たかが希望。それが運命

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1:◆c.:2014/04/24(木) 21:33 ID:JGg

脱字、誤字が多いかもしれませんが…暖かい目で見守って頂ければ幸いです。


・少しシリアスになりそうです。苦手な方は今すぐBダッシュ!!((
・荒らしもBダッ(ry
・コメントはいいですが、中傷コメント等はやめて下さい。
・作者多分すぐ飽きます。((飽きてもたまにはカキコしたいと…

こんな感じで…(
>>2から書き始めます。

2:◆c.:2014/04/24(木) 21:44 ID:JGg

~prologue~

毎日毎日、同じ日々の繰り返し。
学校に行けば、周りは笑いで包まれる。
家に行けば、最初から居なかったかのような存在で。

今すぐにでも楽になりたかった。なりたかったけど…
僕には、大切な『人』がいる。だから、その願いはどうしても叶えたくなかった。

その子は、凄く頼り甲斐があった。
とても面白くて、楽しくて、悲しいことなんて忘れられる。
人生の中での一番の楽しみが、その子と一緒に遊ぶことだった。

「ねぇ、僕達、親友ってことで良いのかな?」

「あぁ、そうだ。俺達は親友だ!」

「一生の親友かな…!?」

「あぁ!親友最高!!」

「最高!!」

笑っていられた。
笑っていられたけど。


ある日が切っ掛けで、僕は感情を失った。

3:さしみ ID:e01Y5.x1678t103r@ezweb.ne.jp:2014/04/24(木) 21:50 ID:1yY

面白いですね(*´∇`*)
これからも頑張って下さい!!

4:さしみ ID:e01Y5.x1678t103r@ezweb.ne.jp:2014/04/24(木) 22:07 ID:oj.

面白いですね(*´∇`*)
これからも頑張って下さい!!

5:さしみ ID:e01Y5.x1678t103r@ezweb.ne.jp:2014/04/24(木) 22:08 ID:oj.

間違った

6:◆c.:2014/04/25(金) 14:09 ID:JGg

>>4-5様
ん、スレ間違い…ですかね?

7:◆c.:2014/04/25(金) 14:13 ID:JGg

ん…!あ、((
ありがとうございます!頑張ります!
>>4-5様

8:◆c.:2014/04/25(金) 14:15 ID:JGg

【あ、>>3-4様です…((】
【…次から書き始めます…!(】

9:◆c.:2014/04/25(金) 14:47 ID:JGg

『遅くなった。ごめん。
ちょっと厄介な事が起きてて…書くの遅くなったんだ。許してくれるかな…?

それでさ、一つ謝りたいことがあるんだ。
僕のせいで、怖い思いをさせてしまって、ごめんなさい。
僕が側にいてあげられたなら、君のことを守ってあげたかった。
…なんてね、今こんなことグダグダ話してても、意味ないよね。
でも、本当にごめんなさい。

あ、あと、感謝したいこともあるんだ。
君がいなかったら、今頃僕は死んでいたかもしれない。
ただ単に楽しかったんだ。嬉しかった。初めての親友ができて。

平日とかはあんまり会えなかったけど、休日になって、たくさん遊んだよね。
また君と遊べる日を、楽しみに待ってる。
これからもずっと親友だよ。

もし君が生きているなら、返事を書いて欲しいな。
待ってるよ!


20××年 ×月×日  小野寺 心助』

10:◆c.:2014/04/25(金) 14:49 ID:JGg

>>9
下から11行目
『学』要らないぃぃぃぃぃ(ry】

11:&◆6w ID:e01Y5.x1678t103r@ezweb.ne.jp:2014/04/25(金) 19:29 ID:cuc

何か誤解をうんでスミマセン…(´・ω・`)

話がとても面白いですね!!楽しみにしてます!!

12:◆c.:2014/04/25(金) 19:32 ID:JGg

いえ、大丈夫ですよ!
ありがとうございます!
>>11

13:◆c.:2014/04/25(金) 19:51 ID:JGg

第一話 『親友』

叩き付けるような大雨の中、狭い路地を歩く。
ここは最近見つけた近道で、学校へ普段の道から行けば20分、この近道から行けば5分と、大幅な時間を短縮することが出来る。

しかし、早く学校へ行ったとしても、良いことなんて1つもない。
笑われ、愚痴られ、暴力を振られ。そんな毎日が繰り返される『建物』としか、僕は認識していなかった。

「…ていうか痛っ…なんでこんなに強いんだよ…」
今までになかった雨の痛みに、僕は苦戦し始める。
傘なんてものはない。ていうか忘れてしまったのだ。
家に戻ればいいものの、母親に「掃除するから4時までは絶対戻って来るな」と厳しく言われてしまったのだ。
傘のためだけに家に戻り、殴られたくない。

そんなことを考えつつ歩いていると、いつの間にか到着していたようだ。
目の前には、一昨年建設されたばかりの白く大きく、立派な校舎が一件。
そして、今来たばかりなのか、傘をさしながら校舎内へ呑み込まれるように入って行く生徒達の姿が見えた。

…早く入りたい。けど、今入ったらろくな事にならないだろう。
いつも通り「黴菌が来た」等と言われ、いつも通り蹴られ、いつも通り机に突っ伏すよう命令され、いつも通りケツバットを喰らうのだろう。
ケツバットは5日に1度だが。

「さ…寒い…さっさと入りたい……」
そろそろ僕の体温も下がってきた頃であろう。体がブルブルと震え始める。
『君』が居たら、きっと「雨宿りすれば良いだろ」と呆れられるが、運悪いことに、ここら辺に雨宿りできる屋根等はない。無念だ。

14:◆c.:2014/04/25(金) 20:25 ID:JGg

10分程経過した。そろそろ良いだろう、と思い、校舎へと向かう。
『やっとこの大雨から解放される…!』と思っていたのも束の間。誰かに後ろから腕を引っ張られ、昇降口付近の階段から転げ落ちた。
「うわぁ…アンタどんだけ弱いの…もうちょっと鍛えたら?黴菌さん」
その犯人は、同級生の女子だった。
茶髪の髪を2つに結んでおり、目はぱっちりと大きく、『可愛いか不細工か』と聞かれたら、間違いなく『可愛い』の分類に入るだろう。
しかし、性格が悪いことであまりモテないらしい。世間では『ギャル』という言葉があるが、きっとそれだろう。

「…弱くて悪かったね」
僕はその言葉を残し、その場を後にした。

外靴から上靴に履き替え、教室へと歩んで行く。
途中で教師に会ったが、挨拶をされる事はなかった。
そう、僕は、ここの学校の教師にまで嫌われているのだ。
「何たって理不尽な学校に入っちゃったんだろう…」
『はぁ…』と、今日一回目の溜め息を吐く。この調子だときっと、今日は10回程溜め息を吐くことだろう。

2-3組の教室の扉を開く。すると、教室にいた男子生徒の一人が動き出した。
「おぅ、黴菌野郎。やっと来たのか。待ってたぜ」
そう言われ、教室の外へと強く押し出される。
廊下にあった壁に背中を強打し、「ぐえっ」と声が漏れる。

親は『虐めだ』と騒ぎたて、学校に連絡しようとしていたが、決してこれは虐めなどではない。きっとね。
僕が『あんな過ち』を犯していなければ、人気者だったんだ。
これは僕が悪い。僕がやってしまったことだ。

