〜オトギ話は螺旋構造〜 夢の連鎖

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧 [書き込む] Twitter シェアする? ▼下へ
1:はつき:2014/09/09(火) 16:46 ID:g2o


 お城、ガラスの靴、王子様――……

 幼少期、貴方は憧れたことはありませんか?

 なかったとしても、その世界を不思議だと思った事ありますか?

 今、貴方は画面を見ているのではありません

 あなたが見ているのは――夢の世界です

2:はつき:2014/09/09(火) 17:15 ID:g2o

おとぎ話の小説です。
必ず最後がハッピーエンドと言う訳ではないのでご了承を
第1弾はシンデレラの話です!

3:はつき:2014/09/09(火) 17:31 ID:g2o

 〜シンデレラは馬車を追う〜

 私はクラリア。グレンベリル家という貴族の家庭に生まれた。
 裕福で何一つ不自由はなく、父と母とも幸せに暮らしてきた。
 しかし母は何者かに殺され、この世から亡くなった。
 そんな矢先、父は産みの母とは別の継母と結婚した。

「クラリア、ぐずぐずしないで洗濯をしなさい」
 鋭くヒステリックな声がクラリアの心を貫く。
「ごめんなさい、お母様、急ぎますわ」
 灰色の水の中には沢山の洗濯物が放り込まれていた。
 手に無数についた傷に薄汚い水が染み込んでいく。
「……っ!」
 息を呑んだが、苦情も要求もため息も独り言も言わない。
 
 それに引き換え、姉達は上等なネグリジェを来て、寝室へ向かっていた。
 別に羨ましいとか、ずるいとかという気持ちは抱かなかったが、何故私だけ、と疑問に思った。

「感慨にふけっている暇はないでしょう?朝まで掃除も、終わらせなさい」
「わかりました、お母様」
 崇めるような声で返事をし、それに母は満足したのか、自分も寝室に足を運んだ。

 私は洗濯物を終え、テラスを後にし、台所へ向かった。
 母はいつもお腹がすいたら姉達の残り物を食べなさい、と言われた。
 姉達が残すのはパンの耳や、じゃがいもの食べ残し、林檎の皮。
 腹の足しになるかすら不明な程粗末だった。

4:桜音:2014/09/09(火) 22:37 ID:.sg

わたしも、シンデレラ憧れでした!
ストーリー気になるので続き楽しみです!

5:はつき:2014/09/10(水) 07:00 ID:g2o

さっそくコメント!
嬉しいです^_^
続き頑張ります、

6:はつき:2014/09/10(水) 18:57 ID:g2o

 クラリアは何もかも姉達の残したものを与えられていた。
 服だって、それが服と呼んで言いのかと言う位のボロ切れ。
 食事も冷めたスープなど、栄養も不十分で、奴隷と言っても過言ではなかった。
 しかし、それでもクラリアは愚痴も不満も言わなかった。

「さぁ、これを飲んだら掃除をしなくては……」
 
 クラリアは灰が積もったかまどに体ごとのめり込む様にした。
 灰の独特の焦げ臭い臭がクラリアの鼻を刺激する。
「ごっほっ……誰か……」
 クラリアは咳をしながら竈から離れた。
 それでも怯む事もなく、ブラシを懸命に擦る。
「朝までに……」
 力なく掠れた声で呟いた。
 
 灰を掻き集め、かまどは驚く程綺麗になり、母も満足するだろう。
 眠いのを堪え、自分の身が灰に包まれようとも、躊躇うことなく成し遂げた。

「掃除は終わったの?」
 継母と姉は床に灰だらけで倒れたクラリアを見て嘲笑った。
「うわぁ、何て端ない身なのかしら?」
「今日から貴方の名前は『シンデレラ』よ。灰かぶり!」
 罵った口調で苦しむシンデレラを笑った。

7:桜音:2014/09/10(水) 22:47 ID:x/Q

面白い!
続き早くよみたいです!

