12の魔石と7つの大罪

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1:なずな:2014/07/18(金) 11:07 ID:bJU

学園バトルものです。
小説を書くのははじめてなので文章的におかしい部分などがあるかもしれません。気にせずに呼んでいただけると嬉しいです
アドバイスや感想、お待ちしております!

2:なずな:2014/07/18(金) 11:35 ID:bJU

私立清城学園高校。
広大な面積を持ち、多くの生徒が進学してきた高校であり、新設校だからか整備やセキュリティも万全、生徒にも
保護者にも人気の学校だった。
染島多恵子も、その1人だ。
「寮生活にも慣れてきたかな。荷物も全部届いたし」
清城学園高校は全寮制である。生徒1人1人に個室が設けられ、プライバシーや個人情報の管理も一流だ。
多恵子はベッドの上に寝転がり、ブレスレットを持ち上げてみた。このブレスレットはなぜか荷物の中に入っていたもので、母に電話してみてもそんなものは入れていないという。こういうアクセサリーを使うのは母くらいなので、母の私物でないとしたら誰のものなのだろうか。
(間違えて他の配達物の中から届けられた・・・・・・なんてこと、ないよな?)
起き上がって今一度ブレスレットを見てみる。綺麗な輝きを持つ石が装飾されていた。シンプルな作りだがなかなか豪華そうだ。
後で学校の図書室に寄って調べてみよう。そう、多恵子は思った。今日は昨日の入学式の振替休日で休みだから、基本的に自由に行動できる。学校内は広く、商業施設も立ち並んでいると聞くし。
「よっし!準備しようっと!」
多恵子は期待に胸を弾ませて、ハンガーにかけてあった制服を手に取った。

3:なずな:2014/07/18(金) 17:00 ID:bJU

学園の校舎から少し東に進んだ所に商業施設が立ち並ぶエリアがある。清城学園高校の生徒は長期休業時以外には学園の敷地外には出ないからだ。
真新しい制服を身につけ、多恵子はるんるんと軽やかな足取りで歩いていた。学園内といっても、そこらのショッピングモールくらいの大きさがある。年頃の少年少女が目を輝かせるのもわかる。
(うわあ、有名ブランドも取り揃えているんだぁ。お金はカードで支払えばうちの通帳に振り込まれるんだよね。やっぱり最新式の学校は違うなぁ)
ずっと下を向いて歩いていたからか、誰かにぶつかってしまったらしい。肩に軽い衝撃があった。
「す、すみません」
慌てて謝罪して相手を見た。

「・・・・・・え?」

そこにいたのは、覆面の黒ずくめの人物だった。
「ひっ・・・・・・!」
多恵子は恐ろしくなり、黒ずくめから距離を取った。辺りを見まわしてみても、怖いくらいに人がいない。
まるで、最初から多恵子と黒ずくめが二人になるように仕組んでいたかのように。
(逃げなきゃ、やられる!)
なにをやられるのかは自分でもよく分からなかったが、多恵子は一目散に逃げた。普段から運動をしておけばよかった、と思う。案の定黒ずくめは多恵子のあとを追いかけてきた。
ローファーだと走りにくく、多恵子は何度も何度も転びそうになった。だが、捕まりたくないという気持ちだけが強く、なんとかバランスを保ちつづけている。
「う、そでしょ・・・・・・?!」
目の前は行き止まりだった。それを見計らっていたのか、黒ずくめはポケットをごそごそといじりはじめた。
手には、カッターナイフが握られていた。
「ひいっ・・・・・・!」
多恵子はスクールバッグを胸の前で抱き締めた。盾の代わりになるだろうか。そもそも、スクールバッグがもつかもわからない。絶体絶命の状況だった。
黒ずくめがカッターを振りかざした。必死でスクールバッグを動かし、カッターから身を守る。カッターはスクールバッグに深深と突き刺さった。
(よっしゃ、このまま振り切って逃げれば・・・・・・!)

