wrist cut

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1:ヒヨドリ:2013/12/13(金) 16:45 ID:QdU



―――――――prologue―――――――


 もう、人生なんか…………どうでもいいや。


 ブラックライトを付けているような、暗い部屋。カーテンから見える不気味な
月の光……。何度も何度も、書いては破って、書いては破って、を繰り返してい
る、私の日記。
 

 すべて、私をあの世に引き込もうとしているような気がする。


カタッ……

 私はカッターを握りしめた。カッターを持つ右手が小刻みに震えている。

「もう……嫌っ…………」

 そう言って、私は左手首を切った。
 
 最初は失敗したかと思ったが、刃の鋭さに、皮膚が負けたらしい。
 とめどなく血液が流れてくる。床に血が落ちる音が、不気味に聞こえた。

――――――――――――――――――――――――――――――


 こんにちは。 とりあえず、開いてくれてありがとうございます。
ヒヨドリです。今まで2作を完結させました。

 これで3作目です。題名は、「wrist cut(リストカット)」

 
 ぜひ、コメントや感想、アドバイスをお願いします。

2:ヒヨドリ:2013/12/13(金) 19:08 ID:QdU



 私はしたたる血液を、ボーっと見ながら考えた。

 ……昔は、私にだって友達が居た時があった。



「沙良っ。早く行こうよ、遅れるよ!?」

「うん、ちょっと待ってー!」

 私の元親友の蛍の顔が思い浮かぶ。



「どうしてそんなになっちゃったの……?」

 そう思うと涙が出てくる。蛍は、もう昔の優しかった頃の蛍じゃない。




「プーーーーッ! あははははっ!! めっちゃウケるー」

 そう言って、体育館倉庫で、モップを手に笑っている蛍の顔が思い浮かぶ。

 何度も何度も、それで私を叩いて。顔に押し付けて。
 よくそんなんで笑っていられるよね、蛍。

「バカじゃないの? くだらない」

 私は確か、そこで顔を拭きながら立ち上がったんだ。抵抗しようとしたけど、相手は4人で、私が蛍に何か
言おうと思っても、しようとしても、3人に邪魔される。

「はあっ!? バカはそっちじゃないの?」
「そーやって調子に乗るからずっとバカのままなのよ、バ・カ」

 そう言われて、私は突き飛ばされた。
 それで、私は近くにあったドアから逃げたんだ。


 悔しかった。

 蛍なんかに負ける自分が。蛍から逃げている自分が。

3:ヒヨドリ ◆Hj9I:2013/12/13(金) 19:36 ID:QdU



 それから日々重なるストレス、寂しさに耐えられずに、私は自傷行為をしてしまったんだ。


 もう、蛍に立ち向かう気力なんてなかった。
 ただ、なんとなく学校に行って、なにもされないように小さくなっていればいい。

 部活なんて休んで、さっさと家に帰ってしまえばいい。



 でも……そんな自分が惨めで、なんでこうしなかったんだろうとか、こうすればよかっただとか。そんな事
を考えていて、気づくとリストカットしている。

 安心したいんだ。


 もう、生きている気がしない私の抜け殻はリスカをすると、すこしホッとする。

「生きているんだ」
 って。
「抜け殻じゃあないんだ」
 って。


 学校に言っても、喋る友達なんてごくわずか。

 唯一の相談相手は、たまに電話してきてくれる、姉の理沙。
 でも、お姉ちゃんには心配かけられない。

 7歳上のお姉ちゃんのおなかには、2人目の子供が居る。流産してしまったら、元もこも無い。


 私はいつも、家に一人ぼっち。


 学校でも、部活でも。



 リスカしていることは、あまり知られたくない。……でも、本当は誰かに気づいてほしいんだ。




 助けてって言う、私のシグナルを…………

4:ヒヨドリ ◆qqlk:2013/12/13(金) 19:54 ID:QdU






 朝日が目に差し込んできた。


 もう朝か、よかった。一生夜が明けない気がして怖かった。


 はたから見ればだが、こんな私でも平日になると、普通の女子中学生になるんだ。
 学校指定の下着を着て、セーラー服を着る。リボンを結んで…………あとは、スカートを履くだけだ。

