蒼空。〜あおぞら〜

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1:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 16:25 ID:t8Q



「俺等が出会ったのは偶然じゃなくて運命!だから永遠だよ!」

by.鳴海 秀[Syu Narumi]


「運命とか、永遠なんて大っ嫌い」

by.戸崎 蒼[Ao Tozaki]


「運命なんて最初から決まってるけど、永遠は自分達で作れるんだよ」

by.三浦 秋[Syu Miura]



*******************************************************************

前もって言っておきます
ごめんなさい

こちらの小説、
「ケータイ小説サイト野いちご」
にて、主が更新している小説でもあります

同じものを書き込むのは、
より多くの人に読んでもらい小説がうまくなりたいから
という理由からです。

何か不満があったら申しつけください。
アドバイスや感想などお待ちしております。

更新が遅いと思います。
ご了承ください。

2:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 16:35 ID:t8Q


@Blue



ピッ
「戸崎(トザキ)12秒56、鳴海(ナルミ)12秒78」

やったー!


「あーもー!また負けた〜!なんで蒼(アオ)に勝てないんだよ〜!!」
「鳴海が遅いだけです〜!」

言い合っているとだんだんとみんながまわりに寄ってくる。

「蒼さっすが!自己新だよ!」
「自己新でしかも男子の鳴海に勝つなんて…!」
「蒼ちゃん、はい。お疲れ」

みんなそれぞれに激励をしてくれる。


「ふふっ、みんなありがとう!」


「でもさ〜蒼なら全中優勝も夢じゃないと思うよ!」
「あ、確かに!女子には敵無し、男子にも勝つ蒼だからね」

みんながどんどんも盛り上がっていく。

全中っていうのは全日本中学校陸上競技選手権大会の略称なの。


「いやいや、みんな大袈裟だよ。
全国にはもっと速い人たくさんいるし、男子だって全員に勝てる訳じゃないよ!
特に小原(オバラ)先輩には敵わないよ!」




「そんなことなーいよっ」


「っ!小原先輩!?」

突然後ろから声が聞こえてビックリした。

声の主は3年男子陸上部エースの小原陸哉(オバラ リクヤ)先輩だった。



と、そこで女子の中で私だけが座っていることに気がついた。

慌てて立ち上がると先輩がクスッと笑った。


「疲れただろうから座ってていいのに」

「いえ、先輩が立っているのに私が座っているわけにはいきません」

先輩がまたフッと笑った。

「戸崎は謙遜しすぎだよ。少なくとも全中に出る実力はあるよ」

3:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 16:44 ID:t8Q




先輩……
みんなの前でそういうこと言われると恥ずかしいです。


それに……

「ほら蒼、先輩が誉めてくれてるよ?」

って、私に向かってニヤニヤしながら言ってくるんですーーーっ!!


「ありがとうございます。でも、そんなことありませんしそんな実力もありません」

先輩だから丁寧に返しておいたが、
同級生だったら本音を漏らしていたかもしれない。



"そう思ってないなら作り笑顔を作ってまで誉めなくていい"


という本音を……


でもね、みんながみんな作り笑顔な訳じゃないの。


さっき私の方へ寄ってきた千花(チカ)や光希(ミツキ)、夕夏(ユカ)と競ってた相手の鳴海。

この子達はいつも優しく、純粋に心から笑ってくれる。
だから一緒にいられるの。

鳴海なんて異性の中で一番仲が良いであろう。
だって小学生の頃から競っているから。

「もー!陸哉先輩は蒼のこと誉めすぎ!人のことを貶すことも覚えてください!」

鳴海……!
その通り!!


でも、先輩に向かってそれは……ないんじゃない?

4:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 16:51 ID:t8Q



「誉めすぎって………すごいと思ったから誉めてるだけだよ。じゃあ僕はこれで」


あ、
小原先輩行っちゃった……

ま、いっか


「蒼〜また明日も競争しようぜ!」

ふっ
相変わらず子供みたいだね


「いいよ、また明日ね」

笑顔で返すと鳴海も満面の笑みになり、

「俺らは一番のライバルで一番の親友だよな!」

と、言ってきた。


……え?
ライバルは良いとして、私たち親友なの?

