たんぺんしゅう。

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1:野薔薇:2013/12/09(月) 14:47 ID:YPI

はじめまして、野薔薇です。
基本的、駄作短編を書かせていただきます。
短編の冒頭文は、皆さんに考えていただきたいです。
皆さんが考えて下さった冒頭文から、物語をスタートさせます。
例・「粉雪が舞い落ちて」「拝啓」「元気ですか?」etc,
本当に何でも構いません!
私が短編を書けるかどうかは皆様次第!
面倒かもしれませんが、ご協力、宜しくお願いします!!

2:柊 麗奈:2013/12/09(月) 14:58 ID:PYM

ここでは初めましてだねー
来たよ!
じゃあ、『私はクルクルと回る風車の前に立っていた』から!

3:野薔薇:2013/12/09(月) 15:03 ID:YPI

はい、ありがとうございます!
また、私の友達から、「おはよう」とのリクエストをいただきましたので、早かった順で柊さんから、かきたいと思います!
マイペースなので、書くのが遅くなってしまう場合がありますが、ご了承ください。

4:野薔薇:2013/12/09(月) 15:37 ID:YPI

私はクルクルと回る風車の前に立っていた。
さわさわ、と風がくるたびに、くるくる、と風車が回る。
そのたびに、私の髪の毛やスカートも、さあっと揺れる。
この感覚が大好きで、私は、この小さい風車が宝物だった。
家の玄関に立てた、小さな小さな風車。
この風車が、無くなってしまうなんて…。

引っ越しする、と聞いたのは、昨日のこと。
一軒家も建てているのに、父の転勤で、外国に住むことになった。
この家は、他の人の手に渡り、家具は全部、ここの新しい住人が使う、と言う。
でも、この風車は、きっと、捨てられちゃうよね。
持っていく、という案は、荷物になってしまうから、と許可が下りなかった。

新しい住人が、家を見に来た。
新婚の若い二人組。
気さくな良い人で良かった、と両親は言っていたけど、私には、罪人にしか見えない。
どうせ、私の風車も、捨てちゃうんでしょう。
私の宝物を。私の思い出の品を。
きっと、邪魔だ、と言って、ゴミ箱に投げ入れるのだろう。
私と風車の気持ちなんか、きっと、考えもしないで。

引っ越し当日。
私は、服とクラスメイトから貰った物でパンパンのリュックサックを背負った。
玄関の風車に目を向ける。
この風車は、きっと来週くらいまでには、灰となって埋め立てられてしまうのだろう。
それと同時に、私の思い出も、灰となって消え失せるのだ…。
「愛ちゃん?」
ふと、後ろから声がした。
新しい住人、弥生さんだ。
「何見てたの?」
私は人差し指を風車に向けた。
最後に声を交わすのがこいつなんて、最悪だ。
「ああ、その風車。可愛くて、素敵よね。」
「そう言っても、どうせ、捨てちゃうんでしょ、これ。」
思わず声を発してしまった。
弥生さんは、大きな目をくりっと、不思議そうに動かしてから、何かを悟ったように、笑った。
「ううん、捨てないよ。」
私はびっくりして、思わず弥生さんを見つめた。
「この風車、ずっと、大切にしてるんでしょう。ほら、ここなんか、汚れちゃってるもの。だから、愛ちゃんの分まで、大切にする。」
「この風車…、私の、宝物なんです。ずっと、大切に、してくれますか?」
弥生さんは、笑顔で、ゆっくりと、うなずいてくれた。
「愛、行くぞ!」
「はあい!」
この新しい持ち主なら、きっと、風車も、幸せだろう。
さよなら、相棒。
私は、車から風車に向かって、手を振った。
風車は、まるでさよならを言っているみたいに、くるん、と回った。

5:柊 麗奈:2013/12/09(月) 16:06 ID:PYM

ありがとう♪
とてもいい作品だったよ!

6:野薔薇:2013/12/11(水) 19:13 ID:1KQ

感想、ありがとうございました!
では、次のリクエスト、「おはよう」から始まる短編を書きたいと思います。
ただ、私は学生なので、テスト期間中は更新が遅れることをご了承ください。
普段も、なかなか書けない時もあります。
また、リクエストがなくても勝手に短編を書くことも、今後あると思いますが、その時はきちんとそう書くので、驚かないでくださいね。(笑)
では、書き始めたいと思います!
リクエスト、感想、お待ちしております!

7:野薔薇:2013/12/11(水) 20:09 ID:1KQ

「おはよう!」
朝、心音ちゃんがそう言って、僕の頭をなでる。
僕は、みゃあ、と鳴いて、その小さな手に甘える。
それが、僕と心音ちゃんの、朝の始まり。
猫の僕には、毎朝心音ちゃんがいっている、「おはよう」という言葉の意味は、よく分からない。
でもね、なんだか、心音ちゃんに、そう言ってもらうと、どんなに眠くても、疲れていても、元気になれるんだ。
その言葉に、おまじないみたいな、不思議な力があるのかもしれないね。

「空、行って来ます!」
そう言って心音ちゃんは、自分の背丈と同じくらいの、ぴかぴかのランドセルを背負って家を後にした。
心音ちゃんのいない部屋は、しいん、としている。
僕は、窓から、隣の家の屋根に飛び乗った。
さあ、今日はどこを散歩しようかな、と考えながら屋根の上で飛び回っていると、小さな砂山を見つけた。
へえ、こんな山があったんだ。知らなかったなあ…、と思いながら、僕はその山のてっぺんに乗り移った。
野生の本能ってやつで、僕は無意識にごろん、と山の上に寝っころがった。
上からは、あったかいお日様の光が僕を包み、下からは、優しい土の香りがした。
僕は、ふああ、と大きな欠伸をすると、意識が遠ざかっていった…。

がたん!
その大きな音と、激しい揺れで、僕は目が覚めた。
随分長く寝てしまった様で、空はきれいな夕焼けだ。
さっきの音はなんだったのだろう、と下を向くと…、砂山が、傾いていた。
近くには、ブルドーザーの音がした。
周りは、広い森だった。
そう、僕は、なんと…、トラックの上で、寝てしまっていたのである。
僕はあわててトラックから降り、森を抜けだした。
すると、僕の知らない光景が、僕の目に映った。
―僕は、迷子の猫に、なってしまった。

あれから、幾日経っただろう。
微かな匂いと記憶、僕の勘を頼りに、僕は街中をさまよった。
同じ道に、戻ってしまったこともあった。
最後にご飯を食べたのは、いつだっただろう。
僕が一番辛いのは、心音ちゃんに会えないことだった。
「おはよう」って、言って貰えない日が、ずっと続いた。
心音ちゃんに、会いたい。
そして、あの、可愛い笑顔で、僕を優しく、なでて欲しい。
心音ちゃん。どこにいるの。早く会いたいよ。孤独な僕を、助けて。
心音ちゃん!

―もう、僕に、時間は残されていないようだ。
もう、動けない。歩けない。
ただ、喘ぐ事しか、僕には出来ない。
さよなら、心音ちゃん。
僕はもう、会う事は許されないみたいだ。
できれば最後は、一緒にいたかった…。
そう思いながら、僕は空に浮かぶ一番星を見つめた。
そこで、僕の意識はとぎれた。

なんだか、あったかいなあ。
僕はとうとう、心音ちゃんに会わないまま、世を去ったみたいだ。
でも、なんだか懐かしい、キャットフードの匂いがする。
「おや、目が覚めたみたいだね。」
僕に声をかけたのは、僕が知らない男の人だった。
顔の前にキャットフードが差し出され、僕は一心不乱に食べた。
紛れもない、ご飯の味。
僕は、まだ、生きていた。
男の人は、さっきから電話で誰かと話していた。

それから10分くらい経つと、家のベルが鳴った。
そして入って来たのは…、若い女の人と、小さな女の子だった。
僕は目を疑った。
その子は…、心音ちゃんだった。
「空、探したんだからね、ポスター作って貼ったり、聞き込みしたり、大変だったんだよ、もう…。」
心音ちゃんの声が、段々涙声に変わった。
そして、持ち上げられたかと思うと、ぎゅっ、と抱き締められた。
夢見ていた、心音ちゃんの腕の中は、あったかかった。

僕は、朝早く目が覚めた。
昨日はそのまま寝てしまっていたらしく、僕は心音ちゃんの部屋の中にいた。
あのね、心音ちゃん。僕、分かったんだ。
穏やかな寝息を立てている心音ちゃんに、心の中で話しかける。
なんで心音ちゃんの「おはよう」が、僕が大好きなのか、やっと気が付いたんだよ。
この言葉は、心音ちゃんの優しさや、あったかさがいっぱい詰まった言葉なんだね。
だから今日は、僕が、心を込めて言うよ。
おはよう、って。
言葉は通じなくても、心が通じてるから、きっと、心音ちゃんにも、伝わるよね。
さあ、新しい朝が来たよ。

8:野薔薇:2013/12/11(水) 20:21 ID:1KQ

皆さん、私の駄作を読んで下さり、ありがとうございます!
で、提案があるのですが。
皆様も、短編、書いてみませんか?
このページでリクエストがあった冒頭文で始め、一回で完結するお話を募集中です。
ぜひ、書いてみて下さいね♪
ただし、「○○さんに書いて欲しい」と言うリクエストはしないでください。
また、私の成りすましは、絶対にやらないでください。
マナーを守り、楽しく小説を書きましょう!
感想も待ってます!

9:野薔薇:2013/12/11(水) 20:24 ID:1KQ

私がテスト期間の時は、短編の書き込み、リクエストはしないで下さい。
自由に書きたい方は、自分のページを作って下さい。
テスト期間中は連絡致します。
また、中傷的な感想は、絶対に書き込まないでください。

10:& ◆f8Qs:2013/12/12(木) 20:37 ID:1KQ

自分へのお題として、「枝から赤い葉が落ちて、」という冒頭文から始めたいと思います。
私はぶっつけで書く人なので、正直話しは全く決めていませんが…。
頑張ります!

11:& ◆f8Qs:2013/12/12(木) 20:41 ID:1KQ

上の文章は野薔薇のものです。
このごろ、パソコンの調子が悪くて…。
名前が良く分からなくなってしまっています。
この文も野薔薇のものです。
また名前が違っているかもしれませんが、荒しではありません。

12:& ◆f8Qs:2013/12/12(木) 20:46 ID:1KQ

どうしても名前がおかしくなっている…。
こういうものなのかもしれない…のでしょう?
仕方ないので気にせずいきます。

13:ゆゆ:2013/12/12(木) 20:52 ID:KTA

野薔薇さんにリクエストです。
「彼は世界中の全国民を敵に回した。」
お願いします!

14:ゆゆ:2013/12/12(木) 21:04 ID:KTA

わたすもスレッドつくったよ!
「ゆゆのぐうたらものがたり。」です。
ひまだったらみてみて〜

15:& ◆f8Qs:2013/12/12(木) 21:43 ID:1KQ

枝から赤い葉が落ちて、枯葉は風でどこかへ飛んでいった。
良いな。私も、あの葉っぱの様に、どこかへ行ってしまえればいいのに。
そしたら、皆もきっと喜ぶよね。
私なんか、ただの邪魔者なんだから…。

あの日。あれから、私のクラスが、曲がってしまった。
体育祭。本当は、楽しい、青春ストーリーのベースになるはずの。
全学年でやる、大縄で、私は背が高い、という理由で、縄を回す役に着いていた。
ただ、どんなに頑張っても、引っ掛かってしまう子がいた。
本番でも引っ掛かり、その子はきっと、引け目を感じていたのだ。
周りは、「ドンマイ!」「次は大丈夫!」と言う温かいエールを送っていたのに。
なのに、あの子は、反省会で。
「麻衣が、私の時だけ、速く回してた!」
と、嘘を言い出した。

それから、私は小さなミスを起こすようになった。
私は、皆が跳びやすいように、一生懸命、縄を回したのに。
あの一言が、私の頭の中で、離れなかった。
その事を思い出す度、私はミスをしてしまった。
あの一言や、私の些細なミスで、クラスは歪み始めた。
私は、無視されたり、靴を隠されたりするようになった。
それが、どんどん、エスカレートしていった。

今日は、机が、「死ね」等の落書きをされて、廊下に放り出してあった。
「帰れ」というコールが沸き起こった。
私は辛くても、勇気を出して、学校に行っているのに、なぜ、そんなことをするの。
もう、限界だ。

頭の上にある桜の木を、私はずっと眺めていた。
もうほとんどの葉が落ちている。
もう、この木を見るのは、最後になる。
さようなら。私はもう、生きられない。
―今夜私は、この世を去る。
「麻衣、どうしたの?」
不意を付かれ、私はびくっと肩を竦めた。
声の主は、小学校時代の、私の親友、彩希だった。
今は、私立の女子中に通っている。
私は何も言わずうつむいていると、彩希は急に話し出した。
「わあ、この桜、まだ少し、葉っぱが付いてるんだ。」
それがどうしたと言うのだろう。私は思わず顔を上げた。
「葉っぱ、てさ。夏に、沢山栄養を作って、秋には、紅葉して枯れるじゃない。夏に頑張ったのにさ、秋にもまだ、木にくっついてる。葉っぱの生涯って、短いようで、長いんだよ。」
彩希はそう言いながら、桜の幹を、優しくさすった。
「それなのに、どの葉っぱも、リタイヤせずに、木全体に、栄養を送り続けてるんだよ。それって、何だか、凄くない?」
私は、彩希の話を聞きながら、急に自分が恥ずかしくなった。
誰にも相談せずに、自殺しようとしていた。
身近にある葉っぱも、一生懸命、生きているのに。
私は、自分から自分の命を、奪おうとしていたのだ…。

「私、馬鹿だったよ。彩希、聞いてくれる?」
こくり、と彩希が頷くのを見届けて、私はぽつりぽつりと話し始めた。
黄色い葉が、私を励ますかのように、私の肩にのった。

16:& ◆xtfI:2013/12/15(日) 11:28 ID:KcA

野薔薇です。
先日と今日は、実は最初と違う機種で書き込んでおりまして。
自己分析の結果、取り敢えず名前を変えることにしました。
野薔薇も、一日一悪も、同一人物です。

17:& ◆xtfI:2013/12/15(日) 11:31 ID:KcA

一日一悪でも上手くいかないとは(゜ロ゜;
仕方ないので放っておきます。
ゆゆさん、リクエストありがとうございます♪
さっそく、書きますねー!

18:& ◆xtfI:2013/12/15(日) 11:35 ID:KcA

彼は世界中の全国民を敵に回した。

19:& ◆xtfI:2013/12/15(日) 11:36 ID:KcA

間違えました…、やり直します!

20:& ◆xtfI:2013/12/15(日) 13:17 ID:KcA

彼は世界中の全国民を敵に回した。
周りからの白い視線が痛い。
人々の話しは、全て彼の噂のように聞こえる。
もう、彼に逃げ場はない。
…さあ、どうする大原 結羽!

はっ、と私は目が覚めた。
また、あの夢だ…。
彼のことが好きだ、って気付いてから、この夢をよく見るようになった。
結羽、本当に、どうするの。
心の中で、自分に問い掛ける。
もしも、全世界が、敵になったら。
私は本当に、自分に正直に生きられるのだろうか…。

大原 翼くん。
偶然、同じ苗字の男の子。
彼は、校長室利用率(多分)校内第一位の、悪い子として有名なのだ。
窓ガラスを割ったり、偽のラブレターを書いたり。
毎日、必ず何かをやらかしては、校長室に連れていかれている。
制服もきちんと着ていないし、ルックスも良いとは言えないし、何をしても平均より下の劣等生。
クラス中から嫌われていて、女子は翼くんと机をつけようともしない。
でも、それって、「強いものいじめ」なんじゃないかな、って思う。
だって、良いところも、たくさんあるんだよ。
馬鹿正直で、自分のしでかしたことを隠そうとせず、潔く謝るし、友達思いで、人の罪を被ることもたくさんある。
そして、毎日、色々されて辛いだろうに、学校は休まないし、いつも、笑顔を絶やしていない。
そういう強さが、羨ましくて、格好良かった。
そういう翼くんに、私は少しずつ、惹かれていってしまった。
…でも。
人前では自分の気持ちを隠してしまう弱さが、私にはあった。
誰かが、「翼ってイヤだよね」とか言うと、頷いてしまう弱さが。
本当は、そんなこと、欠片も感じたことはないくせに。
そうなってしまう私自身が、すごく恥ずかしくて、情けなかった。

ーこの恋は、他人よりも辛いかも。
そう、考えるようになった。
だからって、私は、流されてもいいの。
分かってる。それが逃げだってこと。
だけど、そう考えないと、私は、自分を嫌ってしまいそうで、怖かった。
翼くんのように、なりたいな。
他人がどう言おうと、まっすぐに、意思を貫けるような人に。
そしたら、もしも翼くんが、世界を敵に回しても、一緒に戦えるから。

りりりり、と秋の虫逹が夜に歌う季節になった。
虫はいいな。呑気に鳴いてりゃ良いんだから。
はあ、と大きな溜め息をついていると、5歳上の姉が部屋に入ってきた。
「結羽、ここにいたんだ。」
姉は、ベランダの、私の隣に立った。
「何か大きな溜め息が聞こえた気がするんだけど、一体どうしたの。」
多分姉は、私の気持ちに気付いているのだろう。
私は姉に、自分の恋を打ち明けた。
姉には、年上の彼氏がいるのだ。
「そっか…、成る程ねえ…。」
「そう。だからさ、たまに、この煩い虫が、羨ましくなるの。鳴いてりゃ良いなんて、ずるいなあ、って。」
そう言うと、姉は小さく笑った。
「結羽、それは、違うよ。勘違いしてる。」
えっ、どういうこと。
そう尋ねると、姉は言葉を探すように、目線を上にやると、ゆっくりと話し始めた。
「この虫逹はね、自分が、あなたの事が好きですよ、って、一生懸命アピールしているんだよ。こうやって、ずうっと。きっと、ライバルもいる。だけど、ただひたすら、羽をこすりあわせてるの。」
虫だけじゃなくて、他の動物は皆、頑張って、恋人を捕まえてるんだよ。
そう優しく笑って、姉は空を見上げた。
月の光が、私たちを包み込んだ。

皆、一生懸命、やっている。
そんな当たり前の事に気付かない自分がいた。
誰かを羨ましく思う前に、自分を変える努力をしなくてはならないのだ。
今は、無理かもしれないけど、いつか、きっと。
翼くんに、いや、世界中に向かって、叫べるようになる。
私は、翼くんが、大好きだ、って。

21:aribaba:2013/12/15(日) 18:47 ID:bQY

野薔薇さんへ
最高の文章ありがとうございます。
毎回感動してるんで、ばしばし投稿してください。
次は、恋人たちはあんなに楽しそうなのに、
からお願いします。

22:& ◆xtfI:2013/12/16(月) 20:41 ID:OC6

野薔薇です!
aribabaさん、リクエスト&感想、ありがとうございます!
こんな駄作でも楽しんで頂き、嬉しいです♪
ではさっそく…。

23:& ◆xtfI:2013/12/16(月) 21:47 ID:OC6

恋人たちはあんなに楽しそうなのに、どうして俺は、こんな事になっているんだ…。
いや、恋人だけじゃなく、子供から大人まで、皆うきうきしている。
去年までは、俺も同じだった。
いや、あの日が来るまで、ずっと楽しみな行事のはずだった。
なのに、なぜ俺はこんな目に合わなくてはいけないんだ?
ここまで不幸な男、そうそう居ないだろう…。
そう、始まりは全て、あの日から、なのだ。

あの日。
俺は、いつも通り、コンビニ弁当を食べていた。
独り暮らしだから、忙しい日はどうしてもコンビニに頼ってしまう。
そして、楽しみに最後にとっておいた、アツアツのハンバーグを口に入れようとした、その時だった。
「こんにちは、僕、サンタクロースです。」
俺が鍵も開けていないのに、いつの間にか部屋に入って来たのは…
あの見慣れた格好をした、お爺さんだった。

俺が言葉を失っている間、そいつはずかずかと入ってきて、勝手に椅子に腰を下ろした。
「いやあ、最近、腰が悪くなってしまってね…、すまないけど君、サンタの仕事、やってくれないか。」
は?こいつは一体、何を言い出したんだ。俺は頭が混乱してしまった。
というかまず、サンタクロースとは、実在しないのではないか。
子供が寝ている間、親が枕元にプレゼントを置く、というのがクリスマスなのではないのか。
てかこいつ、何者なんだ?
完全なる不法侵入者じゃないか。
ああ、ハンバーグ、冷めちゃったな…って何考えてんだ俺っ!
頭を抱えた姿を、肯定の動作と勘違いしたのか、そいつはにっこりと笑った。
「んじゃ、宜しく頼むよ。これ、リクエストのハガキとお金。これで、買ってきてくれれば良いから。後は、手紙で指示するよ。」
そして、大量のハガキを、どさっと床に置くと、そいつはとっとと帰って行ってしまった。

「意味分かんねえよ、この!!」
俺は山積みにされたハガキを蹴った。
すると…、ハガキは、俺の足を避けた。
試しに、もう一発。
また、ハガキは動いた。
破こうとすると、するん、と俺の手から、ハガキが逃げた。
…どうなってるんだ、俺!?
俺は、思考回路がショートしてしまった…。

はああ…。
クリスマスムード一色の町中で、俺は溜め息をついた。
俺は、どんだけ、ついていない男なんだ…。
あの日から、俺は、山積みのハガキに書いてある玩具を毎日買いに行った。
解読するのも、探しに行くのも、そうとうな手間と時間がかかった。
おかげで寝不足になり、大学で思わず居眠りをしてしまった。
全く、俺はなぜ、こうなっているんだ!

やっと俺は、全ての玩具を買いきった。
部屋が玩具だらけで、寝る場所が無い。
いつの間にか、クリスマス・イヴは明日に迫っていた。
ポストを見ると、一枚の紙切れと袋が入っていた。
「プレゼントをこの袋の中に入れ、今日、夜12時に〇〇公園に来てください。」
とだけ書いてあった。
袋に玩具を一気に入れると、玩具が小さくなり、袋の中に収まった。
…どうなっているんだ。
もう嫌だ。サンタなんか、やりたくない。
こんな訳の分からない事なんか、もう沢山だ。

夜12時。
俺はコートを被り、しぶしぶ家を出て、公園に向かった。
寒いったらありゃしない。
そして、公園が目の前に迫った時。
俺は思わず、目を見張った。
あの、有名なトナカイのそりが、きらきら輝いていた。
そりの上に、手紙が置いてあった。
封を破くと、手紙には、こう書いてあった。
「今まで、よく頑張ってくれたね。これは僕からのプレゼントです。」
便箋の中に、一通のハガキが入っていた。
「さんたさん いつもありがとう ぼくもさんたさんになりたいです」
たどたどしい文字で書かれたそのハガキは…、小さい頃書いた、俺の文だった。
そうか。サンタクロースは、俺の幼い頃の夢を、叶えてくれたんだ。
俺は、ゆっくり、そりに乗り込んだ。
すると、俺はサンタ服の格好になった。
しゃんしゃん、と鈴を鳴らすと、そりは空に向かい進んだ。
今度は、俺が、夢を届ける。
皆…。メリー・クリスマス。
優しい鈴の音が、星空に響いた。

24:京:2013/12/17(火) 20:57 ID:VeA

   ○⌒\
  (二二二)
(⌒( ・∀・) ヤア!
(  o  つ
(__し―J


  /⌒○
  (二二二) チョットマッテテ
  (・∀・ )
((o; と ) ゴソゴソ
(__ノ―J


  /⌒○
  (二二二) アレ…?
  (・∀・;)
((o; と ) ゴソゴソ…
(__ノ―J


  /⌒○
  (二二二) アタッ♪
  (・∀・ )
(o; と )
(__ノ―J


  ○⌒\
  (二二二) ドゾ
(⌒( ・∀・)
(  o  つ愛
(__し―J


小説に関連して。
無駄コメごめんなさい…AAずれてたらごめん!

25:& ◆xtfI:2013/12/17(火) 21:07 ID:tBs

野薔薇です!
ありがとうございます★

26:aribaba:2013/12/19(木) 21:29 ID:bQY

いやあ、クリスマスにして欲しかったからありがとうございます!
ごちそうさまです
ファンタジーLove
次は、どうして貴方が悪くなるの。
からお願いします。

27:一日一悪:2013/12/20(金) 15:39 ID:1Js

野薔薇です!
では、さっそく……!

28:& ◆nLWI:2013/12/20(金) 16:24 ID:1Js

どうして貴方が悪くなるの。
ねえ、どうして。
貴方は、何にも、悪いことをしていないのに。
ねえ、どうして。
どうして、貴方は、人の罪を被るの。
答えてよ。教えてよ。
何で、そんな事したの。
そんなの、しなくたって、良かったのに。
私、本当は、見てたんだよ。知ってるんだよ。
あの日の事。あの時の事。
ねえ、どうして。
どうして貴方は、自ら、泥沼の中に飛び込んだの…?

「俺の携帯、盗まれたーっ!」
始まりは、その叫び声だった。
本当は、携帯なんか持っていっちゃ駄目なのに、そいつは喚き、暴れ、ささんざん先生にその事件の事を言った。
「俺が携帯持ってってるの、知ってんのは、伊藤だけだよ!伊藤!俺の携帯返せ!」
「は?俺、知らないよ!」
喧嘩が始まろうとした、その時だった。
すっ、と、細く白いけれど、しっかりとした手が挙がった。
「僕、やりました。すみません。」
…それは、大橋君の声だった。

その後、私は見てしまった。
伊藤君が、携帯をこっそり、鞄の中に忍ばせていたところを。
私の記憶が正しければ、あれは紛れもなく…、
盗まれた、携帯電話だった。

私は、その事を先生に言おうとしたけれど…、大橋君に、止められた。
「伊藤が可哀想だし…。僕、大丈夫だよ。ありがとう。」
その時大橋君が見せた、優しくも悲しい笑顔が、私の脳内に焼き写った。
胸が、とくん、とくん、と、早く鳴っていた。

大橋君は、周りの目線に、耐えなくてはならない日々が続いた。
私は、何も、出来なかった。
唯、近くに居ることしか。
自分の無力さに、くやしくて、情けなかった。
それなのに、大橋君は、いつも笑顔で。
佐藤さんありがとう、僕を庇ってくれて。
そう言って、にっこり、微笑んで。
ねえ、なんで、こんなに、どきどきするんだろ。
貴方の顔を見ると、いっつも、そうなっちゃうんだ。
でも、私、何もしてない。何も出来ていない。
ここまでして、伊藤君を庇う理由があるのかもしれないけど…。
でも、その、悲しそうな、寂しそうな顔、大橋君にして欲しくない。
早く、大橋君が、心から笑ってくれますように。
そう、祈る日々が続いた。

この事件は、唐突に終わりを告げた。
犯人は、先輩のグループだった。
後輩を脅して、物を盗ませていたのだ。
その盗んだ物が見付かり、全ての辻褄が合った。
…そうか。このことを知っていたから、庇ったんだね。
伊藤君が、犯人にされないために。
大橋君のおかげだ。
優しい嘘ってものが、じんわり、感じられた。

大橋君、ありがとう。
そう言うと、大橋君は、目を丸くして、どうして、と訪ねてきた。
「知りたい?…ふふふ、教えて、あーげないっ!」
そう言って、私は大橋君から逃げ出した。
「気になるじゃん、教えてよ!」
そう追いかけてきたのは…、私が願った、とびっきりの笑顔だった。

29:aribaba:2013/12/20(金) 19:22 ID:bQY

おおー!
意味わかんない言葉を広げてくれてありがとうございます。
頭ひねり出してネタストックしといて下さい。

30:& ◆VSgU:2013/12/21(土) 11:52 ID:1Js

(笑)。
はい、そうします。
by野薔薇

31:黒猫P 907:2013/12/21(土) 21:08 ID:PPg

面白いですね

32:& ◆VSgU:2013/12/22(日) 10:21 ID:FiU

野薔薇です★
黒猫Pさん、わざわざコメントありがとうございます!
これからも頑張ります♪

33:& ◆VSgU:2013/12/23(月) 20:40 ID:s3s

野薔薇です☆
リクエスト待ってまーす!
どしどしくださいっ!

34:& ◆VSgU:2013/12/25(水) 13:46 ID:gPU

野薔薇です!
皆さん、merry Christmas!ということで、
クリスマスのお話を書きたいとおもいます。

35:& ◆VSgU:2013/12/25(水) 14:09 ID:gPU

「おや?」
僕は思わず、身を乗り出してしまった。
いつもはもう暗くなっているお隣の電気がまだ着いていることに気付いたからだ。
小さな少女が、窓から空を眺めていた。
ああ、そうか。
今日は…クリスマス・イヴなのだ。
純粋そうな、大きな目は、サンタを探していた。
「サンタさん、まだかなあ…」
少女は小さく溜め息をつき、僕の家の庭を羨ましそうに見つめた。
「あんなおっきいクリスマスツリーが、うちにもあったらいいのに…」
そう呟き、少女ははっ、として、首をぶんぶん振った。
「うちはびんぼーだから、このちっさいのでいいの。」
そして、靴下の下に飾ってある、小さなツリーの飾りをいじった。

少女の家は母子家庭だ。
少女が産まれ、それを見届けたかのように、3日後、少女の父親は息を引き取った。
お隣とは対称的に、僕の家は裕福だ。
でも、父は忙しく、母はお金のことしか考えずで、僕はいつも一人ぼっちだった。
たまに、お隣の楽しげな音楽に耳を傾けるのが僕は大好きなのだ。
可愛らしい笑い声、楽しそうな話し声、といった音符たちが、僕を幸せな気持ちにした。

「ジングルベール、ジングルベール、鈴がー、鳴るー♪」
小さな少女はそこしか歌詞を知らなかったけれど、それを何度も繰り返し歌った。
その表情は、いかにも嬉しそうな、幸せそうな笑顔だった。
少女は、そのうち眠ってしまったらしい。
お隣の電気か、ぱち、っと消えた。

次の日の朝。
少女は目が覚めると、布団の中にいた。
窓辺につるしてある靴下の中に、ささやかなクリスマスプレゼントが入っていた。
「ママ、サンタさんが来たよ!」
少女は、ばたばたと音を立てながら、部屋から姿を消した。
僕も、両親に伝えよう。
メリー・クリスマス、って。

36:柊 麗奈:2013/12/25(水) 17:50 ID:PYM

リクエスト!

あなたから笑顔が消えたのは

から初めてください!

37:& ◆VSgU:2013/12/25(水) 20:49 ID:gPU

あなたから笑顔が消えたのは…か。
「あーもうっ、書けないっ!」
私はパソコンの前で頭をかきむしった。
ったく、せっかく、読者さんがリクエストくれたのに…っ!
私の馬鹿、馬鹿、馬鹿。
リクエストくれとか偉そうに言ったくせに、何も思い付かないーっ!
私はぐちゃぐちゃになったショートへアの存在も忘れ、机に突っ伏した。

私は、小説が昔から大好きだった。
特にファンタジー。
顔はイマイチな私も、本の中では、可愛い主人公や、優しく見守る脇役に、いつでもなることができた。
いつ頃からだろう。
私も、こんな文を書いて、皆を喜ばせたい、と思うようになった。
ノートに、小説を書いたこともあった。
でも…、後で読んで、ガッカリした。
子供っぽい、とてもつまらないものだったからだ。
私には、才能なんて、ないのかな。
そう感じ、私はその夢を捨てた。

それからしばらくして、私は、「小説掲示板」というものが世の中にある、ということを知った。
機械音痴で、時代遅れの私だけど、その響きに憧れみたいな何かを抱いた。
…また、書いてみようかな。
誰も見なくて良い。誰も読まなくて良い。
最初はそう思い、取り敢えず、ということでスレを立てた。
その行動だけで、私は満足だったのに。
いつの間にか、私のスレを知る方々が、どんどん増えていった。
なんでだろ、という答えは分かってる。
私が駄作しか書かないのにも関わらず、宣伝しまくっているからだ。
でも…、それだけでは、辻褄が合わない人も、沢山いた。
ずっとこのスレを見ていてくれる人がいるのだ。
どうしてだろ。
この謎は、ずっと解けなかった。

「おーい!」
私の友達が、走ってこちらにやって来た。
人付き合いの苦手な私は、逃げ出したい気持ちを精一杯押さえ、彼女を待った。
「見たよ、昨日の短編!面白かった、また書いてね!」
「ねえ、どうして、あんな駄作を読んでくれるの?」
私は思いきって訪ねてみた。
すると彼女は、長い髪をかきあげながら、私に向かって微笑んだ。
「私には、あんなの書けないから。読んでて、なんか、楽しいの。」
あなたの知らない部分も垣間見れる気がするしね。
そう、悪戯の様に付け足してから、彼女は私の手を握った。
「さ、行こ、学校!」
うん、と私は頷いた。
すると彼女は、私の手を引きながら、あのリクエスト、ちゃんと書いてね、と思い出したくない事を私の脳に焼き付かせた。

38:& ◆VSgU:2013/12/26(木) 13:22 ID:gPU

順番違いますが…
リクエストありがとうございました!
一応お話なので、現実とは異なる点がいくつかあります。
私を知っている方は、違うところも楽しんでくださいね。
でも…ネタないのは本当ですすいません許してください…。

39:aribaba chiaryrain@s7.spaaqs.ne.jp:2013/12/27(金) 08:50 ID:bQY

ネタ切れ激しいね。
ウチもがんばるから野薔薇さんも頑張ってね

40:& ◆VSgU:2013/12/28(土) 09:34 ID:YgE

頑張ります(笑)。
では、次は自分から!
人によっては少し嫌or怖い文を書きます。
苦手な人は遠慮なく逃げてください!(必死)
…と、警告は致しましたので以降の責任は一切負いません。
大切なことなのでもう一度。
苦手な方、どうぞお逃げください!
よろしくお願いします。

41:& ◆VSgU:2013/12/28(土) 10:27 ID:YgE

揚羽蝶が、夏の夜に姿を現した。
大きな大きな揚羽蝶。
静かな星空を優雅に舞うと、暗闇の中に消えていった。
僕は、あの蝶に比べてなんてちっぽけで、弱いのだろうか…。

僕には母親がいない。
3年前、新しい恋人と、駆け落ちしたのだ。
そのことで僕はいじめられていた。
母無し。お前の母ちゃん駆け落ち。
そんな「言葉の暴力」を受けていた。
でも。
あいつらがやって来て。
大丈夫だ、俺達が守ってやる。
そう言って、いじめっ子を追い払ってくれた。
それから僕は、あいつらと仲間になった。

あいつらは、変わってしまった。
いつからだったか忘れたけれど、とても急だった。
いや、僕が気付かないでいたのかもしれない。
麻薬、飲酒、喫煙をやり始めて。
お前もどうだ。スッキリするぞ、と誘われた。
僕は断りきれず、手を出してしまった。

確かにスッキリして、とても気持ち良かった。
でもそれは一時的で。
頭が混乱し、気付くと人を殴っていた。
この手が人を殴ったなんて、信じられなかった。
もう止めよう、と何度思ったか分からない。
でも、2~3日我慢していると、強い欲求が起こった。
欲しい。欲しい。欲しい。
その欲求に耐えきれずに、また、やり始めてしまった。

こんな自分が許せなかった。
こんなものに負けてしまう、弱い自分が。
僕が、僕自身に激しい苛立ちを感じた。
そして気付くと、何かを僕は手に持っていた。
カチカチ、と、銀色のものを出して。
鋭い先を、手首に当てて、一本の線を引いて。
すると一拍遅れて、赤色が滲む。
何だか怖くなって、その物を見ると。
それは、カッターだった。
馬鹿馬鹿しくて、笑いがこみ上がった。
僕は可笑しい。
分かってる。分かってるよ。
でも、もう止められない。
楽しい訳ない。嬉しい訳ない。
痛いよ。苦しいよ。
何してんだか分からない。何考えてんだか分からない。
もう僕は、自分を、見失ってしまった。

煙草を出しているところを、父に見付かった。
お前は家の子じゃない。出ていけ。
父が発した言葉はそれだけだったけれど、父の悲しみや威厳が含まれていた。
僕は当てもなく外を歩いていると、僕を呼ぶ人影が見えた。
「家、泊まっていかない?」
それは、僕が殴ったことのある奴だった。

「何で、こんな僕を泊めるの?僕、君を、殴ったことがあるのに…」
僕は自分が情けなくて、顔が涙でぐしゃぐしゃだった。
「困ったときは、お互い様。それに僕は、君のこと、怒ってないから。」
だってほら、と、奴は僕の傷だらけの手首を擦った。
「こんなに、苦しいんでしょ。それは僕も同じだから。」
お前、強いんだな。
そう僕が呟くと、奴は、そうでもないよ、と言って笑った。

「おっと、また迷い込んできたの。」
僕らが寝ようとしたとき、部屋に、大きな蝶が入ってきた。
あれはもしかしたら、あの、優雅に舞っていた揚羽蝶だったのかもしれない。
奴は、揚羽蝶を手で優しく包み込むと、外に放してやった。
蝶はお礼を言うように華麗に舞うと、月光を浴びながら夜空に姿を消していった。
僕はそのとき、奴と蝶が一緒に見えて。
気付くと、僕は蝶に向かって、ずっと手を振っていた。

揚羽蝶。
それは、卵から産まれ、幼虫になり、さなぎになり、そして、あの綺麗な蝶と、姿を変えていく生き物。
食べられたり、飢えたり、寒い冬を越せなかったりして、大半が蝶になる前に命を落とす。
そんな試練を乗り越えて、あの蝶は空を飛んでいる。
僕も。
こんな生活から足を洗おう。
そしてあいつらに、もう止めよう、って言おう。
僕は、きっと。
いや、絶対に。
揚羽蝶に、なってみせる。

42:ゆゆ:2013/12/28(土) 10:44 ID:oJI

り・く・え・す・と!
「拝啓
 コートに忍び寄る風が、冬の寂しさを教えてくれる季節となりました。」
からお願い!

