レインボーロジック

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1:ペペぺ◆SE:2014/06/11(水) 23:56 ID:ZQw


ーその日、虹が消えたー

ある街。ある日の昼下がり。
雨上がりの大空にかかっていた虹が突然はじけた。
刹那に散らばった赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の七色の光。
各々が鮮やかに輝きながら、街の中に落ちていゆく。
そして、この『虹の消失』をきっかけに、街には少しずつ不穏な波紋が広がり始める・・・


これは、七人の住人の視点から描く、オムニバス形式の物語。

2:ペペぺ◆SE:2014/06/12(木) 00:00 ID:ZQw

《緑⑴》


ー気づけば惰性で生きていたー

私は半分寝ているような心地のまま、上半身を起こしてみた。
月曜の朝日が昇りそうになっているみたいだ。
寝室の暗闇が、徐々に薄暗い青色に変わっている。
その光景を見て、思わずため息がこぼれてしまう。

私は朝、特に週明けの朝が嫌いだった。
眠気と気怠さが相俟って、何もする気力が起こらなくなるのだ。
それに、随分前からだけれど、私は毎日に充実感を感じられなくなっていた。
その充実を取り戻すためなのか、毎晩夜更かしをしてしまう。
昨日なんて、ほんの数時間しか寝ていない。

「学校行かなきゃ・・・」

それでも、そんなことをボヤきつつ、私はベッドから起き上がる。
嫌で嫌で仕方なくとも、私の身体はこの後朝食を食べ、身じたくをして、学校に行って授業を受けるのだろう。

3:ペペぺ◆SE:2014/06/12(木) 00:07 ID:ZQw


一体、何が私を動かしているのか。
休み時間を寝て過ごしているせいで学校に友達は少ないし、部活にも入ってないから学校の楽しみは無い。
だからモチベーションは空だ。

しかし、ある時から、私は「高校生だから」という理由だけで学校に行っいることに気づいた。

生きてる意味とか理由とか、そんなものは考えても眠たくなってくるだけだ。
ただ、流れてくる機械を組み立てるラインの一部のように、社会の歯車となって、寸分狂わず毎日同じように回るだけ。
私は、このまま今日も明日も惰性で生きてゆくのだろうか。

窓の外を見ると、いつのまにか日が顔を出しており、朝焼けの赤い光が眩しかった。




まぶたが重い。
少し油断すれば机にうつ伏せて眠り落ちてしまいそうだ。
教卓で担任の背の高い先生が話をしているが、私の耳は右から左へ聞き流す。
どうやら、今日の眠気は格別のようだ。
休み時間を全て眠りに費やしても、結局、今現在の帰りのホームルームの時間まで覚めていない。

4:rumia:2014/06/12(木) 00:21 ID:KCM

 コメントOKでなかったらすいません……。
とても共感できる内容で、描写もすばらしいです!
 続きが早く見たいです!! お願いします!

5:ペペぺ◆SE hoge:2014/06/12(木) 00:52 ID:ZQw

>rumia さん

コメントOKですよう。
楽しみにしていただいて嬉しいなあ。これから頑張って更新しますね〜

6:ぺぺぺ◆SE:2014/06/15(日) 00:22 ID:ZQw

私がウトウトと赤べこのように首を上下させていると、不意に先生の話している内容が耳にハッキリと伝わってきた。

「そういえば、昨日の『虹の消失』現象、見た人はいるか?」

『虹の消失』。
そのワードが先生の口から出たと分かると、私の眠気は一時的に吹っ飛ぶ。
私はそれに少し興味を抱いていたからだ。
先生の問いかけに関しては、私の前の席の女子が答えた。

「えー、何それ」

その女子が机の中でスマートフォンを隠しつつ弄っているのは、彼女の後ろの私にしか分らないだろう。

「『虹の消失』。今日の朝刊に乗ってただろ? ちょっとだけだけどニュースにも出てたし・・・。
あれこの街でしか見えなかったらしいぞ?」

「あー。なんか言ってたかも。それよりセンセー、早く終礼しようよ」

その話題に全く興味が無さそうなのは、その女子だけでなく、実質クラスメイトの大半だった。
ニュースで流れた、新聞に載ったといったって、所詮は小見出し程度だ。
クラスメイト達は、部活、勉強、遊びに気を回していて、虹がどうなろうと知ったことではないのだろう。
『虹の消失』が面白いことに感じられてしまうのは、私の毎日が退屈なせいなのか。