8:はつき:2014/09/12(金) 17:01 ID:g2o

嬉しいです、続き書きます^^
ちなみにコチラ公式(?)Twitterです♪
http://twitter.com/komakomaho
Twitterをつい何日か前始めたばかりですw

9:はつき:2014/09/12(金) 20:17 ID:g2o

「とにかく、ぐずぐずしないで朝食の用意をして頂戴」
 継母は汚物を見るような眼差しでシンデレラに視線を向けた後、顔を背けた。
「すぐに用意します」
 咳気味なガラガラとした声で応える。

「汚いわね。近寄らないで、『シンデレラ』」
 姉も嫌な顔をし、鼻を摘んだ。
 灰の焦げた臭いがシンデレラの身の酷さを語っていた。
「ごめんなさい……」
 私だって何に謝っているのかすら不明だわ。
 灰がいけないのよ、姉がいけない。
 長年姉と継母の事を悪く言うのは嫌いだったが、心中そう思うのも可笑しくないはずよ。

 シンデレラは灰のかかったエプロンを竹籠に入れ、別のエプロンを取り出した。
 エプロンと呼んでいいのか不明な程、解れ、綻び、穴が開き、ただの布切れを纏っている様だった。


 暖かい湯気がキッチンを包み込み、継母と姉達の鼻を誘惑した。
 シンデレラは傷だらけで今にも血が垂れそうな手で器用に野菜を刻んでいった。
 その速さと言ったら、銀座の一流レストラン並みの……
「シンデレラ、まだなのかしら?手を休めているんじゃあ無いんでしょうねぇ?」
 姉の1人が意地悪な口調で罵った。
「手を休めるなんて暇がありましたら、お姉様方の為に朝食を作っている方がよっぽど楽しいですよ」

 シンデレラはしかめっ面をしながら優しい口調で答えた。
 湯気で彼女の顔は隠されていたが……

10:はつき:2014/09/12(金) 20:31 ID:g2o

 そんな事を毎回繰り返す。
 感慨深くして回想しても意味のないこと……
 今日も夜遅く、掃除を頼まれ、いつもの事を繰り返している。
 と『思った』――……

 未来は誰だって予想は100%当たらない。
 だから何が起きるか分からないんだ……


「きゃっ……っ!」
 甲高い少女の声がした。
 不意に窓の外に軽く視線を向けたつもりが、ずっとその光景を眺める。
「誰……!?」
 濃紺の上質なシルクのブラウス、白いリボン、ふわっとした膝丈のスカート。
 褐色で腰まで長い艶やかな髪。
 エメラルドのように輝く潤った瞳。
 銀色で鋭利な光る、ミステリアスに満ちた杖。

「だ……大丈夫?」
 私は彼女を助けようと、彼女に歩み寄った。
 どうやら庭に倒れてしまったらしく、打撲と捻挫をしていた。
 赤く紅く腫れた患部がその痛々しさを物語っていた。

「ありがとう、飛行中にバランスを崩してしまって……」
 私と同い年かしら?
 若くて、無邪気で、小柄で華奢な体つきだった。

「貴方は……?」
 呆気に取られていた私も、要約言葉を紡ぎ出した。
「私は、魔法使いの見習いでして、修業中にモップで空を飛んでいて……」
 彼女は苦笑したように微笑み、私は疑問に思いながらも氷水で患部を冷やした。

11:はつき:2014/09/12(金) 20:42 ID:g2o

「モップですって?魔法使い……?」
 質問攻めを避けたが、聞きたいことは山程ある。
 カッ、カッ……
 ハイヒールで歩いた様な足音、まさか母達が!?
「貴方は庭のバラの木に隠れて!さぁ、急いで」
 私は小声で魔法使いの少女に促すと、掃除を再開した。