うーん……

「蒼、違うの?」

うっ……
うるうるした瞳で首をかしげながら聞かないで……


「ち、ちがっ………くないです」

「だよな〜よかった〜」

ほんと子供みたいで可愛い。
普段の憎たらしさが一瞬で消えるんだよね。


「あ、蒼!一番のライバルじゃなくて"永遠の"ライバルな!」

私の方にそう言うと、じゃあな!と言って帰っていった。

5:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 16:59 ID:t8Q







「聞きました?千花さん」

「ええ聞きましたよ。ねぇ?光希さん」

「聞いてないわけがないじゃないですか、夕夏さん」


…………


「あら、蒼さんったらなにも言えなくなってますよ」

「あら、鳴海くんの後ろ姿にでも見とれているのかしら」

「あら、陸哉がいなくて寂しいのでは?」


………こんっの………


「夕夏!千花!光希!いい加減にしなさいよ!全部聞こえてるんだからね!面と向かって言え!!」


あれ?
振り返ってみると三人はいなかった。

その代わり………



「蒼先輩どうしたんですか……?」

後輩がいた。

6:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 17:06 ID:t8Q





………最悪

あいつら陥れたな………


私の前には未だ混乱した様子の後輩二人がいた。

「ううん、なんでもないの。気を付けて帰るんだよ?お疲れ〜」

先輩としての挨拶を済ませていなくなろうとした。

すると、


「光希先輩なら更衣室へ行きましたよ?ね?」
「うん。夕夏先輩と千花先輩も一緒でした」

と、親切な後輩が教えてくれた。


「ほんと!?そっか〜更衣室ねぇ……ありがと!明るい内に帰りなよ〜!」

「はい!お疲れさまでした!」

丁寧に返してくれた後輩の挨拶をよそに私は更衣室へ走った。

7:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 17:12 ID:t8Q



「夕夏!千花!光希!」

いつも部活が終わってから鳴海と競争しているから
更衣室には誰もいないはず………

と思ってドアを開けて叫んだのに先輩がいた。






________私のロッカーの前に



私の叫んだ声に驚いた様子の先輩は何かを手から落としてしまった。


「え………?」

それは、空とお揃いのお守りでもあり……



「お母さんの形見………」

「え…?形見!?」

私の呟きにとても驚いている先輩。

先輩の動きが止まっているうちに私はお守りを拾った。


「そんな…………」













__________それは無惨にも切られていた

8:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 17:18 ID:t8Q






「どう……いうことで…すか?」

恐る恐る聞いてみた。


「いや、それはね、私がやった訳じゃなくて……」

「言い訳じゃなくて真実が知りたいんです!!教えてくださいよ!」

あたふたしている先輩につい強く言ってしまった。



「わかった」

そう言って先輩は教えてくれた。




先輩は更衣室前に落ちていたそれを発見した。

イニシャルがA.Tだから私だと思った。

ロッカーの中に返しておこうと思ったが二つに切れているためどうしようかと思った。

そこにに私が帰ってきた。



ということを。

9:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 17:23 ID:t8Q



「……ってことで……ゴメンね」

先輩が眉を下げて謝ってきた。

「いいんです。先輩がやった訳じゃないみたいですし」

はぁ………

空と毎日お祈りしてたのにな………


「じゃあ、お疲れさまでした。先輩、このことは忘れてください」

「え…うん……お疲れ」

私がそのまま帰っていくと先輩は納得していないようだが挨拶を返してくれた。

10:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 17:27 ID:t8Q








そのまま数日が経った。




え?
その間の出来事?

1.光希達に小原先輩と鳴海のどっちが好きなのか問い詰められた
2.あのお守りを空が直してくれた!
3.鳴海が部活後の競争で久々に私に勝った


ぐらいです。

特別な事は起こらない日常なのでね。



さてさて、今日はなんと………








全中メンバーが発表されます!!

11:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 17:39 ID:t8Q



「発表しまーす!」


先生ノリノリ……

それに対してみんなの間には張りつめた空気が漂っている。


ちなみに私は女子100m

鳴海は男子100mと200m

光希、千花、夕夏は走り幅跳びと走り高跳び


「まずは男子〜100の選手は……





3年小原と2年鳴海!」


うわ〜
鳴海行くんだ、全中に………


「蒼〜!俺が選手になったんだぞ!もっと喜べよ〜」

そんな遠くから叫ばないで……

みんなの視線が痛い……



「鳴海よかったね!ってか部活後の競争絶対手抜いてたでしょ!?」

怒った感じで言うと周りから笑いが起こった。


「あ、バレちゃった〜」

え!?本当にそうだったの!


「ゲッホゴホッ………いい?そこの二人?イチャつきは部活終わってからね」

先生、睨まないで……

なんて大人気ない!

12:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 17:47 ID:t8Q




そのまま男子の選手が呼ばれていった。

鳴海は200の出場はできなかったみたいで。


「じゃあ女子な〜」


うわ〜
すっごい緊張する………


「女子100から………じゃなくて、高跳びから」



……え!?


「先生なんでですか!」

そう聞くと先生はサラッと答えた。

「お前がさっき鳴海とイチャイチャしててイラついたから」




大人気なさすぎる……!!

13:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 17:54 ID:t8Q





痛い………

女子100の方々の睨みがとても痛いです……


さらに男子の方からは冷やかしの視線が……


あ、そうだ!
鳴海も同じ状況のはず…!


「グー…………」


寝てるー!?
どんだけ空気読めないんだよ、もう!


「高跳びは…3年新谷、2年森岡、1年松居」

えー……

光希達こっちは選手じゃないのか……




「走り幅跳び〜……2年小原、1年都筑」


え……


光希だけ!?

14:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 18:35 ID:t8Q




「光希〜!」

慌てて光希の方へ祝福しに行くとそこでは三人の言い争いが繰り広げられていた。


「よかったね、選手に選ばれて。ま、あなた自身の力とは到底思えないけど」

「ほんと。小原先輩のことで先生に媚売ったのでは?」

「違う!そんなことやってない!二人こそ、選ばれなかったからって私に八つ当たりしないでよ!」

「「はぁ?八つ当たり!?」」


まわりも普段喧嘩なんてしない三人が言い争っているから戸惑っていて、
だれも止めに入れなかった。



「はいはい、そこまで」

ちょっ、小原先輩が入っちゃ………



「あ、お兄ちゃん」
「「あ、小原先輩」」



………鎮まった!?

みんなも驚いているみたい。

「光希のこといじめたら承知しないよ…?たとえ光希の親友でもね」

怖い……その笑みが怖いです先輩。


「あ、あと光希があんたらに負けるはずがないから。誰よりも可愛いし、強いし」


……兄バカ炸裂してますよ先輩。


炸裂しすぎてみんな引いてますよ……

特に千花と夕夏が。







「あのさぁ〜うちの部活はこんなにも話が聞けないの?早く座れよ」


ヒューーーーー
寒い……
てかヤバイ……

先生が怒っちゃう…

みんなも顔が真っ青でひどい人は震えている。


が、そんななかでも鳴海は寝ていた。

15:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 18:41 ID:t8Q






「はぁ…発表続けるぞ〜次は〜」


女子の選手もどんどん発表されていった。


誰かの名前が呼ばれる度に悲鳴や歓喜の声が聞こえてきた。

が、そんななかでも私はホッとできない。


残りの種目が減っていくのに反比例するように

私の鼓動は早くなっていった。


「最後〜100mな」


先生の声が聞こえたとき、私は神に願った。


お願い……!私の名前を呼んで……!

16:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 18:53 ID:t8Q




「3年日比谷、1年村井」





呼ばれなかった……



「と、2年戸崎蒼」




え…?


「蒼〜!選手になったんだよ?何でそんなにポカンとしてるの?しかも口開けて」


千花のその言葉に周りでは笑いが起こっている。


選手…?

本当に……?


「うわっ!西園寺の言う通り口開けてる〜!バカみたいな顔だな?」



鳴海はいつから起きていたんですか……?

17:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 18:56 ID:t8Q





「バカとは失礼な」

ムッとして鳴海に言い返すと

ポンポンッと鳴海に頭を撫でられた。

「よかったな。いつも俺と競争してまで早くなろうと頑張ったんだもんな」



カアアアアアッ

なっなんでそんなに大人っぽく笑うのよっ……

不覚にもドキッとしたし、顔が赤い気が……



「あれ?蒼どうしたの?顔赤いよ?」


お前のせいだっ……!

しかもあんなふうに笑ったあとに急に子供っぽくなるなんて……


「はいはい、選ばれて嬉しいからって戸崎のように浮かれないように」


先生の言葉に笑いがまた起こる。

18:夏鈴 ◆lM:2014/04/01(火) 18:57 ID:t8Q













このときは平和だった









まさかあんな事が起こるとは思っていなかったから

19:夏鈴 ◆lM:2014/04/02(水) 18:22 ID:t8Q




「全中に出る奴は居残り練習な〜小原陸哉と光希は出れないらしいから見逃せ」



選手発表から数日経ったある日の部活終了後
先生からの招集がかかった



「って事だから私のことは見逃して居残り練習頑張れ」


光希〜……!


「用事あるならしょうがないけどさ…私帰る人いないじゃん!
せっかく光希も選手になったから一人で帰らなくてすむと思ったのに……」

「「ドンマイ」」

いや、夕夏と千花慰めたいんだろうけど顔は満面の笑みだよ……


「「まぁ、頑張れ」」



待って……

三人だけで帰らないで……

20:夏鈴 ◆lM:2014/04/02(水) 18:23 ID:t8Q






「じゃあね、また明日。それに鳴海がいるから一人じゃないでしょ?」



そんな捨て台詞いらない〜〜っ!


「蒼帰る人いないの?」

噂をすれば何とかってこういうことか……



「うん、いないんだぁ」

首をかしげている鳴海に苦笑いしながら返した。


「じゃあ一緒に帰ろ!」


この人は自分の性別がなんだか分かっているのだろうか。


一応私と鳴海は男と女で…

異性なんですよ?

わかってます?

