〜千代紙と短編物語〜

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1:千代紙:2013/12/31(火) 14:50 ID:PYM

はじめまして(?)←
千代紙です!
ここでは、『鈴愁中学校1-B』という設定で、短編を書いていきます。
ただ、読者の皆さんにもお手伝いをしてもらいます!
書いてもらいたいジャンル、冒頭、主人公の名前などをリクエストしていただくのです!
ただし、主人公は、必ず鈴愁中学校1-Bの生徒です。
名前は勝手に作ってもらっても構わないです!

2:& ◆VSgU:2014/01/01(水) 17:31 ID:ASo

はいはい、来ましたよ★
じゃあ、冒頭文どんどんいきますよっ♪
「この学校の制服は」
「まさか、」
「はい、試験終了です。」
……から始まる文をお願いしますっ☆
リク多くてごめんね★←

3:千代紙:2014/01/01(水) 21:04 ID:PYM

>>2
野薔薇……だよね?
さっそく書いていきます!

4:千代紙:2014/01/01(水) 21:31 ID:PYM

この学校の制服は至って普通だな。
鈴愁中学校に入学してしばらく経った夏。
神谷 美穂は改めて思った。
薄い赤色のチェックのスカートに、ベージュのセーター。
スカートと同じ模様のリボンと、校章を付けるブレザー。
他の学校のはもっと可愛い。
友達の学校では、スカートが水色のチェックだった。
もう一人の友達の学校は、セーラータイプ。
この鈴愁のは、全然特徴が無くて可愛くない。
お洒落な美穂はそれが嫌だった。
美穂の親は教育熱心で、制服が可愛い中学校は偏差値が低いから、受けさせて貰えなかった。
今日の美穂は、両親と喧嘩した。
制服姿のまま外に飛び出し、改めて思っていたというわけだ。
鈴愁、マジダサい。
美穂は口に出して呟く。
お洒落な友達はいない。
偏差値が高いせいか、お化粧とかファッションにあまり興味のない子が多かった。
これからどうしよう。
自分から折れたくない。
でも、財布もない状況でどこかの喫茶店に入るわけにも行かない。
美穂は家の近くの公園に入り、ベンチに座った。
友達とよく遊んだな。
美穂は遊具を見る。
辺りはだいぶ暗くて、あまり分からなかったけど、小学校のころの思い出が頭を支配する。
知らない内に、頬を涙が伝った。
「美穂?」
美穂は声をかけられ、慌ててそっちの方向を見る。
そこには、あの水色のチェックの制服を着た友達がいた。
「どうしたの?」
その問いに、美穂はうつむいて答える。
「親に反発しちゃった。」
すると、友達は笑った。
「美穂ってスゴいね。私さ、何でも親の言うこと聞いてるわけ。中学も、美穂と同じとこ行ってその可愛い制服着たかったな」
え?
「鈴愁の制服、可愛い?」
美穂が聞くと、友達はまた笑った。
「当たり前じゃん。美穂、羨ましいよ」
「私も、その制服羨ましいんだけど」
それを聞くと、友達は呆れたように言った。
「は?私の制服ダサいよ。周りの子と『ダサくね?』って言い合ってる」
そうか。
美穂は気付いた。
私の学校の制服は可愛いんだ。
もしかすると。
ダサい、と勝手に思っていた子も本当はお洒落だったりして。
明日話しかけてみようかな。
「帰ろうよ」
友達が手を差し出す。
「家は涼しいし。今、暑くない?暑くなかったら、美穂スゴいわー!」
つい、美穂も笑ってしまった。
「暑いよ!じゃあ帰ろっか」
そして、手を重ねた。
もう中学一年生なのに、手を繋ぐのは恥ずかしいけど。
友達の手は冷たくて気持ちが良かった。

5:千代紙:2014/01/01(水) 22:41 ID:PYM

「まさか、この1-Bでいじめが起こるなんて。」
暮谷 実夏は放課後の教室でそう呟く。
いじめが起こったのは、七月の初めだった。
いじめを受けているのは、他でもない実夏自身だった。
「……どうして」
1-Bは、仲が良いクラスだったのに……。
いじめをしてくるのは、斎藤 彩たちのグループだった。
「は?どうしても何もねえよ。お前がウザイの。マジ消えろ」
実夏は、何かと注目される存在だった。
部活は演劇部で、春の公演で主役をした。

体育ではお手本になることが多かった。
係は学級委員。
テストでは、たくさんの教科でクラス一位になり、友達も多い優等生。
………のはずだった。
彩たちとはそれなりに上手くやってた。
でも、彩たちにとっては『注目されるのがウザイ』らしい。
そしていつの間にか、実夏の周りからは人がいなくなっていた。
「お前を好きな人なんていねえよ」
彩が今日言ったことを思い出す。
泣き出してしまいそうだ。
と、その時。
教室のドアが開いた。
窓辺にいた実夏が、驚いて振り返ると、美穂がいた。
「実夏ちゃん、まだいたの?」
実夏は、美穂は普段あまり話さないから、いじめる側かと思っていた。
だから、窓辺に来てこう言い出したのには驚いた。
「用が無いなら一緒に帰らない?」

美穂と歩く道は、決して楽しい物ではなかった。
何しろ、話すテーマはいじめ。
「実夏ちゃん、完璧じゃん。なんでいじめられんだろ?」
美穂は下駄箱で言った。
「ウザいんだって」
実夏が言うと、美穂は頷いた。
「知ってる。でも、アレはないよね」
それから、ずっとこの話をしているのだ。
しかし別れ道に差し掛かった時、実夏はもっと話したい、と思った。
美穂ちゃんは私のことを真剣に考えてくれる。
まだ、実夏の味方がいたことに、実夏は驚いていた。
「あのさ」
美穂は急に立ち止まった(実夏は嬉しかった)。
「何?」
「私、あんまりクラスの子と上手くいってないんだ」
美穂ちゃんが?
実夏は耳を疑った。
しかし、美穂は頷く。
「うん。でも、実夏ちゃんとは仲良くなれそうなんだ。だから……」
「だから?」
「一緒に行動しない?」

実夏はその言葉に救われた。
次の日、美穂は彩たちを叩きのめしいじめは終わった。
美穂はずっと、実夏の友達なんだ。

6:千代紙:2014/01/02(木) 11:24 ID:PYM

「はい、試験終了です」
先生の声と同時に、歓声が沸き起こる。
「中間終わったー!!!」
「よっしゃあああ!」
そんな中、僕津村 真琴はため息をついていた。
あんまり出来なかった。
偏差値が高い、この鈴愁では当たり前のようにテストが難しい。
僕は、親に勧められて受験したら受かってしまった。
ろくに勉強もしてなかったのに。
その時は浮かれた。
僕、頭良いんだ、って思ってた。
でも、入学してすぐのテストで最悪の点数を取った。
他の人の平均は70点代なのに、56点だった。
なんでだろう。
努力せず、入ってしまったからだろうか。
僕は手元の問題用紙を握り潰し、ひとり席を立った。
僕、この学校でやっていけるんだろうか。
いつか、『あなたはダメです』って言われて見捨てられるんじゃないだろうか。
最近、それが怖くて授業中イライラしてしまう。
友達はいない。
頭の良い人と平等に渡りあえる気がしない。
「おい、津村!」
蒸し暑い廊下で、僕は立ち止まった。
振り返ると、頭の良い松田君がいた。
「どうしたの?」
「空気吸いに。お前こそ何してんの?」
「歩いてた。……頭の良い人と一緒にいたくなかったから」
すると、松田君は笑った。
そして、
「頭良いやつって、みんな努力してんだよな」
と言った。
「え?」
「お前、噂だと努力せずに受かったらしいな。今も成績……ヤバいんじゃね?」
図星だった。
「お前も努力したら、頭良くなれるよ。俺はそう思うぜ」
そうか。
僕は努力せずに色々考えてた。
今はとりあえず努力してみよう。
そして絶対。
松田君を越してみるんだ。
僕は松田君と一緒に駆け足で教室へ戻った。

7:千代紙:2014/01/02(木) 11:34 ID:PYM

〜鈴愁中学校〜

♭制服♪
赤いチェックのスカートにベージュのセーターかベスト。校章を付けなければいけないブレザー。

♭偏差値♪
受験して入る学校なだけに高い。
テストも難しい。

♭1-B♪
協力しあう仲の良いクラス。
しかし、七月に一度だけいじめが起きた。


>>8は、私が常に思っていることを書きました

8:千代紙:2014/01/04(土) 15:32 ID:PYM

>>7
>>8じゃなくて>>6ですね。

自分でリクエスト!
『君がいてくれたから』から始めます


君がいてくれたから、私は強くなれた。
目の前のシャボン玉は弾けて消える。
友達も同じ。
作っては消える。
草弥 麻李。
それが私の名前。
「麻李の名前、好きだな」
君はそういって、笑った。

自然教室が五月にあった。
友達を作れていない私には、嫌な行事。
そんなときに声をかけてくれたのが、暮谷 実夏だった。
「一緒の班にしようよ」
出席番号が隣どうしで、友達とまではいかないけどクラスで一番仲の良い子だった。
「うん、いいよ」
そう言って、私たちは友達になった。
自然教室は楽しかった。
内気な私には友達がいなかったけど、実夏は明るくて、友達がたくさんいた。
そのおかげで私も友達が出来た。
実夏から教えてもらったファッションでみんなに会うと、褒められた。
嬉しくて、たまらなかった。
自分から友達に話しかけたり、ファッションを研究したりした。
「麻李ちゃんって明るいね!」
そう言われてますます嬉しかった。
しだいに、実夏よりも私のほうが人気になりはじめた。
実夏の悪口が言われるようになった。
私も、それに同意した。
いけない、と心の中で思いながら。
七月、実夏がいじめられはじめた。
彩たちがいじめていた。
私は見てるだけだった。
「お前を好きなやつはいねえよ」
昨日、彩が実夏に言ったときの実夏の顔が忘れられない。
泣き出しそうな顔で彩を見て、みんなを見て、最後に私を見た。
何か言いたかったけど、言えない。
私は辛くて目をそらした。
今日。
実夏は美穂といた。
彩たちは美穂にやられ、大人しくなった。
私は最後まで何も言えない。
私は実夏のおかげで強く、明るくなれたのに。
一度裏切ってしまったから言えない。
だから、美穂と実夏が喧嘩をしないように、影で応援している。

9:千代紙:2014/01/04(土) 20:20 ID:PYM

知り合い(?)からリク貰ったんで、書きます。
『降り続く雨』から

**

降り続く雨の中。
傘もささずに僕は立っていた。
寒さは感じない。
大切な人がいなくなった悲しさで、そんなのは何も感じなくなっていた。
涙が雨に紛れて落ちる。
そして、すでに濡れている地面をさらに濡らした。

母さんは、優しい人だった。
けれども、僕に決して甘くはなく躾は厳しかった。
だから、受験の時も一切友達と遊べなかった。
そんな母さんが先月、倒れた。
蒸し暑い八月。
そして、病院に入院した。
病名は覚えていない。
覚えたくもない。
**

ちょっと中断です!