「私達は舞踏会に行って来ますからね」
 妙に洒落たドレスで扇子を持ち、化粧をした4人が玄関に出る。
「舞踏会……ですか?」
 雄武返しに聞きながら、雑巾を持つ手を止めた。
「そうよ、招待状を貰ったの。いい娘は王子の嫁にするの。行きたいなら行ってもいいのよ?掃除を終わらせればね」
「嫌ね、お母様〜着ていくドレスがないじゃなぁい!あははっ」
 姉と継母は一通の封筒を落としながらドアを開けていった。

「舞踏会……」
 ぼんやりとし、ハッと我に返った際には少女は植木から出ていた。
「貴方、舞踏会に行きたいんじゃないの……?」
「えぇ、まぁ……でも掃除も終わってませんし、ましてや終わったところで私には……」
 上等な服が無い――……

「せめてものお礼ですが……」
 魔法使い見習いと名乗る少女は、杖を3回振り、何かを唱えた。
「あ……っあ!」
 私は驚愕のあまり、感嘆の声を漏らし、息を呑んだ。
 それはまるで、ハリーポッターの本を魔法でしまうシーンのようで……

 光に導かれ、次々と散乱物は元の場所に戻っていく。
「掃除が……終わった……!?」
「驚くのは早いわ!」
 彼女はまた意味の分からない呪文を唱えながら、杖を4回振った。

「あ!」
 瞬きをしただけだった……
 でも目を開いたら――!

12:はつき:2014/09/12(金) 22:53 ID:g2o

ロイヤルブルーのシルク生地にダイアモンドの装飾。
黒いレースが裾に施され、紫のリボンが目立つ。
靴は水晶のような透き通ったガラス……
首元にはパールが連なり、サファイアが神々しく輝く。
耳には大きなダイアモンド。
手首にエメラルドが光を反射していた。
栗色のボサボサの栗色の髪は、美しい巻き髪になっていた。
「綺麗!これなら舞踏会に行けるわ……!」
シンデレラは弾んだ声で一礼した。
「何度も言いますが私は見習い。魔法はせいぜい12時まで。それ以降は……」
魔法使いはその続きをあえて言わず、首を横に振った。

「でもね」
彼女はしんみりと続けた。
「もし私が立派な魔法使いになったら永遠の魔法をかけてあげるわ。約束よ?」
彼女は細い小指をシンデレラの目の高さまで挙げた。

13:はつき:2014/09/12(金) 22:54 ID:g2o

栗色のボサボサの栗色の髪は、美しい巻き髪になっていた。 ×
ボサボサの栗色の髪は、美しい巻き髪になっていた。 ○

14:はつき:2014/09/13(土) 09:39 ID:Jqw

私は小指を見つめながらフッと微笑んだ。
「えぇ。約束、ね……」
私も小指を彼女の前に差し出し、指を絡めた。

「……あ」
視界のコントラストが明るくなった。
自分は夢をみていたんだわ、と、今までの出来事を宥めた。

だか、自分はガタガタ揺られながら座っていた。
ソファはいつもより気持ちよく、立ち上がって見ると、お尻の形ざくっきり窪んでいた。
服装もまだ上等なまま。
それ以前に、自分の家に居るのではないことに今気づいた。

15:はつき:2014/09/13(土) 10:12 ID:g2o

 お尻の形ざくっきり窪んでいた×
 お尻の形がくっきり窪んでいた○

16:はつき:2014/09/13(土) 11:50 ID:g2o

「お気づきになりましたか?」
 安心するような優しい口調の男性。
 若い青年で、青色の髪に、立派な燕尾服、そして整った顔立ち。
「私は執事のセバスチャンと申します。ある方の魔法によって生まれた者です」
 セバスチャンと名乗る青年は、馬車の前方で紅茶を注いでいた。

 真紅の座席に、傷一つない鮮明に映るガラス窓。
 その先には立派な城が大きく見えていた。
「セバスチャン様……っと、これはどういう事でしょうか?」
 戸惑いながら私はセバスチャンに尋ねる。
「セバスチャンとお呼び下さい。それに私は執事。崩した言葉遣いでどうぞ」
 いつもの癖なのか、つい敬語になってしまう。

