妖神社

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1:衣丗夏:2013/10/12(土) 19:43 ID:to.

―誰だ……我の名を呼ぶのは……―
暗闇に低い声が響く。
それは風に乗り、一人の少女の元へ―――
「ああ、居た。私よ、白夜」
―またお前か……契約はせんぞ。それともう我は白夜ではない―
「知ってる。極夜でしょう?」
少女は極夜の方へ歩みよりながら答える。そして、あら、と見上げる。
「白……極夜! ここは私の神社よ!」
少女は喜びの声をあげる。
―なっ……通りで住み心地が良いわけだ。――妖神社―
「契約……《我と契約すべし者……今永久を共に過ごそう―》」
少女は琥珀と瑠璃がキラキラと光る腕輪を極夜にかざし、呪文を唱えた。
―フッ……仕方がない、良いであろう!―
その瞬間、腕輪から眩い光が飛び出し、極夜を吸いとった。
「契約、成立よ……よろしく」
少女は腕輪に向かって話す。
腕輪には、琥珀と瑠璃と――真っ白な石が輝いていた。

2:衣丗夏:2013/10/12(土) 19:48 ID:to.

初めまして。
衣丗夏と書き、(いよか)と読みます、衣丗夏です。
妖怪物を書こうと、思いつきで書きました……。
なので、途中放棄するかも知れませんし、すぐ終わるかもしれません……。
それでも読んでいただければ幸いです。
妖怪物なんて書いたこともありませんが、よろしくお願いします。

3:ももえ:2013/10/12(土) 20:00 ID:qVo

面白い!

4:衣丗夏:2013/10/15(火) 17:31 ID:to.

ももえs>>ありがとうございます!

5:衣丗夏:2013/10/15(火) 18:07 ID:to.

お昼休憩に入った。
私はいつものように、物陰に入り腕輪を出す。
「《極夜、そなたを解放する――》」
お馴染みの呪文を唱え、あらかじめ書いておいた妖陣に腕輪を置いた。
その瞬間、強風が妖陣を取り巻き、銀の光が吹き出した。
思わず目を瞑った。
目を開けた時には、妖陣の真ん中に可愛らしい狐が。
極夜だ。
「やあ、極夜。……いつ見ても可愛いわ!」
毎回のことながら、極夜を抱き上げ頬擦りする。
「こらっ……止めんかカンナ!」
「その声もかーわいいっ!」
「やぁーめぇーろぉー!」
極夜の叫び声が頭に響き……その瞬間、頭に衝撃が走る。
ゴンッ
「いったぁーい! 何すんのよ極夜!」
「黙れ。カンナが悪い」
……はい、極夜に殴られましたー。
猫パンチならぬ狐パンチで。
頭をこう――ゴンッと。
くぅっ!
見た目は子狐の癖にっ!
力だけは人間だ。
まぁ……コイツは――――妖怪、だから。

妖怪、九尾狐――――狐様。

6:衣丗夏:2013/10/15(火) 18:17 ID:to.

登場人物まだでしたね(笑)

東宮 榎奈 (トウグウカンナ)
妖神社の巫女で、中学二年生。
霊感が強く、妖怪まで見える。
祖母から受け継いだ腕輪を持っており、妖怪と契約することができる。
極夜とパートナー(?)。

極夜(白夜) (キョクヤ(ビャクヤ))
妖神社に住み着いた妖怪、九尾狐。
妖神社では、狐様と呼ばれている。
普段は可愛らしい子狐の姿だが、夜になると、九尾狐に変身することができる。
榎奈とパートナー(?)。


今はこのくらい……です。
また後からたくさん登場すると思います。

7:衣丗夏:2013/10/17(木) 13:58 ID:to.