10: & ◆f8Qs:2014/01/05(日) 13:10 ID:ASo

中断中なのにリクする私★←
えっと、「元気ですか」、「スカートが」、「突然」で始まる文をお願い♪

11:千代紙:2014/01/06(月) 13:30 ID:PYM

リクありがとうです!




慌てる僕に、医師は告げた。
「余命一週間です。」
と。
母さんは、ただ
「ごめんね」
と繰り返していた。

家は母子家庭で、二人暮しだった。
母さんは働いていて、僕も手伝いをよくした。
受験する、と決めたのは母さんを助けたかったから。
公立より私立のほうが金がかかると知ったのは、もっと後。
知ったとき、身がよじれる思いだった。

…母さんは、しぶとく一か月も生きた。
「早く死んだ方が、金はかからないのにごめんね」
と、言う母に
「金なんか気にするなよ…」
と言い返すと、母さんは涙を流した。

僕を引き取ってくれるひとは、とっくに決まっていた。
近所に住んで、いつも僕たちを助けてくれていた後藤さん。
つまりは、養子になるのだ。
僕は後藤さんの家に、母さんが衰弱を始めたときからいた。
後藤さんは優しいけど、僕は優しさから目をそらした。

「こんなとこにいたの。」
後ろから声をかけられた。
「後藤さん」
振り返ると、後藤さんが傘をさして立っていた。
「お母様のこと、本当に残念だったわね」
後藤さんはそう言って視線を下げた。
「いえ…、そんな……」
僕が微笑むと、後藤さんは驚いたようだった。
「強いわね。……あなたのお母様が懸命に言ったことを思い出すわ」
「え?」
「聞いてない?私がお見舞いに伺ったとき、『息子をお願いします』って繰り返していたのよ。」
涙がこぼれた。
初耳だった。
母さんは、こんな息子のことを最後まで考えていたんだ。
「帰りましょう」
後藤さんが傘を出す。
後藤さんの優しさ。
受け取ってみよう。
僕は頷いて、後藤さんと前へ歩き出した。

12:千代紙:2014/01/07(火) 13:53 ID:PYM

『元気ですか。』
手紙は、そう始まっていた。
「いつも、あなたのことが思い出されます。またお目にかかれる日を心待ちにしております。」
声に出して読み上げると、親友の真琴が目を丸くした。
「松田くんの彼女?遠距離恋愛!?」
違う。
そういいかけて、止めた。
そして頷いた。
見栄を張りたかった。
「スゴい、どんな人!?」
俺は架空の彼女を作りあげた。
「名前は雪村 李音。北海道に住んでて、スキーに行ったときに会った。雪のように白くて、ほっそりしてる。目はビー玉みたいで、とにかく綺麗なんだ。」
すると、真琴はまた目を丸くした。
「綺麗な人なんだね。李音さんか……」
そして、目を閉じた。
「手紙に敬語を使ってるから、礼儀正しい人なんだね」
そうそう、と俺は同意した。
心の底に罪悪感が生まれたけど、無視した。

真琴は広めた。
あっという間に、俺は彼女持ちの部類に。
しかし。
だんだんボロが出始めた。

「北海道の牧場に行ったときに会ってさ」
「あれ、スキーのときじゃねえの?」
とか。
「活発で、初めての人にもタメなんだ。」
「え、礼儀正しいんじゃないっけ?」
とか。
そのうち、噂が流れ始めた。
『松田は嘘をついている』
と。

男子に無視された。
「お前、ふざけんなよ」
ちょっとした事で、そう言われた。

ある日、真琴が謝りにきた。
「ごめん」
と、繰り返すからどうしたんだ、と聞くと
「僕の勘違いで無視されて」
と言った。
馬鹿な奴。
自業自得なのに。
でも、溢れた涙は止まらなかった。
俺は真実を打ち明けた。
「あの手紙は、母さんからなんだ。」
「え?」
「両親、俺が産まれた直後に離婚しててさ。俺は継母と親父と暮らしてる。でも、一度だけ母さんに会った。綺麗な人だった。名前は雪村 李音なんだ。松田って名字は、親父の家系だから」
「そっか……。ねえ、謝りに行こうよ」
「は…!?」
俺が驚いたように聞き返すと、真琴は笑った。
「僕の誤解だったって、謝りにいく。でも、松田くんも非はあったでしょ?だから。」
俺は空気を深く吸って、そうだな、と言った。
「よし、競走だ。どっちが先にあいつらの所へ行けるか」
そう、叫んで青空の元走り出した。
一歩遅れた真琴が
「待ってよ!」
と言いながら、後ろをついてくる。
「こら!校舎を走るな!」
という、頭の禿げた校長を無視し、思いっきり走った。
俺は元気だよ。
頭の中で、そう思いながら。

13:千代紙:2014/01/08(水) 22:12 ID:PYM

スカートが、私の足にヒラヒラと当たる。
もっと暖かい格好にすれば良かったかな?
私は心の中で呟き、それから時計を見た。
遅いな……。
今日は大事な話があるのに。
今日は私の誕生日。
そして、久しぶりのデート。
中学が違う彼は付き合い始めた頃は遅刻せず、むしろ私よりも早く来ていた。
それなのに。
今は十五分もたっているのに、現れない。
彼と同じ中学の子が「アイツ、ある女子と仲良くしてるよ」といってた。
『浮気』
絶対無いと思ってた。
誠実そうな見かけで、私を「可愛い」と言ってたのに。
ここまでやられると、もう……。
別れ話を切り出すのは嫌だった。
でも、彼が私のことを想っていないなら、縛るのは良くない。
泣きながらの決断だった。

メールが来た。
『アヤメ、電車に乗り遅れてかなり遅れた。ごめん。今、駅だからもう少し待って』
唇を噛み締めた。
そして、返信の編集画面を開いた。
『駅にいて、良いよ。これから、もう会うことも無いと思います。』
送信した。
返信はすぐだった。
『どうしたの?』
『他に好きな子、いるんでしょ?友達に聞いたよ。』
『会って話そうよ』
返信しなかった。
彼はすぐ来た。
綺麗な包みを持っていた。
「それ……」
「何を勘違いしたのかは知らないし、知ろうとは思わない。君が会いたくないなら、もう会わないよ。けど」
彼は包みを差し出した。
「ハッピーバースデー。」
包みの中は、人気のキャラクターグッズだった。
「これ、中々手に入らないレアもの……。どうして……」
「時間ギリギリで買おうとして、そしたら在庫はないって言われた。でも、後十分で入荷するからって。」
この遅刻は私のためだったの?
「仲良くしてる女子は?」
「あれは、委員会同じなだけ。」
勘違いか。
笑えてきた。
思わず笑うと、彼はいきなり抱きついてきた。
「アヤメ、好きです。」
ドキドキした。
顔が真っ赤になる。
「これからも一緒にいてくれますか?」
彼の温もりが伝わってくる。
私は抱きしめ返し、言った。
「もちろん」

14:千代紙:2014/01/10(金) 21:19 ID:PYM

>>13
すごい甘くなった……。

はい、『木々がざわめく』から書きます!


木々がざわめく。
その中に、一人の少女が立っていた。
「ここはどこ?私はだれ?」
少女の問いかけに呼応するように、木々が再び音をたてた。
「君は、記憶を無くした少女だ。そして、ここは君が記憶を取り戻せる場所。」
気付けば、少女の隣には端整な顔立ちの女性が立っていた。
少女はビクッと体を震わせる。
「あなたは………?」
「私は……」

ハッ……!!
目が覚めた。
いつものおかしな夢を見た。
少女はきっと私なのに、あの場所には覚えがない。
しかも、あの女性が誰か分かる前にいつも目覚めてしまう。
「もう五時半か〜」
私はうんともすんとも言わない目覚まし時計を見て、呟く。
今日は学校があるな。
そんなことを考え、ノロノロと起き出す。
部屋を出て、階下のリビングへ行くと、母がいた。
「おはよう、神奈。」
母が微笑む。
「おはようございます、御母様。」
私も微笑み返し、ダイニングへ向かった。
ダイニングには父の姿。
「おはようございます、御父様」
「ああ、神奈。おはよう」
大きなテーブルの椅子に座ると、メイドさんが朝食を出してくれる。
名前は知らない。
そもそも、家のメイドの数すら知らない。
そんなメイドが持ってきた朝食は、スープとスクランブルエッグ、トースト等の至って普通のもの。
と言っても、他の人の食生活は知らない。
……… 私は無知だ。
朝食を食べ終えると、父がこっちを一瞥して言った。
「姿勢がなっていない。」
「申し訳ありませんでした。」
私はそう言って頭を下げ、ダイニングを後にした。
次の日の準備は昨日のうちにした。
今朝やることと言えば、洗顔と歯磨き、身だしなみチェックそして着替えくらいだ。
早起きするのは両親に叱られないため。
もう分かっただろうが、家は大金持ち。
父はある玩具会社の社長だから、私は社長令嬢。
しかも長女。
言われるのは、躾やマナーのことばかりだ。
溜め息をついて、私は家を後にする。
学校で勉強でもしよう。
そう思ったのだ。

学校では、一学期期末のテストが帰ってきた。
全部90点以上。
他の人なら、自慢するのかな。
私はそんなこと褒められたことない。

家に帰ると、母が家にいた。
「御母様、只今帰りました。」
「おかえりなさい。…神奈、今日テストが返ったそうね。見せなさい」
母はこの手の情報は全て知っている。
私は鞄から何枚かのテストを出して母に渡した。
母は全てのテストを注意深く見て、言った。
「社長令嬢なら、100点をとりなさいね」
褒め言葉なんてない。
私は「はい」とだけいって、自分の部屋に言った。
途端に溢れ出す涙。
誰も私の気持ちなんて尊重してくれない。
私は倒れ混むようにして眠った。

次の日の夜、私は怒られた。
「社長令嬢は、規則正しい生活をしなくてはならない。夕食を抜かすなど、もっての他だ。」
その父の言葉に、とうとう私はキレた。
「社長令嬢は、自分の気持ちも尊重して貰えないのでしょうか」
「何を言ってる。私だって苦労してここまで這い上がってきた。お前も努力をs」
「もういいです!」
私は、家を飛び出した。
親は追って来なかった。
私は貯金を使ってホテルで寝た。
次の日。
私は学校に行けず、町をウロウロしていた。
その時。
「綺麗な女じゃんか」
と、声がした。
不良だった。
マズイ。
そう思った瞬間、誰かに手を引かれた。
その人は、父の執事だった。
私は家に返された。
部屋にいく。
そして、思った。
「私は何者だろう。ここは、私のなんだろう」
すると。
「君は三日月 神奈。ここは、君の大事な場所だよ」
その声と共に、女性が見えた気がした。
私は、フッと微笑む。
私はここで、そういう人生を送る。
それは人にとって羨ましいことなのかも知れない。
それなら、それをまっとうしよう。
私は階下へ降りていった。

15: & ◆Y8DY:2014/01/12(日) 17:41 ID:i.k

リク!
「鏡の前で」から始まるのをお願い♪

16:千代紙:2014/01/13(月) 13:12 ID:PYM

鏡の前で、あの言葉を唱える。
「『鏡の主よ、我の前に姿を現せ』」
隣には、砂夜がいる。
「ねえ、本当に出るのかな?」
と、怯えていた。
「出ないって。怪談なんて、ウソだよ」
私は笑い飛ばし、再び言葉を唱えた。

