後ろのメリーさん!

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1:ルミ ◆RUMI:2013/08/20(火) 00:05 ID:BgU





「もしもし、私メリーさん」

2:ルミ ◆RUMI:2013/08/20(火) 00:34 ID:R3c





「もしもし、私メリーさん。今あなたの家の近くにいるの」



 そんな電話が頻繁に掛かってくるようになったのは、ごく最近の事だ。

 数日前の事。大学の仲間内で少しオカルトな話になった。
季節的にもぴったりな話題、夏の暑さを紛らそうと盛り上がってきたところで、馬鹿な一人が「メリーさんに電話掛けてみようぜ!」なんて言い出し――。



「もしもし私メリーさん。今あなたの家の前にいるの」


 ――今にいたる。
数分毎に"メリーさん"からの着信を受けピコピコと馬鹿の一つ覚えの様に鳴る携帯は鬱陶しくてたまらない。


 それでも何故毎回通話ボタンを押してしまうのかと聞かれれば、きっと俺が夏の暑さにやられてしまっているからなのだろう。

 別に信じている訳じゃない。こんなストーカー染みた悪戯電話、さっさと着信拒否してしまえば良いものを。



「もしもし私メリーさん、今玄関にいるの」

「あ、メリーさん?俺ちょっと風呂入ってくるわ」


 プツ、と電話を切る。今では"メリーさん"に言葉を聞くことすら出来る様になっていた。
 風呂に入ってる間、玄関の方からがたりと物音がしたが、きっとそれは風の悪戯だろう。


 怪談もおとぎ話も、もう信じる年頃ではないのだから。

3:りな ◆IoXo:2013/08/20(火) 00:35 ID:9Ag

ホラーな感じですか!?
めっちゃ楽しみにしてます!

4:ルミ ◆RUMI:2013/08/20(火) 00:53 ID:R3c





「はー、気持ちよかった」

 風呂から上がり、髪の毛から雫が滴っているまま冷蔵庫の中からコーラを取り出す。人指し指でプルタブを開けるとプシュ、と気持ちの良い音がした。
 そのまま口を付け、ゴクゴクと喉を鳴らす。パチパチと弾ける冷えたコーラは、風呂で火照った身体を冷ました。



 ふと、メリーさんの事が気になり携帯に手を伸ばすと、俺が風呂に入っていた間の着信数は0だった。
 意外と素直、なんて関心しながら壁に身を任せたその刹那、けたたましく携帯が鳴った。


「もしもし、私メリーさん。今あなたの後ろにいるの」

 またお前か。予想はしていたけれど。

 そのまま切ってやろうかと通話停止ボタンに親指を伸ばしたが、ふと俺は面白い事を思い付いた。否、実際には面白くも何ともない、ただのつまらない事実なのだが。



「俺の後ろは壁だ」

「……っ!」


 メリーさんが言葉に詰まる。少々大人気ないとは分かっていながら、俺は頬の緩みを抑えきれなかった。



 のも、束の間である。



 ミシ、とヒビの割れる音がしたかと思えば、次の瞬間後ろの壁が凄まじい音を立てて爆発した。


 もう一度言う、爆発した。

5:ルミ ◆RUMI:2013/08/20(火) 00:55 ID:VRE




>>2

ありがとうございます!
ホラー…とは程遠いかもです 笑

6:ルミ ◆RUMI:2013/08/20(火) 00:57 ID:R3c




>>5
安価間違えた;
ダメだこりゃ 笑
>>2>>3です。

7:ルミ ◆RUMI:2013/08/20(火) 01:17 ID:Pg.





「……は?」

 俺は呆然とするしか無かった。人間が突然背後の壁が爆発した時の正しい反応と言えよう。
流石に訳がわからない。正にわけわかめだ。

 映画のワンシーンの様に白い埃がもくもくと立っている。後ろを振り返り、尚も呆然としてそれを見つめていると、中に小さな影を見つけた。

 その影は段々此方に近付いてくる。
 わりかし小さいな。ふんわりとしたシルエットから、きっと女の子だろう。そんな推測を呆然としていた。


 埃も薄れてきて、その少女がはっきりと見えた頃――俺はようやく冷静な感性を取り戻した。

「誰だよお前!?」

 第一声。俺はギョッとしてその少女を見つめた。
 透き通った白い肌、幼げな顔立ちの大きな蒼い瞳、砂糖菓子の様なふんわりとした金色の髪――まるで異国のアンティークドールの様な容姿をした少女は、まさか。




 何処からか少女は携帯を取り出し、自身の耳許へと宛がう。それと同時に俺の携帯が音を鳴らす。




「もしもし、私メリーさん」

 電話の向こうの声が、すぐそばでした。

8:遊撃手(ヒヨドリとして、小説かいてます):2013/08/20(火) 18:13 ID:QdU

これ、めっちゃ好きだ!

