恋色/*

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1:雨森/*:2014/02/01(土) 08:48 ID:PNs


登場人物

森崎 葉月 (モリサキ ハヅキ) ♀
高一。極普通の女子高生
黒髪でポニーテール。身長は低め


真野 司 (マノ ツカサ) ♂
高一。不良だけど根は優しい
茶髪で耳に沢山ピアスを付けている


立花 飛鳥 (タチバナ アスカ) ♂
高一。運動神経抜群で少し無愛想
前髪が長く黒髪で一番背が高い


望月 遥 (モチヅキ ハルカ) ♂
高一。優しくて天然。少し鈍感
栗色の髪で背は飛鳥より少し低い


神谷 信 (カミヤ シン) ♂
高一。クールで無口。成績学年トップ
黒髪で茶色の縁の眼鏡を掛けている


*******

では、

>>2 ルール
>>3 序章スタート

2:雨森/*:2014/02/01(土) 08:54 ID:PNs

*ルール*

・荒し、喧嘩は禁止です。
・書き込みは一人一日一回。
・此処で宣伝、雑談は止めて下さい。


これ位です。
ではルールを終わりまーす。

3:雨森/*:2014/02/01(土) 09:05 ID:PNs


序章


…____五年前



『葉月…本当に行くのかよ…』

『うん…御免ね…司。皆も御免…』


当時の私はまだ十一歳だった
小五の夏、父親の転勤で東京へ…

私の地元は富山だから環境が全然違う
だから不安だった

皆と離れるのが辛くて前日まで内緒にしていた


でも引っ越し当日、皆が来てくれた
皆の顔を見る度…涙が溢れる


『葉月!』


司に抱き締められてビックリした
あのガキ大将の司が泣いていた…

『絶対…絶対戻って来いよ!!』

『うん…戻って来るよ…司が私を忘れても…』

『絶対忘れねぇ!待ってっから!』


涙を拭って私は司達に笑顔を見せた


『皆…必ず戻って来るからね…』


私は溢れる涙を堪えながら父親の車に乗った




_____あれから五年…

皆と遅れてスタートする高一の夏
地元と高校に転校する事になった

…父親に我儘を言って母親と妹と戻って来た


懐かしい風景
懐かしい空気

昔の思い出が蘇る


……戻って来たよ…皆

4:雨森/*:2014/02/01(土) 09:08 ID:PNs


あ。また間違え…((ガックリ…

× 地元と高校に転校する事になった
○地元の高校に転校する事になった

です((汗

5:雨森/*:2014/02/01(土) 09:46 ID:PNs



私、森崎 葉月

今日私は地元に帰って来た
現在、入学手続き中です

私は明日から東朋高校普通科の一年生になる

制服は男子が学ランで女子がセーラー
ザ・田舎スタイルだ



入学手続きを終え、私は途方に暮れてしまった


ヤバい…迷子になったかも…


ココの学校は中学校より比較的広い
だから生徒玄関を探すのすら億劫になる


生徒玄関って何処なんだよー!
階段と教室ばっかりで分かんない!

もう下校時間で生徒全く居ないしなぁ…


私が苛々して踵をトントン鳴らして居ると…




「お前…何やってんだ?」


振り向くと黒髪の男子生徒が物珍しげに私を見ていた

せ、先輩かな…
何か…変な緊張感で手汗が…


「見掛けない顔だな」
「あ…明日からこの学校の生徒なので…」


間近で見ると整った顔立ちだった
眉がキリリとしてて綺麗で涼しげな目元
学年トップ3に入るくらいに格好いい



「何見てんの?」


気付いたら私は彼をガン見していた
はわわ!私ったら!


