花も実も無い

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1:ミナミ◆oo:2014/05/23(金) 16:18 ID:ZCM

私、結城実桜はこの春から高校生になった。現役真っ盛りの華の女子高生というわけ。

実桜って名前から何を連想する?桜とか、その実のさくらんぼとか?

自分でも随分可愛らしい名前だなーって思う。

でもね、私は花も実も無い人間。ことわざの、「花も実ある」って知ってる?

アレの意味は『外見が美しく立派なだけでなく中身もしっかり備わっている。名実とも
に兼ね備え、理や情もわきまえていること』なんだって。

私、完っ全に名前負けしてる。だってそんなに素晴らしいわけじゃないもん!!

確かに名前には花も実もあるけど、実際はないんだよぉ。たいして可愛くもないし、
性格も良くないしさー。頭の出来も普通だし、スポーツ万能でもない。

大体のことが人並みのつまんない奴なんだよねー。でも、クラスで一人浮いてるとか
そういうのも無い。周りに完全に溶け込んでる。前に母さんに
「あんたは周りと同じような恰好して何が楽しいの。個性がないわねー。」
って言われたことがある。

ほんっとその通りだと思ったよ。でも、母さんはわかってない。

女子の世界ではそうしなきゃ生きていけないってことを。必死に周りに合わせなきゃ
ダメってことを。

そりゃあ、クラスで目立ってるコは何人かいる。でもそのコ達はみんな可愛いコ。

可愛かったら目立っても許されるけど、私みたいな普通なコが目立つのは禁物。

周りと一緒じゃなきゃダメ。ハブられちゃうから。せっかくの高校生活を一
人ぼっちで過ごしたくないでしょ?だから私はみんなと一緒にする。

それが、平和なんだから。

2:ミナミ◆oo:2014/05/23(金) 17:25 ID:ZCM

クラスで目立ってるコ達は女子のグループのリーダー的存在になってる。
そして、その次ぐらいに可愛いコ達がリーダーの女子の取り巻き。あと
の人はグループの中じゃその他大勢。そういう仕組みになってるんだ。

女子のグループはいくつかあって、根っこのほうで少し繋がってる。

クラスで一番目立つグループが広瀬愛華ちゃんのグループ。愛華ちゃんは
すっごく可愛い。で、愛華ちゃんの取り巻きも可愛いコばっかり。
私はこのグループには入ってない。私にはふさわしくないしね。

その次に目立つのが仙崎美織ちゃんのグループ。愛華ちゃん程じゃ無いけど
このコも可愛い。私はここに属してるんだ。

入学式の日、私は前の席に座ってたコに話しかけた。ここで出遅れたら大変
だしね。で、その相手が美織ちゃんと同中出身で仲が良かったみたい。

だから私は自然とそのグループに入った。私たちのグループは私を入れて
六人いる。

まず美織ちゃん、そして私、美織ちゃんと同中だった相田茉莉ちゃん、
高橋陽菜ちゃん、佐藤凛ちゃん、片山由奈ちゃんの六人。

美織ちゃんはとにかく可愛い。そしてニコニコしてるすっごくいいコ。

茉莉ちゃんはおっとりしていてのほほんとした感じ。

陽菜ちゃんはちょっと毒舌だけど普段は優しいコ。

凛ちゃんは控え目だけど自分の意見を持ってる。

由奈ちゃんは陽菜ちゃんと仲が良くてちょっぴり毒舌。

こんな感じなんだ。

3:ミナミ◆oo:2014/05/24(土) 13:24 ID:ZCM

これからも頑張って書いてくのでアドバイスとかコメントくださ〜い☆

4:ミナミ◆oo:2014/05/24(土) 13:59 ID:ZCM


私は朝学校に着くとまず美織ちゃん達のところに行く。美織ちゃんと茉莉ちゃんは朝来るのが早いんだ。
でも、凛ちゃんと由奈ちゃんは結構遅刻ギリギリに来てる。陽菜ちゃんは私とどっこいどっこい。