9:ルミ ◆RUMI:2013/08/20(火) 22:47 ID:ubU




>>8
ありがとうございます!
そう言って頂けて嬉しいです('◇')*

10:ルミ ◆RUMI:2013/08/20(火) 23:05 ID:tzs




 破壊された壁、目の前の小さな少女"メリーさん"。
 もしかしたら、俺は夢を見ているのかもしれない。非現実的なそれらを、脳内はふわふわと認知していなかった。


「今、あなたの後ろにいるの」

 数分前にも聞いた言葉が無惨な部屋に響く。
 その少女の大きな蒼い瞳が俺を捉えた時、ふわふわした思考は一気に現実を突き付けてきた。



 ぎゅ、と握った手が汗ばんでいたから、きっと俺は久しぶりに恐怖と対面していたのだろう。


「ね、本当に後ろに居たでしょ?すごいでしょ?ねえねえ褒めてちょうだい!」

 ――少なくとも、この子が中身まで幼いと気付くまでは。

 蒼い瞳をきらきらと輝かせ、褒めて褒めてと俺を見つめてくる"メリーさん"に、俺の恐怖は段々と薄らいできた。
 なんというか、本音を言えば可愛かったのだ。


 恐怖が無くなると、代わりにフツフツと怒りが込み上げてくる。


「お前、あの壁どうしてくれるんだよおおおおお!」

11:ルミ ◆RUMI:2013/08/20(火) 23:32 ID:ubU





 言ってやった。全力で叫んでやった。
 久しぶりに大声を出したせいかゼエゼエと息を切らしたが、酸素を求めつつ、びしりと壁を指差す。
 都市伝説?後ろにいる?関係無い。

 そんな俺の気迫にメリーさんはびくりと肩を鳴らす。まるで怒られた子供だ。あ、子供か。


「知らない!そんなの知らない!私悪くないもん!」

「アホか!さっき自信満々に褒めろ褒めろ言ってただろ!」

「言ってない!」

 ぶんぶんと首を横に振るメリーさんに近付くと、メリーさんの瞳に涙が滲む。
 いつか子供を持った時はこうやって叱るのだろうか。こんな壁を破壊する様な我が子は嫌だなあ。



「とにかく!私はメリーさん!あなたを殺しにきたの!」


 ぶん、と腕を振り肩から俺の手を振り払ったメリーさんは、涙の溜まった瞳で俺をキッと睨み、高らかにそう言った。

 その瞬間、体中に電撃を受けた様な痛みが走る。悲鳴を挙げる余裕も無い。痛い、痛くて動けない。微かな視界には幼い顔にふふ、と笑みを浮かべるメリーさん。




(あ、やべ。コーラ溢れる)

 こんな時に手に持つコーラの心配をする俺は馬鹿なのだろうか。
 力の入らない手先が、諦めた様にコーラの赤い缶を手放したその時――


「それなあに?」


 ――痛みが、止まった。

12:ルミ ◆RUMI:2013/08/22(木) 00:52 ID:ubU





 ぴたりと時が止まった様に硬直する俺。何がどうなったのかよく分からない。勝手に殺されかけて、勝手に九死に一生を得たのだ。

 全ての元凶であるクソ……否、メリーさんの方を向けば、先程の様なきらきらの蒼い瞳でコーラの中を覗いていた。


「人間!これはなあに?ぱちぱちしてるの!」

 小さな両手で缶を持ち、此方を見つめる。いきなり都市伝説っぽくなったかと思えば幼くなって。何なんだ一体。大体人間って呼び方なんだよ。


「あー……それはコーラっていう飲み物」

「飲めるの?」

「そう思うなら飲んでみろよ」


 そう返答すれば、メリーさんは俺とコーラを交互に見比べて、とうとう決心した様に口を付けた。
 こくこく、小さく喉の鳴る音がする。


「なあにこれ?ぱちぱちするわ!」

 ぷは、と口を離して目を丸くするメリーさん。満足気な表情から、どうやらお気に召された様だ。
 けぷ、と優雅に月賦をするそんなメリーさんの頭に、俺は思いっきり拳骨を喰らわせる。ごちん、と音がした。うわ、こいつ意外に石頭だな。


「痛い!なにするのよ!」

「お前、自分が何したか分かってるよな?」

「なあに、壁のこと?良いじゃないちょっとワルっぽくて」

「いやワルじゃなくて無惨だから!傷物以上の殺風景だから!」


 悪びれる様子の無いメリーさんにいちいち腹が立つ。
 とりあえず俺としては、呪いでも何でも良いからとにかく壁を直してもらわないと気がすまないのだ。



「……壁直すまでコーラ買ってこないから」

「……!」


 ぼそりと呟いた一言に、メリーさんの瞳が大きく揺らぐ。所謂効果てきめんってヤツだ。


「……か、壁直したら直ぐにお前を殺してやるわ!あとコーラ買ってもらうんだから!」



 こうして、俺と恐怖の都市伝説、メリーさんとの仁義なき闘いが始まったのだ。

13:あー太郎。:2013/08/22(木) 20:39 ID:0dY

めっちゃ面白い:.゜ヽ(*´∀`)ノ゜.:。 ゜

頑張ってくださいっ!

14:ルミ ◆RUMI:2013/08/22(木) 23:01 ID:KAg





>>13
ありがとうございます!
頑張ります(*.゚ω゚)!

15:ルミ ◆RUMI:2013/08/23(金) 00:52 ID:KAg





「おはよう人間。お腹が空いたわ!」

「…………」

 翌朝。爽やかな小鳥の囀り――ではなく、呪いの少女、メリーさんの声で目を覚ます。非常に鬱陶しい。

「お前、なんで平然といるんだよ」

「当たり前じゃない!いつでもお前を殺せる様、しばらく此処に住み着いてあげるわ!」

 ふふん、と鼻を鳴らすメリーさん。何故彼女はここまで態度が傲慢なのだろうか。


 対応に面倒臭くなったので、朝ごはんを催促するメリーさんを無視して顔を洗いに行く。
 ぴしゃりと冷水を顔に被ると段々と脳が覚醒してくるこの感覚が、俺は嫌いではなかった。



「人間!お腹が空いたわ!餓死しそう!」

「死ぬとか関係無いだろ」

「うっ……!」


 言い返す言葉が見つからなかったのか、悔しそうに下唇を噛むメリーさん。


下を向いてお腹を押さえるとぐきゅるるる、と大きな音が鳴ったメリーさんが少し可哀想になったので、


「俺は、人間じゃなくて"恵"って名前だから」


 それだけぽつりと言って、メリーさんの分のトーストを焼いてやった。







「ふぅ、まあまあの味だったわね!」

「へいへいそーですか。じゃ、俺大学行ってくるから」

 口の端にトーストのかすを付けたメリーさんの言葉を適当に受け流し、よれよれのスニーカーを履いた。
 嗚呼今日もまた、代わり映えの無い一日が始まるんだな、そう思い玄関のドアを開けた時、後ろから声がした。


「いってらっしゃい、メグ!」


 ……俺の名前は"メグム"だ!
そんな女みたいな呼び方すんな!