「ご、御免なさい!あの…生徒玄関って何処ですか?」


青年は少し黙った後、奥の方を指した

「そこを真っ直ぐ行ったら生徒玄関」
「あ、ありがとうございます!」

私は丁寧にお辞儀して生徒玄関へ走った



ココの学校の人って親切だなぁ…
でもあの人は無愛想だったけど…

6:雨森/*:2014/02/01(土) 15:01 ID:PNs


何とかあの無愛想な人のお陰で目的地に辿り着いた


「はぁ…やっと帰れる…」


私は安堵して靴を履き、生徒玄関の扉へ向かう
その扉を開けようとすると…

誰かの手と触れてしまった
私は驚きのあまり手を離す

「ご、ごごご御免なさい!」

私はドキドキする自分を押さえて謝った
でも…相手の顔を見て更にドキッとした


栗色の髪…長い睫毛…透き通るような肌
とても綺麗な男の子だった

彼はニコッと微笑んだ
その笑顔が格好良くて顔を上げられない


「僕こそ御免ね…先どうぞ」

澄んだ綺麗な声で謝る青年
無愛想なあの人より背は低い
けど逆に愛想の良い人だった


「あ、ありがとうございます…」


私は赤くなる頬を隠して学校を出た





あの人…凄く格好良くていい人だったなぁ…

私はずっとドキドキしながら家に帰った

7:雨森/*:2014/02/01(土) 15:25 ID:PNs



       *


「ただいまー…」


玄関を開けるとお母さんが来た

「お帰りー。下見して来た?」
「うん!やっぱ田舎の方が良かった!」

「あんた東京の友達と馴染めなかったもんねぇ…」


う"っ…それを言わないでよぉ…
落ち込むんだからさ…一応…


「明日、楽しみでしょ?」
「…うーん…まぁ東京の時よりは」



はっきり言って東京にもう戻りたく無い
本当に富山に帰りたくて仕方が無かったんだから!

田舎は空気が美味しくて水も綺麗だけど…
都会は空気が汚くて、水も汚かった


五年間いい事無かったなぁ…
友達も田舎だからか知らないけど…

挨拶しても完全無視だし
何もしてないのに陰口叩かれるし

マジで居心地悪かったんだから!



だから東京の時より百倍も楽しみ!

友達…出来るかなぁ…

ま。東京みたいに性格悪が沢山だったらアウトだけど

8:雨森/*:2014/02/01(土) 16:02 ID:PNs

翌日____…


私は学校指定の鞄に教科書とノートを入れる
髪の毛をポニーテールにして…完了!


「葉月ー!早く朝ごはん食べなさーい!」
「ふぁーい…」


欠伸をしながら返事した
ふわぁ…眠…

目覚まし3コも掛けたのになぁ…
1コ壊れたし…

ダイニングに着いて椅子に座る

今日の朝ごはんは…
砂糖がけ蜂蜜トーストと紅茶だけ


朝から紅茶なんて…贅沢だなぁ
まぁ私の大好きなロイヤルミルクティーだけど

砂糖たっぷりのトーストをかじりながら制服に着替える


「もう…下品なんだから…」

お母さんが呆れた顔で私を見る
下品で結構!
そうしないと学校間に合わないもん


三秒ジャストでトーストを食べて紅茶を一気飲み

紅茶は優雅に飲むものだけど…
そんな格好付けてられ無いわっ!


机に置いてある弁当箱を掴み鞄に突っ込む
買って貰ったばかりの携帯を内ポケットに入れる


「お母さーん!今何時?!」
「えー?えーっとねぇ…」

あーもう!お母さん呑気!

「早くして!」
「7:50」


え…
私は真っ青になる
後、十分しか無いじゃん!

「もう!早く言ってよ!」

ローファーの踵を潰して玄関を乱暴に開ける

「行って来まーす!」
「行ってらっしゃーい」


もう!間に合わないよ…
仕方がない…全力疾走するしか無い!
髪が乱れるけど…どうでも良い!

元陸上部の速さ…舐めんなよ!

9:雨森/*:2014/02/01(土) 16:21 ID:PNs



「はぁ…な、何とか…間に合った…」

そう言えば私…短距離得意だけど長距離無理だった…

髪も乱れてローファーで走ったせいか靴擦れしていた

あーあ…最悪…
私が溜息を付くと…



「退け退けー!!!」


え…?!何々?!!
私が奥を見ると猛然と漕いでいる影
こ、此方に来る?!

私は避けようとしたけど…
あっちの方がスピードが速かった
なので私は自転車と衝突



「うわっ!」
「きゃ…!」


ドサッ!

イタタタタ…
腰を打っちゃった…


「悪い…!大丈夫か?!」


自転車を乗ってた人が謝る

茶髪でピアスが沢山付いている
制服から見て不良だと分かる


「あ…この格好見たら驚くよな…」


でも口調は優しく普通だった
もっとこう…

「ぶつかんじゃねーよ!この野郎!」って感じに見えた



「怪我は無いか…?」
「あ…いえ…丈夫なので!」


私はスクッと立ち上がる
彼はホッとしたらしく座り込む



って安心してる場合じゃ無いでしょ!


