戯曲集【夜蝶迷宮】

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1:ジャーデ:2014/05/04(日) 07:15 ID:miM

学校で演劇部やっています、劇の脚本などは僕が殆ど書いているので今回は
その脚本の中からよりすぐりを集めたいと思います、読んで頂けたら幸いです・・・
<小説であり、小説ではなくそれは【戯曲】である>

「おい、まだ劇の脚本書き終わらないのか?」

「まあ待てよ、もう少しで完成だから」

「まあ、脚本書いているお前に俺が文句言える立場じゃないけどな」

「よしできた!」

「どれどれ……戯曲【夜蝶迷宮】?」

「ああ、今までやってきた劇の詰め合わせだ、いわば【特別公演】ってとこだな」

「読んでみていいか?」

「ああ、早速ページをめくるか」

2:ジャーデ:2014/05/04(日) 07:41 ID:miM

【時間の世界】



「旅行かぁー…行きたいなぁ…」

少年は、以前家族で行った旅行の写真を見ていた

「離婚なんて無ければ、旅行ぐらい行けたんだろうな‥‥」

「その願い、時間で叶えてみませんか?」

「うわっ!?だ、誰だお前!!」

「失礼な方ですねー、私は神様ですよカ・ミ・サ・マ」

「か‥‥神様‥‥?」

「と言っても、時間の神様です」

「時間の神様?」

「あなたが旅行に行きたがっているので、出てきたんですよ、時間の世界から」

「あのー、家に不審者がいるんですが‥‥」

「通報しないでください」

「じゃあなんだ?本当に神様だとでもいうのか?」

「ええ、時間を戻せばまた家族で旅行に行けますよ」

「マジか」

「ええ、ただし条件があります」

「条件?」

「はい、時間を戻すのは一回きりにしてください」

「わかった」

「ではこの時計の秒針を一時間分逆に回してください」

「わかった」

――――――――――

「時間が戻らないぞ?どういうことだ?」

「あなたがそれを望んでいないからですね」

「‥‥だろうな」

「原因は恐らく‥‥」

「ああ、そうだ‥‥親父だ‥‥」

「離婚原因もそれですね?」

「ああ、親父は散々暴力を振るった挙句、どっかに消えやがった‥‥」

「残念ですね、では時計は返してもらいます」

「おーっと、そうはいかない」

「返してください」

「運命は変えられるものだ、だから返さない」

少年は秒針を一回以上回した

3:ジャーデ:2014/05/06(火) 06:23 ID:hSU

【言葉の王様】



「よいか、言葉とは、常に人が持つべき物であり神が与えてくださった聖なる物だ」

「は、はぁ‥‥」

「言葉の中には同音異義語という物があってな、言葉は喋るだけでなく遊びとしても使えるのだ」

「と、申しますと?」

「例えば‥‥最近この辺りは細菌が飛びまわっている、とか」

「ほう‥‥なるほど」

「まあ、言葉によっては武器になるものもあるがな」

「マシンガン、とか拳銃、的なことですか?」

「いやいや、暴言といってわしが最もこの世で嫌いなものじゃ」

「暴言ですかぁ‥‥」

「そうじゃ、例によっては実害があったりするからな、殺人事件だとか」

「ところで王様」

「なんじゃ?」

「そろそろ国民に決断を示す時間なのでは?」

「おお、そうじゃったそうじゃった、では行くとしよう」

王様が出ると、城の周りには国民が数え切れない星の数ほどいました

「皆の者よく聞け、この王国は細菌が飛び回っていてもう駄目じゃ、マシンガンや拳銃といった
武器を使用し戦争を行ったところでどうなるわけでもあるまい、本日を持って言葉の王国は
終わりとする」

