舞鶴御前〜62年物語〜

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1:レモンクレープ:2014/04/03(木) 11:52 ID:Ee.


−物語の内容ー

この物語はオリジナル時代劇です。
主な人物は架空ですが
歴史上人物も出てきます。

ー登場人物ー(春日家)

於鶴→舞鶴御前→英秀院(おつる/まいづるごぜん/えいしゅういん)
武家,春日久長の次女,あるいは「鶴姫」ともいう。
14歳の時に久長の親友,常盤政重の長男,行長の後妻として嫁ぐ。
行長の前妻,秀姫の息子,阿茶丸を育てながら自分自身も5男5女をもうける。
「舞鶴」というのは行長がつけた名前。
夫亡き後は出家して「英秀院」となる。
62歳の人生を閉じる。

春日光久(かすがみつひさ)
於鶴の異母兄,幼名は市松,長男

春日忠久(かすがただひさ)
於鶴の母を同じくする兄,幼名は六松,六男

元姫→望月御前(もとひめ/もちづきごぜん)
於鶴の母違いの姉

定姫(ていひめ)
於鶴と忠久の母で久長の側室

春日久長(かすがひさなが)
於鶴達の父

稲姫(いなひめ)
久長の正室,光久と元姫の母

左京局(さきょうのつぼね)
於鶴の乳母で本名は「おみ」

ー常盤家ー

常盤行長(ときわゆきなが)
常盤家の長男,幼名,千代丸

常盤政重(ときわまさしげ)
行長と重長の父

常盤重長(ときわしげなが)
常盤家の次男で,幼名,千代松

沫姫(あわひめ)
行長と重長の母
しかし病弱なためか21歳という若さで亡くなる。

秀姫(ひでひめ)
行長の前妻
息子,亜茶丸が生んでから以来
体調が崩してしまい,息子が3歳の時になくなる。

亜茶丸→常盤重照(あちゃまる/ときわしげてる)
秀姫の息子,行長の長男

鶴千代→常盤愛長(つるちよ/ときわあいなが)
於鶴の息子,行長の次男

清千代→常盤昌長(きよちよ/ときわまさなが)
於鶴の息子,行長の三男

阿茶松→常盤照長(あちゃまつ/ときわてるなが)
於鶴の息子,行長の四男

朝日丸→常盤幸重(あさひまる/ときわゆきしげ)
於鶴の息子,行長の五男

長姫(ながひめ)
於鶴と行長の長女

徳姫(とくひめ)
於鶴と行長の次女

六千代→常盤清照(ろくちよ→ときわきよてる)
於鶴の息子,行長の六男

珠姫(たまひめ)
於鶴と行長の三女

冷姫(れいひめ)
於鶴と行長の四女

小竹姫(こたけひめ)
於鶴と行長の五女

妃姫(きさひめ)
重長の妻

2:レモンクレープ:2014/04/03(木) 18:59 ID:Ee.