「あ…ヤバい!転校早々遅刻だよー!」


私は彼を置いて生徒玄関に向かう
急がなきゃ!HRが始まっちゃう!

10:雨森/*:2014/02/01(土) 16:37 ID:PNs



ガラッ…!


「あ、丁度良かったわ!転校生よ」


私は教卓に行き、先生は黒板に私の名前を書く


「じゃ…森崎さん自己紹介して」

先生に促されて強制的に自己紹介


「えっと…森…『はよーございまーす!』


さ…遮られた…


「コラ!真野君!今、転校生の紹介中なのよ!」
「転校生…?」


私はドアを見ると目が合った
あ…早急の…不良モドキ…?


「あ。サーセン!続けて下さーい」


て事で改まって自己紹介


「転校生の森崎 葉月で『葉月?!』


う…また遮られた…
そいつを睨むと…あの黒髪の男子だった

何で私を幽霊みたいな目で見てるのよ…


「は、葉月…?葉月なの…か?」

名前が葉月だから当たり前でしょうが
すると、あの栗色の髪の男子も立ち上がる


「え…?葉月って…もしかして…」


えーい!何なのよ!早急から!
葉月葉月葉月って!


「あら?立花君と望月君は知り合いなの?」


ん…?立花君…?望月君…?
あああっ!!


「も、もしかして…飛鳥と遥?!」
「やっぱり!葉月なんだな!」


嘘!同じクラスだったんだ!
嬉しい!


じゃあ…司と信は…?
違う学校とか?


「知り合いなら…立花君の隣にしましょうか!」


先生…適当だね…
まぁ飛鳥で良かった!

11:雨森/*:2014/02/01(土) 16:51 ID:PNs



「まさか飛鳥があの無愛想な人だったとは…」
「ハハッ!久しぶりだな。本当に戻って来たのか」


飛鳥が笑顔で言う
懐かしい…飛鳥の笑顔…

「約束したもん。戻って来るって」
「おぅ。ありがとな」

あ…そう言えば…


「司と信は?違う学校なの?」
「ああ…司はあれ」


指さしたのは…


あの不良モドキだった

「ええっ?!あれが司なの?!!」


あ…しまった…大声出しちゃった…
皆に見られてる…


「森崎さん。元気なのは良いけど静かにね」
「はい…」


でも…何で自己紹介の時は気付かなかったのかな?

鈍感な遥でも分かったのに…


「彼奴はきっと爆音で音楽聴いてるからだろ」

ああ…そうなのか…
だから飛鳥と遥が叫んでも気付かなかった訳ね…


「じゃあ…信は?」


司は分かったけど…信は何処だろ?

「信は隣のクラス。今は屋上に居るわ多分」

屋上?!
あの秀才の信が授業サボるなんて…
有り得ない…


「サボるイメージ無いじゃん」
「信は頭良いから受ける必要無いんじゃない」

え…逆に凄っ!
休み時間屋上に行って見ようかな…

12:匿名さん:2014/02/01(土) 23:03 ID:X/s

すげ…めちゃ面白い!!
ってか来たよ!
明日 うち来てね?!

13:RM:2014/02/01(土) 23:21 ID:LCU

おもしろいです!
あ、アドバイスをもらってるほのかです!

14:文乃:2014/02/01(土) 23:29 ID:X/s

御免!>>12私です…

15:雨森/*:2014/02/02(日) 09:36 ID:PNs

文乃…*

ありがとう!うん。分かってるよ〜


ほのかさん…*

来てくれてありがとうございます!
貴方がリア友以外の初読者です!

16:雨森/*:2014/02/05(水) 07:50 ID:PNs


休み時間___…
私は一人屋上に向かった。

理由は信に逢う為。
五年ぶりに逢う信はどんな顔かな?
クールで意地っ張りの所…そのままかな?


