残り数秒

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1:秋:2014/04/01(火) 13:57 ID:DZQ

俺たちは後悔した。 中学のころとはもう違う……もう……何も。

2:秋:2014/04/01(火) 14:05 ID:DZQ

第1話 「北上凪」


……………………

4月7日 放課後


凪「先生…バスケ部ないんですか!?」

先生「うん……というかうちの学校に最初からバスケ部なんかなかったけど……どこ情報?」

ここは綾巻高校。 桜を見ながら俺は入学式に向かいついに高校生になった。 新しい生活が始まる……俺の大好きなバスケットもできる。

……と思っていたのに


凪「ぐうう……まさかなかったなんて…」

先生「一応……空いてる場所あるから作れるんだけどねえ……」

先生は頭をポリポリと書きながら言う。

凪「ホントですか!?」

先生「けど……メンバーは?」

凪「……いません」

凪はうつ向きながらぼそっと呟く。 最初からあるものだと思っていたから誘ったメンバーなどいない。


凪「じゃあ…作るだけでも

??「さーせん、バスケット部って作れますか?」

凪「……!」

凪の言葉を遮るように、何者かが凪の前に立ちはだかった。

3:秋:2014/04/01(火) 14:21 ID:DZQ

凪(誰だコイツ……つか)

凪(ちっせえ)

凪は目の前に立ちはだかれて少し驚きはしたがそいつの身長は159センチほどだった。


先生「……と言うか君ら名前は?」

凪「北上凪(ほくじょう なぎ)!!」

??「……」

??「及川竜二(おいかわ りゅうじ)」

二人はどうどうと声をあげて言った。


先生「……わかった」

先生「あとは私が説得しておくから今日は帰りな」

凪「……っはい」

今日から練習できるものだと思っていたからショックがでかく凪は小さく返事をする。 そして凪と及川竜二は外に出て校門前で止まった。


凪「…あんたもバスケ部作ろうとしたんだっけ?」

及川「……ああ、まさかないとはな」


凪「っよし……なら明日からは俺らは仲間だ! よろしくな!」

凪は及川竜二に挨拶をし、手を出す。

及川「……あんたさ」

及川「別に俺……お前と組む気ねーから」


凪「……!?」

まさかの挨拶を拒否され凪は少し動揺するもなんとか会話を続けようとしたその時、及川竜二は「ついてこい」と言い歩き出した。

凪「……なんなんだこいつ…」

凪は小さく呟く。 そりゃあいきなり生意気な口で言われ「ついてこい」なんて言われたら誰でもこうなるだろう。


……止まった場所は公園だった。 まさかとは思うがここでバスケをする気か?


及川「ゴールはあそこにある……ボールは俺が持ってる」

及川「やろーぜ、一対一」


凪「……!!」

凪「っは……生意気なことばっか言いやがって」

凪「俺だって中学のころバスケしてたんだ、甘くみんなよ」

凪と及川は威嚇し合い制服を脱ぎ捨てた。 一対一が始まる。

4:秋:2014/04/01(火) 14:33 ID:DZQ

及川「バッシュはあるよな?」

凪「ったりめーだ、今日から練習するつもりだったんだからな」

二人はバッシュを履いてどちらが先行か決めた。

及川「んじゃ、俺からな」

凪「言っとくが…あんなこと言っといて負けたらちゃんと部活でも言うこと聞いてもらうからな」

ッキュ!!

バッシュ音がなり、一対一(ワンオンワン)が始まった。 及川はいきなりドリブルをし、凪を抜き去る。 凪はそれに反応するもすぐにシュートを決められ勝負がついた(三本先取)。

凪「っくそ…!」

凪は怯まずボールをもち今度は自分の番だからドリブルをし始めた。


凪(さっきの……なんて速いドリブルだ! やっぱ経験者だったか…!)

それもそのはず、さっきのシュートはみとれるほど綺麗だった。 だがそんなこと今は関係ない。 今度は凪の攻める番だからだ。

凪「っ!!」

ッキュ!!!