この学校にも、七不思議があると知ったのは、昨日だった。
砂夜が教えてくれたのだ。
「怖くない!?特に、夜学校の鏡の前で呪文を唱えると、幽霊が出てきて呪うって話」
砂夜は話しながらも怯えていた。
怖がりなのだ。
一方私は、目を輝かせていた。
「面白そう!明日二人でやろうよ!」
砂夜はギョッと目を見開いていたっけ。
それでも今日、無理矢理深夜の学校に連れてきた。
鏡は四階のトイレの鏡らしい。
四階は立ち入り禁止だ。
前は使っていたらしいけど、ある事件が起きて封鎖されたそうだ。
バカバカしい。
私は鼻で笑って砂夜とトイレに入った。
埃だらけで、ヒビも入っている鏡は、正に『幽霊が出ますよ』という雰囲気だった。
でも、私はその鏡を使って髪の毛を整えるほど冷静。

そして、冒頭に戻るわけだ。
呪文を唱え続ける私を、砂夜は怯えて眺める。
四回続ければいいんだよね。
四階だけに?
私は少し笑って慌てて真顔に戻った。
四は『死』っていわれがあるからなのかな。
四回言い終わる。
でも、何も出てこない。
「あ〜、やっぱりウソか」
私は落ち込んで出口に向かう。
しかし、砂夜の様子がおかしいことに気付いた。
「で、でででで」
「砂夜?」
「出たあああああああ!」
砂夜は凄い悲鳴をあげて私に飛び付く。
砂夜の方が幽霊よりこわi(げふんげふん)いや、何でも。
砂夜の見ている方を見ると、一人の女の子が立っていた。
髪はボウボウ、赤いシミのある白いワンピース、そして消えかけてる足。
幽霊って、こんな子なんだ。
綺麗な顔立ちだな。
そんなことを考えてしまう。
「ねえ、幽霊さん名前はなんて言うの?」
私は一歩前に出る。
ずっと幽霊さんはやりにくいもんね。
「………霊果。」
…………まんまだ。
私は吹き出してしまう。
すると、幽霊さんも笑い出した。
「なんてね。山田 糖菜だよ」
「糖菜って、めっちゃ可愛い名前!」
「ありがとう!」
幽霊さん……もとい、糖菜ちゃんはひとしきり笑った後、こう言った。
「なんで二人はここにいるの?」
「糖菜ちゃんに会いに来たんだよ」
すると、砂夜がブンブンと首を振った。
「私は連れて来られただけです」
それを聞いた糖菜ちゃんは少し寂しげな表情になった。
「でも、二人じゃ成仏は出来ないよね」
「成仏したいの?」
私が聞くと、糖菜ちゃんは頷いた。
「うん。……昔、この四階で殺人が起こった。ナイフを持った一人の男が来て、私たちは殺された。もうすぐこの校舎は取り壊される。その前に成仏したいの。」
だから糖菜ちゃんのワンピースは血だらけなんだ。
でも、知り合いに成仏が出来る人はいない。
黙っているとき、口を開いたのはなんと、砂夜だった。
「あの、私の母が成仏させることが出来ます。」

砂夜のお母さんは、私たちが連れてきた糖菜ちゃんを見て、微笑んだ。
「糖菜ちゃん、ちゃんと成仏させてあげるわ」
そして、なにやら作業をしはじめた。
しばらくして、糖菜ちゃんの体に何かを貼っていく。
「これはお札よ。綺麗に成仏出来るように」
はりおわると、糖菜ちゃんの体がどんどん透けていった。
「じゃあね、みんな。ありがとう!」
糖菜ちゃんは満面の笑みでそういうと、静かに天へ昇っていった。

17:ゆゆ:2014/01/13(月) 14:04 ID:rjU

やばい・・・

うますぎる・・・・・

てなわけでリクです!

「ももくり3年 かき8年」
あたしはかきになってみせる。


             デお願い!

18:千代紙:2014/01/14(火) 21:09 ID:PYM

>>17
いやいやいやいや←
リクありがとねー!


「ももくり3年 かき8年」
あたしはかきになってみせる。

馬鹿なこと書いたな。
小学校の卒業文集。
みんな真面目なこと書いてるのに、あたしはそんなことを書いていた。
8年、か。
もう無理だよ。
勉強、ついていけないよ。
マンションの屋上で手すりに手を添える。
このまま下に飛び降りたらどうなるの?
死ねるのだろうか。
それとも……。
うちの親はいつも険悪だった。
私はそれが普通だと思っていた。
刃物を持って、する喧嘩が。
でも友達を作って、違うと知った。
うちは普通じゃなかった。

友達には打ち明けられない。
みんな幸せだったから。
この痛みは分かりあえないよ。
一度だけ相談した子は、とても優しかった。
彼女自身はその苦しみを乗り越えていた。
私も乗り越えたい。
そう思ったけど、今日の壮絶な喧嘩を見たら、死にたくなった。
心の奥底のそういう気持ちが放たれたようだった。

気づけばあたしは手すりに片足を乗せていた。
落ちるのかな?
あたしはそんなことを考えた。
ここで態勢を崩したら、あっという間に落ちる。
どうなんだろう。

「何してるの!?」
突然体が屋上へと倒れた。
あの、あたしが相談できた子だった。
「私はあなたが大切なんだから、命を捨てないでよ!」
彼女はあたしを抱きしめた。
大切なんだ。
私の目から涙が落ちた。
もう少し頑張ってみよう。
絶対。
かきになってみせる。

19:千代紙:2014/01/15(水) 18:47 ID:PYM

「カーテンが」で始まるファンタジー
「靴下を履いて」で始まる恋系
「忘れられないあの日」で始まるミステリーを依頼されたので、書きますね


※ 今回は、結構残酷?な描写が入るかも知れません。

カーテンがヒラヒラと風を受けて動き、新たな影を生み出している。
ここは………城?
いくら私の名が白雪 姫菜でも、こんな立派なお城はな……。
私は不服を心の中で呟きながら、部屋を見回す。
白を基調とした部屋で、白いカーテン、白いベッド、白いクローゼットなどが置かれている。
壁紙や床も白い。
どことなく、病院をイメージさせられるが、家具ひとつひとつ美しいし高価そう。
だから、病院ではない。
開いた窓から見えるのは、大きな庭園。
地面との距離から、この部屋は高い所にあると分かった。

今、現実の私は危うい状態なのかな。
私はぼんやり考える。
昔から、命に関わる怪我や病気をしたときは決まってこういう夢を見た。
その夢の豪華さが、私の現状をあらわしている。
軽い怪我で、気絶しているだけの時は山小屋。
重い怪我で、本当に死にそうな時は今のようなお城。
でも、こんな立派なのは見たことない。
すごいヤバい状態らしい。
私は、自らを包丁で刺した。
さすがに心臓部分は無理で、お腹を少し。
でも、やっぱり命の危険があるんだな。
私はひとり自虐的に笑った。
見せつけたかった。
人間は、あんたたちのせいで命を捨てられるって。
私は塾でいじめられてた。
名前のせいだ。
酷かった。
こんな毎日は嫌だと思った。
そして、今日。
私は自分の腹部を見下ろす。
なぜか私は白いドレスを着ているが、血は出ていない。
いっそのこと、この窓から飛び降りてしまおうか。
私はもう一度庭園を見て、考えた。
と、その時部屋の戸が開いた。
「あ………」
塾の子たちだった。
彼女たちは質素な服装だった。
「ごめんなさい、姫菜。姫菜にだって心はあるのに、たくさん傷つけてしかもこんな目に会わせてごめんなさい!」
塾の子たちは、それぞれひとりずつ泣きながら謝ってくれた。
いつの間にか私の腹部は真っ赤な血で染まっていて。
もうそろそろ戻らなくてはいけないことを示していた。
結局は戻るんだよな、私って。
痛み出した腹部を押さえ、私はふっと笑った。
「大丈夫だよ、みんな」
それから、私の意識は城を離れていった……。

20:千代紙:2014/01/16(木) 18:25 ID:PYM

靴下を履いて、鏡で自分の姿をチェックする。
……問題ないよね。
髪型や服装にこだわり始めたのには、理由がある。
佐賀野 風馬くん。
スポーツはもちろん、勉強も良くできる人だ。
明るいし、笑顔がとてもカッコいい。
気づけば風馬くんを目で追うようになっていた。
最初はそれが恋だ、なんて知らず一人思い悩んでいた。
でも、親友に相談したら『恋』と教えてくれ、すっきりした。
恋……してるんだな。
誰もいない家を出て、鍵を閉める。


ちょっと中断です

21:千代紙:2014/01/19(日) 15:19 ID:PYM

教室に入ると、みんなの中心で笑ってる風馬くんの姿。
「おはよっ!」
風馬くんは、誰にでも挨拶をする。
………例えあまり人に近付かれない人でも。
「お、おはようございます……。」
話なれてない私は、つっかえながらそういうことしか出来ない。
前までは、こんなことなかったのに。
私のお父さんがあんなことをするまでは普通だったのに。
私は席について、教科書を取り出す。
その間も、風馬くんたちは明るい笑顔で話していた。

私の父は、家にいない。
強盗をして、牢屋に入っている。
四月まではなんとか隠していたけど、やっぱり無理だった。
親友も、逃げていった。
犯罪者の子は犯罪者。
そんな等式が成り立つわけはないのに。

ダメ。
もう泣きそうだよ。
学校でこんなことを考えるべきじゃなかった。
でも、もう遅い。
涙腺は崩壊して、人がたくさんいるのに、涙を溢した。
恥ずかしくて、教室を抜け出した。
いろんな人の声が聞こえたけど、全て無視した。
普段立ち入り禁止の屋上に行った。
風が気持ち良かった。
心は次第に落ち着きを取り戻した。
そんなとき、屋上に誰かが入ってきた。
「風馬くん……!?」
「大丈夫か?」
風馬くんは汗だくで、全速力で追って来たのかな、と少し淡い期待をした。
「大丈夫……です」
私は急いで立ち上がる。
その瞬間、チャイムが鳴った。
「風馬くん!チャイム、鳴ったよ!」
私が慌てて言うと、風馬くんは笑った。
「サボろうぜ。あとさ……」
風馬くんが私の前に立つ。
「やっと敬語なくしてくれた。」
その子供っぽい笑顔に、胸が暴れる。
このまま私のものになってほしい。
そんな欲望が渦巻く。
今はまだ、告白なんて出来ないけど、いつかは。
この気持ちを伝えたいな。

22:千代紙:2014/01/23(木) 21:12 ID:PYM

更新止まってすみません。
日曜日あたりにはしたいと思います。

23:千代紙:2014/01/25(土) 16:41 ID:PYM

忘れられないあの日、俺は母に会った。
母は綺麗な人だった。
俺たちは、少し話をして別れた。
でも、両親が離婚した経緯は誰も知らない……。

母の名は、雪村 李音。
それを知ったのも、あの日だった。
父は何も教えてくれない。
離婚した理由を、知りたいのに。
どうして俺は何も聞かされないのだろう。

二人はいわゆるオフィス恋愛だった。
そして、そのまま結婚。
その約一年後に俺を産んだ。

父親を問い詰めてみた。
どうして離婚したのか。
でも、やっぱり教えてくれなかった。
不満が積もる中、父親の部屋から一枚の新聞が出てきた。
『犯人は雪村 李音』
貪る様に読んだ。
母は犯罪者で、人を殺していた。
しかも、父の兄弟を。
これが原因で離婚したのか。
俺は、その記事をすっかり信じこんだ。

それから幾日たって、父が俺の部屋に来た。
「お前、あの記事を読んだだろう」
しまった、と思った。
ちゃんと元の場所にしまってなかったのかもしれない。
「う、うん」
「お前の母さんは、良い人だった。あの殺人も、悪いことじゃない。」
「……え?」
「父さんは兄に金を渡していた。兄に脅されていた。それを知った李音は、兄を殺し自ら罪を告白した。李音は父さんのために罪を被った。……父さんは、こんな良い人と一緒になれないと思って離婚した。でもな」
父さんが話すのをやめた時、父さんの後ろから声が聞こえた。
「今日からよろしくね」
「父さんは思い直して、李音を探した。だから今日から李音は、お前の母さんだぞ」

24:千代紙:2014/01/26(日) 07:52 ID:PYM

リクエスト下さい!

