楽から哀へ

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1:恵那◆Og:2014/07/05(土) 16:48 ID:B.A



ありえなかった。


あんなこと。絶対に。

2:恵那◆Og:2014/07/05(土) 16:56 ID:B.A



「 芽衣先輩ー。 」


「 あ、はい。 」

「 1年の花山さんがお休みなので…
えっと……その…まぁ、よろしくお願いします。 」


「 あ、わかりました。 」

返事を返す時のこの笑顔。


私はいつもいつの間にか笑っている。

なにもない時だって。


オドオドしながら笑ってる。

3:恵那◆Og:2014/07/05(土) 17:03 ID:B.A



【1章】いつもの学校


「 芽衣っぺー。卓球練習しようぜい〜。 」


「 え、あ……うん!やろやろー。 」

愛称付きで呼ばれるこの名前。

『芽衣っペ』


最初は嫌だったが、今となっては良い呼び名だ。




「 芽衣っペヤバイ〜!ラリー超続く〜!上手! 」


「 うん…!…ありがと! 陽菜美ちゃんも上手…だよー。 」

喋り方がおかしくなる。
いつものことだ。

4:*Fukurou*◆Og:2014/07/06(日) 08:16 ID:B.A


「 うん!芽衣っぺ優しい〜!超優しい〜!ありがとー! 」


陽菜美ちゃんは私の腕をブンブン上下に揺らした。
私は嬉しかったのか、しつこいと思ったのか、

いつのまにか笑っていた。


「 ……あ、そうだ陽菜美ちゃん…。 」


私は思いついたように言った。


「 んっ? 」


「 今日、家行っても…いいっ…?二人で勉強したいの。 」


―どうしよう。絶対表情おかしくなった。

「 うん!いいよ〜! 」

5:*Fukurou*◆Og:2014/07/06(日) 08:21 ID:B.A




「 ありがとう…。 」


「 そんなのいつものことじゃーん!ねっ?
あたしらは友達なんだから。仲間なんだから…。 」


「 ……うん! 」


笑顔で語りかけてくれている陽菜美ちゃんに、私はすごくほっこりしていた。



「 お願いしまーす! 」

「 お願いしまーす。 」

「 しつれーしまーす! 」


1年生たちが卓球場にどどっと入ってくる。

6:*Fukurou*◆Og:2014/07/06(日) 08:28 ID:B.A




「 さてとぉ〜!みーちゃん窓開けよう! 」


「 ちょい待ち皆まだラケット置いてるから…。 」

「 ……おーい。早く準備準備! 」


1年生達はまだ中学生になったばかりからか、ここの中学のマナーを
守っていない子もいた。

それでも私達3年生は、そんな1年生をリードしてあげていた。


16:00。


「 体操しまーす。 」


「「「 はーい。 」」」


可愛らしい返事が卓球場を囲んだ。

7:にっきー:2014/07/06(日) 11:57 ID:yAs

すごい面白いですね!

続き待ってます!!
私も小説書いてるのでよかったら見に来てください
http://ha10.net/test/read.cgi/novel/1402222289/l5

8:*Fukurou*(*´ω ` *)◆Og:2014/07/06(日) 14:49 ID:B.A


>>7:にっきーさん
ありがとうございます

時間あったら見に行きますね(*´∀ ` *)