「……行ってきます」


 軽く朝食を済ませると、私はすぐに家を出る。

 6時50分


 ヘルメットを被って、チャリに跨り学校に向かう。



「あらあ、おはよう沙良ちゃん」
「あはよう、今日もココアは元気ですね」

 いつもこの時間にすれ違う、おばちゃんの愛犬の柴犬を撫でる。
 ふさふさしていて、とてもかわいい。


 去年だったら、何回も撫でて、おばちゃんと学校や地域行事の話をするのだが、いじめられるようになって
からは、あまり話すことがなくなった。

 だって、蛍たちに見つからないうちに、早く学校に着かなくちゃいけないから。

5:ヒヨドリ ◆qqlk:2013/12/15(日) 16:10 ID:QdU



「じゃあおばさん、学校行くから……」

 そう言った私に、おばさんはいつもの笑顔で返してくれる。

「そうね、いってらっしゃい」


 私は再びチャリを漕ぎ出した。こうやって漕いでいると、もう秋なんだなあと感じさせられる。

 坂道を降りて、角を曲がろうとした途端、道端に花束が添えられているのが見えた。

「あ――――っ!」
 私はその花束を避けて、チャリから転げ落ちた。
 なんでこんなところに……


「痛たた……」


 もう、なんなんだよ!、と思いながら軽く花束を睨んだ。

 誰かが置き忘れたのか?とも思ったが、すぐに違うと分かった。


「うそ……」


 怖くて声が出なかった。だって、その花束には、手紙やお菓子が添えられていたから。




               ――――沙良――――

6:ヒヨドリ ◆qqlk:2013/12/15(日) 16:11 ID:QdU



 ……さて、いったん「沙良」は終わりです。

7:ヒヨドリ ◆qqlk:2013/12/25(水) 23:41 ID:QdU



「あれーっ、筆箱変えたのー?」

 わざとらしくそう聞いてきたのは、前の席に居るサツキだった。

「違う……昨日からなくなっちゃって……」
「えー、そうなの!? じゃあ、うちも探すね!!」


「うん――――」


 私の心の鎖が、ギシギシいっている。もう……はち切れそう。
 本当は、犯人なんかとっくに知っている。



 昨日は、中学生センバツの、陸上の練習があった。
 私の種目は、100メートル、サツキはたしか……走り高飛びだったと思う。


「昼休みになったら、一緒に探そーっ!! …………あーでも、うちさー、誰かが隠したと思うんだよねー」

「はあっ?」


 何を言い出すかと思ったら……こーゆー事か。

「ほらー、ユメカとか! だって、あの子昨日更衣室から出てくるのけっこう遅かったじゃん!?」
「はあ、そうだけど」

 予想的中、どんぴしゃ……。サツキはユメカを犯人に仕立て上げるのが、とても上手だ。
 なんでそんなに嫌っているのか知らないけど。

「でも、ユメカそんな事しないでしょ」

「えーーっ、なーにそれっ!! うちの言う事が信じられないの……?」


 そら出た。サツキの、嘘の演技。泣きそうになって、目をウルウルさせていやがる。
 あんたがしたんでしょって言うと、本当に泣き出すから、女優になれよって感じ。


「うそだよ……、分かったよ。やっぱユメカか……」
 私は、こうなると、ユメカを犯人と信じているふりをしなくてはいけない。
 そうしないと、自分の筆箱の行方が危うくなる。


 ユメカは、クラスでもけっこう……いや、学年でもけっこう目立つ。目立つというのは、かわいい、という
意味でだ。たしかに、とてもかわいいと私でも思う。
 眼鏡をかけているのに、パッチリと大きく見える目に、長いまつげ、整った顔立ちに、スラッと細長い手足。


男子が目をつけるのも、無理も無い。


 逆に(逆っていうほどでもないけれど)サツキは、切れ長の目に、巻紙のようなクセっ毛。手足はユメカと
同じく、スラッとしている。


 どっちも、男子にもてる……らしいんだけど、やっぱりユメカの方が全体的に整っていると思う。


 サツキのいじめは、今に始まった事ではない。気づいたときには、サツキはいじめと共に人生を歩んできて
いるんだ。本人は分かっていないと思う。
 
 自分のいじめで、人を不登校にしたり、転校させてしまっている事を。

8:れい:2013/12/26(木) 00:42 ID:9Fk

宣言通り来たぜぃ♪

ヒヨ〜、もっと明るい話書こうよ〜…

ま、面白いから文句ないんだけど

9:ヒヨドリ ◆qqlk:2013/12/29(日) 12:34 ID:QdU

>8 よく見つけたねーw

けっこう暗いでしょーw
でも、コレ半分実話だから!(ーー)

魔法のiらんどっていうところに、明るい(?)っていうか、楽しいの書いてるから、
よかったら、それ見に来てねw
(詳しくは、交流板にてーw)


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