私は屋上の錆び付いた扉を開けた。
辺りを見回すと一人の男の子がフェンスに寄り掛かっていた。

背格好ではイマイチ信だとは分かんない。

私は恐る恐る近付く。

「…し、信…?」


私が声を掛ける。
すると背格好の彼は振り向いた。

サラサラの黒髪。
飛鳥より少し低めの身長。
女の子みたいに白い肌。
涼しげな目元に茶色い縁のメガネ。

間違いない、信だ。



「…お前…葉月か?」


え?!人目見て分かるの?!
飛鳥も遥も名前聴いて分かったのに…


「うん。そうだよ…久しぶり。信」
「ああ。久しぶり」


ニコリと笑う信を久しぶりに見た。

何時も無表情で何考えてるか分からなかった信。

でも笑ってる時は凄く嬉しそうなの。
私…皆の笑顔が見たくて戻って来たんだよ。


「で。俺が屋上に居る事良く分かったな」
「うん。飛鳥が教えてくれたからね」


信とはあまり話さない。
大抵、司か飛鳥と話す。
だから信と話すと、とても新鮮に思える。



キーンコーンカーンコーン…



「鐘鳴ったぜ。居かねーの?」
「うん。サボる」
「転校早々サボるのか…さすが葉月」


さすがって…
私は別にサボり常習犯じゃ無いよっ!
それに…もっと信と喋りたいし。


「あ。そう言えば…土曜、暇?」
「え…?」


それって…デート?!
ま、まさかね…信がそんな事誘わないよね…

「土曜、司達と勉強すんだけど…お前も来る?」
「ほ、本当?!行く行く!」


司達と勉強かぁ…
小学生の時よく皆でしてたなぁ…
懐かしい…

土曜日が楽しみ!

17:雨森/*:2014/02/05(水) 07:58 ID:PNs



「葉月は都会どうだった?」

その後、私達は雑談をしていた。

「ん〜…都会の女子は感じ悪かった」
「あぁ。文句とか陰口とか?」
「そう!本当に居心地悪かったよー」


こんな楽しい会話したの久しぶり。
都会の子達なんて挨拶も返してくれない。

「信はどうだった?私の居ない間」
「覚えてねぇな。皆、葉月が居た思い出が大事だから」


そう信に言われて心が暖かくなった。
幼馴染って…いい響きだよね…
私を必要としてくれて…

ずっと長い間私を待ってくれて…
やっぱり…私は皆が大好きだ。











「おい。お前ら何してる」

18:雨森/*:2014/02/05(水) 08:22 ID:PNs



突然声を掛けられて、私と信は振り向いた。

そこには…物凄い形相で私達を睨む先生が居た。

「ゲッ…黒木かよ…」

青ざめた顔で先生を見る信。
や、ヤバいかも…




「逃げるぞ!葉月!」
「え…?!」


信に腕を掴まれて屋上を降りる私達。

「コラ!待ちなさい!」


先生の怒鳴り声が遠くなる。
私達は体育館裏に来ていた。

「はぁ…もう此処まで来れば大丈夫だろ」

汗を拭う信。
私も汗を拭い、呼吸を整える。

「うん…。あの先生誰?」
「黒木。学年主任だ…マジ焦った…」

ハハッ…と力なく笑う信。

「もう追って来ないよね?」
「ああ。彼奴多分足遅いから」


中年の黒木がフゥフゥ言いながら走ってる姿を想像して吹き出した。

信もそれを想像したのか笑い出した。
私達は黒木の事で爆笑しながら寝転がった。



「葉月、信。何してんだ?」

声が聴こえてドキリとしたが違った。
スラリと高い身長で微笑む彼。

「飛鳥!二時間目って体育だったの」
「あぁ。バスケだよ」


飛鳥の手にはバスケットボールが有った。


「今戻れば張れないと思うよ」
「うん。信も戻ろ!信達のクラスと合同だし」
「おぅ。俺も戻るわ」


そうして私達はサボりを止めた。
まぁこれ以上怒られると嫌だしね。

19:雨森/*:2014/02/05(水) 08:44 ID:PNs



        *


私は更衣室で着替えて体育館に入る。

「おっ。前の高校の体操服だな」
「派手だな。さすが都会」

前の高校の制服は派手だった。
前に在席していた高校は双葉高校。

緑壁の校舎で新しいんだ。
制服も結構可愛かった。

でも3ヶ月で双葉高校を辞めた。
それで東朋高校の生徒になったの。

双葉の体操服は結構可愛いけど目立つ。
だから皆、此方を見てる。


「じゃあ男女ペアでバスケの練習をして下さい」


男女ペアか…誰としよう…

「葉月。一緒に練習する?」

飛鳥が爽やかな笑顔で私を見る。
案内してくれた無愛想な顔は何処へ…

「うん。一緒に練習しよ!」


私が笑顔で言うと周りの女子が囁いた。


「ズルいよねぇ…転校生って」
「噂では司と飛鳥と遥と幼馴染らしいよぉ」
「え?でもあの子…東京から来たんでしょ?」
「馬鹿ね。ココに戻って来たのよ」


私がチラチラ女子達を見てると飛鳥が笑った。

「気にしてんの?葉月いつも強気なクセに」
「つ…!強気じゃないよ!」


膨れる私に微笑む飛鳥。
どう見ても女子達が嫉妬する光景だ。


「お前ら昔から本当に仲良しだよな」

この低い声は……

「司?!」
「おぅ。葉月だったのかお前」

ニカッと笑う司。
だけど遅いよ!