で、喋ってる。内容は、昨日やってた歌番組に出てたカッコいいアイドルのこととか、誰かのウワサ。

昼休みになったらみんなで固まってお弁当を食べる。これも同じような話してるんだ。

食べ終わっても教室で誰かと話してる。休み時間にトイレに行くのももちろん一緒に。


正直、うんざりしてた。まあ、小学校高学年くらいから今までずっとこんな感じだったし慣れては
いるんだけどね。

だって、トイレぐらい一人で行けんじゃん。特に思い入れのないアイドルグループをみんなに合わ
せて褒めまくるのもイヤ。

かと言っ、て一人ぼっちも嫌なんだけどね。なんか、女子って極端。合わせなかったらハブられるし、
合わせたらみんなと一緒になり過ぎちゃう。

今クラスにも一人ぼっちのコが何人かいる。そのコ達はよく本を読んでいる。
陽菜ちゃんと由奈ちゃんに言わせると「根暗」なんだってさ。

そんなの、良いじゃんか。あのコ達は本を読みたくて読んでるわけだし、他人がとやかく言う筋合い
無いのにね。

心ではそう思っていても、私は「わかる〜」と共感しなきゃいけない。そんな事ないよって言ったら
いい子ちゃんぶってるって思われるし。

今日もいっつもみたいに話してたら、由奈ちゃんがみんなのあだ名決めようよって言った。
陽菜ちゃんがいいねって賛成する。もちろん私たちも。

「美織ちゃんはー、みぃちゃんとか?可愛い感じだしさー。」
由奈ちゃんがはしゃいだ感じで言う。
「あっ、それ可愛いー。」
美織ちゃんもノってる。

「じゃあ、茉莉ちゃんがまりりんで陽菜ちゃんがはるっち。実桜ちゃんがみゃお。凛ちゃんがりんりんで
賛成の人〜?」
「は〜い」
みんなが言う。

「じゃあ、由奈ちゃんのあだ名はー?」
「あ〜!忘れてたぁ」
「ゆなっぺで良くない?」
陽菜ちゃんが言う。あ、じゃなくてはるっちか。
「良いね〜」

そんな感じで私たちのあだ名は決まった。

「じゃあ、これからはお互いあだ名で呼ぼうね〜」

5:ミナミ◆oo:2014/05/24(土) 14:54 ID:ZCM

「みゃお〜、おっはよ〜!」

朝校門に着くと陽菜ちゃんに話しかけられた。

「あっ、陽菜ちゃん……じゃなくて!はるっち!おはよう!」

「もう!いい加減あだ名呼び慣れてよ〜、はるっちだけだよ〜?」

「う……、ゴメン……。」

「まっ、それはさておきとしてさ、今日プリ撮りに行かない?フラワーモールに
新しいプリクラ機入ったらしいんだよねぇ!」

「ホントに?行く行くー!」

フラワーモールとは学校の近くにあるショッピングモールの事。まだ出来たばっか
りで綺麗だから、うちの生徒御用達の遊び場ってわけ。

私たちはすでに何度かプリクラを撮りに行ってる。今日は家でテスト勉強する予定
だったけど、そんな野暮なことは言わない。

言ったところで、テスト勉強の息抜きに行こうよ〜って押し切られるのが関の山だもん。


結局私は放課後みんなと一緒にプリを撮りに行った。フラワーモールにはやっぱりうちの
学校の生徒がうじゃうじゃいた。

「あれっ?あそこに居るの桜沢先輩じゃない?ちょっと、みゃお!」
ゆなっぺが言う。

げっ、最悪。桜沢先輩っていうのは2年のまあまあカッコよくてまあまあ人気がある
先輩。私はその人に憧れてるって事にしてる。

なんでそんな事にしてるかって言うと……。

ある日の昼休みにまりりんが2年の斎藤先輩って人に憧れてるって言い出した。で、私にいきなり
「みゃおは憧れの先輩とかいないのー?」
って振ってきたわけだ。