「随分弱い体だな。腹蹴られたら口から血出すんじゃねぇのか?」
この言葉のどこが面白かったのか僕には理解出来ないが、周りの同級生な皆笑い出した。

15:◆c.:2014/04/26(土) 16:20 ID:JGg

こんなものはもう慣れている。昨日までは、もっと酷い仕打ちを受けてきたのだ。
こんな事、どうってことない。

「口から血出すとか。ウケるんですけど〜」
僕が通っている学校の生徒の特徴の1つは、『ギャルが多い』こと。
女子生徒全員といっても過言ではないだろう。

脳内でそんなことを自分に言い聞かせていると、聞き覚えのない声が聞こえてきた。
「…やめなよ。そんなこと」
その声に反応し、皆は一斉に声のした方を向く。
「…テメェ、何がやめろだ?カッコつけやがって」
「カッコつけてなんかない。これは警告だ」
女子のようにも聞こえる。しかし、少しトーンが低く、男子のようにも聞き取れる。

「その子、怒ると危険だよ」

僕の方を向きそう言い放ったのは、黒髪のショートカットで、整った顔立ちの女子生徒だった。
前髪が長く、顔があまり見えない。が、相当な美人であることは把握できる。

「…怒ると感情が表に出過ぎて、皆に被害を加える恐れがある。怪我しても知らないよ」
大人びた口調で皆にそう言うと、自分の席に座っていた一人の生徒が勢いよく立ち上がった。
「はぁ?何言ってんの?マジ訳分かんないんですけど。コイツが?皆に怪我?そんなバカげた事言ってないでさ…」
途中で女子生徒の言葉は途切れた。
何があったのか気になり、視線を向けてみる。

すると、先程「警告」などと口走っていた女子生徒が、その生徒の胸ぐらを掴んでいるのが見えた。
その目は、まるで獲物を追うライオンのような険しい目付きで、おふざけ等とは全く感じとれない。
「貴方、人を外見で判断するのは良くない。何を考えてるのかは分からないけど、今度あの子をバカにしたら、ただじゃおかないからね」
強い殺気で、胸ぐらを掴まれている生徒が小さな悲鳴をあげた。

16:◆c.:2014/04/26(土) 21:04 ID:JGg

その様子に気付いたのか、「ふっ」と鼻で笑い、女子生徒から離れた。
すると今度は僕に近付いてきた。
「うわぁぁ…!僕何もしてません!してませんからぁぁぁ!!」
「…私が犯罪者みたいじゃないか。そして気持ち悪いからやめてくれないかな」
情けない悲鳴を上げながら勢いよく後退りするも、後ろが壁なため全く後退りできていない僕を相手に、引き気味な表情で単刀直入に言う。
そりゃそうだ。いつも僕の愚痴を言ったり暴力を振るったりしている女子生徒が悲鳴を上げたのだ。
『その女子生徒は最初から弱かった』という考え方もあるのだが。
「私の名前は千葉 美紅(ちば みく)。貴方の名前は?」
僕に手をさしのべながら質問を投げ掛けてくる。
『ほぅ、『美紅』か。綺麗な名前だ((キリリッ』という言葉が脳内でグルグルと巡り続ける。正直自分でも気持ち悪くなってきたので、その言葉を一瞬の内に掻き消した。

「…僕は小野寺心助…」
小声で言うと、美紅は「へぇ」と実に簡単な返事をした。
「まぁ宜しく。あと、放課後に屋上に来てほしい。話があるんだ」
しゃがみながらそんな事を言う。
周りの男子が「なんだなんだ〜、告白か〜」とニヤニヤ笑っていたが、美紅がギロッと睨むと「ひっ…!」という悲鳴を出して引き下がっていった。
実に狂暴な女子生徒だ。こんなに怖い生徒は初めてかもしれない。

しかし、怖いだけじゃない。『優しさ』もある。
僕を救ってくれたんだ。解放してくれたんだ。まだそうなった訳ではないが。
「そういう訳で、宜しく。来なかったら…次の日貴方をフルボッコにする」
前言撤回。あまり優しくなかった。

来なかっただけでフルボッコか…と心の中で怯えながら、僕は「うん」と返事を返した。

17:◆c.:2014/04/26(土) 21:24 ID:JGg

第二話 『幽霊』

その日の放課後。僕は言われた通り、屋上に向かって飛んで行った。
「どうしよう…時間過ぎちゃってるよ…」
現在時刻は午後5時42分。補習をしていて遅くなってしまったのだ。
約束の時間は5時30分。12分オーバーしてしまった。

50分程前、突然美紅に「4時30分集合」と言われたのだ。
慌てて補習を終わらせようと、同級生に計算方法等を教わっていたのが間違いだった。
仲の良い同級生等居ない僕にとって、それは過酷なものだ。
「ちげぇよ、ここをこうして…つーかお前字汚っ!?」と言われた挙げ句、綺麗な字の書き方まで教え込まれた。
しかし、少し嬉しかった。
同級生に教えてもらったのは、小学2年生以来。ちなみに現在は中学2年生である。

「はぁ…遅れた!ごめん…って、あれ?」
勢いよく屋上の扉を開ける。しかし、誰の姿もなかった。
「…怒って帰っちゃったか…?」
そんなんだったら本当にまずい。フルボッコにされてしまう。
「うわぁぁぁ…!どうしよう…このままじゃ命が…」
「誰が殺すなんて言った?」
突然、背後から聞き覚えのある声がした。それに驚き、大声を上げてその場からかけ離れる。
臆病な僕にとっては物凄く心臓に悪い。正直やめて欲しい。
「って…美紅!?」
「貴方、おバカさんだね。帰る訳ないでしょ?」
そう言うと、美紅は呆れ顔をし、溜め息を吐いた。

18:◆c.:2014/04/27(日) 10:32 ID:JGg

「…そ、それで、話って何…?」
屋上にあるベンシに座り、美紅に問い掛ける。
「あぁ、そういえばそうだったね。話っていうのは、貴方の過去話…って感じかな」
「へ?」
突然訳の分からないことを口に出し始める。いや、理解していない僕のほうが悪いのだろうか。
「昔、貴方には親友がいた。しかし、その親友とは離れ離れになっちゃったんだろう?」
図星だった。
美紅がいう親友、それは、僕にとって唯一の友達だった。

暇があれば一緒に遊んだ。しかし、平日はあまり会えなかった。
休日はほぼ全ての時間を一緒に過ごした。それほど仲が良かったのだ。
しかし、その親友が海外に移住するという話が決まったのだ。そのことを話されたのは、親友が海外に行ってしまってからだった。
その日から、僕は悲しみに包まれて暮らすようになった。
「小学校に行けば友達も沢山増えるよ」と親に言われ、6歳の頃に入学。
親が言うように、友達が沢山出来て、楽しい学校生活が始まることを期待していた。
が、元気がなく臆病な挙げ句、内気である僕に、友達など出来る筈がなかった。逆に虐めにあってしまったのだ。

小学4年生の時、交通事故にあった。
僕は大型乗用車に跳ねられ、記憶喪失になってしまった。
それからというもの、その親友のことが思い出せなくなった。同級生の名前も、自分の名前も、家族の名前も。

中学2年生。やっと記憶が戻ってきた。親友のことも徐々に思い出し始めた。
『海外に行った』ことも思い出し、僕は『海外に行きたい』と親に申し出た。
しかし、言われた言葉は決まって『行っても意味はない』だった。
その理由を聞こうにも、質問を拒んで聞き出すことはできなかった。
そして3ヶ月前。やっと教えてくれた。
その理由に、僕は驚きを隠せなかった。
「海外に行っても、あの子には会えないよ。