しかし、黒ずくめの左手には、もう1つカッターがあった。

(くそ!)
内心悪態をつく。死にたくない。刺されたくない。多恵子はぎゅっと目をつぶった。黒ずくめはあざ笑うかのごとく、カッターを振り下ろした。
・・・・・・が、痛みはなかった。
恐る恐る目を開けると、そこには1人の青年がいた。
つやのある黒髪はポニーテールにし、この学園の男子用の制服を着ていた。そして右手には、きらりと光る刃を持った、日本刀があった。
「え、誰」
多恵子が言うか言い終わらないかのうちに、青年は日本刀を真横に薙いだ。黒ずくめは血を流すことなくばたりと倒れた。

4:なずな:2014/07/18(金) 17:36 ID:bJU

「あの、ありがとうございます」
目の前の青年に多恵子はぺこり、とお辞儀をした。青年は左手でカッターを掴んだからか、左手からは血が滴っている。
「礼はいらん」
青年はぶっきらぼうに返した。相当無愛想なのか、はたまた痛みを我慢しているのか・・・・・・どっちにしろ、多恵子にはそんなことよりも青年の左手のケガの方に目を取られていた。
「ええと・・・・・・その、ケガ、治療した方がいいですよ。化膿したら大変ですし」
「人様に迷惑をかけるわけにはいかん。自分で何とかする」
「いやでも、助けていただいたお礼というかなんというか・・・・・・。私にだって責任はありますから」
そう押しきると、青年は仕方がないという風に被りを振った。
                       ***
多恵子は自分の部屋に戻ることにした。これから商業施設に行ってまた黒ずくめに襲われでもしたらひとたまりもない。
青年の左手に包帯を巻いていると、突然青年が口を開いた。
「すまない、ここまでしていただき、感謝する」
「別に大丈夫ですよ・・・・・・助けてもらったのは私だし」
青年は包帯を巻き終えたと見るとがばっと立ちあがった。多恵子はビクッとしてのけぞった。
「俺の名は蒼代正儀。魔石『アメジスト』の使い手・・・・・・といっても、わからないか」
「はい。全然わかりません」
即答してしまい、「すみません!」と謝る。蒼代は気にした様子でもなく、話を続けた。
「魔石というのは、特殊な力を宿した宝石のことだ。一般に売られている者とは違う。この魔石は12個あり、全て揃えれば揃えた者の願いが叶うと聞いているが・・・・・・あいにく俺は叶えたい願いなどないのでな。興味はない」
「じゃあ、このブレスレットについてる石が、魔石・・・・・・なんですか?」
「呑み込みが早くて助かる。それは魔石のなかでももっとも強い力を持つといわれている、金剛石ことダイアモンドだ。これをさっき狙ってきたのはそのためだろうな」
多恵子はしげしげとブレスレットを眺めた。じゃあ、さっきの黒ずくめは魔石をすべて集めようとしているのか。
「あの、私はこれからどうすればいいんですか?さっきの人にブレスレットを渡してしまえばいいんですよね?」
蒼代はさっと青ざめた。
「何を言っている!魔石を手にした以上、その魔石が持ち主の命の変わりともなり得る。手放せば持ち主は・・・・・・記憶をなくし、最悪の場合狂ってしまう。魔石とはそういうものだ」
そんなに危険なものだったのか。多恵子は右腕を握り締めた。小刻みに震えているのがわかる。
「それなら・・・・・・他に手は・・・・・・?」
「俺が『ダイアモンド』の眷属になり、お前を守護する。そうして、他の宝石を持つものたちからダイアモンドとお前を守る。そうすれば万が一ダイアモンドが取られてもアメジストが代わりになってくれるから、俺もお前も助かる」
青年がそう言ってブレスレットに手を重ねた。するとブレスレットは淡く輝き・・・・・・その光は日本刀に吸い込まれて行った。