 そういう小言がぽこぽこと浮かんだが、久々に誰かに送り出された気分は悪いものでも無かった。

16:ルミ ◆RUMI:2013/08/23(金) 23:40 ID:BgU





「そんでさ、最近変な事とか起こったりするワケ?」

「変な事?」



 大学の講堂で数日前に事の発端を起こした馬鹿が俺に近付いてそう訊ねた。


「メリーさんの電話だしさ、やっぱ定番の『今あなたの後ろにいるの』とか掛かってきちゃったりするの?」

「は、はは……まさか」


 まさか、そのメリーさんに壁を破壊され、勝手に居候されているとは彼も想像しないだろう。
 軽く苦笑して流すと、彼は「なんだよ、つまんねーの」と口を尖らせた。



「はいはいつまんねぇよ。ほら、講義始まるから。お前この授業受けないだろ」

「うわ、もうそんな時間かよ!」


 慌ててパタパタと講堂を出る彼を横目で見送ると、思わず溜め息が出た。

 言える訳がない。いくらメリーさんと言えど、幼女と同居する俺は端から見れば唯のロリコンじゃないか!



 その日の授業は、全くと言って良いほど頭に入らなかった。

17:ルミ ◆RUMI:2013/08/26(月) 23:04 ID:NkE




「ただいまー」


「おかえりなさい!」



 返事の帰って来る帰宅に少し心を浮かせつつ、疲れた体を引き摺って部屋へ入った。さて、あの呪いの少女は何をしているだろうか。




「……おい」

「なあに?」

「壁」


 昨晩壊された壁は、変わらぬ形でそこにあった。
 目の前の光景に落胆した低い声の俺にぴくりと肩が揺れるメリーさんだったが、直ぐに声を高くして反論してきた。


「ちょっとだけ直したわよ!」


 そう言って下の方の壁を指すメリーさん。これくらい、と親指と人差し指の間が示すその間隔が小さいのは、決してメリーさんの丸い手が小さいからだけではないだろう。


「じゅ、重労働なのよ!大体か弱い少女に壁直させるって、男として情けないわ!殺してやる!」

「殺してやる!とか言っちゃう奴のどこがか弱いんだよ!」

18:ルミ ◆RUMI:2013/08/26(月) 23:25 ID:QvQ




 壁を完全修復するまで何年掛かるのだろうか。それまでこの呪いクソ幼女と同居だなんて、気が遠くなる。
 とりあえずカップ麺を食べる為にやかんの湯を沸かす。白い蒸気は溜め息と共に消えていった。






「いいにおい!私にもちょうだい!」

 そして三分後。ずるるる、と麺を啜る俺にすかさずメリーさんはたかりに来た。

「これは、俺の晩ごはんなの」

「やあよ、一口だけ!」


 あ、と口を開けて待機するメリーさんを放置して尚もカップ麺を啜る。



「あ!あー!あーっ!」

「だあああ、わかったよ!」



 何度も此方を向いて口を開けるメリーさんにとうとう俺は根負けして、その大きく開けられた小さな口に一本麺を入れる。あれ、昨日から俺根負けし過ぎじゃないだろうか。


 むぐむぐと口を動かし、ごくんと飲み込んだメリーさんは、にぱっと満面の笑みで言った。


「明日から、私もバンゴハン、を食べるわ!」


 お湯を淹れて三分で、美味しいラーメンとやたらたかる呪い幼女が出来上がる日本の技術は凄いと思った。

「図々しいわこのクソ呪い幼女!」








「ああもう!」

 そんな事を言いつつ、翌日大学の帰りにピンクのお椀とお箸を買ってしまった俺は、きっとどうかしている。

19:梨花 ◆sEZk:2013/08/27(火) 07:46 ID:LXA

小説とってもおもしろいです!
メリーさん可愛い!(>∀<。)
喧嘩?してるところとかウケるww
これからも影ながら応援するので頑張ってください!

20:ルミ ◆RUMI:2013/08/27(火) 21:33 ID:j66





>>19

ありがとうございます!
都市伝説のメリーさんを少しでも怖くなくしようと奮闘していたので、可愛く思って頂けて嬉しいです(*´ω`*)

頑張ります!