亡くなってしまったから」

19:◆c.:2014/04/27(日) 10:33 ID:JGg

【誤字多いな…((】

20:◆c.:2014/04/27(日) 14:39 ID:JGg

「…どうかした…?」
「へ!?あ、ごめん。ちょっと考え事してた」
「…そう。ボーッとしてたから少し心配した」
無表情でホッと胸を撫で下ろす美紅。『少し』という単語を強調したように聞こえたのは気のせいだろうか。

「…聞かせてもらおうか。その『考え事』の内容」
少し険しい表情で、僕を睨むように見つめる。
その視線にギクッと肩を揺らすと、「どうした」と声を掛けられた。
『何でもないよ〜うんうん』なんて言ってられない。美紅は本気だ。本当のことを話さなくては。
「…昔のこと。親友と一緒にいた時のこと…かな」
優しく微笑んで、僕はそう言った。
すると美紅は、「そうか」とぶっきらぼうに返し、席を立った。
「え、ちょ!どこ行くの!?」
「帰る。貴方に話を聞いても、きっと何も得られない」
速足で立ち去ろうとする美紅を止めようにも、止め方がない。
『肩を叩く』という方法があるのだが、こんな事をしたら僕が一発K.Oだ。

「…ごめん。なんか…役に立てなかったみたいで…」
少し落ち込み気味にそう呟く。
その呟きが聞こえたのか、「別に」と一言言うと、さっさと帰って行った。

__本当に不思議な人だ。あんな人に会うのは、生まれて初めてだと言える。

「はぁ…」と浅い溜め息を漏らし、再びベンチへと腰掛ける。
少しの間立っただけなのに、先程座ったばかりだとは思えない程冷えていた。
あまりの冷たさに驚き、素早く席を立つ。

「…とりあえず帰ろう」
そう呟くと、駆け足で家へ向かった。

21:◆c.:2014/04/28(月) 10:16 ID:JGg

第×話 『××××』

いやぁ…有り得ませんねぇ。この少年が不思議な『力』を持っているなんて。

元気がなくて、臆病で、内気なあの少年が…ねぇ。

まぁ、貴方様が感じられているのでしたら話は別ですが。

『希望を運命に変える幽霊』である私がとりつく人物は、ちょっと違う感じがしますねぇ。

もっとこう…強がっていて本当は超弱いクソ野郎だとか。

…おっと、すみません。御言葉が過ぎましたねぇ。

まぁまぁ落ち着いて。私も少しは気に入りました。

実行日は?…今日!?

…あ、すみません。ちょっと吃驚しただけですよぉ。

にしても気にし過ぎです。少しらい許してくれても宜しくないですかぁ?

…ウザいですって?これは失敬。


…ほぅほぅ…。『喜怒哀楽』を無くしてしまう…と。それは初耳ですね。

まぁ私には関係ないことです…。

「お金が欲しいな」なんて希望を持ったら、お金がバッと出てくるんですよぉ!?超良くないですかぁ!?

おーっとっと。これまた失敬。少し興奮してしまいまして。

それでは、行って参ります。

22:◆c.:2014/04/28(月) 13:23 ID:JGg

『ここまでの反省』

内容…分からん((真顔
やっぱり誤字多いですね…記憶戻ってきたの中学1年生の設定にしようとしたのに中学2年生になったり(
ちょっとグチャグチャで…書き直したいなー…みたいな←
書き直せる機能とかでてきま(強制終了)

これから沢山キャラが出てくる予定です。はい。3キャラでは進められません。
>>35までにあと3人は登場させたいです。

今までにも6、7個程(多い)葉っぱで小説を書いてきたのですが、全て話の進み具合が早くてすぐ飽きました。
その中の2つは大分いきましたけど…
なので、なるべく移動中や間の描写も書こうかと!

まぁそんなこんなでグダグダですが、宜しくお願いします…!

23:◆c.:2014/04/30(水) 18:18 ID:JGg

>>17
「4時30分集合」じゃないです。「5時30分集合」です(】

第三話 『希望』

『現在、電話に出ることができません____』
「…やっぱりか…」
溜め息を吐き、携帯の電源を落とす。
ここ最近、親と音信不通になっていて困っているのだ。
基本親は、家に鍵を掛けて出掛けて行くので、帰って来るまで家に入れない状態になる。
今朝の大雨程ではないが、少し強めの雨が降っている。とにかく寒い。
…まぁ、もし親に会えたとしても、家に入る理由などないのだが。
生ゴミを食べているかのように感じる料理、洗わずに汚いままの風呂、足の踏み場もない部屋と、ダメ人間丸出しの家だからだ。
そしてもう1つ。僕はこの家族の中で、一番要らない存在であること。
僕が目の前で泣いていようと、大怪我をしようと、放って遊びに行く親だった。

現在、少しは良くなっているものの、中学生にもなって卵焼きしか作れない僕を置いて、晩御飯を作らずに夜遊びしに行くこともしばしば。

「…ったく…どこ行ってんだよ…」
そう呟き、帰ってくるまで暇潰しでも…と携帯の電源を付ける。
右上に映された『53%』という言葉を無視し、ロックを解除する。が。
「…あれ?…あれ…!?」
解除できない。きっと誰かに悪戯されたのだろう。

24:◆c.:2014/05/01(木) 18:32 ID:JGg

しかし、今日は誰にも携帯を触れられてなどいない。
ならば誰が…?

「あーっはっはっは!まんまと引っ掛かりましたねぇ!」
突如、聞き覚えのない笑い声が聞こえてきた。
振り向いても居ない。前を向いても居ない。
右を向いても、左を向いても。

「こっちですよぉ、こっちこっち〜!」

どうやら楽しんでいるようだ。同級生だろう、と思ったが、同級生にこんな人は居ない。
「私はこっちでーすよぉ。気付いて下さいな〜!」
空のほうから声が聞こえる。『そんな事はない…』と思いつつ、空のほうを向いてみる。

「え…」

「やーっと気付いてくれましたか。しっかし貴方も鈍感ですねぇ」
気持ち悪い程の笑顔で、黒いズボンにロックバンドが着るような服を着ている人物がいた。
口調とは似つかわない爽やかな青年の声。イケメンの分類に入るだろうと思うほどの顔。

「…誰…?」
「まぁ、分からないのも当然です。私の名はありません!
…はい引っ掛かりましたね!?引っ掛かりましたねぇ!?いやぁ、本当引っ掛かりやすい御方で…!あっはっは!」
何が面白いのかは分かり兼ねるが、腹を抱えて笑い転げている。
「名前…っ…名前あると思ったでしょう…!?やぁ~!ほんっと笑えま…ぶっふぅ…!!」
相手には悪いが、あまりの馬鹿さに僕は少し引いてしまう。

25:◆c.:2014/05/01(木) 21:25 ID:JGg

「ふぅ…そろそろ本題にぃ…」
突然、先程まで笑い転げていたとは思えない程の真剣な顔付きになる。
『本題って何だろう…?』という言葉を押し殺しつつ、相手の話を聞く。
「私が貴方を訪ねたのにはちゃんとした理由がありますぅ。
私の正体…知りたいでしょう?」
『特に知りたくない』とは思ったものの、「知りたいです」と答えた。
「ほぅほぅ…では、私の正体をお教えしましょう」
少し緊張しつつ、相手の言葉に耳を傾ける。

