生徒会の愉快なトランペット吹き

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1:クリン:2014/06/20(金) 18:10 ID:ipg

お久しぶりです。クリンです。
「ヒーロー家族」・・・燃え尽きました。ネタがない!
と言うわけで、新しいのを書いてみました。
読んでいただけると嬉しいです。
コメントもよろしくお願いします。

2:クリン:2014/06/20(金) 18:57 ID:ipg

主人公

杉山睦月(すぎやま むつき)
生徒会書記。吹奏楽部部長でトランペット担当。
ある日突然事故に遭い死亡するが、幽霊となってまた表れる。

東城瑠花(とうじょう るか)
生徒会会長。
成績は非常に優秀だが、オタクでふざけている一面も。

藤里竜斗(ふじさと りゅうと)
生徒会副会長。
頭が良く、真面目。
会長のふざけっぷりに日々頭を悩ませている。

西野冬也(にしの とうや)
生徒会会計。
いつも無口で大人しい。
が、行動力はある。

夏野宮子(なつの みやこ)
吹奏楽部副部長で睦月の親友。
フルート担当。

影日山春(かげひやま はる)
吹奏楽部のトランペット担当。
睦月に憧れている。
睦月達より一つ下。

3:クリン:2014/06/21(土) 10:53 ID:ipg

「じゃあね!睦月」

「うん。バイバイ。」

そう言うと、少女は手を大きく振って歩き出した。

少女の名前は杉山睦月。
この近辺に住む中学生である。
成績は、まあ良い方ではある。
容姿も悪くはない。(おしゃれすれば可愛いのに・・・なんだよこの長い前髪。)

どこにでもいる普通の中学生だ。

しばらくすると、睦月はカバンを探り始めた。
何を探しているかというと・・・

「あった!」

睦月の手にあるのは、一枚の楽譜。

睦月は、部活動をしている。
その名も、吹奏楽部。
担当楽器はトランペットで、これがめちゃ上手いのだ。実は部長も努めている。

「うーん・・・結構難しい・・・あ、やば。明日生徒会の会議だ。」

睦月は自分のケータイを取り出した。

自慢じゃないが睦月は生徒会にも所属している。
担当は、書記。
毎日大量の書類と戦っている。

「明日は遅れます・・・と。よし!」

パタン。
ケータイを閉じる音が、やけに大きく聞こえた。

その時だ。

ーーパアアアアアン!

後ろから、大きな音がした。
「音」は、そのまま睦月に向かってくる。

「え?」

睦月がそれを「トラック」だと気づいた時には、もう遅かった。

ーーバアン!

睦月の体が、宙に浮く。

そして、その体が地面に打ち付けられると同時にーー

睦月の意識は、薄らいでいった。

4:匿名希望:2014/06/21(土) 18:35 ID:ipg



「ぎゃはははは!ウケる!」

生徒会室に響く笑い声。
笑い声の主は、東城瑠花。
この中学校の生徒会長である。

そんなお偉い(?)人が、なんで

5:クリン:2014/06/21(土) 18:36 ID:ipg

すいません!
間違えた!
上のは少し無視しといてください。

6:クリン:2014/06/21(土) 19:28 ID:ipg

時は放課後。

「ぎゃははは!ウケる!」

静まり返った校舎で、一つ、笑い声のする部屋があった。

「あ、そろそろくるわね。あと少し読んでからにしよ。」

呟きが聞こえた後、ガサゴソと何かをする音がする。

笑い声の主は、この学校の生徒会長、東城瑠花。
彼女の手にあるのは、「数学」と書かれた本。

なぜ、教科書を見て笑っていたのだろうか。
それは、これから分かるかもしれない。

「あはは!何でー!?」

再度、笑い声がした時だ。

「こんにちは〜」

ドアからぬっと何かが現れた。

「あはっ・・・うわああああ!」

瑠花の声は一瞬にして叫び声に変わった。

「会長・・・大丈夫?」

ドアから入ってきたのは大人しそうな男子。・・・と、まだいるようだ。

「笑い声がするからどうしたかと思えば・・・楽しそうだな会長。」

後ろにいたのはまた男子。がっしりした体格。強そうな感じだ。そして、瑠花に向ける目が笑っていない。
瑠花は慌てて教科書を机に置き、椅子に座り直す。

「ややややあ諸君!元気かい!」

ロボットのような動きをする瑠花。
そのまま、なぜか敬礼のポーズをとる。

「会長・・・壊れた。」

大人しそうな方がつぶやいた。

さて、今入ってきた二人だがーー
二人とも、生徒会だ。

強そうな方は、藤里竜斗。
副生徒会長だ。

もう一人は、西野冬也。
生徒会書記。

「さて・・・大声で笑っていた訳を聞かせてもらおうか。」

竜斗が瑠花に詰め寄る。
体格の大きい竜斗に寄られると、とても迫力がある。

「ええええっと、あああの本を・・・きょ、教科書は面白いなあって思って。」

瑠花は、今にも泣きそうになっている。

竜斗が冬也に目で合図を送る。
冬也は頷くと、教科書に近寄った。
手に取ると、教科書にしては重い。

ーーん?

