〜青い悪魔の苦情〜 

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1:sango:2014/07/14(月) 18:26 ID:4Fg

 天使には苦情も、悲しみも、失望もない

 嫌われることも、ない

 
 どうして悪魔は嫌われ、天使は好かれ

 悪魔は災いの元を押し付けられなければいけないのだろう

 
 
 悪魔に翼はある
 
 けれど私は……



 『青い悪魔』だ――……

2:sango:2014/07/16(水) 16:35 ID:4Fg

character file

青雛 恵瑠 Aohina Eru ♀
data
中一
クラスで人気がある。
勉強もしっかり出来て、誰にでも優しく接するが、裏はとても恐ろしい。


赤旗 木咲 Akahata Kisaki ♀
data
中一
リーダーシップの強い女子。目立ちたくて委員長に立候補。

黒城 昴流 Kurogi Subaru  ♂
data
中一
人気者でそこそこモテる。ノリがいい人
赤旗に興味を持っているらしい。

3:sango:2014/07/16(水) 16:41 ID:4Fg

『story one』 〜天使になりたかった悪魔〜

 天使になってみたい……
 そんな願望が私の頭の中を占領し始めた。

 小学校の頃、地味で目立つことのない子、ということが微かに記憶に残っていた。
 中学校では変わると、脳内で宣言した。

「恵瑠〜!」
 廊下から足音が共鳴している。
 窓ガラスに赤旗がうっすら映った。

「木咲さん、何でしょう?」
 彼女は勉強もスポーツもダメなクズだ。
 周りも裏では嫌っていたりして……

 まぁ、こう言う奴と嫌でも接するのが『天使』だろうか……

「今日のワークの問題で分からないところがあって……やり方を教えて?」
 両手を合わせてウィンクする赤旗に私はクスッとしながら
「構いませんよ」
 と苦笑した表情で言った。

4:sango:2014/07/16(水) 16:50 ID:4Fg

 赤旗に方程式と等式教えるのに、20分もかからなかった。
 全て鵜呑みにしてワークを終わらせた。

「さー帰ろ……」
 鞄を手に持って、下駄箱まで歩く……。

 あいつは天使、あいつも……
 すれ違う人を天使類か悪魔類か見分けることができる。

 人間は天使類と悪魔類に分けられる。
 たまに神類が混じってたり。

 大きな違いは、前世が天使か悪魔かということと、天使は努力家、悪魔は才能家かの違いだ。
 大体は天使類だが、私は先祖が天使にも関わらず、悪魔として生まれた。
 それも青い悪魔……

 悪魔の中でも黒悪魔(これが一般的)
 紫悪魔(60000人に一人)
 そして――……

 青い悪魔
 すなわち、新人種、だ

5:sango:2014/07/16(水) 17:01 ID:4Fg

あ、コメントも送ってくださいね〜
というか、一通もないって……
――――――――――――――――
                \/
              (・O・)ださくしゃ

6:sango:2014/07/16(水) 17:04 ID:4Fg

少しネタバレすると……

恵瑠
天使類と悪魔類の中間で、神類とも言われる。
両方の血を持つ。悪魔類では青い悪魔

赤旗
へいぼんな天使

昴流
悪魔類で紫悪魔

7:sango:2014/07/16(水) 17:12 ID:4Fg


 キャーキャー!

 女子の甲高い声が、グランドの歓声をかき消した。
「昴流くん、レギュラーだ!」
「頑張って〜」
 赤旗も混じって、タオルを投げてあげた。
 
 どうやらサッカー部の試合中か……。
 夕日で黄金に輝く通路に出た。
 通路の方を、そそくさと……


「あっ!しまった!」
 ちくしょー!ボールが……っ
 相手のエースに惜しくもゴールを塞がれてしまい、コートからボールが物凄い勢いで出た。
 
 昴流は舌打ちしながらボールを見上げる。
「あ゛ーっ!危ないーっ」
 通路側……つまり、恵瑠の居る方へ、ボールは飛んでいるのだ!