9:*Fukurou*(*´ω ` *)◆Og:2014/07/06(日) 17:42 ID:B.A





「 芽衣っぺ〜試合やろ〜。 」


「 あ…うん!いい…よ? 」

本当に嫌だな。この自分の性格。
1日でも1秒でも早く直したい…。

辛い。


私は久しぶりに嫌な思いを感じた気がした。

「 …芽衣っぺ?試合しよ?…大丈夫?…まさかの調子悪い? 」

10:*Fukurou*(*´ω ` *)◆Og:2014/07/06(日) 17:47 ID:B.A



陽菜美ちゃんが心配をする。
だが私は陽菜美ちゃんの優しさに応えることはできず、


「 …悪く…ないよ…?ちょっと…考え事してて…さ。 」

と、変な返事を返してしまった。



「 …じゃあ早く試合やろう?迷惑かけないでよ? 」


「 ……あ、うん…。ごめんね。 」


…迷惑かけないでよ。…ってさ…。
もしかして迷惑かかったってことだよね。


そうだよね。

11:*Fukurou*(*´ω ` *)◆Og:2014/07/12(土) 17:49 ID:B.A




帰り道。
私は一人で帰るのが寂しかった。

「 陽菜美…ちゃん。…一緒に、かえ…ろ? 」


いつの間にか話をかけていた。



陽菜美ちゃんはびっくりとした様子で
私を見た。


「 …いいよ。 」

12:*Fukurou*(*´ω ` *)◆Og:2014/07/12(土) 17:51 ID:B.A



「 ありがと! 」



思いっきり笑顔になっているのが
自分でもわかった。


このわざとらしい笑顔。

嫌だ。
もっと自然になりたい…。

13:*Fukurou*(*´ω ` *)◆Og:2014/07/12(土) 17:54 ID:B.A



*2 妹


「 ただいまー。 …っとっこらせ。 」


私はかばんを放った。

「 あ、お姉ちゃんただいま。 」


無表情で見送る。


そう。妹の蕾(つぼみ)だ。

14:*Fukurou*(*´ω ` *)◆Og:2014/07/14(月) 20:38 ID:B.A



蕾は私のことが嫌いだ。
なぜなら私以外には笑顔を見せるから。


私のことを全て知っているんだ……

「 …あのさ…蕾……。 」


声が一瞬裏返る。
こんなときに。


自分でもわかった。

声が震えているってこと。

15:*Fukurou*(*´ω ` *)◆Og:2014/07/14(月) 20:41 ID:B.A




「 …何!!言いたいことあるんならもっと
ハッキリすれば?

お姉ちゃんのそういうとこ、昔からウザかった。 」


蕾は怒る。


どうして……?

私、なにもしていないのに……。



「 お姉ちゃん。覚えてる…?あのときのこと。 」

16:*Fukurou*(*´ω ` *)◆Og:2014/07/14(月) 20:42 ID:B.A



「 え…? 」



あの時のこと…?



「 それは…。 」

どういうこと……デスか?



「 大震災だよー。大震災。あの時引っ越してきたじゃん!愛知に!

忘れちゃった? 」

17:*Fukurou*(*´ω ` *)◆Og:2014/07/14(月) 20:45 ID:B.A



大震災………


あ…。
まさか……。あの時…!



『 やだあっ!お姉ちゃん!! 』


私の地域は震度5強という大きな地震が予想された。



『 大丈夫だよ…?ね…?こんなのたったの20秒くらいで収まるから…。 』

18:*Fukurou*(*´ω ` *)◆Og:2014/07/14(月) 20:48 ID:B.A



『 20秒?やだっ!あたし死んじゃう! 』


蕾はわがままを言いながらも私の腕を
がっしり掴んだまま離さない。



『 お願い…その手……離し…… 』
『 怖いよ…! 』



その時だった。

19:*Fukurou*(*´ω ` *)◆Og:2014/07/14(月) 20:51 ID:B.A



ゴゴゴゴゴゴ……


もの凄い音がした。
地面まで割れるような揺れ具合。



『 うわああああ…!!お姉ちゃん…怖い…っ!! 』

蕾が私に引っ付く。


『 大丈夫だから…死なないから……! 』


私は言ったものの、気付くと涙を流していた。



もう、ダメなんだよ。生きることなんて。

20:*Fukurou*(*´ω ` *)◆Og:2014/07/14(月) 20:53 ID:B.A




箪笥が揺れる。


私達に向かって倒れ掛かる。



『 危ない…!!蕾……。 』



私は蕾をしっかり抱いたまま、下敷きになっていたらしい。



幸い命に別状はなかったが、この時から蕾の性格は変わった。

21:(*´ω`*)◆Og:2014/07/15(火) 20:07 ID:B.A


てす

22:にっきー:2014/07/15(火) 20:49 ID:Dfk

すっごい面白いです!
続きまってます!
頑張ってください

23:(*´ω`*)◆Og:2014/07/17(木) 19:01 ID:B.A


>>22:にっきーさん
ありやあす。
頑張ります(*`・ω・*)