21:ルミ ◆RUMI:2013/08/27(火) 22:00 ID:HBQ





 メリーさん襲来から数日経ったある晩。




「はい、メリーさんの分」

「あ!ねえメグ、テレビの前まで運んでちょうだい!」


 テレビの前を陣取ったメリーさんが、急ぎ口調で俺を振り返る。
 めんどくせえなあ、なんて思いながらもメリーさんが珍しく必死なので、ついつい俺は言われるがままテレビの前までピンクのお椀を持っていく。

 榛原恵、こうして今日もメリーさんの教育に失敗するのである。



「ふぁひふぁほ!」

「食いながら喋るな!……ったく」


 そういえば、わざわざ急いでテレビの前にまで座って、何か見たいものでもあるのだろうか。
 そう思っていると、テレビから流れ始めたおどろおどろしいBGMと共に番組が始まった。




「きゃー!始まったわ!あ、メグ、ちょっと椅子になりなさいよ!」


 "恐怖!本当にあった体験談"なんてタイトルコールと共に興奮しだすメリーさんが、胡座をかく俺の膝へと登ってきた。

 そういえば夏だもんな。俺はメリーさんが軽い事に少し驚きつつ、はあ、と溜め息を吐いた。

22:遊撃手:2013/08/27(火) 23:24 ID:QdU

やっぱ面白いわコレ・・・・・www

23:梨花 ◆sEZk:2013/08/27(火) 23:26 ID:LXA

>>遊撃手さん
同感です!
最初はホラーなのかな?と思ってあんまり好きじゃなかったんですけど、面白くてはまってしまいまして・・・w

24:ルミ ◆RUMI:2013/08/28(水) 21:45 ID:BI.





>>22-23
ありがとうございます!
面白いと言って頂けて嬉しいです(^o^)笑

25:ルミ ◆RUMI:2013/08/28(水) 23:15 ID:Pg.





「やだぁ、あの人形髪傷みすぎ!あんなの伸ばされても困るわよね!」

「……」

「あー、あれなんなの!?写り込むならもっと笑いなさいって感じ!」

「…………」

「あ、あの手首可愛い!」

「うっるせええええなあお前!妙な評論すんなよ!」


 髪の伸びる人形に心霊写真、絡み付く手首など、在り来たりな内容なのだが、メリーさんはいちいち妙なポイントを指摘してくる。
 手首可愛いってなんだよ。なんでもかんでも可愛いって言えば良いってもんじゃないぞ。


「ていうかメリーさん、これ怖がらせる番組なんだけど」

「あら、本来なら私だってこの番組に出ていい側よ?怖いわけないじゃない!」

 けろりとした表情で再び出演している幽霊達にケチを付ける作業に戻るメリーさん。まあ考えてみれば、自分と同じ様な奴が怖いわけが無いか。


「あなたこそ、怖がらないわけ?」


 怖かったです、なんてタレント達が感想を言う画面に変わると、不意にメリーさんが此方を向いた。





「別に……こんなのもう信じてないし」


 俺の返答を聞くと何故か面白そうにクスクスと笑いだしたメリーさんから、面白くなくなった俺は目を剃らした。



「演技下手ねぇ〜、あの幽霊。もっと胸張りなさいって感じ!」

「……つまんね」


 妙な評価をするメリーさんと、白けた目で画面を見つめる俺。
 きっと今、俺達は世界一宜しくないホラー鑑賞をしているのだろう。

26:雅 ◆9TOc:2013/08/29(木) 07:37 ID:jQE


おもしろいですねっ!

メリーさん可愛いです♪
家に来てほしいでs((

27:りな ◆yXpc:2013/08/29(木) 17:07 ID:HWc

やっぱり面白い!
こんなの書けるルミさんすごいです!
>>26
私も同感です!
壁は壊されたくないですけど……

28:ルミ ◆RUMI:2013/08/29(木) 22:33 ID:HBQ





>>26-27

ありがとうございます!
一家に一台メリーさんですね!(意味不明)

私も壁を壊されては困ります^^;笑

29:ルミ ◆RUMI:2013/08/30(金) 00:20 ID:ikA





『恵君って、ちょっと気味悪いよね』


 小さい頃、俺には"見えないもの"が見えた。
 たまに行った祖母の家では女の子の幽霊、幼稚園では小人のおっさん、とか。

 怖いとは思わなかった。だって皆友達だったから。


――あの時までは。




「恵ー、お前ユーレイ見えるんだろ?」

「え、うん……」

「マジかよー!気持ち悪すぎだろ!お前呪われてんじゃねーの?」


 小学校に上がって間もない頃だっただろうか。所謂"ガキ大将"に俺は目を付けられていた。


「呪いなんてしないよ。俺の周りのユーレイ、いいやつばっかなんだよ」

「っはは、いいやつだって!そんなん信じてるって事がそもそも呪われてんだよ!」

「……何も知らないくせに」

「……は?」


 やばい、そう思った時には俺はもうガキ大将達に囲まれてボコボコにされていた。
 俺の"友達"を悪く言う奴が、どうしても許せなかった。

 勢いに任せ、口走ってしまった言葉を後悔したのは、顔中に大きな殴られた踪を付けて家へと体を引き摺っていった後だった。

30:ルミ ◆RUMI:2013/08/30(金) 00:31 ID:VRE




 痛い、辛い、苦しい。俺は悔しくて悔しくて悔しくて、部屋で泣いた。
 泣いて、友達の現れる夜を待った。

 話を聞いてもらうんだ。そうすればきっと、少しはこの気持ちも収まるだろう。そう思い、小さな部屋の真ん中で体育座りをして待っていた。



 しかし、来なかった。待って待って待って待って――――なのに、気配すら現さなかった。



『俺が今まで信じて、見てきたものは何だったの……?』






 もうこんな悲しい思いをするのなら、俺は何も信じない。








「――――!」

 気付けば時計の針は二時を過ぎていた。心霊番組はとうに終わっており、つけっぱなしのテレビは甲高い声とカラフルな髪の少女達が織り成す深夜アニメが流れていた。

 ふと重みを感じて足元を見れば、メリーさんも既に寝息を立てて寝ていた。寝顔だけはまさしく天使である。寝顔だけは。


「……座ったまま寝てたとか、俺なんなの」

 昔の夢を頭から消し去る様に、一人で苦笑してみせた。

 

31:ニーちゃん ◆WWlM:2013/08/30(金) 15:29 ID:qYg

とっても、おもしろいです。あのメリーさんとくらすなんて、よくかんがえたなぁとおもいます。これからもがんばってください。

32:ルミ ◆RUMI:2013/08/30(金) 21:37 ID:HBQ





>>31

ありがとうございます!
メリーさんを可愛くするにはどうすれば良いのかと考えた末です 笑笑

33:ニーちゃん ◆WWlM:2013/08/30(金) 21:51 ID:qYg

そうなんですか!?続き気になります。メリーさんどうなるのかな?