「あ……」
 恵瑠はボールが10cmのところでようやく気づいたのだ……

 ガッ

「…………」
 恵瑠は黙ったまま泥だらけのボールを持つと、取りに来た昴流に手渡した。
 
「わ……っ悪ぃ……」
「気にしないで」
 少し頬が紅潮しているが、それでも笑顔を『作って』過ぎ去った……

8:猫又◆Pw:2014/07/16(水) 22:05 ID:qaQ

 こんにちは、猫又と申します。
冒頭を読んでみて、面白そうだったので全部読ませていただきました。
 で、読んだ感想なのですが……その、一つだけ質問してもよろしいでしょうか。

 sangoさんはこの青い悪魔の苦情という作品を、どんな気持ちで書かれていますか?

 暇つぶし、もしくは自由に書くのを楽しむために書いているのか、
それとも作家になりたい、もしくは文章力を上げたいと思って書いているのか。
 分からないなら分からないで構いません。
すいませんが、これ分からないと私、コメントできないんですw よかったら答えて下さい。
(邪魔だったら無視して下さい)では、

9:sang&◆QQ:2014/07/16(水) 22:24 ID:.BE

暇つぶし……のつもりです
ただ、文章力もないので練習がてら書いてます

ここはこうした方が……などありましたら
是非言って下さいね^_^

10:sango:2014/07/16(水) 22:30 ID:.BE

あと、猫又さんの作品
このティッシュ水に流せます

白語りが好きなんですよ^_^
参考にさせてもらいます!

11:sango:2014/07/16(水) 22:39 ID:CKM

まぁつまり…
作家になろう(そもそもなりたくてもなれない)とは
思いませんが文章力をあげたいので書いています

12:Sango:2014/07/17(木) 21:03 ID:fjk

新キャラdata

水音 晃. Mioto Kou ♂
Data
昴流同様サッカー部でイケメン
赤旗の彼氏という噂が

13:猫又◆Pw:2014/07/17(木) 22:48 ID:qaQ


 コメント返すの遅れてスミマセン……。猫又です。
私の作品を見てくれて、そして答えて下さってありがとうございます。

 そうですか、なるほど。
……あ、深い意味は無いんです。
 ただ私、アドバイスしようとすると止まらなくなるんですが、
小説書いてる人ってそこら辺デリケートなので、
どこまでがアドバイスで、どこまでが誹謗中傷になるか全くわからないんですよねw
 だから一応聞いておきました。(長文で小説壊してスミマセン……)

というわけで、これからも何度か見に来ていいでしょうか……?
質問ばかりでごめんなさい。では、

14:Sango:2014/07/17(木) 23:02 ID:OpI

もちろん大歓迎ですよ!^_^

15:sango:2014/07/18(金) 14:16 ID:5oI

「おい、何ぼーっとしてんだよ、昴流!」
「あー……わりぃ〜」

 
 にしても今日はひどい目にあったな……
 恵瑠は帰りには一人で今日の出来事をよく考える。
 それしか何もすることがないのが事実だが……


「なぁ、すばるっちー」
「晃か。何だよ」
 昴流は少しギクッとした様子だったが、晃は二やっとしていた。
「お前さぁ〜……赤旗が好きなんだろ?」
 弾んだ声で昴流に問い詰める……というより、冷やかしているようだ。

 2人は残ってボールを拭いていた。
 周りに人はいないが、それでも心配だった。
「それが?お前赤旗の彼氏じゃねーの?」
 冷たい声で言いながら、晃から視線を反らした。

「んーまぁね……」

16:sango:2014/07/18(金) 14:21 ID:5oI

 俺は別にあんなのは好きでも何でもないし。

 赤旗と俺は財閥の令嬢と息子で、互いに争っているライバル社同士。
 父の言いつけで、秘密を探れと言われ、近づいているだけであって……
 まずい勘違いをされたな……

「話ずれるけど……」
 晃は真顔になって話し始めた。
「お前のクラスに青雛ってやつ、いんじゃん?」
「あぁ……さっきボール当てちゃった奴か」
「あいつさ……母がこの学園の校長で父が大統領の有能秘書らしいぞ」
 少し声を潜めて、昴流の耳元で囁いた。

 サッカーボール拭きはどうしたのか、いきなり頭の上でボールを遊ばせた。
 

17:sango:2014/07/18(金) 14:25 ID:5oI

「だい……とうりょう?」
 俺は半信半疑で笑いながら問い返した。
「信じろよ、今イギリスに出張らしいんだ」
 晃はニヤニヤしている。
 というか、いつも怒られてもニヤニヤしているからよくわからない。