24:(*´ω`*)◆Og:2014/07/17(木) 19:06 ID:B.A




全く笑わずに無表情で
いるようになったのだ。


感情なんて感じない。

まるでロボットのようだった。



数日後、町や学校、何もかもが荒れてしまった。

その結果、私達は愛知県に引っ越すことになったのだ。

25:(*´ω`*)◆Og:2014/07/17(木) 19:10 ID:B.A




『 えー?愛知?
東京とじゃ全然遠いじゃん!!しかも
田舎のところ?ふざけんな! 』


蕾は怒る。



『 仕方ないじゃーん…。
愛知に行っても友達くらいできるよ。 』


私が言っても、蕾は

『 できねーよ。 』

と言い返した。

26:(*´ω`*)◆Og:2014/07/17(木) 19:12 ID:B.A




しかし、蕾がやっと感情を出してくれたことで、
私は少しだけ満足した。


**



「 ……で、愛知に引っ越して、今に至るってわけね。 」



「 ………。 」


私は何を言おうか考えることもできず、
ただただ無言でいた。

27:(*´ω`*)◆Og:2014/07/23(水) 15:09 ID:B.A


「 お姉ちゃん…。 」


「 …何? 」

私は強く返事を返した。
でも、気持ちは少し辛かった。

「 …私のこと嫌い? 」

「 …え…と、…それは…」

なんて言ったら良いかわからなくなる。
途端に蕾はふぅ、とため息をつく。

「 嫌いなんでしょ?
…もう、知ってるもん。 」

28:(*´ω`*)◆Og:2014/07/23(水) 15:13 ID:B.A



「 …嫌いじゃないよ。…ただ…
もっと笑ってほしいなって…思う。 」

私はやっとのことで言う。
けれども蕾は怒った。

「 何言ってんの。笑ってんじゃん。妹のことくらい
ちゃんとみなよ。 」

それも、凄まじい怒り声や癇癪ではなく、冷静に。

「 笑って…ないよ。私見てる。 」


「 …はぁ? 」

―私、見てる。見てるんだから―

29:(*´ω`*)◆Og:2014/07/23(水) 15:17 ID:B.A



「 ごめんね……蕾。
なぐさめてあげられなくて。 」

私が言う。


「 どうでもいい。つか、うるせー。 」

蕾は『ヘッ』鼻で笑う。


…神様。どうか、あの頃に戻してください。

―楽しかったあのころに…。


「 …はは。バカじゃん。 」

30:(*´ω`*)◆Og:2014/07/23(水) 15:21 ID:B.A



こんなこと…叶うわけないし、第一
神様なんて者この世に居ない。

「 どうでもいいから宿題やってるわ〜。
その後寝るで。またね〜。 」


「 おや…すみ。 」

私は蕾の後姿を見届け、フッと笑った。

もしかしたら今も、戻りたい過去の一部に
なるかもしれない。

私はそう感じた。

31:(*´ω`*)◆Og:2014/07/28(月) 08:43 ID:B.A



3*変わる生活

「 …おはよう、お姉ちゃん。 」
朝、眠たそうにしながらも蕾は声をかけてくれる。

「 おはよ。 」
私はなるべく、できるだけ笑顔で返した。

「 …あ、そうだ蕾。今から…朝食お母さんと作るんだけど、
蕾も一緒に…作る? 」

私はドキドキしながら蕾を誘った。
断られるのが怖かった。そのためのドキドキだ―


「 …別に…いいけど…。 」

32:(*´ω`*)◆Og:2014/07/28(月) 08:48 ID:B.A




「 ホント?ありがとう…!じゃあ、味噌汁作るから
定番の味噌入れてくれる? 」
蕾の気持ちを考えなきゃ…うざがられたら困るし…。


しかし、すでにうざがられていたなんて、私は知りもしなかった。

「 …やった!できたね…! 」
パチン、と蕾とハイタッチをする。
できた、というのは朝食全てのこと。

「 …うん。 」

蕾の口。端は上がっていたが、目は曇っているように見えた。
「 ……これも、全部お姉ちゃんのおかげだよ。
…ありがと。 」

33:(*´ω`*)◆Og:2014/07/28(月) 15:05 ID:B.A



私は嬉しくなり、

「 うん! 」
と明るい返事を返した。

すると蕾がにこっと笑ったので、私もフフフッと笑った。
けれども何かがおかしかった。

蕾は笑っているはずなのに、なぜか悲しそうにも見えた。
何故だろう…何かが。


「 それじゃあ、行ってきます。 」
私は挨拶をし、蕾と一緒に登校した。

34:(*´ω`*)◆Og:2014/07/28(月) 15:09 ID:B.A



教室の前。私はもじもじしながら立つ。
それはやはり、あのバカな自分の性格の一つでもあった。

「 おはよう。 」

なんとか笑顔で言えた…。私は口角をあげながら席に着いた。


「 …あぁ、おはよ…。 」
望実がだるそうに返事を返す。

見ればみんなだるそうだった。


「 あの…どう…した..の? 」
笑顔で話しかけた。

35:(*´ω`*)◆Og:2014/07/28(月) 15:13 ID:B.A




「 別にぃ〜?なんでもなぁい。
あ、それより皆〜。今度の日曜カラオケいこー? 」

「 いいねー!でも、さすがにクラスの皆は多すぎじゃね? 」

どうしたんだろう。皆。
私を仲間からはずしたみたいに…。

なんだか私は心の奥が痛んだ気がした。


「 あ…でもさぁ、芽衣っぺは? 」

陽菜美ちゃん…。


「 …あー、芽衣ねぇ…。 」

36:(*´ω`*)◆9E:2014/08/04(月) 13:28 ID:B.A



「 やだ。 」

誰かが言う。
私は心の奥がツキッと痛んだ。


「 …ぶっ。ひどっ。 」

陽菜美ちゃんは吹き出しながら言う。

陽菜美ちゃん…。


「 えー?芽衣はどうでもいいけど
カラオケって行ってもいい系?
受験勉強しないの? 」

「 受験〜?うちら低レべの高校入るつもりだからぁ〜。
勉強しなくてもいいっしょ。 」

37:(*´ω`*)◆9E:2014/08/04(月) 13:36 ID:B.A



望実は勉強熱心で、遠く離れた高校へ
入学するつもりでいた。

「 え!皆城川行くの? 」

望実は驚く。


「 そりゃそだよー?え、なになに?
まさか望実名古屋行くつもりなの? 」

「 はっ?名古屋?愛知行くなんて誰が言ったの。 」


何…何の話…?カラオケはどうしたの…?
私は呆然と立ち尽くしていた。


「 うーん。誰も行ってなーい。 」

38:(*´ω`*)◆9E:2014/08/04(月) 13:42 ID:B.A


「 アホ! 」

「 ぶっ…ぎゃはははは…。 」


「 大体、名古屋って遠くない?
名古屋に住むなんてあたし行ってないけど。 」
望実は笑いながら言った。

「って、ここ愛知じゃん! 」

「 ぶはっ…。望実は本当に愛知県民かよ! 」

私はどうすればいいの…?


