◇SketchBook of the Ftuit◆

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1:吹雪 ◆4DCs:2014/01/27(月) 18:48 ID:V6o

日本語:◇果実の短編集◆
色んな風味のする果実をお楽しみ下さい
…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…
Q.月光どうした? A.諦めました。
Q.猫と異世界物語は? A.詰みました。(キッパリ)
Q.そんなら短編集やんなよ A.ご最も。だが辞めない^ω^
…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…

2:吹雪 ◆4DCs:2014/01/27(月) 19:27 ID:V6o

【向日葵の咲いた夏】00.プロローグ

 __七月二十五日。
暑い夏はピークであって、
暑がりの少年に、夏休みは地獄の日々である。

日本家屋の縁側で横になる少年は、
 この暑さを睨むように空に目を向けていた。

「__何でお前は今日も暑いんだ」

 そんな無茶ぶりの質問に蝉は、
答えるように煩く、実にしつこく、鳴き始めた。

3:吹雪 ◆4DCs:2014/01/27(月) 20:11 ID:V6o

【01.山は鳴く】
 
 山は鳴いた。夏の日差しに悲鳴をあげた。
黒い少し汚れたランドセルを背負う少年は
自分の影法師を踏もうと土の道をただ歩く。
土の道を挟んでいるのが、畑と田。

 所謂此処は“田舎”という部類の所だろう。
「恭介待ってよ! 私、倒れちゃうよー……」
 少年は聞き覚えのある声に、立ち止まり後ろへ振り向く。
「…………夏樹か」
「恭介は相変わらず冷たいなー……
 ほら、一緒に帰ろう?」

 赤いランドセルを背負っている夏樹は、
無愛想な少年の恭介の手を取ると一目散に直線の道を走りだし、
川を架ける赤い橋を直ぐに渡りきる。
 恭介は夏樹に引っ張られ連れ回されていた。
「夏樹……俺……そんな体力無いの分かってるだろ」
 恭介は少し息を切らしているのか
呼吸が少々荒めになっているようだった。
 そんな様子を見ていても夏樹はただ笑い
恭介の手をしっかりと握りまた走る。
そんな夏樹に恭介は呆れているのかもう
何も言わずに夏樹に着いていっていた。
 彼らの胸元には、名札と思わしき物体がぶら下がっており、
『六年一組 佐伯恭介』、『六年一組 綾瀬夏樹』
 と恐らく本人の字であろう字で刻んであった。

4:吹雪 ◆4DCs:2014/02/04(火) 22:25 ID:V6o

 川の音も足音が掻き消す。
「お祖母ちゃん! ただいまー」
 相当な歳月が経っているであろう家に
夏樹の明るい声が響く。
 彼女の祖母、綾瀬佳世は夏樹を朗らかに出迎える。
「お帰り。今日も恭介君と川遊びに行くのかい?」
「電話掛かったてたんだ……
 お祖母ちゃん。今から行ってくるね」

 ランドセルをその場で下ろし、
麦わら帽子を手に取ると一目散に戸を開ける。
 彼女は、自転車で川へ向かう。
川に架ける橋の下からは恭介と思わしき少年が
石の上で胡座かいて暇そうにしているのが見えていた。
 夏樹は自転車から降り、橋の端にある階段を一気に下る。
「恭介ー! 」
「遅い」
 恭介はそう言いながら川の水を彼女にかけ
そんな濡れた姿の彼女を少々嘲笑うかの様に笑っていた。


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