43:& ◆VSgU:2013/12/28(土) 12:53 ID:YgE

はい!
了解です!

44:& ◆VSgU:2013/12/28(土) 14:15 ID:YgE

拝啓
コートに忍び寄る風が、冬の寂しさを教えてくれる季節となりました。
君がいないこの場所は、とても、しいん、としているような気がします。
でも、私は、負けないよ。
君が言ってくれた、あの言葉。
君との、あったかい思い出。
一生、胸に仕舞って。
私は、一歩ずつ、進んで行きます―。

テスト返し。
今回の結果は最悪だった。
順位は下から数えた方が早い。
あーあ、なんで私、この頃こんな点数しか取れないんだろ。
ふう、と溜め息を吐きながらスクバにテストを乱暴に詰め込んでいたその時。
「よ、がっきゅーいいんちょー!」
ばん、と強く背中を叩かれた。
「学級委員様々は、今回も良い点だったんでしょー!やっぱさすがだねー!」
いや、違うっつうの。
心の中の反応は空しく、その子はさっさと自分の席に着いた。

いつからだろう。
私が、「まじめ」だと思われるようになったのは。
私は全然真面目じゃないし、頭も悪いのに。
天才。学級委員。
そう、良く言われるようになった。
たまに、そういう言葉が、私の重荷になる、って知らないでしょ。
だって私、そんなんじゃない。
真面目でも何でもない、そこら辺にいる女の子。
誰か分かってよ。助けてよ。
この苦しみの渦に、のまれてしまった私を…。

家に帰ると、私の部屋には見知らぬ女の子がいた。
「お母さんの友達のお子さんよ。今預かってるの。仲良くしてあげてね。」
お母さんはそう言ったけど、何かおかしい。
お母さんは北海道出身で、今は東京で暮らしている。
お母さんの友達のほとんどは、北海道にいるはずだ。
しかも、今日のお母さん、どこか変。
目が、私を向いてないよ。
まるで…操られてるみたい。
「よろしく。」
女の子が、手を差しのべて、にっこり笑った。
女の子のツインテールが、くるん、と揺れた。
私はもやもやした気持ちのまま、その子の手を握った。

私達は、すぐに仲良くなった。
沢山喋って、沢山遊んだ。
私の話も、聞いてくれた。
うんうん、と頷いてただけだったけど、私は聞いて貰うだけで満足だった。
でも、少し不思議なところがあった。
公園やショッピングに誘っても、行きたがらないのだ。
どうしたのか聞いても、いい、家にいたい、との一点張りだった。

それからしばらくして。
私は明るさを取り戻し、友達が増えた。
真面目、と言われるのはまた苦しかったけど、そのことを聞いてくれる人がいたから、乗り越えられた。
「ええっ!?友達が来るの?」
「うん。あ、来た来た!」
なぜ彼女がそんなに驚いたのか私には分からなかったけど、友達が来たからそれは後回しになった。
逃げようとした彼女を捕まえて、私は彼女を紹介した。
友達は、目を丸くして、恐る恐る、私に言った。
「どうしたの…?その子、何処?」

友達が帰った後、私は事情を聞いた。
彼女はすまなそうな顔で、少しずつ、話した。
「私、本当は死んでるの。昔、ここに住んでた。でも、私は事故に遭っても、死ねきれなくて。私、貴女を騙してた。ごめん…。」
私は信じられなかった。
彼女は…本物の、幽霊だったなんて。
でも、苛立ちは、感じなかった。
「ありがとう。私は、貴女に助けて貰ったんだから。怒ってないよ。ずっと、そばにいて。」
え…。私、天国に行けるの?
涙で濡れた顔を上げ、彼女は自信なさげに聞いてきた。
あたりまえじゃん。
そう言って私は、彼女の頭を撫でた。

次の日。
家に帰ると、彼女はいなかった。
「今日、天国に行きます。ありがとう。真面目、で良いんじゃない?また会おう。」
そう書かれた置き手紙は、私が読み終わると、すうっ、と消えた。
不思議と、寂しさは感じなかった。
さよなら、親友。
…また、いつか。

雪がちらちらと降ってきた。
この心の手紙は、届いたかな。
暗い空を見上げながら、私は呟いた。
…きっと、届いたよね。
そう。
真面目、で、良いよね。
うん、と一人で頷き、私はまた歩き出した。

45:& ◆VSgU:2013/12/28(土) 15:31 ID:YgE

すみません、>>44訂正
「そう。」の後、「きっと。」
を入れてください!

46:& ◆VSgU:2013/12/28(土) 16:59 ID:YgE

リクエスト、どんどんどうぞー!
今長期休暇中なので早めに書き上げられます!

47:瑠璃& ◆IK9U:2013/12/28(土) 17:21 ID:QXw

初めまして。
小説全部、読ませてもらいました。
私も冒頭書いて良いですか?
“あなたの視線も笑顔も優しさも。全部、私のものだったのに…あの時まで”
変な冒頭ですみません…
良ければ、お願いします。

48:c:2013/12/28(土) 18:06 ID:E5g

リクいいですか?
「俺は、また何も何も守れないのか。この手は、何も掴めないのか。」
ちょっと、変なんですけど……
お願いします!!

49:aribaba chiaryrain@s7.spaaqs.ne.jp:2013/12/28(土) 20:52 ID:bQY

人気出てますね〜。
その調子!
ネタ作っといて下さいね。

50:& ◆VSgU:2013/12/28(土) 21:11 ID:YgE

全然変じゃないですよー!
ありがとうございます☆
早い方順で書きたいと思いますので、よろしくおねがいします。

51:& ◆VSgU:2013/12/28(土) 22:37 ID:YgE

あなたの視線も笑顔も優しさも。
全部、私のものだったのに…あの時まで。
なんで、あなたは行ってしまったの。
私をここに残して。
大きな夢と、希望を抱えて。私のことなんか忘れて。
戻っておいでよ。
今でも私、あなたのことが、好きだから。

あなたがそのことを言い出したのは、一ヶ月前だった。
俺…外国に行くんだ。
留学する。
でも、きっと手紙を書くから。
すぐ戻るから。
それまで、待っててくれる?
そして彼は、私を、ぎゅ、と抱き締めた。
泣きながら私は、彼に小指を差し出した。
「約束だよ。絶対に。」
嗚咽を繰り返しながら言うと、私は彼の胸で思いっきり泣いた。
約束する。
彼はそう言い、小指を絡ませてくれた。
「ゆーびきーりげーんまん、うーそついたら、はりせーんぼん、のーますっ!」
私は泣き笑いの表情で、彼を見つめた。
彼は子供の様に、にこっ、と微笑んだ。
そして、息を合わせて。
二人で、お腹の底から声を出した。
「ゆーび、きった!」

…そう。絶対に約束したのだ。
彼が行ってから、私は毎日手紙を出した。
彼も、毎日沢山の手紙をくれた。
…なのに。
急に、手紙が来なくなった。
私は毎日書いたのに、彼からは一文字も送られてこない。
最初は、忙しいのだろうと思っていたけれど、もうかれこれ二ヶ月だ。
何かおかしい。
私は心配や苛立ちを通り越し、彼に失望を感じていた。
ああやって、二人で約束したのに。
どうして、連絡をくれないの?
新しく、彼女でもできたの?
きっと、そうよね。
向こうで美人さんに会って、楽しく暮らしてるんでしょう。
もうあなたは、私のものじゃ、なくなったの?

彼から、電報が届いた。
彼は…重い病気に、かかっていた。
二ヶ月という長い間。
心配をかけたくない、と彼が連絡をさせなかった。
でも、病状が悪化し、やむなく電報を打ったという。
嗚呼、何て女なの私。
彼を信頼せず、私は勝手に、彼が浮気したと決めつけていた。
ごめんなさい。私はあなたのこと、信じてなかった…。
私は、自分の指を絡ませた。
神様。神様。
信じたことのない何かに、私は真剣に祈った。
どうか彼が、元気に戻ってきます様に。
そして…この罪深き女を、許してくれます様に。

気持ちは…届いた。
彼は、少しずつ元気を取り戻した。
久しぶりに、彼から手紙が届いた。
「もうすぐ帰ります。待たせてしまってごめんね。」
書いてあるのはそれだけだったけれど、私は嬉しくて、手紙を胸に押し付けた。
もうすぐ…もうすぐ。
彼が、帰ってくる。
私は喜びで一杯だった。

飛行機が、空港に着いた。
周りの人にこの鼓動が聞こえていないか心配になるほど、私の心臓は早く動いていた。
「…ただいま。」
彼の声が聞こえた。
私は、その声の主に飛び付いた。

52:& ◆VSgU:2013/12/29(日) 12:10 ID:YgE

俺は、また何も何も守れないのか。
この手は、何も掴めないのか。
どうして俺は、こうなってしまったのだ…。
何も触れない。何も掴めない。
身体が透けて、鏡に俺の姿はない。
そう、俺は…。
死んでいるのだ。

キキーッ!
その凄まじい音で、周囲は横断歩道へ振り向いた。
信号は赤。
小さな女の子が、勝手に渡ってしまっていたのだ。
車は急ブレーキをかけたけど、止まるかどうか。
俺は反射で、車道に向かって走った。
待ってろ、すぐ助けてやる。
そしてその子を歩道に押し出すと、俺の横には止まりきれなかった車があった―。

そう、俺はその後、意識不明の重体になり、そのまま命を落としたのだ。
でも、どうしてこの姿になっているのだろう。
「おめでとうございまーす!」
急に後ろから、しゃららら、と鈴の音がした。
振り向くとそこには、小さな天使がいた。
「あなたには、生き返るチャンスが来ましたーっ!」
え、何でだ…。
だって俺は、何も守れない、駄目人間だったのに。
天使は俺の表情で悟ったらしい。
「なぜです?あなたは人の命を救ったのです。そういう人に、生き返るチャンスを与えるのが、私の使命なんです。」
俺は、少しずつ天使に話して聞かせてやることにした。

俺は人を殺しそうになったことがある。
全ては俺の責任なのだ。
俺はクラスメイトとの修学旅行で、海に行った。
当時好きだった子が、俺の友達と仲良くしていて、腹が立って。
俺は溺れたふりをして、「助けて、助けて!」と叫んだ。
すると奴は飛び込み、俺を助けようとした。
そのとき俺は、ざまあ見ろ、と思っていたのだ。
奴は岸に俺をあげて。
本当に、溺れた。
ぶくぶく沈んでいく奴を見て、怖くなって。
俺は、何もできなかった。
すぐ先生が駆けつけて奴を救ったけど、俺の中では、奴を殺したような気分になっていた。
…こんな馬鹿が、生き返ってどうするんだ―。

天使は静かに、俺の話を聞いていた。
「そうですか…。では、こうしてみては、如何です?」
きょとんとした俺に向かって、天使は意味ありげな笑みを浮かべた。
「その人と、入れ替わって、みませんか?そのときに戻って―。」

ぱしゃっ!
急に俺に、水がかかった。
「早くおいでよ!皆、待ってるよ!」
そう、それは忘れもしない、あの日だった。
頭上の太陽がさんさんと照り、海はキラキラと光っていた。
おう、今行くよ。
俺はそう答えて、海に向かって走った。
海には、俺の姿があった。
そうだ俺は今、奴になっているんだ。
そしてこれから、俺は、あの事件の通り、物事を進めなくてはならない。
歴史を変えてはいけない、と天使に何度も言われたのだ。
まずは仲良く遊んで…、おっと、俺が溺れた…振りをした。
俺は俺を助けに飛び込む!ちゃぽんっ!
俺が二人いるとややこしくて仕方がない。
そして俺は俺を岸に上げ、俺はぶくぶくと沈んだ。
そのときだった。
岸にいた俺は、叫んでいたのだ。
「誰かああーっ!人が、溺れていまあああすっ!」
飲んでしまった海の水で咳き込みながら。
そうだ、忘れていた。
俺は、お腹の底から、助けを求めていたのだ―。

「どうです?分かりました?確かに、あなたは人を殺そうとしました。でもそれと同時に、人を助けたのです。」
じゃあ、あいつは。
かすれた声で問いかけると、天使は、にこ、っと笑った。
「命の恩人だと、思っていますよ。」
俺は、長年の苦しさが一気に解けて、へなへなと座り込んだ。
「あなたが死んだら、その子や、女の子が悲しみます。それに、ほら。」
天使が耳を傾ける仕草をすると、沢山の人の声が聞こえてきた。
お助けください。あの、女の子のため命をかけた、あの子を。
「これは、地上の祈りの声です。これでもあなたは、生き返らないと言いますか?」
俺は首を横に振った。
「生き返らせてくれ。」
言葉少なくそう言うと、天使は微笑んだ。
「では、さっそく。この鈴を鳴らせば、あなたは生き返りますよ。」
そして天使は、首に掛かっている鈴を、しゃらら、と鳴らした。

53:& ◆VSgU:2013/12/29(日) 12:15 ID:YgE

皆様のおかげで、レス数50を突破しました!
本当に、ありがとうございます。
駄作で申し訳ありませんが、これからも、お付き合いよろしくおねがいします。

54:ゆゆ:2013/12/29(日) 13:28 ID:oJI

りくです。
知らないことは悪いことなのだろうか?
からはじめて!

55:柊 麗奈:2013/12/29(日) 14:34 ID:PYM

50突破おめ!

リクエスト♪
『地球は謎多き生命物体にのっとられた』
から!

56:& ◆VSgU:2013/12/29(日) 16:05 ID:YgE

ありがとうございます。
さっそく書きますね☆
ここでお知らせです!
明日(12/30)の正午に、今年のリクエストを締め切らせて頂きます。
皆様のリクエストを、今年度中に漏れ無くお答えできる様、ご理解、ご協力お願い申し上げます。
それ以降は、元旦から、またリクエストの受け付けを開始します。
お手数をおかけしますが、お願い申し上げます。

57:& ◆VSgU:2013/12/29(日) 17:18 ID:YgE

知らないことは悪いことなのだろうか?
いつも私は馬鹿馬鹿と言われるけれど。
私、諦めないよ。
いつか、きっと。
世界一の、科学者になってやる。

「お前、こんなことも知らないのか。馬鹿だなあ。」
その先生の言葉に教室中が沸いた。
あんた…それでも教育者なの。
精一杯睨み、
「そうですが何か。それより教えて頂けません?」
と皮肉を返してやった。
そのとき校長先生が通りかかったのを私は見逃さなかったのだ。
先生は小さく舌打ちすると、人が変わった様に猫撫で声で説明を始めた。
私は心の中で、先生に向かって舌を出した。

この頃私は学校で酷い扱いを先生から受けている。
なぜだか知らないけれど、先生は私が目障りの様だ。
何度かそのことを言ってみたけど、
「あれ、そんなことあったかなあ。」
としらばっくれただけだった。
親にはこのことは言っていない。
心配をかけたくないから。
無駄なプライドだ、ってことは分かってるけど。
できれば、大好きな親を巻き込みたくなかった。

道徳の授業。
将来の夢、という題名での作文があり、私は「科学者になりたい」と書いた。
昔からの憧れ。
色々な物質を組み合わせると、人を助ける物に生まれ変わらせて。
沢山の人が、笑顔になれて。
まるで…魔法みたい。
その魔法を、私も使える様になりたい。
そう思った。
その夢を私は、とても素直に書いた。

次の日。
ニヤニヤ笑いで、先生が帰りのHRに来た。
その手には、作文用紙が一枚。
「今日は昨日の作文を紹介しよう。題名は…『科学者になりたい』。」
それは私の作文だった。
大きな声でゆっくり読み終わり、先生は…こう言った。
「あのお馬鹿ちゃんが、科学者になりたいんだそうですよ。残念でしたー。君にはそのおつむはありませーん!」
もう…限界だった。
私の、私の大切な夢を嘲笑うなんて。
酷い。もう嫌だ。
私は無断で教室を飛び出した。

家に、走って帰った。
涙が溢れてしまいそうで、必死だった。
家に帰ると、お母さんがいた。
その顔を見ると、自制が効かなかった。
うわあああああああああああああ。
私は、子供の様に泣きじゃくった。
泣きながらの私の訴えに、お母さんは憤慨した。
そして。
よしよし、大丈夫だよ。お母さんが、守ってあげるから。
そう言って、私の頭を撫でた。

ぱちぱちぱち…。
大きな拍手を受けながら、私は会場に入っていった。
意外なほど私は落ち着きながら、椅子に座った。
そう、私は―。
本当に、世界一になったんだよ。
全部、両親のおかげ。
あの後、親は学校に訴えて、先生は解雇処分になった。
そしてこうして、今から。
ずっと夢見ていた、あの賞を受けとる。
名前が…呼ばれた。
私は、すっ、と席を立った。

58:& ◆VSgU:2013/12/29(日) 17:54 ID:YgE

地球は謎多き生命物体にのっとられた。
うろたえる人々。
困っている動植物。
その者達のために、今日も行く!
〇〇レンジャー!!

ぴ。
俺はテレビの電源を切った。
この時間は、全然良い番組をやってねえなあ。
俺はごろん、とソファに寝転がった。
あーあ。
いつもなら、あいつと遊んでる時間なのになあ。
あいつがいないと…つまんねえや。

俺達は、つまらないことで喧嘩をした。
どうして喧嘩をしたのか分からないくらいつまらない。
でも、そのせいで、お互いの詰り合いに発展していった。
馬鹿。阿呆。不細工。
そんなの一欠片も思ってないのに。
もう絶交だ。
ああ、俺もそう思っていたところだよ。
そう言って、俺達は絶交した。

どうして、あんなこと言ったんだろ。
そうは思っても。
俺は悪くない、あいつが悪い。
そう言い聞かせてしまう俺がいた。
俺、弱いなあ。
分かってる。自分の弱さを。
だけど、どうしてもそうなってしまうのだ。
俺こそ、天下一の阿呆じゃねえか。
その思いを振りきるように、俺は漫画を手にした。

漫画を読んでいると、兄貴が帰ってきた。
「あれ、今日は遊ばないのか?」
俯いて黙った俺を見て、兄貴は悟ったらしい。
「そういうときはさ…、あいつがいなかったら、って考えてみろよ。」
顔を上げた俺に、兄貴は微笑んだ。
「もしも、この世に存在しなかったら。そう考えてみろ。答え…とまでじゃないけどさ、ヒントは見付かるからさ。」
兄貴はそう言い、リビングを出ていった。

もしも。
もしもあいつが、この世にいなかったら。
俺はどうなっていたのだろう。
友達が出来ず、孤独だった。
一人で、いつもぽつん、としていた。
…あいつがいないと、俺、何も出来ない。

次の日。
学校に着いて。
あいつと…ばったり会った。
「この前はごめんっ!」
二人の声が、重なった。
ははは、と、俺達は笑った。
「今日、一緒に帰ろうぜ。」
「おう!」
そのとき、HRのチャイムが鳴った。
「やべっ、早く教室行こうぜ!」
俺達は、笑いながら。
廊下を全速力で駆けていった。

59:aribaba chiaryrain@s7.spaaqs.ne.jp:2013/12/29(日) 23:14 ID:bQY

おおー!
さすがだね、野薔薇さん。
じゃあ次は、
この家では、まだクリスマスのリースが飾られている。
でお願いします。

60:aribaba chiaryrain@s7.spaaqs.ne.jp:2013/12/30(月) 11:11 ID:bQY

あと、あなたには脚本家になることをオススメします。

61:& ◆VSgU:2013/12/30(月) 16:37 ID:ASo

リクエストありがとうございます!
また、今年のリクエストは先日も書いた通り、締め切らせて頂きます。
沢山のリクエスト、ありがとうございました!
2014年になったら、またリクエスト募集を始めますので、リクしたい方は恐れ入りますが元旦から書き込み御願いします。

62:& ◆VSgU:2013/12/30(月) 17:44 ID:ASo

この家では、まだクリスマスのリースが飾られている。
まあ、仕方ないのかもしれない。
俺ん家は、ちょっとだけ、変わってるからな…。

「メリー、クリスマース!」
白い髭をくっつけた親父が、コンビニの袋を担いでリビングに入ってきた。
なぜか良く知らないが、スーツ姿で頭にはネクタイを巻いている。
おいよお…。
それじゃまるで、唯の駄目おっさんじゃねえか。
「おとーさん、眼鏡は逆さに掛けるんだよ!」
と5歳の妹が言いながら、親父の眼鏡を掛け直した。
…いや、問題そこじゃねえよ…。
俺の心の反論は綺麗にスルーされ、親父はコンビニ弁当を取り出した。
「よおし、じゃ、ご馳走食おうか!」
…皆、サンタクロースの存在を勘違いしてないか?

ちょっと、ではない。
俺の家は、すごく変わっている。
クリスマスはなぜか大晦日にやり、せっかく頑張った大掃除は意味を成さず、紅白は見逃す。
おせちの代わりにはコンビニおでん、入学式や進級式はコンビニデザート、こどもの日、誕生日…。
かなりコンビニの出没率が高い。
しかも祝ってんだか祝ってないんだか分からない。
…だってコンビニじゃねえか……。
しかもクリスマスのサンタを駄目親父、他もろもろも変に変換され、さも正しいかの様に子供の脳に焼き付ける。
おかげで俺は何度恥ずかしい思いをしたか分からない。
俺の家に、「常識」という言葉は存在しないのだ―。

ある日俺は、叔父の家に訪ねた。
その生活はつまらなかった。
ドンチャン騒ぎは行われず、何か堅苦しくて居心地が悪かった。
早く家に帰りたい、と思った。
これが、普通なのか?!
こんなのが、皆の言う、「家」なのか!?
そのとき俺は、ふっ、と気付いた。
俺…。
俺ん家、大好きじゃねえか。

俺の家は、変わってる。
非常識一家で、世界中をどんなに探しても、こんな家はそうそう無いだろう。
確かに、変で、馬鹿馬鹿しいけど。
一つだけ、俺は胸を張って言えることがある。
俺は、この家に生まれて良かった、って。

ちょっと、ではない。
かなり、ウチは変わっている。
クリスマスはいつも親父が休みの日。
しかも、あれがサンタだと子供に夢の無いことを教えている。
おかげで俺はあの駄目親父がサンタということを脳に植え付けられ、幼稚園で笑い者となった。
正月もコンビニおでんで済ませ、こどもの日も、七夕も、七五三も…。
随分コンビニの出没率が高い。
ていうか、どうなってるんだ、俺ん家!
他人から見たら、唯の馬鹿な家庭じゃねえか。
直接、「変わってますねえ」と言われることもあるが、親父もお袋も一向に気にする様子を見せない。
それどころか、「そうでしょう!面白いでしょ!」と高笑い。
客が困って汗をかいているところを俺は何度か目撃した。
…おかしい。どうなってるんだ。
どうして俺は、こんな家に生まれたんだ―!?

「あーあ…憂鬱だなあ…」
一緒に帰っている友達が溜め息を吐いた。
「親と、あんまうまくいってねえんだよ。帰りたくねえな、って思ってさ。」
俺はびっくりした。
帰りたくない。
それは俺が一度も発したことがない言葉であり、俺の脳内辞書に載っていないものだからだ。
親と喧嘩もしたことがないし、親が嫌だとも思わない。
そのことを友達に話すと、羨ましそうに呟いた。
「いいなー、お前、すごく幸せじゃねえか。」
…え?
あんなに馬鹿げていて、変わってる俺ん家が!?
「ああ。とっても、な。羨ましいよ。」
俺は何だか不思議な感覚を味わった。
それと同時に、一つ、俺は気付いた。
俺…ウチん家、大好きじゃねえか。

俺の家は、変わっている。
世界中何処を探しても、こんなおかしい家は多分何処にもない。
でも、自信をもって、俺は言える。
馬鹿げてるけど。変だけど。
俺ん家は、俺にとって、世界で一番、大好きな場所だ、って。

63:& ◆VSgU:2013/12/31(火) 15:07 ID:ASo

いよいよ大晦日ですね!
大晦日&正月関連のお話を書きたいと思います。

64:& ◆VSgU:2013/12/31(火) 15:28 ID:ASo

全く…。
何で私はこんな日に限って、風邪を引いたんだろう…。
「おはよ、お母さん!…てあれ、熱?」
娘が私の顔を覗きこんできた。
咳き込みながら頷くと、
「ええー、じゃあ明日のおせちどうすんのお!?」
と言いながら部屋を出ていった。
…私なんかよりも、おせちの方が大事なのね。
私はごろんと寝返りをうった。

仕方ないなあ、出前取るか。
年越し蕎麦、食べようよお父さん。
そうだな。今日は大晦日だし。
―夫と娘の会話が聞こえてきた。
なんて楽しげで、嬉しそうな声なのだろうか。
私なんかいなくてもいいのかしら。
色々な思考が私の頭をぐるぐる回る。
私の頬に一筋の涙がすう、っと伝った。

はっ、と目が覚めると、もう年は明けていた。
何だかいい匂いがする。
起き上がると、枕元に弁当箱があった。
開けるとそこには、おせちとは言い難い色々な料理が適当に詰め込んであった。
「お母さんへ。明けましておめでとう。」
そう書かれたメモが、ひらりと私の膝の上に落ちた。
皆…ありがとう。
メモの上に、水滴が落ちた。

65:& ◆VSgU:2013/12/31(火) 15:38 ID:ASo

沢山のコメ&リクを、ありがとうございました!
皆様がこんな駄作を、あたたかーい目で見守ってくださったことに、とても感謝しています。
来年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。
良いお年をお迎えください!

66:& ◆VSgU:2014/01/01(水) 11:56 ID:ASo

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
リク募集再開します☆

67:& ◆VSgU:2014/01/01(水) 17:38 ID:ASo

>>62
すいません、すごくおかしくなっていて……。
何かの不具合です。
「……皆、サンタクロースの~」以降は、お好きな方でどうぞ。
二パターンあり、どちらも「ちょっと、ではない。」から始まっています。
大変申し訳ありません……。

68:瑠璃& ◆IK9U:2014/01/02(木) 09:54 ID:QXw

もし良ければ…
“貴方は今、何処に居ますか?”
から、お願いします。

69:& ◆VSgU:2014/01/02(木) 11:01 ID:ASo

もちろん、良いですよ♪
リクどんどんどうぞ☆
ありがとうございます!
では、早速…。

70:& ◆VSgU:2014/01/02(木) 11:34 ID:ASo

貴方は今、何処に居ますか?
青空を見上げながら、心の中で問いかける。
思い出の1ページとなった、あの人に。
淡い初恋相手の、あの人に……。

「スキー!?」
私は急な話に驚いた。
「そうよ、先に言ったら貴女反対するじゃない。今日、断固として行きますからね!」
そう言って母はさっさと部屋を出ていった。
……冗談じゃない。
私は自他共に認める運動音痴だ。
スキーなんて、恥ずかしい思いをしに行く様なものじゃないか。
そう考えているうち、私は車の中に引きずり込まれていった―。

スキー場に着いた。
大きな山で、雪が絶え間なく降っている。
びゅおおお、と風が吹く。
寒い。帰りたい……。
私はスキーウェアに顔をうずくめた。
そのときだった。
「こんにちは。」
私の顔を、男の人が覗き込んできた。
なかなかの美形だ。
私は胸がどきどきしてしまった。

彼はスキーの講師だった。
いつもにこにこして、優しくて。
私の鼓動がどんどん早くなるのを感じた。
―これってもしかして、人の言う「一目惚れ」ってやつ!?
顔をまじまじと見れない。
目が合ったら、何だか恥ずかしくて逸らしてしまう……のに、嬉しい。
声を聞くだけで、胸がきゅん、と締め付けられる感触がする。
下手な私の滑りを生真面目にアドバイスしてくれるけど、耳に入らない。
もう私は、すっかり酔ってしまっていた。

スキーはやはりとても下手だった。
周りの人は私を見てクスクスと笑った。
でも、彼だけは笑わなかった。
腰が曲がっている私の手を、そっと握って。
大丈夫、その調子、って。
優しい微笑みを浮かべながら言ってくれた。
いつもなら私は逃げ出していただろう。
でも、今日は。
どんなに下手でも。どんなに笑われても。
側に彼がいるだけで、幸せだった。

スキー教室が、終わった。
両親は私を車に乗せた。
窓から顔を出すと、彼が手を振ってくれた。
その顔が、涙で滲んでよく見えなかった。
私は大きく、彼に手を振り返した。
さよなら、さよなら。
また来年、会いましょう……。

次の日。
「な……雪崩!?」
私の耳に、大きなニュースが飛び込んできた。
昨日行った山で雪崩が起き、多くの死者が出たと言う。
私は嫌な予感がし、死亡欄を見つめた。
まさか……まさか。
そこに、彼の名前があった。
私は頭が真っ白になった。
夢だと、思いたかった。
でも、何度頬をつねっても、目覚めてはくれなかった。

今でも、雪が降ると思い出す。
あの、一日で始まり、一日で終わった、小さな片想いを。
淡く切ない、初恋の物語を。

71: 野薔薇 :2014/01/02(木) 15:03 ID:ASo

初恋もまだなのにこんな話を書いてしまいすみません……。

72: 野薔薇 :2014/01/02(木) 15:04 ID:ASo

おおお!
名前、普通になりましたっ!
嬉しいです♪

73:yuyu:2014/01/03(金) 14:55 ID:rKw

りくです。
「青い鳥は僕の手のひらで赤く染まってしまった。」
から。
悲恋モノで
おねがいします。

74: 野薔薇 :2014/01/03(金) 18:51 ID:db6

はい、書きます……と言いたいところですが、
すみません、ジャンルは受け付けておりません……。
大変申し訳ないのですが、私が受け付けているのはあくまで"冒頭文"だけ、でして。
説明不足で本当に申し訳無いと思っておりますが、ジャンル指定は撤去とさせていただきます。
また、悲恋は先日書かせて頂きました。
正直言うとネタがありません……。
と言うことで、そちらの方を読んで頂きまして。
冒頭文は受け付けますので、早速書きますね☆

75: & ◆f8Qs:2014/01/03(金) 19:54 ID:db6

青い鳥は僕の手のひらで赤く染まってしまった。
理由?そんなの分かってるよ。
赤い鳥になってしまったコイツは、僕から逃れる様に、ちちちち、と飛んでいった。
ごめんよ、青い鳥。
全て僕が悪いんだ―。

はっ、と目が覚めた。
変な夢。
僕は布団を抱え込んだ。
小さい頃から、僕は幸せの青い鳥は本当にいる、と信じている。
沢山の人に笑われ、からかわれたけれど、僕は気にしていない。
青い鳥を信じていくにつれ、僕は勝手に新しい話を作り上げた。
あの有名な物語のあと。
青い鳥は離され、自由の身となる。
その後、青い鳥は悪者に捕まってしまう。
そうしたら青い鳥は、自らの毛を赤くし、驚かせてから逃げた……というものだ。
その後は正直な若者のおかげでまた青い鳥になり、若者に幸福を与える、としたけれど。
僕の中にいる青い鳥は、今は真っ赤で。
そのまま死んでしまうのではないか。
……だって僕は、悪者だから。