「魔法使いは本当に……」
 徐々に近づく城を眺めながら、私は顔をしかめた。
 手元にはいつの間にか黄金の懐中時計がカッカと時を刻んでいた。
 針は12と11を指していた。

「魔法が解けるまであと丁度1時間です。お急ぎを」
 馬車の扉をセバスチャンは開け、シンデレラに降りるよう促す。
「さぁ、楽しい舞踏会を……」
 セバスチャンはそれだけ言うと、姿を眩ませた。

 呆気に取られたまま、足を一歩、爪先が触れる。
「お城……」
 私は唖然としながら、懐中時計と封書を取り出した。

17:猫又◆Pw:2014/09/13(土) 14:25 ID:q4g

 はじめまして、猫又と申します。
キメ細かな文だったので読ませていただきましたが、現代版シンデレラですね。面白いです。
 話の膨らませ方、その描写、アイデア。どれも素晴らしくて引き込まれました。

 シンデレラには普通と血染め、2パターンのENDがありますが、
一体この夢はどんな結末を迎えるのでしょうか……?
 期待してます。では、

18:はつき◆hQ:2014/09/13(土) 16:09 ID:g2o

猫又さん、ありがとうございます^^
結末はですね…怖いです、バットエンドですw

19:はつき◆hQ:2014/09/13(土) 16:31 ID:g2o

 庭園には手入れされた花々が香りを漂わせていた。
 豪華な噴水はビー玉のような水しぶきをあげている。
 
 場違いだわ、私がこんな所に来るなんて――……
 分かっているのだけれど……

 カッカ……
 力ない足取りで、招待状を持って講堂のような部屋へ入った。
 
 優雅なショパンのワルツが流れ、仮面を被った人達が踊る。
 黒いスーツを着た執事がシャンパンやワインを運んでいた。
 色取り取りのドレスを纏った女性は、自分をよく見せようと必死なのだろうか。
 お手洗いの化粧台は行列だった。

「はぁ……お母様に見つかったら大変だわ」
 ステージを見ると、王子が玉座に座っているのが見えた。
 サラッとした金髪、涼しげな目元、ミステリアスな瞳。
 この国の女性達が虜になるのも分かるが……
  
 私は舞踏会で踊る人も居ないので、非常階段へ逃げよう。
「帰らないと、12時前だけどいいわ。場違いだし……」
 そんな事を考えていると、王子の視線がこちらに向けられた。

 あんなに大勢の中、ピンポイントでシンデレラを見つめる王子。
「な……こっちを見ている?」
 自分と目が合うなんて……思いもしなかった。

「とにかく非常階段へ……」
 ステージを眺めるのをやめ、別のドアを開けた。
 ギイィと情けない音をたて、その場を去った。

「非常階段なら裏門へ出られるはずだわ」
 シンデレラは薄暗いランタンのみの廊下をかける。
 慣れないヒールは、少し、いやかなりグラッとした。

「ぎゃあっ……痛い」
 ハイヒールで駆けたせいか、倒れてしまった。
 まぁ、幸い柔らかいカーペットの上で良かったが。

「ハイヒールは慣れていないようだね。君。大富豪の娘のクラリアではないか?」
「……れ?誰?」
 栗色の髪の毛を掻き払い、振り向いた後ろには……
 

20:はつき◆hQ:2014/09/13(土) 16:44 ID:g2o

 茶色い髪で、長いまつげ、白い肌、瞳は琥珀の様。
 だが、その青年は見たこともない、知らない青年だ。
 何故私のことを知っているのだろうか。

 見たことの無い青年は、乾いた笑いでシンデレラを見た。
「クラリアではありません……その、シンデレラです」
 何故知っているのだろうか、偽名を名乗っておこう。
 知られて後ろめたいことはないけれど、本名を名乗るのは厳しい。
「嘘をついて……分からないのか?俺が。ナリア伯爵だ」