全くいないって言うのもどうかと思うから、テキトーに人気のありそうで中学のテニス部でも先
輩だった桜沢先輩を挙げたんだ。


「あっ、女と一緒にいるー!やばいよ、彼女かな?みゃお、話しかけてきなって!」

何言い出すんだこのコは。他のコも「そうしなって!」って言ってくる。

「えっ、ちょっと!良いって!」

気が付いたら手を引っ張られて桜沢先輩の前に来ていた。どうしよ……。

「こんにちは〜!先輩!」
ゆなっぺが元気よく話しかける。参ったなあ……。

「ど、どうも……。」
私ももごもごと挨拶する。こうなるんだったら適当なこと言わなきゃよかった〜。

「えっ?ああ、1年?どーも。」
桜沢先輩も一瞬驚いたような顔をして挨拶している。隣の彼女らしき人も困ってる。

「先輩ってぇ、彼女いたんですかぁ?やりますねぇ!ヒューヒュー!」
はやし立てるゆなっぺ。ホントにやめようよ……。

「え?いや、まぁね……。ハハハ」
先輩も曖昧に笑う。絶対困ってるって〜!

私は微妙な空気に耐えられなくって
「じゃあ!失礼します!!」
と言い、ゆなっぺの手を引いてその場を後にした。

みぃちゃん達は少し離れたところで様子を見ていた。

「も〜!みゃおってばヘタレなんだから!あのままで良いの〜?」
ゆなっぺが文句を言う。

「いいよ別に……。アハハ」
うまく笑顔が作れない。やばい、私ホントに頭にきたかも……。

「ダメだってば!もう一回話しかけに行こ?ね?」
ゆなっぺが説得するように言う。何て言えば……。

「みゃおがいいって言ってるんだから良いんじゃないのかな?私たちが
とやかく言うこと無いと思うよ。」

りんりんが言った。良かった、今のすっごい救われた……。

「それもそうだよねぇ。ゴメンねぇ。」
まりりんも言う。

「そだね、まあみゃおのペースでいきなよ。」
みぃちゃんまで……!嬉しいなあ。

「わ、わかったよぉ。ゴメン……。」
ゆなっぺが謝る。

「ううん。いいよ、気にしないで。」
私は言った。


家に帰ってからりんりんにメールをした。
『あの時、ああ言ってくれてありがとね!すっごい助かったぁ(#^^#)』

返信が来た。
『いいよ、お礼なんて(-ω-)/私、みゃおがそんなに桜沢先輩に興味無いのってなんとなく知ってた(笑)』

そっか、りんりんは知ってたのかぁ。

普段みんなでいる時もニコニコしててあまり自分から話さないりんりんが、こんなこと思ってたなんて。

普段知らない部分を知れて私はなんだか嬉しくなった。

6:ミナミ◆oo:2014/05/24(土) 14:58 ID:ZCM

>>5
4行目誤爆した。正しくは、

「もう!いい加減あだ名呼び慣れてよ〜、みゃおだけだよ〜?」
です。

7:ミナミ◆oo:2014/05/24(土) 15:12 ID:ZCM

私はゆなっぺから来たメールをぼんやり眺めていた。

『りんりんって、何かいい子ちゃんぶっててムカつかない?wみゃおだって
あの時りんりんに邪魔されてムカついたでしょ?』

どうやらこのメールはりんりん以外の私たち4人に一斉送信されたらしい。

どうもゆなっぺはあの時りんりんに止められたのが気に食わなかったらしい。
私はまだ返信してない。

みぃちゃんは『そうかな?よくわかんないw』と返信したみたいだ。
まりりんも『私は何とも思わなかったよぉ』と返している。

そしてなんとはるっちは『共感!ちょっとヤな感じだったよね〜』と返信している。

なんで?なんではるっちとゆなっぺが怒るの?私はどうすればいいの?私一人にだけ
同意を求めてくるのはズルいよ。なんて返信すればいいの?