「それがなんだよ」
 ため息混じりに呆れた顔でボールを片付けていった。
 
 夕日が落ちて、薄暗い中、アスファルトの上に寝転んだ。
 汗でアスファルトが湿る。

「昴流、あいつを落としてみないか?」

 晃は笑みをうっすらと隠し、真顔で昴流に向かっていた。

「……は?俺興味ないし、女誑しじゃないし」
「青雛モテるからなぁ。俺なら楽勝だけどな!」



 

18:sango:2014/07/18(金) 14:34 ID:5oI

 ビー玉のような煌きだけど、サファイアのような濃い青をした海が見える。
 その上を真っ白なかもめが踊るように飛ぶ――……


 このクラスでは今いじめが流行っている。
 中心となっていじめるのは赤旗。
 いじめられているのは……名前忘れた。

「ねぇ〜恵瑠も虐めない?」
 赤旗がクスクス笑いながらこっちに寄ってきた。
 バカバカしい、そんな時間ないしそもそも私の半径1m以内に来るなクズ!

「いいえ、結構です」
 笑顔をまた作って、赤旗に丁寧な口調で言った。
「えー残念ー、でもいいや、いつでも味方するね!」
 なんのだよ……

「でさぁ、私委員長立候補したのになれなかったの。何でだろ?」
 理由は明確だよ……

19:sango:2014/07/18(金) 18:06 ID:5oI

「……け……」
 先生に頼まれ、一人で荷物を運んでい時だ。
 蛍光灯が壊れているため、薄暗く殺風景な物置だ。

 不気味で弱々しい掠れた声が微かに耳に入る。
「れ……誰……」
 背後には誰もいない。前にも、横にも――

「助けて」
 さっきのぼんやりとした聞き取れない音に比べ、鮮明な声だ。
 聞こえる――はっきり
 
 た す け て――

「誰……?」
 眉を潜め、荷物を持ちながら見回す。

「青雛さん……」
「わ!白夜さん?どうしてこんなところに……!」
 白夜さんはクラスメートでいじめの対象……だった気がする。
 地味で目立たないので、あまり知らない。

「青雛さんなら、誰にでも優しいから、助けてもらえるかと……」
 相変わらずの聞き取るのがとても難しい声で話された。
「赤旗さんから逃げてきたの?」
 彼女は黙りこくったまま僅かに首を縦に振った。

20:sango:2014/07/18(金) 18:12 ID:5oI

 いじめ、か―――
 
 私も受けたことがある。
 それは、とても辛くてもう自殺未遂をしたが、運悪く助かったり見つかったり。
 こんなに裏が汚く醜い心の持ち主の私が人を気の毒に思うのは久しぶりだな。
 
「赤旗さんから、どんないじめを?」
「えっと、上履きにペンキ入れられたり、教科書便器に落とされた……」
 あぁ嘘でしょ……

「今日は椅子に画鋲並べられたりノートを破られたです」
 低脳ないじめだな……やることがさすが幼稚だ。

「よくここまで見つからずに逃げられたね」
「ぁ……黒城さんが、『早く逃げて青雛の所に行け――』って」
 黒城昴流?どうして私に?

21:sango:2014/07/18(金) 18:19 ID:5oI

 青雛ならやってくれるだろう――
 あいつしか匿ってあげられる人は存在しないだろ
 迷惑をかけるかもな……

 教室中、白夜がいなくなって騒ぎになっていた。

「うわ〜白夜逃げたぁ、いくじなし」
「弱虫だよなぁ、あいつ」

 俺が紫悪魔ということを知って――
 まさかこの学園に本当に青い悪魔が存在していたとは……

 あいつは人の感情を手に取るように見てコントロールが出来る悪魔だ。
 
 あの時俺に見せたあの『笑顔』
 あれは笑顔じゃない――
 俺には分かる。あいつにも俺の事が分かる。
 
 陰謀に満ちた悪魔の微笑み だ――……

22:sango:2014/07/18(金) 18:28 ID:5oI

story U   〜天使の呪いと悪魔の罠〜

「分かった、とにかく今日は帰ったほうがいいわ。ここからなら……非常口ね、誰にも見つからないわ」
「ありがとうございます、昴流さんにも、お礼を言ってもらえませんか?そういうの苦手で……」
 白夜の頬が少し桜色に色づいたところを、私は見逃さなかった。

 白夜は比較的かわいいというより美人な感じだが、何故かいじめられる。
 何でだろう、性格の問題?

