或る命は枯れた【永い後日談のネクロニカ】

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1:時計 ◆KOSA:2013/10/20(日) 01:30 ID:.O6

【或る】とは漠然としたもの、大まかなものがあるという意味です。
TRPGというボードゲームの中でも異色を放つ作品であるネクロニカを
私なりの解釈、作品構成で語らせてもらいます。
作品も作品なのでグロに耐性のない方はお引き取りください。
ですが元はR15ということもあり、ある程度控えた表現をしていきます。

主人公達がゾンビであり、全体的に救いのない世界観となっております。

もう一度言いますが耐性のない方はお引き取りください。








「それでも貴方は進むの?」

『えぇ、私が希望を望むから。皆が希望を求めていたから。』

「そうか、君もココロを持ったんだね……」



少年少女の狂った世界、枯れた世界は今日も平和に進む
                    ーーーー

2:時計 ◆KOSA:2013/10/20(日) 01:50 ID:.O6

【主は深夜に葉っぱにちょこちょこきます。コメントがあれば凄く喜びます←】

{~~プロローグ~~}

その少女は戦っていた。
いや、戦っている。

戦力差はありすぎた。彼の前では彼女は無知に値した。
もう誰にも頼れない彼女には勝機どころか正気もない。
でも、戦うしかないのだ。

戦っていれば、諦めなければ真の「敗北」は存在しない。
彼女は幸いにも知っていた。知らずにすめばよかったことを。



「また、君か。また、君一人か。」
彼は椅子に座りながら、嘗ての姿とは違う笑みで笑って見せた。
ただ、それは不気味なものでしかないのを彼自身は知らない。

『お前は……私が、刺し違えても、コロス』
『それが、私の、けじめ、だから』
何も考えられなくなった、狂気に満々ちた頭からではなく
本能的な、野蛮で、美しい言葉だった。

「いいね、イイネ、イイネ!! もっと僕を憎んで、噛みついてきてみせてよ!!」
彼はガタリと立ち上がった。希望に満ちた目で彼女を見据えた。

ただ、肝心の彼女はもう息をしていなかったが。

「あぁ、次はどうしようか……」
「防御型にして人に頼る彼女にしようか」
「逸そサポート型にでも……」
「いいや、最後まで、話したいから、次は、防御型だな」

実験施設に乾いた声が響いた。
【ネクロマンサー】の彼は彼女のdoll、新しいパーツを探しにいった。

3:時計 ◆KOSA:2013/10/20(日) 02:12 ID:.O6

{ ~第一章~ ー衰退の鐘の音ー }

とある少年、澤田翔(sawada syo)は一つ欠伸をした。
部活に向かっている足だったが、今日は気乗りしなかった。

翔は、昔からピアノ、バイオリン、フルート…eatと音楽に触れてきた。
それ故中々の腕前を誇っていた。
持ち前の絶対音感とやらで即興の作曲も出来たりする。
まぁ、頭はパーだか……。しかし音楽に関しては神童、これ一言に尽きた。

近くの適当な公立中学に通う中2の彼は、もう道が決まっているのだ。
まぁ、そんな神童くんを吹奏楽部がほおっておく訳がなく。
家での音楽の家庭教師のレッスンがない火曜日と木曜日は
ちょこちょこ顔を出してみせるのだった。

ーー吹奏楽は団体戦であり、一人でも
出来ない、又は特別な人がいるとなりたたないーー

吹奏楽部の顧問の口癖通り、彼のよく通る音は
浮いている、の一言に尽きてしまったのだ。
(……サボろうかな。)
無意識のうちに刻まれたテンポの内に沈んだその考えは体を支配していった。
歩く方向を変えて昇降口の方向へと変えてみせた。

4:時計 ◆KOSA:2013/10/20(日) 02:39 ID:.O6


彼の口から出てくるのは流行りの曲でもなくクラッシックだ。
176cmと中学生としては大きな体の彼の歩幅は大きい。
ズンズンと進む前に、仁王立ちでたつ姿が見えた。
「こらー!部活休むつもりでしょーー!」
黒髪ストレートのみつあみ、という大人しめの姿とは似つかない声の大きさだった。
彼女は田中苺(tanaka mai)。あだ名は名前的にイチゴだ。
まぁ翔は女子全般名字呼びだか。

