冴えない私の日常生活

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1:焼き芋:2014/01/18(土) 08:47 ID:Psg

学園ものです。
主人公が冴えないのですが、共感していただければ嬉しいです。

2:焼き芋:2014/01/18(土) 09:05 ID:Psg

*登場人物紹介*

桜井あかり
この物語の主人公。まったく冴えない。オタクで歴女で超文化系。運動神経は悪いがボール
恐怖症のためドッヂボールは得意。愛称はあかり。

長瀬春夏
あかりのクラスメート。美人で人気者。頭は普通、運動神経は壊滅的に悪い。春夏と書いて
「はるか」と読む。愛称は春。

暁龍之介
暁財閥の跡取り息子で、あかりのクラスメート。成績優秀、容姿端麗の完璧男子。超が付く
ほどのドS でグロテスクなものに強い。

富樫玲哉
龍之介の親友。クラスで一番の成績を誇る。あかりのクラスメート。眼鏡をかけているため
愛称は眼鏡になってしまった。

野崎舞子
クラスの委員長であかりのクラスメート。愛称は委員長。真面目な性格で、少々天然。眼鏡
をかけている。校則に厳しい。

3:焼き芋:2014/01/18(土) 09:21 ID:Psg

「・・・」
桜井あかり、13歳。
今日は転校初日。教室で1人ぼんやりと窓の外を眺める。それ以外することが
ないから。
次の時間は体育だ。運動神経がすこぶる悪いあかりは活躍しないし、役割も特
にないし、暇な時間になるだろう。得意な競技なんてドッヂボールぐらいだ。
(絶対バスケとかだろ・・・。あ〜あ、休みたい)
必死に仮病の言い訳を考えていると、知らない女子が話しかけて来た。
「同じ班の長瀬春夏です。次の時間は一緒のチームだね!」
「はい・・・、よ、よろしくお願いします・・・」
とりあえず、挨拶はしておいた。それにしても、かなりの美少女だ。あかりも
憧れてしまうほどだった。
「遠慮なく春って呼んで!」
明るいのか、ただ単にテンションが高いのかは、あかりにはわからなかった。

4:焼き芋:2014/01/18(土) 09:49 ID:Psg

体育館。
あかりの班は4班。さっき出会った長瀬春夏とクラスの委員長、野崎舞子、大手
企業グループの御曹司、暁龍之介、眼鏡の長身、富樫玲哉のあわせて五人だった。
「野崎舞子、クラスの委員長やってます!よろしく、桜井さん!」
「暁龍之介だ。この班の班長をしている。不適切な態度を取ったらその場で八裂きにするよ」
「富樫玲哉だ。こいつは基本的にドSだから気をつけろ」
一部大変生死に関わる自己紹介の人がいるが、まあなんとかやっていけそうだ。
あかりはなるべくボールを見ずに移動し、体育座りで試合を眺める。やっぱりバスケだ。もうダメだ。
「あたし、運動音痴なんだぁ。だからあかりちゃんに頑張ってもらわないと!」
「そうよ、この班の女子は運動音痴ばっかりなの。一歩間違えたら暁くんに殺されるから!」
「いちいちプレッシャーかけんな!」
あかりは思わず突っ込んだ。

5:焼き芋:2014/01/18(土) 11:10 ID:Psg

「・・・で、言い残すことはないかい?」
放課後、四班の班員は裏庭に集められていた。
もちろん、バスケで負けたため、龍之介から殺されそうになっているのだ。あかりは帰ろうとした所を龍之介に捕まった。
「まず、春夏と舞子。君たちのことはよーーーーくわかっているから、仕方ないと思う。玲哉は頑張ってたね。しかし・・・」
あかりはごくりと唾を飲んだ。
「桜井あかり、君はなぜいちいちボールを避けるんだ?何かしら恨みでもあるのかな?」
「仕方ないじゃない!つーか、お前がしつこくボールを渡してくるから避けるんだろーが!このドS野郎!」
あかりが言い返す。龍之介はため息をついて言い捨てた。
「明日からテスト強化期間に入る。次の課題テストで僕を1つでも抜かせたらチャラにしてやろう。しかし、1つも僕を抜かせなかったら、班員全員お仕置きする」
「はあ〜?上等だ、1つでも抜かせたらいいんだな?やってやる!」
他の班員はひやひやしながらことの成り行きを見守っていたのであった。