8:ミナミ◆oo:2014/05/27(火) 20:22 ID:ZCM

私は悩んで悩んで『よくわかんないや。おやすみ〜♪』と返信しておいた。

これで良かったのかなあ……。でも、ごちゃごちゃ考えるのはやめにしよう。

次の日の朝、いつも通りに学校に行った。ゆなっぺもはるっちも、りんりんもみんな何事もなかったみたい。

良かった。ゆなっぺを怒らせちゃったかと思ったけど、とりあえず平気みたい。

昼休みはいつもみたいに教室でお喋りしてた。ゆなっぺとはるっちが途中でトイレに行った。

私もその少し後に尿意を催したのでトイレに行った。他のみんなはお喋りに夢中なので一人で行ったんだ。

ちょうど私が個室に入ったのと同時くらいに、ゆなっぺとはるっちが出てきた。二人の声が聞こえてきた。

「昨日のみゃおのメールさぁ、ちょっとKYだったよね〜。空気読めよって感じ。」

えっ……。ゆなっぺの声……。やっぱり昨日は怒ってたの?

「わかる〜!あそこは普通のるよねぇ。やっぱちょっと空気読めない子なのかなぁ?アハハ。」

はるっちの声……。

「キャハハハハ!陽菜ってばひっど〜い!」

……。二人は、私が聞いてるってことも知らないし……、仕方ないのかな……。

でも、どうしよう。二人が教室に戻ったら、私がいないのに気付くだろう。
そして、その理由をみぃちゃん達に尋ねるだろう。そしてみぃちゃんはきっとこう言う。

「みゃお?みゃおなら二人がトイレ行ったちょっと後にトイレ行ってたよ。」

だとしたら……。二人は、私の陰口を私本人に聞かれてたことに気付く……。

あ〜、もう!!どうして私はこんなに間が悪いんだろう。別に今トイレに行かなくたって良かったじゃんか。

自分で自分に腹が立つ。二人の気配が無くなったのを確認して、私はトイレを出て教室へ歩いた。

あっ、そうだ!!私は他のトイレを使ってたことにしよう!私たちの教室がある三階にはトイレが二つある。

私たちの教室からは東側にあるトイレの方が近いけど、混んでたから西側を使ったって言えばいい。

私は教室に戻った。

「あっ、みゃお。おかえり〜。トイレ行ってたの?うちらの事見かけた?」
ゆなっぺに声をかけられる。

「ううん、見てないよ〜。東のトイレ混んでて、西の方使ったからさ。」
私はついさっき考えついた言い訳をすらすら言う。

「そうなんだぁ。」
ゆなっぺとはるっちが一瞬顔を見合わせる。やっぱり、陰口を聞かれてないのがわかって、ほっとしたのかなぁ。

そのあとの午後の授業で、さっきはるっちとゆなっぺが言ったことが頭から離れなかった。

表向きは仲良くやっていても、裏では良く思われていない。そんなの、女子の世界ではよくある話だってわかっては
いるんだけど、実際自分がやられると結構キツい。

今までだってこういう事は言われてたのかもしれない。私が気付いていないだけで。

9:rumia:2014/05/28(水) 05:28 ID:Gas


 こんにちは。rumiaと申します。
文体が私好みだったので読ませていただきました。
 いやぁ……いいですね。地の文(会話以外の文)が愚痴というかぶっちゃけというか、
堅苦しくないので(私の文みたいに)、とても読みやすいです!
 ただ冒頭がちょっと長くて単調かな、と個人的に感じました。
冒頭から何かしら動きがあるといんですが、説明だけ坦々と語ると、
 何か久しぶりに会った友達から、愚痴聞かされてるような
「う〜ん……まだかな〜?」感が出てきますので、ご注意を。

と、なんか図々しく語っちゃいましたが、主人公の心情変化が読み取れる面白い小説だと思います。
 続き待ってます。では、

10:ミナミ◆oo:2014/05/30(金) 20:26 ID:ZCM

>>9
おお!嬉しいです!アドバイスありがとうございます!頑張って続き書きます!

11:ミナミ◆oo:2014/05/30(金) 20:54 ID:ZCM

私、言われた直後は結構へこんでた。ショックなんだよなぁ。

私の思い込みかもしんないけど、二人にはそんなにマジには嫌われてないはずなんだよね。きっと。

女子ってさぁ、本っ当に怒んない限り、取っ組み合いの喧嘩とかしないじゃん?男子は些細なことで
しょっちゅうしてるけどね。

だから、ムカつくことがあっても言わないわけだしストレスが溜まるから陰口って形になっちゃうんだよね。

そうでもしなきゃやってらんないし。二人が言ってたのもそういうものだと思ってる。(少なくとも私はね!)