34:梨花 ◆sEZk:2013/08/30(金) 22:16 ID:LXA

メリーさん、可愛い!(〃⊃〃)
寝顔見てみたい!
恵もなんだかんだ言って優しいし!

35:ルミ ◆RUMI:2013/08/30(金) 23:15 ID:qWY




>>33
メリーさんは……秘密です(^o^)笑

>>34

ありがとうございます!
恵はなんだかんだヘタレな奴です 笑

36:ルミ ◆RUMI:2013/08/30(金) 23:15 ID:cYg





「メグ、顔色が悪いわ。まるで死人の様よ!」


「いや、お前に言われたくねーよ!」



 あの後もう一度寝る気にもなれず、携帯を弄ったりして時間をもて余していると朝になっていた。

 隣でメリーさんがトーストをかじる音を聞きながら、あくびを噛み殺す。



「じゃ、俺大学行くから。壁直しとけよ」


「あっ……メグ」


 玄関でスニーカーの紐を結びながら振り返ると、メリーさんは何か言いたげな、でも言葉に戸惑っている様な顔をしていた。



「なんだよ」


「メグ、お前……つかれてない?」




 疲れる?嗚呼、主にお前のせいでな。とでも言ってやろうかと思ったが、メリーさんの大きな瞳があまりにも不安そうに揺れていたから、やめた。


「ん、大丈夫だよ」



 くしゃりと頭を撫でてやると、くすぐったそうにメリーさんは目を閉じた。



「本当に大丈夫かしら?くれぐれも呪われたりしないでちょうだいね!」


「いやだから、お前に言われたくねーよ!」

37:ルミ ◆RUMI:2013/08/31(土) 23:08 ID:R3c





「なんだろう、いつにも増して肩が重い……」


 一晩中メリーさんを膝に乗せたのが原因か、はたまた夢の所為か。
 大学のテラスで、特にする事も無く俺はコーヒーを啜っていた。


「……榛原、君?」


 不意に後ろから自分の名前を呼ぶ声が聞こえ、思わず振り返った。
 なんとなく聞き覚えが有るような。嗚呼そうだ、この声は――


「誰?」

「酷いです榛原君!鈴です、宮路鈴!」


 なんで覚えてないんですかー!と不服気な声を挙げる彼女は、今時の大学生にしては珍しい何も染めていない真っ黒な髪を下で二つに束ねている。

 まるで淹れたてのコーヒーだ、なんて比喩表現を見つけたのは、今手に持っているコーヒーがインスタントの物だからだろう。


 ただ、


「いやだから、宮路鈴って誰」


 誰だかさっぱり、記憶に無い。

38:りな ◆IoXo:2013/09/01(日) 17:04 ID:KSo

メグ君ダメじゃんw
↑でも、それがいい!!

39:ルミ ◆RUMI:2013/09/02(月) 21:15 ID:ikA




>>38

恵はダメダメですよ(^o^)笑

40:ルミ ◆RUMI:2013/09/02(月) 22:15 ID:cYg




「それで、宮路鈴さん」

「昔みたいに鈴って呼んで下さいよ!」

「……じゃあ鈴、俺に何か用?」



 授業が終わって家に向かう俺の後を着いてくる鈴に痺れを切らして振り返ると、待っていましたとばかり彼女がパッと顔を上げた。

そんなに俺に話し掛けて欲しかったのかな、つくづく変な奴だ。
 女の子に馴れていない俺の心臓は変に高鳴ったが、彼女はそれと正反対に少し顔をくぐもらせた。



「あの、榛原君……つかれてません?」


『メグ、お前……つかれてない?』


 朝にも問われた質問が頭に過った。そんなに俺疲れて見えるのかな。そう思うと少し肩が重くなる。鉛を置かれた様だ。


「俺、そんな疲れてみえる?」

 苦笑混じりにそう訪ねたところで、家であるボロアパートの前に着いた。

 鈴も、苦笑混じりに頷いていた。

41:匿名さん:2013/09/03(火) 22:56 ID:j66





「っていう事があったんだけどさ。っておい聞けよメリーさん」

 晩飯を食べている時、ふと今日の出来事をメリーさんに話してみた。まあ、ずるずると一生懸命ラーメンを啜る姿からきっと聞いちゃいないのだろうけど。


「聞いてたわよ!ちくわが大好きなんでしょう?」

「一言も言ってねえよそんなん!」


 どうしたらちくわに結び付いたのか、なんてツッコミはあえて入れず、もう一度俺はメリーさんに今日の出来事を話した。


「ふーん……宮路鈴っていう女も言ったの」

「おう。つかれてるんじゃないかって」

 そんなに疲れてる様に見えるか?そう首を傾げると、メリーさんは俺を馬鹿にした様な目で見てきた。祓ってやろうかこいつ。


「メグ、お前……つかれる、の意味分かってないんじゃない?」

42:ルミ ◆RUMI:2013/09/03(火) 22:57 ID:BgU





名前入れるの忘れてた、
>>41はルミです。

43:桜みく:2013/09/04(水) 08:52 ID:Ztw

 面白い!
 なるほど、「つかれる」とはそういうことか!

