えと、初めて書きますww
駄文&意味ふになりそうです..ww
とりあえず
荒らしはなしで
駄文おkな方
それ以外は回れ右っ!!
ではではいきましょうか!!
序章
赤い、赤い血が少女の視界を覆う。
嗚呼、この光景はいったい何なのだろうか。
少女は血の海の中で、ただただ立ち尽くしていた。
何をするでもなく、立っていた。
彼女は小さなこぶしを握りしめ、震えていた。
そして少女の瞳には、復讐の炎が激しく宿っていたのだった..。
しとしとと、今日は珍しく、雨が降っている。
今日は、まだ秋口だというのにやけに冷える。思わず、厚手のドレスを着こんでしまうほどだった。
白百合は、豪奢な装飾のなされた椅子に座って、窓から外を眺めていた。外と室内との温度差のせいで、窓は湿っている。
そんな湿った窓に指を這わせると、指はすぐに濡れてしまった。
ふう、とため息を漏らす。
彼女は視線を少し落として、膝の上に置いた自分の両の拳を見つめた。拳は、真っ白で血の気すらない。
「お嬢様」
若い男の声が聞こえ、声のしたほうへ振り向くと、そこには真っ黒なスーツを着込んだ青年が立っていた。
なかなか精悍な顔つきで、銀縁のメガネが硬派な印象を持たせる。
「...高橋」
白百合は少し湿った唇をゆっくりと開き、彼の名を呼んだ。
「そろそろ、まいりましょう」
高橋はつらそうに顔をゆがめながら、白百合を促した。
白百合は、そんな高橋を見て、微笑んだ。
「平気よ。もう、すべて受け止めたのだから」
白百合は、それはそれは美しく微笑んだ―。
今日は、名門伯爵家・桐生院家当主、桐生院誠一郎の葬儀の日だった。
彼は、帝都でも名門といわれる貴族の現当主。
加えて、かなりの切れ者ということで有名であった。
白百合は、桐生院誠一郎の一人娘であった。一人娘故に溺愛されて育てられた。
妻は白百合が赤ん坊の時に亡くなっており、独り身だった。それ故に、様々な女性に言い寄られたが、白百合のために、と結局誰とも
結婚しなかったのである。
彼の亡くなった原因は、急病であった。
ある晩にいきなり倒れ、血を吐いて、そのまま帰らぬ人となってしまったのであった。
今日の葬儀は、彼の屋敷で執り行われている。
屋敷といってもほとんど城のようなもので、洋館づくりの巨大なものだった。
その洋館の大広間で、葬儀は執り行われている。
いつもならパーティー用に、豪奢なシャンデリアや巨大なテーブルなどを置いたりしているのだが、
今日は照明も薄暗く、派手な調度品は置かれていない。
白百合は、うつむきながら高橋のあとにつき、大広間に足を踏み出した。
その瞬間、その場にいた葬儀客がざわつく。
白百合は美しい少女だった。
つややかな漆黒の髪は腰ほどまであり、ルビー色の瞳は射抜くように澄んでいる。
紅をひいたようなバラ色の唇に、ドレスを着ていてもわかるような均整のとれた華奢な躰。
真っ黒なドレスとは対照的に浮かび上がる、陶器のような真っ白な肌。
彼女は、素晴らしく美しい少女だった。
白百合は、客の見守る中父の棺の前へ行くと、美しい顔をゆがませ、泣き崩れた。
「お父様..っ、どうして..?..私を..おいていかないで..っ」
客は彼女を憐れむように見て、もらい泣きする者もいた。
白百合の宝石のような瞳からは、大粒の涙が次から次へと溢れ出している。
なおも、彼女は数分間、泣き続けた。
そして、やっと落ち着きを取り戻すと、彼女はゆっくりと顔をあげ、棺の中の冷たくなった父の顔を見つめた。
「お父様...本当に、いままでありがとう...」
震える声で、最後に父へ感謝の言葉を述べる。
そんな彼女の姿に、参列客は感銘を受けていた。
彼女は、たった一人の家族を失ったのだ。
そんな、会場が白百合を憐れむ中、そんな雰囲気を一気に壊す声が聞こえた。