6:焼き芋:2014/01/22(水) 16:58 ID:Psg

帰り道。
「くそ、転校初日からなんなのよ?!最悪じゃん!なんで私がこんな目に遭わなきゃなんないんだよ!」
学校でのおとなしく控えめな態度から一変、あかりは罵詈雑言を炸裂させていた。周りに人がいないからいいものの、一般人が聞いたら背筋が震え上がってしまうだろう。
しかし、あかりとて人間である。いくらなんでもお仕置きは嫌だ。
(どうしよう、なんか手はないかなぁ)
そして、ある1人の女子生徒の顔が浮かんだ。
***
「委員長〜!なんとかして〜!」
委員長こと野崎舞子の家だった。
「まあ、桜井さんは悪くないでしょう。多分」
「多分ってなんだよ!それより委員長、私に勉強を教えて欲しいんだけど」
舞子はクラスでもかなりいい方の成績である。玲哉には負けるが、あかりよりはいい方だろう。それであかりは舞子に頼んでみたのだった。
「わかったわよ。でも今日は遅いから、明日からにするね」
「ありがとう、委員長〜!」
こうして、あかりの勉強の日々が始まったのであった。

7:焼き芋:2014/01/25(土) 09:51 ID:Psg

次の日。
「委員長・・・朝っぱらからワークをしなきゃいけないってどういうこと?」
コツコツ勉強することが嫌いなあかりにとっては、朝っぱらからワークをすることは地獄に近かった。しかも、よりによって苦手な数学をしている。
同じくらい勉強の苦手な春夏は国語のワークをしている。あかりはぼそっと「いいなあ・・・」と呟いた。
「朝はもっとも脳が活性化することがわかっているの!だからこの朝にワークをするのが効率的なのよ!」
「よくわからないけど、もう終わりにしない?」
あかりは舞子に聞いた。
「仕方ないわね。今日はもうおしまいね」

8:焼き芋:2014/01/25(土) 12:01 ID:Psg

「ふん、勉強は順調かい?」
昼休み、いきなり龍之介と玲哉が話しかけてきた。玲哉は手に参考書を抱えている。
「なんだよ眼鏡」
「めっ?!」
「あんたのことだよ、富樫玲哉」
玲哉は木綿のハンカチで冷や汗を拭いた。生まれてはじめて眼鏡と呼ばれたので焦っているのだろう。対照的に龍之介はどこか楽しむようにあかりを見ている。
「こんな時間に何やっているの?私をからかいたいだけ?」
相変わらずあかりは喧嘩腰だ。
龍之介は鼻を鳴らしながらワークをめくっていたが、飽きたらしく投げ捨てた。それを春夏が拾いに行く。
「自分で拾いなよ。高かったんだからさ」
「君のような人種ははじめて見たよ。玲哉を眼鏡呼ばわりするなんて」
「調子に乗るなよ!テストで1つでも勝てたらいいんでしょ?だったらあんたなんてぼこぼこになるんだ!」
「返り討ちになるんじゃない?」
「いちいち口答えするな!」
言い合いは昼休みの間ずっと続いた。

9:焼き芋:2014/01/25(土) 12:24 ID:Psg

帰り道、あかりはゲーセンでUFOキャッチャーをしていた。これでもかなり上手なのである。取ろうとしていたぬいぐるみの他に10個ほどおまけがついてきた。
(いらないのに・・・)
「くっそ〜!なんで取れないんだよ!」
甲高い声が聞こえて来て、あかりははっとする。
そこには、ツインテールの派手な女子がいた。どうやらうまくいかずイライラしているようだ。
「よかったら、どうぞ」
ついあかりは女子に話しかけていた。女子は驚いたように聞いて来た。
「え、いいの?」
「だっていっぱいありすぎても邪魔なだけだし・・・。欲しいのがあったら持って行っていいですよ」
女子は迷わずウサギのぬいぐるみを選んだ。
「ありがとう!さっきから取れなくてイラついてたんだ!お礼はどうしよう?」
「別にいらないけど」
「あんたって変わってるね。でもありがとね。お礼は今度するから!」
間髪入れず、女子は去って行った。