44:ルミ ◆RUMI:2013/09/04(水) 22:55 ID:BlI





>>43

ありがとうございます!
あら、気付かれてしまいましたか( ̄∇ ̄)笑

45:ルミ ◆RUMI:2013/09/04(水) 23:11 ID:tzs






"つかれる [疲れる][自]
1.体力や気力を消耗して元気を失う。ぐったりする。くたびれる。疲労する。
2.長く使ったために質や機能がおとろえる。"


 大学の図書館からわざわざ大きな辞書を取り出して、俺は"疲れる"という単語を引いた。
 勿論出てきた意味は俺が予想していたものと同じで。


(あのバカ呪い野郎め、人の事散々バカにしやがって!)

 帰ったら辞書の意味を突き付けて黙らせてやろう。俺はそんな気持ちでひたすらノートの端に意味を写していた。


「はーいばーら君っ!何してるんですか?」

「うわ、何処から出てきたんだよお前」

「ずっとつけてました!」

「恐ろしいわ!」


 後ろからひょこりと顔を出し、半ばストーカー宣言をにこやかにしたのは昨日のデジャヴ、鈴だった。なんなんだよコイツ。


「疲れる……?」

「そ。なんか昨日色んな奴に疲れてる様に見えるって言われて、改めて調べてみようと思って」


 ふうん、と鈴はノートを見つめた。先程写した俺の汚ない字を読んでいるのか、彼女の大きな瞳がクリクリと動く。

 そして、顔を上げると鈴は眉を潜めた。そんなに読みにくかったかよ。


「榛原君、昨日私が言った"つかれる"の意味、分かってないですよね?」


――またデジャヴかよ!

46:杏リゼ:2013/09/05(木) 08:24 ID:P7Q

おもしろいです!
頑張ってください。

あと、トリップどうやったらそうなったんですか!?
感動的ですね笑

47:ルミ ◆RUMI:2013/09/05(木) 20:47 ID:ubU




>>46

ありがとうございます!


元々別のハンネだったんですけど、酉テストして遊んでたら偶然これが出たので使ってみようかと思いまして(^o^)笑

感動的です 笑

48:ルミ ◆RUMI:2013/09/06(金) 22:17 ID:R3c





「ああもうお前ら何なんだよ!分かってるよ疲れるくらい!調べたよ辞書でもWikipediaでも!」


 そしてつい、そう叫んでしまった。分かるだろうか、この板挟みの様な心情を。

 当たり前だが、鈴は目の前で唖然としている。しかし、大きく息を吸うと彼女はゆっくりと口を開いた。


「お、まえら……?私以外にも誰かから言われたんですか?」

「あ、いや、その……」

「誰ですか!?」

「何なんだよお前は!しつこいわ!彼女か!」


 そう言ってやると、鈴はポッと頬を赤く染めて「か、彼女だなんてそんな……」ともじもじし始めた。
 女の子って、なんでこういう所だけウブなのかな、疑問だ。





「とにかく、謎を探るべく今日は榛原君の家まで行って良いですか?」


「何がとにかくだよ!嫌だよ!」

49:梨花 ◆sEZk:2013/09/07(土) 08:05 ID:LXA

鈴・・・
あたしからだとちょっと苦手キャラかも・・・(汗)

50:ルミ ◆RUMI:2013/09/07(土) 21:40 ID:cYg




>>49

鈴、ちょっとしつこいですよね笑
書いててしみじみ思います(^o^)w

51:梨花 ◆sEZk:2013/09/07(土) 23:17 ID:LXA

あ、やっぱり?w

52:りな:2013/09/08(日) 22:22 ID:MOA

鈴ちゃん恵君の事好きなの?
しつこい女は嫌われますよ!ですね^^

53:ルミ ◆RUMI:2013/09/09(月) 20:39 ID:j66





>>51

はいww
鈴はとことんしつこくします\(^o^)/


>>52

それは……(;・×・)笑
ですね!w

54:ルミ ◆RUMI:2013/09/09(月) 20:50 ID:Whc





「おじゃましまーす!」

「おじゃますんな!律儀に靴揃えんなっ!」

「人様の家で靴を揃えるのは礼儀ですよ?」

「そういう事じゃねえよ!

……はあ、うろうろすんなよ?」




 俺のディフェンスも虚しく、結局鈴を家へと上がり込ませてしまった。

実を言うと女の子を家に入れた事なんて初めてに等しいので、少し気が緩んでいたのかもしれない。
 メリーさん?奴は例外だ。


 そう、その例外のメリーさんが問題なのだ。


 奴がこのまま見つかれば、きっと俺は鈴にあらぬ疑惑を寄せられるだろう。
 ロリコン?幼女趣味?今の俺の状態は、端から見れば犯罪臭すぎる。


(大人しくしてろよ……。隅で新聞とか見とけよメリーさん!)





「あらメグ、おかえりなさい!今ちょうどおかあさんと一緒がやってて……」


 俺のそんな願いも虚しく、メリーさんはぴょんぴょん跳ねながら俺達の前へ現れた。メリーさんのバカヤロー!