「気付くの遅過ぎ!普通名前で分かるよね?
信なんて顔見て分かったのに!」

「だってよぉ…葉月前より老けて……ぐぇ!」

私は司の横腹を肘で打った。
もう!昔から一言余計なんだから!

「御免って!だけど前の方が若く
……わ、悪かった!だから手を降ろせ!」


私達のコント(?)に飛鳥と信、遥が爆笑している。

ああ…本当に楽しいな…
皆とまた喋れて楽しい。

20:雨森/*:2014/02/05(水) 09:06 ID:PNs



「じゃあ、このゴールにボール入れてみ」

今はペアで練習中。
飛鳥に教えて貰っている。

「…えいっ!」

私は投げるけど全然届いてない。


「んー…もうちょい離れたら入り易いぞ」

飛鳥のアドバイスを受けて離れる。

「…ほっ!」


投げたがゴールの縁に当たり跳ね返る。
そしてボールが私の顔面に___…


「は、葉月!危ない!」



ガンッ!



        *



「_____き。葉月!」
「…ん…飛鳥…?」


私は飛び起きる。
瞼が痛くて頬も痛い。


「痛っ!」
「寝てろよ。顔面に直撃したからまだ痛むだろ」


そっか…あの後…私…

「御免…飛鳥。もう授業戻って良いよ」

すると飛鳥が首をかしげた。

「葉月。呆けてんの?もう放課後だよ」
「え?!嘘っ!」


私が携帯を開いて見ると…

[5:00]

と表示されていた。


「あーあ…結局、勉強してないよ…」
「まぁ良いだろ。お前頭良いし」

そうなのかな?
そりゃあ小学生の時は楽勝だったけど…
高校生になったら赤点ばっかりだよ。


「さ。帰るか」

飛鳥は鞄を担いで保健室を出る。

「あ、待ってよー!」


私も鞄を掴んで保健室を出た。

21:雨森/*:2014/02/05(水) 09:22 ID:PNs



「あ。俺自転車通だけど…乗る?」
「え?!」

それって二人乗りになるんじゃ…

「二人乗りはダメだよ。危ないし」
「ハハッ!お前って優等生だな」

優等生じゃないもんっ!
だって怒られるのが嫌だし。

「大丈夫。張れないし」


そう言う飛鳥を見ると変わったなぁと思う。

何か…男子らしくなったね、飛鳥。
まぁ私も変わっちゃったけど。

飛鳥が強気って言ってたけど…
もう強気じゃない。
今は逆に弱い。

だから私は女子らしく。
飛鳥は男子らしくなった。

それは成長してる証拠だよね!
まぁ…相変わらず背が低いけど。


私達は校門を離れて二人乗りをした。

「しっかり掴まれよ!」
「うん!」

私は飛鳥の裾を掴んだ。
自分が漕いでる時より速い。

夏風が私の髪を撫でる。

「涼しい!二人乗りって楽しいね!」
「だろ?葉月軽いから重さ変わらないし」


司なら…

「葉月は重いから漕ぎにくい」って言うだろう。

私、その時絶対背中叩いてるよ。




「コラ!立花、森崎!二人乗り禁止!」
「ヤベッ!黒木じゃん」


黒木って今朝の?!
顔覚えられてるよね…絶対。

「よし。スピード上げるぞ!しっかり掴まれよ!」

「う、うん!」


私は腰に手を回す。
心臓のドキドキが飛鳥に伝わりそう…


スピードが上がり黒木が遠くなる。

「凄い!速い!」
「よし。何とかセーフ…」


自転車を止めて私達は笑った。
高校生って凄く楽しい!