今日は何する?
あいつの靴、隠そうぜ。
賛成、賛成。
……嫌だなあ。やりたくないよ。
今日は、「いじめ会議」で人の靴を隠す、と決まった。
リーダーは、クラスの中心的存在の奴。
奴はクラス男子を巻き込み、いじめをしている。
的となったのは、奴を抜かし学級委員になった子なのだ。
俺がなりたかった。あいつはズルい。
そういった自己中思考のおかげで、みんなは「いじめっこ」となってしまった。
でも、僕らも悪い。
ちゃんと「嫌」と言わなくてはならないのに。
抵抗せず、従っているのだ。
そんなこと分かってる。
でも、抗えなかった。
「あと、靴にスプレーで『死ね』って書こう。」
……嫌だ。やりたくない。
僕はぎゅっ、と目を瞑った。
その役になりませんように、と祈る。
でも神様はこんな自分勝手な祈りは聞いてくれなかった。
「お前、書けよ。な?」
そう言い、奴は僕を思いきり睨んだ。
僕は逆らえず、首を小さく縦に振った。

嫌だ……。
書きたくない書きたくない書きたくない。
でも書かなくちゃいけない。
僕は漢字では書けず、平仮名で『しね』と書いた。
字が、すごく震えていた。
その靴を、僕は木の枝に隠した。
奴はよくやった、と誉めたけど、僕は全然嬉しくなかった。

次の日。
学校に行くと、彼は学校に来ていなかった。
僕はすごく気になり、授業が身に付かなかった。
もしかして……。
そんな思いで一杯で、帰りの会が終わると僕は屋上に駆けた。
そこには、スプレーした靴を履いた彼がいた。
下を見たきり、全く動かなかった。
そして意を決した様に頷くと、彼は屋上から身を―。
「やめろおおおおおおおおおっ!!」
何を考えていたか、自分でもよく分からなかった。
ただひたすら走り、彼の身体を抱えた。
反動で僕らはごろごろ、と屋上を転がった。
ようやく止まると、彼は目のやり場が無い様に、僕と反対を向いて聞いた。
「どうして……助けたの?」
悲しげで、淡々とした声だった。
僕は、彼をここまで追い詰めていたのか……。
「ごめん。」
躊躇していた言葉を思い切って言うと、堰が切れた。
「僕、君をここまでにした。そのスプレーは、僕の仕業だ。本当に、どう謝ればいいのか……。」
それ以上は、言えなかった。
涙が出そうなのを、必死で堪えた。
「いいよ。」
あの声が、優しげになった。
「この字、震えてるもん。平仮名だし……。言われて仕方なく、でしょ?」
だからもういいよ。
そう彼は言うと、にっこりと笑った。

「……で、ちょっと言いにくいんだけど……。」
「なに?」
「……ちょっと、重い………。」
彼の身体が、僕の上に乗っていた。
仰向けになっていた彼は気付かなかったらしい。
「おわ、ごめんっ!」
その言い方と彼の顔で、僕は何だか笑いがこみ上がってきた。
あははは、と笑うと、彼も笑い出した。
笑い声が響く青空に、青い鳥が飛んでいった気がした。

76:yuyu:2014/01/04(土) 08:56 ID:rKw

そうなのか!
ごめん!!
よく読んどけばよかったのかな?
おk♪

77: & ◆f8Qs:2014/01/05(日) 09:37 ID:ASo

いえいえ、こちらも説明不足でした。
お応えできずごめんなさい……。

78:京:2014/01/05(日) 21:42 ID:VeA

ドジっこ系お邪魔虫、きょうちゃんでっす!!
…すみませんでした。

リクですぜ!
「月が綺麗ですね」
からおねがいします♪

79: & ◆jFOQ:2014/01/06(月) 08:46 ID:ASo

月が綺麗ですね。
もう、私がこうやって月を見られるのは、最後です。
真ん丸の満月が、こんな私を照らしています……。

アイツは、ずっと目障りだった。
ウチを抜かして成績トップ。
ウチなんかよりも美人。
正直、アイツが転校してきてから迷惑だった。
学校一の女子はウチなのに。
だから、いじめた。
ウチを抜かして良い気になるなよ。
むかつくの。マジうざい。
……お願い。死んでよ。
さすがにここまでは思っていない。
だけど口が動き始めると止まらない。
こんな酷いことを言うと、何だか胸が締め付けられる。
だけど、後戻りはもうできなかった。

私は、包丁を持っていました。
自分自身を、殺すために。
試しに、自分の手の甲に刃を当てました。
手に滲む赤色が、何だか恐ろしくなりました。
包丁の先にもその色が移りました。
その光景は、怖くて怖くてたまらなくなるものでした。
手から、包丁が滑り落ちました。
幸いにも、私の足には刺さらず、床に落ちました。
「私……どう死ねば良いの……?」
そのとき、雨が降りだしました。
あの満月は、雲に隠れました。
近くの川が増水しているかも…と思い付きました。
私は傘をささず、外に飛び出しました。
ねえ、あんた…死んでよ、死んでよ、死んでよ。
走る間、言われた言葉を繰り返しました。
川は思っていた通り、増水して流れが速くなっていました。
…さあ、さよなら。
私は最後に綺麗な満月があったところを見つめながら、川に身を投げました。

―本当に、死んだ。
アイツは、ウチの言う通りに、自殺したのだ。
馬鹿じゃん。馬鹿じゃん、ウチ。
ウチが殺した様なもんだ…。
ごめんよ、ごめんよ……。
こんなに謝ってももう戻って来ないことは知ってたけど、そう思うしかウチに残された道は残っていなかった。

80: & ◆jFOQ:2014/01/06(月) 08:48 ID:ASo

書いた後に言うのもなんですが、苦手な方は躊躇なく逃げてください!
リクありがとうございました。

81:aribaba chiaryrain@s7.spaaqs.ne.jp:2014/01/06(月) 11:25 ID:bQY

新しい野薔薇さんですね。
けっこうこういうの好みです。
じゃあ、
その日、僕の周りでは何が起こったんだろうか。
からお願いします。

82: & ◆Y8DY:2014/01/06(月) 14:33 ID:ASo

その日、僕の周りでは何が起こったんだろうか。
そのとき、僕は何を考えていたのだろうか。
今僕は何をしているのか。
僕は誰。此処は何処。
僕は……なあに?

「ここは天国。貴方は男。貴方はその日、事故で亡くなった……。」
後ろから急に声がした。
でも、周りには誰もいない。
「お前……誰だ?何処にいるの!?」
すると、近くのスピーカーから大音量で声が流れた。
「申し遅れました、私は音声ガイドです。名前はまだ……おっと、私は猫ではありませんよ。」
このガイドはかなり喋り好きらしい。
音量が大きくて頭が痛い。
僕はなぜ、天国にいるのだろうか……。
「お忘れですか?ではお教え致します。あれは丁度3日前。修学旅行の最中でした―。」

修学旅行。
僕らはバスで色々な所に向かっていた。
キキキィーーーーッ!
バスが急ブレーキをかけた。
前に、酔っ払い運転の車があったのだ。
それを避けようとした先は…崖だった。
「危ないっ!」
その叫び虚しく、僕らのバスは崖から落ちていった―。

でもそれなら、他の奴等は何処に……?
「此処は厳密に言うと、天国の中間地点です。貴方が一番軽傷で死んだので、此処まで来るのが遅くなったのです。」
こっちも死なせるかどうかの会議が長引きましてね、取り敢えずこの世とあの世をさまよって貰っていたのです。
ガイドは当たり前のようにさらっと言ったが。
何て不謹慎な奴なんだ……。
との心の声は綺麗にスルーされ、スピーカーは又話し始めた。
「これから、どうしますか。生まれ変わるか、ずっと死ぬのか……。」
僕は……死にたい。生まれ変わりたくない。
そう答えると、僕は勝手に自分の生い立ちを話していった。

親は離婚した。
ずっと夫婦喧嘩を繰り返し、お互い浮気相手がいた。
母も父も、僕は嫌いだった。
両親も僕を嫌いで、離婚するとき僕を押し付け合った。
どうやって押し付ける人を決めたかって?
……ジャンケン、なのだ。
負けた父は、しぶしぶ僕を預かった。
父は腫れ物のように僕を扱った。
家に帰るのが、苦痛だった。
もうこんな思いをしたくない。
辛くなりたくないよ…。

チリリ、チリリンッ!
いきなりそんな音がした。
「これは天国の電車。生まれ変わり線です。」
中に……みんながいた。
おいでよ。こっちに。
一緒に、生まれ変わろう。
待ってたよ、君の事。
僕は拳をぎゅ、と作った。
かたく、かたく。
大好きなみんな。
僕を優しく包んでくれたみんなは、全員、その電車に乗っていた。
「天国は、知っている人はいませんよ。それこそ、寂しいと思います。それでも、天国に行きますか?」
「……スピーカー、生まれ変わったら、またみんなと同じクラスにしてくれる?」
スピーカーから、ふふふ、と笑い声が微かに聞こえた。
「約束しましょう。」
そのとき、一人が僕に手を差し伸べた。
すると、二人、三人と、手を出してきて。
みんなの手が、僕に向かって開いた。
僕は小さく頷くと、その手を取った。
「生まれ変わり線、発車します―。」
電車の扉が、ゆっくりと閉まった。

83: & ◆Y8DY:2014/01/06(月) 14:35 ID:ASo

リクありがとうございました。
実は、話が全く思い付かず……。
こんな中途半端なものになりました……。ごめんなさい。

84:京:2014/01/07(火) 10:28 ID:VeA

リク受け付けてくれてあざまっす!!

野薔薇ちゃんの小説大好きです! あなた才能あるよ!!

余談だけど、「月が綺麗ですね」というのは夏目漱石が”I love you”を訳したものなんですよ!

ネットでしらべたらもうちょい詳しい説明があるんで、ぜひ見てみて下さいな♪

でも、野薔薇ちゃんの小説みたいな使い方も面白いですね!

本当にありがとうございました!

85: & ◆Y8DY:2014/01/07(火) 10:51 ID:ASo

それを知っていてのアレです(笑)
全然そんな綺麗なものではないのですが、敢えて。
そしてアレの書き方なのですが、まさか主人公を死なせて終わると後味が悪く、かといってその前の行動も書きたいといった気持ちがありまして。
その矛盾したものを実現させた苦肉の策です(笑)
駄作ですみません…。
京さんの豆知識、ネタにするので(おい)どんどん教えてくださいね☆

86:千代紙:2014/01/07(火) 13:19 ID:PYM

元(?)・柊 麗奈でっす!

野薔薇ちゃんのは私のと比べものにならないくらいスゴいよ……。
いっぱい人も来てるし、スゴいと思う!
ここでリク!
『君が死んだら』
『どうしようもないくらい泣きそう』
『月は太陽と反対で、』
『草花は強いのか』
『僕は雑草のようだ』
多くてごめんなさい!

87: & ◆Y8DY:2014/01/07(火) 14:56 ID:ASo

頑張ります…!
ではっ!

88: & ◆Y8DY:2014/01/07(火) 15:26 ID:ASo

君が死んだら、僕はどうなるのだろう。
僕はどうすれば良いのだろう。
どう生きていけば良いのだろう。
僕は、君がいないと何も出来ない。

僕の妻は、僕より5歳年下だ。
それなのに、僕よりも真面目で有能で、僕にはもったいない相手だ。
子供を、6人も産んだ。
半分が男の子、もう半分が女の子。
苦しみを懸命に耐え、沢山家族をつくってくれた。
僕という人間を、幸せにしてくれた。
全部、妻のおかげだ。
でも。
急に、妻の具合が悪くなった。
病院で、検査を受けた。
そして先生は僕に、妻の病名を告げた。
癌。
妻は、癌だった。
もう随分悪い状況だった。
ずっと辛かったのではないか、と先生は言った。
僕は頭が真っ白になった。

余命は一ヶ月だった。
子供達には、すぐ帰ってくるよ、と誤魔化した。
胸か締め付けられてたまらなかった。
本当は、違うのに。
もう……帰れないのかもしれない。
僕はいつまでたっても、覚悟が決まらなかった。
僕と妻が入れ替われたら。
そう考えない日はなかった。

妻は、穏やかな表情で、この世を去った。
微かな声で、「ありがとう。」と言って。
僕と子供達の顔を最期にゆっくり見てから、息を引き取った。
涙が、止まらなかった。
嘘だ嘘だ嘘だ。
こんなの、夢だ。悪夢だ。
そう思いたかった。
そのときだった。
「おとーさん。」
子供の声が、後ろから聞こえた。
振り返ると…子供達が、変顔をしていた。
―なぐさめて、くれているんだね。
僕は涙を拭いて、にっこりと笑った。
「じゃあ、お母さんとお別れしようか。」
子供達は頷くと、うわああ、と泣き、妻の体に顔を当てた。
僕は、病室から、ずっと空を見上げていた。
……もう、天国に着いたかい。
心の中で問いかける。
君が育てた子供は、僕が預かる。
僕も、君にお礼がしたい。
僕の側にいてくれて、ありがとう。

89: & ◆Y8DY:2014/01/07(火) 15:56 ID:ASo

どうしようもないくらい泣きそうで、私は冷たい川の水を顔にかけた。
さらさらと流れる小川に、私の顔が映る。
ねえ。
何でもっと早く思いを伝えられなかったの。
何でよ。ねえ、何で。
今更言っても遅いのは分かっているけど。
そう自分に問い掛けないと、また泣きそうだった。
私は濡れた顔を拭かずに、川を見つめていた。

先輩。
私の初恋相手。
入ったときから、好きだった。
サッカー部キャプテン。
少女漫画みたいで、心が弾んだ。
吹奏楽部の部室から、ずっとその姿を目で追っていた。
そう、そこだ、よし、シュート!
私の相棒のトランペットを吹きながら、私は先輩ばかり見ていた。
でも、先輩はこの学校の有名人。
ライバルが、沢山いた。
それに比べて、私は何でもない凡人。
でも、好きだから。
それにはちゃんと、理由があるよ……。

入部して、重い荷物を運んでいたときだった。
ああ、重い…何入ってるんだろ?
よたよたと廊下を歩いていると、先輩が通りかかった。
手伝おうか?
そう言うと、有無を言わせず、私の反対側を支えてくれた。
手が少し当たっていた。
それが何だか恥ずかしくて、嬉しかった。

でも、見ちゃったんだ。
私が帰ろうとしていると。
体育館裏に、人の影が見えた。
息を潜めて、そちらに行ってみると。
先輩が、美人な人と向き合っていた。
先輩の瞼が閉じられた。
そして、唇が―。
これ以上は、見られなかった。
私は物音が立っているのも気にせず、校門から飛び出した。
あてもなく、とにかく走った。

気付くと、小さい頃よく来ていた川に行っていた。
自分の顔をずっと見ていると、悲しい気持ちがこみ上がってきた。
もう……止まらない。
うっ、うっ、と静かに泣きながら、トランペットを吹いた。
気が紛れるように。
でも、嗚咽で上手く吹けなくなった。
トランペットを、口から離した。
そのときだった。
「大丈夫?」
自転車に乗った男の子が、私の顔を覗きこんだ。
何も言えず顔をみつめていると、彼が友達に呼ばれた。
元気出せよ。
そう言って、彼は自転車のペダルをこいだ。
……新しい恋の予感がした。
私は早くなる鼓動を抑えてから、ゆっくりと立ち上がった。

90: & ◆Y8DY:2014/01/07(火) 16:24 ID:ASo

月は太陽と反対で、自ら光を発しない。
太陽の光を反射させて、この夜空に浮かんでいる。
はああ。
俺は月を見ながら溜め息を吐いた。

俺の親友は何でも出来る。
勉強も運動も、他全てを完璧にこなす。
俺にとってアイツは太陽だ。
それに比べて、俺は何も出来ない。
月の様に、俺も輝きたい。
月はいいよなあ。
何もしないのに、キラキラと輝いているんだから。

中間テスト。
アイツはいつも通り、学年トップ。
俺は最下位寸前。
親友なのに、この差は一体何だろう。
俺はテストを丸め、リュックサックの奥に押し込んだ。

「なあ……お前、いつもどのくらい勉強してるんだ?」
帰り道、俺は何となくといった体で聞いてみた。
「うーん……トータルで……平日4時間、休日8時間ってもんかな。」
さらり、と言ったが……多っ!?
俺は平日は部活で疲れたと自分を誤魔化し何もせず、休日2~3時間したら他のことをしてしまっていた。
俺……努力してねえじゃん。

月は、太陽の光を反射して輝いている。
その位置関係は、奇跡と言って良いほど丁度良いところにいるのだ。
そして、昔の人間に、夜、光を届けた。
俺も役に立たないといけない。
月になる前に、努力をしなければいけないのだ。
いや、俺は月じゃなくて。
太陽を、目指してやる。

91: & ◆Y8DY:2014/01/07(火) 16:45 ID:ASo

草花は強いのか。
僕は足元を見つめていた。
しゃがんで、一本花を摘む。
ぷち、と簡単に摘める。
皆強い強いというけれど、僕は理解できない。
こんなに簡単に。
草花の、どこが強いのだろう……。

僕は、何故か合唱祭の指揮者になってしまった。
嫌だ。面倒臭い……。
練習する気も起きず、ただ腕を振っているだけだった。
結構疲れる。
3分間くらいの間、ずっと同じ高さに腕を動かし続ける。
リズムはとれず、息がきれた。
歌いにくいなあ。
そんな声が聞こえる。
じゃあお前やれよ……とは言えない。
ただ、ぎこちなくやるのが精一杯だった。

明日の朝練、嫌だなあ……。
僕はぼんやりとそんなことを考えながら俯いて歩いていた。
「あれ?」
アスファルトに、ひびが入っていた。
何だろう、これ……。
僕は首を傾げながら、また歩き出した。

課題曲の指揮者は、とても上手かった。
ピアノもないのに、全く早くならない。
顔も楽しそうだ。
僕は、その指揮で歌うのが楽しかった。
……僕は、こうなれているのだろうか。
リズムは滅茶苦茶で、顔も辛そうにしているのではないか。
でも、僕には才能がないから仕方無いや。
自分を誤魔化しているのは分かっている。
でも、その考えに甘えてしまう自分がいた。

帰り道。
昨日と同じ様に、俯いて帰っていると。
昨日のひびの割れ目に、小さな草が蕾をつけていた。
アスファルトを突き抜けて、花を開こうとしているのだ。
この花に比べて、僕は何て弱いのだろう……。
よし、僕も。
小さく頷くと、僕は家まで走っていった。
蕾が、さわわ、と揺れた。

92: & ◆Y8DY:2014/01/07(火) 17:20 ID:ASo

僕は雑草のようだ。
作物の栄養を奪う、泥棒だ。
必要とされない存在。
邪魔な存在。
消えるべき存在。
僕は、そんな人間なのだ……。

僕は親から虐待を受けている。
毎日ちょっとしたことで、頬を叩かれて、物置に閉じ込められる。
鍵のかかる、がちゃんという音が怖くなった。
出して、出してよ。
大声で叫んで、ドアをバン、バンと叩く。
すると、うるさいと怒鳴られる。
あんたなんか産まなきゃ良かったよ。
いつも、そう言われる。
本当に産まなければ良かったと思う。
いや、産まれたくなかった、の方が正しい。
こんな僕になんて、なりたくなかった……。

家に帰るのが怖かった。
いつも、部活と嘘をつき野原などで時間を潰している。
野原に生える雑草を、すっ、と抜く。
そんな行動をずっととっていて、小さい子に怖がられた。
でも、他にやることがないから仕方無い。
今日も雑草を抜いていると、警備員さんに声をかけられた。
優しそうな顔で、隣に座って、抜いちゃ草が可哀想だとたしなめた。
僕は、事情を話すことにした。

話し終わると、警備員さんはうーん、と傾いだ。
「雑草かあ……、雑草って、大切なんだよ。」
えっ、と急な展開にとまどっていると、警備員さんは分厚い本を持ってきた。
ちょっと待てどうなってるの作者!?
(いやー、こうしないとハッピーエンドにならないんすよ)
そ、そうなのか……。
出来れば良い感じに終わらせて欲しいからなあ。
(だから、そのまま続けてくださーい)
おっけ、了解。
僕はその本を読んだ。
地球の環境に…雑草が貢献している……!?
「そう、雑草は大切なんだよ。嫌われても、必要なんだ。」
僕は、手に持っている抜いた雑草が、急に輝いて見えた。

その後、警備員さんに教えられて、そのことを相談した。
相談員は、すぐ行動を起こしてくれた。
今の僕は、幸せだ。
親は優しく僕に接するようになった。
たまに、あんなことがあったのを忘れるくらいだ。
「映画、行くぞー!」
はーい、と僕は親の方に走って行った。

93: & ◆Y8DY:2014/01/07(火) 20:25 ID:ASo

遅れましたが、リクありがとうございました★
明日からまた授業が……ということなので、更新遅れます。
ご了承ください。

94: & ◆Y8DY:2014/01/08(水) 13:05 ID:ASo

最近ドロドロしたものばかりなので、純粋な感じを書きたいと思います。
ただ ……初恋もまだ、告白未経験の完全素人女子です。
間違ってたらごめんなさい…。

95: & ◆jFOQ:2014/01/08(水) 13:39 ID:ASo

集合は駅の前。
私はドキドキしながら、時間の20分前に着いた。
……ちょっと早すぎたかな。
茶色のコートに顔をうずくめ、黒い鞄をぎゅ、っと握る。
一晩中考えて選んだ桜色のワンピースが風になびいた。
「おまたせ。」
後ろから、恥ずかしげな優しい声がした。

ずっと前から、好きだった。
中学の頃から。
不器用なのに誰よりも一生懸命で。
その姿が、可愛いと思った。
君の微笑みが、大好きだった。
卒業式に、君に呼ばれた。
私達は別々の高校に行くことになっていた。
君が、顔を真っ赤にしながら。
小さい声で「好きです」と呟いた。
私は嬉しくて、卒業証書を、力一杯握っていた。

違う学校に通い、なかなか会えなかったけど。
冬休みに、それぞれ都合を合わせて、会うことになった。
初めてのデート相手が君だ、って考えると胸が弾んだ。
携帯は充電した。服もバッチリ。お財布には貯金が全部ある。
……という様に、全て何度も確認して。
どんなことを言おうかな。どんなことをしようかな。
そう考える度、心臓の音が家族に聞こえていないか心配になった。

お揃いのマフラーを買った。
「あったかいね」って言うと、君は目を逸らしながら頷いた。
初めて握る君の右手。
意外とゴツゴツしていて、固かった。
小刻みに震えている君の手を、優しく包んであげた。
恥ずかしがりやの君の横顔。
私よりも高い位置にある。
その顔を見上げるのが好き。
それに気付いた君は一瞬で真っ赤になった。

雪が降ってきた。
寒くて、君に体を寄せた。
すると君は、恥ずかしそうにしながらも、君のポケットに私の手を突っ込んだ。
ポケットの中はあったかくて、やさしかった。
このまま、ずうっと歩きたい、と思った。
私は、少し背伸びをして、君の肩に手をかけた。
驚いている君の頬に、軽く口づけをした。
君は赤くなりながらも、ゆっくりと私を抱き締めて。
柔らかく、唇が触れた。

96: & ◆Y8DY:2014/01/08(水) 15:30 ID:ASo

テストです。
私の下手な絵、なのですが……。
上手くいけば、これから小説に関する絵(女の子のみ)を載せられたら……と思います。

http://kie.nu/1AX5

97: & ◆Y8DY:2014/01/08(水) 15:31 ID:ASo

画質悪くてすみません。
載せられて嬉しいです♪

98: & ◆Y8DY:2014/01/08(水) 16:38 ID:ASo

>>4
作成途中ですが。

http://kie.nu/1AXn

99:yuyu:2014/01/08(水) 17:22 ID:RLM

りくです!

「「あれもしたい これもしたい もっとしたい もっともっとしたい」」

からお願い!

100:ゆゆ:2014/01/08(水) 17:27 ID:RLM

ちなみにさっきのは、ブルーハーツの曲の歌詞です。

「ドブネズミ・・・・・

の方にしようかと思ったけど、有名すぎるのでやめました。

野薔薇ちゃん、プロ並みの執筆力!!あこがれます。

101: & ◆Y8DY:2014/01/08(水) 17:31 ID:ASo

レス100突破です☆
皆様のおかげです。
これからもよろしくお願いします。
あと、絵が完成しました。
モノクロですが……

http://kie.nu/1AXE

102: & ◆Y8DY:2014/01/09(木) 20:46 ID:gkA

あれもしたい。
これもしたい。
もっとしたい。
もっともっとしたい。
自分の欲求を白い紙に書いてみる。
……全部、彼のことじゃない。
嗚呼、馬鹿だなあ私。
紙に、水滴が落ちた。
はっ、と我に返ると、私は紙をビリビリに裂いた。

私の片想い相手が、引っ越してしまう。
今日は彼のお別れ会だった。
放課後、最後のチャンスだ、と思って告白しようと彼を物陰で待っていた。
すると。
彼の第2ボタンが、消えていた。
きっと、誰かに渡しちゃったんだ。
私は溢れ出す涙を抑えながら、走って帰った。

―もう、私の恋は終わったんだよ。
知ってるよね、私。
自分自身に、問い掛けた。
今日、彼がこの街を去る。
私は今、彼の家の前に一人佇んでいた。
何で、こんなに緊張しちゃってるんだろう。
何もせず立っていると、彼が家から出てきた。
彼は少し驚いてから、急に顔が真っ赤になった。
そして、握っていた左手を私の前に出して開いた。
手の中には…第2ボタンがあった。
「君にあげたくて、ずっと持ってた。僕のこと好きじゃなくて良いから受け取ってくれ…」
そう言って私の手にボタンを押し込むと、走って車に向かおうとした。
「待って!」
私は何も考えずに彼を止めた。
良い雰囲気の言葉を発したかったけど、思い浮かばなかった。
でも。
これだけは言える。
私は恥ずかしい思いを吹き飛ばす様に叫んだ。
「私……貴方のこと、大好きです!」

手紙やメールのやり取りを約束し、彼は引っ越していった。
私は、ずっと手を振っていた。
車が曲がって見えなくなると、私は名残惜しい様に手をゆっくり下ろした。
涙が目に溜まったまま、第2ボタンを青空に翳した。
……ここに、彼がいる。
欲しいと願ったボタンは、太陽を反射してキラキラと光っていた。

103: & ◆Y8DY:2014/01/09(木) 21:03 ID:gkA

ここ(たんぺんしゅう。)の短縮URLを作りました。
私が不在のときのトラブルがあった場合、貼り方を知らない方がURLを直打ち出来るようにしました。
実際私も直打ちですが……(汗)

http://p.tl/f_TS

104: & ◆Y8DY:2014/01/09(木) 21:04 ID:gkA

間違えました。

http://p.tl/f-TS

105: & ◆Y8DY:2014/01/10(金) 20:15 ID:i.k

>>7
の絵です。

http://kie.nu/1BdN

106: & ◆Y8DY:2014/01/12(日) 13:16 ID:i.k

自分から、書きたいと思います♪

107: & ◆Y8DY:2014/01/12(日) 14:15 ID:i.k

あなたは、一度裏切られた人を、もう一回信じることができますか?
私は、できない。
どんなに些細なことでも、「裏切られた」との事実は、変わらないから。
もう少し、心の広い人になりたい、とは思う。
でも、生まれつきの頑固な性格は、そうはさせてくれなかった。

私は、耳がほとんど聞こえない。
小学生の頃、原因不明の高熱を出し、両耳共補聴器を着けても大きな音が微かに聞こえる程度の耳になってしまった。
それまで、普通の公立に通っていたので、そのまま同じ小学校に行っていた。
でも、耳のことでいじめや差別を受けた。
すごく、苦しかった。
私も、耳が聞こえていれば普通の女の子なのに。
この生活から、抜け出したかった。
だから、中学はバリアフリーが整っている、私立女子学校を受験した。
結果は見事合格。
この学校は私の様な人が沢山いたので、もうからかわれることは無くなった。

自転車を使うと聞こえないから危ないので、私はバスで学校に通っている。
たまたま、同じバスにクラスの子が乗って来た。
彼女は健康なお嬢様。
私は彼女と筆談で話していた。
おおらかな彼女に、あの辛い日々を話してみたくなった。
私は出来る限りの良い言葉遣いで、そのことを持ち歩いているスケッチブックに、マジックで書いて彼女に見せた。
すると、彼女は。
私を見た途端……笑った。
え。
どうして笑うの。
分かるんだよ。
耳が聞こえなくても。
そんなに、悩んでたことがおかしいの。
あの日々を。
あの私を。
そんなに簡単に、笑い飛ばせるの。
ねえ。
そんなに、耳が悪いのは、変なことなの?
私は湧き出てくる怒りを懸命に抑え、苦笑いの表情を保った。
彼女は、笑うのを止めた。
そのとき、丁度バスが、停まった。

私、こんなに弱かったんだっけ。
前はこんなの、軽い方だったのに。
今…すごく、泣きそうだ。
好きだったのに。
楽しかったのに。
この学校。
あのメンバー。
……どうして?
あんなことされたのに。
また、信じたいと思っている自分がいる。
もとに戻したい、という自分が。
一度裏切られたら、二度と信じない。
耳が聞こえなくなってから、そう心に決めたのに。
決めなくても、信じられなくなっていたのに。
もう、自分の抱いている感情がよく分からなくなっていた。

次の日。
私は、学校を休んだ。
色々な思考が頭の中を駆け巡って、体が重たかった。
布団を頭まで被りながら、ずっと考えていた。
私が、どうしたいのか、分からない。
思考回路が複雑に絡み合い、どんどん混乱していく。
嗚呼、私は一体、どうしたいの…!?
気付いたら、もう夕方になっていた。
考えているうちに、寝てしまっていたらしい。
携帯電話の着信ランプが点滅していた。
メールが、一通届いていた。
題名は……「ごめん」。
彼女からの、メールだった。

「昨日はごめんなさい。実は、貴女の顔にマジックがついていたので、笑ってしまったんです。表情とスケッチブックを見て、はっとしました。すみませんでした。」
そして、その文の少し下まで見ていくと、
「P.C. 明日は学校に来てね!」
と書いてあり、横には可愛らしい絵文字が付いていた。
体が、何となく軽く感じた。
私の携帯は、返信メール作成画面に移動した。

108: & ◆Y8DY:2014/01/12(日) 14:47 ID:i.k

>>8
希望者がいないようなのでやめます!

109: & ◆Y8DY:2014/01/12(日) 15:04 ID:i.k

>>15
下書きですが……。

http://kie.nu/1Bru

110: & ◆jFOQ:2014/01/12(日) 15:05 ID:i.k

また自分からです☆

111: & ◆Y8DY:2014/01/12(日) 15:33 ID:i.k

喧嘩……か。
俺は手に持っている漫画を見た。
酷いシミ。
俺は悪くない。
でも、良くもない。
非が10:0ではない。
少しは俺も悪かった。
でも……いくら何でも、あれはないだろ…。

ずっと、追いかけていた。
昔から、ファンだった。
その作者が5年ぶりに、新しい漫画を出した。
俺はこの日のために、ずっとHPを見続け、お金を貯めていた。
そして朝早くから本屋に並び、やっと、手に入れたのだ。
誰にも、貸したくなんかなかった。
だから、誰にもこのことは言わなかった。
―彼奴を除いて。
彼奴は俺の親友だから、特別に見せてやった。
そうしたら。
俺も読みたい、貸してくれ。
そう言い、無理矢理漫画を引ったくった。
次の日、彼奴の手には、汚れた漫画があった。

めんご、汚しちゃってさあ。
そう軽く言われた。
親友だろ?
その言葉に、カチンときた。
は?何が親友だよ、俺の大切な漫画を汚すなよっ!
俺はこれを買うのにどんなに苦労したかをまくし立てた。
お前なんか、親友じゃねえ!
彼奴の顔が、真っ青になった。
そのとき、授業開始のチャイムが鳴った。

どうしてくれるんだっ!
俺はランドセルを無造作に床に叩き付けた。
もうあと2ヶ月程しか使わない、黒いランドセルは床で蓋が開き、中身を全て出した。
くそ、面倒臭いな。
舌打ちしながら教科書類をしまう。
あーもうっ!
俺は、どうしたいんだよ……っ!

朝。
ロッカー式の靴箱の中に、メモが入っていた。
「漫画、弟がジュース溢して汚したんだ、ごめん。買うことはできなかったけど…、また仲直りしてくれる?」
そのメモには、小銭が幾つか挟まっていた。
きっかり、漫画の値段だった。
俺は、ポケットにそれらを入れ、ノートを裂いて試行錯誤しながらも文を練り上げて、彼奴の下履きの中に置いた。

112: & ◆Y8DY:2014/01/12(日) 15:40 ID:i.k

下履き、じゃなくて上履きです!
すみません……

113: & ◆Y8DY:2014/01/12(日) 15:52 ID:i.k

絵、完成したので載せますね!

http://kie.nu/1BrK

114: & ◆Y8DY:2014/01/13(月) 13:32 ID:i.k

自分からいきますっ!

115: & ◆Y8DY:2014/01/13(月) 13:55 ID:i.k

何なんだよ。
いっつもそうだ。
俺の気持ちなんか、考えちゃいねえ。
どーせ、弟の方が可愛いんだろ?
あーはいはい、そうですか。
俺のことなんか、嫌いなんだろ……?