―天正3年−

「定殿は大丈夫ですか?」

「母上」

「六松」

「六松,母君が子が生まれるまで私と剣の稽古でもするか?」

「そうしなされ,子が生まれたら知らせるから」

「はい」

−タァータァー

「定は?」

「落ち着きなされ,久長殿」

−ウギャーウギャー

「生まれた」

「稲,市松と六松を呼べ」

「はい」

−ガターンー

「入るぞ」

「久長様」

「可愛らしき女子じゃな」

「本当に子は可愛らしき宝じゃ」

「この子の名は?」

「そうそう」

「うん?」

「鶴じゃ」

「鶴?」

「於鶴じゃ」

「鶴かぁ〜」

ーカターンー

「入ります」

「はい」

「母上」

「そなたの妹じゃ」

「妹ですか」

「元姫様」

「はい?」

「こっちに来るがよい」

「元,定さまが呼んでますよ」

「わかりました」

「名はなんと?」

「鶴じゃ」

「鶴というのか」

「そうじゃ」

「於鶴は定さまににって美人になるのですか?」

「まぁ〜」

「女子はみんな美女なのじゃ」

「そいえば,ここは日向国でこちらに行くと遠いから」

「中々,お会い出来ないからなぁ〜」

「本州では信長公が天下を目指して戦をしていると聞いた」

「信長公?」

「どうされましたか?稲姫様」

「信長公といえば石山本願寺を焼き尽くされと有名じゃ」

「石山?」

「そうじゃ,寺を焼きつくなんて罰が当たるのではないか!」

「そんな事いったら恐ろしいではございませぬか」
 
「稲姫様」

「こんな事で生まれたばかりの子の前ではいけないと思わぬか?」

「そうだよね?」

「まぁ〜,とりあえずは色々と話して落ち着きませんか?」

「そうじゃな」

3:レモンクレープ:2014/04/04(金) 10:38 ID:Ee.


ー第一章,幼い頃ー

天正3年,葉月
後に舞鶴御前こと於鶴(鶴姫)が誕生した。

あれから4年(天正6年)
於鶴(鶴姫)は4歳

「母上,兄上」

「鶴〜,私と一緒に剣の稽古でもするか?」

「私は女子です,戦など出る身ではありませぬ」

「そうじゃ,鶴はまだ4歳なのですから」

「そうか,大きくなったらなぁ〜」

「・・・・・」

「定」

「稲様」

「久長様が戻りました」

−タァータァー

「どうでしたか?」

「信長公ですか?」

「はい」

「私は信長殿の家臣になってから2年余り」

「どいゆうお方ですか?」

「稲」

・・・・・・・・

「そなたかぁ〜?」

「はい,九州の春日久長です」

「久長殿」

「はい」

「今いくつじゃあ?」

「今年32です」

「32かぁ〜」

「どうじゃ?わしの家臣になってくれるのじゃな?」

「はい,よろこんで」

「どうじゃ」

「何ですか?」

「そちの娘をわが養女にくれ」

「わ・・私の養女?」

・・・・・・・・・

「そんな,元を?」

「はい」

「許せん,私の娘を取るなんて」

「今すぐと言われました」

「い・・今すぐ?」

「私が養女?」

「元・・・」

「私,参ります」

「本気でいいっておるのか?」

「はい」

「駄目じゃ!」

「娘ならなんでもといいっていました」

「ならっ,お朝を養女にするとはいいかがですか?」

「お朝?」

お朝というのはもう一人の側室の子で久長の三女

・・・・・・・

「この子をよ・・養女に」

「はい,お朝なら」

「手紙も書いて送らせた」

「構わないです」

「そうか」

「私は覚悟ができています」

「覚悟?」

「私にはお朝だけではなく紀伊もいます」

「覚悟をしているならお朝を養女に今すぐ出す」

「はい」

・・・・・・・

4:レモンクレープ:2014/04/04(金) 11:53 ID:Ee.


−第一章,幼い頃ー

「姉上」

「鶴」

「私,外にでるから宜しく頼む」

「じゃあ,私も外へ参る」

「左京,そなたもじゃ」

「かしこまりました」

私と姉上で外へ出かけた。

「そなたも当に4つなのか?」

「そうじゃ」

「あっというまに嫁ぐ日は近いのじゃな?」

「姉上もそうですよ?」

「そうじゃな」

「兄上様たちは今頃,剣の稽古でもしておられるのかな?」

「そうだな」

「私は当に許婚も決まっておる」

「姉上」

「今すぐではないが,私が18ぐらいと聞いておる」

「18?」

「相手はまだ幼すぎて無理であろう?」

「では,お相手は年下なのですか?」

「そいゆう事じゃ」

「あのね,あね・・(うわぁ〜)」

「何じゃ?」

「わからぬ」

「若君」

若君?