ずっと飛鳥達と居られたら良いのに…

22:雨森/*:2014/02/05(水) 09:31 ID:PNs



「なぁ…メアド交換する?」
「えっ!良いの?!」
「勿論。葉月だから」


私の携帯には母親と父親しか登録していない。
東京に友達居なかったから交換して無いし。

だから飛鳥が最初だ。
すっごく嬉しい…

「うん。交換しよ!」


私は白の折り畳み式携帯を鞄から取り出す。

「飛鳥ってスマホなんだ!良いなぁ」

飛鳥のは黒の板チョコみたいな携帯だった。
しかも最新のスマホ。

私なんて中学生の時の携帯だもん。



「よし!メアド交換完了」
「ありがとう!毎日メールして良い?」
「うん。良いよ」



やったぁ!
私は満面の笑みで飛鳥を見た。
土曜日に司達ともメアド交換しよ!

23:雨森/*:2014/02/05(水) 09:50 ID:PNs



        *


「じゃあ…明日学校でね!」
「ん。じゃーな」


私と飛鳥は別れて、自分の家に入る。


ガチャ…


「ただいまー」
「お帰り。学校、どうだった?」
「うん。飛鳥と喋ってた!」


実は私、飛鳥が好きなんだ。
でも離れて、その気持ちは胸に閉まっていた。



「じゃあ部屋に行くね」
「ええ。夕御飯になったら呼ぶわね」
「はーい」


私は部屋に向かった。
ベッドにダイブして写真立てを見つめる。

写真には私と飛鳥が笑顔で笑ってた。
好きで好きで…

ずっと逢いたかった…
一番飛鳥に…


私は写真立てを元の場所に置き、窓を見た。

そこには飛鳥が勉強している姿が見えた。

私の家と飛鳥の家は隣。
部屋の造りも、ほぼ同じ。

だから私の部屋から飛鳥の部屋が見えるの。

ココは五年間、空き家にしていた。
この家にまた戻って来たいから…


私は窓を開ける。

「飛鳥!」

私が叫ぶと飛鳥が顔を上げた。
飛鳥も窓を開ける。

「葉月。どうかしたのか?」
「ううん。呼んだだけ!」

私がニコリとすると飛鳥が言った。

「変な奴」

そう言って微笑む飛鳥。
その笑顔にドキッ!とした。

な、何でこのくらいで…
私の気持ち…また戻って来たんだ…



飛鳥の気持ち…変わってないよ。
ずっと…昔から。

小四の時から今まで…六年間___…
ずっと…

24:雨森/*:2014/02/05(水) 10:22 ID:PNs



『~♪』


着メロで私は目が覚めた。
携帯を開くと…


【新着メール2件】

と表示されていた。

誰かな…?
2件だから…飛鳥とお父さんかな?


_________________

From: お父さん

題名: 無題

_________________

葉月、田舎の生活はどうだ?

友達出来たか?
勉強は大丈夫か?

俺は一人東京で頑張ってる。
夏休みに母さんと一度帰って来いよ。

            ーENDー
_________________


私の父親は過保護で極度の心配性。
部活で遅くなった時に、

「何処行ってたんだ!心配しただろう!」

と言われた。

ただ部活で遅くなっただけなのにね…

私は苦笑いしながらもう1件のメールを開く。


_________________

From: 立花 飛鳥

題名: 勉強会

_________________

勉強会、司達に聞いたらOKだってさ。
土曜日の1:00に俺んちだから。
遅刻厳禁だぞ?

遅れたら罰金だからな(笑)
じゃあ。明日、学校で。

           ーENDー
_________________


私は飛鳥のメールを見て自然に笑みが溢れた。

あっ!返信しなきゃ!


To: 立花 飛鳥

題名: OK!

_________________

OK!土曜日が楽しみ♪
勉強徹底的に司に教えなきゃね(笑)

私、数学苦手だから教えてね!
じゃあまたね〜!

            ☆葉月☆
_________________


私は震える手を堪えて送信ボタンを押した。


【メール受信中】


「葉月ー!夕飯よ〜!」
「はぁーい!」


私は携帯を閉じて制服ポケットに入れた。

25:雨森/*:2014/02/05(水) 10:51 ID:PNs



「今日の夕飯は何かな〜?」

そう言いながら椅子に座る。
うおわぁ!凄い美味しそう…

チーズたっぷりマカロニグラタン
フルーツサラダ

ん〜!美味しそう!!
私の大好きなグラタンだし♪


「あれ?菜月は?」

早急から妹の菜月が居ない。
部活かな?