俺には弟がいる。
来年、弟は小学校に通い始める。
俺は、小6になり、中学受験して、バスケが強い学校に。
俺も忙しいのに、親は弟ばかり構う。
なんでもかんでも、俺のせい。
弟と喧嘩になったら俺だけ怒られる。
弟が悪いことをすると、俺が叱られる。
お兄ちゃんなんだから。
いつも、それだ。
兄に生まれてしまったおかげで、俺は随分損している。
お兄ちゃんだからって、何だよ。
俺は好きで年上な訳じゃねえ。
いつもいつも、弟弟弟。
そんなに、弟の方が好きなのかよ。
兄に生まれるんじゃなかった。畜生。
そう、いつも心の奥深くで叫んでいた。

今所属しているバスケチームも、来年度受験に向けて辞めることにした。
今日は、最後の試合。
でも、家族は来ない。
今日は学校説明会なのだ。
やっぱり、弟優先か。
期待していた訳じゃないけど、何となくガッカリした。
その思いを振りきる様に、プレーに集中した。

俺のチームが負けている状態で休憩時間になった。
「おーい!」
俺を呼ぶ声が、したような気がした。
いや、気のせいではなかった。
振り返ると、弟と母さんが、走ってこっちに来ていたのだ。
「学校説明会終わったから、来ちゃったの!」
そう言う母さんの手には、俺の名前が書いてある小さな旗が握られていた。
「おにーちゃん、がんばって!」
そう言い、弟は拳を俺に向かい出してきた。
「……おう!」
俺は弟と拳を軽く合わせた。
……この試合、絶対勝ってやる。
試合開始のホイッスルが響き渡った。

116: & ◆Y8DY:2014/01/13(月) 14:47 ID:i.k

くうん。
犬の鳴き声が、近くで聞こえた。
見てみると、散歩している老夫婦。
飼い主のペースに合わせて、ゆっくり、歩いている。
……思い出しちゃうな。
あの切ない日々。
あの子と暮らした、一週間を―。

赤いランドセルを背負いながら、私は茂みの中に走って行った。
本当は、行っちゃいけないって言われてるけど、気にしない。
此処は沢山の動植物がいて、私のお気に入りなの。
池を覗いていると、ちりん、と鈴の音が聞こえた。
振り返ると……一匹の、犬がいた。
つぶらな瞳で私をじいっと見て、くうん、と鳴いた。
首輪を着けているから、どうやら迷子犬みたい。
そうっと手を顔の前に差し出すと、ぺろん、と舐めた。
……可愛い。
しゃがんで、首を撫でる。
ふわふわしていて、あったかい。
犬はその間、私の顔をずっと舐め続けていた。
―でも、家はアパートだ。
犬は、飼えない…。
ばいばい、と言いながら、私は犬の頭を、ぽん、と叩くと、帰ろうとした。
すると、犬は、私を追いかけて来た。
ちりん、ちりん、と音が後ろで聞こえる。
私は、泣きながらも走って帰った。
ごめんね、ごめんね。
私、あなたを飼うことはできない……。
茂みの中では、くうん、くうんと寂しげな鳴き声が響いていた。

次の日。
帰り道、またあの犬と出会った。
犬は、こちらを見てしっぽをぱたぱたと振っている。
はっ、はっ、と舌を出しながら、私に向かって駆けてきた。
「きゃあ!」
犬が思い切り私に突進して来たのだ。
私は派手に尻餅をついてしまった。
「いったあ……。」
私が強打した部分を擦っていると、くうん、と心配そうな目で顔を舐めてきた。
心配してくれてるの…?
私は嬉しくて、ぎゅっ、と犬の首を抱き締めた。

こっそり、物置で面倒を見ることにした。
給食のパンや牛乳をポケットに入れ、犬にあげていた。
犬はしっぽを振りながら、ぺちゃぺちゃと牛乳を飲んだ。
会ってから、一週間が経った。
いつも通り、ご飯を物置に持って行くと、両親がいた。
犬のことが、バレたのだ。
私は激しいお説教を食らった。
「犬は追い出しましたからね!」
そのお母さんの言葉で、お説教の途中なのも忘れ部屋を飛び出した。
暗い夜の田舎に、私は大きな声で呼びながらさまよっていた。
でも、もう、あの犬に会うことはできなかった。

あれから、あの犬はどうしたんだろう。
私は、澄んでいる空を見上げた。
ちゃんと、飼い主のところに戻れたのだろうか。
……きっと、戻ったよね。
あの鈴は、音がしないように私が持っていて、そのままだった。
今でも、お守りとして持ち歩いている。
私は、携帯についている金色の鈴を少し揺らした。
ちりん、という音と同時に、くうん、と鳴き声が聞こえた様な気がした。

117: & ◆Y8DY:2014/01/13(月) 16:27 ID:i.k

「それは白いお城のような所だった」
「雲行きが怪しい」
「大丈夫か、この会社」
とのリクをメールにて受け取りましたので書きたいと思います。

118: & ◆Y8DY:2014/01/13(月) 17:23 ID:i.k

それは白いお城のような所だった。
……いや、お城だ。
私は、現状が信じられていなかった。
服は純白のドレス、頭には白い冠。
後ろには、カボチャの馬車。
え……えええええええっ!?
私は綺麗に整っている髪をかきむしった。
い…一体どうなってるのおおっ!?


えーっと、私は、絵本を描いていたのだ。
私の夢は絵本作家。
そのために、まずは有名な絵本を見ながら、手作りの絵本を製作していた。
そう、私は、シンデレラを書いていたのだ。
描いている内、シンデレラが私似、王子様がちょっと憧れている彼似になっていた。
だって……ちょっと、憧れるじゃない。
ずっとお母さんやお姉さんにいじめられて。
舞踏会に行けなくて泣いているシンデレラに、魔女が魔法をかけて。
王子様と出会い、靴のおかげでシンデレラはみなしごから王女様へと変わる。
私も、そうなりたいな。
そう思い描いていたら、いつのまにかそっくりになっていた。
嗚呼、私の王子様も、この絵本みたいにゲットできたらいいのに……。
そう考えながら、ぎゅっ、と出来上がった絵本を抱き締めて。
……その後、意識が途切れたのだ。

私は、絵本の世界にいるのだろうか……。
でも、肝心なスタートを切らずに始まっている。
ああ、そっか。
似てきたのは、魔法をかけられた後から、なのだ。
そこまでは、普通のシンデレラがやってくれたのだろう。
……私、ラッキー!
ちょっとドキドキしながら、階段を上がる。
この階段で、後で靴を落とさなきゃいけないのね。
そして、その後は……うふふふっ!
顔を火照らせながら、私は階段を上りきった。

……私の王子様が、私の手を取った。
「踊りましょう、シンデレラ。」
胸が、きゅんきゅんした。
とっくん、とっくん、と鼓動が激しくなるのを感じながら、その白い手を優しく握った。
不細工なのに、シンデレラなんかになっちゃって良かったのかしら。
自分で描いたくせにそんなことを考えてしまう。
ぼーん、ぼーん……。
え、もう12時!?
至福の一時はすぐに終わった。
私は急いで階段を下りると、靴を脱いで、段差に置いた。

それからが大変だった。
おばさん達は私を召し使いの様に扱った。
シンデレラって、こんなに大変なのね。
最初に頑張ってくれたシンデレラに心の中で謝罪する。
ごめん、最初から私似にしとけば良かったね。
何か謝るポイントが違う、と感じながらも、私は蜘蛛の巣を箒で払った。

さあ、来た。
王子様は、靴を私に差し出した。
ゆっくり、足を入れる。
……ぴったりだ。
魔法使いが私をウエディング姿に変えて、結婚式に向かう。
さあ……待望の、き、キス………!
唇が、ゆっくりと近づき……。

はっ。
気付くと、私は机で居眠り体勢になっていた。
……夢、だったのかな。
あと少しだったのに、惜しかったなあ。
私は、足をぶらぶらさせた。
……片足が、何となく重い。
見てみると、私は、ガラスの靴を履いていた。

119: & ◆Y8DY:2014/01/13(月) 19:49 ID:i.k

>>20
下書きですが。

http://kie.nu/1BDE

120: & ◆Y8DY:2014/01/13(月) 20:13 ID:i.k

描きました。
失神にご注意を。

http://kie.nu/1BDO

121: & ◆Y8DY:2014/01/14(火) 17:45 ID:i.k

雲行きが怪しい。
天気、でなく、僕らの関係のことだ。
今まで、ずっと一緒だったのに。
僕はどうすれば良いのだろうか……。

僕の彼女は、生まれつき車椅子の生活をしている。
近所の幼馴染みの僕は、当たり前の様に、車椅子を押す係になっていた。
ずっとそうだったから、違和感は感じていない。
からかわれることは無かった。
僕が学校で一番、車椅子の扱いが上手いからだ。
小、中学校も、サポート役として同じクラスだったし、同じ高校に入ってからもそのままだ。
ずっと、僕達は一緒にいた。
そこから、何となく恋が生まれて、いつの間にか恋人関係になっていた。
どちらからも、告白なんかしていない。
いや、したのかもしれないが、ごく自然なものだったのだろう。

彼女と、家で映画を観た。
面白そうだ、と単純に考えて僕が借りてきたDVD。
偶然、彼女と同じ、車椅子の子が登場した。
障がいなんて関係ない、といった内容だった。
見終わると、彼女は目に涙を溜めていた。
こんな人だと思ってなかった。
私の足を、貴方が、わざわざ?
酷い、酷いわ。
そうじゃない、と僕は慌てた。
本当に、ただ面白そうだから持ってきただけなのだ。
でも、彼女は聞いてはくれなかった。
家を追い出されると、鍵を掛けられた。
がちゃん、と言うロック音が、これほど嫌なものだとは思ってもいなかった。

悪気は、本当になかった。
でも、僕は彼女を傷付けたのだ。
明日から、どうしよう。
頭の中は彼女のことで一杯で、夜は良く寝られなかった。

次の朝。
どうしようか悩んでいると、インターホンが鳴った。
急いで出ると、彼女がいた。
「昨日は、ごめん。学校、また、一緒に行ってくれる?」
小首を傾げた彼女から、ふんわりと良い匂いがした。
もちろん、と頷くと、はにかんだ可愛らしい顔を、僕に見せてくれた。

122: & ◆Y8DY:2014/01/14(火) 20:29 ID:i.k

大丈夫か、この会社!?
俺は初めて来た……、これから勤める、このビルを見上げた。
雑草だらけで、元は白かったのであろう壁は汚れていた。
地図を何度も確認する。
間違いない。
俺は勇気を出し、古びた扉をゆっくりと開けた。

俺は就活に失敗した。
一浪して、そこそこの大学に入ったのだが、沢山の会社で、一次考査の段階で落ちた。
俺は、少し自分を出しすぎてしまうのだ。
昔からの夢だった、大工はなれなかった。
親が反対したのだ。
危ない、絶対に認めない。
過保護すぎるこの親は、俺にとってはたまに重荷だ。
一つだけ、受かったのがこの会社。
でも、俺は大工よりもこっちの方が危険だと思う……。

会社の中は、古いながらもなかなか綺麗だった。
おじさんが掃除しているのを見た。
清掃員がいるのか。
だったら外やれよ、と思いつつ、仕事場に入る。
社員、約10名。
女性社員が一人で、他はみな男性だ。
むさくるしいなあ、と思いつつ、社長室のドアをノックする。
その中でボロい椅子に足をかけて座っているのは……さっき見た、あのおじさんだった。

自己紹介を終え、席を教えられた。
言われた通り腰掛けると、隣の席の、会計の女性社員が声をかけてきた。
「よろしくね。」
はにかんだ笑顔。
……やばい、俺ちょっと今ドキドキしてる!?
緊張を精一杯抑え、小さくお辞儀をした。

仕事は、大変だったけれど、楽しかった。
会社は全然儲けが無くて、給料は少なかった。
気付くと、俺はあの女性社員と結婚し、俺が独り暮らししていたアパートは、二人で使っていた。
たまに、外で、カンカンカン、と金槌の音がする。
新しい家を作っているのだ。
今も楽しいけど……やっぱり、憧れてしまう。
長年の夢の音。
その音色にうっとり聞き惚れている俺を、妻が寂しそうに見つめていることには気付かなかった。

「ねえ、やり直したい、って思う?人生。」
唐突に、そう聞かれた。
返事に困っていると、妻は続けて言った。
「大工さん、なりたかったんでしょ?」
驚いた。
俺がびっくりしていると、いつも家作ってる人をじいっと見てるから、と言って、妻はなぜか悲しそうに笑った。
「今まで、ありがとう。」
急にお礼を言われた。
何でそう言われたか、分からなかった。
過去形じゃなくて、これからも、だろ。
そう言って、俺は妻の額に軽くキスした。

朝。
起きると俺は、一人きりだった。
いつもはこんなことないのに。
先に行ったのかな、と思いながらジャケットを羽織る。
エレベーターのボタンを押すと、仲良くしてるお爺ちゃんが声をかけてきた。
「就活かい?頑張ってな。」
……え、就活!?
お爺さんがボケてきた、と言うことを祈りながらアパートを出た。
会社へ歩く。
……そこは、立派な高層ビルが建っていた。
ど、どうなってるんだ!?
俺は妻の名を懸命に叫んだ。
でも、返事は何もない。
携帯電話を取り出す。
―俺の携帯が表示している日時は、紛れもなく、俺があの会社の面接を受けたものだった。

俺は、夢でもみていたのであろうか。
妻の所有物は、この部屋から全て消えていた。
妻の家族との電話は繋がらない。
俺が勤めていた会社名をネットで検索しても、出てこなかった。
……嘘だろ。
呆然としていると、机の上に、メモが置いてあった。
「大工さんになってください。」
妻の字。
読み終わると、メモは机の上から消えた。
カレンダーには、明日に赤丸が書いてある。
「大工試験日」。
何気なく手を見ると、薬指には結婚指輪があった。
その手で、拳を作る。
……約束だ。きっと、俺は大工になる。
結婚指輪の上に水滴が落ち、きら、と一瞬光って、消えた。

123: & ◆Y8DY:2014/01/15(水) 19:49 ID:6H2

お知らせです。
此処で、いつか台本をのせるかもしれません。
部活動が演劇部なのもありまして、台本を書きます。
普通にお話も書くので、リクは沢山どうぞ。
急に台本を載せることになりますが、気にしないでください。
いつ載せるかは未定で、それまでのリクエストは勿論受け付けます。

124: & ◆Y8DY:2014/01/15(水) 20:28 ID:6H2

お知らせです。
此処で、いつか台本をのせるかもしれません。
部活動が演劇部なのもありまして、台本を書きます。
普通にお話も書くので、リクは沢山どうぞ。
急に台本を載せることになりますが、気にしないでください。
いつ載せるかは未定で、それまでのリクエストは勿論受け付けます。

125:aribaba chiaryrain@s7.spaaqs.ne.jp:2014/01/16(木) 19:27 ID:bQY

おっ!
念願の台本を書いてくれるんですね!
楽しみにしてます^^
じゃあ、
一体いつになったら始まるんだ。
からお願いします。

126: & ◆Y8DY:2014/01/17(金) 20:22 ID:jhQ

連レスになっていてすみません。
リクエストありがとうございます!

127: & ◆Y8DY:2014/01/17(金) 21:14 ID:jhQ

一体いつになったら始まるんだ。
私の、恋は。
初恋もまだなのに、もうこんな年齢になってしまったわ。
「お嬢様」に生まれ25年。
いつまで経っても、結婚出来ない。
婿養子をとって、血筋を引き継ぐことだけが、私の使命なのに―。

広い庭を、車に乗って散歩する。
車なんだから、散歩、とは言えない。
でも、風邪を引くと大変だって、お父様とお母様が許してくださらない。
運動しない方が危険よ、馬鹿。
こんな言葉を使うと叱られるので心の奥深くにしまいこむ。
大企業のご令嬢も、楽じゃない。
私の存在意義は、血筋を引き継ぐことだけ。
姓を引き継ぐ子供を産む、ということを終わらせれば、私は必要無い。
不自由な暮らしを強いられ、良家という縄に縛られて一生を終える。
何てつまらない人生なのだろう。
でも、その使命も、果たせていない。
学校は幼稚園から大学まで、私立女子学校だった。
私は、男という生物をあまり知らないのだ。
元はと言えば女子学校に通わせた両親が悪いのだが、今はとても焦っている。
沢山のお見合い相手が出てきたが、全て会う前に断ち切られた。
少しでも悪い箇所を見付けると、勝手に捨てられる。
私のこと、全部、貴方達のものさしで計らないでよ。
私は、自分から望んで何か一つでもやり遂げたことがあっただろうか。
ずっと私は、窮屈な思いをしながら過ごして来た。

「初めまして、お嬢様。神田と申します。」
新しい召し使いが、私の部屋に入って来た。
おかしいな、と首を傾げる。
今まで、わざわざ部屋に入って来てまで自己紹介するメイドや召し使いは居なかったはずだ。
もしも毎度されていたら、名前なんか覚えられないのだ。
「私は、お嬢様の結婚相手です。これからどうぞお付き合い宜しくお願い致します。」
けっ……、結婚、相手!?
神田は、召し使いなどでは無かった。
私の、夫、となる予定の人なのだ。
嘘…、嘘でしょ!?
私は目眩がして、側の机に支えを求めた。

とぼとぼと、夜の庭を歩く。
こっそり部屋を抜け出して、色々と考えたかったのだ。
私は、私の好きな人と結ばれたい。
でも、今まで恋は未経験だ。
私の使命は、子供をつくり血筋存続を保つこと。
でも、結婚まで、親に決められなくちゃいけないのだろうか。
一生の、私の人生の大切なことなのに。
私は、願望と使命の間で大きく揺れた。
そのときだ。
バババババッ!
急に激しい銃撃音が鳴った。
「そこをどくなよ、お嬢様。」
にやり、と笑ったのは、サングラスをかけたヤクザだった。

私は腕を取られ、縄で縛られた。
身動きがとれない。
体をよじったり、縄を口で噛みきろうとしたりしたが、魚籠ともしない。
その間、激しい銃の音が頭に響く。
「金を出せ!さもなければこいつの命はない!」
ご令嬢に向かってこいつとは何よ、と口を尖らせている場合ではない。
ヤクザ達は私の家を何度も撃ち、その度に壁に弾丸が埋まる。
無惨なその状況を、私は泣きながら見ているしか方法はなかった。
そのときだ。
「お嬢様!」
神田の声が、背後から聞こえた。
振り返ると、そこには銃を肩にかけて、狙いを定めている神田がいた。
ズキュン、と大きな音が響く。
神田は中々の腕だった。
私は今、何をしているのだろう。
泣いているのだろうか。
叫んでいるのだろうか。
恐らく、その両方だったのだろう。
神田の弾が、ヤクザのボスと見られる男の胸に当たった。
男は、スローモーションのビデオの様にゆっくり倒れた。
ばたん、という大きな音。
赤色が、胸に一瞬で広がっていく。
他の奴等は、さっさと逃げて行った。
「お怪我はありませんか、お嬢様。」
神田が、私の縄を解いてくれた。
それと同時に、私は男の容態を調べるべく、男に向かって駆けた。
神田は、その私の様子を見て笑った。
「彼は大丈夫です。この銃に人を殺す力はありませんから。全く、タフなお嬢様だ。」
その笑みを見て、今更だがとても怖くなった。
もしも、神田が来なかったら……、命は無かったかもしれない。
頬に、涙が溢れ落ちた。
「私と、結婚してくださいますか?」
神田が、座り込んでいる私に手を差し伸べながら言った。
「……喜んで。」
私は、その手をとった。

128: & ◆Y8DY:2014/01/17(金) 21:21 ID:jhQ

試験が近いので、更新が遅れます。
リクエストにお応えすするのに時間がかかる場合がありますが、ご了承ください。
お詫びといっては何ですが、絵を二つ載せます。
上は、「冬休みのしおり」という長期期間中の宿題の表紙絵です。
下は、本日授業中に思い付いた女の子です。
珍しく両目があります。(笑)
バランス良く描けないので苦手なんです……。
ほぼ一発描きで、見辛いと思いますが、せっかくなので見てみてください。

http://kie.nu/1Ca1
http://kie.nu/1Ca2

129: & ◆Y8DY:2014/01/21(火) 20:50 ID:1jE

久々に来ました!
実は、書きかけの台本データが全て消えまして……。
掲載遅くなります。
また、更新遅れます。

130:& ◆tEkM:2014/01/21(火) 21:45 ID:1jE

長編始めました。
http://ha10.net/novel/1390308180.html

131:& ◆tEkM:2014/01/22(水) 21:24 ID:1jE

登場人物
尾ヶ崎 麗(おがさき れい)♀
長里 智(ながさと さとる)♂
父(麗の父親)♂
ヤクザ(A,B,C)

麗と父、口喧嘩している。
少しずつ舞台明るく。
麗「お父様!たまには私の気持ちも考えてよ!」
父「お父様とお母様は、麗のためを思ってこう言っているのだ!わがまま言うな!」
麗「わがまま!?何それ!私は、いつもいつも我慢してるの!社長令嬢は、こんなに人に決められなきゃいけない訳?」
父「麗!お前は『お嬢様』だ!その口の聞き方は何だ!?」
麗「お嬢様なんて関係ないわ。私は一人の人間だもん、お父様やお母様のあやつり人形じゃないわ!」
父「関係ある!お前は私の子だ、マナーを守らなくては社長令嬢としてなっておらん!」
麗「は?いつもいつも何よ、お嬢様!?私は、お金持ちの子供に生まれたというだけで、こんなに嫌な思いをしなくちゃいけないの!?」
父「麗、頭を冷やしなさい!」
麗「キンキンに冷えてるわよ!恋もまだなのに、勝手に子の結婚を決めつけるなんて。信じられないわ!」
父「恋!?そんなの必要ないだろう?お前の仕事は、跡継ぎをつくることだ。」
麗「必要よ!小さい頃からずっと女子校で、させなかったのはお父様とお母様だわ。結婚なんて、一生のことじゃない!」
父「私達は、お前のことを思って………。」
麗「結婚も自由に決められないなんて、全然私の気持ちを知らないじゃない!もう嫌だわ!」
麗、憤慨しながら荒々しくはける。
父、その姿を見てから溜め息を吐く。
暗転。

132:& ◆tEkM:2014/01/22(水) 21:24 ID:1jE

暗転明ける。
麗、枕を抱えている。
麗「お嬢様に生まれてから、一つも良いことがないわ。友達も簡単につくるのは許されなかったし、勉強ばかりで良い点取っても誉められたことがない。しかも、何よ、結婚も勝手に!?あり得ないわ!!」
麗、枕を床に投げ付ける。
麗「もう嫌。こんな生活。こんな暮らし。普通の女の子として生まれたかった……。」
麗、顔を枕にうずくめる。
ドアの音。
智、入ってくる。
麗、急いで顔を上げる。
智「お嬢様、入ります。」
麗「……あんた、なのよね。」
智「……ああ。あのこと、ですか。」
麗「まさか、このお嬢様の夫が執事の長里だとは思ってもいなかった。世の中って、分からないわね。ははは……。」
智「……お嬢様、声が泣きそうですよ。」
麗「んな訳、ないじゃないの。お父様待望の赤ちゃんができるもの。お父様は、尾ヶ崎 麗という女より、その子供の方が必要なのよ。」
智「そんなことございません!ご主人様は、お嬢様のことをよくお考えでいらっしゃいます!」
麗「馬鹿言うんじゃないわよ長崎 智!いつもいつも、窮屈な生活を強いられている私が、幸せだと思うの!?自由になんかなったことがない私を、あんた本当に良いなって思ってる!?」
智「お嬢様!何をおっしゃっているのです!?これは定めなのです!」
麗「定め?世の中も不公平ね、好きでもない人と無理矢理結婚するのが私の定めなんて。」
智「でも、私は、お嬢様のことが……す………す…………。」
麗「もうやめてよ!!私は、あなたのことなんか好きでも何でもないの!あんた、私を幸せにできる自信ある!?無いでしょ?」
智「決めつけないでくださいませ!」
麗「じゃあ何よ!?もう!私、庭を散歩してくるわ!」
麗、目頭を抑えながらはける。
智「お嬢様!」
智、一瞬戸惑うが麗を追う。
暗転。

133:& ◆tEkM:2014/01/22(水) 21:25 ID:1jE

暗転明ける。
麗、何か呟きながら歩いている。
急にA,B,C登場。
A,水鉄砲を麗に突き付ける。
麗「……え、水鉄砲!?ショボい犯罪者ね。」
A「手を挙げろ!でなきゃ撃つぞ!」
B,C「はーい!(手を挙げる)」
A「てめえらじゃねえよ!」
麗「別に撃たれたって影響そんなに無いんだけど……。」
B「しまった、間違えて水鉄砲用意しちまった!」
C「なっ……!?」
麗「あ、マジで間違えたんだ。作者の数少ないネタかと思ったわ。」
A「いやネタだろ!作者うぜえーっ!」
B「いや、これ思い付くのにものすごい時間かかってると思いますよ。」
C「作者完全言わせてるわー。」
麗「あー、もう、面倒臭いヤクザ達ね!話進まないじゃないの!!」
A「仕方ない、これが拳銃という設定でいこう。」
麗「えー……。」
B「文句言わない!ほら、縄は用意したのだ!」
麗「縄跳びじゃん!汚いわね!!」
C「ほら、うるさい!(麗をしばる)」
麗「え、ちょ、やめてよ!」
A「やめろと言われてやめる奴はいないぜ、嬢ちゃんよお。」
B「ヤクザっぽくなってきたねえ!」
麗「あのさ、社長令嬢にその口の聞き方は何よ?」
C「黙れ!俺達は金目当てで来たんだ、金を出してくれなきゃ困るね。」
A,B,C、麗を囲む。
麗、反射でひるむ。

134:& ◆tEkM:2014/01/22(水) 21:25 ID:1jE

急に銃声。
智、大きな水鉄砲を持っている。
智「お嬢様に手を出すな!」
麗「長里!……て、あんたも水鉄砲!?」
A「俺達よりもはるかにグレードが高いぞ!」
麗「え、びびるのそこ!?」
智「これは強力な水鉄砲です。運が悪ければ、怪我をしますよ。」
B「何だと!?」
C「やばい、撤収!」
A,B,C、はける。
同時に父登場。
麗、父に縄をほどいてもらう。
麗「……ありがとうございます、お父様。」
父「いや、私の大切な家族だからな。智が私に伝えてくれたんだ。」
麗「長里が……?」
父「ああ。やはり智で正解だったな。」
麗「……え?」
父「婿のことだよ。お前が生まれる前から、ずっと婿候補を選んで決めたんだ。」
麗「そうだったんだ……、私のこと、大切にしてくれてたんだ……。」
父「当たり前だろ。さっきは、ごめんな。」
麗「いえ、私こそ。」
父「……さ、二人で話し合いなさい。どうするか、ね。」
父、はける。
二人になり、お互い顔を背けている。
麗「……あの、さ。その水鉄砲、そんなに強力なの?」
智「……ああ、あれ、全部出任せの嘘です。本当は、水、入ってません。」
また、会話が途切れる。
智、躊躇しながら座っている麗に手を差し伸べる。
智「……お嬢様。」
麗「……あり…………がと………………………。」
麗、手を掴もうとするが、はっとして智の手を叩く。
智「って……!?」
麗「あんたの手なんか借りなくたって……、一人で立てるから。」
智「……すみません。」
智、項垂れる。
麗、それを見てクスッ、と笑う。
麗「さ、帰りましょ。……結婚の準備、しなくちゃね。」
麗、下を向きながら走りはける。
智「え……、結婚!?っしゃ!……待ってください、お嬢様ーーーっ!!」
智、走ってはける。
暗転。

END

135:& ◆tEkM:2014/01/22(水) 22:32 ID:1jE

急に台本書いてしまいすみません!
使用したい方(いないと思いますが)はどうぞご自由に印刷なり何なりしてください。
許可は不要です。
また、私の作品のネタを使いたい(これもいないと思いますが)という方も、どうぞ。
思い切りパクリは困りますが、ある程度ならどんどん良いです。
私自身、作品のほとんどは人のものを参考にしています。

136:& ◆tEkM:2014/01/24(金) 19:07 ID:OA6

リクエストください!

137:& ◆tEkM:2014/01/24(金) 19:46 ID:OA6

「白い箱のような場所。」
「出口はどこなの?」
「消え入りそうなほど」
とのリクを友達からもらったので、ぼちぼち書きますねー★

138:& ◆tEkM:2014/01/25(土) 11:29 ID:.d2

白い箱のような場所。
第一印象はそれだった。
建物が真っ白だ。
周りの人は―、真っ白なのだ。
僕ができることは、ただ、にい、と鳴くだけ。
にい、にい、と僕の鳴き声が、白い街に響いた。

―地球温暖化が、ピークを迎えた時代。
地球の温度が一気に上昇し、異常気候が続いた。
作物は枯れ、雨は降らず水不足に陥った。
そして、不思議なことに……、色が、落ちていった。
建物や絵画が、色を奪われ真っ白になっていった。
物だけではない。
動物の毛の色、目、鼻、口……。
急に、『白化』が始まり、体全体が真っ白になる。
そして、行動は停止、今まで普通に歩いていた人や動物が急に命を落とした。
原因は不明、地球温暖化がそうさせたと言われているが、根拠は一切無い。
食べ物が無くなった僕の母の飼い主は、泣きながらもこの段ボールに母を入れた。
そして、振り返りながらもゆっくり去って行った。
母は、僕を生んでから、白化して、今だこの箱の中に居る。
辺りは白化した人で埋め尽くされ、出歩く人影は消えた。

食べ物も無くなり、水も無い。
白化する他の原因で亡くなるのが多いのは、餓死だった。
また、異常な暑さで熱中症になり死んでいく人もいる。
もう、この世界に人間は居ないのかもしれない。
僕はこんなに日に当たっているのに、よく生き延びてこられたな、と思っている。
でも……、お腹の方が限界だ。
何日も、何も食べても飲んでもいなかった。

ある日、久々に生きている男の子を見付けた。
彼は、僕を見るとすぐ、飲みかけの牛乳を手に汲んで僕の前に差し出した。
ぺちゃぺちゃ、と舐める僕を、彼はずっと見つめていた。
久しぶりの、美味しい物。
甘くて、優しくて……。
一心不乱に飲んで居る僕に、彼は声を一つも掛けてこなかった。
……可笑しい。
飲み終わったのに、手が白いのだ。
まさか、と見上げると……、彼は、白化していた。
僕を見つめている姿勢のまま、真っ白になってその場を離れない。
僕は猫のくせに、泣き出しそうになった。
その手に、ちょこん、と乗ると、僕の茶色い毛が、少しずつ白くなっていることに気付いた。
……でも、怖くなかった。
彼が、ここにいてくれるから……。
最後に尾の先が白くなると、僕の意識は途切れた。

139:& ◆tEkM:2014/01/25(土) 14:16 ID:.d2

出口はどこなの?
もう、こんな私から、おさらばしてしまいたい。
馬鹿で阿呆な……、この世界で一番大嫌いな人間。
自分が嫌い。大っ嫌い。
何を計画しても、何を努力しても、何も出来ない自分。
弱い自分。
良いことなんて、何一つ出来ていない。
私の生きている意味って、何なのだろうか……。

また、赤点か。
渡されたテスト結果をぐちゃっ、と丸める。
その前の日も、そのまた前の日も、ずっと頑張って勉強していたのに。
2週間以上前から、夜までずっと。
毎日、夜中になっても問題集に顔を近付けて、手が真っ黒になるまで書きまくる。
登下校は暗記帳を欠かせないし、授業は真面目に取り組んでいるのに。
いつも、そうなのだ。
誰よりも頑張って、努力してるのに。
結果が、全然着いて来ない。
こんなんじゃ、到底夢なんか叶いっこないよ……。
自分に苛立つ。
私は、怒りをテスト用紙にぶつけた。
おかげで、文字は読めなくなってしまった。

学校の先生、か。
なれる訳がない、今こんなに馬鹿なのに。
でも、憧れは増す。
担任の先生。
優しくて、格好良くて。
私、まだ子供なのに。
先生は、既婚者なのに。
どうしてだろう。
先生を見ると、胸が高鳴る。
声を聞くと、嬉しくなる。
当てられると、異常に張り切る。
恋、というやつなのかもしれないな、と思う。
今までこんなことなかったから、私にはよく分からないのだ。
でも、先生には美人な奥さんと、可愛い子供がいる。
もしもこれが恋でも、叶わないのだ。
やっぱり私は、何をしても駄目だ。

また、テストがあった。
どうせ今回も悪いんだろうな……。
だって、先生直々に職員室に呼び出されたのだから。
ノックして、力無く挨拶する。
いつもなら、先生と二人きりになれる最高の場所だけど。
先生は、がっかりしたのだろう。
自分が悲しい。
いけた、と思ってはいたが、いつも赤点の私は自分を信じられていない。
とぼとぼと、先生の机の前に行く。
「すごいぞ、今回は、学年唯一の満点だ!」
……え?
嘘じゃない、確かに先生が見せてくれたテストには丸しか付いていなかった。
よくやった、と先生は私の頭を撫でてくれた。
その手が、嬉しかった。
―私でも、できるんだ。
きっと。
夢も、きっと、叶うよね。
私は渡された満点のテストをそっと握った。

140:& ◆tEkM:2014/01/25(土) 14:44 ID:.d2

消え入りそうなほど。
私の存在は小さい。
広い広い宇宙のなかの、数え切れないほど数ある惑星の中で、その中に沢山居る動植物の、何億と居る人間の中で、私という一人の存在となった。
私に生まれ、私に育ち、私で命を落とす。
その生涯の中で、沢山の物に囲まれて過ごしている。
広大なこの世界で、私はこれからどうやって生きて行くのだろうか……?