『……うっせーな、田中さんよぉ。』
帰って音楽を聞くという至福の時間に浸る幻想をぶち壊された翔はキレ気味であった。
というより田中は元々嫌い、いや苦手な部類なのだ。
努力すれば出来る、と盲信し音楽に取り組み自分にコツやらなんやらを求め、聞く彼女は。
翔は産まれながらにして音楽に触れているし、音楽の神童として周りに認められているから。

違う彼女をミトメラレナカッタ。

「その名字ヤなのっ、イチゴって読んでっ!」
ムッと顔を尖らせた彼女は可愛い部類に入る筈だ。
しかし翔には【オモイビト】がいるし苦手なので通じない。
『……で?田中さん、何かよう?』
翔は鞄をいじくり、一冊の一本を取り出した。
正確には本ではなくメモ帳だが、本しても扱っていいレベルのものだ。
中には[幻想即興曲][魔王][革命のエチュード]等の高度なものから
自作の曲の楽譜まで縮小コピーしたものを張り付けている。

イチゴとあまり目を合わせたくないのだ。
彼女の瞳は彼には煩わしく感じるだけ、それだけだ。

5:時計 ◆KOSA:2013/10/20(日) 13:25 ID:.O6

「何、じゃないわ!翔ったらまたサボる気でしょ!」
「私、わかってるんだから!」
キーキーと喚いている彼女は酷く注目を集めている。
思春期街道を爆走している翔には好奇心の目線は刺さる訳で。
無論サボることに負い目がないわけではない。
しかし彼女もいるわけだし、居心地が悪い。
何故彼女は自分につっかかってくるのだろうか。
嗚呼煩い。何か言っている。面倒くさい。

「……!「……♪「〜〜〜!!」
「ねぇっ!きいてんの!?」
一段と大きな声で意識が引き摺り戻された。
「……なんか、あんたは放っておけないの。……放っておいたらどっかへいきそうなの。」
「とりあえず人目のあるところにいなさい!」


あぁ、どっかいきたいさ。お前がいないとこにな。
心の中でも毒付きつつも、彼女に押され、今日も音楽室に向かう。
すると途中で見慣れた人影を見た。
ーーいや人影がこっちへ全速でダッシュしにきている!
『おぅうううわあああああああ!?』

突き飛ばされ、膝をすりむく。ーーいてぇ

「イチゴっ、イチゴ!調理部で今クッキー焼いてるの!一緒にどー?」
走ってきたのは同じクラスの 佐々木遥香(sasaki haruka)
であった。喋ることのない部類だからよく知らないが。

彼女は興奮した顔つきで話している。

6:時計 ◆KOSA:2013/10/20(日) 23:12 ID:.O6

佐々木は調理部という家庭科室をつかった文化部所属らしい。
それは今知ったのだが、ふとある奴も思いだした。
同じ調理部のーーー


「……よう、澤田。相変わらず痩せてんなぁ。」
笑いながらどついてきたのは冨永日向(tominaga hinata)だった。
こいつは不登校気味な澤田の友人である。
友人といっても不登校の理由まで知っている間柄ではないのだが
ただ、お互いもたれもたれつの関係を翔は案外楽に感じている。
『おう、お前程食わねえしな。』
ヘラっと笑って見せた。
正直女子に囲まれた空間は耐えられそうになかったため、凄く助かった。

「あー、そうだ。家庭科室に手作りクッキーあるぞーww」
茶化して俺の顔色を伺う冨永は正直不登校のやつとは思えなかった。
『男子の手作りかよー。いや女子でも困るがなw』
「おい、チョコチップ舐めんなよww」
笑えてきた。いつも、笑えるのになんだか久しぶりに笑った気分だ。