凪は自分が出せる最高速度でドリブルをした……だが

及川「…鈍い」

ッバシ!!

凪「!!」

速攻で及川は凪からボールを奪った。 凪はいまのでわかってしまった。


『……俺とは別物だ、甘かった』

凪は脳裏に中学の時の練習がフラッシュバックした。 凪にとっては苦い思い出でしかない…


及川「…その程度でよくバスケ部作ろうとしたな、甘いんだよ」

及川は呆れて自ら降参し公園を出た。

凪「……」

及川の身長は159センチ、俺は183センチ。 及川くらいの背でもあれだけできる…凪は悔しさを噛み締めた。

そう……俺はあんな偉いこと言っといて……中学ではベンチに入ったこともなかったのだから。


続く……


次回 「諦めない」

5:秋:2014/04/01(火) 14:47 ID:DZQ

冒頭の部分ミスです 「俺たちは後悔した」は正しくは「俺は後悔した」です。


第2話 「諦めない」


………………………


俺は負けた。 及川に……負けた。


俺は後悔することしかできなかった……中学のころはベンチに入れなくてもなかなか楽しめていたからだ……なのに


凪「……ックソ……!!!」

いまは自分が腹正しい、いざ自分がどれだけ弱いか実感すると…


凪(まぁ……悔やんでばかりいられねぇ……一回家に帰るか)

凪は鞄などを持ち家に帰った……家に帰ったときにはすぐ布団の中に入り寝ていた。 悔しさを忘れるために。


翌日…

凪「ふぁぁ…」

凪は大きな欠伸をしてトーストをかじる。 学校につくまで昨日のことは寝ぼけてて思い出さなかった。 けど学校につくとすぐ思い出した。 及川の台詞もあいつの綺麗なシュートも……そして


先生「北上君」

凪「…はい?」

先生「バスケ部オーケーだってさ」

ッガタ!!

凪は一気に目覚めて席を立った。


凪「本当ですか!?」

先生「うん、それじゃあとはあの及川君と一緒に頑張ってね」

凪「げ…」

結局あいつとは同じ部活だから話さない訳にもいかない。 凪は気持ちを洗い流して及川を説得しようと誓った。

そして放課後。 体育館。


凪(及川は……来てねーな)

凪(ボールはあるし……来るまで練習してるか)

凪はボールを持ってドリブルの練習をし始めた。 やはり及川と比べるとぎこちないし下手くそだ。


凪「……」

凪「どうしたらあんな巧くできるんだ」

凪は小さく呟くと……体育館のドアが開いた。


及川「踏み込みの位置がおかしいんだよ」

この声……この憎たらしい声は! と凪は思い振り向くとそこには汗だくの及川がいた。


凪「及川…」

6:秋:2014/04/02(水) 11:52 ID:DZQ

及川「相変わらず下手くそだな」

凪「何ィ!?」


入ってて早々及川は凪を挑発する。 昨日のことは水に流すと思っていたがここまで露骨に挑発されたんじゃ黙ってられない。


凪「なんでそんな汗だくなんだよ」

及川「お前と違って俺はずっと監督を探してたんだよ」


凪「……ぐぬぬ」

反論できないのは悔しいが……いま監督って言ったよな? まさか及川は監督を見つけたのか?