「はっ、お涙頂戴ができて満足か?相変わらずだな」
「...幸太郎叔父様..」
混じりのない黒髪をきちんと七三に分け、眉根をひそめている。
きているスーツは上質なもので、腕には高価そうな時計。
いかにも成金趣味のこの男は、父である誠一郎の弟であり、白百合の叔父にあたる男だ。
誠一郎とどこか雰囲気が似ている。が、彼のほうがより傲慢で馬鹿なことを、白百合は知っていた。
「お前は桐生院家の財産がほしいんだろ?お前が兄を殺したのではないか?」
幸太郎は意地悪く微笑みながら、白百合を蔑んだように見た。
その瞬間、会場がどよめき立つ。
「それは、どういう意味でしょうか」
白百合はあくまで凛として、彼に問うた。
「わたくしが父を..最愛の父を殺したというのはどういうことでしょうか」
白百合はその美しい瞳にはっきりと怒りの色を映して、抗議した。
「はっ...なにを..」
「わたくしは、このような場で無駄な言い争いはしたくありません。..それは叔父様もでしょう?」
幸太郎は若干怖気づきながらも、白百合をにらみつけた。
「なんと..兄である誠一郎さんが亡くなったというのに、あの方はもう遺産相続の話を..」
「お嬢さんはお父上をなくされておつらいのに、どうして幸太郎さんはあのようなことをおっしゃるのかしら」
「まったく、不作法だな」
周りの参列客も白百合に同意し、次々と話し出した。幸太郎は悔しそうに顔をゆがめ、うろたえている。
「ねえ、叔父様」
すっ、と白百合は幸太郎に近づき、耳元で彼にだけ聞こえるようにささやいた。
「財産がほしいのは、叔父様のほうでしょう?傲慢ですわね..」
ふっ、と微笑み、静かに彼のそばを離れ、大広間から出る。もちろん、後から高橋もついてくる。
後に残されたのは、悔しそうに震える幸太郎と、彼を非難するように見る参列客だけであった。
ふう。
部屋に戻って、白百合は小さくため息をついた。
部屋の中央にある暖炉によって、この部屋はとても暖かい。おもわずほっとしてしまう。
ぐるりと部屋を見回す。
―本当に豪華な部屋。
中央にある大きな暖炉の前に設置された、大きなソファーと机。バルコニーのそばに配置されているキングサイズのベッド。
それらすべての調度品は、みんな白が基調とされており、細やかな装飾がなされている。
ゆったりとベッドに腰掛け、ぼう..っと前を見据える。
嗚呼、父は死んだのか。
あの父は死んだのか。
やがて、それは実感となってじわじわと感じられるようになった。
「死んだの..?お父様は..」
「ふっ...ふう...」
表情がどんどん歪んでいく。それはそれは醜く。
「...ふっ、ふふ、ふ、あはははは、あはははははははははははははははははははは!!!!!」
白百合はおかしくなったように笑い、そのままベッドに寝転んだ。
「あははははは、あいつは死んだ!!死んだ!!これで、これでこの家は僕のものだ!!」
そう叫ぶ白百合の顔には、桐生院家の令嬢、白百合の表情は残っていなかった。
「ああ、でも」
「あのじじいの弟が邪魔だなあ..。あいつ、僕の邪魔ばっかりしやがって..」
「まあいい。僕にとっては奴なんてなんの脅威にもならないんだからな」
白百合はその長い髪を梳き、微笑む。
そのとき、扉がノックされた。
「はい」
途端に笑みをひそめ、返事をする。
高橋が優雅な動作で部屋に入ってきた。
「失礼いたします。お嬢様にごあいさつしたいという方がいらしておりますが」
「..?そう、ではまいりますわ」
「どうぞ、こちらへ」
「ふふ、ありがとう」
白百合は、それはそれは優雅にほほ笑んだのであった―。
面白いね♪
12:リン:2013/10/05(土) 19:04 ID:AFE >>11
ありがとうございます
ちょっと自分でも方向性見失ってますが..