「私は、『希望を運命に変える幽霊』なんですよ」

「…はい?」
衝撃の発言に耳を疑う。というかそれ以前に何を言っているのか分からなかった。
「まぁ〜!よく分かりませんよねぇ!
強いて言えば、『あの子とあんな事やそんな事がしたいな〜…』なーんて考えたらぁ、それが叶うって感じですかねぇ!」
例えが少し如何わしいものの、『希望を運命に変える』というよりもよく分かった。
「…じゃ、じゃあ、友達が欲しいって思ったら…友達ができるって事!?」
「まぁ〜、そーんな感じですかねぇ」
興奮気味に話す僕を相手に、口調以外は冷静に答える。
「すっごい良いじゃんソレ…!」
「しかし、条件がありまーす」
棒読みでそう言いながら右手を上げる。
「…条件?」
「そうですそうです。私がとりつく為には条件があります。凄く難しい決断になるとは思いますが…

『喜怒哀楽』を無くす。というものでございまーすぅ」

26:◆c.:2014/05/02(金) 18:38 ID:JGg

「…ん?」
一瞬何を言っているのか分からなかったが、数秒後には理解できた。
『喜怒哀楽』は主な感情の四つ。『喜び』『怒り』『哀しみ』『楽しみ』だ。
それを無くすとなると、喜ぶことも出来ず、怒ることも出来ず、哀しみも感じず、楽しい事にも『楽しい』とは思えなくなる。
「ささ、決断を下してくださぁい。そろそろ私も疲れてきましたよぉ」
目を細くして僕を見ながら「はぁ」と溜め息を吐く。本当にこの人は先程笑い転げていた張本人なのだろうか。

「……僕の親友にも、会わせてくれる…?」

突然、思ってもいない事を口に出してしまった。というよりも、勝手に口に出てしまった。
「親友ですかぁ?ん〜…他界した方に会える確率は低いですけど、多分会えると思いますよぉ?」
その言葉に、僕の脳はピーンときた。

「じゃあ…感情を無くす」
「…そうですかぁ。貴方の親友のことになると随分あっさりと御決断されるのですねぇ?」
僕の返答に少しニヤリと微笑めば、一瞬にして姿を消した。
「…あれ…!?」
キョロキョロと周りを見渡していた次の瞬間、先程の幽霊なのか人なのか分からない人物が颯爽と目の前に現れた。
現実だとは思えない光景に、僕は戸惑い始める。

「では、失礼しまーす」
勢いよく突進してきたかと思い、堅く目を瞑る。
しかし、当たった痛みも感覚もない。
目を開けてみると、先程の幽霊なのか人なのか分からない人物は再び姿を消した。
「どこ…!?どこにいるの…!?」
話しかけても返事がない。
そして次の瞬間、全身の体の力が抜け、地へと倒れる。

『ではぁ、摩訶不思議な世界を堪能してくださいねぇ〜!』

その声を最後に、僕は意識を失った。

27:◆c.:2014/05/02(金) 19:54 ID:JGg

第四話 『睡眠』

____何時間程眠っていたのだろうか。

いつの間にか僕は、病室まで運ばれていたようだ。

そりゃそうだろう。家の前に人が倒れているんだ。

「…はぁ…」
溜め息を吐き、ベッドから起き上がる。
怪我はしていないようだ。それはそれで良かった。

そういえば、何時間か前に『希望を運命に変える幽霊』がとりついたんだったっけ。その為、『喜怒哀楽』を無くしてしまった。
『哀しい』と思わないのはそのせいか。

現在時刻は午後7時24分。もう夜だ。
家の人に心配を掛けないか少し気になるも、僕をゴミのように扱う奴だ。きっと心配なんてしていないだろう。

世間では良い親振って、本当はダメ親なのだ。
僕がいじめられていると分かった時、『それがどうした』とでも言うような表情をしていた。しかし、学校に連絡をした。
その理由は検討がつく。
子供がいじめられていると気付いている筈。それなのに、連絡をしていないとなると、子供の事を『どうでもいい』としか思っていないのと同じようなものだ。

…説明などしてどうする。まずは心境を整えるんだ。

いつもなら『哀しい』雰囲気に包まれるであろう。真っ暗な病室に独り。
しかし、今はなんとも思わない。感情をなくしてしまったから。
ただそれだけが理由だった。

28:◆c.:2014/05/03(土) 12:10 ID:JGg

しばらく無言が続いた。
医者も何も、同級生が御見舞いに来てくれる訳でもない。

「…誰か居ませんか」
何だか嫌気がさし、声を出してみる。
当然返事は返ってこない。
と思った次の瞬間。

『おー、やっと起きましたかぁ。随分長い時間を睡眠に消費されましたねぇ』

またアイツか。
「…君だけ…?居るのって」
『あったりまえでーすよ〜。此処の病院、もう廃墟ですし』
「は!?」
耳を疑った。
僕は今まで廃墟された病院のベッドに寝転がっていたのか。
しかし、アイツは全く驚いた素振りをせず(してるかもしれないけど)平凡と語り続けた。
『私が運んできてあげたんですよぉ。なるべく人目が付かない所を通って。
だってほら、ここら辺に病院ってないじゃないですかぁ』
きっと今もニヤニヤと笑っているんだろう。
「…どうやって…?」
少し嫌な感じがしながらも、僕は問い掛けた。
『え?どうって…貴方の体を浮かべてですよ』

29:◆c.:2014/05/05(月) 20:21 ID:JGg

「…冗談やめようね。本気で怒るよ」
そんなことを言うも、感情を無くしてしまったのだから怒ることもできない。
というよりも、怒りが湧いてこないのだ。

『あらぁ〜。冗談言ってるのは貴方じゃないですかぁ』

アイツがそう言ったと思えば、突然体が勝手に動き出した。
「は!?え、ちょっと!?」
どうやら出入り口へ向かっているようだ。
先程まで寝転がっていたベッドが配置された病室から抜け、一階へと降りる階段に向かう。
『私、貴方の身体を則ったのです。なので、貴方は私に逆らうことは一切できませーん!』
待て待て、自分の紹介をしていた時は、そんなこと言っていなかったじゃないか。
まぁ心を読まれないだけマシだ。

『当たり前じゃないですか〜。秘密にしてましたしぃ』

読まれていた。
「ってぇ!!待って待って!どこに向かってんの?!」
いつの間にか外に飛び出していた。
車に跳ねられそうになったり、自転車と接触したり。もう無茶苦茶だ。
「はぁ…やっと止まった……って、え?」
やっと止まったと思えば、目の前には立派な本屋が一軒建っていた。
『貴方には少〜しばかり、お仕置きをですねぇ?』
ニヤリと微笑んでいるのはもう見え見えだ。

まさか万引きさせようとしてる気じゃ…

30:◆c.:2014/05/06(火) 17:00 ID:JGg

少し慌てつつ顔が青ざめると、中から大声が聞こえてきた。

「ふざけんなバカ!払ったじゃんか!何がしたいのよ!?」

どうやら女性のようだ。年は14歳くらいだろうか。
…じゃなくて、今は緊急事態だ。早くなんとかしなければ。

「退け!さっさと退けよクソ野郎…!!チッ…離せってんだろうが!!」

…女性なんだよな、コレ。
すると突然、目の前にあった窓ガラスが割れた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
大声を出し、急いで退ける。
幸い怪我ははかったものの、危うく窓ガラスの破片が顔面に刺さるとこ。だった。一体犯人は誰だ。
「…ごめんなさい。怪我はない?」
「え?」
上から声がし、顔を上げる。
すると、先程窓ガラスに突進してきたのだろう女性が、頭から血を流しつつ中腰になって僕に手をさしのべている。流石にこれは怖い。
「あ…あはは…大丈夫です…」
苦笑いしながら相手の問いに答える。しかし気にくわないようで、相手は顔の表情を少し歪めた。
が、すぐに表情を戻した。
「…そ。なら良いわ。ごめん、アタシ急いでるから行くわ。じゃ!」
『またいつか会おう!』という風に笑顔で手を振られる。よければもう会いたくはないのだが。
「…あ…じゃあね〜…」
少し引いた友達のように、苦笑いで手を振り返した。

31:◆c.:2014/05/08(木) 00:19 ID:JGg

『貴方もノれないお方ですねぇ。普通そこは「また会おうね!」って言うところじゃないですかぁ』
「言える訳ないじゃんそんなこと!?犯罪者かもしれないんだよあの子!?」
怒りよりも焦りのほうが大きかった。というよりも『怒り』は感じられないんだったか。

『まぁまぁ、まずは先に行きましょうかねぇ?』

「あぁぁぁぁぁぁ…誰かコイツ止めて…」
勝手に店の中へ前進する足。僕の脳内では「やめて下さい神様仏様」と唱えていのにだ。
きっと…いや、絶対に『コイツ』のせいだろう。
そういえば、先程の事件で店は閉店になるのでは?