5:なずな:2014/07/18(金) 21:24 ID:bJU

「な、なんだったんでしょう、今の・・・・・・」
「契約の儀式、といってもいい。ともかく、俺とお前は同じ魔石の契約者だ。敬語はなしにしろ。それと・・・・・・いい加減名を聞きたいのだが」
不審そうに眉をひそめる蒼代。怪しいものはとことん疑うたちらしい。
「わ、私は染島多恵子。・・・・・・よろしく、蒼代君」
「染島か。こちらこそよろしく頼むぞ」
にこ、と蒼代が微笑んだ。今まで仏頂面だったからか、こうやって改めてみてみると蒼代は男子の中でも美形に分類されるかもしれない。まだ男子に会ったことはないのでどれくらいいけているのかはわからないが。
「そういえば、蒼代君の寮って何号室なの?」
「ない」
「へーそうかないのか・・・・・・って嘘だべ?!」
突然の住む所がありません宣言に多恵子はびっくりしておかしな言葉遣いになってしまった。決してなまっているわけではない。
しかし蒼代は気にする様子もなくさらりと言ってのけた。
「俺が染島の部屋にいればいいことだ。心配しなくてもいい」
この台詞に、多恵子は心臓が口から飛び出るかと思った。
(え、え、え?!なにそれどーいうこと?!まさか、同居?!いくらなんでもそれはヤバいっしょ・・・・・・。いやでも、こんな美形だし・・・・・・。いかんいかん!何考えてるんだよ私!)
「染島?」
「え?!いや、さすがに同居は・・・・・・ね?」
懐疑的な視線を向けてくる蒼代に、ぎこちない笑みで返す多恵子。ケガをしているとはいえ、蒼代の横には日本刀が鎮座している。斬られたらどうなることか。
「ならば屋根の上で寝る。あ、ここは屋上か・・・・・・」
「雨の日はどうするの?」
「ダンボールでも敷いて寝ればいいことだ」
いくらなんでもそれはかわいそう過ぎる。
(本人には下心とかなさそうだし、いいよねぇ・・・・・・?もしものことがあれば警察に通報しちゃえばいいことだし・・・・・・)
「いいよ、ここにいて。でも、部屋を散らかしたりとかはやめてくれ」
「わかった。かたじけない」
深深と頭を下げる蒼代に、「そんなに頭下げないでよ!」とフォローした。

6:なずな:2014/07/19(土) 10:43 ID:bJU

翌日から、蒼代は多恵子と行動を共にするようになった。一応学籍はあるらしく、新入生として学園にいることになっているという。
「蒼代君は、私がここにいることを知ってて来たの?」
多恵子が聞くと、蒼代は首を横に振った。ちなみに日本刀は大きな竹刀袋に入れている。
「この学園から、多数の魔石の気配がしたからだ。魔石を所持していれば、そういうのを感じ取りやすくなる」
「じゃあ、私のほかにも魔石を持ってる人がいるってこと?」
「そう考えて正解だろう。いつ誰が襲ってくるかわからないから、一応警戒しておけ」
幸い多恵子と蒼代のクラスは同じだった。これならクラスメートに狙われてもなんとかなるだろう。
隣の席には、小柄だがあまり柄のよくなさそうな男子が座っていた。こちらをちらりと一瞥したあと、机に突っ伏して眠り始めてしまったが。
(確かこの人は・・・・・・宇佐美奈緒君・・・・・・だったっけ。女の子みたいな名前)
「おいてめぇ、今女の子みたいっつたろ?!この眼鏡!」
突然宇佐美ががばっと起き上がって多恵子に怒鳴り付けた。今更だが多恵子はショートカットで眼鏡をかけている。
「す、すいませんっ!というか静かにしましょう?今ホームルームですから」
「そっか、わりいな。寝てたからわかんなかったわ」
(名前について言われたことはわかったのに状況はわからないの?!)
さすがの多恵子でも驚きを隠せなかったが、宇佐美は気づいていないようであくびをした。よく見てみると童顔で大きな目の下にうっすらとクマが出来ている。
聞いていいのか迷いつつも、多恵子はそっと尋ねた。
「寝不足なの?」
「ああ、ちょっと昨日、呼び出されてよ。まあ、リーダーの頼みだからしかたがないけどさ・・・・・・」
「へぇ、大変なんだね」
「いや、お前には関係ねーよ。俺これから寝るから、先公来たら起こしてくれ」
なぜか宇佐美は多恵子に気を許してしまったらしく、そのまま小さな寝息を立てて寝始めた。

