___それでも地球は回っていた。

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧 [書き込む] Twitter シェアする? ▼下へ
1: Anna ◆q.:2014/11/01(土) 16:03 ID:C.o







どうも。
知ってる人は知ってる筈です、多分。
小説を書くのは初めてでは無いのですが此方では久しぶりに書きますので宜しくお願いします。

2: Anna ◆q.:2014/11/01(土) 16:32 ID:C.o




何で、空は赤いんだろう。


彼は小さく笑った。その表情は切ないとも憤怒しているとも捉えられるような表情だったのを今でも覚えている。


――――……………


丁度、政府が「平和条約」を世界と全面的に破棄をしていつ戦争が起きても可笑しくない状況下に置かれるようになってから1年が過ぎた。
かつて戦争をしていた時代よりは豊かになり近代化の未来になっていたが、間違いなく日本は世界よりもそのような類いの進化には劣っていたのだ。

「………っで、次は…。」

私、中原未羽(Miu Nakahara)はある論文を政府に送るために磨り減っていく消しゴムとペンである事について書いていた。


日本は今、戦争をしようとしている。
政府は独裁的に日本を取り締まり、男の人達を兵隊へと送り出していくんだ。
そんな世の中にしたくない。所謂、私は「古人」と言う人の類に入る。

「よし、出来た!」
やっと徹夜漬けで書き終えた書物を茶色い封筒に入れて急いでお気に入りの鞄に入れる。
階段を掛け降りれば、妹がソファに座りテレビを見ていた。
そのテレビの内容は飽きるほどに聞いた政府の意向を推し続ける番組だ。

ちょっと前までは、戦争はイケないとドラマなどで伝えていた筈なのに。
「…相変わらず、政府は懲りないんだね。」
妹は小さく呟くとポケットからある物を取り出した。それは、手榴弾だった。今ではこんなにも手に入りやすい物で、いざとなれば敵国の人へと投げ付ける為に政府が配布した物だ。……実際はそれを違う意味で使う人の方が多くいるのだが。

「私も、これでお母さんとお父さんの所に逝こうかなー……。」

妹の瞳は、死んでいた。
私にはどうする事も出来ずただただ目を瞑って「夕飯、冷蔵庫に入れといたから。」と小さく妹に言えば妹は遠くを見るような目でコクリ、と頷いた。


その瞳に私は映ってはいなかった。

3:Red◆XI:2014/11/01(土) 18:57 ID:ppY

4:  Anna   ◆KY:2014/11/02(日) 23:12 ID:RBU




>>3 様

【 誉め言葉と捉えておきます笑 】

5:  Anna   ◆KY:2014/11/03(月) 22:19 ID:RBU




家を出て自転車に跨がれば、思いきりペダルを踏んだ。


_____何回目だろうか。

こうやって政府に封筒を持って渡しに行くという、普通では考えられない事を。
ポストに出しても返却される事は何回も学んだし、二回ぐらいは牢屋に入れられたりした事ぐらいとっくに分かりきっている。しかし、誰も止めなければそのまま日本は衰退していくと私は確信していた。
昔も、今も、やっている事とシナリオは同じなのだから。


「…………着いた。」

茶色い壁に囲まれた壮大な高さの塔、しっかりとした鉄の門の脇には金文字で「 戦争対策本部 」と書かれている。
私は門の前で自転車を止めると目の前の警備の人は不機嫌そうな顔で、呆れた様子で私を見下ろしていた。だってそうだろう、何回も通っていて、ましてや戦争に反対している数少ない人ならば嫌でも顔を覚えてしまうのだろう。私も、何人かの警備の人の顔は覚えている。

「…これを、和田岬総帥に渡してくれませんか。」

差し出した封筒を見て、警備の人は呆れたように1つ溜め息を吐けば封筒を私の胸へと押し付けた。

「何度も言っているだろう。これは受け取れない。」

そんな聞きなれた台詞を言って首を振る警備の人は、昔戦争に行っていた数少ない生存者の一人だ。
「………お願いします。渡すだけでも良いんです。お願いします…!」

膝をついて頭をしっかりと地面に付けて、私は土下座をした。
手紙を受け取ってくれるなら、土下座でも頼まれれば泥水で汚れた革靴だって舐めるなど何でもやるつもりでいるのだ。

「いい加減にしろ、そんな事はやっても手紙は受け取れない。」

やはり駄目なのか。何十回やっても一度も手紙を受け取ってくれないのは重々承知している、だがもう時間が無いのだ_____。

私は立ち上がると死にもの狂いで柵へと手を伸ばして登っていた。下で警備の人が止めようと足を掴んでくるのと同時に雨が降りだした。そのせいで、鉄の柵は濡れて滑りが良くなってしまった。

いとも簡単に警備の人にずり降ろされれば一発、固い棒で叩かれた。叩かれた部分は酷く痛かったが今はそこでへたばる訳にはいかないと、残りの力で柵へと手を伸ばした。

「_____古人で、悪いか。」

柵から見える入り口の先に、この建物の上に総帥が居るのならば、この叫びは聞こえるだろう。

「古人で悪いか、古人で悪いか、」

この叫びと共に激しさを増す痛みと、頬に伝う雫は涙なのか雨の雫なのか。


考えている余地も無かった。


書き込む 最新10 サイトマップ