「ああ…多分菜月はゲームしてるわ」
「またか…私、呼んで来るよ」
「お願いね」


私は椅子から立ち上がり階段を上る。

菜月は現在中学二年生。
来年受験生だと言うのにゲームばかり。
無口で最近は反抗期状態。


私は一息付いてノックした。

「菜月〜。ご飯」
「……」


無反応ですか…
しかもゲームの銃撃音が煩い。

どんだけ音量デカくしてるのよ…


「菜月!入るよ?」

私は、勝手に菜月の部屋に入った。
菜月はヘッドホンを付けてゲームをしている。

……だから全然気付かなかったのか…

私はヘッドホンを取り上げる。


「何すんの!返してよ」

鋭い目付きで私を睨む菜月。
最近、菜月の目付きは怖い。
ヤンキーみたいな顔付きだもん。

「女子の癖にグロゲーは止めなよ…」
「女子とか関係無いし」

菜月は最近、グロゲーにハマってる。
土日なんて一日中、飽きもせずしてる。


銃撃音が隣の部屋から聴こえるので凄い物騒だ。


「取り合えず。ご飯だから」
「……」

菜月は私を睨んだまま階段を降りる。
光に当たって菜月の茶髪が輝く。

……彼奴、染めたな。

前は綺麗な黒髪だったのに…
今は明るい茶髪だ。

本当に変わっちゃったなぁ…菜月。

これも都会の友達のせいだ、絶対。
中学生になってからだし。

グロゲーにハマったのも。
茶髪に染めたのも。
目付きが悪くなったのも。

お母さんは悪くなる菜月を心配してココに戻って来た。

私も友達と上手くやって無かったしね。


だから…都会なんて行かなきゃ良かったんだよ。

26:雨森/*:2014/02/05(水) 11:01 ID:PNs


私は溜息を付いて階段を降りた。


「葉月。グラタン冷めちゃうわよ」

ニコリと笑うお母さんに胸が締め付けられた。

お母さんは無理してる。
私達のせいで…

私は全然反抗期じゃ無い。
だから安心だけど菜月がヤバい。

キれると何でも壊すから。


私はうつ向いてグラタンを食べる。
大好きなグラタンなのに美味しくない。

何だか食欲も無くなってしまった。

「ご馳走さま…」
「あら?もう良いの?サラダしか食べてないじゃない」
「うん…食欲無くて…」


菜月がフッと笑う。

「無視しとけば。ダイエットしてるんでしょ」

馬鹿にした様に笑い菜月は皿を片付けた。

「ご馳走さま。ゲームして来る」
「そう…夜更かししちゃダメよ?」
「ん。分かってるよ」


菜月はそのまま行ってしまった。

「葉月。ダイエットはダメよ?成長期なんだから」
「大丈夫。食欲無いだけだから…」


私はそう呟いて部屋へ戻った。
御免なさいお母さん…こんな私で…

27:雨森/*:2014/02/05(水) 11:12 ID:PNs



       *


『~♪~♪』


携帯のアラームで目が覚める。
なんか…今日…体調悪かも…

でもお母さんに心配掛けたくない…
学校…行かなきゃ…

私は制服を着て、髪の毛を何時ものポニーテールにした。


「お早う…」
「お早う。葉月」

お母さんがニコッと微笑む。
朝ごはんは…

スクランブルエッグにサラダ、牛乳だった。

やっぱり食欲無いわ…

「御免…お母さん…今日も食欲無い」
「あら、大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫…行って来ます」


私はリビングを飛び出した。
玄関を開けると…



「飛鳥…どうしたの?」
「ん?一緒に登校しようかなって」


イヤホンを片耳に付けてる飛鳥が微笑む。


飛鳥は自転車を押しながら話し掛ける。

「お前…今日元気無いな」
「え…?そうかなぁ…何時も通りだよ?」


飛鳥…鋭いなぁ…
食欲無いって言ったら心配するし…


「今日の体育…出来そうか?バレーだけど」
「うん…大丈夫」



バレーか…
嫌だなぁ…球技ばっかりで…

28:雨森/*:2014/02/05(水) 11:21 ID:PNs



一時間目は英語だった。
得意な教科だし楽勝だけど…

睡魔が襲って来て欠伸を噛み殺してた。


おかしいなぁ…寝不足じゃ無いのに…
何でだろう?