チラリ、と陽菜美ちゃんを見ると、望実と一緒に
笑っていた。
私なんか見向きもせずに。

39:(*´ω`*)◆9E:2014/08/04(月) 13:46 ID:B.A




一応私は東京の高校に行くつもり。
蕾と離れて暮らすつもりだから、少しは寂しいけど。


でも小学生の時に友達だった子に会えるかも
しれないからま、いいかって感じ。


「 …。 」
私は取りあえず席に着いた。

私以外の皆が輪になっておしゃべりをしていたので、
なんだか嫌だった。

除け者ってのは…私みたいなことをいうんだなぁ…と思いながらも。

40:(*´ω`*)◆9E:2014/08/04(月) 13:54 ID:B.A



すると一人が振り向いた。


「 …ねぇ、芽衣っぺも入れてあげようよ。 」

だが、学年で最も気さくな亜由美が断った。


「 やだ!!なんにも喋ってくれないんだもんあの子!
なんかいっつもにこにこしてるだけで喋り方ムカつく! 」

叫ぶような声だった。
皆が一斉に私を見たので、なんだか恥ずかしかった。


「 …オイ。今の先生に聞こえたぞ。 」

フォルムで遊んでいた男子が言った。


「 亜由美声でかすぎ。バカみたいだぞ。 」

41:(*´ω`*)◆9E:2014/08/05(火) 09:54 ID:B.A




「 うるさいっ。 」
亜由美はにこにこしながら男子の背中を叩いた。

それを見て、クラスは大爆笑だった。
それほど面白くもないことだと思ったが。


私は本を読むフリをしながら、皆を観察していた。

―誰も私に目を向けるものはおらず、皆亜由美に集中していた。

ひどいなぁ皆…。


私は亜由美を睨んだ。

42:(*´ω`*)◆9E:2014/08/05(火) 09:59 ID:B.A



キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴った。


日直は陽菜美ちゃん。
堂々と前に立ち、次から次へとやることを進めていった。

立派だなぁ…私と違って。

私は羨ましくなった。

―でも、私を仲間からはずしたことは許せないから。


* * *

「 芽衣っぺ。ゴメン! 」

43:(*´ω`*)◆9E:2014/08/05(火) 10:05 ID:B.A




「 え…? 」
声をかけたのは、陽菜美ちゃんだった。


どうして謝るの…?