7:なずな:2014/07/19(土) 12:52 ID:bJU

「おい、さっき話していた宇佐美奈緒のことだが」
ホームルームが終わって多目的ホールに移動している最中、蒼代がこそっと話しかけてきた。
もしかしたら、宇佐美と蒼代は知り合いなのだろうか。それだったら少し困る。
「どうしたの?ブレスレットなら袖に隠してあるから、ばれてはないと思うけど」
「それならいいが・・・・・・。宇佐美から魔石の気配を感じる。気を付けろ」
「宇佐美君も魔石を持ってるのかなぁ」
「いや、多分あいつは眷属だろう。主は別のクラスにいるはずだ」
それを聞いてほっとはしたものの、安心は出来ない。その『リーダー』に宇佐美がダイアモンドを奪うように命じられているかもしれないのだ。今は勘付かれてはいないようだが、気づかれたら昨日のように命すら狙われてしまうかもしれない。
しかし、せっかく仲良くなった(つもり)なのだから、あまり敵対したくはない。見た感じ、宇佐美はそれほど悪い奴ではなさそうだし。
「蒼代君、聞きたいことがあるんだけど」
「なんだ?」
「魔石を他の人に奪われた場合、眷属はどうなっちゃうの?」
「眷属は特になにも後遺症はないはずだ。その後に別の魔石の主にならない限りはな。もっとも、俺たちのように複数の魔石を所持していれば主も眷属もなにも起こらないが」
なら、宇佐美は狂人にはならないということだろう。
「どうした?宇佐美のことをやたらと気にかけているようだが」
「いやぁ、隣の席だし少し仲良くなったから、ちょっと心配になっただけだよ」
蒼代は意外だとでも言わんばかりの表情を見せた。しかしすぐにいつもの仏頂面に戻ってしまったが。
多目的ホールにつくと、そこには多くの生徒がいた。生徒会でオリエンテーションをするらしい。部活や委員会の紹介でもするのだろう。
(まあ、せっかくの高校生活だし、少しは楽しんでもいいよね!)
多恵子はちょっぴりわくわくしながら用意されていたパイプ椅子に腰掛けた。

8:なずな:2014/07/19(土) 13:46 ID:bJU

「新入生のみなさん、我が清城学園高校に入学していただき大変嬉しく思っております。私は清城学園高校生徒会長、長堂誠一郎と申します」
度のきつそうな眼鏡をかけた、清城学園高校生徒会長、長堂誠一郎はにこりと微笑んだ。
彼は文武両道の剣道部主将を務める学園のカリスマであり、男女問わず彼を慕う者は多い。生徒会役員たちも皆ぴしりと姿勢を正して長堂の後ろに整列している。
(あの人が生徒会長さんかぁ。厳しそうだけど、人気があるんだよね・・・・・・)
多恵子はちらっと生徒会役員を見てみた。タイミングよく、生徒会役員の紹介がかかる。
「生徒会副会長、咲山舞と申します。主に会長の補佐を執り行っております」
ポニーテールの目つきの鋭い少女が挨拶をした。
(この人が副会長の咲山さん・・・・・・。弓道部のエースでもあるって聞いたことがある・・・・・・。会長とは似たような雰囲気があるかも)
咲山は弓道で全国に行けるほどの実力を持っている。また、長堂の右腕としても働いている有能さを持つらしい。
次に、小柄な少女がおずおずと前に出てきた。
「せ、生徒会書記の、大導寺由宇ですぅ・・・・・・。えっと、に、ニ年A組なので、そのぉ、気軽に話しかけてくださいねぇ・・・・・・」
ふわふわとして小動物のような印象が強い。彼女は情報収集のプロで、情報管理もしているらしい。とにかく機械系に強いと聞く。
また大導寺は有名財閥の一人娘で、学園への資金も彼女の父親が行っているとかで、学園にとっては手放せない人材だ。
「生徒会会計、小境恭也」
むっとした表情の青年は、面倒くさそうにそう名乗った。
こう見えても生徒会では華麗に仕事をこなしているとかで有名らしいが、多恵子はその名をあまり知らない。無愛想さは蒼代より上かもしれない。
最後に、今までの中では一番普通そうな少年が前に出てくる。
「生徒会庶務、駒野裕輔です。よろしくお願いします」
彼はいかなる仕事もそつなくこなすと聞く。多恵子を一瞬ちらりと見た気がしたが・・・・・・気のせいだろうか。
「生徒会は委員会や部活の統括、そして、『ギャンググループ』の制圧を行っております。以上で、生徒会役員の紹介を終了します」
(ギャンググループ・・・・・・?そんな物騒なもの、学園にあるようには見えないけれど・・・・・・)
意味深な言葉を残して、生徒会役員たちはもといた席に戻った。