 荷物を資料室に並べながら自分に問いかけた。

23:sango:2014/07/19(土) 14:52 ID:5oI

 翌日、私は白夜の様子を気にするようになった。
 授業中、赤旗にケシカスを投げられているところを見逃さなかった。
 できるだけ、沢山の証拠が欲しい……
 でも先生に相談しても意味がないんだろうな――
 

「ぉ……ぃ」
 昴流は微かに声を精一杯搾り出すが、それでも青雛に届かない。
 俺って赤旗以外の女子には気軽に話せないんだな――今頃気づいた。

 図書室掃除で青雛と同じ班になった。
 青雛に妙な『何か』を感じる。ミステリアスというか――

「昴流くーん、雑巾変わってあげるよ〜」
 赤旗がホウキを昴流に差し出した。
「…………」
 青雛、今日雑巾やってるのか――
 あれ、何で俺気にしてんだろ?でもホウキやれる気分じゃないんだよなぁ
「いや、雑巾の当番だし、変わってもらうのは悪いから」

 灰色に染まった雑巾を青色のプラスチックのバケツに入った水で絞ると、汚い透明な灰色の水が流れた。

24:sango:2014/07/19(土) 15:16 ID:5oI

 悪魔は不運を呼び寄せる――……
 
 この言葉を知っているだろうか?
 私は青い悪魔。他人を不幸に巻き込むことも少なくはない。


 ビーッビー
「南塔3階家庭科室で火災が発生しました。速やかに校庭へ避難して下さい」
 廊下中騒ぎ声が聞こえるが、避難する生徒がいない。混まない内に早く……

「あれっ……」
 甲高いキーンとするサイレン音が耳を震わせた。
「まさか――図書室の窓を開けて!非情口は?」
 とっさの出来事に、赤旗達は唖然するが、昴流は青雛の指示通り窓を開けた。

「早く!赤旗さん達、早く出てっ」
 赤旗に怒鳴りつけるように青雛は大声で言う。
 焦げ臭い匂いが図書室まで来ている!

「あぁ、うん!」
「これを持って行って」
 赤旗は青雛から消化器を受け取ると、仲間と一緒に図書室を出た。
 他の生徒達も徐々に出始め、混んでいく。

 私は早く非常口を防火ドアを閉めないと――
 青雛は少々焦っているが、みんなと比べれば冷静だ。

 煙がうっすら入っているが、火はまだ届いていない。
 放送によれば、南塔が火事になっているはずなのに、もう北塔に?
 早い、速すぎる――!

25::

(荒らすなんて、バカみたい)

26:Sango:2014/07/19(土) 20:16 ID:muQ

アク禁依頼出しますよ?

27:sango:2014/07/20(日) 14:33 ID:5oI

「バカ、何をやっているんだよ!」
 少し咳き込んだ声で昴流は恵瑠を呼び止めた。
「だって……防火ドアを……」
「もう遅いよ!早く――っ」
 昴流の目から煙のせいで涙が少しずつ垂れていく。

「でも――っ」
 ガッ ガタン
「うわぁ……!」
 昴流は入口で恵瑠の腕を無理やり引っ張ると、図書室から抜け出した。

「皆心配してるぞ、早く行かないと……ゲッ」
 口にハンカチも手も当てないでいるから、余計煙を吸っている。
「ハンカチくらい、持っていないの?」
 恵瑠は黒いハンカチを取り出すと、口に当てた。

28:sango:2014/07/20(日) 14:37 ID:5oI

「あっ、そうだった!」
 
 火にまだ囲まれていなくて良かった。
「あれ?火事があったのは南塔の家庭科室じゃ……?」
 昴流に当たり前の事を聞くと、呆れたよう言った。
「そうだろ?それがなんだよ」
「いやだって……北塔の理科室から……」
 
 どうりでおかしいと思ったら――!

 恵瑠は走りながら軽く昴流の肩を突くと、指さした。
「理科室。アルコールランプから火が――」
「ゲッ、何で?」

29:sango:2014/07/20(日) 14:43 ID:5oI

 頭の回転が急に早くなる――……

 そう、今日の予定表を見たら家庭科室も理科室もどの学年も使っていないはず。
 事故なんてありえないんだ、意図的に放火を!