でもやっぱりへこんだ私は、塾に自習に行くことにした。成績は普通だけど、勉強することは嫌いじゃない。

めっちゃ集中して忘れちゃおうって魂胆なワケ。

で、塾に行く途中にバッタリ会っちゃったワケ。桜沢先輩に……。しかも向こうは彼女連れ。

何か、気まずくない?完全に私とゆなっぺは向こうに変な図々しいコ達って認識されてるよね……。

中学の頃に私は桜沢先輩と何回か部活で話したことあるし、先輩は私の事は知ってるはず。

私の方に桜沢先輩と彼女さんが歩いて来る。
先輩は彼女と楽しそうに歩いてるし、邪魔しちゃいけないと思ってなるべく避けるようにして歩いた。

先輩の事は嫌いじゃないけど、(かと言って好きなわけでもないよ!)やっぱ気まずい。

「あれっ、お前……、結城か?」
えぇっ!何で気づいちゃうわけ?

「あっ、ハイ。そうです……。」
もごもご喋る。

「あれ、この前の……。達也、知り合いだったの?」
彼女さんにも気づかれる。うっわ、最悪な感じだ。

「え、言ってなかったけ?中学のテニス部の後輩だったんだ。高校も一緒なんだ。」
そんな説明いらんし。

「へぇ……。」
彼女さんが私をじろりと見てくる。怖いよぉ。

「あの、塾あるんで!失礼します!」
私は早くその場を去りたくなって言った。ホントは自習だから、時間とか関係ないんだけどね。

「おうっ!気を付けろよ〜!」

先輩がニコニコ手を振ってくる。振り返すのもどうかと思い、ぺこりとお辞儀をしてその場を去った。

びっくりしたなぁ。これじゃあんまり勉強に集中できなさそうだ……。

12:ミナミ◆oo:2014/06/02(月) 16:59 ID:ZCM

やっぱりその日は、あんまり勉強に集中できなかった。

その代償なのか何なのか、私を待ち受けていたのは……。

「みゃーおっ!おはよう!」
朝通学路を歩いていると、ゆなっぺに声をかけられた。

「あ!おはよう!」

「うふふ、みゃおってば〜、見ちゃったよぉ?」

「へ?」

「とぼけても無駄!昨日、桜沢先輩と一緒に話してたじゃない!ついに付き合うことになったのねぇ!」

「えっ?なんの事??」

「も〜っ!知ってるよぉ!良かったねぇ、うふふふ」

「えっ、違っ……!それは……!」

「すっごい楽しそうに話してたよねぇ!じゃあ、先行ってるねぇ!」

ゆなっぺが言ってるのは、昨日偶然桜沢先輩と会った時のことなの?違うのに……。

どうしてちゃんと否定できなかったの?

13:◆oo:2014/06/08(日) 13:00 ID:ZCM

そんな私を待っていたのは、無責任な噂だった。教室に着いた途端、声をかけられた。

「結城さんって、桜沢先輩と付き合ってるってホント?」

声をかけてきたのは、愛華ちゃんのグループのコの一人だった。

「えっ……、違うよ!付き合ってなんかないよ!たまたま会っただけで……。」

「本当に?」

そのコはそう言いながら、ちらちら愛華ちゃんの様子を伺っている。愛華ちゃんもこっちを見てる。
イヤ、違う。クラスのみんな、女子も男子も私の方を見ていた。

私、そんなにマズいことしたの?誤解なんだけど。無責任なウワサ流さないでよ……!