将来の職業、か……。
道徳の時間、私は懸命に考えていた。
私は、何になりたくて、どうしたいのだろうか。
好きなことを仕事に、とよく言うが、私の好きなことは何なのだろう。
漫画?画力無いから却下。
体育?好きだけど体力がない。
服?残念ながらセンス無し。
あーーー、全然駄目じゃん、私!
周りの子は、配布されたプリントにスラスラと将来のことを書いている。
手が止まっているのは私だけじゃない!
自分で自分に叱咤するが、何も思い浮かばない。
結局、白紙のままプリントを提出する羽目になった。

私の好きなこと。得意なこと。出来ること。
……一体何があると言うのだろうか。
調べてみたくなりパソコンに向かったが、検索ワードが決まらず検索ページで止まっていた。
レタリングされた某会社名が画面で辛抱強く待っている。
何も思い付かなくて、私はいつも行っているパソコンアニメ作りのページに行った。
あ、嬉しい、とパソコンに身を乗り出す。
今月も、アニメで賞を取っていた。
作ったアニメは自動的に管理人のところに行き、その中から優秀作品を選んで賞を付ける、という仕組みだ。
賞を取ったからといって何かが出てくる訳ではないのだが、結構嬉しいのだ。
……待てよ、ひょっとして、こう言うの仕事に出来ないか!?
でも自信が無かったので、私はそのアニメを友達に見てくれとメールで伝えた。

「すごいね!あれ、ヤバかった!!」
次々とそんな感想を言われた。
才能あるかも、と一人でにやける。
……今の私は、れっきとした馬鹿だ。
プログラマー、か。
私、もしかしたら、なりたいかもしれない。
まだ漠然としてるけど、少し背伸びした気分だ。
鼻唄を歌いながら、私は教室のドアを開けた。

141:千代紙:2014/01/26(日) 09:02 ID:PYM

「あいうえお」
「携帯とは」
「毛布だぁいすき♪」
から始めて!
最後のは……うん←←

142:& ◆tEkM:2014/01/26(日) 10:44 ID:GMM

「あいうえお。」
「そうそう、すごい、読めたじゃん!」
「僕、あいうえお、読めたよ!」
……あー、馬鹿馬鹿しい。
俺は思わず耳を塞いだ。
何て小さなことではしゃいでるんだ。
…良いよな、こいつは。
羨ましい目で、あいつを見る。
彼女に構われてさ、俺のことなんか、忘れちまったみたいじゃねえか……。

俺の弟は、障害をもっている。
俺は詳しくないからよく分からないが、知能が幼稚園以下レベルしか発達できないのだそうだ。
そんな俺も、いつの間にか彼女が出来た。
そして、ある日家に呼んだのだ。
「こんにちわ、おねぇちゃ。」
たどたどしい日本語を発した小学生の弟を、彼女は不思議そうな目で見つめていた。
そこで俺が事情を説明すると、彼女は弟に向かって微笑んだ。
「じゃあ、お勉強、お姉ちゃんが教えてあげる。」
弟の顔が、ぱあっと輝いた。
「ありがと、おねえちゃ!」
本当は俺達二人の時間のはずだったのに、弟と彼女のものになってしまった。

見ていて苛々するような会話を、彼女は辛抱強く続けた。
弟は嬉しそうな顔で、彼女を見ていた。
そして、弟と会うために彼女は家に来るようになった。
……格好悪いかな、俺。
弟にやきもち、だなんて。
馬鹿だな。
こんな気持ちになるなんて。
もやもやした、いじらしい感覚。
彼女が取られた様な気分。
違うのに。
わかってるのに。
でも、この被害妄想は止まらなかった。

「……あのさ。」
彼女が話し掛けてきた。
あ、今日も弟?
良いよ良いよ、家、来てよ。
弟、楽しみにしてるからさ。
そう、答えようとした。
「今日は、デート行かない?」
……え?
「この頃、ずっと弟君に構ってばかりだったから。たまには、ね?」
そう言って、そっと俺の手を握ってくれた。
……ふわふわしてて、あったけえ。
「ああ。行こうな。」
俺はその白い手を、優しく握り返した。

143:& ◆tEkM:2014/01/26(日) 11:17 ID:GMM

携帯とは、携帯による携帯のための携帯なのである。
「けーたーい、れんじゃーーーー!」
僕はお兄ちゃんの携帯電話のふたをあけた。
ガラケーは、いち早く僕の手を反応、画面が明るくなる。
「うっひょー、すげえっ!!」
いつもの、当たり前のことだが幼稚園の子供にはこれは某戦隊ヒーロー並みにすごいものだった。
「こーそく、開け閉めーーー!」
ぱかぱかぱか、とふたを何度も開け、閉める。
携帯は忙しなく明るくなったり消えたりを繰り返している。
……あれ、おかしいな。
僕はゆっくりと携帯を開けた。
画面が点かない。
そのとき、後ろから殺気が漂った。
「馬鹿!!!」
僕の頭に、拳骨が降り注いだ。

「ったく、電池の無駄使いしやがって……。」
ぶつぶつ言いながらお兄ちゃんは携帯に充電器を付けた。
「『携帯レンジャー』とかいうくだらない遊びはやめろ!」
携帯レンジャーとは、僕が作った戦隊レンジャーのことだ。
物語の始まりは、「携帯とは、携帯による(以下略)」がナレーターによって言われる。
……とは言っても、一人でしている遊びなのでナレーターもヒーローも同一人物なのだが。
僕は頭のたんこぶをさすりながら言い返した。
「くだらなくなんかない!正義のヒーローだもん!お兄ちゃんは悪者なの!!」
「はあ!?何で携帯の持ち主である俺が悪者にならなくちゃいけねえんだよ!!」
またたんこぶが増えそうなので僕はお兄ちゃんと距離を取った。

それから、僕は携帯を触るのが禁止になってしまった。
高いところに置いてあって、なかなか届かない。
うーん、と手を伸ばしても、背伸びしても、台に乗ってもあと一歩、というところで駄目だ。
でも、僕はひらめいた。
机に乗れば届くかも!!
よろけながらも、机に上る。
……やった、届いた!
「万歳ーー!」
と両手を挙げると……、僕はバランスを崩した。
がっしゃーーーーん!!
「何、どうしたの!?」
お母さんが走って僕に駆け寄る。
僕は為す術無く、えへへ、と笑った。

「あらまあ、そうなの。」
お母さんは僕の頭にたんこぶを増やしながらも、僕の話を聞いてくれた。
「懐かしいわねえ、お兄ちゃんもそういう遊びが大好きだったのよ。」
僕はびっくりした。
あのお兄ちゃんが、僕みたいだった、だなんて!
「時計を悪者にしてね、踏んだり壊したりの大騒ぎ。大変だったわー!」
そう言うお母さんの目は、懐かしそうにきらきらと輝いていた。

「出たな悪者!この携帯レンジャーがやっつけてやる!」
「わー、けーたいれんじゃーだ、にげろー。」
「お兄ちゃん、逃げちゃ駄目なの!」
はいはい、とお兄ちゃんは頭を掻いた。
僕の手には、玩具の携帯電話。
お兄ちゃんは、お母さんにいわれたのか、遊んでくれるようになった。
うふふ、格好良いなあ!
決め台詞を、ばっちり言う。
「地球の平和は、僕が守る!」

144:& ◆tEkM:2014/01/26(日) 11:39 ID:GMM

「毛布だぁいすき♪」
……なんて言える訳ないじゃん!
私は台本を床に叩き付けた。
嫌だ、こんな役。
初めての役者で、こんなこと言わなきゃいけない、だなんて!
演劇部なんか、入るんじゃ無かったわ!
私はシワが付いた台本を破りたい気持ちで一杯だった。

ずっと、入ろうって決めていた。
私……、裏方やってみたい。
音響とか照明とか、すごく楽しそうじゃない!?
そう思って、演劇部に入った。
ずっと、裏方を通していた。
中二になってからも、役者をした経験は無かった。
「ねえねえ、役者やってみたら?」
先輩に、そう言われた。
実は今回の劇で、やってみたい役があったのでオーディションを受けた。
結果は見事不合格。
人気のない役に回ってしまった。
ぶりっこ設定のキャラだ。
無理無理無理絶対駄目ーー!!
極度な人見知り、クールな性格である私は拒否したが仕方無い。
まんまと台本を渡され、その役を演じる羽目になってしまった。

声が震える。
……恥ずかしい。
何だよ毛布が好き、だなんて!
意味わかんないよ本当!
自分の役にケチをつける。
こんなの、やりたくない……。
私は部活を休みがちになってしまった。

先輩が教室に来た。
「部活、ちゃんと来なよ。皆待ってるよ!?」
でも……と項垂れる。
「やりたくないからって、来ないのは自分勝手だよ!」
……分かってる。
私の個人的な感情であって、皆に迷惑をかけている。
それは、私の責任なのだ。
「なりきりなよ。楽しみなよ。」
……はい?
「楽しくやらないと、見てる方もつまんないんだよ。自分がその役だって思えば良い。」
……出来ません、私、そんなこと、
「先輩!私達、先輩の演技大好きです!!」
後輩が、先輩の後ろから顔を出した。
いつの間にか、人数の少ない演劇部員は、全員で私を囲んでいた。
―私なんかのために、皆来てくれたんだ。
「今日、絶対行きます。来なくてごめんなさい!」
そう言うと、部員は笑って、「待ってるよ」って言ってくれた。

145:& ◆tEkM:2014/01/26(日) 11:41 ID:GMM

リクエストありかとうございました。

146:& ◆tEkM:2014/01/26(日) 13:46 ID:GMM

今更ですが、更新を全くしていなかったお詫びです。
アルパカのぬいぐるみを抱いている女の子です。

http://kie.nu/1Dg4

147:aribaba chiaryrain@s7.spaaqs.ne.jp:2014/01/27(月) 19:30 ID:bQY

アルパカ抱いてる女の子かわいい!
久しぶりです^^
台本良いですよ、すごく!
あれが劇になったら面白いだろうなー(期待)
ではリクいきます。
嗚呼、消えてしまった。
「すいません、訛っててなに言ってるのかわかりません。」
あれは、唐突に訪れる。
終わった…。
童話、か。
生きてるって素晴らしい!

でお願いします。
書くのはゆっくりでいいですよ^^

148:野薔薇:2014/01/28(火) 16:51 ID:hds

リクエストありがとうございました!
違う機種から入っていまして、書くのはいつものタブレットなのでIDが変わりますが成りすましとか荒らしじゃありません。
印刷したいので…。
下の数字は放っておいてください。
>>131−134

149:& ◆tEkM:2014/01/28(火) 16:55 ID:hds

うまくいかなかったのでいつもの機種からきてます。
もう一度、すみません。
>>131-134

150:& ◆tEkM:2014/01/28(火) 20:43 ID:hds

嗚呼、消えてしまった。
俺は呆然とその彼女が立ち去る光景を見つめていた。
これからの夢。
希望。
時間。
全部……、全部。
でも、俺が全部いけないのだろうか。
俺が全て悪いのだろうか。
何も……、何も分からない。
―俺には、何も。


付き合い始めて、初めて喧嘩した。
随分と長く付き合っていたから、とても俺達は仲の良いカップルだったのだ。
でも、俺は彼女を家に誘ったことは一度もない。
3人兄弟の長男である俺には、まだ小さい弟と、生まれたばかりの妹がいる。
もしも……、大事なときに、弟に騒がれたり、妹が泣き始めたりすれば、俺達の時間は台無しになってしまうからだ。
俺が説明不足だったのかもしれない。
彼女の堪忍袋の尾が、ついに切れた。
どうして、私はあなたの家に行っちゃいけないの?
私、邪魔なんでしょ!?
そんな訳ねえだろ。
それにはちゃんとした理由が……。
は?
私よりも兄弟の方が大切なんだね。
……そうじゃない。
そうじゃないのに。
いくら言っても、彼女の妄想はヒートアップしていくばかりだ。
俺は何を言えば良いのか分からなくて、俯いていた。
俺も、だんだん怒りが膨れ上がった。
何で分かってくれねえんだよ!
急に声を荒げた俺に、彼女はびくっと肩を竦めた。
駄目だ。
もう止まらない。
お前なんか嫌いだ、もう近寄るなっ!!
……はっ、とすると、彼女は目に涙を浮かべていた。
違う、違うんだ。
待ってくれ……。
そのか細く、自分でも聞き取れない小さな声は届かず、彼女はその涙を俺に隠そうとするように走った。
……逃げられた、とその状況が理解できたとき、彼女はもうそこにはいなかった。

俺は馬鹿だ。
最低だ。
こんな阿呆なのに、何でこう感じているんだ。
……彼女も悪い、だなんて。
元々は単なる勘違いだったのだ。
落ち着いて話を聞いてくれていれば、こんなことにはならなかった。
でも、酷いことを言ったのは俺だ。
複雑な心境が、胸の中をぐるぐると回る。
俺はこれから、何をどうして行けば良いのだろうか……。
そのとき、ドアのチャイムが身体中に響いた。
開けると、―目が泣き腫らした状態になりながらも、もどかしい笑顔の彼女がいた。
彼女は俺の顔を見ると、勝手に家に入り込んだ。
さっきはごめん。
でも、私、一度あなたの家に行きたかったの。
どんなに弟君や妹さんに言われても良いから、側にいたかったの。
……良いでしょ?
やや強引だが、彼女は首を傾げてにこっと笑った。
―可愛い。
俺は、彼女のこういうところが、好きなんだな。
俺は肯定の代わりに、彼女の額に唇を付けた。

151:& ◆tEkM:2014/01/28(火) 21:23 ID:hds

「すいません、訛っててなに言ってるのかわかりません。」
そう言うと、周りは勇気あるなあ、という目で私を見ていた。
「ああ、すまんなあ、何しろ関西なもんで。」
謝りながらも、まだ訛りは抜けていない。
その何考えてるんだか分からない顔は、私よりも年上のはずなのに幼く見える。
幼顔のそいつは、今だ訛りが抜けず、最初とあまり変わらないイントネーションで話を進めていた。

そこら辺に沢山いるOLとなり、初めての会社説明だった。
就活のとき、大雑把な話は聞いていたが、大雑把過ぎてよく分からなかったのだ。
……何で訛ってて使えない奴を説明役にしてんのかなあ。
使えない、というのは見ていて分かる。
説明はしどろもどろで、何か言う度質問の嵐に遭い、答えられず上司であろう人に迷惑をかけてばかりだ。
確かにまだ若い。
私の5歳ほど上、といったところだろうか。
それにしても……、見ていられない。
ちょっとした苛立ちすら感じられた。
即断即決即行型である私は、何も考えずそのくしゃくしゃの原稿を奪った。
「私がやりますっ!」
失礼なのは分かっていたが、時間は大幅に遅れていて終わりそうにないので、私が代役を勤めた。
新入社員にこのまま配れば良いのではないかというほど出来の良い原稿を私は速読し、説明した。
私が聞く側で、彼が言う側だったはずなのに、立場は見事に逆転している。
彼はぼけっとしたまま、私の話を聞いていた。
正確に言うと、聞いていたかもしれない、となるのだが。
てきぱきと説明を終わらせると、大きな拍手を受けた。

―何で私が、こうならなきゃいけないのかしら。
オフィスで机は彼の隣となり、私はお守りとなってしまった。
もう入社して5年目だ、と言っていたのに、驚くほど物覚えが悪い。
はっきり言うと、馬鹿だ。
上司の立場のはずなのに、私に質問ばかりして来る。
お陰で仕事が進まず、残業の日々が続いた。

……風邪ひいたかな。
咳が止まらない。
今日は、会社説明の説明役なのに。
まだ入社して2年だが、新入のときあんなことを平気でしたのだ、仕方ない。
小さな我が社は人手不足なのだ。
今日休んだらあいつがやるしかない……。
ぼおっとする頭を抑えながらスーツに腕を通す。
電話はしたが、今日は出勤しなくては……!
ふらつく足取りで、会社に向かった。
しまった、もう時間過ぎてる……。
懸命に走る。
とは言っても、力が出ず、歩いている人よりもはるかに遅いのだが。
はあ、はあ、と息切れしながら戸をそっと開けた。
―そのまま、閉めた。
彼が、とても立派に、説明をしていたのだ。
やれば出来るんだ、あいつも。
今まで平凡な駄目上司であった彼に、なぜだか胸のときめきを感じた。

152:& ◆tEkM:2014/01/28(火) 21:25 ID:hds

>>148-149でお騒がせしたお詫びです。

http://kie.nu/1DB0

153:& ◆tEkM:2014/01/31(金) 20:11 ID:jag

更新してなくてごめんなさい。
土日あたりに書きます、多分。←
すみません……。

154:& ◆tEkM:2014/02/01(土) 16:13 ID:07I

あれは、唐突に訪れる。
―春。
本当は少しずつなのだが、唐突な気がしてならないのだ。
……卒業、か。
俺は学校のシンボルツリーである梅の木を見上げた。

あと一ヶ月。
俺はそのたった一ヶ月の間に、今までの「普通」が「思い出」となってしまうのだ。
そのうち、何もかも忘れてしまうのだろうか?
大きくなって、「こんなに椅子が低かったんだ!」と思う日が来るのかもしれない。
この今一緒に暮らしている仲間も、名前を忘れるのかな。
もう二度と、会えない人もいるのだろうか。
想像出来ない。
正直、怖い。
この生活が、ずっと続くなんていうのは嘘だって、知ってるのに。
分かってるのに。
永遠にこのままでいられる、と自分を誤魔化している。
誤魔化しだってのも、気付いてるけど。
このままがいい。
新しい生活なんか、したくない。
この先、どんなことが俺に襲いかかって来るかなんて、誰にも分からないのだ。
おめでとう、なんて。
何がおめでたいのだろうか。
なんで、こんなことばっかり考えてるんだろ、俺。
いつかは来る、ってずっと前から知ってたのに……。

卒業式の練習が始まった。
練習したくもない。
此処を離れる練習だなんて。
嫌だよ、やりたくないよ。
このままでいいじゃん。
このままがいいんだよ。
今の楽しさを奪う権利は誰にもないだろ。
そう思っても、春はどんどん近づいてくる。
くそっ、俺、どうしたいんだよ。
悶々としているといつの間にか練習は終わっていた。
何故かもう泣いている奴がいる。
まだまだなのに。
そいつは皆とは違う県の学校に通う奴だった。
不思議な目で見ている俺に、奴は俺の手を無理矢理握った。
「これからも、ずっと友達だよ。」
ぐずぐずと鼻を啜っている奴に、「お、おう。」と返すしか出来なかった。

あんな奴でも、卒業を受け入れているのか……。
それに比べて、俺は近所で沢山の人が通うところに行く。
なのに、何でここまで頑固になってるんだろ。
梅の木は、気付かない間に花を付けていた。
初雪もまだなのに、立派に咲き誇っている。
なんだか、自分がとてもちっぽけに感じた。
甘いけど、少し酸っぱい匂いが、俺を優しく包んだ。

155:& ◆tEkM:2014/02/01(土) 22:45 ID:07I

終わった…。
っしゃ!
私はパソコンの前で小さくガッツポーズをした。
やっと、書き終わった!
沢山受けたリクエストを、やっとの思いで書きったのだ。
いつもなら一日で終わらせているけど、漢検とか色々あったからなあ。
作者シリーズ第二段を書いてしまったことは取り敢えず無視、無視。
この短編の時点ではまだリクエストが残ってることも無視、っと。
仕方無い、ネタが無いんだもの。
元々私の頭の中に存在していない脳細胞は働く気配を見せない。
……当たり前だ、頭の中はからっぽだもんね。
働く働かないの前に、まず存在していないのだ。
ったく、使えない頭ね。
何のためにあるのだろうか、と頭をコツン、と叩く。
とにかく、書き込まなくちゃ。
私は、「書き込む」ボタンをクリックした。

「……え!?」
意味が分からない。
え、これって、どゆこと?!
クリックした途端……、文字が消えた、のである。
パソコンは真っ白になり、教科書は白い紙と化し、やりかけの宿題の字も。
全て、誰かが盗んだかの様に綺麗さっぱり、文字のみが消えた。
自由帳を開く。
私の下手な絵が露になった。
あ、絵は消えてないんだ、と少しほっとする。
携帯は、電池が切れたかの様に液晶画面に文字はない。
眼鏡を拭き直し、もう一度掛ける。
何かの見間違いであることを祈ったが、状況は一行に変わらない。
嘘……、嘘でしょ!?!
こんなの、小説の中でしか有り得ないよ!
―実際フィクションであることは置いておく。
中々私もよく思い付いたものだ。
自分をこんな目に会わせるなんて思いもしなかった……。
とまあ、現実的な考えが頭をよぎるのは私の悪い癖だ。
こんなんだから脳細胞私から逃げたのよ、きっと。
おまけに小説に出せる程私は役者ではない。
でも……、事実、なのだ。
ありとあらゆる文字が、消えた。
ど、どうすればいいの、私!?
私は少し伸ばした髪を手で鋤いた。

さっき開いた自由帳に、サインを書いてみた。
私のシャーペンは狂ったかのように文字を書いてくれない。
芯が回りずっと尖ってる、というのが売りのシャーペンが動いてくれないだなんて。
筆圧が限りなく高い私なのに、自由帳には薄い線しか残っていない。
もう意味が分からない。
どうしよう、私、どうするすべき!?
ていうかこの小説終わるの!?!
て、ちょっと待て私!
次のリクエストに、これの続きを書こうとするなあああーーーっ!!

156:& ◆tEkM:2014/02/02(日) 10:21 ID:07I

童話、か。
手元にある本を見下ろす。
やっぱり、ないか……。
私の小さい頃からの宝物であるその本にも、活字は残っていない。
ってか、本当に私、やっちゃったよ!
良いのかな、おい。
何面倒がってんだ、野薔薇は!?
でも、もう書いてしまったのだから仕方無い。
いや、本当は、仕方なくなんか無いんだけどさ。
も、文字制限、というやつもあるんです。
お許し下さい……。
と、駄作を根気強く読んで下さっている読者様に心からお詫びをする。
しかも一日置いておくだなんて。
どんだけ適当なの、私!?
もうどうしようもない馬鹿な奴、ということがここで明らかになった。
と、とにかく、書き上げねば!
どうする私??
そ、そろそろ発作が起きそうですよ……!

私は重症の活字中毒者である。
活字を見ないと落ち着かない。
そわそわして、なぜか焦りを感じる。
たいてい活字に囲まれて生活しているので発作が起きることはそうそう無いのだが。
次第に体が字を欲していく。
あああ、もう我慢できない!
私は外に飛び出した。

看板の文字も消えている。
この様子だと、他の人の字も消えているらしい。
通りがかる人々はそれが普通の様に完全無視だ。
ということは、この異変に気付いたのは私だけ、か。
本屋には人が居ない。
当たり前だ、読めるものが無いんだから。
私は苛々してきた。
もう嫌!
意味分かんないよ!
私は石ころを思い切り蹴った。
すると、上でばさばさっ、と音がした。
見上げると……、空を文字が飛んでいた。
風船の猛スピード版、と言えば伝わるだろうか。
不思議なことが起こりすぎてもうどうでも良くなってきた……。
はあ、と首を戻すと、―看板に、文字があった。
間違いない。
もしかして、と走って家に戻ると、活字達は当たり前の様に元の場所に居座っていた。
よ、良かった……。
へなへなと座り込む。
そのとき、はっ、と気付いてパソコンに向かう。
もしかして、此処に活字は戻って来てないんじゃ…?!
駄作と化した活字は、私の考えた通り戻って来ていなかった。
い、嫌気がしてたのね……。
これを人は家出と言う。
あーあ、また書き直すのか…。
私はがっくりと項垂れた。

「よし、終わった!」
私はパソコンの前で伸びをした。
まさか、自分をこんな形でいじめるなんて考えてもいなかった。
良かった、終わらないかと思ったよ。
一発書き、というのは恐ろしい。
ま、これでOK、と。
私は「書き込む」ボタンをクリックした。
すると……、活字が、消えていった。
「え、えええええええーーーーーっ!?」
まさか本当になるなんて!!
私は困ったときの癖、髪を手で鋤いた。

157:野薔薇:2014/02/02(日) 12:28 ID:07I

生きてるって素晴らしい!
……なんて。
本当なのかな。
そんなこと言えるの、幸せな人だけだよ。
羨ましいな。
私、生きてて本当に良いの?
消えた方が良いんじゃないの?
膝を強く抱える。
もう、嫌だよ。
私は、死んだ方が、良いのかな……?


クラスではいつも一人だ。
机なんて、私とくっつけてくれる人はいない。
私はこのクラスのバイ菌だ。
汚いよ、ごめんね。
くるくるとした天然パーマの髪を手で鋤く。
大きい鼻。
不細工な顔立ち。
心が全てってよく言うけどさ。
現実は違う。
私の机の中には濡れた雑巾が入れられている。
椅子は倒れている。
教科書は床にばらまかれている。
誰も近寄らない、話さない。
空気よりも存在が薄い。
先生だって頼れない。
私のプリントは回収されない。
誰も触りたがらないから。
先生も回収するなと指示してへらへら笑う。
体育なんか最悪。
パスは来ない。
いつもアンカーなのは私の後に走りたくないからだ。
二人一組?
できっこない。
余ったら三人になる。
私は一人きり。
直接何か言われたことはない。
ただ、無言で私への執行をされていた。

家に帰っても私には誰も構ってくれない。
両親は弟ばかり可愛がる。
私のことなんか、忘れてしまったみたいだ。
私は何処へ行っても不要な人間だ。
疲れる。
もう嫌だ。
何度も、死のうと思った。
その度に包丁を取り出したけど、怖くて何も出来なかった。
消えてしまいたい、と思ってるのに。
死ねないよ、怖いよ。
うわああ、と泣いてしまいたかった。
でも、そんなこともできない。
泣き方なんて、忘れてしまった。
自分の笑顔なんて、何処かへ行ってしまった。
感情、なんて。
私にあったのだろうか。
元々存在していなかったかの様に、もう何も感じなかった。

受験した。
こんな生活から逃れるために。
皆とは違う学校を受けた。
倍率はものすごく高かったし、受験は一度きりだったけど。
其処しか受けなかった。
結果は……、サクラサク。
何とかひっかかってくれたのだ。
新しい生活。
メンバーが、全く違う人になるけど。
きっと、笑える様になる。
感情は、戻って来るよね。
少し、希望が持てた。

今、とても楽しい。
良い仲間が、沢山出来た。
私を可愛いって言ってくれる人もいる。
最初は無機質だった私の顔も、いつしか豊かになった。
こんなに変われるなんて、と自分で驚いている。
不思議なものだ。
生きてるって、素晴らしい。
そう、私が思えるようになった、だなんて。

158:野薔薇& ◆tEkM:2014/02/02(日) 12:29 ID:07I

名前が……!
う、嬉しいですっ☆

159:野薔薇& ◆tEkM:2014/02/03(月) 08:59 ID:07I

リクエストいつでもどうぞー★

160:& ◆tEkM:2014/02/04(火) 14:03 ID:CNg

「紅色の空を見上げ」
「もう、あのときの」
「あいつらは変わらない」
「この両手から溢れそうなほど」
「退屈なんてワードは程遠い」
とのリクエストを頂いたので、少しずつ書きたいと思います♪

161:& ◆tEkM:2014/02/04(火) 20:54 ID:CNg

紅色の空を見上げ、俺は背伸びをした。
……あー、これもつまんなかった。
本を荒々しく閉じる。
何、あの中途半端な終わり方。
俺は舌打ちしながら本をゴミ箱に投げ入れた。
珍しく本でもと思ったのに、台無しじゃねえか。
自動ドアも遅く感じ、足で無理矢理抉じ開ける。
中では何か言っていた様だったが気にしない。
ま、図書館の本捨てたり自動ドア壊したりしちゃ、わーわー言われるに決まってるか。
俺は学ランのポケットに手を突っ込み、足早にその建物を後にした。

俺はれっきとした不良だ。
いつの間にか、不良グループの仲間になっていた。
元々は良い子してたけど。
学級委員とかしょっちゅうやってた様な人だった。
だけど、まあ、担任がアレだったんだな。
体罰なんかしょっちゅうだ。
それに反発しようと、不良になった。
悪いことも沢山やった。
万引きは日常茶飯事。
授業なんか出ないし。
煙草は……、やろうとしたら噎せてしまったけれど。
結構楽しくやってる。
彼奴が担任なんて、やってらんねえもんな。
学校に行く人々を見ると清々する。
何馬鹿なことやってんだ、って。
そんなん行かなくても、俺達生きてるぜ。
足も腕もあるじゃねえか。
でも、それと同時に、変な感覚に襲われる。
胸に、穴がぽっかり開いている様な。
言葉では上手く表せない。
それを自分で誤魔化しながら俺は道端に座り込んだ。

「あ、発見したよ!学校行かないで何してたの!?」
スクバの紐を両手で掴みながら言われた。
「よお、今でも委員長やってんの?」
「馬鹿なこと言うんじゃないの!ちゃんと来てよ、全く!」
怒りながら、その目は笑っている。
だから、なぜだか嫌いになれない。
「うっせーな、黙れブス!」
……いつも、こう言ってしまう。
ブスなんかじゃねえのに。
可愛いのにさ。
素直になる、なんて難しい。
「は?私はそんなんじゃないしー?」
軽くあしらわれる。
赤い縁の眼鏡をくいっと上げて、彼女は喋り立てた。
「明日は、必ず来なさいよ!」
「お前が弁当作るんだったら来るよ。」
冗談のつもりだったが、彼女は「分かった」と言ってこの場を去った。

……本当に作って来やがった。
「せっかく作ったのに、学校来ないってどういうこと!?」
まあまあ、と宥めて弁当に目をやる。
旨そうだ。
彼女は、じっと見ている俺をちらっと見て、食べても良いよ、と聞き取り辛い声で呟き、またそっぽを向いた。
……美味しい、と素直に言えば良かったのに。
「何これ、マズっ?!」
そう言ってしまった。
すると、彼女の目からぽろぽろと涙が溢れた。
え、何、嘘だろ……。
俺…、泣かせた!?
涙を必死に堪え様としているのが背中で分かる。
俺は何も言えず、俯いた。
彼女はそのまま、走って逃げてしまった。

次の日、学校に行った。
昨日はごめん、本当はすごく美味しかった。
そう笑って、弁当箱を返したかった。
……でも、彼女の姿は、教室になかった。
―引っ越していた。
昨日が引っ越し日だったらしい。
俺は、ただポカンとしているしか出来なかった。

―あれから、10年。
仕事で俺は他社へ行っていた。
何となく、鞄にはあの日の弁当箱を入れた。
どうしてだか分からない。
ただ、持って行きたくて仕方無かった。
ドアをノックする。
はあい、と若い女の声。
「……え、もしかして………?」
真ん前に座っていたのは、紛れも無く、成人した彼女だった。
彼女は驚きつつ、「久し振り」と言って恥ずかしそうに斜め後ろを見た。

162:& ◆tEkM:2014/02/06(木) 15:18 ID:w3k

もう、あのときの景色は消えた。
広い野原だったこの場所はビルが建ち、あの森は何も無い殺風景な所になっていた。
……もう、10年か。
澄んだ夕焼け空を見上げる。
あの日、引っ越してから。
好きだったあの子に別れを告げてから。
―覚えてる?
あの日のこと。
君はもう、忘れてしまっているかもしれないね―。

「はじめまして。」
少し舌足らずな声で君は自己紹介をし、小柄な体をぴょこっと曲げた。
その童顔は恥ずかしそうに笑っている。
制服と小さな体は不釣り合いで、まるで幼稚園児に無理矢理着せている様だ。
無邪気な癒し系である君は、すぐに人気者となった。
対照的に僕は暗い性格で、本を片手に眺めている程度の人だった。
ああいう感じは苦手。
見てるだけで疲れる、と僕は丸っきり無視、だった。
本当は、違ったのかもしれない。
皆と一緒に居たかったんだと思う。
でも僕は格好着けたい、というのもあり、その気持ちは見て見ぬ振りをしていた。
別格好良くない、と知ったのは最近のことであった。

「一緒に帰ろーよ!」
夏の日、君は急に僕を誘った。
どんなことを話したのかは良く覚えていない。
ただただ……、楽しかった。
表情がコロコロ変わり、身振り手振り付きで捲し立てる姿は可愛らしかった。
スカートはお構い無し、という君に、こっちがヒヤヒヤしていた。
そんなこんなで、君との些細な交流が始まった。

引っ越すことになった。
まだ交流し始めて一ヶ月も経っていなかった。
お別れ会を開いてはくれたものの、いつも一人だった僕を見送ってくれる人は居なかった。
……君を除いて。
涙でぐしゃぐしゃになった君の顔は脳裏に焼き付いて離れない。
絶対帰って来てね、絶対だよ。
嗚咽を漏らしながら住所を書いたメモを手に押し込み、手紙を書いてと僕の両手を握った。
その後、何度も手紙を送った。
君もまめに返事を出してくれた。
毎日ポストを確認して、来ていたら小さくガッツポーズ。
そんな日々を送った。
少し寂しかったけど、君の手紙で元気になったんだよ。
この場を使って、ありがとう。

ある日、待ちきれなくて外で破いた封筒には、一枚の紙切れのみ入っていた。
いつもぎっしり書いているのに。
首を傾げながらも紙を取り出す。
「星になって見てるからね。」
書いてあるのはそれだけだった。
その後、何度も手紙を送ったけれど、返事は来なかった。
どのくらい待ったのだろうか。
君の住所から一枚の葉書が届いた。
―君が死んだ、という知らせだった。
人のことで僕が泣いたのは初めてだった。
星になる、だなんて。
星は夜しか出ないじゃないか……。
うわあああ、と子供の様な泣き声を出した。
誰も、僕を慰めることは出来なかった。

……約束、果たしたよ。
戻って来たよ。
君と居た、この場所に。
今思うと、僕は恋をしていたのかもしれなかった。
ただ……、もう、叶わない。
君の星は、どれなのだろうか。
今だ、答えは出て来ない。
でも、僕の中では。
きらきらの、一番星だよ。
「……あ。」
そのとき、空に大きく輝く星が姿を見せた。

163:& ◆tEkM:2014/02/06(木) 16:48 ID:w3k

あいつらは変わらない。
いつまでも、あの時のまま。
私を、ずっと支えていてくれる。
永遠の、宝物―。

私はノートをぎゅっと抱き締めた。
やっと、終わった!
不要なノートに書き溜めていた小説。
思ってたより、長くなっちゃったけど。
書き始めてどのくらい経ったのだろう。
ノートは三冊。
全部、この物語のもの。
書き直したり、破れてしまったりしていたら何時の間にか大量のページ数になった。
読み難いけど。
下手だけど。
とにかく、毎日毎日、このノートを埋めていった。
ノートは私の筆圧の高さのお陰で真っ黒だ。
でも。
嬉しい……!
飽きっぽい私が、こんなに書けるとは思ってなかった。
ふふふ、と一人で笑った。
溢れて行く笑みは、止まりそうに無かった。

誰にも言ったことのない、私の夢。
……小説家。
内緒だよ。
秘密だよ。
ずっと前から憧れていた。
本が大好きで、自分の本を出したい、と思った。
でも、恥ずかしいし。
私、文才無いから。
そうやって、今まで自分を脅していた。
でも。
今日からは、違う。
大人になったら、こっそり小説家になって、皆を驚かしたい。
そう思った。
だから、これは此処だけの話。
私達だけの物語―。

パソコンで清書して、印刷し、一冊の本にしてみた。
挿し絵も表紙も無し。
見ただけで素人の作品だって分かる。
でも、嬉しかった。
夢に、一歩近付いた気がした。
おっと、見られたら大変だ。
ノートと本を棚に隠す。
鍵を掛けてっと……。
かちゃ、っと鍵を回し、財布に入れた。
それから、その棚が開かれることは無かった。
……その時が来るまでは。