55:ニーちゃん ◆tX22:2013/09/09(月) 20:51 ID:qYg

鈴、しつこいね…。でも、すきなキャラかもw鈴は恵の家にいくのかなー?メリーさんのことわかっちゃうのかな?きになるー(>_<)/

56:ニーちゃん ◆aVww:2013/09/09(月) 20:53 ID:qYg

メ、メリーさん!ばれちゃう

57:ルミ ◆RUMI:2013/09/09(月) 21:31 ID:Pg.




>>55-56

おお、鈴好みですか!
やばいです!メリーさん、ついに…!です!笑

58:桜みく:2013/09/10(火) 08:51 ID:Ztw

 おかあさんといっしょw
 メリーさん、そんなの見るの?w((そこかよ!w

59:ルミ ◆RUMI:2013/09/10(火) 21:14 ID:qWY





>>58

メリーさん、中身は幼女なので子供向け番組ばっかり見てるそうですw笑

60:ニーちゃん ◆0OCE:2013/09/10(火) 21:54 ID:qYg

続きかいて!きになるよー!

61:ルミ ◆RUMI:2013/09/10(火) 23:08 ID:UNc





>>60

ありがとうございます!
それでは更新しますね^^!

62:ルミ ◆RUMI:2013/09/10(火) 23:10 ID:ikA





「や、あの、これは違くて……」

 全身に汗が滲むのが痛いほど分かる。
 メリーさんの登場に戸惑いを隠せない俺は、ぎぎぎ、とぎこちない動きで鈴の表情を伺う。


「だ、誰……?」


 案の定ぽかんと口を開け、震える指でメリーさんを指差す鈴。きっとこれが当たり前の反応だろう。


「メグの隣にいるお前はだあれ?新しい標的?それともライバル?」

「ひ、標的!?ライバル!?」


 メリーさんが鈴をじろりと見上げそう言うと、彼女はその一言一言にびくりと肩を鳴らす。


 そんな状況の中、俺はどう言い訳しようか必死だった。
 妹?姪っ子?
それでは、未だに少ししか修復されていない無惨な壁についてはなんと弁解しようか。


――壁!


「っていうか、あの壁どうしたんですか!?」

 物事とは、どうやっても面倒な方向に転がって行くのである。奥の壁に気付いた鈴は、声を張り上げた。

「私が破壊してやったわ!」

 そして堂々と答えるメリーさん。それ、胸張って言える事じゃないぞ。


「あ、貴方が……?」

「そうよ!だって私はメリーさんだもの!」


 またも堂々と胸を張るメリーさんの言葉に、鈴は目を見開いた。そして、少しの沈黙の果て、彼女はゆっくりとメリーさんを見据え、こう言った。



「貴方が……榛原君に"憑いてた"輩ですね」

63:ニーちゃん ◆To6Q:2013/09/13(金) 20:35 ID:qYg

つ、ついにばれた!って、ばらしたのほうがいいかww
メリーさん、あなた怪談にものっている人だってことわすれちゃだめだよ…。
でも、鈴はにげないのはすごいかも。
恵はこのあと、どうすんだろ?気になる。

64:ルミ ◆RUMI:2013/09/13(金) 23:14 ID:ubU





>>63

堂々と宣言してしまいましたからね、メリーさんw

鈴はとある事情あってやたら肝の座った子です(*^O^*)笑

恵は…秘密です(・×・)!←

---

womanで泣いたり文化祭の用意が忙しかったりと、暫く更新出来ずごめんなさい(;>ω<)

65:ルミ ◆RUMI:2013/09/13(金) 23:40 ID:tzs





「は?」


 鈴の言葉に、最初に首を傾げたのはメリーさんだった。続いて俺も傾げたが、鈴はメリーさんだけを見つめて言葉を続けた。




「きっと、貴方は榛原君を標的とした妖。榛原の命を狙っているから、彼は"つかれている"のでしょう?」



 この時、俺は全てを理解した。メリーさんと鈴が言っていた"つかれる"は心身が"疲れる"のではなく、"憑かれる"だったのだ。

 わざわざ辞書まで引いた自分を殴りたくなった。が、流石にこれだけで馬鹿にしてくる彼女達もどうなのだろうか。



「ちょっと待ちなさい!意味不明だわ!」

 軽く自己嫌悪に陥った俺の前で、メリーさんがぷんすかと怒りながら鈴に反論の口を開いた。幼女の癖に淑女めいたその口調が、四畳半の俺の部屋に響く。



「私は確かにコーラとメグの命を狙っているわ。だけど、私はそんな悪霊みたいな姑息な真似しないわよ!」

 なんだか俺の命よりコーラの方が重要の様に聞こえるが、とにかくメリーさんは必死に否定していた。

「大体、お前何者なのよ!名乗らずして人の事を悪の権化みたいに言うんじゃないわよ!」


 いや悪の権化だろ、とりあえず心の中でそうツッコミを入れておく。
 びしりとメリーさんが鈴を指差すが、その小さな威圧にも動じず鈴は冷静に言った。


「宮路鈴。宮路神社の巫女です」

66:ニーちゃん ◆Jr8Q:2013/09/14(土) 14:50 ID:qYg

な、なんと!鈴が、巫女さんだったとは!?
だから、おどろかなかったんだ〜。納得♪
平気だよ!楽しみにまっているね♪

67:ルミ ◆RUMI:2013/09/16(月) 23:47 ID:Whc





>>66
巫女さんだったんですよ〜(^^)♪
ありがとうございます!
なるべく更新出来る様に頑張りますね!!