25:文乃:2014/01/26(日) 13:03 ID:X/s

来ました!!
やっぱり面白いですね!
これからも 頑張って下さい!

26:千代紙 ◆9X3s:2014/01/30(木) 18:29 ID:PYM

>>25

ありがとうございます!




♭お知らせ♪

えー、しばらく更新出来ません。
暇な時にあげていただけると助かります←←

27:& ◆tEkM:2014/02/01(土) 15:48 ID:07I

age★

28:千代紙 ◆9X3s:2014/02/02(日) 13:50 ID:PYM

フリートークでリクもらったので、書きます!




バスケットボールが私の手に収まった。
「みぃー、こっちにパスして!」
え?
あかりちゃんの声。
無理だよ、運動音痴の私には。
思わず、あかりちゃんの方へ駆け寄った。
その瞬間。
『ピーッ!』
え、反則?
……あ。
「みぃちゃん、ボール持ったまま二歩以上歩いちゃダメだよ……」
あかりちゃんの呆れた声。
ごめんなさい、ごめんなさい……。

体育の後の授業。
バスケで同じチームだった子から、嫌な目線が送られている気がする。
怖いな……。
あかりちゃんは、唯一の友達だったのに、もう嫌われたな……。
先生の声を聞き流し、クラスを見回す。
みんなが睨んでる気がする。
怖いよ……。

給食で、あかりちゃんに話しかけられた。
「みぃちゃん体育苦手?」
「……う、あ、はい」
なんでこんなこと聞くの?
やっぱり、さっきのこと怒ってる?
「それでさ、放課後バスケ一緒に練習しない?」
私が体育で足手まといだから、そんなこと言うんだ……。
「……」
「みぃちゃん?」
「あの、ひとりで出来るんで、大丈夫……です」
「ふぅん、そっか…」
え、怒っちゃった?
どうしよう……。

放課後。
ひとりで体育館に行った。
空っぽの体育館。
人がいなくて良かった。
ひとりでボールを出す。
そして、ゴールに向かって投げた。
大きく逸れて、壁にぶつかるボール。
そして、こっちにはねかえった。
……え!?
凄い勢いで向かってくるボール。
かわせるわけないスピード。
そう分析した瞬間、私の左手の人差し指に痛みが走った。
ボールがぶつかった。
そう思ったときには、人差し指は大きく腫れていた。
運動音痴には初めての体験。
「どうしよう……。」
腫れはひいてくれない。
人差し指は真っ赤だ。
と、体育館の扉が開いた。
「みぃちゃん!?」
この声は……。
「どうしたの?大丈夫?……あ、腫れてる!」
「あかりちゃん……、どうして?」
「やっぱり心配になって。それより、保健室行かなきゃ。」
あかりちゃんが私を立たせてくれた。
「怒ってないの?」
「え?」
「私がバスケで反則したから……」
私が恐る恐る言うと、あかりちゃんは笑った。
「ああ、なんだ。あんなの誰も怒らないよ」
良かった……。

二人で保健室に行った。
突き指だった。
手当てをしてもらった後、二人で帰った。
あかりちゃんは怒ってなくて。
帰り道は楽しかった。

29:千代紙 ◆9X3s:2014/02/03(月) 19:44 ID:PYM

甘い香りが
新しく買った
一日の間
蜜柑の皮を
人差し指を
隕石が地球に衝突した

とのリクエストを受けたので、ぼちぼち書いていきますね

30:千代紙 ◆9X3s:2014/02/03(月) 20:10 ID:PYM

甘い香りが鼻孔をくすぐる。
ああ、たまらない!
私は思わずパン屋の扉を開けた。

カランカラン

小気味の良い音と共に、男性の店員が発する「いらっしゃいませ」の声が聞こえる。
更に強くなったいい香り。
私はトレーとトングを手にとり、パンを見て回った。
出来立てのクロワッサンに、メロンパン。
それらがこれでもか、と言うほど甘い香りをかもしだしていた。
私はクロワッサンとイチゴシュークリームを取り、レジに向かった。

レジにはあの男性の店員がいて、最初にこう告げた。
「店内で召し上がることも可能ですが、いかがなさいますか?」
確かに店内には、小さなテーブルと椅子があった。
よし、こうなったら食べてやろう。
私は微笑んで言った。
「店内で」

お金のやり取りをしてから椅子に座る。
そして、クロワッサンを取った。
一口。
サクッと良い音がする。
そして、一瞬遅れて微かに横切るバターの香り。
「美味しい!」
思わず口にしてしまう。
すると、あの店員が笑った。
「ありがとうございます」

店員の名前は、村山 敦さん。
よく見ると顔立ちは綺麗で、性格も良い。
私は半ば村山さん目当てでこのパン屋に通い出した。

それから。
村山さんとも仲良くなり、今日も世間話をしていた。
そんな時、村山さんがポロッと口にした爆弾発言。
「実はねこのお店、移店するんだ」
「えっ……!?」
いきなりだった。
ここのパンも、村山さんも私は大好きだったのに。
「そんな、嫌です!」
「ごめんね……。遠いところに行くから、もう君にも会えないよ」
悲しそうに言う村山さん。
本当に、そう思ってくれてたらな……。
「でも、やっぱり君には会いたいな……」
村山さんが言った言葉に、私は深く動揺する。
私だって会いたい。
毎日会いたい。
でも、そんなことは不可能だと思ってた。
「メアドとか、教えてくれない?」
……これは、奇跡だ。

「敦、次はどこいく?」
「アイス食べようよ」
私は賛成の意を表してから、敦の手を握った。

移店してからも、私と敦はたまに会っていた。
そしてある日、告白された。
敦は高校生で、歳の差は少しあったけど、そんなのは気にならなかった。
村山さん、と呼んでいた私は距離を縮めたいと思い、最近敦と呼び始めた。

あの日、甘い香りに誘われていなければ、私と敦は出会っていなかっただろう。
これは、パンの起こした奇跡だ……。

31:千代紙 ◆9X3s:2014/02/03(月) 22:57 ID:PYM

新しく買った小説の表紙を開く。
しかし、中身はほぼ白紙だった。
「……え!?」
書いてあるのは一ページだけ。
「あなたの物語を作ってみよう。今からあなたの言動、気持ちがこの本に記されます。安心してください。この本は決して他の人には読めませんから」
……は!?
意味が分からない。
すると、本に文字が表れた。
『……は!?意味が分からない。』
………何よ、この本は!私なんかの気持ちを書いて何になるの!?
『何よ、この本は!私なんかの気持ちを書いて何になるの!?』
「……。」
苛ついても仕方ないと思った私は、本を置いて気晴らしに外へ出た。

向こうから子供が走ってきた。
小学校低学年だろう。
おつかいの途中のようだ。
と、その子が転んだ。
泣き出す。
私は慌てて駆け寄った。
「大丈夫?」
膝に大きな傷が出来ていた。
私はポケットに絆創膏があるのを思いだし、取り出した。
そして、傷口に貼ってあげる。
すると、その子が泣きながら言った。
「手が痛いよぉ……」
手を見ると、手のひらを擦りむいている。
そこにも絆創膏を貼ってあげた。
その子はお礼を言って、一人で道を歩き出した。

その後、プラプラと歩いているとお婆さんが歩いてきた。
重そうな荷物を持っている。
「あの、手伝いましょうか?」
私は思わず言ってしまう。
私の悪い癖。
お節介だ。
「まぁまぁ、ありがとね」
お婆さんは私にひとつ袋を渡した。
お婆さんの家は少し遠くて、荷物を持ってあげて良かったと思った。
「ほんとにありがとうね。これは、お礼だから」
お婆さんは家に着くと、蜜柑をひとつ私にくれた。
私はありがたくいただいた。

お婆さんの家から出ると、自転車の二人乗りをしている小学校中学年くらいの男子二人を見つけた。
「二人乗りは危ないよ」
私が声をかけると、二人は睨んできた。
「いいじゃん!」
「なに言ってんの?」
私は負けずに言い返した。
「ダメだよ。フラフラしてる時に車が来たらどうするの?」
すると、二人はごめんなさい、と言って自転車から降り、行ってしまった。
すると、それを見ていたらしいお巡りさんが笑顔で話しかけてきた。
「ありがとう、この辺は事故が多いから助かったよ」

帰り道、さっきの怪我をした子と親を見つけた。
「あ、お姉ちゃん!さっきはありがとう!」
その子はすっかり元気だった。
その子の親もお礼を言ってくれた。

家に帰った。
そして、あの本を見た。
本には字がたくさん書いてあった。
読んでみると、心が暖かくなった。
最後に、こう書いてあった。
『あなたは優しい方です。自分の長所を伸ばしてみて下さい』
優しいことが私の取り柄、か。
私は少し嬉しくなって、本を胸に抱えた。

32:千代紙 ◆9X3s:2014/02/04(火) 18:16 ID:PYM

一日の間、僕はずっと部屋にいるはずだった。

僕はいわゆるヒッキーである。
なにしろ休日はご飯等以外は決して部屋の外に出ない。
部屋で何をしているか。
ネットである。
チャットという所で赤の他人と話したり、小説掲示板で小説を日々更新したりしている。

そして、今日も僕はそういう風に過ごす予定だった。
それはもう、ほとんど確定している未来だったのに。
奴のせいで予定が狂った。
奴、とは佐賀野 風馬。
クラスメートだ。
風馬は今日、突然僕の家に来た。
受験休みだから、ゆっくりネットをしていたかったのに。
僕は心の中で愚痴りながら、風馬を部屋に入れた。
「なんで来たんだ」
僕が不機嫌そうに聞くと、風馬は能天気に笑った。
「だって秀矢とあまり話したことなかったから」
そして、笑顔のまま付け加えた。
「散歩しない?」