「 …あの時、芽衣っぺを仲間に誘ってあげられなくて…。
誘ったら、亜由美に何か言われる…と思って。 」

何。その謝り方。

自分のことしか考えてなかったの?
酷い。

私の気持ちも考えてよ。

44:(*´ω`*)◆9E:2014/08/05(火) 10:09 ID:B.A



そして、一気にこみあげてきた。


「 ―あ、あぁ、いいよ。謝ってくれて、ありがとう。 」
言えない。溜まろうとも、言えない…。

「 …うんっ。 」

陽菜美ちゃんは笑顔になり、望実のところへ行った。


元はと言えば、陽菜美ちゃんは望実と仲が良い。
そんなの知ってる。

―あたしらは友達なんだから。仲間なんだから…。

私はあの言葉を思い出す。

45:(*´ω`*)◆9E:2014/08/05(火) 10:13 ID:B.A



陽菜美ちゃんが言ってくれた、あの言葉…


完全なる裏切り。
私は思った。

あの言葉は全部嘘っぱち。本当は亜由美にいじめられたくないから、

―全部、亜由美に言われてやったことなんだ。


「 …そんな…。 」
私は今更気付いた。

46:(*´ω`*)◆9E:2014/08/06(水) 10:33 ID:B.A




私の目からは涙が毀れ落ちていた。

「 酷い…酷い…。 」


私は机に突っ伏した。
―もう嫌だ。最悪だ―


部活なんて行きたくない。高校も入学したくない…。
受験勉強なんて、する気がしない―



そして涙を拭った。

47:(*´ω`*)◆9E:2014/08/06(水) 10:35 ID:B.A



―――――

長かった授業も終わり、部活の時間が来た。
明後日は群大会。


群大会が終われば、3年は受験勉強のために部活を引退するのだそうだ。

「 …だるい。 」
気が付けば私はそう言っていた。

苦労を知られないように、皆の前ではにこにこしていた。

48:(*´ω`*)◆9E:2014/08/06(水) 10:39 ID:B.A




「 あ、芽衣先輩! 」

「 はいっ。 」
突然呼びかけられたため、私はビクッとしながらも答えた。

「 あのう、群大会が終われば、引退するんですよね…? 」

いいなぁ、1年生は。まだ中学生になりたてだから勉強とか少なくて―


「 あぁ、はい。 」

「 だから、その…。部長とか副部長とか決めておいた方が良いですか? 」

49:(*´ω`*)◆9E:2014/08/06(水) 10:43 ID:B.A


1年生の子の瞳は、まだ希望が見えるかのように輝いていた。
私なんか…

「 あー…。…それは、あ、先生に、聞いて? 」

緊張してこんなしゃべり方だし。堂々と話せる子って羨ましい…。

「 わかりました。ありがとうございます。 」

「 はーい。 」


1年生の子はお礼もちゃんと言ってて凄いなぁ。
もう…1年の頃に戻りたい…。

50:(*´ω`*)◆9E:2014/08/06(水) 10:46 ID:B.A



私はそう思いながらも、部活の準備に取り掛かった。

「 お願いします。 」

「 いやぁ、暑いね。 」


「 ホントだよー。むっちゃ怠い…。
んでもって、プールサボっちゃった。 」


「 おい。 」

2年生。いつも明るくておしゃべりが上手…。

「 …願いします。 」
あ。陽菜美ちゃん…

51:恵那◆9E:2014/08/08(金) 16:55 ID:B.A



私は陽菜美ちゃんをじっくり見つめてしまった。

陽菜美ちゃん、話しかけてくれるかな..。


「 あ、ひっちゃーん!今日居残りらしいよ! 」

「 マジか!!うわぁ〜サイアク…。卓球やりたかったなぁ…。 」


あの子は確かB組の真未(まみ)ちゃん…。
ひっちゃんか…。

親しい呼び方だな。

52:(*´ω`*)◆9E:2014/08/08(金) 16:58 ID:B.A



いいな。皆は。

私はすっかり他人が羨ましくなってきていた。


「 みーちゃん!モップ! 」

「 え?あ、はいはいー! 」


「 ん?始まりはモップかけなくてもいいんだよ? 」

「 えうっそ!もう!みーちゃん! 」

「 あははー。 」


でも一番羨ましいのは1年生。陽菜美ちゃんたちも、あんな風に笑ってたっけな。

53:(*´ω`*)◆9E:2014/08/08(金) 17:02 ID:B.A




私は特にみーちゃんみーちゃん言ってる子が羨ましかった。
活発で、元気が良くて…でもしっかり者で…。

私はなんで活発な性格に生まれなかったんだろう…

日に日にそう思っていくようになった。


「 芽衣…ちゃん? 」

「 えっ? 」

声をかけてくれたのは、真未ちゃんだった。

54:(*´ω`*)◆9E:2014/08/08(金) 17:05 ID:B.A


「 …あのさ、芽衣ちゃんさ…。
最近元気ないけど、なんかあったの? 」

いきなりのことを聞かれて、私は迷った。
そしてその後、じわじわと亜由美のことと陽菜美ちゃんのことが浮かび上がってきた。


「 …やだやめてっ! 」

悩んだ末、いつのまにか声をあげていた。

「 あ…。 」
真未ちゃんも2年も1年も、唖然として私を見ていた。

恥ずかしさがこみ上げる。

55:(*´ω`*)◆9E:2014/08/08(金) 17:09 ID:B.A



1年がそろって目を合わせていた。


私はそれをされるのが一番嫌い。
されたところで、あぁ、自分は嫌われたんだ…と思ってしまうから。

「 芽衣…ちゃん? 」


「 あっ…ご、ごめん。考え事してて…。 」
ダメだ。絶対変な奴なんて思われた。

もう無理…限界。

「 …そっか。何か困ったことあったら相談しりんよ? 」

56:(*´ω`*)◆9E:2014/08/08(金) 17:12 ID:B.A



「 うん…! 」


とは言ったものの、どうせ真未ちゃんにも変な人だって思われただろう。
こんな人生…やだよ。


―――――――

その後、私はあることにはまった。
それはインターネット。

偶然見つけた『ポエム掲示板』が、私にとっては元気をくれるサイトだった。

いろいろなポエムが書かれていて、同感できるものや感動できるものが
たくさんあるのだ。

57:(*´ω`*)◆9E:2014/08/08(金) 17:17 ID:B.A


*4 助けを求めて

−−−−−−−−−−−−−−−−−−
misa

人生 辛いことだってあるんだよ

でもね 生きていくほど楽しいんだよ

生きれば生きるほど 何かを学べる

私だって辛い

あなただって辛い

−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「 人生…か。 」

misaって人、本気なのかなぁ…。
私は次のポエムを見た。

58:(*´ω`*)◆9E:2014/08/08(金) 17:22 ID:B.A


−−−−−−−−−−−−−−−−−−
リオ

どうして自殺なんてするの?
せっかく生きられるんだから、自殺なんてもったいない

あなたが死ぬということは、きっと誰かが苦しむということ。

あなたの人生はたった一つ
それをもったいない終わり方で終わらせるなんて意味ない。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

自殺…。
人生は本当に一つだけ?