「ホントに違うからね? 塾に行く途中でたまたま会って少し話しただけ。向こうは彼女さんと
一緒だったみたいだよ。」

私は、事実を嘘偽りなく話したの。だって、何も悪いことしてないじゃない。
そしたら、愛華ちゃんが呟いた。

「か……、彼女?」

声が震えている。

「あ、でも本当に彼女かどうかはわからないんだけどね。ただ、前に会った時もその女の人と一緒だったからさ。」

「……。」

「えっ……、どうしたの?」

「ひど……。」

愛華ちゃんが睨むように見ている。気が付いたら他のみんなもそうだ。私、みんなを敵に回すようなことしちゃったのかな。
どうしよ……。

「知らないの!? 愛華ちゃんはずっと桜沢先輩の事好きだったんだよ!? そんな無責任なこと言わないでよ!」

愛華ちゃんの取り巻きの一人が言った。

え……、私、そんなこと知らないよ……。

「ご、ごめん。知らなかった……。まあ、彼女かどうかはわからないし……。
案外お姉さんとか妹さんとか……。アハハ……。」

「謝んなよ!」

「え……。」

14:◆oo:2014/06/08(日) 19:42 ID:ZCM

「ホラ!早く!」

取り巻きのコが言う。どうすれば……。

「謝れよ!」

男子まで一緒になって言ってくる。ニヤニヤ笑いながら。あぁそっか、愛華ちゃんは可愛いから味方してんのか。

本当は思いっきり、ビンタしてやりたかった。どれだけスカッとするんだろ。

でも私には、それができなかった。頭を下げて、こう言った。

「ごめんなさい。愛華ちゃんが先輩の事好きだなんて知らなかった……。ごめんなさい、ごめん……。」

「……。」

愛華ちゃんは睨むようにこっちを見てる。

「土下座しろよ。」

「ワハハ、いいなそれ。」

土下座? そんな……。最低……。

「広瀬、泣いてるしな。土下座しろよ! どーげーざ! どーげーざ!」

土下座コールが次第に大きくなっていった。我慢ならなかった。私は立ち上がって、そいつらの顔にパンチを
お見舞いしようとした。

けど、それはこんな声に掻き消された。

「やめろよ! 無責任なのはどっちだよ!」

15:凛:2014/06/08(日) 19:50 ID:xCk

面白いですね!

とても読みやすいし続きが気になります
更新楽しみにしてまうS
私も小説書いてるのでよかったら見に来てください
http://ha10.net/test/read.cgi/novel/1402222289/l5

16:◆oo:2014/06/10(火) 16:05 ID:ZCM

>>15
ありがとうございます!小説面白いですねー!

17:にっきー:2014/06/10(火) 19:08 ID:ES6

いえいえ!私の小説にもコメントありがとう!
これからもよかったら見てください!
これからよろしくね!( ̄▽ ̄)

18:◆oo:2014/06/10(火) 19:44 ID:ZCM

だんだんと大きくなっていく『土下座コール』を掻き消したのは、男子の声だった。おせっかいな女子でも、
先生でもなかった。

声が聞こえてた方向を見ると、そこに立っていたのは――。

「先輩!?」

みんな一斉に声を上げた。だってそこには、桜沢先輩が立っていたから……。

「言っとくが、オレは誰とも付き合っちゃいない! もちろん結城も関係ない! 無責任な噂流してんじゃねぇ!」

「なんで……。」

私は声が震えていた。驚きと、恐怖だ。こんなことをされたら、ますます誤解されるんじゃないかって――。

19:◆oo:2014/06/11(水) 16:35 ID:ZCM

>>17
よろしくです(-ω-)/

20:◆oo:2014/06/11(水) 20:35 ID:ZCM

その後、騒ぎを聞きつけた担任がやってきて終わった。

私は、どうすればいいのかわからなかった。みぃちゃんやゆなっぺと、どんな顔して話せばいいのか。

噂を流した本人がゆなっぺなのはわかってる。でも多分ゆなっぺは「私と桜沢先輩が付き合ってる」とは
言ってないだろう。

『昨日みゃおと桜沢先輩が話してるの見たよ!』

と、言ったはず。その話がどんどん変形していって、最終的に私と先輩が付き合ってるって事にされたんだ。

ゆなっぺは、噂を流したのが自分だってバレても、「付き合ってるとは言ってないよ」って言い分があるから。

あくまでみんなが勝手に話を大きくしただけで、自分は悪くないという魂胆だ。ほんっとにセコい。ずる賢いんだ。


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