断る理由も思い付かず、とりあえず乗り気でないまま外にでた僕に、風馬は言った。
「秀矢、この辺でお勧めのスポットを教えてよ」
ヒッキーの僕に、わざわざそれを聞くのか!?
と思いつつ、僕が提案したのは肝試しで有名な森。
「でるらしいぞ」
しかし、風馬はまた笑った。
「俺、そういうの興味ない」
そう言われても、特に良い場所は思い付かなかったのでブラブラと歩くことにした。
「秀矢って、なんで人と群れないの?」
風馬が歩きながら質問する。
「なんでって……。特に理由はないけど」
確かに僕は教室でも一人だけど、別に気にしてはいなかった。
「群れるの、楽しいよ」
「そうか?」
すると、風馬はうん、と頷いた。
「だって、今楽しいだろ?俺と話してて」
いや、逆に迷惑だ。
部屋に戻り……あれ?
もう少し歩いていたいと思う自分がいることに気付いた。
おかしいな。
ヒッキーの筈なのに。

それからしばらくして、僕の家の前に戻った。
風馬はそこで帰っていった。
部屋に入って、パソコンの電源をいれる。
でも、ネットを楽しむことが出来ない。
風馬の顔が横切る。
楽しかった。
もう一度散歩をしたい。
ヒッキーの僕にとって、初めての感覚。
今度、散歩に誘ってみるか。
マウスを動かしながら、確定しそうな未来を頭の中で思い描いた。

33:千代紙 ◆9X3s:2014/02/05(水) 18:53 ID:PYM

蜜柑の皮を慎重に剥く。
そして、剥いた皮をみんなに見せた。
「スゴい!」
「犬だ!」
驚くみんな。
僕は胸を張って言った。
「猫も馬も、ぜーんぶ作れるよ!」

あれから、もう六年。
今では蜜柑の皮でもっと凄いのも作れる。
給食で出された蜜柑で、それを作ることも出来る。
僕は手先が器用なんだ。
でも、それをやらないのは、僕が引っ込み思案だから。
もし、何か言われたら?
「ガキみたい」って言われたら?
……前みたいに。

僕が引っ込み思案になってしまったのには理由がある。
今も同じクラスの、松田くんのせい。
小学校が一緒で、しかも六年間クラスが同じだった僕らは、それなりに仲が良かった。
三年生のある日のこと、給食に蜜柑が出た。
ここ最近、蜜柑の皮剥きをしてないから、あれを見せようと思った。
そこで、熊を作ったんだ。
それを松田くんに見せた。
「どう?凄いでしょ?」
って。
そしたら、松田くんは嘲笑した。
「ガキみたい」
って。
嘲った。
僕はショックで、それをちぎって捨てた。
それからは、もう松田くんと話していない。

そんなことを思い出していたから、話し合いの内容を忘れかけていた。
当てられたらマズイ、と思い黒板を見る。
そうそう、文化祭の装飾のリーダーを決めるんだった。
リーダーは、装飾の全てを決められるから、やりたかった。
でも、手を挙げる自信はない。
その時、松田くんと目が合った。
まかせろ、と言われた気がした。
松田くんの手が挙がる。
そして、立ち上がった。
「俺は、佐々木くんがリーダーになって欲しいです。佐々木くんは、蜜柑の皮で何でも作れるほど、手先が器用なんです」

「リーダー、凄い良い装飾!」
文化祭。
僕はリーダーになって、クラスの装飾のイメージから、細かい所まで全て決めた。
楽しかった。
そして、みんなから誉められた。
少し時間のかかる装飾だったけど、四つのクラスのどれより優れている、と言われた。
おまけに、蜜柑の皮剥きを見たい、とみんなに言われ、最近出来るようになった龍を作ったら、凄いと称賛された。
引っ込み思案だったのが、嘘みたいだ。
松田くんとも仲直りした。
あの時、蜜柑の皮を見せて、良かったと思っている。

34:千代紙 ◆9X3s:2014/02/07(金) 19:07 ID:PYM

人差し指を唇に当てる。
それが私の考えるときの癖だ。
そう、プリントに書き込んだ。

道徳の時間。
今日のテーマは「自分の癖」。
プリントには、自分の癖とそれをしてしまう時を書き込むようにしてある。
書いたものを班で読み合い、意見を交換する。
相変わらず、何故そんなことをやるのか疑問に思ってしまうテーマだ。

「じゃあ、机を班の形にしてください」
担任の新井先生の言葉で、机が一斉に動き出す。
私も机を移動させた。

「どうすんのー?」
麗果ちゃんが言う。
麗果ちゃんはブリっ子で、みんなから嫌われているが、本人は嫌われているとは知らない。
とにかく嫌な子。
「知らねーよ、とりあえずプリントまわそうぜ」
山内くんがめんどくさそうにプリントをまわし始める。
みんなもそれを真似たので、私もプリントを人に渡した。

私にまわってきたプリントを見る。
「癖:高い声を出してしまう。
状況:驚いたとき、興奮したとき」
麗果ちゃんのプリントだ。
キモッ……。
思わず言いそうになり、慌ててプリントをまわした。

「先生、ちょっと用事があるから職員室行って来るね」
そう言って、新井先生が教室を出ていく。
と、その時。
山内くんが笑い出した。
「『癖:人差し指を唇に当てる。
状況:考えるとき。』ヤベッ、超笑える!」
カッと顔が赤くなる。
大声で言って欲しくない。
……隣の班には好きな男子がいるのに。
プリントを取り返そうとした。
しかし、素早い動きで阻止される。
いつの間にか、山内くんの周りには人だかりが。
「誰のー?」
「山内、貸せ!」
と、口々に言ってる。
「んー?三日月 神奈さんのでぇす!」
止めてよ。
恥ずかしいよ。
もう……やだ……。
目を閉じる。
と、いきなりみんなの声が止んだ。
先生が戻ってきた様子もない。
恐る恐る目を開けると、麗果ちゃんが私のプリントを持っていた。
「……山内、あんたサイテーだね」
麗果ちゃんが冷めた目で山内くんを見る。
そして、私にプリントを返してくれた。
「あり……がと…っ」
「え、ちょっ、なんで神奈ちゃん泣いてるの!?」
麗果ちゃんが泣き出した私の元へ駆け寄って来た。
「う……ん……」
と、誰かが立ち上がった。
「三日月を泣かせんなよ」
え……、この声って……。
「秀矢?」
やっぱり……。
龍田(タツタ) 秀矢くん。
私の大好きな人。
涙を拭いて、龍田くんを見た。
龍田くんはチラッと私を見てから、山内くんを睨んだ。
「ホント、サイテーだわ、お前」
と龍田くんが言った、その時。
ガラガラ、と音をたててドアが開いた。
「ほらほら、なんで立ってるの?立ってたやつは放課後残ってねー。……あれ、三日月さん泣いてるの!?」
新井先生だ。
みんなが慌てて席につく。
私は水滴を指で拭って言った。
「いえ、泣いてません」
それから、龍田くんを見る。
私のせいで、居残りに……。
目が合った。
その目は優しげで、口が『お前のためだから』と動いた。

35:千代紙 ◆9X3s:2014/02/07(金) 22:28 ID:PYM

「隕石が地球に衝突したとの情報がただいま入りました……」
あっそ。
だから何?
ニュースで騒がれるほどでもない。
地球に隕石が落ちるのは、そこまで珍しいことじゃないし。
まあ、この東京に落ちたのだから、仕方ないかもしれないけど。
俺はテレビの電源を切って、何の気なしに外に出てみた。

「……ウソだろ……!?」
俺は外に出て、驚いた。
”人がいない”
道路工事の音は途絶え、人の姿はない。
ジョギングをする人、水やりをしているおばあさん、犬の散歩をする人。
日常の風景が、今は不自然だ。
落ちたペットボトルとタオルにジョウロ。
逃げ出した犬。
人は?
人は……?
俺は走り出す。
人を探して。
でも、いない。
ドコニ、イル?
友達の家に行った。
でも、いくらインターホンを押しても出てこない。
家に帰ってテレビを付けた。
普通のニュース番組。
しかし、さっきまでニュースを読んでいたキャスターはいない。
空っぽの空間に虚しく流れる字幕。
乱暴にその画面を消した。

隕石のせいかも。
スマートフォンで隕石の落ちた場所を調べ、電車やバスは動かないから自転車を飛ばした。
巨大な交差点で、不自然に停まる車や自転車。
その脇を縫うように進んだ。
そして着いたのは、大きな空き地。
そこにそれはあった。
「隕石」
凹凸の表面。
しかし、色はエメラルドで、綺麗に発光している。
俺の身長ほどの大きさの石。

『ナゼ、オマエハ、ウゴイテイル?』

隕石の声。
文節ごとに区切られた言葉。
”意思を持った石”
誰かが言った駄洒落を思い出した。
「人間を返せ。」
俺の言葉に、隕石は声をたてて笑う。
『ヒトハ、イキテイルダケ、ムダダ』
「そんなことはない!」
『ソノ、コンキョヲ、アゲロ』
「人間は憎しみ、悩み、時には命までもを自らたつときもある。」
『ダッタラ……』
「でも!」
俺は声を張り上げる。
「それでも人間は、他の動物にはない”優しさ”で人を救う。……人は支え合っているんだ!」
瞬間。
隕石が黄色い光を放った。
『ヒトハ、カシコク、ナッタナ』
隕石は、目を当てられないほど強い光を出した。
思わず目をつむる。
次に開けたとき。
もうそこには隕石の姿なんてなく、あるのは元に戻った人々だけだった。


隕石は、宇宙空間で思考する。
『ツギハ、ドコノホシヘ、イク?』

36:千代紙 ◆9X3s:2014/02/08(土) 14:31 ID:PYM

はい、リクエスト待ってます!

37:& ◆tEkM:2014/02/08(土) 14:42 ID:kMQ

では……。

「雪だ!」
もしも君が、
スクバの中身は

からお願いします★

野薔薇

38:千代紙 ◆9X3s:2014/02/08(土) 15:06 ID:PYM

37
了解です!


