時の女王

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1:珈琲:2014/07/09(水) 11:55 ID:InY

『チュン・・・チュン』

遠くから聞こえる鳥の声で、私は目を覚ました。
体を起こすと、長い髪がばさっと動いた。
見なくても髪がはねているのが分かる。

「おはよう・・・」

誰にも聞こえないだろう。
そう思いながらも、私は呟いた。

2:珈琲:2014/07/09(水) 11:57 ID:InY

始めまして。
珈琲です。
小説を書きますが、私、非常に文才がありません。
アドバイスとか、感想があればお願いします。

3:珈琲:2014/07/09(水) 13:02 ID:InY

起きたばかりだからだろうか。
頭がぼーっとする。
時計を見ると、短い針が『6』を、長い針が『12』を指している。

「・・・ふぁーあ・・・」

私はあくびをしながら階段を降りた。

「良、起きたな。おはよう。」

リビングですぐに会ったのは、お父さん。
いつも通り、仕事着の上からピンク色のエプロン。
ニコニコ笑顔も忘れない。
お箸を器用に使い、卵を焼いている。

「・・・はよっ」

私は素っ気なく返事をし、洗面所に向かった。

顔を洗い、髪に櫛を通す。

「長い髪。」

私はボソッと呟いた。

切りたい。
でも、お父さんが切るのを許さないんだよね。

『お母さんが、「子供が産まれたら、髪を伸ばすように言ってね」て言ってたんだ!』

私の頭に、そう熱弁するお父さんの顔が浮かぶ。

「はあ・・・」

お母さん・・・ね。


私の家は、お母さんがいない。

私が産まれて2年。
弟の桂が産まれてすぐ、母は亡くなってしまった。
まだ2歳だった。
母のことなど覚えているはずがない。
・・・写真などは見たことがあるが。


そんな母に「髪を伸ばせ」と言われても・・・なんかなあ。

三つ編みを編み終わったと同時に、お父さんの声がする。

「良ー!桂ー!ご飯できたぞー!」

「はーい」

「ごはん〜?」

隣の部屋からは、寝ぼけた弟の声。
私は桂の部屋のドアによっかかる形で喋りかける。

「早く起きな・・・そろそろ6時半。サッカーの朝練は?」

「ぐわあ!」

私の一言で慌てて起き出す桂。

「・・・はぁ・・・」


リビングにて。
机の上には、ふんわり焼きあがった卵、こんがり焼き色のついたパン。
サラダやべーコンもある。

「美味しそう・・・」

何気無く呟いた一言なのに、お父さんはすぐに反応した。

「だろ?今日の卵はフワッとするように頑張ったんだぞ〜。と、ペンダントはつけたか?」

「部屋に・・・」

ペンダント、というのは、母が死ぬ前に私にくれたもの。
母が好き、と言っていた桜色だ。

「ダメだぞ〜母さんがお前に、てくれたんだ。大切にしなきゃ。」

「・・・分かってる。」

「よし!」

二カッと笑うとお父さんはエプロンを取った。

「あれ・・・もう行くの?」

「ああ。朝から会議があってな。桂にご飯ちゃんと食べさせてやれよ。」

そう言って、急ぎ足で家を出て行った。

大変だな・・・大人って。

お父さんが出て行くとほぼ同時に、桂がすごい勢いで走ってきた。

「姉ちゃん俺行くわ!」

「待ちな。パンぐらい食っていけ。」

私が食パンを差し出すと、桂は咥えながら走って行った。

「・・・行ってらっしゃい」

私は食器を洗い、ざっと片付けした。
そして、鞄を持ちながら玄関に立つ。

「行ってきます。」

今日も、私の一日が始まる。

4:珈琲:2014/07/10(木) 18:24 ID:InY

教室の扉の前。
私は立ち止まる。
そして手のひらに力をこめると、一気に扉を開けた。

ギギッ・・・ギャララララッ

建て付けの悪いドア。
嫌な音をあげながら動いた。

「・・・はよっ」

誰もいない、と思った教室には、人が3人いた。

「おはよ〜良。」

「時兼さん、早いわ。」

「お、良ちゃん!」

全員、仲の良い女子だった。

一人目、藤本唯。
ちょっと面倒くさがり屋な子。
でも本当は優しくて、いつも私に声をかけてくれる。
本が好きで、このクラスでは一番仲がいい・・・かな。

二人目、東堂瑞樹。
成績優秀スポーツ万能の天才。
学級委員長兼生徒会長。
この学校の理事長の娘。
小説に出てきそうなこの人も、私に結構話しかけてくれる。

三人目、深瀬りりあ。
茶色っぽいくてくるんと丸まった髪の毛。
人懐っこい性格。
・・・かわいい。
髪の毛からして不良、て言われてるらしいけど、髪は生まれつきだって言ってるし、誰にでも気を使ってくれる。