―この鍵を使うのは、何年振りだろうか。
もう錆びてしまった鍵を眺める。
そして、ゆっくり、鍵穴に差し込んだ。
時計回りに回す。
……開いた!
懐かしいあのノートと本は、あの時のまま、残っていた。
ぱらぱらと捲る。
こいつらに、どれだけ助けられたことだろうか。
―私は。
大人になり、就職しながらも作家になった。
大きなスランプも、この主人公達に助けられた。
今読むと、拙い、幼い文章だけど。
……これを、本当に本にしたい。
そのノートは、色褪せずに私の腕の中にあった。

164:& ◆tEkM:2014/02/07(金) 21:14 ID:kMQ

この両手から溢れそうなほど。
僕らは何かを持っている。
その「何か」は数え切れない。
溢れ出してしまったものもあれば、掌に残っているものもある。
溢れたほを拾ったものもあるし、新しく持ち始めたものもある。
そのもので、僕という人間は作られている……。

地味だな。
自分への感想はこれくらい。
他の人も同じ様なもんだろう。
これといった取り柄もなく、ただ一人で居座っているだけ。
長所も無ければ短所も無い。
趣味も特に無いから話せない、というのは言い訳なのだろうか。
無機質な生活。
僕の中には何があるのだろうか。
まあ、好んでこうなっている訳でも無いが、別に変わりたいとは思わない。
アバウトに言うと……、面倒臭い。
何もする気が無いのだ、僕には。
そうやって自分を騙してる部分も……、少しあるけど。
そんなところは見て見ない振りに限る。

「よお!」
急に背中を思い切り叩かれた。
ってえ……、と振り向くと張本人は澄ました顔で口笛を吹いている。
何なんだよ、こいつ。
苛々と同時に……、少しの笑み。
なぜだろう。
意味分かんないな、僕は。
自分の感情がはっきりと理解出来ない。
それから、そいつの話は始まった。
僕は何も言わずに頷いてただけだったけど、そいつはペラペラと喋っていた。
何時の間にか人だかりが僕を囲んでいる。
―こいつ、すげえな。
悲しいんだか楽しいんだかよく分からないけど、とにかく、その時がもっと長く続いて欲しい、と思った。

僕らの身体は複雑過ぎる。
どうしたいのか、はっきり言ってくれない。
どう感じているのか、よく分からない。
でも、それで良いんだと思う。
両手一杯の感情。
大切に、していきたい。

165:& ◆tEkM:2014/02/07(金) 21:35 ID:kMQ

退屈なんてワードは程遠い。
……なんて、俺カックイーっ!
「一人でにやにやしてないで、手伝ってよ!」
へいへい。
ったく、邪魔にしないで欲しい。
俺は口を尖らせた。
せっかく、良い文書けそうだったのにさ。
こんなんじゃこのスレ主に書かれちゃうよ。
「ほーら、手伝って、ってば!」
仕方ない、俺が書く暇は無さそうだ。
俺は幾つもの段ボールを一気に持ち上げた。

文化祭、か……。
体育系男子には興味の無い行事NO.1である。
バスケしたいのに、準備期間は部活無し、らしい。
ふざけんなよ、全く。
しかも教室の飾り係になってしまった。
女子に任せていたら、完全少女趣味のものになった。
花を作ってるときなんか、恥ずかしいったらありゃしない。
取り敢えず仕方無いのでさっさと作る。
少々雑なのは……、気にしない、気にしない。
終われば運搬係だ。
荷物を運ぶのは最近の運動不足解消にぴったりだった。

「ねえ、一緒にお店、回らない?」
……はああ!?
「あ、ごめん、嫌なら良いけど……。」
ひゅーひゅー、と野次馬の歓声が上がる。
え、ちょ、待てよ。
女と文化祭なんて……、付き合ってもいないのに。
そいつは同じ飾り係で、色々教えて貰った相手でもあった。
真っ赤なその顔は今にも泣きそうだ。
でも、運んで来ただけだぞ、俺!?
段ボールを抱えて来たらいきなりそう言われても困る。
「ちょ、ちょっと考えさせて…!」
そう言い、―そのまま忘れていた。

文化祭当日。
「一緒に行こっ!」
その言葉で、全て思い出した。
反射で頷く。
……え、あ、ちょ、あ……………。
そいつは嬉しそうに笑っている。
急に、手を握ってきた。
―柔らかい。
何だ、この気持ちは。
もやもやした気分のまま、俺はそいつと歩いた。
その日、繋がれた手が離れることはほとんどなかった。

166:& ◆tEkM:2014/02/08(土) 13:18 ID:kMQ

リクエストいつでもどうぞ☆

167:千代紙 ◆9X3s:2014/02/08(土) 14:47 ID:PYM

光が
「おめでとうございます、あなたは人質に選ばれました!」
昨日も今日も晴天で

から!
歌の歌詞ばっかし……orz

168:& ◆tEkM:2014/02/08(土) 16:09 ID:kMQ

ありがとうございます☆

169:& ◆tEkM:2014/02/08(土) 16:59 ID:kMQ

光が暗闇に現れる。
…満天の星。
あんなに綺麗に光続けられる。
誰も見ていなくても。
誰もその星の名を知らずとも。
星は、輝き続ける。
あの星の光は、遠い遠い時代に送られたもの。
今見ている光は、何千年も前に届けられた贈り物―。

「うわあ!でっかい温泉やなあ!」
俺の大きな声が風呂中に響く。
修学旅行なんだ、はしゃいで当然だろ。
服を脱ぎ、湯船に飛び込む。
途端、湯が溢れ出て行く。
そんなの気にしない。
「ちょ、ちゃんと体洗ってからにし!」
「あ、すまんすまん!」
湯船を出てボトルを押しまくる。
俺は泡だらけだ。
シャワーは出しっぱなし。
「もったいないで!」
そう言いながら友達も笑う。
この後は星空観測か、興味ねえなあ。
俺はそう思いながら泡を落とした。

説明しているおじさんの顔は寂しそうだった。
宇宙からの贈り物も、最近は見れない場所が多い、と言う。
電気の普及、そして……。
大気汚染。
星だけでなく、動物も影響を受けている、とおじさんは言った。
何や、俺、もしかしたら……。
怖くなって、おじさんに言うとおじさんは笑った。
「これからは、気を付けて欲しいな。」
頷くと、偉い偉い、と頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

いつか、この星達が。
もっともっと、綺麗に。
俺達に光を届けてくれる様になれば良い。
何年後かは、分からないけれど。
星。
もっと、美しく輝け―。

170:& ◆tEkM:2014/02/08(土) 19:36 ID:kMQ

「おめでとうございます、あなたは人質に選ばれました!」
……はああああ!?
振り向いたら車の窓から腕が延びた。
きゃ、ちょ、やめ……。
私の無音の叫び声は泡となって消え、私の体は車体に引き込まれた。

……変な誘拐犯。
最初に抱いた感想はそれ。
特に凶器を持っている訳でもなく、何かしてくることもなく。
しかもやけにハイテンションだ。
おめでたくねーわ、人質なんて。
心の中で舌を出す。
「着いたよっ!」
男が車を停めた。
―え、ここ、どこ?
私の家じゃないの!?
ぽかん、としているのを男は何か勘違いしたらしい。
「さ、入ろう!」

あのー、違うんですけど。
そう言ってはみたものの聞こえていないらしい。
なんて馬鹿馬鹿しい……。
庭に足を踏み込むと、ブザーが鳴った。
そりゃ豪邸だもん。
当たり前と言えば当たり前なのだろう。
男がおどおどしているうち、警備員が来て、あっさりと男を片付けた。
……何これ。
あっさりし過ぎて訳が分からない。
しかも……、面白くない!
これからどうしよう。
そう考え始めた時だった。
「俺……、お前が好きだった!」
男がそう叫び……、消えて行った。
……はああああああああああああ!?!
ますます訳が分からなくなり、口をぽかんと開けたまま私は突っ立っていた。

……私の人生は意味不明だ。
隣に、あの時の誘拐犯が居るなんて。
なんで、誘拐されたのに、こうなりたくなったんだろうね。
左手の薬指に嵌まっている銀色の指輪を見つめる。
……一緒に居たかった。
ただそれだけ、なのかもしれない。
自分でも何言いたいのか分からないけど。
―どんなことしてても、あなたはあなただよ。

171:& ◆tEkM:2014/02/09(日) 11:56 ID:7vw

昨日も今日も晴天でしたね。
明日はそれが嘘かの様に大雪が降る予報です……。
―雪、か。
俺はテレビの電源を切った。
明日はバレンタイン。
……なんて、俺には関係無いか。
モテる奴はさぞかしガッカリするだろ、良い気味。
少し僻んでみたが変化は無い。
あの、美人とは言い難いけれど、人を惹き付ける何かがある顔が思い浮かぶ。
いやいやいや、違うから!
あいつが好き、なんて俺の誤解だから!
本当は好きでも何でも無いじゃねえか……!

顔を見るとドキドキしてしまう。
声が聞けると嬉しくて仕方無い。
……それは幻覚だ。
幻覚だ、幻覚だ、幻覚だ……。
いつもそう言い聞かせている。
お、俺が恋なんて。
する訳が無い。
するはずが無い。
……そのはず、だったのに。
何か考えていないと、必ずあの顔が思い浮かぶ。
違う、違うから。
恋なんか、してねえから!
でも、明日のチョコを期待している自分が居る。
―そんなこと、ある訳ねえだろ。
……家まで来てチョコを渡して欲しい、だなんて。

天気予報通り、今日は雪だった。
学校は休み。
……誰も来ない。
当たり前、じゃねえか。
こんな大雪の日に。
何でわざわざ。
なあ、そうだろ、俺。
理想と現実は違うし、理想でも何でもない。
これは、ただの幻覚なんだから。
好きでも何でも無いって。
分かってんだろ?
煮え切らねえなあ、俺……。
素直になろうや。
―その日、誰も俺にチョコを渡す者は居なかった。

雪は溶け、べちゃべちゃしている。
新聞を取りに、ポストへ走った。
かちゃ。
ビニールに包まれた新聞を取り出す。
……ん?
何かがまだ入っていた様な気がした。
―チョコレート、だった。
綺麗にラッピングされ、濡れた小さなカードが付いている。
宛先は俺、署名にはあいつの名前……。
嘘、だろ!?
夢じゃない、よな…!
ドキドキしながらカードを捲った。
「義理チョコです。早く食べてねー!」
文には可愛らしいマークが付いていた。
……義理でも良い。
あいつがくれた、その事実は変わらない。
少し不格好な形のチョコレートは、少し苦くて、甘かった。

172:& ◆tEkM:2014/02/09(日) 13:42 ID:7vw

リクエスト待ってます♪

173: & ◆tEkM:2014/02/09(日) 20:09 ID:7vw

~野薔薇、必要のない余談をするの巻き~
はい、余談すみません。
ageついでに、勝手に書かせて頂きます。
スルーして結構です(笑)。
本は昔から大好きでした。
作家が夢だった時期もあります。
文才無いのによくもまあ図々しく……(笑)。
ノートに書いたこともありましたが、終わらない。
いつも微妙な、面白味が無い作品。
で、いつの間にか書かなくなりました。
受験もありましたので(言い訳では無いですよ)。
で、その後平凡(?)な生活を送り、友達からふと「小説掲示板」という素晴らしいシステムがこの世の中にあることを知りました。
でも、友達が教えてくれたのは二次創作の掲示板で。
私は無理だ、と言うことで却下。
そうして色々検索してみたところ、この「葉っぱ天国」を見つけ出しました。
長編は今までの経験からして続かないと判断し、短編にする、と決めました。
そうしてこの「たんぺんしゅう。」に辿り着いたのです。
今ではレス数100を越えるスレとなりました。
中にはずっと書きたかったものや、自分を主人公としているものもあります。
>>41は、自分自身でお気に入りの話です。
この葉っぱで、苦しんでいる人を沢山見掛けました。
そんな人に、少しでも支えになれたら、と思い、珍しく構成を考えて作った話です。
支えになる前に読んで貰えるか、ではありますが、とにかく書きたくてウズウズしてたんです。
また、私自身が主人公となっているものもありますが、モデルが私のものもあります。
>>157です。
いや、勿論ストーリーなので、話は大きくしています。
でも、中身は同じです。
感情を、無意味に抑え込んでいました。
私は孤独なだけ(まあ、何かされたことも多々ありますが)でしたけども。
親や受験等は本当です。
……とまあ、何言いたいのかよく分からない余談がとても長くなってしまっているのでここらへんで。
お付き合いありがとうございますた。

174:& ◆tEkM:2014/02/10(月) 20:44 ID:cJo

長編書きますです。

http://p.tl/I_wC

175:& ◆tEkM:2014/02/13(木) 22:25 ID:6Oo

リクエスト来ない……(泣)

176:*Shunya*:2014/02/14(金) 00:02 ID:OOM

『僕は君の涙を見てしまった』
でお願いします!

177:& ◆tEkM:2014/02/14(金) 17:08 ID:o4Q

ありがとうございます!

178:& ◆tEkM:2014/02/14(金) 17:43 ID:o4Q

ありがとうございます!

179:& ◆tEkM:2014/02/14(金) 17:45 ID:o4Q

うわ、すみません……。

180:& ◆tEkM:2014/02/14(金) 19:51 ID:o4Q

僕は君の涙を見てしまった。
……僕が見てはいけないものだった。
君の、恋が実った嬉し涙だなんて。
何でだろ。
僕、泣きたいよ。
ねえ。
君の恋が、実ったというのに―。

大きなハート形のチョコレート。
綺麗に可愛らしくラッピングされていた。
……僕にくれるかな。
勝手に一人で舞い上がって、君を尾行していた。
―馬鹿だよ、変態だよストーカーだよ。
分かってる。
けど、そのくらい許して。
…君の事、好きなんだから。
肩にも届かない背丈。
どこか魅力を感じる顔。
細い身体。
舌足らずな声。
全部、全部。
好き、なんだ。
でも、君が呼び出したのは別の人だった。
―見てしまったんだ、僕は。
紅潮した顔。
目を逸らしながらも渡したチョコレート。
「好きです」と言った唇。
返事を待つ瞳。
OKを貰ったとき溢れ落ちた涙。
……見たくなかった。
その可愛らしい、幸せそうな泣き笑いの表情を…。

バレンタインは、もっとキラキラした日だと思っていた。
失恋も有り得る、なんて単純明確なことも10年以上気付かなかっただなんて。
何でだろう。
どうして、君が好きになってしまったんだろう。
クラスメートで居れば。
友達で居れば。
こんな思いをしなくて済んだのに。
こんなに、泣きそうにならなかったのに。
おめでとう、で終われた筈なのに。
分かってるよ。
これが屁理屈だ、ってこと。
でも、止まらない。
恋に気付かなければ良かった。
好き、って分からなければ良かった―。

君はあの日から、幸せそうだ。
もう手が届かないあの笑顔。
なんて良い顔をしているのだろうか。
……君は今、どんな気持ち?
幸せなら…、それでいい。
君が好きなら、そう考えるよね、と最近やっと現実逃避を止めて思った。
君の隣に居たかった、と言う気持ちは変わらないけれど。
―君の笑顔を見れるなら。
まだ、好きで居ることを許してくれるならば。
僕はそれで幸せです。

181:& ◆tEkM:2014/02/15(土) 10:44 ID:o4Q

書き込みいつでもどーぞー!!

182:& ◆tEkM:2014/02/16(日) 17:12 ID:o4Q

リクお願いします!

183:千代紙 ◆9X3s:2014/02/16(日) 17:17 ID:PYM

じゃあ

スタートダッシュ見事に失敗
その心を黒く染めたのは、おい誰なんだよ
あの子の首の輪も解けますか?
誤魔化してるって分かってるんだ
天性の弱虫さ


ごめん、ボカロ歌詞ばっかだわw

184:& ◆tEkM:2014/02/17(月) 19:49 ID:CNg

ありがとうございます!

185:& ◆tEkM:2014/02/18(火) 22:45 ID:/0Q

そろそろ学年末なので、一旦リクエスト締め切ります……!

186:& ◆tEkM:2014/02/19(水) 19:51 ID:qwE

『スタートダッシュ見事に失敗。日本、無念の予選敗退です……。』
あーあ。
夜遅くまで起きてたけど、駄目だったか……。
俺はテレビのチャンネルを変えた。
―夜のドラマなんて初めて見るな。
ぼんやりとしながら眺めていたときだった。
「……はあああ!?」
俺は、その有り得ない光景に驚き、夜の町に声を響かせた。

…クラスメートが子役。
そんなことを、驚かない者は居るのだろうか。
俺は学校に着くとすぐさまそいつを物陰に連れ込んだ。
眼鏡で大人しくて小柄で目立たない様な、ぼっちの典型的な人間である彼女がテレビに出るなんて、信じられなかった。
このことを伝えると、大きな目を見開かせ、眼鏡がずり落ちた。
「……どうして、どうして…………。」
スカートの裾を握っている手に水滴が落ちた。

―前の学校でいじめを受けていた。
子役だから、と言う理由だけで。
ずっとそのことは隠していたのだが、顔を蹴られ傷を負い、いじめられていたことがばれてしまった。
「嫌がらせじゃ、ないと思ったの。私、皆が大好きだった。こんなの嘘だ、って思い込んでた…。」
嗚咽を繰り返しながら、彼女は告白した。
ソ レ ハ 嘘 ダ ッ タ 。
一番そのことを理解しているのは彼女だろう。
それでも……、自分に対して嘘を吐いて安心したかったのだ。
私はいじめられてなんかいない。
だって、沢山のことを一緒に乗り越えた仲間なんだもん。
私、皆が大好きだもん……。
そう自分に念じていた。
でも彼女は引っ越し、―嘘、と言う事実がくっきりと記憶に残ってしまった。

「お願い…、このことは秘密にしてよ……。」
涙を必死に堪えながら彼女は走り去った。
―可愛いよ、演技上手かった。
そう言いたかった。
でも、止めるのは自制した。
……逃げられた、と分かったから。
でも、いつか必ず言おう。
応援してる、って。

187:& ◆tEkM:2014/02/19(水) 21:12 ID:qwE

その心を黒く染めたのは、おい誰なんだよ。
元々はすごい仲良しだったのに。
ねえ、駄目?
いじめ返し、なんて。
この気持ち。
抑えられない。
あんたの心に染まった黒い液体が、
私の心にも移ったみたい―。

ばしゃっ。
空しい音が更衣室に響く。
三人しか居ない、広い広い部屋。
いつもは狭くて煩いのに。
「邪魔。死んで。」
一人がそう言い、更衣室を出た。
……寒い。
冷たい。
私はびしょびしょになったジャージを黙って脱ぎ、ビニール袋に入れた。
ビニール袋が必要不可欠になるなんて。
何て馬鹿馬鹿しいんだろうか。
濡れた下着は仕方ないので出来るだけ水気を取る。
彼女はバケツを手に持ったまま、呆然と私を見ていた。
元親友である彼女とは一言も言葉を交わさず、私はまだ濡れた髪を縛りながら更衣室を後にした。

私達は親友だった。
少なくとも、私はそう思っていた。
―あの子が引っ越して来るまでは。
あの子が来てから、彼女は変わった。
私は何もしていないのに。
私はいじめっ子の標的となってしまったらしい。
色々なこと、されたよ。
苦しいよ。
辛いよ。
どうしてなの。
私は何も分からない。
ただ……、やり返したい、と思ってしまうのだ。
世の中不公平。
いじめっ子はそのうち何かしら言われる。
いじめられっ子は、それまで我慢しなければいけないのだろうか。
いじめを返したら、私はいじめっ子となり、悪者扱いにされるのだ。
自分が何を考えているのか分からないけれど……。
よく分からない願望が、私を強く誘う、のだ。



続きます!

188:& ◆tEkM:2014/02/20(木) 21:15 ID:K5s

玄関のチャイムが鳴った。
母が扉を開ける音。
喋り声からして……。
来たのは、あの彼女、だった。
―何で来るの。
嫌だ嫌だ嫌だ……。
会いたくない会いたくない会いたくない。
こつ、こつ、と近付く足音。
泣きそうなのに何も出来ない私。
かちゃ、とドアノブがゆっくり動いた。

「…怖かったよ……、うわあああああごめんなさいごめんなさいごめんなさい……………!!」
入ってきた途端、彼女は私に抱き付き涙を流した。
―訳が分からない。
「ずっと、私、死ねって言われたの。あの子に……。あなたをいじめないと殺す、って言われた………。」
嗚咽を挟みながらゆっくりと言葉を綴る。
「負けた…、甘えん坊の自分に。私、馬鹿だよ……。」
私は何も言わなかった。
ただ、彼女の背中を叩いていた。
とんとん、と、ゆっくりと。
ひっく、ひっく、と流れる涙が優しく肩にかかって濡れていた。

「ああ言うこと、もうやらないから。」
彼女ははっきりと、いじめっ子にそう宣言したらしい。
立ち会うことは出来なかったけれど。
まだ、信用できている訳ではない。
…でも、まだ、好き。
離れていた手が、また元通りになった。
―この手が、いつまでも繋がっています様に。

189:& ◆tEkM:2014/02/21(金) 21:23 ID:Z5o

あの子の首の輪も解けますか?
解けもしないのに偉そうなことを言うのは間違っています。
何が正義で何が悪、なのか。
その答えは永遠に出ないでしょう……。

―変な夢。
俺は寝惚けた頭をこつん、と叩いた。
黒い服を身に纏った美人な女の人が頭から離れない。
何だか怪しげな人だったな……。
半場寝ながらも俺は制服に腕を通した。

「……あ。」
登校中、俺はある人を目撃した。
勝手に入ったのか、彼女の家の庭なのかは知らないが、その庭の犬小屋に居る一匹の子犬のリードを、彼女は外していた。
首輪を外すかちゃ、という音。
くうん、と尻尾をぱたぱたと振っている子犬を、彼女はやや強引に庭から押し出した。
…そっくり、だ。
夢の人と。
綺麗な琥珀色の目。
細い手足。
愛くるしいが威厳のある顔立ち。
「何をしているんですか!?」
何かの運命を感じた俺は思わず話し掛けた。
彼女は肩をびくっ、と上げ、恐る恐るこちらを見、俺が学生でこの家の人でないことを知ったのか、ふう、と息を吐いた。

子犬をこうやって自由にしてあげてるの。
彼女は誇らしげに語った。
この犬は、散歩もして貰っててないし、餌も貰えない可哀想な子なの。
だから、首輪を外して、自由にしてあげるの。
彼女が言葉を続けている間、子犬は戻ってきてくうん、と鳴いた。
あなたはこれから自由になれるのよ。
そう論している姿。
……これは、何だか微妙な気分だ。
子犬はどうしたいのか、と俺は考えて、ゆっくりと話し始めた。


こいつ、このまま家に居たいんだと思う。
そう言うと、彼女はとても驚いた顔をした。
どうして、自由になれるのに。
その問いには、上手く答えられなかった。
だが、どんなことがあっても家が好きなのは犬も人も同じだ、とだけ言った。
不思議そうに眺められながら、俺は子犬を元の位置に戻した。
子犬は、くうん、と嬉しそうに鳴くと、尻尾を振って俺の顔を舐めた。

それから、彼女の姿は見ていない。
今はどうしているのだろうか。
あの子犬は、近所の人々にこっそり世話をして貰い、無事に大きくなった。
何が正しいか、なんて誰にも分からないけど、……相手のことも考えるのが、大切だと俺は思う。

190:& ◆tEkM:2014/02/23(日) 17:01 ID:KcM

試験が近いのであまり来れません……。
コメント歓迎してます!

191:& ◆tEkM:2014/02/25(火) 21:11 ID:nsY

誤魔化してるって分かってるさ。
……自分を。
私自身を。
騙してる、って。
ねえ、私。
自分自身を問い詰める。
何で私をいじめるの。
どうして……?


昔の出来事に、まだ捕らわれている私が居る。
自分から、囚人と化した。
脱走なんて、出来ないよ。
抜け出したい、と一番知ってるのは私なのに。
馬鹿だよね、私。
わざわざ私の意思に歯向かうなんて……。



一旦切ります!

192:& ◆tEkM:2014/02/26(水) 21:58 ID:nsY

私は昔、ずっと一人きりだった。
味方なんて一人も居なかった。
敵、と呼んで良いのかさえ分からない。
私は、『いじめ』と言って良いのかも分からなかった。
自転車で走ると傘をぶつけられた。
私の天然パーマを勝手に手櫛で鋤き、後ろでくすくすと声がした。
話し掛けてもスルーされた。
誰もが私を避けている気がする。
誰もが私を嫌っている気がする。
誰もが私を噂している気がする。
クラスメートの話し声。
笑い声。
ひそひそ話。
全て、私のことの様な気がした。
私はいつも一人だった。
隅で仲良し二人組が私を見ながら笑っている気がした。
気にしない振りをして床を掃く。
その箒を、ぎゅっ、と強く握る。
そんな日々が続いた。

私は受験し、他の子と接触しない様細心の注意を払った。
見事合格し、新しい学校に入学した。
幸せになった……、はず、だった。
ソ レ ハ 偽 リ ダ 。
そう気付いたのは何時の事なのだろうか。
今回は、敵なんか居ない。
逆に皆良い人ばかり。
―私のせいだ。
感情を表に出さない自分。
過去を引き摺る自分。
人を避ける自分。
色々な『私』が入り交じる。
こんな私にわざわざ近付きたいなんて人は中々居ない。
そんなの当たり前のこと、なのだ。

こんな私に、身の上を打ち明けてくれた子が居た。
彼女は、私よりも辛い環境を必死に生き抜いて来た人だった。
とても苦しい筈なのに、笑顔を見せた。
強い、強いその顔。
泣かずに笑うその表情。
彼女は、本当は死にたいのだ、と正直に言った。
でも怖くて死ねない、と言った。
私は何も言えなかった。
言える立場ではなかった。
ただ、死なないで、とだけ言った。

包丁の光。
私も何度見たか分からない、暗闇に連れて行く光。
彼女は私の何倍、その光を見たのだろうか。
私は何て弱いのだろう、と思う。
私は、私らしく。
私らしく、何てまだ分からないけれど、ありのままの姿で居たい。
自分を騙さないで。
自分に偽らず、抑え込まず。
この状況が長く続いたから、急に変えるのは難しいけれど。
いつか、彼女とあの時はああだったね、と懐かしく笑える様になれたら良いなと思う。

193:& ◆tEkM:2014/02/27(木) 19:29 ID:nsY

>>191-192

又私のこと書いてしまってごめんなさい……。
せっかくなので、私の事を幾つか。
こんな弱虫ちゃんは今日も馬鹿やってました(笑)。
強い人はすごく苦労して、努力して、涙を見せながらも逆風に耐えて来ているのかなー、と思いますね。
死にたい、なんて簡単に言える人は逆に羨ましい。
沢山嫌な思いして、死にたいけど死ねない、と正直に言える子。
実際、私の近くに居るんです。
辛くても。
苦しくても。
いつも笑っている彼女は凄いなあ、と思います。
でも、本当は泣いているのかもしれないね。
辛くて、苦しくて。
私も沢山泣きました。
誰も居ないキッチンの包丁出して。
何したかったのか自分でも分からないままでした。
包丁の先を自分の胸に向けると、急に怖くなったんです。
……私自身を。
そのまま包丁は戻しました。
泣きました。
涙が止まらなくて。
一人で、鳴き声を上げない様に気を付けて。
でも、こんな私に構ってくれる、相談に乗ってくれる子なんて居なかったんです。
死にたかったんだ、と知ったのはごく最近のことでした。
どうしてか、と言うときりがないのですが、小説に一部を書かせて頂きました。
私は未だ、この事を引き摺っているんです。
私は弱虫なんです。
強くなんかないし、大人でもないんです。
ただ……、最後に書いた様に、いつか懐かしく笑える日が来て欲しいな、と思いますね。




p.s.
詩「蒼い鳥」
http://ha10.net/poem/1392523684.html
よろしくお願いします☆

194:& ◆tEkM:2014/02/27(木) 19:30 ID:nsY

>>193
鳴き声(笑)
泣き声、でした失礼しました……ハズカシイ

195:& ◆tEkM:2014/02/27(木) 23:15 ID:nsY

試験前なのでリクエスト締め切っています。
コメントはいつでも大歓迎です。
試験後にはリクエスト再開致しますので、その時は宜しくお願い申し上げます。

196:& ◆tEkM:2014/02/28(金) 21:08 ID:nsY

♭余談♪
新たに次回作を下書きし始めました。
今回は、よく分からない企画を立てています!←
この葉っぱと、「小説カキコ」と言う掲示板を股がり書こうかな、と!
理由?
そんなの聞かないで下さい……。←
やりたいと思っただけです、はい。
いつの間にかこの話が消え失せているかもしれませんし、いつのことになるのやらも……。


小説カキコ↓
http://www.kakiko.cc

197:& ◆tEkM:2014/03/05(水) 13:48 ID:CNg

落ちてしまっていましたね……。
試験、あと少しなのでもうしばらくお待ち下さい。
新しく始める話のタイトル(仮)は、……秘密です!←
それらしきタイトルは決まっていますので、少々お待ち下さいね。
下書き、清書を終えたらスレ作ります。

198:& ◆tEkM:2014/03/07(金) 17:31 ID:a.E

試験終わったのでリクエスト受け付け開始します!
幾つでも良いです(でも常識的な範囲でお願いします)!

199:& ◆tEkM:2014/03/07(金) 17:53 ID:a.E

そう言えばもうすぐ>>200ですか…!
せっかくだから>>200取りますか。
>>198よろしくですっ♪

200:& ◆tEkM:2014/03/07(金) 17:54 ID:a.E

>>200!!
嬉しいですっ♪
皆様のおかげです☆
今後もよろしくお願いします(`・ω・´)

201:柊 麗奈 ◆.EnE:2014/03/07(金) 22:13 ID:PYM

200おめでとおおおお!!

いつも面白く読ませて貰ってるよ!
余談も隅からすみまd((

更新頑張って!

202:& ◆tEkM:2014/03/08(土) 10:38 ID:a.E

ありがとうございます☆
頑張ります(*^^*)

203:& ◆tEkM:2014/03/10(月) 20:30 ID:Uz2

長編終わりましたーっ!
皆様ありがとうございました♪

204:& ◆tEkM hoge:2014/03/14(金) 20:03 ID:/AA

リクエストお願いします!

205:& ◆tEkM:2014/03/14(金) 20:29 ID:/AA

ほげしてました…!

206:& ◆tEkM:2014/03/15(土) 13:41 ID:/AA

「お願い、消えて。」
これは私が放った言葉だ。
我ながら酷いなあ、と今になって思う。
本当は、消えて欲しくなんか無かった。
遊び半分、だったんだ。
でも、『遊び』なんかじゃ済まないと知ったのは、つい最近。
……忘れもしない日々だった。

「ち、遅刻しちゃうっ!!」
制服のスカートを翻しながら廊下を走る。
あ、国語の教科書忘れたな……、まあいっか。
―あいつに濡れ衣着せれば良いし?
ふふふ、と一人で笑う。
私、悪いなあ。
やっぱ面白い、こう言うの。
…………今思うと、とてつもなく馬鹿な思考だ。
あの頃は本当に自己中で人の事なんか考えてなかった。
思い出話をする時、私は決まって肩を竦める。
なんだか決まりが悪く、曖昧な逃げ道を作るのだ。
不愉快に感じる人、貴方は正常だよと言いたい。
でも、私はこの頃は狂っていた時代だったのだ。
嫌な話ではあるが、もう少し我慢して聞いて欲しい、と思う。

携帯電話のバイブ音が鞄の中に響いた。
友達からのメールには、可愛い絵文字が羅列していた。
お、新しい絵文字をまた入荷したな?
全く、女子力が高い子は半端無い。
返信を打ちながら廊下を走る。
―ドンッ!!
不意に大きな衝撃が身体中に渡った。
携帯が手から離れ、床に落ちる。
私は思い切り尻餅をついた。
「ちょっと、何するのよ、痛いじゃな……!」
私の言葉は其処で止まった。
真ん前に居たのは…、私そのもの。
白い肌、大きな目、先をちょとカールさせた髪。
自分で言うのも何だが可愛らしい顔立ちが目の前にあった。
鏡ではなく、……本物だ。
私は反射で、自分の体を手で確かめた。
鼻には眼鏡が掛かっており、腕は太く、身長も低め。
正に、―『あいつ』そっくり、だった。

私…、いや、あいつは、ひょこっと立ち上がり、自分が変わり果ててしまった事に純粋に驚いていた。
そして私を見ると慌てて「ご、ごめんなさいっ!」と謝った。
「遅いから連れて来い、って言われて……、ブレーキ効かなくなっちゃって。」
言い訳を捲し立てながら身振り手振りを付ける。
「分かったから、その鼻に掛かった声とぶりっ子、良い子ちゃんごっこは止めてよ。私の身体なんだから。」
「は、はい、ごめんなさーい。」
全く分かってない。
このままじゃ拉致が明かないので話を続けた。
「とにかくさ、あんたの身体なんかになっても困るんだけど。どうしてくれるの?」
背が低いので顔を見上げて威嚇する。
こいつの旋毛が見えないなんて最悪だ。
「ど、どうしろって言われても……。」
こいつは、小文字が乱用された言葉の様に、指を合わせて項垂れた。

「土竜だー、汚いーっ、きゃっっ!!」
一瞬、私の事だと理解出来なかった。
そうだ私、今『土竜』なんだった。
「こんなでっかい眼鏡、今日も掛けてるの?さすが土竜、ダサーい!」
眼鏡を取られる。
何も見えなくなった。
あ、ちょっと返してよ。
その言葉をどれ程言いたかったのだろうか。
でも、反発する勇気は無かった。


続きます!