「雪だ!」
たくさんの子供が走り出す。
私の妹は……?
いた。
騒ぐ集団から離れた位置でつまらなさそうに本を読んでいる。
私を見つけると、車椅子を動かしてやって来た。

私の妹は脚を動かせない。
産まれた時に複雑骨折を起こしていて、通常に動かすことの出来ない後遺症が残ってしまった。
今は小学三年生。
入学当初からみんなに苛められていたようだ。
私がまだ小学生だった頃は妹を守っていたけど、中学生になった今では勉強や部活が忙しくて、こうやって迎えに行くことしか出来ない。
でも、こういう独りぼっちの妹を見ると、胸が痛んだ。

車椅子を必死に動かす妹。
その時、彼女の顔面に雪玉が当たった。
「……あ」
思わず声をあげる。
妹は手で顔の雪を払った。
駆け寄る私。
雪玉を当てた相手を睨んだ。
菅原 藍斗。
可愛いのは名前だけで、いじめの常習犯だ。
「藍斗、何すんの?」
怒りに任せて藍斗の肩を揺さぶる私を妹が止めた。
「お姉ちゃん、止めてよ。私がこんなんだから苛められるんだから」
目に涙を溜める妹の姿に、藍斗を放す。
妹がいつも自分を責めているのは知っていた。
だからこそ守ってやりたかった。
……なのに。
「ごめんなさい、お姉ちゃん」
なんであんたが悪いの?
悪いのは誰でもないんだよ。
自分を責めないでよ……。

と、その時。
女の子が近づいてきた。
見慣れない子。
転校生だろう。
「大丈夫?」
女の子が妹の顔を覗きこむ。
よく見ると、左手が上手く動かせていない。
……もしかして。
「うん、大丈夫だよ。お姉ちゃん、友達の桃ちゃんだよ!」
「桃ちゃんか。よろしくね」
私が頭を撫でてやると、桃ちゃんは気持ち良さそうに言った。
「よろしくね。あのね、桃はね、左の手がね、動かないの」
やっぱり。
妹と桃ちゃんは、同じ者同士仲が良いんだ。
引っ込み思案の妹に桃ちゃんが必死に話している姿が思い浮かぶ。
成長したね。
もう、お姉ちゃんが守らなくても良いんだね。
私はそんなことを考えながら、妹の車椅子を押した。

39:千代紙 ◆9X3s:2014/02/08(土) 20:14 ID:PYM

もしもアイツが、俺にチョコをくれたら。
そしてそれが本命だったら。
そう思うと、胸がドキドキする。

「麗果ちゃんは男子にチョコあげるの?」
「え〜、教えなぁい♪神奈は?」
「私も教えない!」
三日月 神奈と川杉 麗果が目の前で話してる。
俺はそれを盗み聞きしていた。
「神奈ちゃん、ぜぇったいモテるよねっ!」
「も、モテないよ……。」
嘘つけ、モテるだろ。
俺は心の中で呟く。
だって、俺も三日月に惹かれてるんだぜ?
明日はいよいよバレンタイン。
チョコがほしい。
……なんて、『面白い山内』の名で呼ばれてる俺には絶対言えない。
でも、三日月にはそんなことを言ってでも欲しいんだ。
それで貰えるなら、言ってる。
いや、優しい三日月なら99%くれるだろう。
それなのに、俺は言わない。
だって。
本命が欲しいじゃねえか。

次の日。
学校に来た俺は、まず下駄箱をチェックする。
チョコは入ってない。
少しがっかりしたが、一緒に登校した本山も無かったらしいから良かった。
教室に入ってからは、机の中やロッカーの中を確認した。
入ってない。

休み時間。
俺の所に、何人かの女子がチョコを渡しに来た。
ほとんどが義理チョコだ。
しかし中には、
『本命です。好きでした』
と書かれた物も。
でも、三日月のじゃない。
前に泣かしたこともあるから、渡してくれないかもしれない。
そんなことを思ってるうちに、放課後になった。
教室で男子と駄弁る。
チョコを貰えなかった悲しみを冗談に変えた。
「三日月とかってさ、全然チョコくれねえんだよね」
とか言って。
心はズキンズキンと痛むのに、俺はそれを誤魔化した。

でも、奇跡は起きた。
帰る時に、下駄箱の中を覗いた。
それで気付いた。
綺麗な箱が入っていることに。
慌てて取り出すと手紙もあり、宛先に『三日月 神奈』と書いてあった。
友達がいるのも忘れ、手紙を読んだ。
『山内くんへ
今日はバレンタインですね。
山内くんなら、たくさんのチョコを貰ったことでしょう。
これは義理チョコです。
三日月 神奈』
義理チョコか。
少し落ち込む。
けど、三日月から貰えた。
俺は友達と一緒に笑い合いながら帰った。

40:rumia:2014/02/09(日) 00:46 ID:8qo

こんにちは、rumiaと申します。
リクエストよろしいでしょうか。

「卓郎は死に物狂いで走り出した」から始まる三人称の物語です。
無理そうだったら無視して下さい。

41:千代紙 ◆9X3s:2014/02/09(日) 19:00 ID:PYM

>>40

リクエストありがとうございます!
前のがかきおわったら書かせていただきますね!

42:千代紙 ◆9X3s:2014/02/10(月) 21:04 ID:PYM

あああああああああああ!!!!
「もしも君が」を「もしもアイツが」にしてしまっている!!!
申し訳ありませんでしたああああああ!!!




スクバの中身は、手作りのチョコ。
我ながら良い出来。
綺麗なラッピングに、ハート型のチョコ。
シンプルなチョコだけど、『シンプル イズ ベスト』って、言うもんね!
なんて、自分を誤魔化す。
家では好評だったこのチョコ。
学校では……なんて、期待するだけ無駄。
私、クラスで浮いてるもん。
いじめられてはないけど……。

原因は入学初日の自己紹介だった。
特に取り柄のない私は、とっさにこう言っていた。
「特技は……、動物と会話することです!」
私は本当に会話することが出来る。
言葉ひとつひとつは微妙だけど、感情が伝わって来るのだ。
でも、自己紹介で言うべきではなかった。
みんなから明らかに引かれた瞬間だった。

友チョコって、楽しいのかな。
小学校では友チョコなんてあまりしなかった。
親友と二人だけで交換してた。
中学ではどうすればいいか分からなかったから、とりあえず全員分用意した。
多分、誰にも貰ってもらえないけど。
自分のを抜いた19個がそっくりそのまま返って来るだろうけど。

そんなことを思ってスクバを開けた瞬間。
後ろから手が伸びてきて、チョコをひとつ掴んだ。
「……え!?」
高木くんだった。
高木くんは、真面目そうな外見とは裏腹に、山内くんに並ぶ馬鹿だ。
そんな高木くんが、なんで避けられてる私のチョコを……?
口を開けたまま高木くんを見てると、目の前でチョコを口に放り込んだ。
「………!?」
お、美味しいのかな。
男子に食べられたことなんてない。
だって、恥ずかしいもん……。
と、高木くんは目線だけこっちに向けた。
「旨いよ。来年から俺に作ってきて」
……今、なんて?
聞き返す暇もなく、風のように過ぎ去った高木くんがいた空間を見つめ、私は考える。
こくられた……?
いや、高木くんが求めてるのは義理チョコだろう。
そう思っても、胸が高鳴る。
なんで?
高木くんに、チョコを食べられただけなのに……。
も、もしかして……!
顔が赤いのが自分でも分かる。
私、高木くんに恋してるのかも。
でも、それって良いんじゃない?
私が生まれ変われるチャンスだよ!
恋バナとか、ついていける普通の女子に生まれ変われる……。
高木くん、私にこういうチャンスをあげたかったのかも。
なんて、私の妄想か。
テヘッとひとり笑って、私は高木くんがひとつだけ残したチョコを口にくわえた。
……恋のように、甘くて少し苦い味がした。

43:千代紙 ◆9X3s:2014/02/11(火) 18:44 ID:PYM

♭読んでも役に立たない余談♪

はい、読んでも役に立たない余談です←

いきなりですが、私は絵を描くことが好きなんですねー!
ただ、葉っぱ天国ではほとんど載せていない!
というわけで、ちょくちょく描いていきたいです。
ただ、忙しいんですね……。
小学生の時ならもっと更新率も高かったでしょう……。
しかし、もう中学生。
やることがたくさんありますが、それでも時間があったら描きたいと思います。
ではでは

44:& ◆tEkM:2014/02/13(木) 22:04 ID:6Oo

リクでふ!


また不合格、か。
制服の袖を
いろはにほへと


から宜しく!

野薔薇

45:千代紙 ◆9X3s:2014/02/14(金) 17:32 ID:PYM

「卓郎は死に物狂いで走り出した」
「はい、そこまで!良く読めましたね」
国語の教師である田中が誉めると、音読をした主である秋長 麻矢は嬉しそうに席についた。
麻矢は昔から音読が好きだった。
今は演劇部に所属している。
そこで嫌な目にあうとは、麻矢も演劇部の顧問田中も知らなかった。

「ねぇ麻矢ちゃんさぁ、生意気だよぉ?」
いつも通りの部活中、麻矢は突然先輩にそう言われた。
「……え、生意気って……どういうことですか……?」
麻矢が聞くと、先輩は笑って返した。、
「ウザイってことだよぉ。今度生意気にしたら、お仕置きだからねぇ♪」
麻矢の背筋に、冷たい汗が流れた。



ちょっと中断です!

46:千代紙 ◆9X3s:2014/02/14(金) 17:32 ID:PYM

>>44

ありがとうございます!!

47:千代紙 ◆9X3s:2014/02/16(日) 14:51 ID:PYM

生意気って、どういうこと?
役者になること?
先生に誉められること?
わからないよ。
麻矢は暗い気持ちで帰路についた。

麻矢の所属する演劇部は、みんなで決めた台本で顧問が役を決める、というやり方をとっていた。
田中は才能を見極めるが得意で、そのせいか麻矢は一年にして早くもたくさんの劇に出ていた。
それとは対称的に、今日生意気と言ってきた先輩はたまに役者になれる程度。
それも脇役。
しかし、それは仕方ないことなのだ。
なにしろ先輩は演技が下手。
棒読みで、動きも少ない。
麻矢が得意とする感情表現なんて、もっての他だった。

次の日も部活があった。
しかも、役者発表。
もし役者に選ばれていたら、生意気になるのだろうか?
麻矢は散々迷って、部活に出ず帰ってしまった。
その日、部長からメールが来た。
『From・部長
Subject・役者
本文
役者、決まりました!
麻矢ちゃんは主役です。
明日台本を渡すので、来てね♪』
気が重くなる。
麻矢は決心をした。
『To・部長
Subject・Re:役者
本文・申し訳ありませんが、役者は辞退させて頂きます。』
数分迷った挙げ句、送信ボタンを押す。
「あ〜あ、やっちゃった」
でも、私のせいじゃない、と麻矢は思った。
私の決断だけど、先輩のせいだもん。
そして、そのまま携帯の電源を切った。

それからは、部活に出ない日々が続いた。
サボって、真っ直ぐ家に帰る。
そして、友達とメールをしたりネットをやったりする。
先輩からは、もうメールは来ない。
失望されちゃったかな。
そう思っても、あまり後悔はしなかった。
部活って、私にとってこんな存在だったんだ。
麻矢はそう思おうとした。
本当にそんな存在なら、思いだしもしないくせに。

「麻矢ちゃん!」
麻矢は突然声をかけられた。
昼休みで、友達と廊下を歩いている時だ。
「は、はい」
後ろを振り向くと、生意気だと言ってきた先輩だった。
友達に「先行ってて」と微笑んでから、先輩を見る。
「何ですか?」
「麻矢ちゃんさ、役者辞退したでしょ?それで主役が私にまわって来たの」
良かったじゃん。
麻矢は嫌味を心の中で呟いた。
先輩は話を続ける。
「でも、ダメだしばっかで。やっぱり私なんか、主役は出来ないってわかって。……麻矢ちゃんが辞退したのって私のせいだよね?あれ、思わず言っちゃったの。本当にごめんなさい」
頭を下げる先輩。
麻矢の心の中の嫌味は、どこかに消えてしまった。
「頭、あげてください。辞退したのは、確かにそのせいですけど裏方をやってみたい、とも思ってたんです」
本当だった。
前々から裏方をやりたかったのだ。
「本当?嘘じゃない?」
先輩はしつこく聞いてくる。
「はい。……主役は先輩がやってください。私、今日から部活出ようと思います。」