9:なずな:2014/07/19(土) 14:35 ID:bJU

一通り委員会や部活の説明も終わり、オリエンテーションは終了となった。この後、休憩が少しあってから学年集会がある。
蒼代は後ろの方の席にいたらしく、多恵子とは離れていた。そのせいか、真っ先にオリエンテーションが終わってから駆け寄ってきた。
「あの生徒会・・・・・・匂うな」
「臭かった?私にはわからなかったけど」
「そう言う意味ではない!魔石を所持している可能性が高いということだ」
はあ、と蒼代は溜息をつく。相当呆れられたようで、なぜだか多恵子は申し訳なくなった。
「じゃあ、生徒会には注意したほうがいいかもね」
「そうだな。あっちに敵意は感じないが・・・・・・薄々俺たちの存在に気づいているかもしれん。関わらない方がよさそうだ」
駒野に一瞥されたのも、魔石が原因かもしれない。そう思うと、寒気がしてくる。
「それに、会長が言ってた『ギャンググループ』ってなんなんだろうね?この学園にそんなものがいるのかな?」
「俺もそれは気になっていたところだ。とりあえず、情報を集める所からはじめるか」
授業も近いからか、蒼代と多恵子は小走りで教室へと向かった。
                ***
「ふふっ・・・・・・ダイアモンドとアメジストが両方いらっしゃるなんて、ついていますわ」
屋上で、1人の少女が双眼鏡を片手に小さな笑い声を立てていた。
少女はフリルをふんだんに使ったゴシックロリータ風のワンピースを身にまとい、黒髪は巻いてツインテールにしていた。まつげが長く、どこか人形じみている。
「まあ、今すぐ戦ってもよろしいのだけれど・・・・・・あいにくわたくしには眷属がおりませんわ。チャンスならいくらでも回ってくることでしょう」
少女は微笑むと左手の中指につけている指輪を見た。そこには、赤い宝石が装飾されていた。
「ダイアモンドも、アメジストも・・・・・・あるいはその他の魔石も、いずれ私の手に入るでしょう。この『ガーネット』の力で」

10:なずな:2014/07/19(土) 14:52 ID:bJU

キャラの名前と学年のまとめです!

*1年*
染島多恵子(ソメジマ タエコ)
蒼代正儀(アオシロ セイギ)
宇佐美奈緒(ウサミ ナオ)

*2年*
大導寺由宇(ダイドウジ ユウ)
小境恭也(コサカイ キョウヤ)
駒野裕輔(コマノ ユウスケ)

*3年*
長堂誠一郎(チョウドウ セイイチロウ)
咲山舞(サキヤマ マイ)

キャラが増え次第新しく作成して行く予定です!

11:なずな:2014/07/19(土) 15:49 ID:bJU

教室に戻ると、宇佐美がこちらに気づいたらしくちらっと多恵子を見た。隣に蒼代がいたのに不満だったのか、小さく舌打ちをしたが。
やはり、宇佐美はダイアモンドの存在に気づいているのかもしれない。蒼代の話によると、眷属は主ほど魔石の気配を強く察知することは出来ないらしいが、仮にも宇佐美が勘付いているとしたら、この状況はとてもじゃないがまずい。
「どうする、染島」
「なんとかしてしらを切ってみる。それでもダメだったら、なんとか誤魔化す」
そう言うと、蒼代は眉間に皺を寄せつつも頷いた。
席に戻ると、宇佐美が話しかけてきた。いつになく真剣な顔つきで、多恵子はひやりとした。
「・・・・・・あいつって、蒼代正儀だよな」
「うん。そうそう、蒼代君とは幼なじみなんだよ。同じ高校に入れてラッキーというかなんというか」
「そっか。でもあいつには関わらない方がいいと思うぜ」
宇佐美は不機嫌そうにぷいっとそっぽを向いてしまった。もしかしたら、魔石を巡る争いに多恵子を巻き込みたくないのだろうか。そう考えると、宇佐美も悪い人ではないことがよくわかる。
「あのさ、宇佐美君」
「なんだよ」
「『ギャンググループ』って、知ってる?」
宇佐美は怪訝そうな顔をしたが、すぐにぱっと明るい表情になった。
(ん?)
「あんたも、リーダーたちのこと知ってんのか?!」
「ええっ?!」
朝宇佐美が言っていた『リーダー』というのは『ギャンググループ』のリーダーだったのか。それ以前に、宇佐美がギャンググループに属しているとは思わなかった。
多恵子が驚いているのに気が付いたのか、宇佐美は得意げに話し始める。
「リーダーはすげぇんだぜ!すっげぇ強いんだよ!オリエンテーションで生徒会の奴らが制圧するとか言ってたのが気に食わないけど、リーダーが負けるはずがないもんな!」
「よ、よっぽどリーダーさんのことを慕ってるんだね」
「そうだよ、当たり前だろ!よかったらあんたもうちのグループに入れよ!みんないい奴らばかりだし、な?」
そう言われると、なかなか断りづらい。
(ここはブレスレットを隠して行かなきゃかな・・・・・・。蒼代君にも言っておいた方がいいかも・・・・・・)
「よっし、じゃあ、放課後待ってるぜ!」
明るい表情で言われ、多恵子は行かざるをえなくなった。

