歪な人形姫。

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1:初音。 ◆PNUA:2014/03/15(土) 15:32 ID:hN6





『王子が別の人と結婚したら海の泡になる』

人間の王子に恋をした人魚のお姫様が、
その王子様と結ばれるために人間へと変身するが、
王子の勘違いによってそれは悲恋に終わった。

そして、人魚姫は泡となって消えた。




『言い換えれば、これは、"契約の物語"なんだ。』

2:初音。 ◆PNUA:2014/03/15(土) 15:45 ID:hN6







「ちょっと、暇なんだけど…」
「知らねえよ」
「……酷」

私、松井夜空は今日も、
平凡な毎日を過ごしている。
幼馴染みと、笑い合って。


「……ねえ、知ってる?」
「……………知ってる」

幼馴染みの、山谷葉月に話しかけると、即答された。
こいつホント乗らないな、と心の中で舌打ちする。
「知ったかぶりはいけないよ?」と言うと、見事にスルーされる有り様だった。

「ちょっと、真面目に聞いてよ?!」
「じゃあ2分だけ話す時間を与えてやる」
「じゃあ…、言うよ」
「無駄な前置きとか要らないからさっさとしないか」

彼はゆっくり話そうとする私を急かす。
よほどこの話を早く終わらせてほしいのだろう。

3:初音。 ◆PNUA:2014/03/15(土) 15:53 ID:hN6






「あるところに、
交通事故で片足を無くした少女がいたんだって。
その少女は、また普通に歩けるようになりたかった。
でも、少女の悲劇は終わっていなかった。

少女はまた交通事故に逢って、
今度はもう片方の足がなくなってしまった。
そんな少女の元に、
一匹の黒猫が現れて、言ったんだ。




『お前の足を取り戻してやる。
だが、その代わりに王子の愛を手に入れろ』
『ただし、条件がある。
王子の愛を手に入れることができなこれば、
足はまた消え去ってしまう』


……と。
そこで、少女は王子の愛を手に入れようと、
王子の住む場所へ向かった。

でも、少女は王子に愛されることができなくて…





_______…この世を去ってしまったの」
「そんな長い話よく覚えられたなお前」

話し終わった一回目のコメントがこれだった。
人がせっかく暗記して話したというのに、有り得ない。

4:初音。 ◆PNUA:2014/03/15(土) 16:10 ID:hN6





「でもさ、ちょっと素敵だと思わない?」
「お前の感性がいまいちよくわからないな。
最終的に人が死ぬような話のどこが良いってんだよ」

葉月は吐き捨るようにそう言って、
去っていってしまった。
私はそんな彼の背中をずっと見つめていた。










「大好きだよ」


そう、小さく呟いて。


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