68:ルミ ◆RUMI:2013/09/17(火) 00:01 ID:OMY





「え、お前巫女だったの」

「そうですよ。榛原君、やっぱり覚えてくれてないんですか……」

 俺が目を丸くすると、少しだけ寂しそうに鈴は眉を下げて笑った。
 しかし、すぐにキリリとした表情に変わると再びメリーさんに向き直る。


「メリーさん……でしたっけ。貴方がどうしても榛原君に憑いていないと言うのなら、明日私の神社に来てください」

 はっきり解明しましょう、そう鈴は言葉を付け足し、簡易な場所だけ伝えると「お邪魔します」と去っていった。

 ぱたりと玄関の扉が閉まると同時に急に静かになる部屋。下の方を見ると、小さな物体がプルプル震えていた。


「むーー!むかつく!」

 メリーさんだった。


「なあに!?確かに私はメリーさんよ?妖よ?だけど祓うべきって私の人権は無視なの!?ここは日本よ!?」

 一気に不満を言い切ると、メリーさんはゼエゼエと息を切らした。果たして、妖のメリーさんにも人権はあるのだろうか。


「ま、まあ、そんな怒らなくても……」

「メグ!」

 俺が宥めようとメリーさんの頭に手を伸ばした瞬間、不意にメリーさんが頭を上げた。なんてタイミングだ、俺の右手は行き場を無くし大人しく引っ込む。

 そしてメリーさんは、真っ直ぐ俺を見つめて言った。

「行きましょう、明日神社に!」

69:ニーちゃん ◆w4Ds:2013/09/17(火) 00:05 ID:qYg

頑張ってください!!
えっ!?神社いくの!?なにされるのかわかんないのに…。恵はどうはんのうを?そして、メリーさんどうなっちゃうのー!?

70:りな ◆IoXo:2013/09/17(火) 07:18 ID:sSY

神社行くんだ!

71:ルミ ◆RUMI:2013/09/17(火) 20:40 ID:y6.




>>69-70

ついに神社に行ってしまいます!
恵の心も、徐々に変わって来る…かもです笑

72:ルミ ◆RUMI:2013/09/17(火) 20:49 ID:KAg





 深夜。闘志に燃えていたメリーさんがやっと寝静まり、俺の部屋には夜の静けさが訪れていた。

 ふと壁を見てみる。相変わらず修理は進んでおらず、どうして隣人に騒がれないのか不思議なレベルだ。


「これが、始まりだったんだよな」

 そっと壁に触れてみると、白い粉が指先に付いた。


 この壁が破壊され、メリーさんによる俺の平穏な日常がメチャクチャにされた。しかし、不思議とそこまで悪い気分でも無い。

 むしろ、昔の――"見えていた自分"に戻れた様で、少し懐かしかったのだ。


(それに、メリーさんに憑かれてる様には思えないんだよな、なんとなく)

 なんとなくだけど。
そんなことを思いながら、俺は布団に潜った。

73:ルミ ◆RUMI:2013/09/17(火) 21:08 ID:BlI





 快晴。翌日の空模様は、雲ひとつ無かった。


「絶好の決闘日和ね!」

「いや決闘って、話飛躍しすぎだろ」


 るんたるんたと前を歩くメリーさんは、気合い充分だ。

 俺とメリーさんは今、鈴の神社へと向かっている。少し町から外れると雑木林が広がっており、虫がブンブンと飛んでいた。
 こんなところで女の子が巫女を出来るのか、そう考えていたら、赤い鳥居が見えてきた。


「ここ……だな、多分」

「まあ!メグの家の様に粗末な場所ね!」

「うるせえよ!」

 ごちん、とメリーさんの頭に拳骨を食らわせつつ、俺は鳥居をくぐった。

 すると、中から人の陰が近付いてくる。

「お待ちしておりました」

 ぺこりとお辞儀をして現れたのは、鈴だった。鈴は大学で会うようなラフな格好ではなく、正式な巫女装束を着ていた。にこりと笑う彼女の黒髪が白い装束に栄え、似合っていると思う。


「出たわね性悪女!ハッキリさせようじゃない!」

 びしりと鈴を指差して、すかさずメリーさんが突っ掛かった。子供か。



「そうですね、それでは始めましょうか」

 鈴の顔がキリリと引き締まる。それが、この二人の決闘の合図なのだろう。

74:ルミ ◆RUMI:2013/09/21(土) 23:39 ID:VRE





「ていうか、どうやって私が憑いてるって確めるのよ」

 ぷす、とむくれた顔でメリーさんが尋ねる。まあ、ごもっともではある。


「それはね、神様に助けてもらうんです」


 その問いに答えると、鈴はぱちんと指を鳴らした。一瞬だけ止まる空気。何が起こるのだろうか、俺は目を凝らした。


 すると、現れたのは――


「鈴ちゃん、呼んだ〜?」


 ――Tシャツ姿の男だった。俺よりも背の高いその男は、キリリと整った顔に銀色の髪を後ろで一つに束ね、真っ黒な羽根を羽ばたかせており、まさに神様と言った風貌なのだが。

 Tシャツなのだ。アニメや想像の世界の様な格好良い装束ではなく、白いシャツに「神」と漢字一文字が印刷されたTシャツ。


「……ネタかよ」


 俺が思わずこう呟く程度に、鈴が呼び寄せた神様は安っぽいと想像してもらった方が良いだろう。

75:ニーちゃん ◆Jr8Q:2013/09/22(日) 19:43 ID:qYg

まさかの神Tですか!(笑)
続きはどうなるんだろう。
メリーさんきえちゃうの?

76:ちあ@ ◆NLsI:2013/09/27(金) 19:09 ID:WRs





スレ主のルミ代理です。
ルミがアク禁に巻き込まれたそうなのでしばらく更新できない模様です。
規制が解け次第、更新するようなのでそれまでお待ちください。


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