7:ペペぺ◆SE:2014/06/15(日) 13:00 ID:ZQw

先生も、その話題を続けるのは野暮だと思ったのか、

「じゃあ、気をつけて帰れよ」

と解散を出していた。
すると途端に、教室からは潮が引くように人が消えていく。
その中で、数少ない話せるクラスメイトが、部活に行こうと教室を出る際、私に「じゃあね」と短い挨拶をしてくる。
私はその返事をした後、いつも通り席にもたれてボーッとしていた。
とりわけ放課後にやることは無い。
私は、それとなく教室に残った少しのクラスメイトの様子を眺めていた。
先生と、大人しそうな黒ぶち眼鏡の男子が何か話している。
また、担任の先生が黒ぶち眼鏡の男子に何やら頼み込んでいるようだ。
もしかしてと思い、私がその会話に耳を澄ますと、案の定あの話題が聞こえてきた。

「頼むよ、『虹の消失』について、お前の科学部で研究レポート作ってコンクールに応募してほしいんだ」

先生の言い方から察するに、眼鏡の男子は科学部の部長みたいだ。
クラスメイトの部活なんて把握してないから、私が知らなかったのも当然か。

「でも、テルミット反応の実験が残っているし・・・」

「科学部の顧問の先生には俺から言っとくからさ。
こんなこと、滅多にないチャンスなんだぞ?」

先生が眼鏡の男子に詰め寄った。
その気迫に押されたのか、眼鏡の男子は不本意そうに了承する。

「分かりましたよ。そのかわり先生も手伝ってください」

「あー・・・悪いけど今日はダメなんだ。
嫁さんが昨日足を骨折しちゃって入院しててさ。
今日は早めに帰ってお見舞いに行きたいんだ。
明日からはガッツリ手伝うから、今日はお前達でやってくれないか?」

「・・・・・・はい」

そのやり取りの後、眼鏡の男子は先生に不信の視線を投げかけながら、教室から出て行った。
眼鏡の男子の去り際、私と一瞬目が合ったように感じたのは、気のせいだろうか。

8:ペペぺ◆SE:2014/06/15(日) 15:56 ID:ZQw

それにしても、先生は悪い人じゃないけれど、少し無神経な面があるみたいだ。
眼鏡の男子が機嫌を損ねるのも無理はない強引さだった。

さて、どうしたものか。
いつもはこのまま家に帰るのだが、今日は少し何かが引っかかった。

『虹の消失』

気になるのはやはりこれだろう。
『虹の消失』はこの街の住人が一部始終を携帯電話で撮影し、動画投稿サイトにアップロードしていた。
私は昨日、日曜日の昼なんて確実に寝ていたから、実際には見れず、動画で見ただけだ。
しかし、『虹の消失』は動画越しでも神秘的な何かが伝わって来るほどの怪奇現象だった。
にも関わらず、動画の再生回数は100も越えていない。
世の中はそれほどこの現象に感心が無いのだ。
私にとっては最近の惰性の毎日の中から、唯一見つかった"変化"なのに。
クラスメイトたちに同じく、世の中の人の毎日は目まぐるしく変化していて、そんな変化はちっぽけだということなのだろうか。

そんなことを考えていると、いつの間にか教室にはだれもいなくなっていた。
時計を見てみると、HR終了の時間からもう30分経っている。
軽くうたた寝していたのだろうか。
今、少し眠気が覚めているから、そうかもしれない。
さて・・・学校で横着してても仕方ないな。

「やっぱり、帰ろう・・・」

私はそう呟いてよっこらと立ち上がる。
通学用のリュックを背負うと、非力なため支えきれず、少しよろめいた。

9:ペペぺ◆SE hoge:2014/06/16(月) 02:39 ID:10s

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