21:夏鈴 ◆lM:2014/04/02(水) 18:25 ID:t8Q






「手つないで一緒にかえって〜…………










非リア充に見せつけてやろうぜ」



最後の方は小声だったからみんなには聞こえなかったであろう。



これが鳴海マジック

子供っぽかったのが一瞬で大人びていたり、小悪魔になったり……


それで、みんなの人気を集めているんだろうな〜



「まぁ、手をつなぐかどうかは別として一緒に帰ろっか」

そう言うと、また子供っぽくなって大喜びしていた。

22:夏鈴 ◆lM:2014/04/02(水) 18:27 ID:t8Q









「蒼〜帰るぞ〜」

「あ、ちょっと待って!」

居残り練習終了後、すぐに鳴海が声をかけてきた。

まだ準備終わってないのに……


「あ〜も〜蒼遅い!」


と、文句を言いつつも片付けの手伝いをしてくれた。


「ありがと鳴海」

「べっ別に〜さっ帰ろうぜ」


お礼を言ったら照れたかと思うと突如私の手を握って少し前を歩き出した。

23:夏鈴 ◆lM:2014/04/02(水) 18:29 ID:t8Q




「ちょっ鳴海!?」

慌てて離してもらおうと思うも強く握られていてほどけない。


「さっき言っただろ?手をつないで帰ろうって」

急に振り返ったと思ったら企み顔でそう言われた。

あっあれ本気だったの!?


「私はつないで帰らないって言ったじゃん!それにみんなの視線が……」

「いいじゃん、見せつけてやろうぜ」


〜〜っ!

付き合ってもいないのにそんなことしなくてもっ!



「鳴海ってば!」

「その鳴海ってやつが気にくわないんだよね〜下の名前で呼んでよ」

はぁ!?

24:夏鈴 ◆lM:2014/04/02(水) 18:31 ID:t8Q





「なんで!」

問い詰めようと少し強めに言うと鳴海は少し考えた後言った。

「俺が蒼のこと下の名前で呼んでいるから」


……ごもっともです


「なんでか分かったでしょ?じゃあ下の名前で呼んで?」

3、2、1、とカウントダウンを始めたから慌てて聞いてみた。




「下の名前って何!?」




…………





さすがに鳴海もぽかんとしている。


時間が経つにつれて私の顔が赤くなっていった。

するとプッと笑うと耳元まで顔を寄せてきた。


「秀(シュウ)だよ」

25:夏鈴 ◆lM:2014/04/03(木) 14:11 ID:t8Q






「そうなんだ……」

「1年以上同じ部活なのに名前知らないってひどくない?」

クスクス笑いながら言ってくるもんだからさらに顔が赤くなった気がする。


「顔真っ赤」


再び耳元まで顔を寄せて言われて恥ずかしかった。



「ほ〜ら!名前も分かったし呼んでよ!」


だんだんと鳴海の方がふくれてきた。

ほんと子供みたい


笑いをこらえながら言ってあげた。

26:夏鈴 ◆lM:2014/04/03(木) 14:12 ID:t8Q




















「……秀くん」



すると、鳴海はムッとした顔でくんいらないーーー!っと呟いていた。


「はいはい、わかったよ。秀!」

「はい!」

「帰ろ!」


強く言うと鳴海…じゃなくて秀ものってくれた。

27:夏鈴 ◆lM:2014/04/03(木) 14:15 ID:t8Q





突然、


「カップル誕生〜!」

という先生の声が聞こえたかと思えば、


「先生ダメ〜!!」

という止めている声が聞こえてきた。


急に周りが見えてきてヤバイと思って声がする方を見るとそこには……



「なんで止めるんだよ!幸せ壊して何が悪い!」

と喚いている先生と、


「幸せ壊すのは悪いに決まってるじゃないですか!」
「楽しそうなんですから目を瞑ってあげてくださいよ!」
「先生、お酒飲んで酔ってたりします?」

などと言って先生を止めている陸上部員がいた。

28:夏鈴 ◆lM:2014/04/03(木) 14:17 ID:t8Q






「なっ………!?みんないつから!?」

会話を聞かれていたことから恥ずかしくなってきてやけになって聞いてみた。

するとみんなは顔を見合わせてから言った。

「いつって………ねぇ?」
「そりゃあもちろん……」
「「最初から」」


えっ!!

もちろんって……

なんでみんないるのよ〜〜〜〜〜っ!!

あーもー!!



「帰る!みんなもはやく帰れ!秀!おいてくよ!!」

半ば八つ当たり気味に言うと足早にそこを去った。

29:夏鈴 ◆lM:2014/04/03(木) 14:22 ID:t8Q





あーおっ!機嫌直して?ね?」

秀が駆け寄ってきて隣まで来たと思ったら顔を覗き込んできた。

「いや、別に機嫌損ねてないし」

いい放つと秀ははぁ、と溜め息をついた。


「蒼〜」

「なに!」

秀の驚いた顔を見て強く言い過ぎたと思った。


でも秀は、

「やっと顔見てくれた。あのね〜」


笑顔になってそのまま私に言った。


















「___________好きだよ」

30:夏鈴 ◆NY:2014/04/04(金) 18:12 ID:t8Q






「?私も好きだよ………?」

小学生の頃から時々言われていたからに急にどうしたのかと思ってとりあえずいつも通り返しておいた。




「好きだよ、蒼。

もちろん恋愛感情としてね」

え……?