「まぁ、部活の前に腹ごしらえとやらかなっ!」
イチゴがどうやら遥香の説得に折れたらしい。
まぁ、俺としても賛成なので口は挟まないでおく。



コツコツと靴音が響く廊下は人混みと化していた。
四時間授業の上に掃除がないから帰宅時間がかぶっているのだ。

「うへぇーー。通りたくなぁい」
遥香の不満声は雑踏のなかにまみれていった。
正直俺も通りたくない。廊下の隅で待つことにした。


昇降口とは逆方向ーー、つまり俺達に向かってきた足音がひとつあった。


黒髪のボブで歩いてきた彼女は


口を ぅ  ゴ    か  シ  タ

「じ ぶ ん か ら 知 ろ う と し ち ゃ だ め」

(…………え?)
間抜けな声が出そうになる。
いや、出せなかった。
体中の筋肉という筋肉から力が抜けていく。
佐々木、冨永、田中はもう倒れこんでいた。

嗚呼、身を任せてしまおう、と不覚にも目を閉じる。




ーーー僕らはこの世界の結末をーーー

7:時計 ◆KOSA:2013/12/20(金) 03:42 ID:.O6

ーーーーそれは壊れたスピーカーの様に聞こえたーーーー

「もう、やだよ……こんなの」
目の前の少女、いや同年代の子が膝まずいて泣いている。
ああ、この涙を拭ってあげなきゃ。何故か咄嗟に感じた。
確信もなく、寧ろ現実を見つめることになりそうな
ちっぽけな言葉を、背中を擦りながら伝える。必死に。

『大丈夫だ。俺、俺らがちゃんといるから。』
自分も泣きそうだった。でも彼女の方が大切だ。
何故なら彼女は、俺のーーーーーーー

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

目を開けると、いや目を開ける前から鼻を刺す刺激臭がした。
それも、鉄っぽい。単刀直入に言えばきっと血の臭いだ。
こんな濃い血の臭いなんて知らない。でも本能的にわかる。

「……っ」
最悪な気分の目覚めだった。その一言に尽きた。

横にはおさげの、田中が倒れている。
「………っ!おい!」
体を揺さぶろうとして、気づく。
自分と、相手の体の変化に。

自分には手首から人体としてあり得ない、触手が出ていた。
そして、体の至るところの感覚の麻痺。

そして、血まみれな自身の服。

「う、うあぁっ!ああっ……」
驚いた。でも何故か違和感を感じない。
それが余計に不安を掻き立てる。

思考を放棄しそうになる。
嫌だ。……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
こんな腕じゃ音楽をひけない!
【彼女】に喜んでもらえる音楽をひけない!

……【彼女】って誰だよ。おい。俺の記憶っ……
半べそをかく。でもなにかが自分の中の狂気を引き留める。

そう、それは、愛しい、【オモイビトの彼女の笑顔】だった。


ーー澤田翔 【彼女】に対する思い出の欠片所得
あの部屋に無機質なコンピュータの音が鳴った。

8:時計 ◆KOSA:2013/12/20(金) 04:10 ID:.O6

【酷い駄文である。】


彼にもわかった。自分の中の何かが引き留めてくれていたことを。
自分の理性を。

(ハアッ……ハアッ……)
彼は肩で呼吸をしながら気分を落ち着かせる。

今、理由は分からなくても頭にこびりついている情報を必死に整理をしていた。
ここは、恐らく、学校?
見るも無惨な風景だが、ここは見覚えがある。
というより気絶した場所から一歩も動いていない?

ーーーーーーなら。
バッと後ろを見ると残り二人も倒れていた。
(……よかった。いた。)

ここに居てくれているだけで謎の安堵感を感じた。

そしてわかることはまだある。

原理、理屈はわからずとも自分達は選ばれた。
そしてdool、ゾンビとして二回目の生命の謳歌を初めるのだ。
何故死んだのか、そんなこそはわからない。それでいい。

そして、自分は、嫌、自分達はきっと
【記憶を取り戻しにいく】のだろう。
それが破滅の道かもしれないがーーー


落ち着けはしないが少し緊張状態から解れたので
彼らを起こそうと思うが…………。
どうしても気が引ける。

ここにいてもいいことは無さそうだとはわかるため
とにかく進展がほしいけども。



改めて彼らをみる。

田中はある程度人体として原型をとどめていた。
腕が異様に特化していることさえ除けば。
横には重そうな機関銃が置いてある。
ーーーーーこれで戦えってか?
【ネクロマンサー】も悪趣味なもんだ。

……?【ネクロマンサー】ってなんだ?
俺らをゾンビにしている存在だとはわかる。
しかし目的は?……思い出そうとしてもわからない。
まあ、いい。わからないけどきっとそのうちわかる。
そんな気がしてとりあえず流す。

横には冨永がいた。
こっちは中々酷いものだった。
頭が二個ついている。首から枝分かれして。
体には融資鉄線が巻き付いており触らなくても痛みが伝わってくる。

そして、佐々木は体の一部。
両腕と右足が器械?オートメイルでできている。
そして横には日本刀が置いてある。
田中と同じ様にこれで戦えってことだろう。


この先どうすんだ……?こいつらと俺で。
自暴破棄になりつつも三人の体を揺らし始めた。


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