207:& ◆tEkM:2014/03/15(土) 14:07 ID:/AA

……意外と、苦しかった。
私は今まで、こんな事してたんだな。
自分が阿呆だ、とやっと気付けた。
「土竜は土に戻りなさいよ!」
そう言いながら土をスクバの中に無理矢理詰め込まれる。
お陰で教科書は土だらけ。
―私には何も言い返す権利なんか無かった。
いつもあいつは笑って、「やめて下さいよおー」とか言ってたから、分からなかった。
あれが怒りを隠す、偽りの笑顔である事に。
自分自身に嘘を吐く為の笑顔だった事に。
私は何で気付かなかったのだろうか。
何で考えようともしなかったのだろうか。
自分の不甲斐なさ、情けなさを後悔した。

「いじめたら、駄目です!」
急に背後から私の声、つまりあいつの声がした。
「……え?!急にどうしたの!?!」
今まで『いじめる側』であった私―正確に言うと違うけど―がいきなりそんな言葉を発したので、そりゃまあ驚くだろう。
ぽかん、と口を大きく開けながらも、私を離してくれた。
「ご…、ごめん、なさい……?」
微妙に探る様な声で、首を傾げながらも謝られた。
本当は、私に謝られる事は無かった。

「…ごめん。今まであんたの気持ち、考えても居なかった。」
結構良い奴だったんだな。
聞こえない様に呟いたつもりだったが、満足げに頷いてくれた。
「分かってくれたなら、良いんです。」
そして、そいつは手を差し出した。
私は、その手を固く、ぎゅ、っと握った。
その瞬間、私は意識を失った。

キーンコーンカーンコーン……。
その鐘の音で、私は目が覚めた。
起き上がると、あいつが心配そうに私を見詰めていた。
その顔で出来事を思い出し、自分の顔を触った。
眼鏡は掛かっていなかった。
制服のスカートの下に白い脚が露になっている。
―元に戻れたんだ。
私は喜びで胸が一杯になった。
「遅刻、です。授業行きましょ。」
座っていた私に、そいつは開いた手を見せて、笑った。
…本物の笑顔、結構可愛いじゃん。
私はその手を取って、ゆっくりと立ち上がった。

208: ◆.EnE:2014/03/15(土) 15:32 ID:PYM

>>183の続きお願いします☆

209:& ◆tEkM:2014/03/15(土) 15:49 ID:/AA

おっと、「天性の弱虫さ」、まだ書いていませんでしたね(汗)。
失礼しましたm(__)m
ちょっと待ってて下さいー!

210:& ◆tEkM:2014/03/15(土) 16:22 ID:/AA

天性の弱虫さ。
想いを伝えられないままだよ。
君へのこの気持ち。
止まらない鼓動。
誰にも教える事の出来ない。
僕だけの、秘密の片想い……。

どうしてだろうね。
僕は、他人には言えない様な相手に恋をしてしまっていた。
あだ名は『黴菌』。
俗に言う、いじめられっ子だ。
確かに顔立ちが良いとは言い難い。
スタイルも良くないし、髪の毛は天然パーマだ。
……でも、良い所も沢山あるんだよ。
どんなに酷い事をされても、相手に返す事は絶対にしない。
辛い筈なのに毎日登校する。
周りに人が居なくても、黴菌扱いされても笑顔を絶やさない。
僕は凄く強い子だと思う。
でも、その笑顔はお面だ。
お面の下は……、きっと、泣き顔なんだ。
誰にも見せない、もう一つの、本当の素顔。
そんな子の、…本物の顔を見たいなんて言う僕は可笑しいのかな?

君の机に絶えない、『死ね』の文字。
何も言わず消しゴムで消した。
明日になったら、また書かれているのだろうか。
胸がきゅっ、と痛む。
僕は、君に何が出来るのだろうか。
誰も君に味方は居ない。
多分、僕一人。
先生はこの事を知りつつも無視して居る。
大きな事にしたくないのだ、と僕には分かる。
「いじめは駄目」と言いながら放置する矛盾の世界に、君は一人ぼっちなのだ。

棚の影に靴を見付けた。
隠された君のスニーカーを靴箱にそっと入れる。
靴を整えて居ると、君が一人、僕をじっと見詰めていた。
振り返ると君は慌てて顔を赤くした。
……可愛い。
「ありがとう。…私なんかの為に。」
その言葉で僕の浮わついた心は一気に冷めた。
「僕は、何もしてない。何も出来ない僕が嫌になるよ。」
素直にそう言うと、君は静かに微笑んだ。
「そう言ってくれる人、初めて。」
その途端、頬に柔らかい感触が残った。
現実が分からずに突っ立って居る内、君は恥ずかしそうに走って去って行った。
―キス、されたんだ。
そう気付くまで、とても時間が掛かった。

次の朝、君の机には、落書きでは無く、花が置かれていた。
昨晩、包丁を腹部に刺して死んでいたらしい。
……自殺、だった。
この事実を知り、僕はただ呆然としていた。
唇の温もりが消えてしまった僕の頬に恐る恐る触る。
僕は、君に何をしたと言うのだろうか。
天性の弱虫は、気持ちを伝えられなかった。
僕は馬鹿だ。
どうして、気付いてあげられなかったんだろうか。
不意に、花弁の上に滴が落ちた。

211:& ◆tEkM:2014/03/15(土) 16:25 ID:/AA

うわああこの頃暗い話ばかり……!
つ、次は明るい話にしなければ…っ!!

212:千代紙 ◆.EnE:2014/03/15(土) 17:21 ID:PYM

じゃあ


君にもらった愛はどこに捨てよう?

さあ、何処にも行けないな

南の楽園希望の都、願いごと叶うその場所へ行ける方法みつけました

セピアに変わりかけた仲間たちの笑顔は

口癖になった「まぁいっか」


お願いします!

213:& ◆tEkM:2014/03/15(土) 20:49 ID:/AA

ありがとうございます!

214:& ◆tEkM:2014/03/16(日) 15:43 ID:/AA

君にもらった愛はどこに捨てよう?
そう気負っても僕が君に貰った物全てを手放す事は出来ない。
…いや、しない、ってのは、僕が一番良くわかってるんだ。
だって、……君の事が、好きだから。

僕らは幼馴染みだ。
家が近所で、良く遊んでいた。
ずっとクラスが一緒だったって事、君は気付いてた?
小学校から中学校まで、僕らは奇跡的に同じ教室に居たんだよ。
高校になって、君が女子校になってからは勿論違うけれど。
この頃は道ですれ違って、軽く挨拶するだけの仲だ。
離れれば離れる程、君への想いは強くなるのに。
どんどん君は遠ざかるんだ。
此処は反比例して欲しくないのに……。
胸がきゅ、っと締め付けられるんだ。
……男でも、恋、するんだよ?

僕は知っている。
君に彼氏が居る事を。
君は僕に紹介してくれたんだ。
―僕の気持ちも知らないで。
君の通う学校の、近くの男子校の後輩なんだよね。
悔しくなるぐらい、良い奴だった。
嫉妬、なんて恥ずかしいけれど。
僕なんかとは比べ物にならない位、君にぴったりだ。
それでも僕は君に恋をしてしまっている。
片想い、って事位、僕が一番良く知っているんだ。
でも、この恋は終わらない。
終わってなんか、くれないんだ。

君と君の彼氏とで、一緒に帰る所を良く見掛ける様になった。
君は、僕に見せた事の無い笑顔だ。
悲しくなる位、輝いている。
手を、指を絡めてて。
唇が近付く場面は、見て見ぬ振りをした。
何で僕はこの気持ちを捨てる事が出来ないのだろうか。
神様は、この僕の想いを燃やしてくれない。
理不尽だよ。
僕は君の事、ずっと好きだったのに。
もう僕は君を好きで居た期間が長過ぎるんだ。
抜け出すことなんか、出来ない。
君を、ずっと見ていたい…。

僕らは社会人になった。
「高校でのカレは、自然消滅しちゃった。」
同窓会で君はそう言って、首を竦めた。
「それは残念だったね。でも、」
微酔い加減の僕は頗る気分が良かった。
「ちょっと嬉しいな、君をもっと見られるんだし。」
そう言ってから僕はこれじゃ変態だと気付いて顔を赤らめた。
酒が入っていて良かった、顔の赤らみに気付かれない。
「……ありがと。」
君は恥ずかしそうにそう言った。
「じゃ、やりますか。」
僕はグラスを軽く上げた。
―もう、少し飲んでしまったけれど良いだろう。
君も吊られてグラスを持ち上げると、柔らかく笑った。
「乾杯!」

215:& ◆sc:2014/03/21(金) 13:49 ID:02A

さあ、何処にも行けないな。
俺は肩を竦めた。
……ま、顔はにやついてるけど、ね。
一応俺、男だし?
格好良く見せたいってのも男の情って奴よ。
―と、自分でも良く分からない事を考えながら、俺はマフラーを鼻まで上げた。
春一番がびゅうっ、と俺の体を吹き抜ける。
春が近いとは言え、やっぱりまだ肌寒い。
「おっせーな……。」
そう呟き、俺は体を震わせた。

あの、放課後に、ちょっと良いですか?
女子バスケットボール部の後輩は、少し俯き加減で俺に話し掛けた。
俺は軽くOKを出しながら、バスケットゴールにボールを入れた。
帰る際、そんな事すっかり忘れてしまっていたのだが、後輩に呼び止められて思い出した。
ちょっとドキドキしながら後輩の言葉を待った。
後輩は上目使いで俺をちらっと見て、目が合うとすぐに逸らす、と言う事の繰り返しだったが、ついに息を大きく吸って、吐いた。
…もしかして、これは、あのパターンじゃねえか?!
夕暮れ色に染まった体育館に漂う緊張感はピークに達した。
―バスケの試合、見に行きませんかっ!?
後輩が俺の前に突き出したのは、近所の学校で行われるバスケの試合のビラだった。
俺は色々な感情を使い果たし、頭が朦朧としてしまった。

でも、帰ってから俺は気付いたのだ。
……これ、デートみたいじゃねえか。
告白されなかった、と言う自分勝手な失望感は一気に吹き飛び、思わず顔が綻んだ。
その途端、胸の鼓動が少しばかり早くなり、ペンに表す事が出来ない感情に陥った。
鼻唄を歌いながら準備する俺は、今考えるととてつもなく滑稽なものだが、当時はこんな自分が逆に格好良いと思って居た。
まあ、とにかく俺はこの日を楽しみにしてた訳だ。

「遅れてすいませんっ!」
小走りで後輩が姿を現した。
―中々可愛い格好をしている。
はあ、はあ、と息切れしながら、俺を見てにこっと笑った。
行きましょ。
そう言われて、俺は慌てて頷いた。

白熱した戦いだった。
俺は何だか夢を見ている様な感覚でその会場を後にした。
すごかったなぁ……。
後輩も隣で夢心地になっている。
火照った頬がピンク色に染まっていた。
……少しだけ見とれている自分に気付いた俺はビラを見ている振りをした。
「…あの、さ。」
そう口走ったのが俺だ、と言う事に気付くのは遅くなった。
自分の言葉だったのか、と思い焦って
「な、んでもない。」
と言った。
後輩は不思議そうにしげしげと俺を見つめて居たが、
「じゃあ、今度言って下さい。約束ですよ!」
と、頬を少し膨らませながら言った。
―その続きを言うまでに、俺はこいつに振り回される事になりそうだな。
そう思いながら、分かったよ、と後輩の頭をくしゃくしゃっ、と撫でた。

216:& ◆sc:2014/03/21(金) 15:54 ID:02A

南の楽園希望の都、願い事叶うその場所へ行ける方法見つけました。
それはとっても簡単です。
何故なら''恋''をすることで行けちゃう都なんだから。
私は数回行きました。
布団に潜ればあら不思議。
君と私で奏でてる。
その楽園の音楽を……。

これで私が''夢''の事を言っている、ってことは勘の良い皆様にはお分かりでしょう。
でも、恋をしなくちゃ行けないんですよ。
恋する相手とでないと、この楽園には辿り着く事が出来ないのです。
やり方は、こうです。
夢の中で好きな人と出会い、手を繋いでこう言います。
「南の都の妖精さん、私に魔法を彼にも魔法を、しっかりじっくりかけたなら、お空を飛ばして下さいな。」
あ、貴方が男だった場合はちょっと違います。
「私に魔法を彼にも魔法を」のところを、ちょっといじって、「僕に魔法を彼女に魔法を」とするんです。
一人称が『俺』の方は、とても多いと思うのですが、これはルールなので仕方ありません。
大人しく『僕』と言う事が一番手っ取り早いんです。
さすがに好きな相手が同姓だったら、面倒は見られませんが。
そしたら体が一瞬、ほんの一瞬だけですが、きらっ、と金色に輝きます。
それが準備が出来た、と言う合図なんです。
そしたら、えいっと軽く跳べば、そのまま体が浮き上がります。
そしたら南の、夢の都へと行く事が出来るんです。
……おっと、少し話しすぎましたね。
私が口をつぐんだら、丁度あそこに人が来ました。
あら、あなた方は見えないのですか?
ほら、あそこ、あの大きいヤシの木の辺りに見えますでしょう。
白い服―きっと寝巻きです―を着た二つの丸、あれは二人の頭です。
せっかくいらっしゃったんです、あの女性の中に皆様を御案内致しましょう……。





続きます!
勝手ながら次のリクエスト分を組み込ませて頂きます。

217:& ◆sc:2014/03/23(日) 10:53 ID:7Mg

セピアに変わりかけた仲間たちの笑顔は輝いていて。
その中でも……、彼の笑顔が、一番キラキラしていた。
懐かしい卒業文集に挟まれていた、一枚の写真。
最後に撮った、集合写真。
今、夫も子供も居る私が……未だにちょっと憧れの気持ちをもつ、彼の笑顔。
告白も出来ないまま、雲の上へと旅立った彼。
彼がもう此処には居ないからこそ、こうして白状出来るのかもしれない。
彼が、大好きだったってこと。
その古い写真を見ながら、私の意識は遠ざかった―。

目を覚ますと、そこは草原だった。
顔の横で、野花が揺れる。
私の髪の毛の隙間を、風が埋める。
私ははっとして起き上がった。
―見覚えがある。
私が通っていた学校のすぐ隣の野原だ。
今はアパートが建ち、この野原は消えてしまった。
向こう側には……、昔の、古くて小さな校舎。
今は大きく、新しくなってしまったけれど。
あそこに、私は……勿論彼も、毎日通って、授業を受けていたんだ。
色褪せてしまっていた懐かしい思い出が、一斉に思い返され、不意に涙が溢れ落ちた。
久し振りに、思い切り泣いた。
何に泣いているのか、自分でも分からなかったけれど、とにかく涙が止まらなかった。
白い寝巻きが、少し濡れた。
花の葉に、水滴が落ちて、一瞬だけ光った。
『ドウシテキミハ、ナイテルノ?』
片言で……、少し懐かしい声が、急に後ろから聞こえた。
―もう会えない筈の、彼だった。
私と同じ白い寝巻きを着ていた。
私の驚いた顔を見て、彼は何かを勘違いし、片言なのは死んでから随分時間が経って言葉を忘れてしまったからだ、と捲し立てた。
彼は、あの頃と全然変わっていなかった。

彼が私を立たせてくれた時、彼は急に何かを呟いた。
『ミナミノ…………サン、ボクニ…………………ヲ、シッカ……、オソ…………………………サイナ。』
「うわっ!」
私は一瞬飛び退いた。
急に私と彼の体がきらっ、と金色になったからだ。
しかも、飛び退き、地面に―着地しなかった。
ふわふわと宙を浮いている。
『サア、イコウ!』
彼は軽く宙を蹴った。
すると私達は猛スピードで空を飛んだ。


またまた続きます!
短編なのに長くてすみません。(汗)

218:& ◆sc:2014/03/23(日) 22:43 ID:7Mg

口癖になった「まぁいっか」も、いつの間にか消え去っていた。
彼が死んでから、強がって言っていた言葉。
だって……、この状況、どう考えても良くないでしょ!?
「きゃああっ!!」
私はこのスピードに、悲鳴を上げていたのだから。


ゆっくりペースで行きます!
すみません(汗)

219:野薔薇:2014/03/24(月) 20:05 ID:/bo

♭途中なのに雑談をする思い切りKYな野薔薇さんのお話♪

えへへ……。←
この後、どうなるんでしょうね?小説。
私が一番知りたいですよ本当。(切実)
どうやって終わらせれば良いのか検討もつかぬ野薔薇です。
いや、真面目にどうしよう……。
実は外国文学を日本語に訳した感じにしたかったなんて言えない。(いや言ってるけど)


さて、と。
過去の私の小説について幾つか。
たまーに、読み返したりするんですよ。
昔書いた短編ね。
これが非常に懐かしい。
そして、下手。(笑)
拙いです、本気で。
謙遜とかじゃなくて、率直に。
第三者のつもりで言っております。
あの頃は全く小説経験が無かったですし、精々ノートにちょびっと、ぐらい。
私の卒業文集とか崩壊してますからね?
あの文章力で小説家になりたいとか堂々と書いてんじゃねーよ、全く。
もう少し現実を見詰めろ。
と言うかノートに小説書いてますとかホラ吹いて本当は完結した事ない癖に!!
今では趣味の世界となっていますけども。
将来の仕事にしたいとかも無いですけど!!
何言ってんだ小6時代の野薔薇さんは。
あの頃は本当に馬鹿でした。(今もだけどね)

さて、此処初めてもう4ヶ月経とうとしています。
12/9ですって。
立てたのは随分昔の様な気分になってましたけど。
こう考えると何か不思議な気持ちです。
最初に書いたのは、あれですね、風車。
まあ、何て拙い文章なんでしょう。(某番組のノリ)
でも……、今の私に、書き直す事は不可能なんじゃないでしょうか。
やろうともしてませんけども。
未経験は未経験なりの、素質?(大袈裟ですが)があるんですよね。
今でも未熟ではありますが、やはり上達して来ていると自分でも思います。
その、少しグレードが上がっている私は、もう昔には戻れないんです。
自転車でもそうです。
最初は親や友達に支えて貰わないと乗れなかったのに、一人で走れる様になるとあら不思議。
支えて貰った途端、すってーん!と転んでしまう。
バランスが取れなくなってしまう。
そんな経験はありませんか?
私の状況は正にそんな感じなんです。
書き直す必要もないですしね。


さて、随分長く喋ってしまいました。
私は多くの方々に支えられて、何とか此処まで這い上がって来ました。
コメントやリクエストを下さった方は勿論、一文字でも、私の文章を読んで下さった方、又、今読んで下さっている方々に、心から感謝申し上げます。
書き込みをすることは無くとも、きちんと目を通して下さっている方が沢山いらっしゃる事も存じております。
まだまだ拙く、未熟なものですが、今後とも根気強く、お付き合い願います。

220:& ◆sc:2014/03/27(木) 20:50 ID:RHU

「きゃあっ!!」
『シッカリツカマッテ!!』
そ、そんな事言われても…!
私はすでに意識が朦朧としていた。
きゅっ、と彼が私の手を強く握り直した。
胸がとくん、と高鳴る。
すると、スピードが急に落ちた。
『サア、ミエテキタヨ!!』
「こ……此処は……?」
私達の下に見えた景色。
見たこともない、夢の世界。
『ココハ、ミナミノラクエン。ユメ、カナエテクレル。』
「夢を、叶えてくれる……。」
『ソウ。』
南の……、テレビにも映らない、南の楽園。
ヤシの木が、さわわ、と風に靡く。
暖かい空気を、大きく吸った。
ゆっくりと降下し、無事着地する。
私は、南の楽園に立っている。
生きている、と感じた。
大袈裟かもしれないが、そう感じたのは事実なんだから、仕方無い。
とにかく……、私、生きてるんだ。
彼も。
死んでしまったけど、でも、こうやって隣にいる。
そう、きっと彼も此処では生きてるんだ。
此処には……、誰もが、息をして。
皆、生きてるんだ…………。

ハーブの音が、心地好くメロディーを奏でている。
ピアノが、まるで話し掛けている様に歌う。
皆の声も、音楽の一部に聞こえる。
そんな場所だ。
優しく照る太陽が、彼の横顔に差し込んだ。
結構背が高かったんだね。
そう言うと、でも僕はあの時のままだよと笑った。
君はもう大人なんだねと言った。
実は子供もいるのよと言うとひどく驚いた様子を見せた。
私は笑いながら、でもずっと心の片隅に君がいたよ、と口を滑らせた。
慌てて口を手で塞ぐと、彼は恥ずかしそうに俯きながら、僕も、と呟いた。
実はずっと気になっていたんだ、と顔を逸らせながら彼は言った。
変態だよね、と苦笑いすると、私はそんなことないよ、嬉しい、と焦りながら言った。
結婚してるけど、今でも君の事が好きだよ。
そう囁くと、彼は耳の先から真っ赤になった。
僕、もう死んでるんだよ?と掠れた声で言うと、だからかもしれないね、と私は笑いながら言った。
君が死んでるからこそ、私はまだ恋出来るのかもしれない。
そりゃずるいよ、だって僕死んでからも未練残ってるのに、と彼は言った。
二人で笑い合った。
こんな幸せは随分久々だった。
何十年もの時を埋める様に、私達は語り合った。

「うわぁ……、綺麗…………!」
私はその大きな建物を見上げた。
シンプルに白で纏まっているが、とてもお洒落なデザインだ。
彼と中に入ると、白色が光に反射して、きらきらと光っていた。
宮殿の中はこんな感じなんだ、と小さな感動を催した。
〔ご用事は何ですか?〕
急に、何処からか上品な声が聞こえた。
〔私はこの南の楽園の長です。私は貴女の見えないところにいます。最初のナレーションも務めさせ…、ごにょ。失礼、何もありませんよ。〕
楽園の長と名乗るその人は、こほん、と咳払いをした。
〔それで……、この私に何かご用件でもおありですか?〕
「私の夢…。叶えて欲しいんです。」
彼が言うにはこの宮殿でないと叶えて貰えないとの話だったのだ。
〔その夢を、私にお聞かせ下さい。一日に一人三度まで、願いを聞き入れておりますので。〕
「あの……。彼を、生き返らせて下さいませんか?!」
そう言い、私は隣の彼を指差した。
彼は目を丸く見開かせた。
〔……それは出来ません。〕
「じゃあ私の守護霊として後ろに…………!」
〔それも無理です!〕
凛とした声に私は言葉を失った。
長は静かに、私に優しく言った。
〔もう死んだ者の命は元に戻してはいけません。歴史を変えると、貴女はいなくなるのかもしれないのです。〕
「私なんかいなくなったって……!」
〔ではご主人は?あなたのお子様は?その他の罪無き人々も、元からいなくなってしまうほかもしれないのですよ??〕
私は唇を噛んだ。
肩の震えが止まらない。
〔守護霊なんか、存在しません。貴女だけを特別扱いする訳にはいきません。それに、〕
一旦言葉を切り、長ははっきりと言い切った。
〔貴女はまだ彼を好きなのでしょう?もし彼を生き返らせたとしても、悲惨で波瀾万丈な生活になるだけですよ?貴女のご主人やお子様はどうするのですか?〕
―その通りだった。
私は、願い事の無駄遣いをしたのだ。
「……じゃあ、最後のお願いです。せめて、……………せめて、」
私は溢れ出しそうな涙を精一杯堪えて、笑顔を作った。

221:& ◆sc:2014/03/27(木) 21:05 ID:RHU

「彼が……、ずっと、笑顔でいられるようにして下さい。」
そう言うと、彼は私の肩にそっと手を置いて言った。
『ボクモ……、カノジョガ、ズット、シアワセデ、イラレルヨウニ、シテクダサイ。』
〔……良いでしょう。貴方のは、おまけでね。〕
ふふふ、と静かな笑い声が聞こえた。
〔恋、とは本当に不思議なものですね。〕
ちりん、と小さく、鈴の音がした。
その途端……。
長の声が。
彼の横顔が。
素敵な宮殿が。
広い広い世界が。
歪 ん で 歪 ん で 、 真 っ 暗 に な っ た 。

「お母さん。…おかーさん!!」
私を呼ぶ可愛らしい声。
体を揺さぶる小さい手。
「こんなとこでねちゃ、おかぜひきますよ!めっ、なの!!」
私の口調を真似して、子供が私を論した。
どうやら私は寝巻きのまま写真を見付け、それを見ながら眠ってしまっていたらしい。
―あれは夢だったのか。
そう思うと、胸がきゅっと締め付けられる思いがした。
「ほら、お母さん、絵本読んで!」
「はいはい。今読むからね。」
私はくしゅっ、と子供の頭を撫でた。
「ただいまー!」
「お父さん!お帰りー!」
「何だ、まだ起きてたのか?ほら、お土産にお菓子買って来たぞー!!」
「やったぁ!」
玄関の、子供と夫の声。
こんな普通の生活が……、私の幸せ、なのかもしれない。
ふと写真を見て、ありがとう、と呟いた。
写真の中の彼は、前よりも少し、口角が上がり自然に笑っているように見えた。
ゆっくりと引き出しに写真を仕舞うと、私は玄関に駆けた。
「おかえりなさい、あなた!」

222:野薔薇:2014/03/28(金) 19:33 ID:RHU

>>216-218
>>220-221

誤字脱字他諸々は気にしないで下さい……。
訂正面倒なのでしませんw
気付かないで下さいww


短編の癖に長くなりました(笑)。
読むのも気だるいですけど我慢して下さい。←
初めて文字数オーバーというのも経験しました。
>>220>>221を一気に書いていたんですけどね……。
多すぎたみたいです。(^^;
そりゃそうだ。

えー、私としては珍しく会話が多いです。
台本書きとか、基本的に好きじゃないので。(汗)
100%台本は別に良い(実際やりましたし)のですが、台詞の間に主人公の心情が出てる……みたいな、台本か小説かよく分からない文はあんまり気乗りしなくて。
例えば、

A「今度遊びに行こうよー!」
B「ごめん、ちょっと無理;」
え、何で!?私Bと一緒にいたい…って、あれ?
この気持ち、って…?
B「Aは可愛いなwどうしてそんな顔すんだよww」
A「えっ……/////」
やばい、私顔真っ赤!!

……みたいな。
ついでに記号とかも入れてみました(笑)。
とにかく、こう言うのはあまり好きではありません、個人的に。
会話もいつも少な目にするよう心掛けてますし、表現を変えるだけで印象も変わりますよね。
例えば、

私は勇気を出して、B君に声を掛けた。
「今度……、一緒に遊ばない?」
B君は、あまりにも唐突な話に驚いた素振りを見せた。
胸の鼓動が、激しさを増す。
「ごめん……、ちょっと無理。」
そう言われると、少しがっかりした気持ちになった。
そりゃ…、そうだよ、ね。
女の子と二人きりで遊びたくなんか、ないよね……。
「そんな顔すんなよ!どうしたんだ!?」
そう言われて私は目に涙が溜まっている事に気付いた。
どうしてだろう。
何なのだろう、この気持ちは…………。

みたいに変える、とか。
現実味増しますし、ちょっと内容や雰囲気も違いますよね。
今回は私の文才と言うのもありますけど…。(汗)

さて、講義が長くなりましたので本題に。
とにかく私は『台本書き』に抵抗がある人間なのですが、今回は珍しく台詞が多くなっています。
ぱっと見そうでないのは、「」は勿論、『』や〔〕と、登場人物によって記号を使い分けているのが一つです。
あとは、台詞にかぎかっこを着けずに、文章として成立させているからでしょうか。
だから、一つ一つに着けていくと大変な事になります。
こんな文、私にはとても珍しい。
自分でも驚いています。(笑)
工夫すると、台詞が多くてもそれっぽく見えるもんですね。

さてと、また話が長くなってしまいました。
私はお喋りなんです(笑)。
ただ、消極的な性格や人見知り等もあり、文字上でないと話が続かないんですけどね………。
まぁ、私はこんなんですが今後とも冷たい目でも良いので見守ってやって下さい。
リクエストお待ちしてます!←

223:野薔薇:2014/03/29(土) 12:58 ID:AQ2

「母の日おめでとう!」
お母さんに差し出した赤いカーネーション。
小さい花束だけど……、お財布には響いた。
月500円の私には辛かったけど。
―大好きなお母さんの為なら。
「ありがとう!……あら、蕾が着いてるのね。」
「えっ、本当!?」
私は驚き、お母さんのカーネーションをひったくってまじまじと見詰めた。
…本当だ、小さい蕾が隠れてる!
「当たり、だったのね!」
お母さんがカーネーションを受け取りながら子供の様に悪戯っぽくウインクした。
「ありがとう。とても嬉しいわ!」
その笑顔が…、私には、一番嬉しい。
お財布の底、叩いて良かったな。
そこで、私の行為は終わった……筈、だった。

ある朝の事。
蕾が朝日に照されながら、ゆっくりと花を開いた。
『よっこらせ、っと!』
「……ん?」
小さな声が聞こえた気がして、私は目を開けた。
目をこすりながら起き上がる。
布団で寝ている私達の枕元には、お母さんがカーネーションを飾っていた。
実は、お母さんはシングルマザー。
私が3歳の頃離婚したらしいけれど、お父さんの事はよく分からない。
とにかく、二つしだけの布団の狭い部屋で、他の人の声なんか聞こえる筈はない。
…寝言、かな。
何だ、と
また布団に潜りかけた、その時だった。
『気付けよ低脳め!僕がやっと出れたと言うのに!!重いから早くどけ!』
耳の側で、きんきんと大きな声。
「……え?」
むくっ、と反射で飛び起き、枕を持ち上げる。
『ふぅ……、お前、重すぎだ!減量しろ!』
そう言って枕の中から出てきたのは……、見たこともない、小人だった。
―て言うか、
「減量しろとか余計なお世話だっ!!」
『うぐぐぐ…っ!』
私は小人をつまみ上げ、ぎゅっと握ってやった。

『僕はカーネーションから生まれた花の精だ。』
「親指姫……って事?」
『僕は男だ。姫じゃない。』
「ごめんごめん。」
笑いながら膨れっ面の頬を軽く押す。
んっ……、ぐっ…、ぷはあ、と可愛らしい声を出す。
こいつめ、口は生意気だけど可愛いじゃん。
『んで、親指姫、って、何なのだ?』
遊ばれて少し不機嫌な言い方で問い掛けて来た。
私は笑いながら、本棚から一冊の絵本を出した。
古い本だな、と不思議そうに言われ、随分昔の絵本だからね、と答えた。
懐かしくて捨てられない、10年くらい前の絵本。
私は静かにページを開いた。

「……おしまい。」
ぱたん、と閉じると、少し埃が舞った。
『ならば、最初から燕に乗っておけば解決したのではないか?』
全く、夢の無い事を言う。
「そう言うお話なのよ。」
と軽くあしらうと、私は絵本を仕舞った。
すると、小人は私の肩にちょこん、と飛び乗った。
そして、肩の上で暴れ始めた。
「やめてよ、くすぐったい…!!」
『悪戯されたお返しだー!』
笑いながらカーテンを開け、ベランダへ出た。
朝日がきらきらと光って、綺麗だった。

ホー……、ケキョ。
梅の木の上で、まだ未熟な感じのする鳴き声が聞こえた。
その時だ。
『あれが燕か!』
「あっ、ちょっ、ちがっ……。」
小人が肩から飛び降り、その背中にでん、と乗っかった。
『達者でなー!』
小人が手を降り、踵で背中をとん、と叩くと、朝日に消えて行った。
何て呆気ない別れ方なのだろうか。
それに……。
「あれ、鴬なんだけどな…。」
そう呟き、不意に泣きそうになった。
何でだろう。
呆然と外を見詰めていると、お母さんが起きて来た。
「こんなところにいたの。朝御飯、手伝って。」
「…はい。」
ばたばたとお母さんはキッチンに向かった。
私はその背中を追い……、少し、外を振り返った。
ホー……、ホケキョ。
小さく、鴬の声が聞こえた気がした。
私は、朝日を見ながら窓を閉めた。

224:野薔薇 ◆QM:2014/03/30(日) 13:39 ID:OyA

勝手に書きました(笑)
トリップ着けます。

225:野薔薇 ◆QM:2014/04/03(木) 14:43 ID:722

♭雑談♪

「言葉」について。
言葉って、不思議ですよね。
言い方一つで、意味合いが違ってしまいます。
インターネットの怖いところは、相手がどんな気持ちで、どんな状態で、どんな事を伝えたいのか分からないまま言葉のやりとりをする、と言う事です。
だからこそ言葉を付け足して自分の感情を表現します。
でも捉え方によって人に与える印象が変わって来てしまう。
この部分は、活字の長所でもあるし短所でもある。
曖昧な表現にする事によって人の怒りを抑えたり、遠回しに注意出来る事もあれば、とても反省しているのに伝わらない…との事態もあります。
相手とは画面としか繋がっていないなんて、少々じれったい、と言うか。
何言いたいのか分からなくなって来ましたが、使う人によって印象は随分変わって行きます。
「障害者」との言葉がありますよね。
最近では「障がい者」なんて表記の仕方が多くなっています。
『障害』ではないから、とか何とか。
でも、私はその考えに首を傾げてしまいます。
使う人の気持ち次第でニュアンスが違うんだから、意味を成さないのではないか、と。
私もそれほど詳しい人間じゃありませんが、少しは知っているつもりです。
元々「障害者」との言葉は、「手が無い人」「足が使えない人」と直接言うのを避けた言葉なんです。
昔の人の思いやりの気持ちで出来上がった言葉を、「差別用語」と呼ぶなんて可笑しいと思いませんか?
使用する人が障害者を見下す気持ちで発しているのなら、それは間違っている。
この頃はちょっと敏感過ぎるんです。
「障害者」は駄目で「耳が聞こえない人」は良いのでしょうか。
一つ一つ、しっかりと言葉の成り立ちを理解した上で使わなくてはなりません。
しかし一番大切なのは、やはり「使う人の気持ち」であり。
どんなに良い言葉でも、言い方でかなり変わる。
「ありがとう」の言葉でも、時たまイラッとする言い方をする人も居ると思います。
「言葉を狩る」との事こそが、意味の無い人間の行動ですから。
そう考えると、『言葉』には広く深い何かが沢山隠されている、そんな気がします。
良く言われる表現ですが、「言葉のボール」みたいな。
強く投げたら強く返って来るし、優しく投げれば優しく返って来る、と。
どんな言葉もボールですから。
優しさや温もりを込めれば、どんな言葉も素敵なものに成るんです。
差別差別と叫ぶ方が、差別意識を強めてしまうのではないかなあと思います。

話が長くなりました(汗)。
私はこの一年、色々な考えが生まれたり、新しい意見を取り入れたり、古い物を捨てたり、を繰り返して此処まで来ました。
このスレッドを続けて行くにつれ、私の思考も変化しました。
……私は近々、この活動にピリオドを着けようかなと思っています。
これは本気です。
まだ考えは纏まっていないのですが、自分の気持ちや年齢の変化があり、迷っている状態です。
この「リクエスト方式」にも疑問点が浮かんでいるんです。
下書き途中の作品もあります。
けれど、自分のやりたい事は何なのだろう、と今考えているところです。
もう少し時間を掛けて、じっくりと考えて行きたいと思っています。

あ、リクエスト待っています。

226:野薔薇 ◆QM:2014/04/04(金) 19:08 ID:..k

新しく始めました!
小説、と言うよりエッセイに近いですねw

http://ha10.net/novel/1396604925.html

227:野薔薇 ◆QM:2014/04/05(土) 09:44 ID:..k

リクエスト待ってますー!