その日の放課後、演劇部の扉の前に麻矢はいた。
なんて言うか、なんて決めてない。
きっと大丈夫。
麻矢は思いきって扉を開ける。
「こんにちは!」

48:千代紙 ◆9X3s:2014/02/18(火) 20:26 ID:PYM

また不合格、か。
僕は兄に目を向けた。

僕の兄は、大学を二浪している。
必死に勉強もしてるし、性格はとても真面目なのだ。
僕はその姿をずっと見てきている。
両親が共に他界して、僕たちは二人暮らし。
だから兄は主婦としての役割を果たしてもいた。
自慢出来るお兄ちゃん。
そのはずだったのに。


「あ〜あ、これで三浪だよ〜」

兄は、勝手に結果を見てしまった僕を見て、ちょっと笑った。
その姿に、カチンときた。

「何笑ってんだよ」

思わず兄の胸ぐらを掴んだ。

「料理なんて作ってる暇なんかないんだろ?いい加減僕に任せろよ!」

と、乾いた音がした。
少し遅れて、頬に鋭い痛みが走る。
兄に叩かれた。
そう気付いた。

「兄ちゃん……?」

「俺は好きで料理とかやってんだよ」

兄はそう言うと、部屋に戻ってしまった。

次の日。
僕が起きると、兄はすでに予備校に行っていた。
昨日のことを気まずく思いながら、兄の作った朝食を食べようと席につく。
と、一枚のメモが置いてあるのが目に入った。
取って読んでみた。

『昨日はごめんな。
俺、来年は絶対合格するから!』

僕は笑みを浮かべて、箸を持った。

49:千代紙 ◆9X3s:2014/02/21(金) 20:03 ID:PYM

制服の袖を肘の辺りまで上げる。
そして、みんなで気合いの声を発した。

「行くよ?」

「オー!!」


あれはいつのことだっけ。
そう、合唱祭だ。
あの時も学年で一位だったな……。
団結力の強いクラス。
それも今日でお別れだ。
明日からは春休み。
私はそれなりにこのクラスが大好きだった。

「菜奈実、行こうよ」

親友の火菜が、せっかくまくり上げた袖を引っ張ってしまう。
元通りに伸ばされるそれを、私はジッと見つめた。

終業式なんて、行きたくない。
今の1-Bは最高で、いつも笑顔でいられた。
ずっと三年間、このままで良いのに。
そう告げたら、火菜は肩をすくめた。

「次もきっと楽しいよ」

でも、それは『きっと』だ。
憶測でしかなく、正確じゃない。
そりゃあ火菜に、いや人には未来は分からないけど。
今は『きっと』なんて使ってほしくない。

重い気持ちのまま出た終業式。
禿げた校長先生の頭が光に反射していた。
校長の話は長い。
いつもは嫌だけど、今日だけは有りがたかった。
けれどそんなことを思ってるのは私だけらしく、他のみんなは周りの人と話していた。

帰りのHRで担任が言った。

「先生は、もう今のメンバーと話せないと思うと、とても嫌です。始業式、元気な君達を見てとても嬉しかった。みんな、今までありがとう」

泣きそうだった。
別に卒業するわけじゃないけど。
悲しいんだ。
けれど、私がそんな気分なのにも関わらずみんなは平然としていたんだ。

帰りは火菜と帰った。
居心地の悪い雰囲気が流れる。

「クラス変わったら嫌だね」

火菜が沈黙を破るように口を開いたが、私は答える気も起きず、ただ頷いた。
それも嫌だけど。
もっと嫌なのは、1-B……いや元1-Bのみんなと別れることだ。
最高のメンバーだったのに……。

家に帰ると、何故かメールが100件以上来ていた。
慌てて最初のメールを見た。

『1-Bのみんな、今までありがとう!
またみんなで会おう!
春休み遊べる人、挙手!』

その後には、はーいと書かれたもの、そして予定を書いたものなどが並んでいる。
私は感動で胸がいっぱいになりながら、返信画面を出した。

50:千代紙 ◆9X3s:2014/02/21(金) 20:51 ID:PYM

♭祝・50レス♪

はい、50レス行きました!
これもリクエストしてくださった方&読者様のおかげです!

50がどうした、って感じですよね、まあ……w
あとまた50レス更新すれば100レスですねw
頑張りまっすd

51:千代紙 ◆DMOY:2014/02/23(日) 10:17 ID:PYM

♭すでに出ている人のプロフ♪


神谷 美穂

制服をダサいと思うほどのお洒落な子
正義感は強く、いじめられていた実夏を助けた。
親が教育熱心。
一人称、私。



暮谷 実夏

いじめにあっていたが、美穂のおかげで助かる。
何かと注目される模範生。
一人称、私。



斎藤 彩

実夏をいじめていたグループのリーダー。
一人称、アタシ。



津村 真琴

ろくに勉強もせずに受かってしまい、勉強に付いていけていない。
松田と仲が良く、優しい性格をしている。
一人称、僕。



草弥 麻李

前は実夏と親友だったが、いじめの傍観者となってしまう。
もう実夏の隣には立てないと考えている。
また、パン屋で働いている敦と付き合っている。
一人称、私。



松田 清野

親が一度離婚していたが、再婚。
母の手紙を恋人の手紙と偽り、一時期悪い噂が流れた。
一人称、俺。


新 優

母親を亡くし、近所の後藤さんの元で暮らしている。
親思い。
一人称、俺。



渡辺 あやめ

中学の違う彼氏を持つ。
友達が多く、別の学校にもいる。
可愛い。
一人称、私。



三日月 神奈

社長令嬢で、頭が良い。
親はとても厳しく、一度家を飛び出した。
龍田 秀矢に恋をしている。
麗果と親友。
一人称、私。



村田 砂夜

母が幽霊を成仏させる能力を持っているが、砂夜自身は怖がり。
しかし、親友の秋菜に連れ回され幽霊と何度か遭遇する。
一人称、私。



鈴木 秋菜

幽霊は信じない性格だったが、糖菜と会うことで幽霊を信じ始める。
幽霊が好きで、親友の砂夜を良く連れていく。
一人称、私。



山田 糖菜

四階で起きた事件で死んだ子。
成仏出来ずにトイレの鏡の中にいたが、砂夜の母に成仏させてもらう。
一人称、私。



服部 歩野果

険悪な仲の両親を持つ。
自ら命を断とうともしたが、他のクラスの親友である子のおかげで思いとどまる。
一人称、私。



白雪 姫菜

塾でいじめを受けていて、自ら腹部を刺した。
しかし、夢で塾の子に謝られ一命はとりとめた。
現実でも塾のいじめは消え、今は楽しく生きている。
一人称、私。



森田 灯

佐賀野 風馬に恋をしている。
誰にでも敬語で話す。
父親が罪を犯し、牢屋に入っている。
一人称、私。



佐賀野 風馬

スポーツ万能で、頭もよい。
明るく、笑顔がカッコいいので人気。
誰にでも平等に接する。
一人称、俺。



田中 三井

極度の運動音痴。
いつもネガティブ思考。
一人称、私。



光元 明

運動が得意で、親友の三井とは正反対のポジティブ思考。
友達思い。
一人称、私。




続く

52: ◆.EnE:2014/03/07(金) 21:16 ID:PYM

あげ。

53:千代紙 ◆.EnE:2014/03/15(土) 17:12 ID:PYM

高井 麻利

思いやりのある優しい子。
ある日持ち主の気持ちが綴られる本を手に入れた。
一人称、私。


龍田 秀矢

ヒッキーで、学校に行くとき以外外に出ない。
しかしある時散歩をさせられ、散歩に関心を示すようになる。
一人称、僕。


川杉 麗果

ぶりっ子だが、友達思い。
神奈と親友。
一人称、うち。


佐々木 解

手先が器用で、得意なことは蜜柑の皮剥き。
文化祭の装飾で大活躍した。
一人称、僕。


村本 祐司

隕石によって引き起こされた不可解な現象に一人で立ち向かい、人類を救った。
冷静で、冷たい。
一人称、俺。


大木 夢

足に障害のある妹をもつ。
妹思いの優しい姉。
一人称、私。


川内 涼気

面白いと言われている。
神奈のことが好き。
一人称、俺。


杉並 秋菜

動物と会話出来ることをみんなの前で言ってしまい、クラスから浮いている。
翔のことが好き。
一人称、私。


高木 翔

浮いてあろうが何であろうが誰彼かまわず話しかけるムードメーカー。
外見とは正反対の馬鹿。
一人称、俺。


秋長 麻矢

音読や演技、特に感情表現の上手い演劇部員。
部活でちょっとした嫌がらせを受けていた。
一人称、私。


北野 廉斗

両親がいない。
そのせいか兄思いで、三浪している兄を心配している。
一人称、僕。


松本 菜奈実

1-Bが大好き。
特にみんなで力を合わせることを好んでいる。
一人称、私。


三都 火菜

菜奈実の親友。
1-Bは好きだが、菜奈実ほどではなく、ポジティブ思考。
一人称、私。

54:千代紙 ◆.EnE:2014/03/15(土) 17:24 ID:PYM

元気一杯
台風が
卒業、なんて

とのリクエストを受けたので、ぼちぼち書いていきます

55:千代紙 ◆.EnE:2014/03/15(土) 17:27 ID:PYM

♭余談♪

女子21人
男子10人
……だと!?
どんだけ女子出してんだ、私←
これから男子出しまくろう((

56:千代紙:2014/03/17(月) 16:41 ID:PYM

元気一杯野原を駆けるテリア。
僕はそれを複雑な面持ちで眺めていた。
テリアの名はシロ。
白くではないが、僕がなんとなくつけた。

シロが家に来たのは1ヶ月前。
怪我をしていた。
きっと誰かのテリアが脱走して、怪我をしてしまったんだと思う。
家の前に倒れていたシロを、僕はソッと抱き上げて家の中に入れてやった。
僕は獣医を目指していた兄の手を借りて、シロを手当てした。
「こういう怪我は自転車事故で起こる」
手当てしながら兄はそう呟いた。
「きっと誰かが轢き逃げしたんだな」
とも。

犯人は探さなかった。
その代わりに元の飼い主も探さなかった。
飼い主は悲しんでいるだろうけど、どうしてもシロを飼いたかったのだ。
シロは僕によくなついた。
朝は僕と起き、ご飯は僕のご飯を少しあげた。
学校に行くまでの道を兄と付いてきて、僕が学校から帰ると飛び付いて来た。
遊んでやると、尻尾をちぎれんばかりに振って喜んだ。
寝る時は僕のベッドに入って来た。
毎日が楽しかった。

でも。
テストが近づくにつれ、僕は忙しくなった。
シロに構ってやれなかった。
シロが僕に構うと、冷たくした。
シロは次第に兄になつき、兄はシロとよく遊んだ。
僕はそんな光景から目をそらした。
以前の僕なら笑って見ていたのに。