心を読まれる覚悟をし、そんなことを思う。しかし、『コイツ』は一言も喋らない。
「…あれ…?」
『あ、あー!ごっめんなさぁい!ちょーっとばかりボーッとしてましてぇ!』
きっとニヤリと微笑んで言っているのであろう、無駄に気持ちを込めて言ってくる。

32:◆c.:2014/05/08(木) 19:43 ID:JGg

【誤字、脱字やっぱり多いですね…】

しかしその言葉の言い方は、ニヤニヤと笑っているというよりも焦っているように聞こえた。

先程の大声で迷惑が掛かっていないかキョロキョロを周りを少し見渡すと、一人の男の子がこちらを見ているのが見えた。
どうやら警戒しているらしい。

「…兄さん、ちょっと失礼するよ」
鋭い目付きで自分の服のポケットを漁り始める。

『あ…あの…』

アイツの声が聞こえる。どうやら物凄く焦っているようだ。
『そ…その男の子から逃げて頂けませんかねぇ…?貴方をコントロール出来なくて…』
少し早口でそう言う。
逃げようとした瞬間、額になにやら紙切れを貼られる。
「ちょっと痛いかもだけど、じっとしててよ」
男の子はそう言うと、何かの呪文を唱え始めた。
すると、アイツの悲鳴が聞こえた。
『うわぁぁぁぁぁ!!!逃げて下さいよぉぉ!!私まだ死にたくないですよ…!』
泣いているのだろうか。言い終えると、小さく嗚咽する。

『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…』

アイツの言葉を最後に、僕の意識は途切れた。

33:◆c.:2014/05/08(木) 20:14 ID:JGg

第?話 『人形』

私の可愛い御人形。

可愛い可愛い御人形。

大好き。

大好キ。

でも、人間は嫌いなの。

私は人形。操り人形。

だから何もできないの。

誰かに操られるの。

不思議ね。とっても不思議ね。

糸は私の命。

人間は胸ら辺に付いているのにね。

命が尽きれば死ぬように、私も糸が切れれば捨てられる。

理不尽だよ。

とっても理不尽だよ。

あとね、私、この御人形にお名前付けたの。『マイク』っていうの。

でも女の子よ。とっても可愛い女の子よ。

私と似てる、とっても可愛い女の子なのよ。

だからね、この子が無くなれば、私も行方不明になる。

この子が捨てられれば、私の糸も切れる。

そんな構造になってるの。凄いね。


『この子にお名前付けたの。『ゆうや』って言うのよ。
可愛いでしょ?私の御人形。でも男の子なのよ。



この子にお友達がいるの。『しんすけ』っていうんだって。

苗字もあるのよ。『おのでら』っていうんだって。

『おのでら しんすけ』だって。可愛くないね。

とっても可愛くないね。

でも、捨てられちゃった。お母様に、「こんなガラクタ要らない」って。

だから創り直したの。

可愛くなくなったけど、上手にできたのよ。

顔は全く一緒なの。器用でしょ、私。

せったく創り直したから、新しくお名前付けようと思うの。

可愛くないから、お名前も可愛くなくしたいわ。

でもね、そんなの私、賢くないの。

だから、適当に名前を付けるのよ。


_____スキスキダイスキ。イッショウハナサナイカラ。

34:◆c.:2014/05/08(木) 21:03 ID:JGg

第五話 『小娘』

アイツが姿を現さなくなって30分。感情も戻ってきたようだ。
しかし、アイツが来たらまた盗られるのだろうか。

「あれ…?」
瞬きをしている間にだろうか、金髪で髪が長く、赤い目をしている少女が現れた。
胸に少女によく似た縫いぐるみを押し当てている。
口元を歪ませて、じっとこちらを見ているのだが、僕に迷子の助けを求めているのだろうか。

すると突然、だんまりのまま僕へと近付いてくる。
相変わらず表情は変えず、口元だけを歪ませている。

「…私マリー。この子マイク。可愛いでしょ。似てるでしょ」
開口一言目がそれだ。少し怖い。
背は僕よりも40cm程小さい。そのため、少女は僕の顔を見ようと上を向いている。
僕の目線から少女の顔を見ると…まぁ大体予想は付くと思う。

「貴方、おのでらしんすけ。可愛くない。とっても可愛くない」
次は何を言い出すのかと思えば、知らない人に言ったら失礼であろう言葉を発する。
第一僕も知らない人なのだが。

「ねぇ、探し物あるんだけど。『イヴ』っていうお名前の縫いぐるみを探してるの」
瞬きもせず、ただ口を動かし続ける少女。
『イヴ』とはなんだ…?と思いつつ、話を聞き続ける。
「お母様に捨てられて、それと似たようなものを創ったの。
でもね、勝手に飛び出しちゃって。今は幽霊になっちゃったみたいなんだけど」
一人だけ、思い当たる人物が見つかった。
先程まで僕にとりついていた『希望を運命に変える幽霊』だ。

35:◆c.:2014/05/09(金) 18:16 ID:JGg

アイツはもしかして、この子が言っている『イヴ』なのではないだろうか。
「…間違ってたら悪いけど、多分分かるよ」
「本当?良かった。じゃあ、居場所を教えて」
不気味な少女だ。表情は先程から一切変えず、次々と訪ねてくる。
一体何者なのだろうか。
「それは…分からないかな」
そう言うと、突然少女の目が見開いた。
先程までとは一転、赤い目を丸くして僕を睨む。
すると、頭を抱えて蹲った。

「私の御人形…可愛い可愛い御人形…どこに行ったの…?私を置いてどこに行ったの?」
地へと涙が落ちる。震えながら再び口を開いた。
「私の御人形、見つかるまで貴方を監視する。見つからなかったら、コロス」
可愛い印象から、一気に怖い印象へとだだ下がる。
こんな幼い少女が、どこから『コロス』なんて覚えてくるのだろうか。
親が教え込ませたのだろうか。

「私ノ可愛イ御人形。待ッテテ?今、助ケニ行クワ」

36:◆c.:2014/05/09(金) 18:52 ID:JGg

第×話 『ERROR』

data erasing; data erasure

-データを完全消去しました。
データを復習するには、『データ復習』をタッチして下さい。
それでも復習出来なかった場合は、サポートセンターへお電話下さい。お電話は無料です。
電話番号は、本商品の裏面と、本商品の充電器に記入されております。
もし消えてしまっていたら、こちらの番号へお電話下さい。

XXX-XXXX-XXXX-


-データを復習しています… 58%-


-データ復習が完了しました。-

37:◆c.:2014/05/10(土) 09:45 ID:JGg

【復習じゃなくて復元です((】

38:◆c.:2014/05/10(土) 09:56 ID:JGg

『_____もう一度だけ、本当の姿で話ができるのなら、どんなに嬉しいことか。

しかし、それは叶わない。

俺はもう、『希望を運命に変える幽霊』として、お前にとり憑いてしまったからだ。

そして、あの『マリー』とかいう娘に存在を消されてしまったからだ。

今までのことを全て謝罪しよう。

あんな俺を見せてしまっては、お前に合わせる顔がない。本当に申し訳ない。


お前が俺に書いてくれた置き手紙、読んだぜ。

凄く嬉しかった。今もなお、俺のことを覚えてくれていたなんて。

…まぁ親友だもんな。忘れる訳ないよな…?