12:なずな:2014/07/19(土) 16:56 ID:bJU

「なに、宇佐美に誘われただと?!」
昼休み、学食で蒼代に大声を出されそうになり、多恵子は慌てて蒼代をなだめた。
「いや、あっちに敵意はなさそうだし、きっとブレスレットさえ隠せばなんとかなるよ」
「そういう甘い考えが悲劇を引き起こすのだ。しかし、よく懐かれたな。そういうキャラではないと思っていたのだが」
「キャラは関係ないと思うよ・・・・・・」
蒼代はしぶしぶ、といった様子で首を縦に振った。
「くれぐれも気を付けろよ。いつ誰に何をされるか分からないご時世だからな」
「蒼代君って、お母さんみたいな所あるよねぇ・・・・・・」
「黙れ」
そう口では言っているものの、心なしか嬉しそうに見えた。プリンを口に運ぶ手が一瞬だけ遅くなったのを多恵子は見逃さなかった。
ちなみに今、多恵子は弁当(蒼代が作った)、蒼代は弁当を早々と食べ終わり購買で購入したプリンを食べている。なかなかの甘党らしい。普段の厳格な態度からは考えもつかない一面だ。
「放課後って言ってもさ、いつ行けばいいのかな?昼休み終わったら新入生は下校していいらしいし」
「ギャンググループがいつ行動しているかは不明だからな・・・・・・。ちりあえず、宇佐美に聞いてみたらどうだ?」
「そうしてみるよ」
多恵子は不安を抱きながらも、それを蒼代に悟られまいと微笑んで見せた。

13:なずな:2014/07/19(土) 17:41 ID:bJU

帰る準備をしていると、案の定すでに準備を終わらせた宇佐美が堂々と立っていた。どこか得意げな表情をしている。
「そろそろ行こうぜ!」
「ちょ、ちょっと待って。まだ私準備してないから」
「ちえっ、仕方ねえな、待っててやんよ」
宇佐美はそう言いつつも鼻歌を口ずさんでいる所から見て機嫌がよさそうだ。いや、まだ会って1日目なのだが、大体彼の考えることはわかるようになってきた。ただ単に単純思考なのだろう。
急いで準備を終わらせて立ちあがると、宇佐美は来いと言わんばかりに手招きした。振り返ってみると、蒼代がぐっと親指を立てていた。
(ブレスレットはブレザーの内ポケットに入れてあるから、大丈夫だよね)
「なにぼけっとしてんだよ。行くぞ?」
「ああ、今行くよ!」
宇佐美に声をかけられて、慌ててその後を追いかけた。
              ***
連れてこられた先は、旧校舎の裏庭だった。旧校舎は今は使われておらず、幽霊が出るとの噂もあってか人はほとんど寄りつかなくなっていた。
カラスの鳴き声がどこか不気味で、多恵子はびくびくしながら宇佐美についていった。
「お、宇佐美、彼女か?」
短髪で褐色の肌を持つ大柄な青年が宇佐美の肩をがしっと掴んだ。その周りには柄の悪そうな男たちが控えている。
「そんなんじゃないっすよ、八重木さん。クラスメートの女子ですって」
「なんだ、つまんねぇの。俺なんて女に近寄れば逃げられるんだぜ?ついてないよなぁ」
「八重木さんは人相が悪いからですよ」
「んだとこのぉ〜!」
八重木というらしい男はこいつぅ、と宇佐美をからかうように小突いた。根っからの不良ではないようだ。ただし、かなり目つきが悪いが。
八重木は多恵子のほうを見て、頭をがしがしとかきながら自己紹介をした。
「俺は八重木大地。『クラッシュ・ブレイカー』の幹部的なもんだよ。こいつも一応幹部だぜ」
「八重木さんほどじゃないっすよ」
苦笑いしているが宇佐美の表情はどこか誇らしげだった。ギャンググループとは聞くけれど、案外チームワークのあるものなのかもしれない。
「えっと、1年の染島多恵子です」
「ふーん、古臭い名前だな」
「八重木さん!初対面で超失礼っすよ!そんなんだからもてないんですよ!」
「お前は黙ってろ!」
じゃれ合う二人を見ていると、なんだか兄弟のようで、多恵子は微笑ましくなった。