そして事件は起きた。
ある木曜日のこと。
シロが僕の朝食中にうるさく吠えて来た。
テスト当日のことで、言い訳になるが僕は少しピリピリしていたのだ。
最初は気にせずに食べていたが、あんまりにもうるさいので思わず叫んだ。
「うるさい!」
よほど大きな声だったのだろう。
二階で用意をしていた兄が飛んできた。
兄は睨み合うシロと僕を眺めただけで状況を察したようで、こう言った。
「土曜日までにシロの里親を探せ。お前にシロは無理だ。」
僕はもちろん反対した。
でも、兄は僕のことを良く見ていた。
「ここのとこ、シロと遊んでいないだろう。」
__兄は僕のことを見すぎてるんだ。

もう、シロとも今日でお別れだ。
僕はシロを抱き上げる。
何時しかのように。
シロは首を傾げる。
「__シロ」
涙が溢れた。
離れたくない。
そう強く思った。
と、その時。
背後に気配を感じ、僕は振り返った。
そして声をもらす。
「兄さん……」
「お前、命とは何だと思う?」
唐突に聞かれた。
「え・・・。尊くて、大切なもの・・・だと思う」
思ったことをそのまま言うと、兄はそっか、と呟いてシロを僕の手から取り、自ら抱いた。
「お前がシロと寝なかった間、シロは元気がなかったよ。
今やっと元気になってた。
なあ、お前に構ってもらえなければ、シロは誰に甘えるんだ?
兄さんも忙しい。
シロ、寂しかったと思うんだ。」
地面に水滴が落ちる。
しばらくして、それが自分の涙だと気付いた。
「シロに謝れ。それから、シロを貰えなくなった里親さんにもな。」
「シロ・・・ごめん」
僕の声に、シロは元気良くワン!と答える。
思わず笑いそうになって、気付いた。
「里親さんにも・・・?」
すると兄さんは朗らかに言った。
「里親、キャンセルしといた。」
一瞬遅れて、意味が分かった。
「兄さん!!」
兄さんに抱きつくとシロが楽しそうに舌を出した。

57:千代紙:2014/03/22(土) 07:36 ID:PYM

台風が近付いてる。
天気のことじゃない。
俺の心の話だ。

俺のただ一つの特技はサッカー。
元々運動神経は良い方だったから、小学校の時から注目を集めていた。
中学でも、無論サッカー部に入った。
俺は早くから二年生に混じって練習させてもらった。
先輩は優しくて、何でも教えてくれた。
でも。
同級生は違った。
仲の良い山内でさえ、俺を無視した。
更衣室で、俺だけ一人。
そして、時には暴力を振るわれた。
蹴られ、殴られ。
俺の体は傷で埋めつくされた。

俺は孤独だ。
教室では普通に接してもらえるけど、部活のときは孤独で泣きそうになった。
部活、辞めようかな。
そんな矢先、杉並を見かけた。
クラスで孤立している子だった。
話してみると案外話しやすかった。
杉並は、一人孤独と戦っていた。

俺も、頑張ってみようかな。
ふと、言い様のない快感が心を支配する。
サッカーが好きなんだから。
辞めたくない。
孤独と戦ってやろう。

58:千代:2014/03/25(火) 23:33 ID:PYM

あげます。。

59:匿名さん:2014/03/29(土) 23:37 ID:PYM

卒業、なんてなければ良いのに。
俺はソッとため息をつく。
冬も終わりに近づき、みんなコートを脱いでいる。
春の陽気が街を包む、そんな日に俺は商店街に突っ立ってた。
それにしても遅い。
俺はサッと腕時計を見る。
後五分で来なければ帰ってやる。
俺がいじけたその時。
後ろから誰かに抱きつかれた。

「柚木、待った?」

高いけれど全く違和感のない声。
こんな声を持つ知人は一人しかいない。

「鈴、遅い。ったく、待たせんなよ。お前の中学最後のデートだろ?」

宇野 鈴。
今年で卒業する。
吹奏楽部に所属していて、俺の彼女だ。

「ごめんね、柚木。私、時間にルーズなの。」

「ルーズ過ぎるからな?じゃあ行くぞ」

俺は鈴の袖を引っ張る。



中断します!

60:千代 ◆Q6:2014/03/30(日) 13:22 ID:PYM

鈴は卒業後は名門の大学へ行く。
そこでは美術のサークルに入りと言っていた。
俺も、良かったな、と返したけど内心では行って欲しく無いと思った。
ただでさえ年が離れたカップルなんだ。
おまけに鈴は人に流されやすい。
俺がコクった時だって、
「ひょえ?柚木君と〜?良いよ〜」
とめちゃくちゃ軽くOKしてた。
大学でコクられたら、鈴はOKしてしまうのでは?
と、俺はずっと心配していたのだ。


切ります!!

61:千代:2014/04/06(日) 13:58 ID:PYM

雑談。
迷ってます。
小学校5,6年のときに授業で短編を書きまして。
一応褒められてみんなの前で読まされたんですよ(恥ずかしいw
それを載せようかどうか…
どうしよう。

62:千代:2014/04/07(月) 22:08 ID:PYM

凄い勝手ですが、>>59-60,書き直します…

63:千代:2014/04/07(月) 22:30 ID:PYM

卒業、なんてまだ遠い。
なのに、なんで今から大学について考えるわけ?
学活で配られたプリント。
そこには『希望進路調査』と書かれていた。
そして高校卒業後の進路のいくつかの項目があり、そのうちひとつ以上を選ばなくてはならないらしい。

『1.働く
2.大学入学
3.専門大学入学
4.その他(何か書くこと)』

一番以外、大学に入るという内容だ。
俺は無難に2を選択し、提出した。

三者面談でも、将来のことに触れられた。

「お子さんは大学へ入学したいそうですが、何か希望の大学はありますか?」

先生の問いかけに、母は微笑んだ。

「むろん、東×大学です。」


母と父は頭が良い。
大学も進学校。
父は大学院出だ。
そのせいか、俺は期待されている。
期待に応えられる訳が無い。
俺は期待に押し潰されてしまいそうになっていた。
そんな時。
とある友達に言われた。

「無理すんなよ?」

スッと軽くなった。
何気ない一言だけど、嬉しかった。
期待に応えられる事だけが人生じゃない。
大丈夫、きっとやっていける。

64:千代:2014/04/07(月) 22:32 ID:PYM

リクエスト分、書き終わりました!!
はい、リクエスト待ってます笑

65:千代:2014/04/07(月) 22:43 ID:PYM

番外編(本編と何ら関係のないこと書きます。)


どしゃ降りじゃん。
誰だよ、今日は晴れだって言った奴。
そう思ってから、朝の記憶を辿る。
天気予報では、確か雨が降ると言ってた。
それからテレビを消して、靴履いて傘立て見て……。
傘要らないかって思ったんだ。
…自業自得、かあ。
俺は溜め息を吐いて雨の中を歩き出した。
と、女子中学生とすれ違う。
目があった。
黒いロングストレートの髪に、白い肌の彼女の口元が微かに動く。

「時間ヨ止マレ」

声こそ聞こえなかったが、俺にはそう見えた。
と、気付く。
“雨が止んでいる”
おかしい。
天気予報で予報されていて、しかも大雨だった。
それに、通行人は動かず傘を差している。
……“動かず”?
咄嗟にあの中学生を探す。
しかし、もう彼女はどこにもいなかった。
再び雨が降る。
みんなが何事も無かったかのように動き出す。

“時間ヨ止マレ”

66:千代:2014/04/08(火) 17:48 ID:PYM

番外編


満月が綺麗だ。
会社帰りで細い道を通っている時、ふと顔を上げると大きな満月が浮かんでいた。
手を伸ばせば届きそうだ。
そんな事を考え、立ち止まっていると後ろから肩を叩かれた。
振り返ると黒いワンピースを着た美しい少女の姿があった。
ストレートロングの黒髪が特徴的だ。

「満月、欲しい?」

少女は口元に笑みを浮かべていた。

「……え?」

意味が分からず聞き返すと、少女は繰り返した。

「満月、欲しい?」

思わず頷く。
それを確認した少女は満足そうに歩いて行く。
僕には声を掛ける勇気が無く、僕も家に帰る事にした。


「ぷはー!!」

帰宅後のビールは良い。
最高だ。
僕はビールを缶で何本も出し、テレビを着けた。
そしてちょうど流れたニュースに呆然とする。

「本日午後5時頃、突如月が消えました。繰り返します……」

思い出す、細い道での出来事。
『満月、欲しい?』
その時、家の中にインターホンが鳴り響いた。

ピーンポーン

67:千代:2014/04/08(火) 19:25 ID:PYM

番外編

「フフッ」

夜の住宅街を歩きながら彼女は笑った。
ストレートロングの黒髪と白い肌が対称的だ。
彼女はセーラーの制服を着ており、歩みを進めるごとにスカートが揺れる。

「結構楽しいな、これ」

彼女は手のひらを月に向ける。
昨日消えたはずの月は、ちゃんと元に戻っていた。

「出てきなさい、ロトン」

彼女は囁く。
瞬間、彼女の目の前に何かが舞い降りた。

「何でございましょう」

黒いマントを羽織り、黒いタキシードを着ている。
黒髪の誠実そうな見かけ。
しかしその耳は異様に長く尖っていた。

「新たな能力が欲しい。」

異様な者…もといロトンを前にしても、彼女は落ち着き払っている。

「月を操るのも時間を操るのも、目的を達成する手助けにはあまりならないんだ。」

「では、空間を操る能力はいかがでしょう?
自由に場所を移動できます。移動させることも可能です。」

ロトンの言葉を受け、彼女は考える。
しかし、すぐに言った。

「それで良いよ」

ロトンはニカッと笑う。

「代償は?」

彼女はその問いに、同じく笑顔で返す。

「兄を代償に」

ロトンは一礼をし、ジャンプした。
そしてそのまま天に吸い込まれて行った。
後に残されたのは彼女だけ。
彼女は手のひらを見つめる。
そこには不思議な文字が書かれていた。
古代文字だろうか。
普通の者には読めない文字だ。
彼女は手を握り、再び歩き出した。

68:千代:2014/04/08(火) 21:04 ID:PYM

番外編

世間は忙しいな。
私は思う。
まあ、私も忙しいのだけど。
何せ私は警察官。
ちなみに警視庁捜査一課。
このところ都内で何件もの殺人事件がある。
共通点は分かっている。
被害者が皆血縁者だったのだ。

江藤 愛さん(37)
江藤 涼さん(40)
江藤 廉さん(20)

廉さんは愛さんと涼さんの息子だ。
で、この悲惨な家族の中一人生き残ったのは江藤 楓さん17歳。
でも行方が分かっていないから、彼女は重要参考人…いや容疑者だ。

「でも、死因が分かんないんだよね。いや、正確には殺害方法が。」

死体には外傷が無かった。
解剖したが、毒も無い。
ただ…。
私はあの時を覚えていた。

「心臓が無い!?」
「はい。」

若い解剖医は頷く。

「心臓だけが綺麗に抜いてありました。」
「いや、でも…」

私が眉をしかめると、彼は溜め息をついた。

「外傷も無く、毒も盛られてない。そうなんですよ。でも、事実は事実です。」

私はその時引き下がった。
殺害方法は犯人を捕まえてから聞こう。
そう思ったのだ。
しかし私は捜査を続けられなかった。

「ゴ主人ハ、オ前ヲ代償二シタ。」

次の日、連続殺人事件の新たな被害者が発見された。


***

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