「もう,ゆや大丈夫じゃ」

「若君様,暴れてはなりませぬ」

「私は男じゃ,これぐらい暴れても良い」

「されど千代松様」

「そうだぞ,千代松」

「はい・・」

「さすが,千代丸様」

「仕方ないだろう?」

その近くには兄弟であろうの二人組

「あっちは兄弟じゃな」

「兄はやはりしっかりしておる」

「鶴姫様,元姫様,そろそろ戻りますよ」

「そうじゃな,散々,外にいったもんな」

「帰りましょうか」

あの時は知らなかった
まさか,私とあのお方が目には見えない糸で結ばれてるとは知らず

あれから1年がすぎ
私は5歳

「えっ〜,私が父上と一緒に安土城へ?」

「あっ〜,信長公から文が届いてな?」

「鶴,この着物でも着て,いますぐ行くぞ」

「・・はい・・」

・・・・・・・

私は始めて遠出をする。
遠いと思いきや,すぐに着いたように到着した。

「これが,安土城?」

「すごいでござるな」

「りっぱな城じゃ」

城に入り
中には私には知らない人ばかり

「春日殿,その子は?」

「私の娘の鶴です」

「鶴姫様と申すのか,可愛いらしい」

−ガラァー

「信長様がおなりになるぞ」

−タァータァー

「皆,おもてを上げよう」

「はぁ!」

この人が織田信長?

「春日殿」

「はい」

「この子はそなたの娘か?」

「はい,わが次女にございます」

「そうか」

「はい」

−ダァーダァー

「信長様,おくれましたー」

「遅いぞ,猿」

猿?

「おっ〜,こちらにいるのはお市様」

「・・・・・」

「その長女もお市様に似ておる」

−バサァー

「下がれ,猿」

「ご無礼を」

何,猿と呼ぶ男は?

「あの人は誰なのですか?父上」

「あのお方は羽柴秀吉という方でね」

「そう・・ですか」

・・その夜,私は九州に帰った・・

そんな中

「貴方様,定様が」

「どうしたて?」

「病に倒れて」

「病?」

−ダァーダァー

−バシァー

「定」

ムクッ

「寝ておれ」

「・・すみません・・こんな姿で無礼であろう・・?」

「そんな事より,そちの身体を大事にしろう」

「・・はい・・」

「医師にもみてもらったのか?」

「はい,多分,長くはないと言われました」

「そんな」

「子供には今は秘密にしておいてください」

「されど!」

「子供達には心配かけたくない」

5:レモンクレープ:2014/04/04(金) 12:48 ID:Ee.


−第一章,幼い頃ー

「母上が倒れたと聞いた」

「兄上,本当かぁ〜?」

「あっ〜,元々,母は身体が良くないらしい」

「母上は助かるのですか?」

「わからぬ」

「今すぐ,母上の元へ行くのじゃ」

「駄目だ,母上はしばらくの間,病の事は隠しておられたらしい」

「何故なのじゃ?」

「多分,私達に心配かけたくないと言われておった」

「・・・・・」

月日が経ち,約2年
私は7歳
母の病は以降によくならず病に縛られていった。

「稲様」

「母上の元に行きとうございます」

「鶴,母上の病は悪い病気なのじゃ,そちまで言ったら悪くなるのであろう」

「そんな」

私はただ何も出来ずのまま
あの頃の私はただの子供にしか見ていなかった。

「素敵な牡丹の花じゃ」

「そうですね,母君様も牡丹が好きでね」

―ポチッー

「これ,母上にあげるのじゃ」

「まぁ〜,素敵じゃないですか?」

「母上には元気にいってもらいたいから」

「左京が届けに行きますわね」

「うむ,宜しく頼む」

幼き私はこれぐらいの事しか出来なかった。

6:レモンクレープ:2014/04/04(金) 13:45 ID:Ee.