14:なずな:2014/07/19(土) 18:23 ID:bJU

「そういえば、今日はリーダーいないんすか?」
宇佐美が聞くと、八重木はぽんと手を打った。なにかいい案でも思い付いたのだろうか。
「俺がリーダーの所まで案内してやるよ。俺もまだ来たばっかりだしな!」
「何言ってるんすか。どうせ染島と話したいだけでしょ」
「なんでばれてるんだよ?!」
(否定しないの?!)
会話についていけず多恵子はおろおろして二人を見ていた。しかし宇佐美も八重木も仲がよさそうで、すぐに穏やかな雰囲気で話し始めた。
「八重木さんもこう言ってることだし、リーダーに会いに行こうぜ!」
「うん、でも私、リーダーさんにお会いしてもいいのかな?」
「リーダーさんはいい人だからな。誰でもいれてくれるぜ。敵意がなければ、の話だけどな」
宇佐美の言葉にはなぜだかぞっとさせるような威圧感があった。このまま進んでもいいのだろうか。いまなら逃げ出せるのではないか。多恵子を恐怖が縛った。
だが、本人に脅かすつもりはなかったようで、「早くこいよ!」と手を振っている。
(大丈夫、いきなり会うわけじゃあないし、そんなに不安にならなくても・・・・・・)
「おっ、リーダーが来たぜ!」
気がつくと、目の前には大勢のチンピラ・・・・・・柄や素行の悪そうな者たちが歩いてきていた。唐突におとずれたピンチに、多恵子は体が固まってしまった。
「そんなに緊張するなって!俺も緊張してくっから!」
「結局のところ宇佐美君が一番緊張してるように見えるんだけど?!」
がちがちと歯を鳴らしている宇佐美に突っ込みを入れつつも、多恵子はへたり込みそうになるのを必死でこらえていた。
人の間から前髪を逆立てた背の高い青年が歩いてきた。青年のズボンのチェーンがじゃらじゃらと音を鳴らす。
「り、リーダー!こ、こいつはクラスメートの女子です!なんか、『クラッシュ・ブレイカー』に興味があるとかで・・・・・・」
宇佐美が回らない舌でリーダーらしき青年に多恵子の説明をする。何も話さないのはさすがにまずいので、恐る恐る口を開く。
「そ、染島多恵子、です!宇佐美君とは同じクラスで、よくしてもらってます!よ、よろしくお願いしましゅ!ひぃ、噛んじゃった・・・・・・」
緊張のあまり多恵子の舌も回らなくなり、挙句の果てには噛んでしまった。こんな調子じゃ命がいくつあっても足りない。出来ることなら今、穴があったらもぐりこみたい。
「まあまあ、そんなに固くならなくてもいいんだよ?リーダーもさ、そんな怖い顔してないで!多恵子ちゃんが怖がっちゃうじゃん!」
小麦色の肌の、快活そうなジャージを着たスタイルのいい少女が多恵子をフォローしてくれた。それだけで涙が出そうになる。
リーダーは少女を見て溜息をつくと、ぶっきらぼうに告げた。
「『クラッシュ・ブレイカー』は差別したり仲間はずれにしたりはしねぇよ。たとえそれがほかの魔石所持者でも同じ。敵意がねぇ奴を攻撃はしねぇよ」
「よかったぁ、てっきり多恵子ちゃんをボコっちゃうのかと思ったよ」
「ええと・・・・・・あ、ありがとうございます?」
なぜ疑問系なのかはわからなかったが、ひとまず多恵子は認められたらしい。なぜか宇佐美も顔を輝かせて「ありがとうございますっす!」と頭を下げた。


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