10:焼き芋& ◆tEkM:2014/01/25(土) 13:34 ID:Psg

★新キャラ紹介★

三咲雪
大人気読者モデル。あかりとは別のクラス。喜怒哀楽がはっきりしている。双子の妹がいて、極度のシスコン。

三咲霰
雪の双子の妹で、アニメ大好きなオタク。無口で無愛想。明るく社交的な姉にコンプレックスを抱いている。あかりのクラスメート。

渡辺良隆
委員長と共に学級委員をしている。くそ真面目で委員長以上に校則に厳しい。努力家で暑苦しい。野球部のエース。

桜井勇一
あかりの弟。中1のわりに背が高い。姉と違い球技大好きスポーツ万能。理数系。

11:焼き芋:2014/01/25(土) 15:16 ID:Psg

「ただいまー」
家に帰ると、弟の桜井勇一がソファーでねっころがり、雑誌を読んでいた。
「何を読んでるんだよ。エロ本かよ」
「んな分けねーだろ!普通に週刊誌だよ!」
勇一は中1のわりに背が高い。ざっと170はあるだろう。スポーツ万能で姉と違い、もう部活に入ったようだ。あかりはいまだに帰宅部だが。
「お帰りなさい。そういえばさっき、知らない女の子があんたに何か置いていったわよ」
「知らない女の子?」
不思議に思い、あかりは聞き返した。
「ええ。地味な子だったよ」
「何気にひどい!」
自分の部屋に行くと、茶封筒が置いてあった。住所の下に、野崎舞子と書いてある。委員長からだ。
(委員長が私に・・・?)
開くと、中からお守りらしきものが出てきた。必勝祈願と彫ってある。
「委員長・・・」
ほっこりした気持ちで、あかりは机に向かった。

12:焼き芋:2014/01/25(土) 21:30 ID:Psg

徹夜というものはとても辛いものである。
なぜいきなりそんなことを言うのかというなれば、あかりは昨日の夜、委員長からの励ましにテンションアップしてしまって、ほとんど寝ないで勉強していたのだ。いつも早くに寝ているあかりは、朝から頭痛とめまいに悩まされていた。
(私の馬鹿!なんであんなことをしちゃったんだろ・・・)
「あかりちゃん、大丈夫?顔色悪いけど」
春夏が心配して聞いてくるが、あかりは「大丈夫、平気だよ・・・」と無理して笑ってごまかした。しかしかなり不気味だったが。
一時間目と二時間目はなんとか気合いで乗りきった。社会に国語と、好きな教科だったからだ。
しかし、三時間目。
(あー・・・球技じゃありませんように・・・!)
保体なのである。

「バレーボールをします!」

体育教師(25歳、独身)の声によって、あかりの心はまっ逆さまに落ちていった。
(どうする私?!いくらなんでも保健室に行ったら龍之介に殺される!)
徹夜のきっかけとなったバスケの授業が頭をかすめた。
あかりたちの班はなんと一回戦。この時点であかりはふらふらである。いつもと大層見た目に変わりはなかったが。
試合の始まった瞬間、あかりの意識は飛んだ。
暗闇しか、見えなかった。

13:焼き芋:2014/01/26(日) 14:10 ID:Psg

目に飛び込んできたのは、一面真っ白な天井だった。
(何、ここ。天国・・・ではないよね?)
「保健室だけど?」
すぐ横に龍之介の顔がアップで現れて、あかりは枕と共にベッドから落っこちてしまった。腰の辺りがボキッ、とか、グキッとかいったが、気にしないこととした。
「なんであんたがここにいるの?!」
「忘れたの?体育館でぶっ倒れたんだよ?」
確かに、保体の授業で意識がなくなった。しかし、なぜいきなり保健室なのだろう。
自分の足で歩いてきた・・・・・・わけではなさそうだ。どうせ学級委員の渡辺良隆辺りが運んできたのかもしれない。タイプじゃないので嬉しくもなんともないのだが。
「まぁ、感謝するがいい。僕が運んできてやったんだから」
「・・・は?」
「だから、僕が運んできてやったんだよ」
あかりは一時停止し、