 ナリア伯爵――……?
「……あぁ、もしかして貴方は」
 幼馴染でかつて片思いだったナリア伯爵……
 13歳位の時が、私の淡い初恋だった気がする。
 ただ、母が亡くなって引っ越すことになったあげく、伯爵に婚約者が出来た。
 そのまま片思いという訳だ。

「一瞬でも忘れるなんて薄情物だな」
 彼は苦笑しながら手を差し伸べた。
 その姿に私はいつか、こんな気持ちになったな……と感慨に耽った。
 私はおもむろにその手に触れ、立ち上がった。

「ダメじゃないか、ナリア伯爵――勝手に逃げて……」
 意地の悪い、不気味で二ヤッとした声。
「あ……貴方は王子では!?」
 容姿からは想像も出来ないほど気味悪い声。
 意地悪な笑み、釣り上がった唇――……

「君は確か舞踏会に居た……ひときわ目立っていたんだよね、君を探していた」
「あの……どういう事ですか?ナリア伯爵に何か、あったんですか?」
 私は王子の言葉を無視した質問をした。
「彼はね……『罪人』なんだよ。処刑者さ」
 王子の冷たい視線がラリア伯爵に向けられた。
 伯爵は唇を強く噛みながら俯いた――……

21:らびりんす◆hQ:2014/09/13(土) 21:05 ID:g2o

「唇から……血が……っ」
 彼は自分の唇を強く噛みすぎたせいか、真紅の血を垂らしていた。
「罪を犯したって本当?何故もっと早く電報を……」
 私の心配する言葉を遮るかのようにしてラリア伯爵は吐き捨てるように怒鳴った。
「お前に……お前に知られずに処刑される為だよッ!んなことも分からないか!?」
「一体……何の罪を、犯したという訳ですか?」
 私は力ない声で、弱々しく王に問い詰める。

「こいつは、邪魔をしたのだよ。僕の誕生日祝いのパーティーでね」
「んな……それだけで!?」
 私は王を驚愕の眼差しで睨み付けた。

「伯爵。君は僕の側近だ。だから処刑で済んだのだよ……ふふふっ」
 私は言葉を紡ぎ出せずにいると、ハッと懐中時計を眺めた。
「いけない!もう12時になるわ、帰らなくては!」
「それは残念。またパーティーをやるから来たらどうだい?」
 私は最後の方の言葉を無視し、非常階段を駆けた。

 

22:らびりんす◆hQ:2014/09/14(日) 10:46 ID:g2o

 一体、どういう事――?
 ナリア伯爵は王子の側近で、パーティーの邪魔を?
 いや、今はそんな場合じゃない、もうすぐで魔法が解ける!
 私は後ろめたい気持ちと、心臓が熱くなる感じで押しつぶされそうだ。

「どこへ行くんだ!?」
 ナリアが怒鳴る声が小さく聞こえた。
 私は一瞬戸惑ったが返事をせずにそのまま走る。

「きゃぁ!?しまった、魔法が……」
 ガラスの靴はひびが入り、片方は割れてしまった。
 美しいガラスの靴も、割れたらただのガラクタ。
 尖ったガラスの破片のせいで、私の足を掠め、血が滲んできた。

「……っ!何てこと!」
 息を呑みながら走り続け、庭園に出たときには元の布切れに戻っていた。
 綻びて破れた、服と呼んでいいのか不明な服だ。

「あら?これは……」
 庭園の門の前で、ネズミとトカゲが私を見るなり逃げていった。
 その後ろに大きい深緑のかぼちゃが転がっている。
 ネズミとトカゲが囓った痕跡が残っていた。
 

23:らびりんす◆hQ:2014/09/14(日) 10:55 ID:g2o

 一方、魔法使いの少女、レーアは女王に大目玉を喰らっていた。

 城の講堂には、女王と王、側近が並んで、私に視線を向けた。
 青いシャンデリアが、悲しい雰囲気を漂わせている。

「ダメじゃありませんか!この国を継ぐ王女がそんな危険な事を……魔術もまだ完璧ではないのに」
 女王はかなりヒステリックな状態で、気持ちが高ぶっていた。
 私は怪訝な感じで、話を聞いていた。