 恋 愛 感 情 ? 



秀が?私に?

「なんで?どう考えても私よりも空の方が女の子っぽくて可愛いじゃん。秀ならよく知ってるでしょ?」


戸惑っている私に秀は困ったような顔をしてから言った。

「俺は、蒼がいいの。返事はいつでもいいから、じゃあまた明日」

嘘……

秀が私を好きだったなんて……

31:夏鈴 ◆NY:2014/04/04(金) 18:15 ID:t8Q















「お姉!起きて!遅刻するよ!」

「んぅ………あと5分………」

「5分寝たら遅刻!」

「えぇ……今何時……?」

「8時」


「はぁっ…!?なんで起こしてくれないの!?」



暑さが始まった7月

秀から告白されてから約1週間たった朝。


私を起こしたのは鳥の鳴き声…………





ではなく、とてもしっかりした妹.空だった。

32:夏鈴 ◆NY:2014/04/04(金) 18:23 ID:t8Q




家から中学校までは歩いて25分、走れば15分ぐらい

教室には8時35分までに着かなければ遅刻になってしまう。

と、言うことは……



「10分までに出るのにもう5分!?」


ということでまだ朝御飯しか済んでいない私は走るの確定です。



「お姉、私は遅刻したくないから先に行くよ。この時間でも遅いんだからね!」

「えー!待ってよぉ……」

「待たない!」

そう言うとバタンと玄関ドアを閉めていってしまった。

33:夏鈴 ◆NY:2014/04/04(金) 18:32 ID:t8Q






薄情者め……

もういいもん!

空なんて知らないもん!


ってええっ!

もう10分!?

髪の毛うまく纏まらない〜っ

もう、下ろしていく!



ああっ、家鍵!

よし、準備完了。

早く行かなきゃ!

ガチャンと鍵が閉まったのを確認してから慌てて走り出した。

34:夏鈴 ◆NY:2014/04/04(金) 18:57 ID:t8Q




雨が燦々と降っています………

なんでよりによって遅刻しそうな今日降るかなぁ……

部活は階段かな〜


秀の告白の返事……
あんまり待たせたら悪いよな〜

でも、いつもみたいに憎まれ口叩いたりする男子で一番私の事知ってる秀のままがいい…

付き合ったりして今の関係が壊れるのは嫌だ。

色々と考えながら走った。

周りの人が不思議そうに見ているのも気にしないでいた。


でも、その不思議そうな視線が驚きや恐怖に一瞬で変わった。

どうしたのだろうと思った瞬間だった。



パッパアアァァァァァッ!
ドゴッ
キャーーーー!!


トラックのクラクションの音
鈍い音とズキズキとした痛み
通行人の悲鳴

を感じたのは

35:夏鈴 ◆NY:2014/04/04(金) 19:04 ID:t8Q





あれ?
信号青だったよね…?

「早く救急車呼べ!!」

救急車なんて大袈裟な

あ、早く学校行かなきゃ遅刻しちゃう…


え?
あれ?
足動かない……

なんで?

動かそうと思って足に触れた手には血が………


真っ赤な赤い血





あか
アカ




周りが赤く染まっていく……

痛い
痛いよ………


お母さん……助けて………


飛びかけている意識の中で最後に聞こえたのは救急車のサイレン音だった。

36:夏鈴 ◆NY:2014/04/05(土) 14:49 ID:t8Q



@Sky



おはようございます。

戸崎蒼と双子で、妹の戸崎空です。

たぶんみなさんはお姉の会話にちょくちょく出てるくらいでしか印象はないと思いますが。



えっと、ここで一回お姉と私の生い立ちについて説明をしたいと思います。



13年前の3月7日、一卵性の双子として私とお姉は生まれました。

二人とも3000kg以上で健康児だったそうです。

私とお姉はすくすくと育っていきました。


しかし、私とお姉が3歳になって数日後にお母さんとお父さんは離婚しました。


小さかったからお父さんの記憶はほとんどないけれど、

一つだけ残っているのは3歳の誕生日を祝ってくれたことです。



あの日はみんなが笑顔だった。

37:夏鈴 ◆NY:2014/04/05(土) 14:52 ID:t8Q





まぁ記憶に残っていなかったのが幸いで、

離婚の影響は旧姓に戻すことくらいしかありませんでした。



"私とお姉には"



その影響を私とお姉が知ったのは幼稚園年長の頃

お母さんが倒れて入院しました。

そのころの私達には話を聞いても難しくて分かりませんでした。

分かるようになった頃に病名は教えてもらいました。


それでも理解できたのは

離婚したことによって仕事の量が増えて体の負担が多くなって過労よりも酷かったことだけ。

38:夏鈴 ◆NY:2014/04/05(土) 14:54 ID:t8Q




年長の頃に初めて倒れてそれからお母さんは入院となりました。


私達はお母さんの弟の叔父さんに預かってもらい、

お見舞いには毎日のように行っていました。



しかし、ついに限界は来てしまいました。

私達が小学3年生の夏休み

母は息を引き取りました。



キーンコーンカーンコーン


あ、HR開始のチャイムだ

お姉学校間に合ったかな?