前世とか来世とか、ないの?

59:(*´ω`*)◆9E:2014/08/08(金) 17:25 ID:B.A



まぁいいか……。
私も詩、書いてみようかな。


私はそっとキーボードに指を伸ばした。

「 芽衣?勉強はいいの? 」

「 …後で。 」


「 そっか…。 」

お母さん、心配してくれてるんだよね…ごめん。
私、今勉強どころじゃ…ない。

60:(*´ω`*)◆9E:2014/08/08(金) 17:30 ID:B.A


私みたいな受験生、私だけ。
勉強なんかちっともせず、志望校はあっても入学なんてしようとしない。


将来のことなんか…最近はどうでも良いと思ってる。

私は再びキーボードに指を近づけた。

「 名前…か。 」


芽衣…だから…。5月…5月…芽衣…めい。メイ…。
May

Mayでいいや。
私はすぐに入力した。

61:(*´ω`*)◆9E:2014/08/09(土) 17:44 ID:B.A



私はすぐに何を書こうか迷った。
私は正直、創作系のことをするのが苦手だった。

「 …そうだ。 」


私は一旦ホームページに戻り、『ポエム画像』と検索した。
すると、すぐに文がついた画像を見つけ、青い文をクリックした。

「 すご。 」

そこには、恋愛やネガティブ系などのさまざまなポエムがあった。

「 …あ、これ面白い…。パクっとこ。 」

良いポエムを見つけると、すぐにメモし、さっきのページを検索した。

62:(*´ω`*)◆9E:2014/08/09(土) 17:46 ID:B.A



「 …よーし。 」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−
May

幸せを
思い出になんて

したくない…

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

送信しました。


「 …短いな…。まぁいいか。 」

63:(*´ω`*)◆9E:2014/08/09(土) 17:50 ID:B.A



私は満足するとPCを閉じ、勉強に取り掛かろうとした。

しかし、なかなか気分にならなかった。


「 …そうだ…。たしか3DS…インターネットに繋いであったはず…。 」

3DSを開くと、インターネットのところに行った。


―何調べようかな…。

「 ……掲示板…。 」


―掲示板…か。たしかそこは…。

64:(*´ω`*)◆9E:2014/08/09(土) 17:52 ID:B.A



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クリック。


すると、すぐにたくさんのスレを見つけた。
―漫画で…なんか見たことあるな…。
とりあえず…立ててみよう…。

どんな題名にしようかな。

65:(*´ω`*)◆9E:2014/08/09(土) 17:55 ID:B.A




スレ名:初めましてー(´▽`*)

名前:May

初めまして*今日からここ始めました〜
中3女子です!よろしくね(^−^)


「 まぁ…こんなんでいいか…。 」


生活が変わり始めたのは、この時からだった。

66:(*´ω`*)◆9E:2014/08/12(火) 12:02 ID:B.A


*4 インターネット


「 書き込む…っと。

…ふぅ。 」

疲れた、と私はソファーに倒れこんだ。
すると、返事を待っているうちに、だんだん眠たくなってきていた。

―眠いなぁ。寝ちゃおうかなぁ。


そう考えているうちに、私の瞼はいつのまにか閉じていた。


「 はぁ…。なんだろ…幸せ。 」

67:(*´ω`*)◆9E:2014/08/12(火) 12:04 ID:B.A



――――――

「 お姉ちゃん…起きて。 」


「 …はっ。 」
私は誰かに起こされ、目が覚めた。

―あ、蕾。

「 お姉ちゃん、書き込みなんてしたの? 」
蕾が難しそうな顔をする。



「 あ、うんー…。 」

68:(*´ω`*)◆9E:2014/08/12(火) 12:08 ID:B.A




なんかだるい答え方だな、と、自分で自分に呆れた。

「 見たよ、お姉ちゃん。3DS。 」

―見たのか…。姉のやつ勝手にみるなよ…。
私はイラつきながらも、

「 あー、そう。 」

と返事を返した。


「 何、その答え方。…はぁ。もういいや。
受験勉強しときなよ、お姉ちゃん。 」

69:(*´ω`*)◆9E:2014/08/12(火) 12:16 ID:B.A


―妹になんか言われたくないわ。…あーもう。だるい。イラつくよ…。


「 …う…ん。後でする…。 」
私はやっとのことで起きると、蕾が居なくなるのを見て3DSを開いた。


「 蕾電源消したのか…。まぁいいや。…面倒だけど。 」

私はさっきのところを検索して、自スレを見てみた。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

2:こねこ(=^・^=) 2014年7月5日(土)18:26 ID:
 初めまして(#^.^#)Mayさん
 よろしく♪

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

70:(*´ω`*)◆9E:2014/08/12(火) 12:21 ID:B.A


−−−−−−−−−−−−−−−−−−

3:みゆ 2014年7月5日(土)18:37 ID:
 