「お、王様!?なりません!そんなことしたら‥‥」

「世話になったな、お疲れ様」

「お‥‥王様‥‥」

「わしは言葉を知りすぎた、その結果暴言を吐き戦争に発展させてしまったのはわしの責任じゃ」

「王様、それじゃあ責任とってください」

ドン

4:ジャーデ:2014/05/06(火) 06:58 ID:hSU

【籠と鳥】



「なぁ、これ見ろよ」

「ん?何だこの紙」

「何か書いてあるな、読んでみるか」

「ああ、そうしよう」

「えーっと、なになに『籠の中の二羽の鳥、外の世界を夢見る』だとよ」

「意味不明だな、何かの暗号か?」

「わからない、あ、あそこにも紙が落ちてる」

「読んでみるか、あれも」

「にしても真っ暗な中だとマッチが便利だなぁ‥‥」

「ああ、じゃあ読むぞ、えーと『二羽の鳥は明かりと共に突き進む』わからん、何だこれ」

「にしても、見渡す限り本当に何もない空間だなぁ‥‥」

「あ、また紙だ」

「今度は俺が読むよ、えーと『二羽の鳥は交互に言葉を発す』暗号かな、やっぱり」

「ハハハ、何だかわからないが馬鹿馬鹿しいな!」

「そうだな、ハハハ!馬鹿馬鹿し‥‥」

「ん?どうした?」

「これ、俺達のことじゃない?」

「何が?」

「この空間が籠で俺達二人が二羽の鳥だとすると、明かりはマッチの火で交互に言葉ってのは
俺達が代わりばんこに手紙を読んでいることだとしたら」

「あ、本当だ」

「俺達の行動をさきにわかっていたやつ、気味悪いな」

「あ、あそこにも紙が落ちてる、読もう」

「おいおい、やめとけよ」

「えーっと『二羽の鳥滅びる』‥‥」

5:ジャーデ:2014/05/06(火) 07:37 ID:hSU

【泥棒兄弟】



「今日も大収穫だな!これを売ればかなりの金になる!」

「そうだね兄さん!次はどこの町に行く?」

「そうだなぁ、なるべく金持ちが住んでいる町がいいかなぁ」

「さすが兄さん、どんな時でもお金のことだね!」

「当たり前だろ、早速行くか!」

「うん!」

二人の名はアインとナック、兄がアインで弟がナック、二人は世間じゃちょっとした
有名人、といっても悪い意味で‥‥

「着いた、ここが金持ちの町「ジャスティンフォード」かぁ‥‥」

「兄さん兄さん‥‥」

「どうした?」

「あれ、見てよ」

「うおぉ‥‥何だあの高そうな壺‥‥」

「あれ盗んだらすごいお金になるんじゃない?」

「そうだなー、でも客が多すぎて気づかれる、もう少し減ってから行くか」

「そうだね、その間にどこかで時間しのぎでも‥‥」

「泥棒ー!」

「え?」

「何だあの爺さん、壺を盗みやがった‥‥!」

「くっ‥‥これはわしの物じゃ、誰にも渡さん!」

「ねえお爺さん、駄目じゃないか窃盗は」

ナックがお爺さんを突き飛ばし壺を取り返した

「ありがとうございます、なんてお礼をしたらいいか‥‥」

「いいんですよ、じゃあ僕はこれで‥‥」

「おい、ナック」

「なんだい?兄さん」

「あの人、お前に似てるな」

「世の中似た人3人いるって言うからね」

「ふーん‥‥」

「さて、そろそろ何か盗み始めようよ、兄さん」

「‥‥‥」

「どうしたの?」

「お前に、話さなきゃいけないことがあるんだ‥‥」

「え?」

「お前は、俺が盗んだ人間で本当の家族じゃないんだ」

「‥‥嘘でしょ?」

「だからこそつれてきたんだ、この町に‥‥お前の生まれ故郷に」

「うっ‥‥うぅ‥‥」

「泣くな、もう別れのときだ、さようなら」

「‥‥兄さん」

6:匿名さん:2014/05/10(土) 07:42 ID:/O.

【小説家の仕事】



私は小説家である前に一人の人間だ‥‥何事も経験をしなくては小説家は勤まらないと思っている‥‥
経験によって学ぶこと、それは小説がよく進むことでもある‥‥





「あの‥‥先生‥‥」

「何だね?トイレなら部屋を出て右だよ」

「いえ、そうじゃなくて‥‥その‥‥原稿はあとどのぐらいで‥‥」

「わかっている、わかっているからこそこうやって締め切りに間に合うように努力しているし、
読者の満足する展開を考えているんじゃないか」

「で‥‥ですがあと3時間ほどで締め切りが‥‥」

「君、私を誰だと思っているのかね?今まで締め切りには必ず間に合うようにしてきただろ」

「は、はぁ‥‥」

「しかし、推理小説というものはやはり難しいな、探偵側の気持ちを私は十分理解しているが、
犯人側の気持ちを理解していないとやはりこういうものは面白みに欠けてしまうところがある‥‥」