「まだモップに上手に乗れないというのに……全く」
 女王は頭を抱えながら、溜息混じりに呆れた感じだ。
「ごめんなさい、次は気をつけます」
 早くこの場を去ろう、そうでもしないと立派な魔法は使えない。

「もういいわ、次からは勝手に外に出ない事。分かりましたね?」
「えぇ、以後気をつけます」
 空返事で母に言うと、私はそそくさと講堂を去った。

 もう、12時を過ぎたわね――……

 大丈夫かしら?

24:匿名希望:2014/09/15(月) 11:38 ID:g2o

あげ

25:桜音:2014/09/15(月) 13:10 ID:sTs

久しぶりです!最近部活で忙しくて!

このシンデレラはバットエンドなんですか?!
わたし、バットエンドのシンデレラなんて
はじめてなので楽しみにしてます!

26:はつき:2014/09/15(月) 18:50 ID:g2o

ありがとうございます!
嬉しいです^_^

27:ラビリンス◆hQ:2014/09/15(月) 20:36 ID:g2o

 私はモップを手に力強く握り、永遠の魔法を使うために練習を重ねる。
 
 魔法使いは人間に災いの元とされ、絶滅に追いやられ、人間を恐れている。
 以来、魔法使い達は人間の前に姿を現さなくなっていった。
 魔法使いの国では人間は悪者と教育され、私もずっと思い込んでいた。
 まるで、催眠術にかけられ、暗示にかけられ……

 でも彼女は違っていた。
 私が遊び半分で人間の世界に行って、転落した。
 透身の術で人間の視界から消えれる魔法を不完全なまま身につけたため、焦った。
 でも、彼女は私を見て、襲うどころか傷の手当てをした。

 こんな人間も、いるんだな――……

「きゃあっ!また……っ」
 感慨に耽っていたら、モップに振り落とされ、勢いよく地面に叩きつけられた。
 後頭部を強く打ち、鐘が鳴る様な耳鳴りに襲われる。

28:ラビリンス◆ZM:2014/09/16(火) 19:22 ID:g2o

「どうしよう……お母さんに何て説明しよう」
 私は耳の裏から滴る、生暖かく紅い液体を拭いた。
 でもそれは噴水の様に、拭いても中々収まらない。
 こうなる覚悟を決めて練習するんだ、くたばっていられないわ。

 そして3年後、私は今までの気だるく憂鬱な学園の授業も聞き、優等生にまで上り詰めた。
 成績も優秀で、人間界で言う、ハーバード大学的な学校にも受かった。
 徐々に永遠の魔法も操れるようになってきていた。
 
 
 そう、いつか彼女に

 永遠の魔法がかけられますように――……

29:ラビリンス◆ZM:2014/09/16(火) 19:28 ID:g2o

 それから10年後、人間界では1年――
 時間軸の差を超えて、私はもう1度人間界に行こう
 そう決心した際だった。

「およしなさい、レーア!」
 穏やかな母の声が、ヒステリックな鋭い声に豹変していた。
 私はその剣幕に驚愕したまま、後ろを振り向く。
「何でしょう?私はもう一流の魔法使いです!人間界に行くのに文句があるのですか?」
 私はうんざりした表情で言ってのけた。

「人間は危険です。貴方が一流だろうと、魔法使いの存在を知られては周りに迷惑です」
 母は呆れたように言い、顔を顰めた。
 私はため息をつき、首を横に振る。
「人間は優しい人も居るんです、万が一見つかっても記憶は私が消しますから」
「いけません!宥めの魔法を……」
 宥めの魔法は、相手の意思に反して思い通りにさせる魔法だ。
 そんな魔法で行くのを止めようなんて、想定内。

