バスの通り道

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1:野薔薇 ◆QM:2014/04/04(金) 18:48 ID:..k

私はバス通学をしている。


バスには色々な人が乗っている。
日本人も外国人も、バス車内では関係無い。
中には障害のある人、子供連れの人、不思議な人も沢山乗っている。
その私の日常を、小説として飽きるまで書きたいと思う。
終わりの見えない物ではあるが、辛抱強くお付き合い頂きたい。

主人公:田辺 優(たなべ ゆう)♀

2:野薔薇 ◆QM:2014/04/04(金) 19:07 ID:..k

優は終始そわそわしていた。


バスが遅い、との事もあるがもう一つある。

バス停で隣に、大きなお腹をした若い女性が携帯電話をいじっているからだ。

辛そうな素振りを一切見せなかったが、優は気が気で無かった。

でも、優に出来る事等見付からず、スクールバックをぎゅっと握り無意味に焦る自分を抑えた。



バスが来た。

優はほっとしながら、偶然女性と同じバスに乗り込んだ。

朝のバスは混雑している。

優先席は空いていたのだが中々到達出来ず女性は困った顔をしていた。


バスが停車し、人が降車して女性は椅子まで辿り着いた。

優は丁度優先席付近に居たので軽く道を開けた。

すると、小さな子供を抱えた男性が乗車し、優先席前に立った。



その時だ。


「座られますか?」




その声は、優先席に座る学生でも、外人でも無かった。




お腹に子供を抱えたその女性だったのだ。


男性は「次のバス停で停まりますから大丈夫です。ありがとう。」と言いにこやかに笑った。


優は心が熱くなるのを感じた。

お互い『譲られる側』である筈のこの人達なのに、周りを優先しているのだ。

小さな出来事だったが、優は無闇に感動してしまった。

何て素敵な事なんだろうか、と感じた。



ある雨の降る、小さく大きな日であった。

3:野薔薇 ◆QM:2014/04/05(土) 09:43 ID:..k

「お願いしまーす。」

優はそう言いながら定期の付いたICカードをタッチした。


工事の為長い渋滞で人も多い。

小柄な優は縮こまりながら何とか吊革に捕まった。

隣からふと、声が聞こえた。

「?」

優は本を読む振りをしながらそっと横を向いた。



すると、隣で数珠をじゃらじゃら鳴らしブツブツと呟いている人がこちらを向いたのである。

「!」


優は驚き、慌てて本に目を向けた。

「南無阿弥陀………バス渋滞の為遅れ………………………南無阿弥陀仏…………………………。」

そう言いながら数珠を鳴らし幾度も何か祈っていた。

不安、なのだろうか。

実際は彼女よりもその隣で背中に汗をかいている優の方が不安な気持ちであったが、何故かそう思った。

取り敢えず仏様に祈ってることぐらいは分かった。

もしかしたら、お墓参りか何かに行くのかもしれない。


そう思った途端、お墓の前をバスが素通りした。


優は仕方なく、その小さな言葉に耐えなくてはならなかった。

少し怖くなり、いつも降りるバス停の1つ前で降りた。


世の中には不思議な人もいるもんだと思いながら優はバスを降りた。

4:野薔薇 ◆lo:2014/04/05(土) 09:50 ID:..k

訂正

優はバスを降りた→優は歩き出した

5:野薔薇 ◆QM:2014/04/05(土) 09:51 ID:..k

トリップが……、すみません!

6:野薔薇 ◆I.:2014/04/05(土) 10:49 ID:..k

トリップ変更します!

7:野薔薇 ◆I.:2014/04/05(土) 15:20 ID:..k

外人が乗り込んで来た。

大きな体で優先席にどん、と勢いよく座り携帯電話を取り出した。

優はいきなりの展開に目を丸くした。

外国人の性格を垣間見た気分になったのである。


「スミマセン。」

優は一瞬、自分に向けられた言葉だと気付かなかった。

「アノ…、tosyokanmaeハ、アトイクツデスカ?」

『図書館前』がやけにネイティブな発音だったが、中々上手く日本語を操っていた。

でも……。

優はどう言おうか迷いながらはっきりとした口調で言った。

「図書館前は、2つ前でしたよ。」

外人はそれを聞くと「Oh,no!」と言いながらボタンを押した。

「エイゴジャナクテニホンゴ、ウレシカッタ。アリガトウ。」

はにかんだ笑顔を見せると外人はバスを降りて行った。

英語じゃなくて、日本語。

もしかしたら、頑張って日本語を使っても、英語で答えられる事が多いのかもしれない。

単なる偶然ではあったものの、優は何だか嬉しくなった。



その時、優はあることに気付いた。

「さっきのバス停で降りるんだった……。」

歩くのか、面倒だなぁ…と落ち込みながら優はボタンを押した。

8:野薔薇 ◆I.:2014/04/05(土) 15:25 ID:..k

私の他スレッドです!

http://ha10.net/novel/1386568025.html
http://ha10.net/poem/1392523684.html
http://ha10.net/test/read.cgi/novel/1392030730/l50
http://ha10.net/test/read.cgi/novel/1390308180/l50

9:野薔薇 ◆I.:2014/04/05(土) 16:00 ID:..k

二人座席に座り、優は本を読んでいた。


帰りの二つ目のバスは空いてて良いなあ。

優は乗り継ぎしているのである。


部活で遅れ、もう暗くなっているバスの中に一人、か。

しみじみとしていたら、バスが停まり痩せた男性が乗って来て、優の隣に座った。

不思議な人だ。


席なら後ろにも前にも沢山ある、と言うのに。

良いけどさ、と思いながら本に目を戻す。

「あっ、あの、あの…………。」

隣の人が急にそわそわして、何かを口ごもった。

ごにょごにょ言っていて、何を話したいのか理解出来ない。

うわ、怪しいかも。

優はちょっと距離を置き、本に熱中している素振りを見せた。


すると、何故か悲しげな表情をしながら男性はバスを降りた。

何だったのだろう、と首を傾げる。

私の事、好きだったのかな。

……なんて、ね。

優は勝手に妄想してふふふっ、と笑った。

運転手が訝しげに振り向く。

自意識過剰だよね。

でも何故だか可笑しくなり、笑いを堪えきれないまま優は本を閉じた。

優はその次のバス停でバスから降りた。

10:野薔薇 ◆I.:2014/04/06(日) 22:55 ID:..k

後書き

まだ10しか行っていないのにすみません。
私は近々、葉っぱをやめることにしました。
心や身体の成長、変化につれ長く悩み決めた事です。
書きたいことはまだ沢山あるのですが、私の決断を優先させて頂きました。
私がこのスレッドで伝えたかったのは、人の個性の違い、それを受け入れることの大切さ、です。
人は違って当たり前なんです。
でもそれを、「うざい」だとか「変」だと言ってしまう人が沢山います。
恥ずかしながら私もその一人です。
人間は弱い。
その弱さを受け止めて生きていく、なんて言うと少し大袈裟かもしれません。
でも、本当は自分の駄目なところを書きたかったのかもしれませんね。

短い間、ありがとうございました。
この板の「たんぺんしゅう。」というスレッドにて、私の活動を終了します。
それまで何卒、お付き合い頂きますようお願い申し上げます。


2014.4.6 野薔薇


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