「あっ、職員玄関がある。そっちから行こう!」 
 昴流は恵瑠を促すと、職員玄関の方へ走った。
 深い霧に包まれているかのような校舎だ。

「あっ、ラッキー開いてる」
 職員玄関まで火が回っていなかったようだ。

 昴流は恵瑠を探したせいか、恵瑠より煤けていた。
 頬は灰色になっているし、熱気を感じる。
 だが視線はいつも通り冷たく鋭かった。

「危なかったぁ……死ぬかと思ったぜ」
 昴流はキッと校舎を見上げると同時に消防車が門の前に来ていた。

30:sango:2014/07/21(月) 13:43 ID:5oI

 勿論、学校中は大騒ぎになって、仮教室が建てられた。
 他の教室は燃えてはいないものの、かなり散らかった。

「今回の火事って……本当に事故なの?」
 教室で赤旗が誰かに尋ねるかのように呟いた。
「な……何言ってんのっ、放火だったら大騒ぎよ……」
 取巻き達が赤旗を何故か窘めた。

「もう大騒ぎじゃん。それに家庭科室はその時開いていたぜ。青雛……さんから聞いた」
 昴流は私を見ながら言ってのけた。

「えっ?ヤバ……誰がそんなことしたのよ?」
「そんなのこっちが知りたい」
 昴流は鋭い視線で窓の外に目をやった。

「それに家庭科室の後、理科室も燃えてたの。普通、火事が起きてから理科室で実験する?」
 私は要約口を開いて、小声で言った。
 

31:sango:2014/07/21(月) 14:42 ID:5oI

 花見亭で晃はジュースを飲みながらニヤけた。
「何だよ、き……気持ち悪ぃなぁ――」
 昴流は晃を鋭い視線で睨んだ。

 店内は同じ制服を来た女子や男子が集まって賑わっていた。
 もうかなり時刻は遅いが……

「お前こそ、怖い顔して」
 晃は口の端を少し右に釣り上げた。
「火事の時、残って青雛を助けたんだろ?俺見たぜ」
「何でお前が見てたんだよ、逃げてなかったのか?」
 昴流はオムレツをフォークでぶっ刺した。

「べ……別に。機嫌悪いな。マジで怖い」
「うるさい――」
 昴流は晃に何か少し怯えているようだ。
 何故かは知らないが。

「すみません、ライス大盛りでー」
 晃はどんどん注文する。財布の事を考えていないのか、と思ったら……
「昨日昴流に奢ったよな!今日お前のおごりっ」
「ざけんな、おい、おいっ!」

32:sango:2014/07/22(火) 08:39 ID:5oI

 昴流はオムレツを口にかっこんだ。
「うるへぇー、おへはふぇふふぃ……」
「なんて言っているか分からないよ……で、明日の試合どうする?」

 晃と昴流は先輩の試合に招待されている。
「別に俺試合に出るわけじゃないんだろ?」
 昴流は溜息混じりに呆れた様子で言う。

「参考にさせてもらう という戦術を身に着けようぜ、昴流は。お子様だな」
 あー、最近晃って気に障る事いうよな……どうでもいいけど

33:sango:2014/07/22(火) 08:50 ID:5oI

「あぁ着いた」
 恵瑠は両親が仕事で出張のため、学園寮に住むことになっている。
 
 1人1部屋と寮が広いのか学生が少ないのか余分な部屋が沢山ある。
 食堂が女子寮と男子寮の堺にあって、隣にホールがある。
 
 部屋に入ると真っ白なシーツのベットとタンスと机だけだった。
 ダンボールが1つ置いてあって、支給品が置いてある。

「はぁ……イギリスに行きたかったな――」
 ぶつくさ言っていると

「恵瑠〜?この部屋、恵瑠なの?」
 少し高い聴きなれた声がした。

34:sango:2014/07/22(火) 12:50 ID:5oI

冷やし中華、はじめました
短編、はじめました
http://ha10.net/short/1406000784.html

おいしい短編♪

35:sango:2014/07/22(火) 13:07 ID:5oI

「!……赤旗さん」
 厄介なのが来た、面倒だな……と思いつつ、冷たいドアノブを握った。

「やっほー、恵瑠も寮に?」
「あぁ、うん。今年からお父さんが出張でね。お母さんがこの寮にって」
 私の母は校長なので、寮の手続きも簡単に済んだ。

「そっかぁ、お父さん秘書なんだよね〜羨ましい」
「それで、何か用でも?」
 廊下はもう人気が感じられない様子だが、赤旗は小声で耳元に囁く。

「今から……さ、晃の部屋に侵入しようと思うの!」
「えぇっ、男子寮に!?」
 あぁ、あぁ、なんかどんどん巻き込まれる――!