「おはよ〜お前ら席着け〜」

先生が挨拶をしながら教室に入ってきて連絡事項を伝えた。

「今日1日しっかり勉強しろよ〜じゃあ朝読書開始

戸崎、ちょっと来てくれ」



何か悪い事したっけ?

周りからの視線も痛いが、先生に呼ばれたため素直に教室を出た。

39:夏鈴 ◆NY:2014/04/05(土) 14:56 ID:t8Q






どこのクラスも読書時間なので本をめくる音しか聞こえてこない

1階へ行くとそれすらも聞こえなくなり廊下は静寂に包まれていた。


「先生、どうしたんですか?どこまでいくんですか?」

沈黙に耐えられなくなりついに聞いてみた。


それでも先生は話さない

「先生!」

声を荒げて聞くと先生はやっと口を開いてくれた。



「誰かに聞かれるわけにもいかないんだ。これから病院に行く。その間に話す」

望んだ答えではなかったけれど
それでも話してくれると言ったのでそれ以上は聞かないでおいた。

40:夏鈴 ◆NY:2014/04/05(土) 15:03 ID:t8Q




さっき先生が言った通り私は今、タクシーで病院へ向かっている。


「先生。いい加減教えてください」

隣に座っている先生を睨み付けると先生は、困ったように眉を下げながら言った。

「あのな……







戸崎蒼が通学途中に横断歩道を渡っていてトラックに轢かれた」



え………?

41:夏鈴 ◆NY:2014/04/07(月) 18:08 ID:t8Q





「それで今、病院にいる。意識不明の重体だそうだ」

「は………嘘に決まってる……お姉が事故なんて………」

そうだ、嘘だ。

エイプリルフールはずいぶんと前に終わったけれど

これも嘘なんだよ


もう、先生ひどいなあ

「戸崎、着いたぞ。叔父さんにも連絡しておいたからそのうち来るだろう」

そう言いながら車から引っ張り出してくれた。


今気づいたが、ショックで腰が抜けかけていたようだった。

42:夏鈴 ◆NY:2014/04/07(月) 18:10 ID:t8Q





そのあとは、病室へ行ってお姉に会えるのかと思ったが先に医師の話を聞くことになった。


まさかそんなに酷いの……?

意識不明なだけでしょ…?

重症って言っても骨折ぐらいでしょ?

一ヶ月半後の全中には出れるよね…?

自問自答を繰り返しながら医師が来るのを待っていると、途中で叔父さんが来た。

叔父さんと入れ違いで担任は学校へ戻っていった。

「叔父さん、仕事抜けて大丈夫なんですか?」

息を切らしてまで急いできた叔父さんの息が整った頃に聞いてみた。

医師はまだ来ない

43:夏鈴 ◆NY:2014/04/07(月) 18:15 ID:t8Q




「本当は仕事があるんだけどね、大事な姪だから。それに、事情を上司に話したら早く行けって言われてさ」

叔父さんは苦笑いで説明してくれた。

「じゃあお姉の様子見たら仕事行かないとですね。かわいい姪のためにも」

私の精一杯の冗談を言うと叔父さんは笑ってくれた。

「そうだね。かわいい姪に言われたんじゃやるしかないよ」

二人で顔を見合わせて笑っていると緊張した面持ちの医師が入ってきた。


「戸崎蒼さんのご家族の方でいらっしゃいますか?」

話の初めは確認からだった。

「蒼さんが交通事故に遭われたのはご存じですよね。
それで、今の蒼さんの状態ですが…………」


そこで先生は一度詰まった。

44:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:15 ID:t8Q













「____もう歩けないかもしれません」












____え?


歩けない?

ってことは……

「走ることもできないんですか…?」

恐る恐る尋ねてみた。


「残念ですが、そういうことになりますね」


私の欲しかった否定の言葉は先生の口から出てこなかった。


「ねえ、叔父さん?聞いたかわからないけどね、お姉ね、全中の選手に選ばれたんだよ。
だから練習頑張って優勝するって、叔父さんに恩返しするんだって言ってたんだよ……?
なのに………

なのに、もうお姉は走るのはともかく歩くことすらできないの…?そんなのあんまりだよ」

次々と溢れ出てくる涙と悔しい、悲しい気持ち

これはどうすればいいの………?

45:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:16 ID:t8Q



叔父さんはずっと私の言葉を頷きながら聞いてくれた。





「それで、話の続きなのですが…………」

先生はとても言い辛そうにしていた。

それを見て、私が進行を止めていたことに気づき慌てて言った。

「すみません、続きをお願いします」


すると、先生は少し表情が柔らかくなって話始めた。

46:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:17 ID:t8Q




「先程歩けないかもしれないと話しましたが、
 このあと患者さんの状態を見て、
 良かったら歩くことはできるかもしれません。
 しかし最悪、歩けなくて車イス生活を余儀無くされますね」

ということは、普通に歩けるかもしれないということだよね…?

ポジティブに考えなきゃ


「あの…リハビリをしたりして歩けるようになることはあるんですか?」

叔父さんが不安そうに聞いた。


そうか、リハビリという手もあるのか。


「そうですね、今わかっている状態ですとリハビリをしたら松葉杖ありで歩けるようになれます。
 しかし、患者さん自身の心の状態によって左右するんです。
 例えば、患者さんが歩きたいと思えば体の状態も良くなってスムーズにいくんです。

 あとはその逆。
 歩きたくないと思ったら塞ぎ込んじゃったりしてリハビリどころじゃなくなったりしてしまいますね」

先生は丁寧に説明してくれた。

47:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:19 ID:t8Q






____


「じゃあそろそろ患者さんのところへ行きましょうか」

先生の話が終わり、やっとお姉に会えることになった。


お姉怪我少ないといいんだけど……

普段から怪我ばかりしてるし、心配かけすぎだよ、もう!


先生の案内のもと進んでいくと廊下の一番端の個室についた。

「ここが戸崎さんの病室です」

先生はそう言ってドアを開けた。


病院独特の真っ白なベッドの上には頭に包帯を巻かれ、点滴がつながっているお姉がいた_____

48:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:20 ID:t8Q




「あ、空じゃん。学校は?」





包帯巻かれてるけどなんでこんなに元気なんでしょうか?

怪我人とは思えないくらい元気なんですけど……


あ!
この状態なら歩けるかも!


「なんかさ〜足動かないんだよね。これって後遺症かなんか?」


……動きはしないんだ。


「そう、後遺症。でもリハビリすれば大丈夫だってさ」

私の代わりに叔父さんが答えてくれた。

49:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:21 ID:t8Q






「ふ〜ん…てことは全中出られないね」



お姉ちゃんってこういうとき思考早いよね。

真っ先に一番大事なところに気付く。

ほら、地震があったときとか真っ先に机の下に入る子とかいるじゃん?
あんな感じ

「うん…でも全中出られなくても学校には行けるし、応援には行けるよ!」

お姉を元気付けようと思って言ってみるも浮かない顔をしている。



「先生、リハビリはどれぐらいすれば普通に歩けるようになれますか?」

お姉が少し不安そうに先生に聞いた。


「あの…普通に歩けるようにはなれない可能性が高いです。
なれたとしてもそれまでには早くても1年はかかります」

先生も最初は言いづらそうにしていたがお姉の真剣な表情をみると淡々と説明していった。

50:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:22 ID:t8Q








「そうですか。ちなみにリハビリはいつから始めることができますか?」

「頭を打っていたので脳の検査などがあるから来週ぐらいですね」

「歩けるようになるまでの移動方法は…?」

「病院で車イスを貸出しします。それを使っていただくことになります」

「学校に行くことはできますかね?」

「様子を見て決めてください。退院したあとはご家庭に戻っていただけるので」


しばらくの間はお姉の質問タイムが始まって会話にはいれなかった。


「ありがとうございます。色々と聞いてしまってすみません」

「いえ、患者さん自身に自分の状態を知っていただけると助かります」

ようやく終わったようで、お姉は乗り出していた身をベッドの背もたれに寄せた。

「空、叔父さん。待たせてごめんね。叔父さんは仕事あるし空も学校行かないといけないのに」

ふぅ、と溜め息をついたあと私たちに謝った。

51:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:24 ID:t8Q








謝らなくていいのに…
学校よりお姉の方が大事!

「全然大丈夫だって!ともかく蒼が無事でよかった」

叔父さんも安堵の笑みを浮かべている。


「あ!休んでる間のノート頼まなきゃ!」


そこは今どうでもいいでしょ!