「あ、そういえば、瑞樹が借りたいて言ってた本、駅前の本屋にあったよ」

「ホント!?やった♪」

「そういえばみずちゃんずっとその本探してたもんね〜。見つかってよかった!」

3人は、学校ではなかなかの有名人だ。
・・・そんな人たちが、なんで私なんかに話しかけてきたんだろう。
この地味で何の取り柄もない私に。

「良ちゃ〜ん!3時限目、なんだっけ〜?」

「えっと・・・数学。」

「・・・教科書忘れちゃった・・・」

「りりあ、やばくね・・・」

唯ちゃんが呟く。

まさにその通り。
やばいよ・・・
数学の田中先生・・・鬼だよ。

「もう。りりあったら忘れ物ばかりして。・・・私、父さんから二冊教科書もらっていたの。よかったら使って。」

瑞樹ちゃんが教科書を差し出す。

「みずちゃんありがと〜!」

「よかったね、りりあ。」

「・・・」

いつの間にか、私も微笑んでいた。

3人といると、なんだか胸が熱くなる。
毎日が、楽しいものになる。

「良、この本ありがと!面白かった〜」

「・・・良かった。」

3人が笑っていてくれるなら、私も笑っていたいな、って

「『森の探検隊』・・・かわいい名前ね。」

「次、私もよみたいっ」

「ふふ、いいよ」

私たち4人で、楽しく過ごしていけたらいいな、って、

そう思うんだ。

5:珈琲:2014/07/11(金) 18:40 ID:InY

「・・・ただいま。」

長い長い一日の終盤。
私は、家にいた。

「・・・」

これから、何をしよう。
ただいま、6時50分。
課題は学校で終了済み。
晩御飯も、買い物は済ませた。あとは作るだけ。

・・・なにしよ。

その時、なぜか、唐突に頭に浮かんだ。

“母さんの写真をみよう。”

なぜそう思ったのかは、自分でも分からない。
でも、足はしっかりとアルバムの方へ向かっていた。

・・・なんでだろ。

「う・・・」

重たいカゴをひっばり出すと、そこにはホコリかぶったアルバムたち。

私はホコリを軽くはらうと、一番古いアルバムを取り出した。

「・・・あれ?」

久しぶりに見た母。
それは、初めて見た時よりも美しく見えた。

昔は可愛い・可愛くないの判別もつかなかったから、かな?