「〇×@♪$∞〒★▽“〆♀♂§?!」

声にならない叫びを上げた。

14:焼き芋:2014/01/26(日) 14:56 ID:Psg

つまり、現状をまとめるとこうなる。
寝不足で無理をし保体の授業でぶっ倒れたあかりをわざわざ龍之介が保健室まで運んできたということだ。
しかも、お姫様抱っこで。
(これで大概の少女漫画では恋愛フラグが立つんだよね〜。でも私はこんな奴に恋などしねーわ!)
1人自分を戒めておく。そうでもしないと顔を直視できない。
「君のようなおちびさんは運びやすかったよ」
「うるさい!170ない奴が言うなー!」
保健室でも言い合いは永遠に続いた。

15:焼き芋:2014/01/27(月) 21:06 ID:Psg

教室に戻ると、春夏たちが真っ先に駆け寄ってきた。
「大丈夫、あかりちゃん?!すごく心配したんだよ!」
「あんまり無理しちゃだめじゃない!学級委員として許さないんだから!」
「体育教師には俺が言っておいたから、断らないでいいからな。昼休みも休んでおけ」
みんなの温かい言葉に、あかりは思わずじーんとしてしまう。鼻水が垂れそうになり、急いですすった。
「春、委員長、眼鏡・・・ありがと・・・」
「だから眼鏡と呼ぶな!」
ともあれ、あかりは少し元気になり、その後も何不自由なく過ごした。
すると昼休み、1人の女子生徒があかりに近づいてきた。あまり話したことのない、目立たない女子生徒だった。手には大きな袋を抱えている。
「あの、姉があかりさんにって、これを・・・」
「は、はあ・・・」
女子生徒はおどおどとしながら、ぺこっと頭を下げて行ってしまった。
(誰からだろう?)
疑問に思ったが、教師に取り上げられては元も子もないので、あかりはそっと袋をしまった。

16:焼き芋:2014/02/01(土) 11:11 ID:Psg

家に帰ると、ちょうど勇一がテレビを見ているところだった。あかりはソファに腰かけると、勇一が珍しく話しかけてきた。
「三咲雪って知ってる?」
「知らないけど・・・有名なの?」
「超人気読者モデル。姉ちゃんぐらいの年の女子に大人気らしい」
ファッションやおしゃれに興味ないあかりには関係のない話だ。
勇一を適当にあしらい、あかりは自室に戻った。今日手渡された袋を取りだし、中のものを恐る恐る確かめた。
「げえっ・・・!」
中には大量の服や雑貨、アクセサリーが入っていた。しかも、かなりお高い感じの。
(一体なんなの?!)
すると、服の中から手紙が落ちてきた。ご丁寧にシールまで貼っている。差出人などは書いていなかった。あかりは封筒を開けて、本文を読み始めた。

[桜井あかりさんへ]
いきなりこんなもの送りつけちゃってごめんね〜!もしかしてあんた何物?とか思っているかもしれないし、自己紹介しちゃうね!
あたしは三咲雪。その名の通り、超人気読者モデルです(*^^*)
自分で言ったらなんか嫌な感じだけど(--;)
そんなあたしがなんであかりちゃんに手紙を書いたかというと、この前UFOキャッチャーでぬいぐるみを取っていただいたからなのです!覚えているかな?
あれは実は、妹にあげるつもりでいたんだけど、へたくそでうまくいかなかったから、どうしようかって悩んでいたんだ。妹はあまり可愛がられていないから、せめて誕生日プレゼントぐらいあげられないかと思っていたの。
妹はあかりちゃんと同じクラスだから、顔はわかると思うけど・・・内気だから、あまり表に出ないのさ(T_T)
今度会ったら声をかけてみるといいよ!
長々とごめんだけど、本当にありがとうね!また会えたら会おうね〜!
三咲雪より

「え、嘘ーーー?!」
あかりの叫び声は夜の闇に消えていった。


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