「そうですね、犯人側の気持ちは実際に犯人じゃない人にはわかりづらいところがありますね‥‥」

「だがもうその心配はない、私は犯人側の気持ちもわかるようになった」

「おお、ついに先生の推理小説化としての才能が更に開花し始めましたか!」

「いや、違う‥‥そこにあるクローゼットの中をみてみなさい」

「クローゼット?わかりました」

ギィィィィィィィ

「!?せ‥‥先生‥‥これは‥‥」

「言っただろ、犯人側の気持ちもわかるようになったと」

「で、ですが殺人は犯罪ですよ!」

「小説家は経験によって小説を書くんだ、君も理解したまえ‥‥
って感じでどうですか先生!」

「君はなかなかいい演技をするね、とくに小説家っぽい雰囲気が出ている台詞の特徴もなかなか
見ごたえのあるものだ」

「お褒め頂き光栄です」

「さて、新たな経験もしたし小説の続きを書こう‥‥
と、言いたいところだがまずはこの死体をどうにかしなくては」

「そうですね、犯人側の気持ちはわかったものの死体をどうにかしなくては
元も子もないですからね」

「私は小説の続きを書くから君はその間に死体をどこか山奥に埋めてきなさい」

「はい、わかりました」

7:ジャーデ:2014/05/14(水) 20:45 ID:nWs

【言葉競い】



「レンガ」

「瓦礫」

「金木犀」

「イカ」

「カメレオン」

「あ、んがついた」

「そろそろしりとりやめて他の遊びしようぜ?」

「例えばどんな?」

「そうだなー‥‥言葉競いなんてどうだ?」

「言葉競い?」

「ああ、歴史は古く5000年前から伝わる遊びで」

「今思いついたんですよね?」

「はい、思いつきました、じゃあやろうぜー!」

「ちょっと待ってください、ルールは?」

「ああ、そうだったな、ルールは簡単!言葉で相手の言った言葉を上回ることができれば勝ち!」

「単純ですねー‥‥」

「うっさいうっさい!じゃあお題は「広さ」これでどうだ?」

「いいんじゃないですか、さっさとやりましょう」

「じゃあいくぞー、東京ドーム!」

「神奈川県」

「日本」

「アフリカ」

「海」

「地球」

「太陽」

「宇宙」

「おいおい、それはないだろー、俺負けちゃうじゃん!」

「心が「狭い」ですねー‥‥」

8:ジャーデ:2014/05/15(木) 20:14 ID:.mM

【確率】



「1%‥‥2%‥‥」

「おい、何してるんだ?」

「ああ、おまえか、これやってたんだよ」

「何だこれ?」

「この本を読んで勉強すれば何でも確率でわかるっていうすごい本だよ!」

「お前、マジでそれ言ってんの?」

「お前が俺を信じてない率、100%」

「わかってんじゃねえか」

「すごいだろー!この本のおかげだ!」

「いや、違うって」

「何でわかるんだよ?」

「普通に考えてわかるだろ」

「お前が俺を馬鹿にしてる率、100%」

「うん」

「この本のおかげだぜ!」

「いや、だからさぁ‥‥」

「何でさっきからそんなに断言するんだよ?」

「俺がその本でだまされた率100%」

9:ジャーデ:2014/05/17(土) 07:28 ID:V16

【MAGIC】



「違う‥‥何か違うんだよなぁ‥‥」

「どうしたんだね、新人君」

「師匠‥‥いいマジックのネタが思いつかないんですよ‥‥」

「何だそんなことか、ちょっと君のネタ帳を見せてみなさい」

「は、はぁ‥‥」

「えーとどれどれ‥‥燃えている牧を素手で掴む、100度の熱湯に一分間耐える、鉄パイプで
殴られるのに耐える、泳いで海外に行く、君‥‥これマジックと言うより罰ゲームだぞ」