ありがとう。さようなら。ごめん。

20××年 ×月×日 佐々木 佑弥』

39:◆c.:2014/05/10(土) 12:20 ID:JGg

*登場人物*

小野寺 心助{おのでら しんすけ}
誕生日:5月15日
血液型:AB型
年齢:14歳
一人称:僕
性格:何事もすぐ諦めてしまう。しかし、やり遂げなければいけない事は何があってもやり遂げる。
昔の親友のことを大切に思っており、未だに死んだ事実を受け入れられない。
ある日、イヴに感情を奪われてしまうが、といる男の子に出会って以来、感情が戻ってきた。

佐々木 佑弥{ささき ゆうや}
誕生日:1月23日
年齢:不明
血液型:B型
一人称:俺
性格:活発な性格。昔は弱気な親友の心助と共にいつも遊んでいた。謝るのは苦手で、車にひかれそうな所を助けてもらっても礼すらしない少し常識外れな一面も。
昔、親の仕事事情で海外へ移住した。が、何らかの事故で死亡。
不思議な少女『マリー』と出会い、「協力してくれれば親友と合わせてあげる」と言われ、協力をした。
後に性格が変わっていき、最終的には間逆の性格になってしまった。

イヴ{いぶ}
誕生日:不明
血液型:不明
年齢:不明
一人称:私(わたくし)
性格:自分の好きなことになら何でも食い付く。
ある日、マリーの計画に協力してしまい『希望を運命に変える幽霊』に変えられてしまった。
前までは『佑弥』という名前があったものの、マリーが「前は可愛かったけど今は可愛くないから」と『イヴ』に変えられてしまった。
基本的に誰にでも敬語で「〜ですぅ」「〜しませぇん」等と小文字を使うことが多い。
そのためか、心助からは『ウザい』と評価された。

マリー{マリー}
誕生日:1月32日
血液型:不明
年齢:375歳
一人称:私
性格:不思議なオーラを放つ少女。
『イヴ』を創った本人。人形に『ゆうや』という名前を付け、可愛がっていた。
しかし、ある日母親に捨てられてしまい、自分の手で作り直した。
見た目は幼い女の子だが、歳は375歳と年老いている。不老不死。
誕生日は1月32日。1月に32日はないのだが、どうして32日かは不明。
自分と似た人形を胸に当てて、常時に持ち歩いている。

千葉 美紅{ちば みく}
誕生日:4月25日
血液型:O型
年齢:15歳
一人称:私
性格:大人しくサバサバした性格。口調は「〜だよ」「〜なんだね」。
心助は前髪で顔がよく見えなかったものの、相当な美人であることが把握できた。
虐められていた心助を救ったこともある。
以前心助に過去の話を聞こうとしていたものの、「何も得られない」と帰って行った。

40:◆c.:2014/05/11(日) 12:10 ID:JGg

第六話『謝罪』

部屋に戻ってベッドへ飛び込む。
そのせいではないと思うが、疲れが一気に出てきた。

___しかし、今日は本当に散々な日だったな…
変な少年に出会って札は貼られるは、『イヴ』であろう幽霊が消失するは、不気味な少女に出逢うはで、いつもよりも疲れた。
もうこのような日には出逢いたくない。というか出逢わないだろう。

ふとカレンダーに目を配る。
「…あれ?」
1月からカレンダーが変わっていない。確か昨日、5月に変えたはずなのだが。

1月23日。僕の親友…佑弥の誕生日だ。
本当は今年も盛大に祝いたかったのだが…盛大と言っても、300円程のショートケーキ二人分買ってきて、公園で食べるというものだ。
あとはコーラだのソーダを自動販売機から買ってきて、二人で乾杯をしてラッパ飲みをするという、僕にとっては最高の祝いをしようと思っていた。
しかし齢は14歳。いくら中学生で「僕達、中学生ズだよ!((ドヤッ」だのと言っても「何をやっているんだ」と呆れられそうなレベル。
僕らのことを何も知らない人達には『親から貰った小遣いを使い果たした中学生』と認識されるであろう。

そんな事を思っていると、一階にある鳩時計が5回鳴いた。
今日だけは『まだ五時か』ではなく、『もう五時か』と思ってしまう。

すると下から、「ご飯だよー」と母親の声が聞こえる。
が、多分兄貴のことだろう。親に「ご飯だよー」なんて言われたことはない。
仮に言われたとしても、良く言えば『見た目だけは最高』、悪く言えば『ゴミのようだ』と某映画の某キャラクターが騒ぐだろう。
しかし『ゴミとのようだ』ではなく、悪いが正しくは『ゴミだ』である。

コロコロとベッドの上を転がる。
そういえば、先程出逢った『マリー』とかいう少女はどうなっただろうか。

41:◆c.:2014/05/11(日) 12:32 ID:JGg

突然、玄関から「こんばんはー!」と大声が聞こえる。
きっと従兄弟だろう。いや、絶対従兄弟だろう。

次にはドタドタと階段をかけ上がってくる音が聞こえる。
そして次にはドアが開き、次には…

「よぉー!元気だったかぁーっ!」

僕の上に覆い被さるように飛び乗ってくる。
一瞬の激痛に「ぐえっ」と声を漏らしてしまう。
「あ、ごめんごめん。でも久しぶりだねぇ!会えて嬉しいっ!」
従兄弟の『小野寺 凉』である。見た目や声は女子っぽく、背も高いためか、二十歳程の男性達によく軟派されている時がある。

「はいはい元気です…!元気だから避けてよ、息できない…」
「え?あ、ごめす」
首を絞めるように抱き付いてきたため、呼吸困難になりかけていた。そして無駄に力が強い。


「そして?何か用事?」
ソファ(自分で買ってきた)があるのに座布団を敷き、正座をさせる。
「えぇとね、暇だから来ちゃったよ!」
ニパァッと可愛く笑う。本当にコイツは男なのだろうか。
…そうじゃなくて。
「暇だから来たの!?僕を殺しに!?」
「どうなったらそうなっちゃう訳よ!?わちきはシィちゃんの顔見たくて!」
前から気になっていたものの、未だに聞いていない質問がある。
それは、何故一人称が『わちき』なのかだ。

42:◆c.:2014/05/11(日) 18:11 ID:JGg

「事情は分かったからさ、帰ってくれないかな…」
あまりベタベタされるのも好みではない。
凉自体も少々苦手なので、そろそろ帰ってもらいたいものだ。
「えぇ…まだ来たばっかなのに……まぁいいや。シィちゃんの顔見れたから帰るね!じゃ!」
あまり気乗りはしなかったのか、頬をムクッと膨らませたものの、なんとか了承してくれた。


凉が帰ってからというものの、暇過ぎてだからか思考の動きが鈍くなってきてしまったいた。
ゲーム機はあるのだが、3日前の夜中にベッドに潜り込んでオンラインプレイをしている状態で見つかってしまい、5日間ゲーム禁止、そしてインターネットを切られるという最悪な処罰を喰らった。
一緒のベッドに潜り込んでいた凉が猛反対したものの、「お前には関係ない」と暴力を喰らった。それだけの事で他人の子供に暴力は振るっていいものなのだろうか。