そして、教科書が膨らんでいた。
開いてみると・・・

バサッ

一冊の本が落ちた。
本には、某少年漫画の題名が書かれている。

「・・・オイ。」

「はい・・・ってうわああああああ!」

竜斗は瑠花の首根っこをつかみ、自分の顔の前まで持ち上げた。

「漫画・・・持ってきちゃダメだよな?」

「ハイ・・・」

「お前、生徒会長だよな。」

「ハイ・・・」

「風紀委員、訴えても良いか?」

「それだけはやめて下さい。あの人たちは怖いんです。もう「恐怖」の二文字でしか言い表せません。怖いんですやめて下さいマジで・・・」

ーーコイツ、一回風紀委員に呼ばれたことあったな。

そう思いながら、竜斗は冬也の方を向いた。
冬也も、こっちを見ている。

二人は、同時にため息をつくと、首をふった。

竜斗と冬也。
この二人、真逆のようにも見えるが、一つだけ共通点がある。

((やれやれ・・・))

それは、今、二人の目の前にいる瑠花に、日々悩まされていると言う点だった。

7:クリン:2014/06/23(月) 18:37 ID:ipg

「ところでさあ」

瑠花が口を開いた。
すでに竜斗から解放され、机に突っ伏している。

「むっちゃんは?」

しばらく、沈黙が続く。

「連絡・・・こない。いつも遅れるとき・・・連絡くる。」

「だよなー。今日は超重要会議っていうのに・・・連絡担当、誰だっけ?」

竜斗が振り向いた。

「あたしだよー。あ、ちゃんと今日連絡したからねー?ほら。」

瑠花がケータイを突き出す。

「ふつう・・・ケータイでしない・・・」

冬也がボソッと言った。


ーーーーーーーーーーーーー

むっちゃーん!
元気?
明日、生徒会会議あるから、予定空けといてちょ?
放課後、生徒会室に集合ね☆

ーーーーーーーーーーーーーー

「ある意味すごい文章だな・・・ん?」

『明日、生徒会会議あるから、予定空けといてちょ?』

「んん?」

『明日』

その瞬間、竜斗は叫び声をあげていた。

「おいいいいいいいい!」

「ふぇ?どしたの?」

「おい、これ!」

「へ?・・・て嘘おおおおお!」

ケータイ画面を見て、瑠花も叫び声をあげた。

今日は、先ほども言った通り超重要会議。
これからの学校推進を決める、大切な話し合い。

「どーすんだよ!?校長もくるんだぞ!」

「そんなの私に聞かなi「お前が悪いんだろーがああああ!」

激しい怒鳴り合いが続く。

「・・・・・・」

冬也は、静かに目を伏せた。
これ以上醜い争いを見たくない、と思ったからだ。

8:クリン:2014/06/23(月) 21:52 ID:ipg

「二人とも・・・目、覚めた?」

冬也の問いに、二人は頷く。

怒鳴り合いの後、結局殴り合いにまで発展した。
おかげで、二人の頬や腕には傷ができている。

「殴り合い・・・意味ない。ちゃんと対処・・・すべき。」

「そうだな。」

「あたしも・・・メール間違ってごめん」

瑠花の言葉に、冬也は首を振る。

「間違い・・・誰にでもある。・・・でも・・・会長、間違いすぎ・・・」

最後の方はボソッと言っていたため、瑠花に聞こえたかどうかわからないが・・・

「とにかく睦月はいないんだ。それを考えてーー」

竜斗が言いかけた時だ。

「大変だーっ!」

ドアから駆け込んできたのはーー

「榎木先生!」

生徒会顧問の榎木鈴香だった。

「みなさん!大変なのよ!大変!」

「何が大変なんですか?」

竜斗が尋ねると、榎木は咳き込みながら話し始めた。

「まず、テレビつけて。その方が話しやすい。」

瑠花が巧みにリモコンを操作する。
(さすがアニオタ歴8年だ。)