「いつも部屋に入って脅かすんだ。合鍵も持ってる」
 そこへ、厳しいスパルタ先生が寮を徘徊しに来たらしく、ハイヒールの音が近づく。

「か……隠れてっ!」
 私は赤旗の手を取り、引っ張るとクローゼットに押し込んだ。
 

36:sango:2014/07/22(火) 13:14 ID:5oI

「ちょっ、恵瑠何すんの?出してっ」
「し……静かに!先生が見回りに――」
 ハイヒールのカッカッという音が薄くなった。

「ふぅーありがとう。じゃ、男子寮に行こう」
 赤旗はクローゼットから出ると、黒いコートを羽織った。
「えっ、何そのコート……」
「知らないの?寮の役員は黒いコートを着てるんだ。フードを被れば役員に見えるでしょ?」
 彼女はこの寮を完全攻略しているらしい。

「あぁ、うん分かった。私も行くから」
 タンスから黒いハーフコートを取り出すと、急いで羽織った。

 赤い絨毯がふかふかしていて、気持ちよかった。
 スリッパ越しでも柔らかさが伝わる。

 廊下はすごく長くて、薄暗い。 
 消灯の時間ではないけど、電気は大体消してあって3mおきにランタンがある。 
 ドアから光が漏れているので、皆が寝ていないということが分かる。

 赤いカーペットから青いカーペットに変わった。
 きっとここが男子寮なのだろう。

37:sango:2014/07/22(火) 13:20 ID:5oI

 長い廊下の一番奥に、明かりが漏れているドアを見つけた。
 あれが晃の部屋なのだろう。
 ドアには108号室 という銀色のプレートがかけてある。
 鍵は掛かっているが、ノックすると音が出るので鍵を自ら開けることにした。


「晃、居るかな……?」
 赤旗は合鍵をポシェットから取り出すと、奥に差し込んだ。
 
「晃?居る?」
 サッカーボールやトロフィーが床に散乱していて、あまり整頓できているとは言えない。
 選手のポスターは端が契れていて、テープも剥がれていた。
 机の上には紙袋があり、中にはコンビニで買ったらしいパンがあった。
 参考書が本棚からはみ出し、今にもドバっと来そうだ。

 明かりがついていて、いることは確かなのだが……。

 キイィ――
 
 ドアの開く音……!

38:sango:2014/07/22(火) 13:29 ID:5oI

 まさか、先生に見つかったんじゃ……!?
 赤旗の顔が真っ青に青ざめる。

「悪い、昴流の部屋に行ってて……」
 晃とその後ろに昴流が立っていたので、私は立ったまま軽く会釈した。
 浅くお辞儀をすると、彼らも目を反らしながらお辞儀した。

「今日は友達も連れてきたんだけど。ちょっと不安で着いてきてもらったんだ」
 はぁ?誰がお前の友達――
「へぇ、赤旗の友達かぁ!構わないよ」
 晃は勝手な勘違いをし、私に座るよう促した。

「へぇ、お前に友達がいたんだな」
 昴流は呆れたように苦笑し、赤旗を嘲笑った。
 赤旗が鋭く昴流を睨んだので昴流は赤旗から視線を反らした。

「俺の部屋に面白いものは無いぞ。昴流の部屋ならゲームを隠し持って……」
「おい!言うな……」
 晃の言葉を遮り、昴流は晃の口を塞いだ。

「どうせあんたのことだし、『モンハソ』とか『ドラヤキクエスト』でしょ」
 赤旗はお見通し、という感じで言ってのけた。
「『ドラクエ』面白いんだけど……」

39:sango:2014/07/25(金) 12:41 ID:5oI

「えっ?モンハソもドラクエも面白いぞ……」
 昴流は戸惑いながら言った。
 晃の部屋の汚い棚から隠していたドラヤキクエストのカセットを取り出した。
「ところでドラヤキクエストって何?美味しいの?」
 晃が昴流に耳元で囁きながら尋ねた。
 かなりのゲーマーだという噂だったが――
「知らないのかよ?おいしいドラヤキを求めて旅するんだ。今こしあんダンジョンとつぶあんダンジョンが……」