「効かないですって……私の魔法を防ぐなんて……!」
 お母さん……いや、女王はヒステリックでありながら、油断したら落ちそうな涙を堪えた。

30:ラビリンス◆ZM:2014/09/16(火) 19:34 ID:g2o

『冷やし中華はじめました』
     &
『Twitter、はじめました』
http://twitter.com/komakomaho?lang=ja
需要があれば、登場人物の詳しいデータ
ネタバレ、登場人物描いてみた をやってみたいと思います^^

31:颯:2014/09/17(水) 12:53 ID:iks

 シンデレラが処刑される幼馴染み放置して逃げた挙句、
その結末も書かずに一方そのころとかw 超展開すぎだろw
 それに幼馴染みとか人間界との時差とか後付け設定が多すぎて、
はっきり言って訳が分からんな。

32:ラビリンス◆ZM:2014/09/17(水) 16:07 ID:g2o

確かに見返すとかなり超展開になっていましたね……
次作の人魚姫編では気をつけて進行します。
貴重な意見ありがとうございました!^▽^

33:ラビリンス◆ZM:2014/09/17(水) 16:16 ID:g2o

「私は、行ってくる。何を言われようと」
 とんがり帽子のつばをキッと整えながら宣言する。
「好きにしなさい……」
 母の激怒に滲んだ表情で言った。


 その頃、処刑が決まって『私』は為すすべもなく、ただ悔しく嘆いていた。
 処刑が発覚したのは1年前の宮殿にて。
 私は精一杯止めようと王子に説得したものの、裁判では敗訴。
 結局伯爵の処刑の日になってしまっていた。

「あぁ、どうしよう……ごめんなさい、最後まで手を打てなくて……」
 私は自分のせいでもないのに、処刑場にいる彼に謝った。。
「いいんだよ……別に。俺だってどうせいつかは死ぬし」
 ラリア伯爵はこれから処刑だというのに、微笑んでいた。

34:沙桜:2014/09/17(水) 22:46 ID:612

罪人だからね…
シンデレラはそしてどうなるのですかっ!?

35:ラビリンス:2014/09/18(木) 07:06 ID:g2o

コメント嬉しいです^_^
シンデレラはその後…っとネタバレはあかんなw
今日書きますー

36:ラビリンス:2014/09/18(木) 15:23 ID:g2o

 あの人……私を助けてくれた少女はどうして?
 何故、あの少女は処刑場に居るの……?

 私はモップから降り、処刑場へ入った。(魔法を使って何とか入った)
 
 少女はある男性と何かを話していて、悲しい表情だった。
 今にも涙が溢れそうで……
 私が何とか出来る悩み事だったら良いんだけれど。

「約束……よね?」
 私は彼女の背後から前触れもなく声をかけた。
「貴方……は?確か1年くらい前のあの魔法使い!?」
「おねがい、大きな声で言わないで、存在が見つかったら大変」
 私は興奮状態の彼女を宥めるようにした。

「魔法使い何でしょう!?彼をどうにか……助けて」
 彼女は私に何か激しく訴え、そして何かに怯えているようだった。
「出来る事ならするわ。何があったの?またガラスの靴を?」
「そんな魔法は必要ないわ!私より彼の処刑を止めて欲しいの。無罪なのよ!」
 
 必要ない――……

 そんな言葉を私は何度も呟き返した……

37:沙桜:2014/09/18(木) 23:37 ID:CfA

言い忘れてました!
沙桜は
もと桜音です!
よろしくです!これからも、続き楽しみにしてます!