「・・・む。」

それにしても、綺麗な人だ。
・・・私の母親とは思えないくらい。

しばらく、それに見入っていた。

「ただいま〜!・・・姉ちゃん?」

桂の声。
今は・・・7時?
10分も写真を見ていたのか。

「お・・・おかえり!」

慌ててアルバムを片付けると、私は立ち上がった。

「なんだよ〜。いるじゃん。」

私は、知らなかった。

「うるさいね。」

ペンダントが、怪しくきらめいていたことに。

私は、知らなかった。

「今からご飯作るから。・・・待ってて。」

桜色のはずのペンダントが、

じわじわと、赤くなり始めていたことに。

6:珈琲:2014/07/12(土) 20:57 ID:InY

『ぐあっ・・・がっ・・・」

『うわああああああ!いやだあああああ!誰が!誰れがああああああ!・・・がっ』

『助けて・・・助けて・・・イヤッ!』

「!」

嫌な夢を見た。
私以外のみんなが、次々と殺されていく夢。

心臓は大きく波打っている。
汗はびっしょり。

「・・・恐い。」

夢なんだ。
これは夢。

・・・夢のはずなのに

どうしてこうも悪い予感しかしないんだ。

「恐い・・・恐い・・・」

私は毛布にくるまって震えた。
『夢だ。夢だ』と自分に言い聞かせても、震えはやまない。

「嫌・・・」

「・・・姉ちゃん?」

いつの間にか、桂が立っていた。

「・・・どしたの。」

「いや・・・『どしたの』てうめき声が聞こえるからきたんだけど・・・姉ちゃんこそどうしたの?」

「・・・」

言えないな・・・
みんなが殺されていく夢を見た、なんて。

「・・・ちょっと悪い夢を見ててね」

そう言い訳しながら、私は部屋から出た。

「・・・無理すんなよ。」

ぽそり、と桂の声が聞こえた。

「ありがと・・・」

私の声は、聞こえたかな。

せっかく早く起きたんだし、今日は朝ごはんを作ろう。

晩御飯の残りでいいかな。
何か作ろうかな。

そんなことを考えているうちに、私はすっかりさっきの「悪い予感」を忘れていた。

7:珈琲:2014/07/15(火) 17:40 ID:InY

「良ちゃああああん!」

雄叫びのような声。
次の瞬間、背中にずしっと重みが。

「・・・りりあちゃん?」

時は、昼休み。

「ねえ、五時限目なんだった?」

「・・・えーっと・・・体育。」

「体育か・・・はぁー」

「・・・」

りりあちゃんが、こうしてため息をつくのも頷ける。

最近、体育祭の練習がキツくなってきた。
体育教師・豊田龍太郎先生は、とてもハードな授業をする。
たとえ、それが女子だろうと。

悪い時は、コース十周もさせられた。

そんな豊田先生が、体育祭で三年生に出した試練・・・

障害物競走だ。

ただの障害物競走じゃない。
もちろん、障害物は出てくる。
でも・・・その障害物が・・・

「ハードル十本!」

「二重跳び五十回!」

他にもたくさんある。

・・・ホントに嫌だ。

「ま・・・がんばろ。」

「・・・だね。」

その時、胸につけたペンダントがピシリ、と音を立てたのは

「おーい!女子早く着替えろー!」

「・・・はい。」

誰も気がつかなかった。

8:珈琲:2014/07/17(木) 20:00 ID:InY

「はぁ・・・」

めちゃくちゃ疲れた。

なんで5週もさせるかな・・・
おかげでこっちは筋肉痛。

「良ちゃーん!あと少しだから待っててー!」

「はぁーい」

今は、着替える途中のりりあちゃんを待っている。
ほとんどの人が、疲れて着替える気力さえ抜けている。

「はぁ・・・」

また、ため息をついた。

その時。

ぱきん

無機質な音がした。

からん

何かが落ちたのが分かる。

「・・・えっ」

言葉を失った。

今朝、きちんと首にかけたはずなのに。
外れるはずなんてないのに。

そしてーー

ーー桜色のはずなのに

そこには、この世のどんなものよりも紅い紅い、ペンダントがあった。
・・・なんで取れたんだろ。

拾おう。
そう思い、身をかがめた時だった。

バリン!バリン!バリン!バリン!

「!?」

反射的に、頭を抱えていた。

「いやあああああああああああ!!!!」

「ぎゃっ・・・ああ・・・ああ・・・」

続いて、女子達の悲鳴。

ーー何が起きたの?

恐る恐る頭を上げ、更衣室を覗いて見た。

「・・・ッ・・・」

紅。
それは、血の色。
この部屋の色。

「いやっ・・・」

割れた窓の近く。
黒い、マントが見えた。

「ああ・・・」

嘘だ。
こんなの嘘だ。
私の大好きな人たちが。
目の前で殺されていく。

「やめて・・・」

ねえ神様。
嘘って言ってよ。
こんなの・・・

「嫌だよ・・・」

その時、黒マントと目が合った。

へたり。
私は座り込み、死を決意した。

ーーああ。
なんて地味な人生だったんだろう。
どうせなら、あの時ちゃんとやっておけば・・・

その時だ。

「に・・・て」

「え?」

懐かしい、か細い声。

「逃げ・・・て。」

「・・・唯ちゃん・・・」

生きていたんだ・・・
黒マントの目が、唯ちゃんに行く

・・・だめ。

「逃げ・・・てよ。良・・・お願い・・・」

喋らないで。
あなたが黒マントに殺されてしまう。

「お願い・・・だから。」

唯ちゃんの目から、雫が零れた。

一歩、一歩。
黒マントの足が、唯ちゃんに向かう。

「やめて!」

「生きて・・・」

最後の言葉。
そのまま、唯ちゃんは・・・

殺されてしまった。

ああ。
私が何をしたの?
何がいけなかったの?

ーー神様。

「かみ・・・さま。」

9:珈琲:2014/07/17(木) 20:01 ID:InY

遅いですが・・・
この小説、グロいですね。
気をつけてください。

10:珈琲:2014/07/20(日) 22:52 ID:InY

『生きて』

「!」

唯ちゃんの声を思い出し、私は我に返った。

そうだ。逃げなくては。
お父さん達に知らせなきゃ。
私はまだ諦めるわけにはいかない。

私はペンダントをぎゅっと握りしめると走り出した。

「!」

後ろからすごい勢いで追いかけてくる足音が聞こえた。
黒マントだ。
私の足では追いつかれてしまうかもしれない。

でもそれまでに学校を出られれば。

助けを呼ぶことができれば。

幸い、更衣室は玄関のすぐ近く。

「ハァ・・・ハァ」

足音が近い。
でももう出られる!

私は扉を破るようにして外に出た。
よし!

「やっ・・・」

え?

動けない。

何が起きているの?

「・・・これで分かっただろ。」

地の底から響くような、低い声。

「ああ・・・」

街は、荒れ果てていた。

大きな悲鳴と物々が壊れるような音。

人々が、殺されて行く。

ちょうど、目の前を走って逃げる人がいた。
黒マントが、すかさず走り寄る。

「嫌だ・・・」

こんな世界。

「ぐあっ・・・がっ・・・」

「うわああああああ!いやだあああああ!誰が!誰れがああああああ!・・・がっ」

「助けて・・・助けて・・・イヤッ!」

「嫌ああああああああああああっ!!!」


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