「ま、どうでもいいけど」
 赤旗は髪の毛をサラッと手で払いながら言った。

 やってられない、もう帰りたいんだけど――
「あ……私、もう帰るね」
 コートを羽織ってドアノブを握った。
 3人がこちらを一斉に振り向く。

「えっ、もう帰るのかよ、これからドラクエ初挑戦しようと思ったのに」
 晃が引き止めた。
「そうだよ、明日土曜日じゃん。学校ないしさ」
 赤旗が腕を取って、私の顔を心配そうな目で見た。

「眠いし……先生に見つかると怖いから。じゃあ、明日来るね」
 最後の方は何を言っているのか聞き取れないくらい小さい声で言った。
 言い終わらないうちにドアを閉め、駆け出した。

40:匿名希望:2014/07/27(日) 21:30 ID:GX6

コメント宜しくお願いしますー

41:sango:2014/07/28(月) 14:54 ID:5oI

 赤旗のせいで、コンビニに行こうと思っていたのに行けなくなった。
 
 それより今は、放火の問題といじめの問題がある。
 放火の問題は自分では解決できないとして、白夜は気の毒だ。
 彼女に纏わる噂の殆どが嘘らしい。

 第一彼女は両親を幼い頃亡くしているのに親は犯罪者って噂は矛盾している。
 一体赤旗はなんの目的で……?
 別に彼女の正確について悪いことは聞いていないし、大人しい努力家だ。
 
 カッカッ
 ドアのノック音が耳に入ってきた。
「……どうぞ」
 こんな時間に一体誰が――

「あの……」
 白夜――好羅理さん?逃げてきたのか?
「鞄に入れた鍵が壊されてしまって……部屋に入れないんです」
「……えっ、どうして――壊されたの!?」

42:sango:2014/07/28(月) 14:58 ID:5oI

白夜 好羅理 Byakuya Surari ♀
赤旗からのいじめのターゲットにされている
大人しい努力家
幼い頃両親をなくし、寮に住んでいる。

43:sango:2014/07/28(月) 15:04 ID:5oI

 私は彼女を自分の部屋に招き入れ、鍵をかけた。

「一から説明しましょう……」
 彼女は目を潤わせながら俯き、呟き始めた。
 

「私は両親がいないので、施設に入る予定でした
 しかし、施設の人数が多いため私はこの寮で掃除を手伝い
 ここに住むことができるのです。丁度いつもこの時間に終わります。
 鍵を開けようとしたら、鍵が折れていました。合鍵が無いんです」
 
 彼女はついに目からビー玉を落とし、声を震わせた。
 といっても、声は小さく、静かに泣いていた。
「悪魔の仕業なんだわ……あぁどうしましょう――」

 悪魔の――仕業……

「いいえ、これは誰かが意図的にやったものですから。安心して下さい」
 優しい口調で宥めるが、彼女は黙りこくったままだ。

「でも鍵を折るなんて……相当の力が必要よね――?」
 私は真っ先に赤旗を思い浮かべたが、赤旗は鍵を折れる程の力はない。
 熱した後もない。

44:匿名希望:2014/07/28(月) 15:35 ID:5oI

読者増やすにはどうすればいいんだろ…?
アドバイスあれば宜しくお願いしますね^^

45:匿名の人:2014/07/28(月) 17:20 ID:iks

 このサイトの小説版で読者を増やすとなると、難しいかもしれません。
あくまで小説版ですからね。有名な小説投稿サイトよりも読者数は少ない。
僕の知ってるところでは、
 コメントが激辛だけど完成した作品ならとりあえずコメントがもらえる『作家でごはん 鍛錬場』

ここと同じく掲示板方式。だけど作品が多いのでコメントもらえるかは不明な『小説カキコ』
 あたりを一度見てみるのも良いかも知れませんよ……?

46:匿名希望:2014/07/28(月) 17:25 ID:5oI

ありがとうございます^^

47:sango:2014/07/28(月) 17:52 ID:5oI

 彼女はギャーギャー喚いて、とても落ち着きそうにない。
 心も思考も乱れて、混乱しているのだ。
 
 私は励ましの言葉をかけてやりたいが、その度に喚き散らされる。
「ごめん……ね、ちょっと待ってて」
 一言言い残し、事務室まで駆けていった。

「鍵を……割られた?」
 寮の最高責任者の志田満は眉を寄せた。
「そんなまさか!」
 私は割れた鍵を渡すと、彼は青ざめた。
 青空の色というか、かき氷のブルーハワイだ。

「合鍵があるので……この件については後日伺いたいと思います」
 

48:にっきー:2014/07/28(月) 20:51 ID:NVQ

めっちゃ面白いです!