 
 こんにちわ〜♪受験生なんですね\(◎o◎)/!みゆより超年上!!
 宜しくお願い致しまーす(^^)/

−−−−−−−−−−−−−−−−−−


なんと。2人から返事が来ていた。

「 …っ。 」

―嬉しい…。こんな私に話しかけてくれるなんて…。

「 うん…。 」

71:(*´ω`*)◆9E:2014/08/13(水) 11:19 ID:B.A



「 よろしく…! 」
私は口に出していた。

それほど嬉しかったのかは、自分でもわからない。
そして私は気づいてしまった。

現実の世界ではうまく人と仲良くなれないのに、
ネットの世界では仲良くできる、ということを。


依存になることも知らず、私は返事を返していた。

つまらない日常の中、こんなに楽しいことがあるなんて
知りもしなかったから。

72:(*´ω`*)◆9E:2014/08/13(水) 11:26 ID:B.A


−−−−−−−−−−−−−−−−−−

4:May 2014年7月5日(土)19:13 ID:
2
はい−(*´▽`)/よろしくです

3
ありがとうございます(*▽*)受験頑張ります*

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

書き込むを押した。

こんな風に、ネットでは性格を変えることもできた。
凄い。書き言葉って凄い…。

私は話し言葉と書き言葉というものを、国語で習った気がした。

73:(*´ω`*)◆9E:2014/08/13(水) 11:30 ID:B.A



そんなことを考えていると、すぐに『こねこ(=^・^=)』から
返事が来ていた。

「 早いなぁ…。 」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−

5:こねこ 2014年7月5日(土)19:14 ID:
何か、話しませんか?

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

―この人、私が返事返すのずっと待ってたのかな…。
そう思うと、なんだか怖かったが嬉しかった。

74:(*´ω`*)◆9E:2014/08/13(水) 11:39 ID:B.A


−−−−−−−−−−−−−−−−−−
6:May 2014年7月5日(土)19:16 ID:
 そうですね(*・▽・)何話そうか?

7:こねこ 2014年7月5日(土)19:17 ID:
 恋バナでもしまそー(#^.^#)笑
 
 Mayさんは、彼氏、いるんですか?

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

この子…。すごいなぁ、女の子らしい。
あ、何歳だろう。聞いてみよ。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−
8:みゆ 2014年7月5日(土)19:18 ID:


 みゆも入れて〜〜(*^。^*)

9:May 2014年7月5日(土)19:18 ID:
 いませんよ(*´・▽・)こねこさんは居るの?*

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

75:(*´ω`*)◆9E:2014/08/13(水) 11:45 ID:B.A




―あ、みゆさん。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−
10:May 2014年7月5日(土)19:20
 9
 いいですよ*

11:こねこ 2014年7月5日(土)19:20
 いないよ(#^.^#)わたし、小5だし(笑)

