短編集

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1:鮎川:2014/10/12(日) 23:59 ID:Yoo

母親と喧嘩した。すごく、くだらないことで。

家出をして、冬の公園にたどりつく。

ここにきて、寒さにきずく。

ぽっけの中にあった、216円で肉まんをかって食べた。はふはふ。

ああ、なんで喧嘩などしてしまったんだ。
ずっとずっと大事に大事にとっておいたショートケーキのイチゴを、母は食べたのだ。
許せるだろうか?いいや、許さない。これはもう、日本の法律の何条なのかは知らないが、死刑に値する重罪だと思う。
イチゴだけ買って食べればいいってもんじゃない。生クリーム、スポンジが程良くからまるイチゴが最高なのだ。

だが、イチゴより自分の命である。寒い。寒すぎるぞ。ガチガチ。
よし、帰ろう。
たった10分の家出である。

2:鮎川:2014/10/13(月) 00:00 ID:Yoo

扉をあける。ガチャ。当然「おかえり」も「ただいま」もない。当然ではないかもしれないが。
リビングに入ると丸い時計は7:37をさしていた、そして母が腹筋していた。死ねばいいのに。
家に帰ると必ずやる、うさぎのぬいぐるみ、うさきちをもふもふという行為をしてから冷蔵庫の中に、ケーキ屋さんの大きな箱がないのを確認して、コーラ1.5Lをもって自室に入る。

部屋に隠してある今私の中でブームのコンソメポテチを食べながら考える。

もしかしたら、この世界以外の母は、喧嘩を苦に自殺しているかもしれない。
私も、家出の時間がもっと長かったかもしれない。家に帰ると、母が、宙ずりブランコかもしれない。
外で、ガチガチ、凍死しているかも知れない。
そして、もしかしたら、母がちゃんとショートケーキを買ってきてくれて(ホールで)仲直りしているかも知れない。
そんな、いまの現状とは違う世界へと、私は行ってみたい。

3:鮎川:2014/10/13(月) 00:01 ID:Yoo

そして、ポテチの残り2枚のポテチの1枚を食べた時、ポテチの味が変わった……と気づくと私はリビングに居た。


そして、目の前には母がブラブラブランコしていた。

「は?」

間抜けな声が出て、「ひゃひ、hy」と、おかしな言葉も出てきた。

一体、どういうことなんだろう。さっきまで、私は自室にいた。ポテチをかじっていたはずなのになぜ、母が、宙ずりなんだろう。

意味もなく時計を見た。デジタル時計だった。家は、丸い時計だったはずなのに。そして、時間が7:37を指していた。
簡潔に言うと、時間が戻っていた。私が、家に帰ってきた時間だった。そして私の頭にパラレルワールド……さっき想像していたことが起きているのではないかというけつろんが浮かんだ。

これは、戻れるのだろうか。自分でも驚くくらい冷静だった冷静に、元の世界に帰る方法を考えていた。また、ふと時計を見ると、7:47分だった。
もう10分もたつのか、と思って、リビングを出ようとすると、自室だった。

「は?」

全く意味が分からなかった。せっかく、普段は使わない頭を使っていたのに。戻ってきてしまったのか?
確認するべくリビングに出た。

ここは違う。瞬間的に分かった。


何せ、うさきちがクマに変わっている。これではクマ五郎ではないか。もふもふ。
時計は、やはり7:37分。

だが、母はブランコではなかった。何かが、少し違う?そして私は、時計を見た。
7:42分だった。クマ五郎をもふっていただけでほとんど時間を使ってしまったのか。なんてバカなんだ。わかってはいたが。
そして、時計を見続けて7:46分になった瞬間、私は公園にいた。寒い。

さっきは、47分に世界が変わったはずだが46分になっていた。1分ずつ減っていくのかもしれない。
となるとここでは8分しかいられない。色々と試そうと思っていたら、もう時間だったらしく部屋に引き戻された。
体感速度が、早くなっている気がする。自室から出るとやはり37分。冷蔵庫をあける。

ケーキ屋さんの大きな箱があった。ひゃひ、hy。

「た、食べねば」

箱をあける。空だった。くそう。

母からの嫌がらせだったらしく、母はクククと笑っている。ククク。笑い返してやった。

そこで景色がまた変わった。次は何故か、ビルの屋上だった。警察や野次馬、叫んでいる母が下にいた。もしかしたら、自殺しようとしていたのかも知れない。
ただの、イチゴの為に死のうとした私は、ノーベルイチゴ賞的なものをもらえると思う。どうせ、あと10秒もない。
飛び降りてみた。凄く重力を感じて落下している時に人々の悲鳴が聞こえ、景色が変わる。自室だ。