考えてる内に段々と目が閉じて行く。







________…
_____…
___…



「_____月…葉月」
「んえ?」

私が起きると飛鳥が私を揺すっていた。


「んん…?なぁに?」
「お前二時間目までずっと寝てたぞ」

ええ?!
そんなに寝てたのか…


「次、バレーだから行けよ」
「うん…」


私は欠伸をしながら更衣室に向かった。


「葉月」
「ん〜?」


飛鳥が反対を指さした。

「更衣室はあっち」
「あぁ…そうだった…」


私は今度こそ更衣室へ向かった。

29:雨森/*:2014/02/05(水) 11:32 ID:PNs



体育の授業中。
今は、男女クラス別に別れて試合をしている。

私達のクラス…1-Aは圧倒的に勝っていた。

私はバレーが苦手。
得意なのはハードルとか長距離とかの陸上系。

ああ…長距離したいなぁ…


私は試合中なのにボケーっとしていた。




「はい。森崎さん!」

急に言われて私は慌ててボールを取り損ねた。


「森崎さん!ボサッとし無いでよ!」
「…はい」


私は溜息を付いてボールが来るのを待っていた。


その時___…



ボールが歪んで見えた…
コートも歪み出して…

私は目を擦る。
でも歪んで見える…


何なのよ…コレ…
私の目…どうかしてる…


「森崎さん?どうかしたの?」

同じクラスの女子も歪んで見える。
その途端、目眩がした。

「ちょっ…森崎さん?」


視界が暗くなって意識が薄れて行く…

私はその場に倒れて意識がそこで途切れた____…


最後に覚えているのは飛鳥の声だけだった…

30:雨森/*:2014/02/05(水) 11:39 ID:PNs



-飛鳥side-


俺が隣のコートで試合していると女子の叫び声が聴こえた。

ん…?何だ?


「森崎さん!しっかりして!」
「誰か…誰か保健室!」


葉月…?
森崎は葉月しか居ない…
何か合ったのだろうか?

「飛鳥…葉月ヤバイんじゃ…」

遥が緊迫した顔で俺を見る。
俺は頷いた。


俺と遥は隣のコートに向かった。


そこには…


人だかりの中、葉月がぐったりしている姿が見えた。




「は、葉月?!」


俺は人だかりを掻き分けて葉月を抱き抱える。


「遥!一緒に来てくれるか?」
「ん。分かった」


俺達は葉月を抱えて保健室に向かった。

31:雨森/*:2014/02/05(水) 11:54 ID:PNs



-葉月side-


「______ん…」


私は目を開ける。
そこには飛鳥と遥が居た。


「……飛鳥?遥?」
「葉月!大丈夫か?」


私はゆっくりと起き上がる。
また体育の授業で…

するとまた視界が歪んだ。

「……っ…!」
「葉月!大丈夫か?」
「…う…ん」


私は直ぐに横になった。


「葉月…お前今日、元気無かったよな」
「え…?う…ん」


遥が穏やかな口調で言った。

「貧血だよ。…栄養失調が原因だって先生が言ってた」


…栄養失調…


「葉月…何も食べて無かったんだよね?」

遥に言われて頷いた。

「食欲…無くて…」
「お前、授業出るな。その調子じゃまた倒れる」


飛鳥が珍しく強い声で言った。

「でお腹空いただろうから…コレ」


遥がニッコリして渡した。
それは購買の名物…苺ミルクパン?

「コ、コレ…凄い人気で直ぐ無くなるのにどうして?」
「俺いつも苺ミルクパンGETしてるし」

え…凄いね…
だって苺ミルクパンは争奪戦だもん。


「葉月ってこう言うの好きそうだから」
「うん!苺大好き!」


私は微笑んだ。
そして苺ミルクパンを勢い良くかじる。


「美味しい!ありがとう!遥」
「ん。元気取り戻したね」


苺ミルクパンを完食して元気が出た。

「じゃ俺らは授業だから。昼まで休んでろよ?」
「うん。二人共、本当にありがとね」

32:文乃:2014/02/05(水) 22:32 ID:X/s

来たよ^^、めちゃ頑張ってるねw
面白いんだけどさ…「…」は偶数の方が良いよ?
私も たまに奇数にしちゃうけどw
でも、めっちゃ面白いから!じゃね^^

33:雨森/*:2014/02/06(木) 08:18 ID:PNs


文乃…*

ありがとう!
うんめっちゃ頑張ったw
んー…『…』は使いやすいからなぁ。
『……』だと文章長くなっちゃうから。


面白くないよ…
文乃も小説書けい!w


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