ー第一章,幼い頃(4)ー

「定,大丈夫かぁ〜」

「・・だ・・いじょ・・ぶで・・すーハァーハァー」

「ごめん,そなたが苦しんでるのにそばに出来なくて」

「私のそば・・ではなく・・正妻の稲姫様の元のそばに往なされ」

「されど」

「私は大丈夫です」

「ではっ,わかった」

−タァータァー

「定さまが」

「そなた,どうした?」

「定・・様は・・お亡くなりなりました」

「・・うそ・・私はただ1分で離れたばかりだというのに」

−タァータァー

−バシャー

「稲,市松,六松,元,鶴」

「シクッ,母上」

「まだお若いというのに」

「定・・定」

冷たくなった母の身体は
辛い病だったのに顔は安らかだった。
母は30歳という若さだった。

母がなくなり,1年(天正10年)
全体的に悲劇的な大事件が起こった。

信長の家臣,明智光秀が信長に謀反が起こり
本能寺は焼き尽くされ天下統一を目指していた信長が自刃してしまったのです。
それが世にいう「本能寺の変」と呼ばれる。

その頃,戦に出ていた父,久長は

「なんじゃ,明智殿が信長殿を・・」

「あっ〜,あの恐ろしい信長殿を倒すなんて」

「信長殿を倒し,明智殿が天下取るつもりであろう?」

「それしかないのであろう」

それを聞いた羽柴秀吉は
毛利攻めに出ていた秀吉はすぐに毛利と和睦し
明智を倒すため駆け出していた。
それが「中国大返し」という。
明智光秀は秀吉に敗れた。

「なんと,羽柴殿が明智を倒した?」

「さよう」

「・・・・・」

−タァータァー

「キャー」

「もう,鶴」

「稲」

「貴方様」

「話がある」

「わかりました」

−バターンー

「元を公家の養女に出し,大名家に嫁がせる」

「元を?」

「あっ〜,公家家からの命令でね」

「そうですか」

「元は前から許婚と嫁がせるのにはまず公家の養女として出すしかないと」

「元は今年で12歳,嫁いでも可笑しくはありませんね」

「そいゆう事じゃ」

−バシャー

「もう,兄上様たら」

「元,木刀でやってみるか?」

「いいえ,私は女子です」

「姉上」

「わかった」

−タァータァー

「元,話がある」

「父上」

・・・・・・

「私が公家家の養女となり,以前から許婚となっておる大名家に嫁ぐのじゃ」

「そいゆう事ですか?」

「うむ,公家家には明日と決めておる」

「あ・・明日?」

「そなたも12歳,嫁に出ても可笑しくはない,だから公家家の養女となりと行くのじゃ」

「わかりました」

・・バターン・・

「姉上」

「鶴,聞いておったのか?」

「・・姉上・・」

「鶴?」

「姉上は明日,いなくなるのですね?」

「そうだ,私は養女となり許婚の妻になるべく」

「・・寂しいです・・シクッ・・シクッ」

「鶴,すまぬ」

「だけど,姉上が幸せになるなら・・良いと・・シクッ・・思います」

「ありがとうな,鶴,幸せになってやる」

「姉上」

「じゃあな」

翌日,元姫は許婚と結婚するため
しばらく公家家の養女になるべく
春日家から去っていった。

姉上が去ってから1年が経ち
その頃は
羽柴秀吉は越前の柴田勝家を戦い
勝家は敗れ,回りからは次の天下人が秀吉だと世に轟かしたのです。

「あの猿め,農民あがりでありながら天下取るとはけしからん」

「父上」

「いいか,久長」

「なんですか」

「わしは秀吉という男は嫌いだ」

「あのう」

「久長,わしは寺に行って隠居する,あとは頼むぞ久長」

「はい」

7:レモンクレープ:2014/04/04(金) 14:13 ID:Ee.


