紙飛行機 

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1:はる:2013/10/25(金) 21:47 ID:ILY

高校に入学してすぐ、私は一人の男子生徒に目を奪われた…



校門に入ってすぐの大きな桜の木の下。



彼はただ黙って



散ってくる桜の花びらをジッと眺めていた。



私は…、



彼の寂しそうな表情に胸が苦しくなって…、



少しの間動けなかったんだ…。

2:はる:2013/10/25(金) 21:48 ID:ILY


私、真田悠麻(サナダユマ)は家から自転車で通えるこの北高校に入学した。


「悠麻〜っ!!おはようっ」


私の後ろから校門を入って来たのは同じ中学を卒業した香川春菜(カガワハルナ)。


「春菜っ、おはようっ」


「何か本当に高校生になったんだねっ!!よかった、悠麻と一緒でっ」


「私も春菜が一緒でよかったぁ」


2人で自転車置き場に自転車を停めて、クラスが発表されている掲示板の前まで走った。


さっきの男の子もきっと1年生かな…


気になりつつも、自分の名前を探した。


「あっ、あったっ!1組だっ!春菜はっ?」


「…あった!6組だって…」


6組かぁ…残念…


「かなり離れちゃったね…」


春菜も残念そうにため息をついた。


中学は2クラスしかなかったから、10クラスまであるこの高校に少し不安を覚えた。


「友達できるかな……」


私のこの弱気な発言に、春菜から背中に愛のムチが飛んできた。


「イダッ…」


「悠麻なら大丈夫だよっ!」


“悠麻なら大丈夫”


今まで何万回と言われただろう…


結構お調子者の私は、どんな辛い場面でも泣かず落ち込まずで回りのみんなを盛り上げる役目だった。





でもたまに、




そんな自分が大嫌いだったんだ……

3:はる:2013/10/25(金) 21:49 ID:ILY

1年1組の教室に入ったら、黒板に席順の紙が貼ってあった。


一番窓際の列の、前から6番目。最初っからこんな良い席でいいのかな…


クラスを見渡すと結構派手な感じの子が多くて、とりあえず近くの席の子が来るのを待った。


教室の窓からはグランドが見えて、少しだけ遠くの空が見えた。


それをボケッと眺めながらさっきの彼を思い出した…


あの彼は、何組だったのかな…。


背が高くて、少し茶色い髪がフワフワしてて柔らかそうだったな…


「…ぃっ、おいっ」


「えっ?!」


誰かに呼ばれて振り向いたら、


心臓が飛び出そうなくらい驚いた。


なぜなら、


そこには今考えてた彼、桜の木の下にいた彼が立っていたから…


「お前の席は、もう一つ後ろだろ?」


「え?」


彼に言われて、前から机を順番に数えたら、私は一つ前の席に座っていた。


「ごめんっ、間違えちゃったっ」


ちゃんと数えて座ったのに、私ったらバカだぁ〜!

4:はる:2013/10/25(金) 21:49 ID:ILY

急いで一つ後ろの席に座って、彼にもう一度謝った。


「ごめんねっ」


「………………」


シカト?!


感じ悪〜い…。


でも彼のキラキラしたオーラが眩しくて、胸がドクドクして窒息しそうだった…。


同じクラスだったんだ………友達になりたいっ!


「ショウッ」


そこに突然駆け寄ってきたのは、キレイ系の背が高い女の子。


「ねー、今日もバスケ部に顔出すの???」


「あぁ、行くよ。」


“ショウ”君かぁ…バスケ部なんだ…。で、この女の子は…?


ジッと見つめていたせいか彼女と目が合って、ペコッと頭を下げた。


けど、この子にも無視された。


2人して感じ悪いっ…。


また窓の外を見て、ほお杖をついた。


早く先生来ないかな…


「悠麻ッ!!」


誰かに呼ばれて振り向くと、


机の横に笑顔で私を見る女の子が立っていた。


嘘っ……!


「真子ぉっ!!」


真子とは、中3の時の夏季講習で友達になった山口真子(ヤマグチマコ)。


やだぁ〜何でいるの??


めちゃめちゃ嬉しい〜!!


「もしかして同じクラス??」


「うんっ!!悠麻の名前見つけて飛んで来ちゃった!これからよろしくねっ」


「こちらこそ〜〜!!!」


2人で抱き合ってたら、先生が入ってきて急いで席についた。


真子と一緒のクラスなんて、楽しくなりそうな予感…!


