格からおとなしい木戸さんには好意をもたれていたl
−−−−−人物紹介
小学生の頃から、(超)一途に里奈を想い続けている。
里奈のことを「鈍感な子」と認識しているが、彼本人も相当鈍感でデリカシーがない。
怒っていたり感情がピークだったりすると、内心めちゃくちゃ口が悪くなる。
時々里奈へ、「俺のこと好きなんじゃね!?」的な期待をするが、いつも思い通りにはならない。
−−−−−ちょこっと情報
・その17のあと、笹山さんから里奈の隠し撮り写真を貰っている。
・小学校の頃、クラスでいちばん背が小さく、一時期「ちーせい」というあだ名をつけられていた。
・成績は中の下で、なんだかんだで難を逃れるタイプ。


今度は笹山さん&タッキーの情報を書きますね〜
まあそれまで気長に待っててください←

47:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/14(土) 13:32 ID:ikE

最近読者数がめっちゃ減った……
ひとまず上げ

48:ニーちゃん ◆ZVU.:2013/09/14(土) 14:28 ID:qYg

続きがみたい!

49:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/14(土) 15:13 ID:ikE

>>ニーちゃんさん
感想コメントありがとうございます(`・ω・´ )ヽ
できればこれからも、なるべく細かい感想お願いしますね♪

続きは明日かきますね〜

50:ニーちゃん ◆BUEE:2013/09/14(土) 15:15 ID:qYg

ok♪

51:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/15(日) 11:17 ID:ikE

その19.「夏目里奈お見舞い大作戦」


「えっ、なっつん今日学校休みなの!?」
笹山は長いまつ毛をパチパチさせながら、驚いた表情で聞いてきた。

今は登校中。笹山も俺も、いつもより少し早めに学校に来ていて、途中から一緒に向かっていった。

「うん、そうみたい。里奈ん家の姉ちゃんが言ってた。39度以上熱あるんだって」

里奈のことを昔から知ってる俺もびっくりした。
アイツ、風邪引くの何年ぶりだりうなあ。

「えー!? ……なっつんかわいそう〜 ……あ、そうだ! ていうか私が淋しいよ〜
……あ、そうだ! 今日皆でお見舞い行こう!」

と、笹山はアップダウンを激しくして、思いつきで提案した。

お見舞い、か。いいかも!! 弱ってるときの異性の優しさに、女子は弱いらしいし。
ふふふふふ……見てろよ里奈。必ず落としてやるぞお…………!!

そんな、ちょっと、いや結構あざとい考えの俺を見て、若干引いている笹山に、


「_______笹山さんは、補習だろっ」

と、聞き慣れた男子の声が突っ込んだ。
笹山は肩をブルつかせ、ギクっとしている。

「お、タッキーおは〜!」

「おはよう千星。あ、補習の笹山さんおはよ。意外と頭悪かったんだー」
「ちょ、ちょっとお〜! 会って早々、補習補習ってえ〜……!! タッキーくんだってギリギリだったくせに」

「……ふたりとも朝からケンカやめろって」

この間仲良くなったと思ったら、またケンカっすか。
ふたりともなんだかんだで子供だな。




……と、俺が呆れている内にも、笹山とタッキーは一緒に喋っていた。
「_______私もお見舞い行きたかったのに〜 いいな、タッキーくんもチセくんと一緒に行くんでしょ」
「バカ、行かねえよ」

「え、なんで……?」
「これを見計らって二人っきりにしてやるんだよ! その間に二人がどうなるかはご想像上にお任せ、ってことで
……どう? いいだろこの作戦」
「ふふ、いいねえ。タッキーくんもたまにもいいこと言うねえ。ふふふふふ……」




うわあ……後ろに悪寒が。
二人とも何ニヤニヤしてるんだろう。





_________とまあ、いろんなことがあり、今日は俺1人でお見舞いに行くことに決まった。

52:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/15(日) 15:51 ID:ikE

ゴルベーザあさ子のぉ〜
教えて “あ・げ” る♥



……夏目あさ子風にアゲ⇧wwww

53:あ〜ヤ ◆I1o.:2013/09/18(水) 16:45 ID:fqg

一旦あげ


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