続き待ってます!!
http://ha10.net/test/read.cgi/novel/1402222289/l5
私も小説書いてるのでよかったら
見に来てください

私もあなたみたいな小説が書けるようになりたいです!
お互い頑張りましょう!

49:sango:2014/07/29(火) 14:01 ID:NFA

あ、ありがとうございます!
早速読ませて頂きますね!
頑張って下さい^^

50:sango:2014/07/29(火) 14:07 ID:NFA

「ほら、合鍵」
 事務室から預かった鍵を彼女に渡すと、安心したように言う。
 周りの部屋はもう皆寝ていて、しんとしていた。

 床のカーペットが濡れて、一部分色が濃くなっていく。
「ありがとう……でもどうしよう、私……」
 赤くなった目をこすりながら彼女は俯く。
「大丈夫よ、修理を依頼するからって。割った人に心当たりは?」
「ありません……鞄は学園のロッカーに鍵をかけて置いたんです」
 彼女は戸惑いながら鍵を見つめた。
 私も声を掛けるのを躊躇ったが、思い切って言った。

「今日は遅いから、もう帰った方が良いのでは……?」
 追い出すような言い方だが、彼女は私の言葉を受け止めた。
「そうですね、迷惑をかけてすみません。ありがとうございました」
 
 彼女は上着を翻すと、姿が見えなくなるまで猛スピードで駆けた。

51:sango:2014/07/29(火) 14:18 ID:NFA

 翌日は土曜日。
 昴流達はサッカーの試合に招待されてるし赤旗はどこかに行った。
 つまり気楽にできる最高の日なんだ……ってそうじゃないや。

 カッカッ
「白夜さん?居ますか?」
 私は102号室(超VIP室)を訪ねてみた。
 彼女は特別優待で入ったため、私と同様VIP室らしい。

「あ……青雛さん、先程電話がありました……」
 スマートフォンを取り出すと、留守電を再生した。
『白夜さん……?火をつけた犯人は貴方なんでしょう――?』

「私はつけていないし、授業も皆といた。なのに、どうして……」
 私は掃除当番であまり見ていないが、彼女は犯人ではないだろう。

 電話は何回かに分けられていた。
『警察へ出頭しろ』
『いい加減にしろ』
 どれもこれも低い男の声だ。
 それも聴き慣れた――……

52:にっきー:2014/07/29(火) 16:46 ID:CmA

私の小説を見てくださってありがとうございます!!
よかったらこれからも見てください!
私の事はにっき―と呼んでください!!

お互い頑張りましょう!
更新楽しみにしてます!

53:sango:2014/07/30(水) 19:04 ID:NFA

にっきーさん>>はい、是非とも^^

54:sango:2014/07/30(水) 19:14 ID:NFA

番外編  〜神の使いは悪魔〜

「只今、青羽学園12点、白神学院8点」
 
 晃と昴流は土曜の朝、部活のサッカーの試合に招待されていた。
 観客席はかなり混んでいたが、何故か2人はベンチの座る場所に居た。
 昴流達の青羽学園が1歩リードしているが、相手もなかなか強い。
 
「あ〜っ、シュート外したで、先輩〜」
 晃はハンカチ……ではなくタオルを噛みながら悔しがっていた。
 おかげで後日、晃のおやしらずは抜けてしまう……
「先輩そろそろ引退やからなぁ……最後の試合勝って欲しいなぁ」
 晃はスポーツドリンクを一気に1本飲み干す。
 昴流は落ち着かない様子で周りをきょろきょろ。

「どないしたん……」
「いや……何か妙に引っかかることが――」
 違和感が絶えず、視線を感じるというか、何かを忘れているというか。
 視線を感じるのはいつものことだが。

 

55:sango:2014/07/30(水) 19:28 ID:NFA

http://ha10.net/novel/1406715497.html
新作です
ギャグも入れる予定です。
良かったら是非セットで読んでみてくださ))殴


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