そして、前の席にいるショウ君…。


怖いけど、お友達になりたいなぁ〜

5:はる:2013/10/25(金) 21:52 ID:ILY

担任の先生は、本多道子(ホンダミチコ)という若い女の先生だった。


真新しい教科書が何十冊と配られ、


前からショウ君が手渡してくれる度に胸がドキドキした。


「今配った教科書は必ず持ち帰って下さい。机の中に置いていかないようにっ」


えぇ………こんな重たいのに?!


クラス中がザワザワしだした。


でも先生はそんなの気にもとめずに次々と話し出し、


聞き逃さないように必死に耳を澄ました。


それから体育館でありきたりな入学式があって、


また教室に戻ってきて、自己紹介が始まった。


前の席の子から順番に、5人目でショウ君の番に。


「金上翔(カナウエショウ)です…。バスケ部です…。特技は…バスケです…。」


シ〜ンとした教室。


終わりっ?


翔君が座って、次は私の番。


もう少し翔君の事、聞きたかったな…


「おいっ、翔っ、それだけかよっ」


大きな声でそう言ったのは廊下側の席の男の子。


友達かな…?


「うるせ〜よっ」


「次!真田さんっ」


先生に呼ばれて、ドキドキしながら立ち上がった。


「真田悠麻です。えっと…、よろしくですっ」


緊張して何を言っていいか分からず、私もすぐに座った。


そんな私を、翔君が振り返って見た。


「真田悠麻?」

6:はる:2013/10/25(金) 21:53 ID:ILY

「そう…だけど…?」


ちょっとビックリした感じの翔君…。


もしかして…


「お前兄貴いる?」


やっぱり…。


兄貴の話しはあまりしたくない…。


でも、翔君と話せるきっかけになるならと思って、ウンと頷いた。


「あの真田大樹(サナダタイキ)?」


私の兄貴は、今大学2年でバスケ界では結構有名な選手。


雑誌に載ったりもしてるし、たまにテレビで試合が放送される事もあった。


そのせいか、兄貴目当てで私に近付いて来る子がいて、


そういうのが嫌でしかたなかった。


「……うん」


そうだよ…


真田大樹だよ…。


「俺、何度かバスケ一緒にやった事あるんだっ。お前の事、聞いた事あるっ!」


え…?!


兄貴から私の事を…??


「何を聞いたの??」


私がそう聞くと、翔君は笑いを堪えながら私を見た。


やだっ…、絶対変な事だっ…!


あのバカ兄貴っ…、翔君に何を言ったんだろっ?!


「そこっ、静かにしなさいっ」


先生に怒られて、


急いで2人で姿勢を正した。


次々進んだ自己紹介はもうすでに真子も終わっていて、


さっき翔君に声をかけた男の子の番になっていた。


「大崎健斗(オオサキケント)です。翔と同じ中学で、しかも同じバスケ部ですっ。みなさんっ、よっろしく〜!!」


うわ〜賑やかな人だな〜〜。


翔君とは正反対な感じ…。


でも何気にかっこよかったりするよね。


健斗君もバスケ部なんだっ。


みんなと仲良くなれたら嬉しいな。


これから始まる高校生活。


不安もあるけど、楽しみでしかたなかった。

7:& ◆Vo/k:2013/10/25(金) 21:55 ID:ILY


その日は半日で学校が終わって、たくさんある教科書をカバンに詰め込んでみた。


前の席の翔君は、そのまま机の中にしまい込んでいる。


「翔君…、それ置いて帰るのっ??」


翔君は、私を見て言った。


「こんな重たいもの持って帰るかっつーのっ。あ、それより健斗ーっ!」


翔君の視線を辿ると、健斗君も机の中に無理やり教科書を押し込んでいる。


そして薄っぺらいカバンだけを持って翔君の席まで来た。


「こいつ、大樹君の妹だってっ」


翔君はそう言って私を指差した。


「マジッ?!俺らとタメなのは知ってたけどまさか同じ学校とは…」


かなり驚いた表情の健斗君。


私は……、いつもの劣等感を感じつつ笑顔で健斗君を見た。


「びっくりでしょ、あんな背が高い兄貴がいるのにこんなチンチクリンな妹で…笑」


私がそう言ったら、翔君と健斗君が顔を見合わせて笑った。


「悠麻ちゃんだよね!君の話はお兄様からよく聞かされたよ…笑」


健斗君がそう言って、また翔君と一緒に笑った。


健斗君にまで…?!


兄貴のバカバカッ!!


何を言ったのっ!!


2人の顔は絶対に私をバカにしているっっ


最低っ………!!

8:凛:2013/10/26(土) 18:51 ID:nXY

おもしろい!


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