228:野薔薇 ◆I.:2014/04/05(土) 10:48 ID:..k

トリップ変えます!

229:千代:2014/04/06(日) 14:40 ID:PYM

「おもむろに目を閉じて」
「痛いくらいに現実は足早に駆け抜けた」
「いーある」←中国語です
「運命の糸で君を試すの」
「夜ごと飾るネイル」
「あいつもこいつもみんなで集まれ」

全部ボカロw
リクエスト、受け付けてる?

230:野薔薇 ◆I.:2014/04/06(日) 14:55 ID:..k

ありがとうございます!

では、此処で終了します。





☆お知らせ★
このリクエストにて、このスレをやめます!
と言うか葉っぱ自体行かなくなると思います。
もう一つのバスの方は……、すみません、放置しますw

231:野薔薇 ◆I.:2014/04/07(月) 17:52 ID:OF.

おもむろに目を閉じて、自分の感情を抑えた。
私は必要ない。
言葉なんか発しなければ良いの……。
そのまま、こくり、と頷く。
これが、いつもの私。
何もしない、する勇気がない、弱虫な自分…。

私は人の意見に従う。
争いは嫌い、なんて綺麗事かもしれない。
自分にだって意見や考えはある。
苛立つ事も少なくない。
でも、他の子みたいにはっきりと主張なんて出来ない。
嫌だって言えないから、いじめられた事もあった。
私は不必要。
何も言わず、ただ指示通りに動く操り人形。
しかも、自分から操られている。
優しいね、って、よく言われる。
こんなの、優しくなんかない。
「優しい」なんて所詮、自分に都合の良い人に対して言う言葉だ。
自分の思い通りにしてくれる人。
そうじゃなかったら、「優しくない」と言われる。
「うざい」と言われる。
「邪魔」と思われる。
それが、怖いんだよ。
昔みたいに無視されたくなんかなくて。
嫌われたくなくて。
びくびく怯えて、恐れて。
何してるんだろうね、私。
私の感情、なんてどうしてあるんだろう……。


切ります!

232:野薔薇 ◆I.:2014/04/07(月) 19:09 ID:OF.

「学級委員やりたい人、いますかー?」
中々決まらない委員会決め。
私は無理だ、務まる訳が無いよ……。
その時、私の腕を持ち上げる手があった。
「はいはい、やりたいってー!」
え……!?
私は突然の展開に着いて行けなくなった。
「あ、じゃあよろし……。」
「……えっ!?ちょ、ま……………。」
私は慌ててその手を振りほどこうとした。
すると彼女は小さく囁いた。
『優しいから、やってくれるでしょ?』
「!」
……言い返せない……………。
私は項垂れて、その指示に従おうとした。

「先生!違います!!」
ガタン、と大きな音。
「無理矢理手を挙げさせられているんです!」
その声は、特に何の関わりももたない、新しいクラスメートだった。
私も手を挙げさせている子も驚いて制止し、やがてゆっくりと腕を離した。
クラス全体が固まった。
私は、ゆっくりと席を立った。
「……私、やります。学級委員。」
私のことを言ってくれた彼女は立ったまま目を丸くした。
「実は…、一度、やってみたかったんです。私。」
「本当…………、に?」
彼女が聞くと、私は明るく頷いた。
すると、彼女は私に笑い返してくれた。
"言えるんじゃん、自分の気持ち。"
そう口を動かして、ゆっくりと座った。
私…、言えた。
自分から、自分の気持ちを。
「じゃあ学級委員、お願いします!」
先生の声で、大きな拍手が起こった。

233:野薔薇 ◆I.:2014/04/07(月) 20:32 ID:OF.

♭雑談♪

短編小説について。
短編って、終わりが無いなぁと思います。
一つ一つでストーリーが終わっているから、『完結』なんて無い。
いくらでも続けられますよね。
もし>>1000行っても、また新しく始めれば0からのスタートになる。
''END''マークが付けられないジャンルなんです。
そう考えると私はよく最初に「短編」を選びましたねw
いつでもやめられるように、と思っていたのが真逆でした。
いやはや、これが終わらない。
>>10でも>>1000でも短編は短編。
「終わった!」なんて言えない。
でも、いつかは終わらせなくてはならない。
何て難しいんでしょうかw
私は今考えると『どうして短編を始めたんだろう』と思うのですが、やはり、自分の嫌な出来事も良い出来事も、他人として書けるからでしょうか。
空想の世界だけでなく、現実の辛さ、苦しみ、悲しみを自由に書ける。
そこが短編の良いところだと思います。

長編は、必ず終わりがあります。
ですが短編は、いつまでも続きます。
いつまでも、どこまでも行くことが出来ます。
色々なジャンルを書けます。
果てしない世界。
でも、生があれば死があるように、小説にも始まりがあれば終わりがある。
短編は、終わりが無いのに終わらなくてはならない。
そんな過酷な世界の中で、このスレッドも幕を下ろそうとしています。
>>1000=完結、ではない。
私はそう考えています。
いつで止めても、無理矢理幕を引き下ろす他に方法は無いんです。
でも、力一杯下ろした後はどう感じるのでしょうね。
きっと、心に何か穴が空いている、そんな気分になるのでしょう…。

234:野薔薇 ◆I.:2014/04/14(月) 21:35 ID:L5Q

痛いくらいに現実は早足に駆け抜けて、私はいつの間にか学年が一つ上がっていた。
私立の女子校から帰る満員電車の中で、小柄な身体で精一杯吊革に捕まり窓の外を見た。
辺りは真っ暗。
腕時計を見ると、もう八時半だ。
夜景は私の事なんか気付きもしない様に、無情に走り去って行く。
クリスマスの頃のイルミネーションはもう消えて、建ち並ぶビルから漏れるか細い光が街を覆う。
ガタンゴトン…と規則的な音が私の心臓に響く。
周りの声何て私に届く筈も無く、意味を成さない物として私を横切る。
私はスクールバックを肩にかけ直して、小さく溜め息を吐いた。

この頃、何もかも上手く行かない。
風邪を拗らせてしまい、友達作りの波に乗り遅れた。
弟は受験生となり、両親は弟ばかり構う。
返って来たテストの結果は最低だった。
部活動では苦手な子と二人で仕事を任された。
一人で懸命にやっている横で何もしなかった癖に後になってとやかく言って来る。
したくもない校外学習の班長に無理矢理させられた。
隣の子に見せていたのに、教科書を忘れたと勘違いされた。
その他色々と小さな苛立ちが重なって、少しずつ大きくなって、爆発してしまいそうで。
でも、この気持ちをぶつける相手も見付からない。
別世界に逃れようとしても意味は無くて。
熱心なファンであるグループの歌を口ずさんでも心は晴れない。
歌詞には今の自分にぴったり過ぎて泣き出しそうになってしまう。
本の世界も、本を閉じればつまらない現実へと変わってしまう。
悪いニュースや出来事がありふれた矛盾した世の中。
嫌で嫌で叫び出したくても逃げることなんか出来ない。
声なんか出る筈も無いのに無責任に要求される世界。
この頃、何もかも嫌になってしまっていた。

小刻みに空しく揺れる車体が夜の街を走る。
窓に映る自分の表情は冴えていない。
笑顔を無理に作っても、心は嘘を吐けなくて。
自分を見失ってしまった気分を誤魔化してまた笑う。
口が笑っていても眉が下がっている。
こんなの、笑顔なんかじゃないや……。
笑うのは難しいのに困った表情はすぐに現せる。
何でだろうな、と窓に手を当てて、自分の顔を見詰めた。
トンネルに入った電車の外は灰色。
電車内の明かりが反射して窓が光り、私の顔は見えなくなった。

終点となり、私は一番最後に電車を降りた。
夜のプラットホームはがらんとしていて、降りる人々が世話しなく私の肩を過る。
「ちょっと、ちょっと。」
後ろから、声が聞こえた。
私の前に座っていたお爺さん。
男の人に体を触られた事があった為少し緊張し、一瞬躊躇いながらも「はい。」と返事をした。
「今日は月が綺麗だね。まだ満月じゃないけどね。」
お爺さんはそう言いながら空を指差した。
明るい街の上に、優しく照らす月が私達を見下ろしていた。
「本当だ、綺麗…………。」
私は思わず一歩踏み出し、月をじっくり見上げた。
まだ不完全な円形の月。
あと少しで、真ん丸になるのかな…。
ふと隣を見ると、お爺さんはもう居なかった。
見渡しても、もう人通りは少ない。
私は少しだけ、心が弾む様な、言葉に表せない感情になった。
月の事だけなのに、何だか勇気が沸いて、不思議な気分になって、涙が一粒、バックの上に 落ちた。
何でなんだろう。
他の人の励ましや応援は心に届かないのに、こんな小さな言葉が身体中に染み渡るなんて…。
私は月をもう一度見上げてから、改札へと歩き出した。

235:野薔薇 ◆I.:2014/04/19(土) 15:53 ID:L5Q

いー、ある。
これは、中国語で「1、2」と数字を表す言葉である。
ちなみに、0は"りん"、3は"さん"、4は"すー"、5は"うー"、6は"りょう"、7は"ちー"、8は"ばー"、9は"じょう"。
10は"しー"、11以降は"しーいー"の様に"しー"の後に数をつける。
20は"あるしー"となり、これも同上。
100は"ばーい"、1000は"ちえん"、10000は"わん"となる。
……とまあ、小説らしくない文字を羅列させ終わった僕は、ふう、と溜め息を吐いた。
主人公も楽じゃない。
何で小説なのに数字書かなきゃならないんだ。
まるで僕が不真面目な人みたいじゃないか。
あれもこれも、全部お姉ちゃんのせい。
僕は、中国語なんかに興味はないんだから…。

「何か言った?」
僕の後ろから、急に冷気が漂った。
「!……いえ、何、も…………。」
そう言いながらパソコンに書いたお姉ちゃんへの罵倒を急いで消して、『僕のお姉ちゃんは素晴らしいんだ』と付け足す。
そして、色々と心に思ってもいない文章を適当に作り上げた。
掲示板画面を覗き見て、お姉ちゃんは満足そうに頷いている。
『名前:涼
僕のお姉ちゃんは素晴らしいんだ。
中国語を何でも知っていて、僕に教えてくれる。
僕のHNの「涼」は中国語で「6」の読み方、「りょう」を漢字にしたもの。
6月生まれだし、ぴったりだと思ったんだ。
これも、お姉ちゃんのお陰だよ!』
何て小説らしくないんだ……。
僕は心の中で作者を呪った。
何で僕だけ、こんな目に逢わなくちゃならないんだ!
本当は、
『僕のお姉ちゃんは自己中なんです。
興味無いのにお姉ちゃんがはまり出した中国語を僕に押し付けます。
どうにかして下さい』
って言う相談文だったのに…。
お姉ちゃんはにこにこしながら部屋を出ていった。
ノックもしないで入るもんだから、緊張してしまう。
駄作になりそうだなー、と悲しみながら僕は即座に書き直し、送信ボタンを押した。

お姉ちゃんが中国語にはまり出したのはお姉ちゃんが大学生の頃。
僕が小学校4年生、つまり2年前だ。
大学に中国人が来たとか何かでお姉ちゃんは中国語の勉強を始めた。
その途端、中国語に目覚めてしまったのだと言う。
それからは中国語の勉強に僕を巻き込む。
僕は忙しいのに、部屋に連れ込んで中国語について語られる。
ったく、小学生の忙しさ舐めてるな?
そう思う心と裏腹にお姉ちゃんの行為はエスカレートして行く始末、って訳である。

また、お姉ちゃんに呼び出された。
ノックを2回。
……返事が無い。
珍しい事もあるもんだな。
僕は静かにドアを開けた。
「入るよー。」
そこには、いつもと違うお姉ちゃんが座っていた。
綺麗にカールしてある筈の髪はボサボサで、いつもは滅多に着ないTシャツ姿。
声だけは変わらずに、僕の名前を優しく呼び、続けた。
「中国語で"さようなら"って、分かる?」
僕が首を傾げると、お姉ちゃんは一枚の紙と鉛筆を取り出した。
『再見』と、丁寧に書き上げて僕の顔の前に差し出した。
「ツァイチェン、って言うの。再び見る、って書いて。」
僕は紙を受けとり、まじまじと少し癖のある二文字を見詰めた。
「再び見ましょう、つまりまた会いましょうって事。素敵な字よね……。」
そう言うと、お姉ちゃんは部屋を出て行ってしまった。
パソコンの明かりが着いている。
立ち上がって画面を見ると、僕の相談ページだった。
お姉ちゃんへの、生々しい罵倒の言葉。
僕ははっとして、ドアを勢い良く開き、駆け出した。
トイレから、寂しげな顔をして出てきたお姉ちゃんの前に立ち止まる。
「再見。……良い言葉だね。」
笑顔を見せると、お姉ちゃんの表情が輝き、優しい手が僕の頭に乗った。

236:野薔薇 ◆I.:2014/04/20(日) 16:19 ID:L5Q

♭雑談♪

私の初小説は、>>4、風車と愛ちゃんのお話。
今時風車を大事にしている子供なんていないかもしれませんが、だからでしょうか、愛着が沸いてしまいます。
此処で初めて書いた、と言うのもあるのでしょうが。

風車、と聞いて皆さんはどの様な風景を思い浮かべますか?
私は当初、風で電気を作る、風力発電の様子を思い浮かべていました(笑)。
いやいやいや、それは無いだろうと考えを改め。
今でも変わらないのですが、チューリップが沢山咲いていて、その中にポツンと風車が立てられている、そんなイメージです。
話の中では家の前(玄関)となっていますが、頭の中ではそんな長閑な風景となっています。
現実にそんな場所は少ない為、設定上は家の前、となっています。
街の中では滅多に見られない風景となってしまうんです。
少し悲しいなあ、と思ってしまうのは私だけでしょうか。
私の母方の祖父母は田舎のど真ん中に住んでいます。(父方は回りは田舎ですが少し歩くと街になる、よく分からない構造です)
辺りは一面田圃、家の裏には自然の山です。
勿論山は所有地ではありません。
少し歩くと大きな川。
その坂道を上ると親の通っていた小学校が見えます。
車には殆ど遇いません。
下水道は昔のまま、トイレも汲み取り式です。
知らない方も多いでしょうが、バキュームカーが家に月何度かのペースで回って来て、回収して行くんです。
( http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%AB%E3%83%BC )
朝は鳥の鳴き声で目覚めます。
夜には眠れない程、蛙の鳴き声がします。
そんな場所が、今でも残っているんです。

今は街が非常に多くなっています。
夜には電灯の光のせいで星が見えませんよね。
野原や辺り一面の畑と言った風景がどんどん消えています。
>>4の場所が、本当にチューリップ畑だったらどんなに良いかと思いますが残念ながらそんな場所は少ないと思います。
自然と触れ合う機会が少なくなると、いじめとか、差別とか、嫌な言葉が出回ってしまうんじゃないかなと個人的に思います。
自然は、体に安らぎを与え、心の豊かさを育むと思うんです(ちょっとクサいかな)。
木一本、花一輪でも良い。
自然が、少しでも人々の周りにあると良いのではないでしょうか。


あと、最後の話にはあの子が登場します!
一体誰でしょうか……!?
もし分かっても、お口はチャックです(笑)。

237:野薔薇◆I.:2014/04/27(日) 13:26 ID:dfI

運命の糸で君を試すの。
君が私を好きなのか。
私は君が好きなのか。
私と君は繋がれているのか。
……なんて、ね。
馬鹿げた事を考えたささやかな罰として、頭に拳をこつん、と当てる。
小さな小さな音が脳裏に響く。
少し溜め息。
自分の小指をまじまじと見る。
―赤い糸なんて、見えやしないよ、私。
分かってる筈なのにね。
この腕に絡み付いてくれる人は居ないのに。
この唇を奪って欲しい人は私の姿は眼中に無い。
痩せようと努力しても、気付いてくれないんだ。
知っている筈なのにね。
鼻に掛かった大きな眼鏡を外す。
厚いレンズを袖で軽く拭く。
細い目をもっと細くして、君を探す。
暖かくて少し騒がしい昼休みの教室の君の席。
君はいつも真ん中。
周りに集まる人々が羨ましい。
私はまた、溜め息を吐いた。

私には……、好きな人が居る。
いや、これは仄かな''憧れ''に過ぎないんだ。多分。
だ、だって、私が、恋、なんて、漫画みたいな事、する訳無い、でしょ!?
冴えない学生の私が、そんな夢みたいなの、出来ないんだもん…。
言い訳みたいに言葉を並び立ててみる。
強がったって何も始まらないけれど。
素直に、受け止められたら良いのにね。
拭いた眼鏡のレンズを蛍光灯に翳して覗き見る。
まだ少し残っている指紋や埃が浮き立ってくっきりと見える。
もう一度丁寧に拭いてから、私は眼鏡を掛け直した。

ちゃんと、頑張らなくちゃ。
長いスカートの丈を引っ張る。
今日は委員会だよ。
そう考えるだけで、とくん、と胸が高鳴る。
この小さな胸も、しっかりと血液を全身に送り出しているんだ。
初めはやりたくない委員会だったけれど、……君と同じなら。
誰もやりたい人が居なかった保健委員。
本当は図書委員になりたかったけれど。
静まり返った教室で、君が、手を挙げてくれたんだよね。
ちょっと格好良いな、とか思っちゃったのはきっと気のせいだけど。
―いつの間にか、私も手を挙げてました。
きっと、君が勇気付けてくれたから。
私も、君と接点を作りたかったから。
優しいその眼差しに、少しでも入れる事が出来るのなら…。
そう、思ったんだよ。
こんなこと、直接言える訳は無いけれど、ね。
筆箱を大切に抱えながら保健室に向かった。

君は私より早く着いていた。
然り気無く、隣が空いていて。
同じクラスだから当たり前の筈なのに、何だかくすぐったい思い。
渡してくれたプリントに名前を書き込む。
…ころん。
筆箱からシャープペンシルが転がり落ちた。
拾おうと身を屈める。
やっと届いた手に、もう一つの大きな手が重なった。
顔を上げると、こつん、と額がぶつかる。
見上げた先には、君の照れた顔があった。
小さな出来事なのに、顔がどんどん紅潮して行くのが肌で分かる。
……やだ、こんな。
私は赤い頬を見られたくなくて、咄嗟に君から視線を外した。

さあ、勇気出して。
私はシャープペンシルを胸に当て、大きく息を吸い込んだ。
―これは、私の宝物。
「さっきは、拾ってくれて、ありがとう。」
すんなりと言葉が出た。
「……一緒に、帰らない?」
そう言ってから、恥ずかしくなって少し俯いた。
「…良いよ。」
嘘だと思った。
夢かと疑った。
でも、本当の、本物の君の声だった。
胸の微かなときめきを感じながら、私は胸元のリボンを軽く結び直した。
準備は、OKだ。
少し笑い掛けると、君はぎこちなくだけど優しく私に微笑んでくれた。

238:野薔薇◆I.:2014/04/27(日) 19:52 ID:dfI

>>229
次の…「夜ごと飾るネイル」ですが………。
よ、夜ごと飾る、ネイル(別名マニキュア)ですか!?
いや、調べました。
ありましたよ、歌詞見付けましたし。
ミクちゃん?だかよく分からないですけどありました。
エンヴィキャットウォーク、ですか…。
すみませんが、このままだと全く想像が膨らみませんので、「夜ごと飾るネオン」に勝手ながら変更させて頂きます。
歌詞の中にもあったフレーズなので…。
ボーカロイド?に全く興味が無く、歌詞も難解で意味がよく分かりません。
本当に申し訳ありません。
勝手な判断にご理解お願い申し上げます。

239:&◆QA:2014/04/29(火) 23:09 ID:rEE

夜ごと飾るネオンが付く時間が、少しずつ遅くなって行くこの日々の中。
小さな自転車のライトがまだ夕焼けの道を照らしていた。
前の季節なら、もう真っ暗になっていただろう。
だ…、大丈夫、なのかな。
私よりも高いところにある横顔を覗く。
……こんな時間に、しかも二人乗りで。
彼は真面目くさった顔をして、身体中で風を斬っている。
本当に、"斬る"と言う言葉が一番似合うくらい。
「―ごめんな。」
突然そう言われて、動揺して聞き取れなかった。
その大好きな声で、もう一度繰り返す。
「こんなに、遅くなっちまって…。」
申し訳なさそうに言う彼に、ふるふる、と首を振る。
どんなに首を横に振っても足りないくらいだ……って、彼は私が見えないんだっけ。
私は彼の腰に、ぎゅっと手を伸ばした。
「そんなことない。むしろ嬉しい。……あなたとだから。」
ちょっとクサいこと言ったかな、と思い彼を見上げると、耳まで真っ赤になっていた。
「……とばすぞ。」
ムスっと言いながら顔を赤らめている。―可愛い。
そんなこと言ったら怒られるから、何も言わないことにしておく。
その代わり、さっきより強く腰を抱いた。
彼は自転車のスピードを上げた。

今日は付き合ってから初めてのデートだった。
デート、と言うか、彼のサッカーの試合だった訳で、想像してたのとはちょっと違うけれど。
行く?と遠慮がちに言われて即答した。
お母さんに言うと、彼氏?と言われた。―読まれている。
そんな訳ないじゃん、友達と映画だよ、と前から考えていた言い訳をすると少し面白くなさそうな顔をした。
きっと、分かってるんだろうと思う。
それでも突っ込まないところが、お母さんの優しさだと思う。
その優しさに気付かない振りをして、朝早く家を出た。
彼は私よりも早く来ていた。
まだ寒さが残るアスファルトに、靴が並ぶ。
待った?と聞くと、ううんと答えて微笑んでくれた。
その力強い腕に、そっと私の腕を通した。
お前細いな、と彼は笑った。
その笑顔は、今までで初めて見る表情をしていた。

今日はね、私、お弁当作って来たんだ!
そう言うと、彼は驚いた顔をした。
お母さんとお父さんが寝てから、こっそり作ったんだ。
私がそう言っている間に彼は辺りをちらちらと確認していた。
私達の仲は他の人に内緒にしているからだ。
何故なのかは私も知らないけれど、彼が言うなと念入りに口止めしたからその通りにしている。
誰もいないことを知ると、彼は照れながらありがとうと言ってくれた。
たこさんウインナーをまじまじと見詰める。初めて見たのだろう。
口に放り投げて、表情がぱっと変わった。
うめえじゃん!
その混じりのない声が嬉しくて、私は心の中でガッツポーズをした。

「え!?…家、こっちじゃないよ…?」
お互いの家とは違う方向に、彼は曲がって行ったのだ。
「分かってる。…ちょっと寄り道。」
彼は気にせずスピードを落とさなかった。
―着いたのは、小さな公園。
細い川が流れ、その近くに大きな木が一本、堂々と立っていた。
彼は身軽に自転車から降り、するするとその木に上った。
「…ほら。」
彼が途中で私に手を差し伸べた。
せっかくお洒落したのに台無し……なんてことは、思わなかった。
と言うか、思えなかった。
だって…、彼、なんだもん。
運動音痴の私を、彼はぐっと引き上げてくれた。
彼が川を指差した。
「わあ…………。」
私は声を上げた。
沈みかけている夕日が川に映り、煌めいていた。
「こいつに、最初に言いたかったんだ。」
彼は唐突に言い、木を軽く叩いた。
「お前と付き合えたこと。こいつに色々、聞いてもらってたから。…変かな?」
ぼんやりとしていたところに問い掛けられ、私は慌ててそれを否定した。
「お前のこと…、こいつに。」
そう言いながら彼は目線を逸らした。
ずっと……だったお前のこと、一番に報告したかった。
「……だった」というところは聞こえなかったけれど、ひしひしと伝わってきて私は思わず頬を火照らした。
胸が…きゅんきゅんして、痛い。馬鹿。
―こんな想いにさせたら、ただじゃ済まないぞ。
私は、目を瞑り、……少し強引に、彼の唇を奪った。

240:野薔薇◆I.:2014/04/29(火) 23:10 ID:rEE

>>239
わわわ!
名前が……(泣)
私です、野薔薇です。
今も変かもしれませんがご勘弁を。

241:テリー:2014/05/02(金) 23:58 ID:dJ2

ここに書いてよいか分からないけど
、他に適当なところが無かったので許してね。

こんばんわ!
久しぶりだね^^

いっぱい書いてるから、少ししか読めなかったけど、
野薔薇ちゃんの小説は、日常の中の小さなきらめきを大切にしている印象を受けるよ。
自分もこうゆうの書いてみようかなとか思った!

他に大切なことがあるから書くのをやめちゃうかも、とゆうことだけど、いつでも帰ってきてね!
その時は、連絡くれると嬉しいです。

ここで書くのは、適切でなさそうだから悪いけど、
時々、柊のことを思い出しては心配しています。
そして、支えあえる本当の友達である野薔薇ちゃんのことを連想します。

みんな、いろいろ大変だと思うけれど、助け合っていきましょう!

いちファンとして  テリー

242:野薔薇◆I.:2014/05/11(日) 10:08 ID:roU

>>241
お久し振りです!(テリーさんは他サイトでお世話になった方です)
こんな自分で読み返しても恥ずかしい文をわざわざ…、ありがとうございます(*^^*)
友人の話は……、此処では避けておきますが(スレ違いだと思われたくないので)。
お互い頑張りましょう!

243:野薔薇◆I.:2014/05/11(日) 11:09 ID:roU

あいつもこいつもみんなで集まれ、と人差し指をたてて……、一番最初に駆け付けてくれる人は、一体誰なのだろうか。
ふと、そんなことを考えてみた。
懐かしい人々を掻き分けて…、一人の人物が頭に浮かんだ。
―まだ私、あの人が好きなんだなあ。
頬杖をついて、ふふふ、と笑う。
今はもう、生きているのか死んでしまったのかも分からない思い出の人に、元気にしてる?と声を掛けた。

いつのまにか、彼は私の側に居た。
嬉しい時も、悲しい時も。
一つ年上の異性の筈なのに、何の躊躇いも無く。
…彼が腹違いの兄となる、と言うことは一体誰が想像していたことだろうか。
神様は実にチャーミングだ、と思う。
母が亡くなり、元々母子家庭であった彼の家にお世話になり、一緒に居る時間が長くなった。
近所の幼馴染みである彼と彼のお母さんには、人見知りだった小さな私も良くなついた。
……そして、兄妹となった。
彼の母親をお母さんと呼ぶのには随分時間がかかった。
でもそれ以外では目立った壁も無く、同じ部屋に居るのが普通になった。

大きくなるにつれ、彼を見る目が変わっていった。
幼馴染み。
兄。
そして、恋人。
少しずつ好意を持つ私に、彼も薄々気付いていたのかもしれない。
制服を着始めた頃から、彼は私と離れようとしていた。
入試をし、難関男子校に入学した。
私は男子校の近くの女子校を受験したが、面白い程低い順位で落ちた。
高校、大学では寮に入り、殆ど接点を持たなくなった。
私は近所の地元学校で至ってありきたりな生活を送った。
離れれば離れる程、彼への気持ちは強くなって行く。
気にしない振りを精一杯装いながら、こっそり手紙を送っていたが返事は来なかった。
逢いたい。
それだけのメールに、彼はやっと返事をした。
馬鹿。
その二言に、色々な感情が混ざり合っていたことを感じ取った。

お互い卒業し、就職した。
やつと、彼は帰って来た。
何年振りかに、同じ景色を見た。
弱いよなあ、俺。
彼が唐突に呟いたその言葉は、きっと彼自身も気付かなかった本音だったのだろう。
ずっと待たせて、ごめんな。
そのぎこちない笑顔は、前より少しやつれていた。

人間は悪どい。
正義なんか誰が決めたのだろう。
100%誰々さんが悪いのだ、何て事は殆ど存在しない。
矛盾。
矛も盾も脆い世の中。
二つをぶつけたら、二つとも同時に壊れてしまう。
そんな事を彼が言ったのはいつだっただろうか。
夕暮れの光が優しく照らす。
愛しい彼の横顔は近いのに、何だか凄く遠く感じた。

彼は突如姿を消した。
彼の名前だけ書かれた白紙の置き手紙に全てが詰め込まれている気がした。
そこら辺に居るOLとして、何の変わりも無く毎日は過ぎて。
彼はいつの間にか、思い出の箱の中に潜り込んだ。
でも、誰かに告白されると彼が箱から飛び出してしまう。
彼氏なんか作れる筈が無かった。

全く、ずるいよなあ。
私は自分の人差し指を見ながら呟いた。
こんな時にまで、私を邪魔して。
初恋をいつまで続かせれば、気が済むのだろうか。
腕を伸ばして、人差し指をたてる。
彼の顔を思い浮かべながら、私は囁く様に言った。
……この指、とーまれ。

244:野薔薇◆I.:2014/05/11(日) 13:16 ID:roU

私はクルクルと回る風車の前に立っていた。
さわさわ、と風がくるたびに、くるくる、と風車が回る。
そのたびに、私の髪の毛やスカートも、さあっと揺れる。
この感覚が大好きで、私は、この小さい風車が宝物だった。
家の玄関に立てた、小さな小さな風車。
―私、帰って来たんだ。
少し感覚が違うのは、きっとあの頃よりも背が伸びたから…。
愛は、風車に向かって優しく微笑んだ。
……また、会えたね。
風車は、まるでお帰りを言っているみたいに、くるん、と回った。

愛は大学生となり、日本に戻って来た。
帰国子女枠で受かった大学で、世界の言語について勉強している。
家族は新しく家を買い、愛は寮で生活を送る事になり、少し寄り道したのだ。
昔の家の住人の弥生には子供が生まれ、9人の大家族となっていた。
ちびっ子達も大切にしてくれたのか、風車は古い今でも健在だ。
少し緊張しながら玄関のチャイムを鳴らす。
「あら、愛ちゃん!いらっしゃい。」
弥生は快くドアを開けた。
透明なグラスにジュースが注がれ、からん、と氷が音を出した。
レイアウトも、殆どあの時のままだ。
真新しい勉強机が7つ並んでいた事以外は、である。
愛は勉強机を使わなかった為、この家に勉強机があるのは少し新鮮だった。
「それで、愛ちゃんには彼氏が出来たの?」
弥生の急な爆弾発言に、愛は口に含んだオレンジジュースを盛大に噴き出しそうになった。

寮の窓際の一輪挿しの水を抜き、弥生から受け取った風車を挿した。
窓を開けると、優しく風が風車を回した。
愛は外を眺めながら一輪挿しに今まで挿していた花を手に持った。
花弁を一枚取り、外の風に靡かせる。
好き。
嫌い。
好き。
嫌い……。
心の中でそう数えてしまうのは癖だろう。
好き。
嫌い。
そこで手が止まり、顔が赤く染まった。
―あと一枚だ。
愛は急に恥ずかしくなり、花を外に思い切り投げた。
…好き、だなんて。
こんな幼稚な占いで鼓動が早くなるなんて…………。
愛は壁にもたれ掛かり、小さな胸を強く押さえた。

理由なんて無い。
いつの間にか惹かれてて、いつの間にか片想いに到達していた。
話した事は殆ど無く、挨拶するので精一杯だ。
きっと私の事すらも知らないんだろうな、とも思う。
それでも愛の気持ちだけは、一層強くなるのだ。
弥生は何を持ってその事を察したのか、愛が固まっていても応援の言葉を浴びせていた。
風車が心配そうに動きを止める。
「大丈夫だよ。」
愛がぎこちなく笑い掛け、指で風車を回すと、気を遣っている様にゆっくりと回り出した。

また、風車と暮らせるんだから。
愛は大きく深呼吸をした。
誰も居ない広い教室で自習している彼の側に歩み寄る。
「…ごめん。此処、教えてくれない、かな?」
相当勇気を出したつもりだったが、しどろもどろになってしまった。
血が上へと上がって行っているのが肌で感じられる。
「……良いよ。」
彼は愉快そうに笑って頷き、愛と同じページを開いた。
心の中でガッツポーズをして、無意識に自分の部屋の方を見た。
やだ、窓開けっぱなしじゃない…。
そう思うと同時に、風車がくるくる、と回った。
―祝福、してくれてるのかな。
愛は「ありがとう」と小さく呟いてから、彼に目を戻して柔らかく笑った。

245:野薔薇◆I.:2014/05/11(日) 13:40 ID:roU

あ・と・が・き(以後コメントは控えて頂きます)


…長かった。
ようやく、終わりました。
いや、終わってしまった、と言うべきか。
最後に、「愛ちゃんその後」を書き終えた後、心にぽっかりと穴が空いた様な、不思議な感覚に陥りました。
ずっと奥歯を噛み締めていたんですよ…、何故だか私も知りませんけども。
やっと緩みました。少し頬が痩せた気がする(笑)。

気付いて頂けましたでしょうか。
冒頭文です冒頭文。
「 私はクルクルと回る風車の前に立っていた。
さわさわ、と風がくるたびに、くるくる、と風車が回る。
そのたびに、私の髪の毛やスカートも、さあっと揺れる。
この感覚が大好きで、私は、この小さい風車が宝物だった。
家の玄関に立てた、小さな小さな風車。 」
これは全て初小説と同じです。
今回は三人称を採用したのですが、この部分は変えたくなかったんです。
また、
「 風車は、まるでお帰りを言っているみたいに、くるん、と回った。 」
の部分は、最後の
「風車は、まるでさよならを言っているみたいに、くるん、と回った。」
に少し手を加えたんです。
「分かった!」と言う方はどれだけいらっしゃるでしょうか。



結びに。

管理人の方。
この掲示板を作り、この様な場所を設けて下さりありがとうございます。

運営様、いつもお疲れ様です。
このスレッドが、争い無く終われるのも皆様のお陰です。
ありがとうございます。

リクエスト・コメントを下さった方々。
私のスレッドに温かい言葉があり、とても嬉しかったのを覚えております。
ありがとうございました。

そして、一文字でも私の小説を読んで下さった皆様。
皆様のご支援で、私はこうして続ける事が出来ました。
感謝の言葉が足りないくらいです。


私と言う小さな存在と、画面上ではありますが出会って下さり、本当にありがとうございました。

2014.5.11 野薔薇

246:◆I.:2014/05/26(月) 21:28 ID:R.U

http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi

247:◆I.:2014/05/26(月) 21:29 ID:R.U

http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=37114

248:◆I. hoge:2014/08/02(土) 12:28 ID:xMw

http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=37588


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