及川「先生、お願いします」


??「ああ…」


凪「!?」

及川の後ろから何者かが現れた。 おそらく先生だろうがなんか……デカイ。


板垣「今日からお前らの監督になる、板垣秋人(いたがき あきと)だ」


板垣「よろしく」

二人は深くお辞儀をして挨拶する。


板垣「んで……二人はバスケットの経験は?」

及川「俺はあります、アイツはないッス」


凪「あるわ!!! なめやがって!!!」

板垣「二人とも経験ありか……よし」

板垣「とりあえず人数不足は問題だ、そこは君らで集めてくれるとして」

板垣「…キャプテンは?」

凪「……!」

そう言えば決めていなかった。 及川はさほど困らずすぐ決めた。

及川「アイツがやります、俺そういうの向いていないんで」


凪「……俺!?」

板垣「……君はいいのかね?」

凪は少し動揺するもすぐ決めた。 俺がビビってどうする。 俺が指揮をするんだ。


凪「北上凪、キャプテンやらせていただきます」

板垣「……わかった」


板垣「それじゃ、さっそく練習しようか」

及川「……先生メニュー考えてるんですか?」

板垣「そんなのすぐ作れる……なんせ」

板垣「俺も昔バスケ部のキャプテンだったからね」


凪「……え?」

及川「そうなんですか……まあスポーツやってないでそんな筋肉にはなりませんよね」

デカさばかり気にしていたがよく見ると筋肉も異常だ。 及川はそこまで考慮してこの人を誘ったのか……!?


板垣「っさ…グラウンド行くよ」

7:秋:2014/04/02(水) 18:07 ID:DZQ

その後俺たちはグラウンドに行き下校時刻まで休憩をいれながら走らされた。 俺は死にかけながら汗だくの服を着替える。 …着替えたころには及川はもういなかった。

凪「……このままじゃまずい」

凪は少し不安になる。 今日の練習も散々だったからだ、及川は疲れながらも手を抜かないで走りきった。 俺は一度止まりかけたことをいまさら悔やむ。 時間を無駄にしないために公園に向かってバッシュを履いた。

凪「シュート……」

ッシュ!!

凪は汚いフォームでシュートを撃つ。 ボールはリングに当たり凪の元へ戻ってきた。

凪(アイツみたいに綺麗なフォームじゃなくてもいい……せめてシュートが入るようになりたい!)


??「あらら……誰か使っちゃってるな」


凪「……?」

凪は考え事をして悩んでいると一人の男が入ってきた。 綾巻の制服を着ているので同じ学校か。


??「ちょっと混ぜてくれない?」

凪「あ、はい」

謎の男は喜びながらバッシュを急いで履いた。

凪「……綾巻だよね?」

??「うん、君は?」

凪「……俺も綾巻だ、北上凪」

??「へぇ……」


??「俺は梶原レオン」

8:秋:2014/04/02(水) 19:42 ID:DZQ

梶原「綾巻にはバスケ部ないんだよねぇ…君も残念でしょ」

凪「……あの」

凪「俺、作ったんだけど……バスケ部」

梶原「……へ?」

どうやら梶原は知らなかったようだ、綾巻にバスケ部があると訊いて梶原は一気に興奮する。

梶原「マジで!? 俺もいれて!!」

凪(うおおお!!!!! マジかよ!! さっそく一人増えたぜ!!!!!)

凪は思わぬ遭遇で歓喜する。


凪「んで……中学ではやってたの?」

梶原「やってたよ、邦楽でね」

凪「邦楽!? 全国常連じゃねえか!?」

邦楽と言えば全国に余裕で出場してる強豪だ。 そんなやつが綾巻にいたのか。


梶原「うん、スタメンだったよ」

凪「……へ?」

凪はコイツの名前を思い出す。 いま確かめて見れば確かに梶原レオンは訊いたことある。 たしか邦楽のPGだったはずだ。


凪「すげえよお前!! よろしくな!!」

梶原「おう、よろしく」

二人はニコニコしながら握手を交わした。 そしてその後数時間シュートの練習をし少しは上達した。 凪は時間を見て焦り急いで鞄を持って帰宅の準備をした。


凪「お前は帰らなくていいのか!?」

梶原「おう、もう少し練習してくよ」


凪「そっか! じゃーな!」

凪は速攻で家に向かって走り出した。 それもにやけながら。


凪(及川の性格は気に入らないがアイツも相当強い)

凪(しかも梶原レオンだ! まだ諦めないぜ! バスケ!)