「()の中は無視してね♩悪意を感じるから。」by瑠花

テレビ画面に大きく映し出されたのはーー

『女子生徒、トラックにはねられ死亡。』

「なんですかこれ。」

「いいから見といて」

瑠花が再びテレビに目を移したときだ。

「亡くなったとされるのは、鳳山中学校に通う中学生、杉山睦月さんです。」

睦月の顔写真が出された。
その瞬間、生徒会室の空気が凍った。

「嘘・・・」

誰が言ったのか分からない。

榎木がテレビを消した。
画面は真っ暗なままで、何も映し出さない。

長い長い沈黙が続いた。

「先生・・・あれって、むっちゃん?嘘ですよね。」

瑠花が口を開いた。
榎木は何も言わない。
ただ、悲しそうに俯くだけ。

「嘘って言ってくださいよ・・・」

瑠花が泣き出した。

竜斗も冬也も、涙をこらえるようにして唇を噛んでいる。

「睦月・・・」

冬也が誰にも聞こえないような、小さな小さな声で呟いた。

9:クリン:2014/06/23(月) 22:32 ID:ipg

「ん〜もう最悪。今日が会議だったなんて・・・」

廊下に響く足音。
不満の声。

ーでも、そこには誰もいないー

「しかもみんな無視するし・・・」

『足音』は、だんだんと生徒会室に近づいている。

そして、『足音』生徒会室の前で止まった。

「こんにちわ〜。ねえ、聞いて下さいよ!・・・て、なんでみんな泣いてるんですか!?」

いつも聞いてる可愛らしい声。
お馴染みの口調。

「こんにちは・・・って、あれ!?」

顔を上げた瑠花が驚きの声を漏らす。

「誰か来たの・・・え?」

その人を見たら、誰もが驚くだろう。
見えたらの話だが。

現に今、『それ』が見える者全員が驚いている。

「へ?どうかしました?」

そこに立っていた人物とは・・・

「「「睦月!」」」

「はい?なんですか?」

10:クリン:2014/07/01(火) 17:31 ID:ipg

冬也side

僕等はいま奇跡を目の当たりにしている。

「奇跡?何のこっちゃ?」だって?

・・・奇跡・・・だよ、ね。
死んだ人が生き返るなんて・・・

奇跡だよねえ!


「むっちゃああああああん!」

椅子を蹴散らし机を蹴散らしーー睦月に向かって走る瑠花。
それはまるで野犬のようにーー
そして睦月に抱きつこうとする瑠花。

でも、瑠花は睦月に抱きつくことなく前のめりに倒れた。

「うが!」

睦月、机に顔面衝突!
これは痛い。

・・・というか今何が起きた。

隣を見ると、竜斗も驚いている。

えーっと睦月に抱きつこうとした瑠花が・・・

睦月にぶつからないで・・・

・・・通り抜けた。

「はああああああ!?」

数秒後、全てを理解した竜斗が叫んだ。
そりゃあね。

「あれ?むっちゃん、足無いよ!?」

瑠花が驚く。

と言うことは・・・

「幽霊・・・ですね。私。どーりで空中に浮いてると思ったら。」

睦月は楽しそうに笑う。

ーー笑い事じゃねえよ!

全員が思った。・・・はず。うん。

11:クリン:2014/07/01(火) 17:59 ID:ipg

その後はいろいろ大変だった。

睦月をこれからどうするか、とか。
会議はいつなのか、とか。
失神した榎木先生をどうするか、とか。

まあ、結局後回し。
「明日考えよう」てなった。

次の日ーー

クラスの話題はもちろん睦月。
悲しそうにしている人もいれば、いつも通りの人もいる。

「睦月さんのお通夜は今日6時から。全員きてください。」

先生の声に重なるように、静かな鳴き声が聞こえる。

ーー親友を失ったんだから、辛くて当たり前だよね。

「夏野さん」

僕は休み時間、夏野さんに声をかけた。

「あ、西野君。」

夏野さんは少し泣き止んでから顔を上げた。

「・・・大丈夫?」

僕はそう言ってハンカチを出した。

「ありがと・・・西野君、ハンカチちゃんと持ってるんだ。女子力あるね。」

「僕・・・男子。」

すると、夏野さんは「ごめんごめん」と言いながら笑った。

僕はホッとした。
無理して笑ってるようには見えなかったからだ。

「西野君・・・睦月と同じ、生徒会でしょ。いつも、どんな感じだった?」

どんな感じって言われても・・・

ドジで敬語使いで・・・あ、そういえば。

「いつも・・・話してた。」

「え?」

「夏野さんのこと。」

夏野さんは、少し驚いたような顔をした。


ーー睦月はいつも夏野さんの話をしていた。

『今日、宮子とお弁当食べたんです。そしたら宮子がタコさんウィンナーくれて・・・』


いつも必ず一回は話してたな・・・

「睦月に・・・聞いた・・・。」


『夏野さん・・・どんな人?』

そしたら、

『宮子はとっても優しい子ですよ。いつも人のことを最初に考えて・・・私も宮子みたいな優しい子になりたいなあ。』

て言ってた。


そこまで話すと、夏野さんはまた泣き出してしまった。

「睦月・・・ありがと。あんたの方が、いい奴だよ。」

夏野さんが、ちょっとだけ微笑んだ気がした。


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