さっき居た世界の私は、死んだのだろうか。自分を殺害した女。うん。悪くない響きだ。
あまり、深く考えない女、それがわたしだったので深く考えずにリビングへでる。

うさきちでもクマ五郎でもなく、ワニ太郎だった。なんていうセンスしてんだここの私は。しかも固い。けしからん。
そして、母はここにいなかった。関係がないが。景色が変わった。

着実に短くなっていっている。ここにいられる時間は4分だ。というかここはどこだ。寒い。

4:鮎川:2014/10/13(月) 00:01 ID:Yoo

そこは、見知らぬ公園だった。だが、公園の名前は元の世界の名前と同じだった。つまり、変化は、世界中で起こっているということがここではっきりする。
景色が変わる。残り3分。
景色が変わる。残り2分。
景色が変わる。残り1分。
そしてあと、もう、10秒。元に戻るのか。戻るのか。戻るのか。


景色が変わった。
自室だった。リビングへ出る。母は腹筋をしていて、うさきちがいて、時計がまるくて、7:37分で、すべて戻っていた。


……戻っていた?何故、私は元の世界に戻れると、思っていた?錯覚していた?変化は世界中に起きている。家ではなにも変わっていなかっただけで、『ここ』元の世界だという保証はどこにも、ないのに。

「ま、いっか」

深く考えない私は、自室に戻った。ポテチの袋の中を見ると1枚残っていた。それを噛みしめる。
凄く、おいしい、うすしおの味がした。


ああ、おいしいな。ああ、おいしい。ああ、おかしい。

(完)

5:ふれいむ:2014/10/13(月) 01:13 ID:cPE

液晶にりんごジュース吹きました
めっちゃ面白かったです

6:鮎川:2014/10/13(月) 15:02 ID:Z2c

>>5 ありがとございまふ。

7:鮎川:2014/10/13(月) 15:04 ID:Z2c

その子には、何も才能がありませんでした。
子供の時から何をやってもうまくいかず毎日毎日馬鹿にされました。
悔しくて悔しくて、何か自分にも、自分しかできないを特技を探します。

ある日学校で買っていた鴨が誰かに殺されました。
その死体を見つけたのが、その子でした。
臓物が飛び散り、地面に溜まっていた血はまるで、雨の日の水溜りの様でした。
その血は紫のようにも見えるほど濃い色でした。
その光景を見て、倒れる者もいれば吐く者もいました。
「赤い」「赤い」と、大の大人が動揺する中、その子は特に何もしてません。
ただただ、その光景を見ていたのです。

その子は、美しいというものを知りました。

8:鮎川:2014/10/13(月) 15:05 ID:Z2c

7から話変わってます。

9:鮎川:2014/10/13(月) 15:05 ID:Z2c

「おい、しゅう。お前今度作るエコバッグ、だっけ?それ、何色にした?」

その子と同じクラスの友達が、質問を投げかけます。

「赤」

その子はそれに即答をします。なぜならそれは、

「お前赤ばっかだな」

赤色が好きだからです。
その子の名前は、崇太郎。みんなからはよく、しゅうと呼ばれます。

「赤、好きだから」

「へー、いつから?」

「小2くらい」

「へー」

会話はすぐに終わります。その友達は、赤色に興味がないからです。
何故赤が好きなのか、友達は知りません。
知るのは、ただ一人の女の子だけです。

10:鮎川:2014/10/13(月) 15:06 ID:Z2c

その子は、幼少時代いじめられていました。
本格的なものではありませんが、仲間はずれは小さい子にとても多きな傷を与えます。
その子はただ1人、河の近くの土手に座り込んでいました。
少し、誘ってくれるのではないかという期待をその子はしています。

「そこの男!」

後ろから声をかけられます。
その子が振り向くと、お面をした1人の少女が立っていました。

11:鮎川:2014/10/13(月) 15:10 ID:Z2c

「何で一人でいるのだ!」

お面をした女の子は、その子に問いかけます。

「……仲間になんか入れてくれない」

小さく、でも淡々とその子は答えます。

「じゃあ、私と遊ぶか!少年!」

女の子は、お面の向こう側で笑いました。
赤い、ヒーローのお面をした女の子は、少しずつ。
確実にその子と仲良くなっていきました。


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