38:ラビリンス:2014/09/19(金) 19:04 ID:g2o

ありがとうございます!
沙音さんですね、了解です^^

39:ラビリンス:2014/09/19(金) 19:12 ID:g2o

「お願い、処刑を免れる魔法はある……?」
「おい、そもそもこの人は誰だ?知り合いか?」
 唖然としたラリア伯爵は要約言葉を紡ぎだした。
「あぁ、彼女は知り合いの魔法使いの少女なの。前に助けてもらって……」
 私は軽く伯爵に説明し、続けた。
「あったら何でもするわ、そういう魔法、ある?」

 少女は一瞬放心状態だったようで、取り乱していた。
「……あ、あぁっ、処刑を免れる魔法――そうね……あるにはあるのだけれど……」
 彼女はため息をつきながら、首を横に振り、続けた。
「それを使うにはとても重要な『代物』が必要で……」
「『シロモノ』?それは何?お金、宝石?」
 私は前のめりな状態になりながら、彼女に問い詰めた。

「それが……『魂』よ。それも人のね」
 一瞬背中に何かヒヤッとした物が走る。
 ゾッとした。

 私は助けてもらった少女に恩返しに来た。
 だから彼女の命を奪う魔法なんて使いたくない、絶対に……

40:ラビリンス:2014/09/19(金) 19:15 ID:g2o

番外編を葉っぱ天国以外の所でやってますー
宜しければコチラも合わせて読んでみて下さい^^

『オトギhttp://www.casphy.com/bbs/test/read.cgi/novel/1411121696/l50話は二重螺旋構造!』

41:ラビリンス:2014/09/19(金) 19:16 ID:g2o

オトギ話は二重螺旋構造!
は不定期ですので…… ーー;

42:ラビリンス:2014/09/21(日) 11:11 ID:g2o

あげ

43:ラビリンス:2014/09/21(日) 12:08 ID:g2o

「あぁ、処刑まで時間がない。魔法は使うな、反対だぞ、俺は」
 手錠をガチャガチャと音を立てながら伯爵はもがいた。
 私は溜息をつきながら魔法少女に頼む。
「私の魂では駄目なの?シロモノさえあれば良いんでしょう?」
「ダメよ、私はその為に恩返しに来たんじゃないわ。あなたを助けるために来たというのに」

 少女は一向に魔法を使ってくれなかった。
「処刑まで30分だよ……ラリア伯爵。ふふっ」
 いつの間にか、執事とボディーガードをつけた肉らしき王子が嫌味な口調で言う。

「あぁ、王子の魂は駄目?あいつ、憎らしいし、要らないし」
 見た目によらず、酷いこと言うわね、シンデレラ……と少女は内心思った。
「何の話だ?とにかく処刑するぞ、こっちへ来い」
 王子と少女、私は大広間に案内された。

44:ラビリンス:2014/09/21(日) 18:20 ID:g2o

「ちょっと……離してっ!」
 処刑所に行こうととする私を、王子は無理矢理引っ張る。
 大広間は扉が閉まり、鍵が掛けられた。

「大広間に行きたいのよ!何をするつもりですか!?」
「幼馴染の死を間近で見たいのかい?それより僕とパーティーに行かないかい?」
 王子は魔法使いを押しのけるようにして処刑場の出口へ私を引っ張る。

「何を……!魔法を必ず使ってよ!誰の魂でも構わないから!」
 私は魔法少女にそれだけを大声で言い残した。
 王子は冷酷な視線を、小さく見えるラリア伯爵に注ぐ。

 ラリア伯爵に対しての、不思議で妙な胸の高鳴りは、もう分からなくなってしまうのか――……
 熱く、早く、煩い鼓動は、伯爵と別れた後、ピタッと途絶えてしまった。

「今日は僕の誕生日祭でね。例のガラスの靴を履いて出席しないかい?」
「何それ……浅はかだわ、貴方。どうせ遊女でも雇っているのでしょう?信用出来ないわ」
 私はかなり警戒した表情で王子を軽く睨み付けた。

「失敬な。確かに君の言う通りかもしれないが……僕は何時だって君の亭主になってあげるよ」
「亭主ですって……!?笑わせないで!」
 私が吐き捨てるように怒鳴った途端、庭園のバラが散った。

45:沙桜:2014/09/21(日) 22:30 ID:LCM

おぉ〜なんか、バットエンドの兆候ですかね!
バラが散るってことは!


書き込む 最新10 サイトマップ