ケゲン

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1:SW ◆97fI:2013/10/11(金) 15:02 ID:Ni2

注意書
ホラー要素、グロテスクな表現が多々あります。

2:SW ◆97fI:2013/10/11(金) 15:28 ID:/yQ

ある日、私は帰宅すると学校に忘れ物をしたことに気がついた。
教室に着いて、それを鞄に入れると燦々と照らしていた太陽が雲に隠れ、またたく間に土砂降りとなってしまう。
ただの通り雨だと思い、止むまで教室で待っていようと窓を見ていると、後ろから肩を叩かれた。
「相田さん、傘を持ってないの?」
声を掛けてきたのはクラスメイトの矢内君だ。
「うん。雨が降るなんて思ってなかったからね」
「僕はいつも2本置き傘してるから、1本貸してあげるよ」
「ありがとう!たすかった〜」
「赤と白があるんだけど、どっちがいい?」
私は赤が良いと答えた。
矢内君は私に赤い傘を渡してくれた。
その時、轟音と共に稲光が落ち、教室は真っ暗になってしまった。
しばらくすると、明らかに液体とわかる生温いものが私の身体中にまとわりつくように滴り落ちる。
臭い、気持ち悪い、そんなことが頭の中でぐるぐると回っていた。
「気持ち悪いなんて心外だなぁ……」
矢内君の声が生温い感触と一緒に耳元で聞こえる。
私が恐怖に怯えていると停電が復旧し、私に起きたことがわかる。
分かりたくない。
でも、それは現実として襲ってきている。
矢内君の身体はズタズタに切り裂かれ、彼から流れる血が私に這うようにまとわりついている。
「僕は僕だよ。怖くないよ」
怖いよ。誰か助けて。とそう思っていると、発酵したシュールストレミングやスパムといった匂いでは表せないほどの異臭が私を襲った。
異臭の傍に居るものが、私の身体を這って、矢内君の血を私から引き剥がしている。
引き剥がしているのではなく、食べているのだ。
それもクチャクチャと獣のように音を立てて。

3:SW ◆97fI:2013/10/28(月) 20:14 ID:bNk

矢内君の焼けつくような悲鳴が私の耳にこびりつく。
矢内君をもやのようなものが食べている。
左足だけになった彼は教室から逃げ出した。
「私は美味しくないから食べないでぇ……!」
もやのようなものはドーベルマンのような姿になり、体全体で無理矢理クエスチョンマークを作っている。
「ワン!」
それは私に着いてこいと言っているようだった。
それに着いていくと、呪われた個室という噂のある旧校舎の女子トイレだった。
「えっ?ここって……噂のあるトイレなんじゃ?」
そのトイレの扉が勝手に開いた。
「呪われてなんか居ないわよ……。私がゲームをやるためだけに引きこもってるだけだし」
個室から出てきた女性は、同性の私でも見惚れるほど綺麗な人だった。
「綺麗な人……」
「よく言われるわね。矢内っていうのが出てから回線安定しないのよね……。あいつが出てきてから2ちゃんねるに切断厨として晒されたし」
私は彼女にいくつか質問してみた。
「お化けですか?」
彼女は微笑んで頷いた。
「地縛霊ですか?」
「違うわよ。ここが1番ネット回線が安定するから引きこもってるだけね」
「パソコンが無くてネットに繋がるんですか?」
「私の霊力というか、執念ね」
ズルズルという音が外から聞こえてきた。
私は彼女に個室に引き入れられた。
「セーフ……」
彼女は安堵の息を洩らし、私の口を両の手で塞いでいる。

4:SW ◆97fI:2013/10/28(月) 20:33 ID:Rcg

「相田さーん、どこに居るの?」
ドーベルマンのような姿のものは腐臭を放つ。
その臭いを嗅いだのか、階段の方へ向かって走る音が聞こえた。
「矢内君って何者なんですか?」
私は彼女に聞いた。
「分からないのよ。私の偏った知識だとニャルラトホテプだと思うんだけど……」
「失礼なことを言わないでください。あれはニャルラトホテプではありません」
目の前に角が生えていて、青い体の屈強な肉体の男が居る。
「あなたは?」
「私は人間に友好的なナイト・ゴーンです。」
ナイト・ゴーンと言えば、シャンタク鳥、ノーデンスと並び、比較的温厚な種族という話がある。
「ナイト・ゴーンさん、じゃあ彼は何なんですか?」
「人間ですよ。あれは時間旅行と平行世界に行き来が出来る人間です。」
「簡単に説明しますと、ドラえもんとジョジョに出てくる大統領とピッコロの能力が混ざった人間ですね」
アニメのキャラクターで説明するなと私は思った。
「異臭を放つドーベルマンのようなあれはなんですか?」

5:SW ◆97fI:2013/11/12(火) 13:42 ID:fjk

ナイト・ゴーンはやれやれといった表情であれの正体を話はじめた。
「ティンダロスの猟犬ですね。はい」
「あれがあなたを襲わないのは、矢内の事件に巻き込まれたからの被害者で自分から首を突っ込んでないからです」
ティンダロスの猟犬というのはクトゥルフ神話における時の番犬だ。
「私はどうすれば良いんですか?」
「え?別に何もする必要はありませんね」
ナイト・ゴーンの言い方に不安を覚えた私はどういうことか聞いた。
「不安にさせたのならすみません。ほんとに彼女とここに居てくれれば私の上司が解決しますので、本当にここに居てください」
ナイト・ゴーンは申し訳なさそうに手を合わせて拝んでいる。


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