「は、はい‥‥すみません‥‥」

「お?これなんてマジックっぽいんじゃないか?人にマントをかぶせて消す」

「はい、ですが戻せなくなったらと思うと怖くて怖くて‥‥」

「いいだろう、じゃあ私が明日出る番組を見なさい、私のマジックを君に見せてあげよう、
ちゃんと見て学び、立派なマジシャンになりなさい」

「はい!ありがとうございます!」

翌日

「えーっと、そろそろか‥‥」

『今夜も始まりました!「マジック・ザ・ナイト」司会は私渡辺でございます!今夜は今話題の
人気マジシャン、クラシック田中さんに来ていただきましたー!』

『どうも、クラシック田中です』

『聞いたところによりますと、今夜は新ネタを披露するとのことですが?』

『はい、今日のマジックは私の大好きなネタでね、このネタを披露する場を下さって本当に
ありがたい話ですよ』

『では披露してもらいましょう!』

『はい、ではまずどなたか前に出てきてください』

『あ、じゃあ僕が行きます』

『お、ゲストの倉岡君張り切ってますねー!』

『まずここに立ってください』

『はい』

『次にマントをかぶせます、いきますよ、3,2,1‥‥ハイ!』

『お!消えました!ゲストの倉岡君が消えましたー!』

「これ、俺のネタじゃねぇか!」

『ところで、どうやって戻すんですか?』

『え?』

10:ジャーデ:2014/05/22(木) 18:35 ID:LXA

【透明な存在】



『あー、あー、聞こえますかー?』

「はい、聞こえます」

『今から私があなたに質問をします、あなたは私の質問に答えてください』

「はい、わかりました」

『質問には「はい」か「いいえ」で答えてください、では始めます』

「はい」

『あなたは、透明人間を信じますか?』

「いいえ」

『何故「いいえ」なのですか?』

「透明な物は目には見えません、誰にも見えないものを証明するのは不可能です、よって
私は透明人間の存在を否定します」

『次の質問です、もしも透明人間が存在するとしたらあなたは透明人間と何をしますか?』

「テレビを見て、カラオケに行って、楽しい日々を送ります」

『次の問題です、あなたがもし透明人間になったら何をしますか?』

「温泉の女湯を覗きます」

「次の質問です、もし常にあなたが何者かによって監視されている身だとしたら、あなたは
どんな行動に出ますか?』

「警察に通報します」

『次の質問です、私が今どこにいるかわかりますか?』

「‥‥え?どこですか?」

『あなたの後ろですよ‥‥」

「!」

『なーんちゃって、次の質問です、あなたは透明人間の存在を否定しますか?』

「はい」

「どうだ面白かったろー!俺が考えた透明人間質問遊び!」

「ああ、お前の質問、後半から少し怖かったのがいい感じだった!」

「ってあれ?どこだ?おーい」

11:ジャーデ:2014/05/22(木) 18:58 ID:LXA

【方程式考察】



「1+1=2というのは、有名な話ですが、こうも考えられないでしょうか?
1+1=1と‥‥」

「何で1なんだ?」

「実際に考えてみてください、足し算というものは足して答えを作り出さない限り、答えは
出てきません‥‥そしてその答えは、数字が変化したものではなく数字が足されて生まれた答えなのです‥‥
方程式の中に存在する1という数字が、2に変化したのではなく、1+1という方程式によって2が生まれた
という事実に過ぎないのです‥‥したがって、1をいくらたしても答えを作り出さない限り、数字が変化
しない限り答えは1のみなのです‥‥」

「奥深いなぁ‥‥」

「ですが、1には無限の可能性が秘められています、2が生まれることによって次に2+2という
方程式が1+1という方程式によって生まれたのです‥‥1を3回足せば3が生まれ、4回足せば
4が生まれます‥‥1は変化しませんが、足して生まれる数字によって無限に広がってゆくのです‥‥」

「お前が言いたいことは大体わかった、奥深すぎてよくわからんがな」

「ですが、唯一1+1=3という方程式があります、これはなくてはならない方程式です‥‥」

「そんな方程式、聞いたことないな」

「一人の女性が一人の男性に恋をしました、二人は結ばれ二人の間には一つの命が生まれました‥‥
3人です、1+1=3です‥‥」

「方程式、深いなぁ‥‥」


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