続く…

次回 「残り二名」

9:秋:2014/04/07(月) 19:55 ID:xH2

第3話 「残り二名」

……………………

次の日の放課後。


及川「残り二名?」

凪「ああ、一人見つけてやった! しかも凄腕の


及川「そういうの興味ないから勝手に集めてくれ」

及川は興味も持たずひたすらシュートを打つ。 文句を言いたいがつい綺麗なフォームに見とれてしまう。


梶原「へぇ、君が問題の及川君か」

及川「……」

梶原「やっと俺に気づいてくれたね、俺は梶原レオン」

及川「……梶原」


及川「俺は及川だ…あんた全中で見たことある」

梶原「出てたね、けど君は出てなかった」

梶原「中学でバスケはやってなかったのかい?」

凪「…!」

凪(確かに……こんだけ腕が有って無名ってのは…)


及川「中学のころは別の場所でひたすら基礎練習をしていた…梶原レオン、お前に負けないくらいにな」

梶原「……やるかい?」

二人の間が殺気立つ。 止めようとするが近づけない…いや、このままレオンが及川を倒してくれれば及川は和解してくれるかも。


梶原「……凪、ちょっと時間くれる?」

梶原「久々に強敵と戦えそうだよ」

及川「っふん、まずは有名な選手を足に使って有名にでもなるか」


ゴゴゴゴゴ……

凪(……ヤバい)

10:匿名さん :2014/05/08(木) 22:50 ID:Nm.

板垣「お前ら、何をしている」


及川「…!」

先生の声を聞いて二人は動きを止める。

板垣「凪くん、あの人は?」

凪「昨日誘いました、梶原レオン」


板垣「…梶原か…」

少し違和感をもった顔で新部員の名を口にする。

板垣「とにかく、一対一はまたあとだ、今日も走るぞ」


凪と及川はうなずき外へ出た。

梶原「及川と凪……いい人形だ」

梶原「操るのが楽しみだよ」

11:匿名希望:2014/12/28(日) 19:08 ID:d36

ッキュ!!

アップを終えて基礎の練習に入る三人___レイアップ、パス、ドリブル、シュート。

本格的な練習が始まり凪は興奮を抑えられず、ひたすら動き続けた。


及川「…ずいぶん動くな、つかレイアップできたんだ」

凪「っるせー! アウトサイドシュートだってできるぞ!!」

そういい凪はジャンプ、汚いフォームでシュートを打つ。

____白いネットを潜った、ノータッチで。

及川「…!」

凪「っはん! 見たかよ!」

……………………………………………

基本的平日の練習は三時間___しかし今日は二時間で切り上げる、何故なら。

俺たちには____試合をできる部員の人数がいない!