「ねえねえ、空。お見舞いっていつから来てもらえるかなあ」

ワクワクとしてキラキラした目でこちらを見てきた。

「来てくれる子は今日からいいって。
 そのために検査は午前中のうちに済ませておきたいよねって先生が言ってたよ」

52:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:25 ID:t8Q






「そっか〜。じゃあ空も叔父さんも戻っていいよ!私は検査とか色々あるから」

検査という言葉に嫌な顔をしながら私たちには笑顔で言ってきた。

「でも、お姉一人になっちゃうし……」

「大丈夫!検査があるからそんなにボーッとしてる時間無いと思うから」

私が心配して聞くとお姉はまた笑顔で返してきた。


なんでいつも笑顔かなあ…
たまには弱音はいてほしいよ。

「じゃあお言葉に甘えて仕事戻るね。できるだけお見舞いに来たいから早く仕事片付けてくるよ。
それに、家に空一人になっちゃうからね」

叔父さんはそう言ったあと急いで仕事場へ戻っていった。

53:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:26 ID:t8Q









「ほら、空も!あんた頭いいんだから私の分も理解してきてよ。それで勉強教えて〜」

最初は強気だったのにだんだんとボロが出てきて泣きついてきた。

「空〜どうしよう!期末テストの返却なんてみたくないよ〜」


「行ってきまーす」

テストについては自業自得だと思い、スルーしておいた。


「あっ、こら!無視するな!
…もうっ行ってらっしゃい!放課後来てね」

あー
不貞腐れちゃった。

まあいいか、
早く学校戻ろう。

叔父さんが呼んでおいてくれたタクシーに乗って学校へ戻った。

54:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:27 ID:t8Q






学校に戻るとちょうど昼休みでみんなの遊ぶ声で校舎内は賑わっていた

もちろんうちのクラスもうるさいぐらいにはしゃぎ回っている。



ここは2年生の教室ですよね?

なぜ鬼ごっこしている人がいたりするんでしょうか…


「男子走り回るな!」
「じゃあ女子は叫ぶな!」
「はぁ?叫んでないし」
「嘘つけ!悲鳴あげてたじゃねえかよ」


女子と男子の言い合いもやってるようで。



………ここは遊園地か何かですか?

55:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:32 ID:t8Q








「空ちゃんいますか!?」

席についてうるさいなと思いながらも読書をしようとしていた私に呼び出しがかかった。

えっと、小原さんかな?

「戸崎妹いますか!?」

小原さんのところへ行こうとしたらもう一人私を呼び出した。

「お兄ちゃん!?」
「光希!?」
「光希は相変わらず可愛いな」
「お兄ちゃんはその兄バカ治して」

と言っているところからおそらく兄妹なのだろう

てことは小原先輩かな?


「お二人してどうしたんですか?」

二人とも慌てた様子だから不思議に思って聞いてみた。

56:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:33 ID:t8Q










「蒼の様子は!?」
「戸崎の様子は!?」


さすが兄妹

息ピッタリだな…

じゃなくて、


「なんで知っているんですか?」

先生はクラスのみんなにはまだ言っていないと言っていたはずなのに

違うクラスの、しかも先輩までもがなんで知っているの…?


「なんでって、陸上部員は3時間目終了後に呼び出されて蒼のこと話されて……」

「空ちゃんが戻ってきたって聞いて教室から走ってきたの」

「俺は、なぜか日比谷達に聞きに行ってこいって言われて…」

57:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:34 ID:t8Q









二人はそれぞれがここに来た理由を話してくれた。


「そうでしたか。……あ、お姉の状態でしたっけ?
病院に運ばれたときは出血がすごくて意識不明だったらしいですけど、病室に行って顔合わせたらいつも通り元気でしたよ。とても怪我人に思えないほどに」

今の状態については見たままのことを話しておいた。


小原さんも先輩もホッとした様子だった。


「じゃあ、私はみんなに伝えてくるね!!」

小原さんはすぐにいなくなってしまった。



「戸崎の妹さん…空ちゃんだっけ?」

小原先輩は小原さんのことを見送ってから私に話しかけてきた。


「はい、戸崎空です。姉がいつもお世話になっています」

目上の人に対するあいさつの仕方をしておくと先輩はふっと笑って言った。

「そんなに堅くならないでよ。一つしか変わらないしね」

58:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:37 ID:t8Q








「いえ、ひとつでも先輩は先輩ですから」

「えー……空ちゃんにはタメで話してほしいなあ」

なんで?

なんでそんなにタメでいてほしいの?


……ああ、そうか

どうせまたお姉狙いなんでしょ

お姉と私はそっくりだもんね

違うのは髪型と性格ぐらい

59:karin◆lM:2014/05/01(木) 18:39 ID:t8Q








お姉は肩よりちょっと上まで伸びた黒髪ストレート

私は胸下ぐらいまで伸びた黒髪ストレート


お姉は明るく元気で活発な体育系

私は大人しく静かな文化系


お姉はクラスのムードメーカー

私はクラスの何にもなれない


お姉は運動が得意で陸上部

私は運動が苦手だから吹奏楽部


お姉は理系

私は文系




私とお姉は何もかもが違う

一緒なのは顔だけ

私に近づいてくる男子は大抵お姉狙い

私と仲良くしておけばお姉との接点が出てくるから

お姉は親しみやすくてみんなから人気があるから



………私とは大違いだね

60:にっきー:2014/06/21(土) 15:47 ID:rMA

とっても面白いですね!!

私こういう小説大好きです

頑張ってください!!

http://ha10.net/test/read.cgi/novel/1402222289/l5
私も小説書いてるのでよかったら
見に来てください


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