そんな事を考えていると、何故かじわじわと目の辺りが熱くなっていく。
が、枕に顔を数回バンバンと打ち付け、やっとのことで回避できた。

「…もう…疲れた…」
ベッドにボフッと飛び乗り、寝返りをして『ハァ…』と重い溜め息をつく。

何もすることがない。何も考えられないなんて、どんな人生を歩んできたんだ僕は。
それだけではなく、6年程前から親に少しばかり監禁されているのだ。
『嫌だ』『やめて』等と大声で泣き散らしたものの逆効果だったらしく、『煩い』と自室へ放り投げ込まれ、一日中閉じ込められた事もあった。
その日ばかりは、目が腫れるほど泣いたものだ。
しかし次の日には、ドアを開けての開口一言目の『なんで外鍵閉めてるの』に物凄く腹が立ったことを覚えている。

「ぁぁぁぁぁ!もう!なんでこんな事…!考えても意味ないって!!」
頭を抱え大声で喚き散らすと、一階から「煩い!静かにしろ!」と怒鳴られてしまった。
その時、

『自由になりたい?』

「…へ?」
どこかで聞いたことのある声が聞こえる。
確かこれは、あの少女の…

43:◆c.:2014/05/11(日) 20:51 ID:JGg

『自由になりたい?』

「…へ?」

『自由になりたい?って聞いてるの』

「そりゃあ…でも貴方だって自由が欲しいんでしょ?」

『私は要らない。どれだけ願っても、どれだけ叫んでも、自由なんてもらえないから』

「諦めるの…?」

『うん。…私、操り人形なのよ。だから、常に誰かの糸に吊るされて、操られてるの』

「で、でも、糸なんて見えないけど…」

『見えない糸。ほら、今だって。この口も、この腕も、操られているからこそ動いているの。糸が切れれば私も死ぬわ』

「そんな…」

『知ってるでしょ?私が怪しい存在だって』

「…うん。なんか悪いけど…」

『どうして表情を変えないか分かる?』

「それは……分からないかな」

『その部分には糸がないからよ。だから、瞬きすらできないの』

「………。」

『貴方は、自分で自分の体を動かすことのできる人間。でも私は人形。種族が違う』

「うん…」

『私だって、自分で動かせるようになりたい。けど、なれない』

「で、でも…!諦めなければできるんじゃ…!?」

『どうして、今だけ「諦めない」なんて言葉を使っているの?』

「へ?」

『貴方はいつも、物事を諦めていた。それなのに、どうして今だけ「諦めない」なんて言えるの?』

「それは…あの…」

『別にいいわ。それよりも、そろそろ私も消えちゃうし、『イヴ』を待たせるのも悪いから、戻る』

「…あ、色々とありがと…?」

『私は何もしてない。じゃあ、また逢いましょう』


SOS SOS SOS SOS SOS SOS SOS SOS SOS SOS SOS…

『ERROR』

44:◆c.:2014/05/12(月) 21:36 ID:JGg

「うわぁぁぁぁ!?」
『うぉぉぉぁぁぁ!?』
目が覚め、勢いよく起き上がる。
すると、聞き覚えのある人物の声が聞こえた。
『も、な…何やってんですかぁ!ビッックリしたじゃぁないですかぁ…!』
イヴだ。まだそう決まった訳ではないが、仮定ということで良いだろう。
「ご、ごめんごめん……えっと…イヴ?」
『あれ?何で私の名前知ってるんです?教えましたっけぇ?』
少し驚いた表情をし、キョトンと首を傾げる。この素振りも本当に佑弥にそっくりだ。
それよりも、やっぱりイヴで合っていたのか。
「まぁ深く考えなくても。マリーって女の子に教えてもらって…」
そこまで言い欠けると、イヴの顔が真っ青に染まる。禁句だったのだろうか。

『ま、マリー…!?ちょ、な、なぁに言ってるんですかぁ…!誰ですかぁそれぇ…初耳ですよぉ』

知人だということは一目瞭然。嘘をついても意味はない。
「絶対知ってるでしょ。教えてよ、その子のこと」
僕がそう聞くと、イヴは突然床に経垂れ込んで泣き出してしまった。
少し声が大きいものの、幽霊ならば僕以外の他人に聞こえることはないだろう。
『私…私…その野郎にデータを消されたんです…だから……』
一瞬、何を言っているのか理解不能だったものの、少し経てば理解できた。
しかし、『データを消された』というのはどういう事だろうか。
「ちょ…まずは落ち着いて…」
「どうされましたか!?」
ドアが勢いよく開き、お客であろう少女の姿が現れた。
クリーム色の短髪、ブルースカイの七分袖に桃色のスカートと、女の子らしさが存分に出ている。
って何考えているんだ僕は。

『ほら。バレてますでしょぉ?』
「…どういうこと…?」
イヴは幽霊だったはず。じゃあ何故この少女に見えて(聞こえて)いるのだろうか。
まさか、この少女も先程(?)の少年と似たような人物じゃないのだろうか。

45:◆c.:2014/05/13(火) 17:14 ID:JGg

「…あ、すみません…つい好奇心が…」
少女は、視線を落としてペコッと御辞儀をし、「また会える日までぇぇ!」と病室から急いで出て行ってしまった。
好奇心とはなんのことだろうか。
「…よく分かんないけど……」
『…私もよく分かりません…けど、そろそろ帰った方が宜しいのではぁ?』
珍しく悲しげな表情で、こちらをチラッと見る。
「そうしようか」
僕もイヴと同感だ。さっさと家に帰って、先程と同じようにベッドに寝転がって…
…宿課題あった気がする。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

大声を上げて真っ暗な道を全力疾走する。
なんて事だ。携帯の画面を見てみると、時刻はもう8時を上回っていた。
このままでは、あの大量の課題を終わらすことは出来ない。
ていうか、先程まで部屋にいたのに、どうして病室に居たんだ。
そんな事を考えつつ走り続けていると、いつの間にか家ち辿り着いていた。
親の車がない。きっと出掛けたんだろう。

部屋のドアを開け、ベッドに倒れ込む。
折角リラックス出来ると思ったのに、脳が『課題をやれ』と命令を出してくる。
仕方なくバッグを取り出し、ノートや教科書、筆箱を出す。
「…あれ?」
1つだけ、見覚えのないノートがあった。
赤い字で『不思議』と書いてある。小さい頃の親友と文字がそっくりだ。
気になってページを開いてみると、そこにはとんでもない事が、手書きの英文で記入されていた。

46:◆c.:2014/05/13(火) 17:37 ID:JGg

-遥か昔のお話。
とある小さな町に、幼い女の子が住んでいました。
その女の子は、自分に似た人形を、いつも持ち歩いていました。
表情はいつも明るく、楽しそうで、『町で一番の美少女』と評されるようになりました。
ある日、女の子の目の前に、突然見知らぬ男の子が止まりました。
女の子よりもずっと大きく、たくましい体つきをしていました。
そして突然、その男の子が女の子の人形を盗り去って行ったのです。
足が遅い女の子は、泣きながら後を追い掛けて行きましたが、追い付くはずもありませんでした。
その晩、女の子は泣き続けました。いつまでもいつまでも泣き続けました。
その時、背中に激痛がはしりました。
恐る恐る振り向いてみると、とつも怖い大人が立っていました。
右手には血の付いたナイフを持っています。
女の子は倒れました。そして、このナイフに付いた血が自分のものだとは知らずに、目を瞑りました。