及川「…おい、俺あっち探すからお前らそっちな」

凪「っせーよ、わかってる」

梶原「ぴりぴりしてるねぇー二人とも」

凪は梶原と共に構内を回る____人は残っているものの、誘いに乗ってくれる人はいない__

どうしたらいいんだ。

苦悩していると、梶原が肩をポンポンと叩く。
そして、梶原が指す方を向くと、グラウンドでひたすら走る男を見つける。

梶原「……陸部か?」

凪「陸部の活動場所はあそこじゃない筈だ、行ってみようぜ」

12:匿名希望:2014/12/28(日) 19:35 ID:d36

……………………………………………

グラウンドに着くと、校舎から見た男は怯まず走っている。
あんなに汗だくなのに____足が止まる気配はない。

恐る恐る、凪は「ちょっといいか」と口を開いた。

『……なんだ?』

男は足を止めて凪を見る。

凪「…君、陸部じゃないんだよね? バスケ部、入ってみ____

『お断りだね』

凪「…!」

男の即答に、凪は少し怯む。

青柳「俺は青柳幸助(あおやぎ こうすけ)、何れ陸上で名を轟かす男だ」

青柳「…バスケットはやってられない」

梶原「じゃあなんで陸上入らないの?」

梶原は躊躇いなく聞く___すると、答えは直ぐに帰ってくる。

青柳「温いんだよ、どいつもこいつも」

青柳「中学もそうだった…参加してるやつらは亀みたいに遅い、あんな所ではやってられない」

青柳「一人でやってやる!」

……………………………………………

及川「青柳?」

梶原「凄いオーラだったよー、是非とも彼をチームに入れたいねぇ」

梶原はいつも通りの緩い声で及川に声をかける。

すると及川は顎に手を当て数秒悩むような表情を見せる。

凪「……あいつ、中学は仲間に恵まれなかったとか言ってたけど」

凪「チーム一丸で協力して戦うスポーツ……あいつにはバスケが似合うと思うんだよなぁ」

13:匿名希望:2014/12/29(月) 10:21 ID:d36

その後、部員は集まらず一先ず解散、凪は行き付けの公園に向かう。

日が暮れて灯りがつき始める___と、同時に、凪はバッシュを履いてバスケットボールのゴールに近づいた。

凪「……青柳、か」

青柳「呼んだか?」

凪「へ!?」

小さく青柳と呟くと___いつの間にか隣に汗だくの男がいた。

___なんでこんな所に。

青柳「バスケが好きなんだな」

凪「ああ! 直ぐに部員集めて試合してー!」

青柳「……一人、いい男を知っているぞ」

凪「何!?」

思いもしない話題に、凪は顔を近づけて興味津々になる。

青柳「1-Aの組に、長身で運動神経抜群の凄い男がいる。 名は新城敦」

凪(長身…今うちに決定的に足りないのは身長だ、下手すりゃあ日本VSアメリカの試合みたいにリバウンド全部取られる可能性も…)

バスケで一番必要なのは体格____いくら凄腕の者がいても及川や梶原の身長じゃリバウンドは勝てない___もちろん俺もだ。

あと二人___できれば長身の男が欲しい、今いった新城って男と。

180後半はありそうな身長を持つ青柳___お前だ。

青柳「…俺もう帰るから、それじゃ__


凪「待ってくれ!」

歩き出す青柳を止める凪。

ここは一か八か____最後に聞くべきだ。

凪「…バスケ部、少しでも入る気はないか!?」

青柳「くどいなお前も……まぁ陸上に飽きでもしたらな」

そう言い残し、青柳は高速で走り去って行った。


____リバウンド以外、基本的なんでもできそうな及川(SF)、司令塔の梶原(PG)、長身の新城と言う男(C)。

_____青柳、ここにお前もいれたい。

続く………

14:匿名希望:2014/12/29(月) 15:54 ID:d36

第四話 「新城敦」

……………………………………………

梶原「……ここだね?」

凪「ああ……」

放課後、恐る恐る新城のいる教室の入り口前に立つ二人。
もう後はない____次誘うとしたら先輩だけになってしまう。

ゆっくりと唾を飲み込んで、教室に入ろうとする_____しかし。

ドアは勝手に開いた。

『……何か用?』

出てきたのは長身の男、似合わず片手には本を持っている。

___帰る準備だろうか?

凪「……俺たち、新城敦くんに用があってき____

『……俺?』

凪「…へ?」

……………………………………………

板垣「……一人集めたのか!?」

新城「待ってくれ! 俺まだ入るなんて一言も……」

教室前でばったりあった新城を凪は体育館に連れていき今の状況。

____完璧に断ってはいない、今がチャンスだ。

凪「頼む新城! バスケ部に入ってくれ!!」

新城「……う〜ん、入れないこともないけど……」

新城「俺に1VS1で勝てる人が居たらね? 未経験者の俺に一人も勝てないようじゃ部として成立しないよ?」

及川「…」

こいつ、何言い出すかと思えば。

及川は睨み付けるような視線で新城を見る____そしてボールを渡した。

及川「やろうぜ、1VS1」

15:匿名希望:2014/12/30(火) 15:12 ID:d36

梶原「監督ー、いいんですかー?」

板垣「私が本格的に指示をするのは正式な試合人数が揃ってからだ。 好きにやらせろ……ただ」

及川「わかってます、勝ちますよ」

ッキュ!