しかも、ちょいダークっていうwww
第二話 出会い
今日は本当に珍しく雨が降っている。加えて、身震いするほど寒い。
ついこの前までは夏真っ盛りで蝉がけたたましく鳴いていたというのに、それも鳴りを潜めている。
空はどんよりとした厚い雲で覆われていて、まるでなにかありそうな感じだ。
もしかしたら、特別ななにか、があるのかもしれない。ただ、この雰囲気から行くと、あまりよろしくないことだろうか。
そういえば、父が亡くなった時もこんなだったな..。
そこまで考えたところで、玲は頭を軽く左右に振った。
いけない。またいつもの癖が出てしまった。
幼いころから病弱で、内気がちだった彼は、時々物事を深く考え、悪くとらえてしまうところがあった。
それは、よく言えば、感受性が強いということなのだろうが、玲自身はこの癖をよくは思っていなかった。
物事を悪いほうに考えてしまうのは、よくないことだ。
自分は弱い人間だから、そう考えてしまうのだ、と。
「玲様!そんな恰好で外に出られていては、風邪をひきますよ!」
使用人としては華やかな衣装をまとった女中が、あわてた様子でバルコニーにいる玲に話しかけた。
彼女は玲付きの女中で、春香、という名前だ。年若く、玲とほぼ同年代だと思われる。
薄い、シルク生地の白シャツ。自分の着ているものを見て、玲はやっと自分が薄着だということに気が付いた。
こんな寒い日にはあれほど薄着はするなと言われていたが..すっかり忘れてしまっていた。
「玲様っ!」
「嗚呼、ごめん..」
「まったく、こんな日は薄着で外へ出たらダメだといったではないですか!発作が起こったらどうするのです」
「ごめんてば..」
春香は小言を言いながらも、玲に手際よく厚手のカーディガンを着せ、部屋の中へと入れた。
落ち着いた風潮の大きな部屋は自分には広すぎる、と玲は改めて思う。
そばにある、革張りのソファにゆったりと腰掛け、玲は目の前に置いてあった本を開き、ページをめくった。
「ねえ、春香。なにか面白い話をしてよ」
数分たち、読んでいた本を置いた玲は、紅茶を持ってきた春香に甘えた声でそう、ねだった。
「ったく、玲様はいつまでたってもお子様ですわね」
「まあ、君よりかは年下だからね」
「な...」
コンコン
そのとき、部屋のドアが叩かれ、次の瞬間無遠慮に扉が開かれた。
「玲、起きているか?」
高価そうなスーツに身を包んだ、長身の男が、これまた無遠慮に部屋へと入り、玲の名前を呼んだ。
「...何か用?兄さん」
「今日は暇だろう?ちょっと頼みたいことがあってな..」
「頼みたいこと?」
有能な兄・奏から頼みごととは、珍しいことだった。
―國澤奏。
それが兄の名前だ。
日本国でも一、二を争う財閥・國澤財閥の若き会長。加えて、皇家の血を受け継ぐ、名門公爵家の現当主。
有能かつ冷静沈着。容姿端麗で非の打ちどころがない。
玲はこんな、自分と違う兄に昔から劣等感を抱いていた。
玲も、容姿はいわゆる美青年、どちらかというと中性的な美しさを持っているのだが、あまり要領はよろしくない。
そして、どこか影があり、消極的なのだ。おまけに病弱で、行動範囲も限られている。
ほんの少しだけ言葉の端々に皮肉さが垣間見えるようになったのは、幼いころからの劣等感からなのかもしれない。
「はは、珍しいね。こんな朝から頼んでくるなんてさ」
「ああ。じつは今日、ある方の葬儀があるんだが..」
「..葬儀?」
この時、玲は少しだけ驚いた。
先ほど、暗い雰囲気の空を見てなにかある、と思った。それはあながち間違えではなかったのではないか..。
「誰?その人」
「桐生院誠一郎だよ。知ってるだろう?」
桐生院..。聞いたことがある。
帝都でも名家として有名な伯爵家だ。古い歴史を持つ..。
「へえ..死んだのか。結構、凄い人だって聞いてたけど」
「ああ、だが今日俺は用事があってな..。葬儀に出席できないんだ。だから、代わりに行ってはくれないか?」
「はあ!?なんで僕が..」
「頼む。面目上、参加しなければならないし、な..」
ああ、そうか。公爵家として..か。
「それに、一緒に氷室が行ってくれる」
「氷室さんが?」
氷室、とは奏の秘書兼親友の氷室輝のことだった。
「...なら行ってもいいよ」
玲は氷室と聞き、ほんの少しだけ顔をほころばせたが、一瞬にして元の表情に戻った。
「本当か?」
玲は興味を失ったように本に目をやり、こくっとうなずく。
「そうか。ありがとな。、っと、もうこんな時間か..。じゃあ、俺はもう行く。頼んだぞ」
奏はそう言って、満足そうに微笑み、部屋を後にした。
「よろしいのですか?玲様」
奏が出ていってから、今まで黙っていた春香は心配そうに口を開いた。
それほどまでに、玲が何かに参加するというのは、珍しいことだったのだ。
「なんか..行ったほうがいい気がするんだ..」
「え..?」
「...さ、準備でもしようか」
玲は自分の中のわからない感情を探し当てるように、虚空を見つめた―。