ー第2章,嫁ぐ日〜舞鶴と呼ばれる時〜

私は12歳になった。
そろそろ縁組されても可笑しくはない。
しかたない,戦乱はすべて男が勝手に決めてしまうのだから。

「そなたも12歳かぁ」

「月日が早いものじゃ」

「稲様」

「あらっ,義母上ともいってもいいのですよ」

「でも」

「私にとってはもう一人の娘なのですから」

「では,義母上と」

「於鶴は定様にそっくりじゃ」

「そんな事はありませぬ」

「母上の美しさには叶わないです」

「オホッ,オホッ,ほんに面白い子じゃあ」

「でなっ,言い伝え事が聞いた」

「なんですか?」

「元が先ほど大名家に嫁いだと聞いた」

「ゴホッ,今日は息子共を元服させるか」

「いいですね」

・・・・・・・

「えっ?私達が元服?」

「随分と遅くなった」

「構いませぬ」

そして翌日,市松は光久,六松は忠久と名をかえ
光久は正室,明姫を迎えた。

「私達ももう歳だな」

「何,弱気な事をまだ十分若いです」

「すまぬな」

「何ですか?」

「私は本当に役に立たない男じゃ」

「そんな事,ありませぬ」

「そなたの声を聞くと安らぎる」

「そうですか?」

・・・鶴は13歳になり・・

「於鶴,話がある」

「父上」

「そなた,嫁げ」

「嫁ぐ?」

「貴方様,何処の?」

「わが友人の常盤家の長男,行長に嫁げ」

「行長様というのは常にもう正室がおるではないか?」

「秀姫様は昨年亡くなられたと聞いた」

「じゃあ,於鶴は後妻として嫁ぐのですか?」

「そいゆうことになる,行長様には阿茶丸様という3歳の子がいらっしゃる」

「では,於鶴は急に母君となるのですか?」

「もう決まったことじゃ」

「・・・・・」

「於鶴?」

「参ります,常盤様の妻に」

8:レモンクレープ:2014/04/04(金) 14:32 ID:Ee.


−第2章,嫁ぐ日〜舞鶴と呼ばれる時〜(2)

14歳になった於鶴は常盤行長の妻になるべく
今日が輿入れ

「兄上,いってまいる」

「元気でな」

「寂しいけど,お相手は父の友人の息子ですから大丈夫です」

「鶴,気をつけてな?」

「義母上」

「そなたの母にもちゃんといっておくからな」

「はい」

「於鶴,幸せになれ」

「皆様,今までありがとうございます」

私は生まれ育った春日家をあとにした。

・・・・・・・

「鶴姫様はどいゆう人なんですか?」

「たのしみじゃ」

「父上」

−ガラァー

「奥方がご到着しました」

「では,参れ」

−タァータァー

「このお方が」

「はい,春日家の次女,鶴でございます」

「そなたが鶴姫か」

「貴方こそ,行長様というのですね」

「はい」

−バターンー

「父上」

「阿茶丸」

「この子が阿茶丸殿」

「そうだ,そなたの子として育てるのですから」

「ですよね」

「これから,宜しく頼む,鶴」

「はい,こちらこそ」

その夜

「そちの名は舞鶴でいい」

「ま・・舞鶴?」

「鶴だから舞鶴」

「舞鶴?私の名?」

「前妻の秀も寿と呼んでいた」

「そうですか」

「まぁ〜,今日は休め」

「私は今すぐ貴方の子を産みたいです」

「そんなすぐはいい,そちはまだ14歳なのだから」

「いずれかは」

9:レモンクレープ:2014/04/04(金) 15:04 ID:Ee.


−第2章,嫁ぐ日〜舞鶴と呼ばれる時〜

ーウギャーウギャー

「生まれたか」

−バターンー

「男子です」

「男子かぁ〜」

15歳の鶴姫は待望の男子を誕生した。

−バターンー

「入るぞ」

「名はどんなのに」

「鶴千代はどうだ?」

「鶴千代?」

「そなたの鶴と私の幼名,千代丸を合わせてな」

「よい名で気に入りました」

「そうか」

父上,母上
私は無事に子を出産しました。

・・春日家・・

「おっ!於鶴が子を」

「何と,めでたき事」

「私の甥ですな」

「鶴千代と付けられたとか」

「めでたき名じゃ」

「15歳でもう母君とは早いもんですわ」

「元のほうも娘を生まれたと聞きました」

「もう,めでたき事ばかりじゃ」

・・・・・・・・・・

「左京」

「はい」

「乳母はいらぬ」

「いらない」

「この子は私が育てる」

・・・・・・

「そうなのか?」

「乳母を頼らず,お一人で」

「まぁ〜,舞鶴も母としての責任があるのだ,秀も阿茶丸を乳母じゃなく自分でやってたからのぅ〜」

「母として・・・」

その昼

「阿茶丸」

「義母上」

「こっちに来て弟を見るがいい」

「はい」

阿茶丸が私のそばへ寄ってきた。

「鶴千代を私がしっかりと稽古をしておかなければ」

「大きくなったらなぁ?」

「それはわかります」

「まずは阿茶丸が兄としてしっかりとやるからな」

「はい,父上」

「では,稽古する」

「はい!」

「まぁ〜,若君は元気が良くて」

「まことにあの子の母上にもお会いしたかったです」

私が母となったのは神の使命とおもっていたら
この子達をりっぱに育てるのが私自身の使命もあると同じ事だ。


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