及川はゆっくりとゴール前に立ち、1VS1の準備をする。

新城「……俺バッシュないんだけど」

及川「…じゃあ俺も学校の靴使う、それでいいか?」


及川は不公平だと思ったのか、バッシュを脱いで学校で使用している靴を履き始める。


及川「……始めるぞ」

及川の攻めから、二本先取の1VS1が始まった。

最初は様子身で両者あまり動かない__及川は敢えてドリブルはせずに細かいフェイクをかけている。

それに対し、新城も惑わされない程度に動き、プレッシャーをかけていた。


梶原「あいつホントに初心者か? けっこうやるじゃねぇか」

板垣「……いいや」

板垣が小さく呟くと、及川は一瞬の隙にシュート体制。
新城は反応できていない___!


及川「甘い」

そのままボールは投げられ、リングを潜った。

及川「次、お前の番」

新城「……なるほど、な」

勝負は新城が攻めになり再開。
…さすが素人と言わんばかりのぎこちなさでドリブルを始めた。

しかし及川がシュートを許すこともなく、放たれたボールは強く弾かれる。

新城「っち……!」

梶原「やるねぇー及川、容赦ない……でも」

梶原「下手すると……敗けもあるかもね」

凪「?」

16:匿名:2015/03/12(木) 15:50 ID:ORs

ッキュ!!

1VS1はその後も続いた___一方的に及川が攻め続け得点___気づけば大手をかけている。

勝負にならない、圧倒的だ。

新城「……なるほど、な」

及川「…?」

続いて新城の攻め。 ボールを持った瞬間目付きを変え、及川を睨み付けた。

__負けずと及川も睨み返す、極限まで集中力を高める。 ___そして。

新城がドリブル___一気にゴール前まで近づく。



梶原「…お?」

凪「っ! 早い……いや、これは」

なんだ___これは!?

凪と梶原は、新城のさっきとは違うオーラを敏感に感じとった。 そして、当然及川も。

___早いんじゃない、これは。


強引に___ゴールまでボールを持ってくつもりか!

一方的だった勝負が一変、流れが変わり始めた。
自身の武器となる体格とパワー___新城はそれを上手く使いこなして及川のディフェンスを無効化している。
一瞬の隙も見逃さない及川____しかし、今回は。

隙が、見当たらない。

数秒で奪われ、数秒で決められていた勝負とは思えない、信じがたい。


及川「っぐ……!」

新城「確か、こうだったな」

及川「……!?」

ッドガ!!

凄まじいパワーに、ついに手がつけられなくなった及川___反射的に引いてしまう。 


___そして、新城は跳躍。


新城「ッラァァ!!!」

ッドガァァ!!!!

嫌な音を出し、ダンクシュートを決めた。

17:匿名:2015/03/12(木) 16:04 ID:ORs

ッギシ………もう何年使われたか分からないリングがギシギシとなる。

幾らバスケ部が無くとも__リングは授業や休み時間に使われる、自動的にボロくなっていくのだ。


___そして。


及川「……っ!!」

新城「……なるほどな」


1VS1を観戦していた三人は___口をポッかりと開けていた。

天性のセンスを持つ男___新城敦が目覚めた瞬間を。


梶原「ひぇ〜〜……まさかダンクとはね……つか、ジャンプ力もあったなんて」

及川「……」


倒れた及川は、うつ向きながら立ち上がる。 そして、新城に頭を下げた。

___一瞬、体育館が静まり帰る。 まさか、と言う顔で。

新城「…?」

及川「頼む新城、バスケ部に入ってくれ」


凪「っなぁ!?」

コイツ___らしくねぇことを___!!


及川「お前のセンスは本物だ……練習すれば必ず、全国区のCになれる」

及川「…頼む」


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