こんな風に、毎日毎日極夜とふざけあっているのだ。
……その時。
「カンナちゃん? 一人で何やってるさ?」
独特の方便で話しかけてきた……
「神主さんっっっ! えーとですね……」
妖神社の神主、相概 怜太(ソウガイレイタ)さん。
まだ、30代の若い神主だ。
関東出身だが、だいぶ田舎だとか……。
「ん? 一人……ではないんだね。子狐様が後ろにいらっしゃる」
「は?」
ばっと後ろを振り向く。
極夜は、私みたいな霊感の強い人でないと見えないはずだが……。
極夜も目を丸くして(もともと丸いが)驚いていた。
この人ひょっとして……。
「神主さん、これ人形です。実はですね、来月学校で劇がありましてね……」
苦しい言い訳だが、仕方ない。
この人、温厚で天然だし……大丈夫でしょ!
「ほお、人形かぁ。ようできとんのぉ」
神主さんは、私の後ろにまわって極夜を抱き上げた。
「あっあの……」
「この目なんか透き通って本物みたいだね」
神主さんは感心して、極夜をまじまじと見た。
――おい、カンナ! 何とかしろ!――
極夜の声が頭に響く。
この声は私にしか聞こえない。
仕方ない!出来るかわからないけど……
――術使うから待ってて!――
私は極夜に心言で伝えると、頭に意識を集中した。
そして、言いたい言葉を口パクで言う。
「怜太さーん? お仕事です〜!」
境内の方から声。
「今、行きます!」
神主さんは、返事をして去っていった。
「助かったぞ、カンナ」
「うん……。疲れた」
へたっと石段に座り込む。
さっきの声は私の術。
術を使うと、ひどく疲れるんだ。

8:衣丗夏:2013/10/17(木) 15:56 ID:to.

「全く……。カンナは体力が無さすぎるぞ。妖魔の舞の時どうするんだ」
極夜は、真っ黒な尻尾をゆらゆら揺らしながらそう言った。
妖魔の舞って言うのは、妖神社伝統の巫女の舞。
妖神社は、東宮家が代々受け継いできた神社。
だから、中学校に上がれば巫女に成らなきゃいけないし、中学校を卒業すれば、舞を踊らなきゃいけない。
妖魔の舞は二十歳に成ったら。
「煩いわね! 二十歳に成ったら出来てるわよ……」
「本当だろうかねぇ……」
極夜はバカにしたように私を見て、フンと鼻で笑った。
「かわいくない狐ね!《極夜、あるべき場所に戻れ……》」
私は腕輪に戻す呪文を唱え、妖陣に腕輪を置いた。
極夜は、さっきまで可愛いと言っていたくせにと言いながら、腕輪に吸い込まれた。
「あんたが悪いんでしょーが!」
腕輪に向かって言いながら、べ、と舌を出した。

9:衣丗夏:2013/10/21(月) 21:29 ID:to.

「榎奈ー! そろそろお昼終わりよ!」
「はーい!」
私は草履を履いた足で砂地に描いた妖陣を消しながら返事をした。

私を呼んだ人物は、東宮 利世子(トウグウリヨコ)さん。
私のおばに当たる人だ。私と同様に、妖神社の巫女をしている。
だが、私のような経験の浅い新人とは違い、おばさんは経験豊富。
29とは思えない知識量だ。

「おばさん、私何すればいい?」
「だから、おばさんじゃなくて名前で呼んでよね〜。……榎奈は舞の練習よ」
「えっ? お守りの販売は?」
巫女の仕事は何かと多い。
お守りの販売は勿論、お掃除や神主の手伝い、神社に来る人の対応とかしなきゃならないし……。
後、舞やその練習も。
けっこう大変である。
「それは怜太さんがしてる! ……ほらほら、わかったら衣装に着替えて!」
「えっえっ……」
私はおば……じゃなかった。利世子さんに押されるがまま、更衣室に向かった。


「うん。榎奈はやっぱり舞の衣装が一番似合ってる!」
利世子さんは、私の姿をまじまじと見て、何度も頷いた。
……って、それってつまり、普通の服は似合わないって事ですか……。
落ち込みと嬉しさの気持ちを半々に抱えて、苦笑いするしかなかった。

「今日は妖舞ね。」(妖舞は妖魔の舞の略である)
「はーい……ってええ?!」
妖舞ぃぃ?!
出来ませんよ、利世子さん!
「え? 榎奈もそろそろ練習しないと。大怪我するわよ」
「お、大怪我……」
妖舞はかなり危険だ。
振りとか、舞台の問題もあるけれど……。
何より、真剣を使うのだから。
「最初は、プラスチックの剣を使いましょう。そこから、木刀、真剣……」
……うぅ……。
無理だっていってるのにぃ!


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