逃げてもいいから

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1:葵:2014/07/09(水) 20:21 ID:AyQ

〜序章〜
・・・
……
うるさい。
教室のオトが妙に頭に響く。
違和感を覚えた。

何故だろう?
昨日までは普通だったこの教室。みんなの会話がうるさく感じる。

――いや、違う。うるさいのはみんなの声じゃない。
わかってる。わかってるんだ。でも、それに気づいちゃいけない。隠していなきゃいけないんだ。

この三年間、必死に

2:葵:2014/07/09(水) 20:22 ID:AyQ

初めまして、葵です。
学校舞台の小説を書いていきます。
正直私、文才0なので!コメントもらえるとうれしいです^^

3:葵:2014/07/09(水) 21:04 ID:AyQ

時計の針が、四時を指す。
ふと気が付くと、辺りは夕焼けの赤に染まっていた。
ふぅとため息を吐き、私は眺めていた写真立てを机の上へ置く。

写真の中で輝く、みんなの笑顔。その中に混ざり、無邪気な笑顔を浮かべる私。蒼波小学校の一員として。


私は光崎 翡翠。一週間前に卒業式が終わり、手持無沙汰な春休みを過ごしていた。忙しかったのは、最初の五日だけ。その間、我が家は引っ越しを行った。地元から遠く離れた、都会へと。
蒼波小学校のみんなとは、中学校が違くなる。
誰一人、同小の子はいなくなるのだ。
仕方ない。いくら蒼波小のみんなが大好きでも、離れたくなくても、大人の、家族の都合があるのだ。
引っ越し理由は、親の離婚。あんなに仲の良かったお父さんたちから、そんな事は読み取ることができなかったが。
街中のマンションに住むことになった私とお母さんは、暇ながらも平穏な毎日を過ごしていた。
明後日は入学式だ。心の準備をするべく、写真の中のみんなに励ましてもらおうと卒業写真を眺めていたが、どうやら小1時間が経過していたようだ。
計37人。忘れることのできない、私の仲間。

4:葵:2014/07/09(水) 21:20 ID:AyQ

写真の中の私の隣に写る、二つ結びの優しそうな少女。
彼女を見た途端、私の唇からは彼女の名前が零れた。

「志帆、…」

小学校低学年時代、内気で控えめだった私は、いつも男の子とばかり遊んでいた。女の子よりも、男の子との方が上手く話せるような気がして。
そんな私にとって、初めての女の子の友達。
3年生から4年生へのクラス替えの際、隣でクラス表を眺める私に笑いかけ、『一緒のクラスだね』そう言ってくれた。
あの時、私はどう返答しただろうか。用がある時以外女子と話すことのなかった私にとって、彼女に話しかけられたという事は大きな動揺になったと思う。きっとしどろもどろな返事だっただろう。
でも志帆は、私に明るく接してくれた。
私のあの頃から、男の子と女の子のそれぞれの良い点を知ることができた。
更に男の子よりも、女の子との方が深い付き合いになっていくのを感じた。
奇跡というものなのか、それから私と志帆は同じクラスになり続け、卒業を迎えた。
当日、志帆は泣きながら私に抱きつき、『翡翠と別れたくないよう』と嗚咽を絞り出していた。勿論私も泣いた。
もし、筋書き通りに人生が進んでいたならば、志帆と同じ中学へ進み、毎朝一緒に登下校し、笑いあえていたはずなのに。

私は目を閉じた。過去を思っても仕方ない。中学では内気な性格を直し、志帆以上の親友を作ろう。
張り切って、そう誓った。

その願いが、悲しく淡く、そして儚く散ってゆくとは、この時の私は知る由もなかった。

5:猫又◆Pw:2014/07/10(木) 20:31 ID:qaQ

こんばんは、猫又と申します。
勝手ながら葵さんの小説を読ませていただきました。
 はっきり言って、かなりレベルの高い文でした。
文才0と仰ってましたけど、ストーリー・文体・文章事項等々、
 個人的にかなり好感の持てる小説です!

更新、ゆっくりとお待ちしてますので、これからも頑張って下さい。ではっ、

6:葵:2014/07/10(木) 21:58 ID:2xE

わあぁぁあああ!!!まさか読者様がいらっしゃるなんて思ってもいませんでした!!
コメントありがとうございます!凄く元気でました!!(≧∇≦)
更新遅いかもしれませんが、これからも読んでもらえるとうれしいです!!

7:葵:2014/07/11(金) 16:23 ID:6mc

 不安と期待が入り混じったまま迎えた入学式は、嬉々も難もなく幕を閉じた。
 翌日。私の目を覚ませたのは、母の呼び声だった。
入学早々遅刻しちゃうわよ、という母の声に慌てて飛び起き、時計を確認する。七時。予定起床時刻より30分遅かった。
何度も試し着をした制服に袖を通す。これから先三年間、ずっとお世話になるものの一つだ。そっとセーラー服の襟を撫でる。
そして急いでリビングへ駆け込み、朝食をとる。
 ――以前、私がこのように慌てて朝食を頬張っていると、あまり急ぐとこぼすぞ、と笑ってくれたお父さん。
そんなお父さんはもういない。
 何故急にこんなことを思い出してしまったのだろう。お父さんとお母さんはお互いのことが嫌になって、それで離婚してしまったんだ。お父さんにとって私は、離婚よりも低い存在にいた。――お父さんは、私ではなく離婚を選んだのだ。
「――?翡翠、どうしたの」
お母さんの声で、はっと我に返り、再び朝食をかき込む。
 仕方ない。もうあの日々は返ってこないんだ。思い出したら駄目。そう言い聞かせながら。

 学校へ到着し、昨日入学したばかりの校舎へ足を踏み入れる。
 小学校とはまた違う、見慣れない廊下が視界に広がった。迷子にならない様気をつけながらも教室表示に目を向け、足を進める。
1−1、1−2、…
 一層にぎやかな笑い声が聞こえてくる、あの一年三組が、私のクラスだ。
しまっている教室のドアへそっと手をかける。躊躇しながら、深く深呼吸をした。
大丈夫。今日が上手くいけば、一年間も上手くやっていける。
 
 カラカラと、音を立ててドアを開ける。
 全く知らない人たちが、同じ小学校同士で笑いあっていた。
「お、おは、よう」
 緊張で声が小さくなってしまったが、それなりに届く声だったと思う。勇気を出して近くの席の人達へ声をかけるも、気づかれなかったのか無視されたのか、何の反応も示されなかった。
ため息を吐く。昨日の予行演習では、ここでみんなが笑顔で『おはよう!』と返してくれ、何話してるの?なんて会話をつづけ、早速友達ができた、というシチュエーションになるはずだったのに。


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