12:みゆ 2014年7月5日(土)19:21


 Mayさんありがとうー( ^)o(^ )
 あ、みゆ、小6だよんw

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

76:(*´ω`*)◆9E:2014/08/14(木) 10:01 ID:B.A



−まぁ、今日は勉強でもしようかな。

私は【ごめん!勉強してきます(*´▽`)】
と書き込み、そのまま3DSを閉じた。


――――――――

「 お姉ちゃん何やってんの? 」
蕾が私の部屋に入ってくる。


「 あ、勉強…だよ。 」

私は笑顔でそう答えた。

77:(*´ω`*)◆9E:2014/08/14(木) 10:03 ID:B.A




「 ふぅん。 」

蕾はふぅとため息をつくと、部屋を出ていった。


…はぁ。勉強とか集中できない……。
もういっそ、高校なんてどうでもいいから、落ちちゃえ。


そうだよ。落ちて、遊んでしまえ。


「 …はっ。 」

って、私なんてことを…。

78:(*´ω`*)◆9E:2014/08/14(木) 10:08 ID:B.A


遊んじゃダメじゃん…
高校受験して合格しなきゃ……。


東京の友達にまた会えるかもしれないのに。

「 ……! 」


遊びたい気持ちと、高校に入学したい気持ちが私を混乱させる。


−あーあ。そうだった。思い出したよ…
私、別に友達なんてもの最初からいなかった。
友達だと思ってたやつらは、みーんな私を裏切っていたんだ。

79:(*´ω`*)◆9E:2014/08/14(木) 10:10 ID:B.A



みんな、みーんな私を白い目で見てきた。

友達だと思っていた人も…
もちろん、苦手意識があった人にも…

みんなみんな。

私を嫌っていたんだ。


親に相談しても、先生に相談しても、

「 自分が悪い。 」とか「 この学校にそんな生徒は居ない。 」
とかの返事。

思い出すと、涙が溜まる。

80:(*´ω`*)◆9E:2014/08/14(木) 10:18 ID:B.A



*5 裏切りの小学生時代

−あれは小5の時。

私は東京に居た頃から臆病で、あまり人と
話すことが好きではなかったのだ。

けれど、小5の時から、皆が話しかけてくるようになっていた。


それは、私が図書室で本を読んでいる時だった。


『 畑山さん。 』

声をかけてきたのは、原田さんだった。

81:(*´ω`*)◆9E:2014/08/15(金) 15:17 ID:B.A


原田さんは5年生の中でも最も背が低く、
たまに「チビ」と言われてからかわれている。

けれども、「可愛い」などと言われて
褒められたりすることもあった。


私はそんな彼女が羨ましかった。


『 …? 』


『 あのさ…、…本、今借りてる? 』

『 …ううん。 』

82:(*´ω`*)◆9E:2014/08/15(金) 15:19 ID:B.A



『 これから、借りるかな。 』


『 あぁ……まぁ、うん。 』

『 じゃあさ、一緒に借りよう? 』


『 ――いいよ。 』


愛想のない返事。
でも私はとても嬉しかった。その時は、こんな人が
いるなんて思ってもいなかったから。

83:(*´ω`*)◆9E:2014/08/15(金) 15:22 ID:B.A



そこで原田さんが提案した。


『 ねぇ!占いとか興味ないー? 』

『 占い…。 』

答えに迷った。
占いとか、そういう本は読んだことなかった。

いつも文学の本を見ていたから。


『 あるよ。 』
−原田さんに迷惑かけちゃいけないんだ。

84:(*´ω`*)◆9E:2014/08/15(金) 15:25 ID:B.A



そう思った私はつい、「うん」と答えてしまう。


『 あっ、マジで!?超意外!
じゃあさじゃあさー、恋愛系とかは? 』


恋愛…。
私はホラー物しか興味ないけど…
ここは取りあえず…。


『 ある…よ。 』

『 ぎゃあー!マジでマジで?
畑山さん、意外と女の子なんだね! 』

85:(*´ω`*)◆9E:2014/08/15(金) 15:28 ID:B.A



意外…か。
私はため息をついた。


−なんで原田さんはこんな私に…


『 …っでしょ?まぁ、家だと妹と一緒に
お菓子作りとかしたりするから…。 』


『 お菓子作り―!?てことは裁縫も得意?もしかして。 』

『 うん…まぁ……。 』

−本、いつ借りるのさ。

86:(*´ω`*)◆9E:2014/08/16(土) 20:18 ID:B.A



私はまたため息をついた。

早く本借りて読みたいのに。
でも…この人優しそうだしな。


『 凄いじゃーん!良いお嫁さんになれるよー。 』

『 え…お嫁さ…?…あぁ…うん。 』


『 …ふふふ。カワイー。さ、本借りよう。 』


待ちに待った貸し出しの時がきましたとさ。

87:(*´ω`*)◆9E:2014/08/16(土) 20:23 ID:B.A



『 んー、どんな本借りようー。 』
原田さんは口に出しながら迷っていた。

そんな私は、黙ったまま本棚を見つめるしかなかった。


――
その後も、皆は積極的に私に話しかけるように
なってきていた。

何も知らない私は、皆が私のことを
考えてくれたのかと思って嬉しかった。

『 ねぇ、明日の土曜日さ、家、遊びにおいでよ。 』

88:(*´ω`*)◆9E:2014/08/16(土) 20:25 ID:B.A



『 え、いいの? 』
私はさらに嬉しくなった。
目が丸くなったのが感覚で自分でもわかった。

『 いいよ!良くなかったら友達って
言えないじゃん!ねっ? 』

−希望の光が目の前にある。
あの1m先の目の前に−

『 …うんっ。 』


思えば、なんでこんなに仲良くなれたかっていうのも
皆が話しかけてきたからだった。私は何もしていない。

89:(*´ω`*)◆9E:2014/08/16(土) 20:29 ID:B.A



友達の家。
私と一緒に居たって、何もすることがないだろう…。

『 芽衣ちゃーん、クッキー焼いてきたよー。 』
『 わっ…美味しそう。 』


この子も優しい。…ううん、皆優しいんだ。
−いつぶりの笑顔だろうか。
いつぶりに、他人と一緒に笑い合っただろうか。

嬉しい。幸せだ――
私はにこにこしっぱなしでいた。

90:(*´ω`*)◆9E:2014/08/16(土) 20:34 ID:B.A




『 …なんか芽衣ちゃん、可愛くなったね。
…あ、いや…。芽衣ちゃん、いっつもぬぼーってしてたから…。
だから、笑ってた方がかわいいかなぁって。 』

−ぬぼー…か。私ったら、いっつも暗い雰囲気醸し出してたんだ。
今までの自分がバカみたいだった。

−でも、もうこれでいいんだ。だって『友達』ができたんだもん。

『 …うん! 』
『 さぁ、食べよっか! 』

お菓子なんてあまり好きじゃなかったのに。
なんだろう、凄くおいしく感じた。


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