次の日、女の子は背中から血を流した状態で見つかりました。
しかし、生きています。ちゃんと息を吸っています。
皆は驚きました。それと同時に、喜びました。
女の子が死んでしまったかと思ったからです。
そしてその日、猫と一緒に紐で遊んでいました。
しかし、誤ってその紐を首に巻いてしまいました。
その紐がほどれる事はなく、女の子は窒息で倒れました。
そして次の日、女の子の首に緩く紐が結ばれている状態で見つかりました。
なんと、またもや女の子が生きていたのです。

そして次の日、人殺しがいたという放送が、町中に響き渡りました。
女の子が道を歩っていると、突然見知らぬ男に銃をつきつけられました。
そして頭を撃たれました。
こればかりはもう死んでしまったかと、町中の人々が悲しんでいると、次の日、女の子は元気に川で遊んでいました。
町の人々は不思議でたまりませんでした。
どうして刺殺されても、窒息しても、銃殺されても、死なないのか。
悩みに悩んで、町の一人がこんな提案をしました。
実験してみたら如何か、と。

次の日、実験が行われることになりました。
女の子は崖の前で、十字架に手足を縛られ、目隠しをされています。
そして崖から突き落とされました。

そして次の日、なんと女の子が、人形を持って広場で遊んでいました。
もう理由はいらない、諦めようと、町人は諦めました。

その人形には、背中に微かな切れ跡と、首に縛られた跡、そして、頭に銃で撃たれた跡が残っていたそうです。-

47:◆c.:2014/05/13(火) 19:35 ID:JGg

第七話 『恐怖』

あの『不思議』と記されていたノートは危険だ。もう開かないことにしよう、と思いつつ、課題を次々に終わらせていく。
カリカリと爽快な鉛筆の音が途絶える事なく鳴り続ける。

「忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ……」
そう呟きながら、鉛筆で文字を形にしていく。
考え過ぎだろうか、指定されたマスから文字がはみ出てしまった。
机に突っ伏し、頭をガンガンとぶつける。額が赤くなってそうなくらいに痛い。

時計を見てみると、短針はもう既に9時を上回っている。
このままでは夜中まで寝られそうにない。せめてあの時病院に居なければ…

『あのー…私のこと忘れてませんかぁ…?』

「…忘れてた」
『えぇぇ!?酷くないですかぁそれぇ…!』
集中し始めたと思いきや、イヴが喋りかけてきてしまったため、勉強意識が途切れた。
「あぁぁー…疲れた…もう寝たい…寝たい…寝たい……」
床に横になり、ゴロゴロと転がる。
堅くて少し痛い。

48:◆c.:2014/05/14(水) 16:48 ID:JGg

「…あれ…?」
寝転がってリラックスしているというのに、一向に頭の回転が止まらない。
課題は今やっていないはずだ。そして何も考えていないはずだ。それなのに頭が働くとはどういう事だろうか。
生きているからとかそういうのではなく。
「…イヴ?」
『へへ、スミマセぇン。暇だったので遊んじゃいましたぁ』
後頭部に片手を当てれば、悪戯っぽく笑い始める。

『それよりも、よく貴方も生きていられましたねぇ。あの事件以来、娘に話し掛けられた人間は全員死んだというのに』

イヴの発言に耳を疑う。
「え、ええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
『ちょぉ…!煩いですよ!一階に聞こえちゃいますよぉ!?』
大声を上げるもの当然だ。
あのマリーとかいう少女に話し掛けられた人間は、全員死んでしまったと言っているのだから。
後に僕も死んでしまうのではないのだろうか、と、恐怖で頭がいっぱいになった。
しかし、その恐怖は一瞬にして思考から姿を消し、新しい考えへと変わった。

「…その、事件っていうのは…?」
イヴが言っていた『あの事件以来』の事件だ。
『貴方も見たでしょう?そのノート。それに事件の内容が書いてあるはずです』
先程ページをめくった『不思議』と書かれたノート。再び見ることに抵抗はあったが、事件の内容を知りたい一心で表紙をめくった。
そして、先程の英文が書かれたページへとパラパラめくる。
「あった」
内容は同じのようだ。というか変わっているほうが怖い。
「…もしかして、この物語の主人公がマリーって子?…いや、有り得ないよ。これフィクションでしょ…」
『ノーフィクションですよぉ!あの娘は不老不死なんです!』
目を大きく開かせながら、必死に説明をする。嘘で言っている様子もないようだ。
『ここの「遥か昔のお話」っていうのは、300年程前の話なんですよ』
最初の一文を指差してそう言う。そして続け口に述べた。
『その時に、あの娘が4度死んだんです。それなのに生きていたんですよ』
摩訶不思議な話だ。すぐ理解することはほぼ不可能だろう。
『刺されたのは背中って書いてありますけど、背中から心臓に刺さったんです』
こういう話は得意じゃないのだが…詳しく知りたい。
『そして二度目。首にきつく絡まり、それから8時間、ずっとその場に放置されていたらしいんですけど、誰もその娘の姿は見てなかったと言うんですよぉ』
「え?じゃあ、誰が8時間放置されてたって分かったの?」
僕がそう訪ねると、イヴは苦虫を潰したような表情でこう返した。
『…それは不明です』
少し視線を落として、悲しそうに涙を溢してそう述べた。
「だぁぁぁぁ…!泣かなくて良いから!ね!?続き聞かせて!?」
『…泣いてませんよぉ!』
先程一瞬だけ涙を拭っている所を見てしまったのだが。まぁ見なかったことにしよう。

49:◆c.:2014/05/15(木) 17:07 ID:JGg

【日本語ワァァァァァァ\(^o^)/
単語の使い方間違ってる所がこれからも多々あると思います…(】

50:◆c.:2014/05/15(木) 17:29 ID:JGg

そのあと、僕とイヴは何時間も掛けて、『マリー』の正体を探り出していた。
気付けばもう午前7時。貯まっていた課題も終わらず、睡眠も取らず、結局正体も掴めずでもう降参だ。
きっと、今の僕の目の下には隈が出来てるんだろうな。

イヴも珍しく何も喋らない。
ひたすら続く沈黙の中、学校へ行く支度をする。
と言っても今日の科目の教科書やノートをバッグに入れるだけなのだが。

ふと机に置いてあったコンビニ弁当の蓋を見る。
値札シールが付いており、『100円』と書いてあった。コンビニ弁当の割りには安いな。量が少ないからだろうか。
蓋を開けて中身をマジマジと見る。入っているのは、昨日炊かれたのであろう冷たいご飯、ご飯の上に乗った梅干し、大根とキュウリの漬物、冷えたコロッケ、ソース…といった所か。
コンビニ弁当に付いてきた割り箸を割り、勢いよく食べ始める。
赤、黄、緑なんて小学校で習ったが、そんなのものは関係ない。

「…ごちそうさまでした」
両手を合わせ、小さな声でそう呟く。
コンビニ弁当と割り箸をゴミいっぱいのゴミ箱へ入れ、バッグを背負って部屋から脱出。
「行って来まーす」なんて行ったところで、返答はない。

今日は近道を使わず、通学路を走り抜けていく。
いつもなら『行きたくない』と思い、もっとゆっくり行くのだが、今日は『学校に行きたい』という気持ちでいっぱいだった。

しばらく走ると、飽きるほど見慣れた立派な校舎が姿を現した。
「よぅし…今日こそは…!」
靴と爪先をトントンと鳴らし、一目散に校舎内へ走って行った。


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