残照の街

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1:Sia:2014/11/28(金) 18:56 ID:s5E


今でもまだ覚えている。

強くなろうと決めた日の事。

儚げに微笑む母の姿も、僕を睨む弟の顔も。

全てを忘れることは出来なかったけど。

美しい記憶の中に悲しい過去は埋もれていく。

あの日の思いが風化しても、約束は消えない。

いつか、自分を許せる日まで

嘘を吐き続けよう。

弱い自分を、隠す為に。

2:Sia:2014/11/29(土) 08:43 ID:s5E


偽善が世界を輝かす。

眩しく地上を照らす太陽が僕を俯かせる。

この世界の何かが、僕を憂鬱な気分にさせる。

明るい友人も、生き生きした人の顔も、笑顔でごまかす人も。

皆、何かを隠している。

そんな世界で、僕は今日も生きている。

あの日から、もう10日。

まだ、あの日のことは鮮明に記憶に残っている。

3:Sia:2014/11/29(土) 08:53 ID:s5E


朝、暗い気持ちを、封じて

笑顔にすべてを隠す。

こんな世界で、生きるために。

友人は、僕に明るく言った。

「今日も、よろしくな!・・・さーてと、仕事仕事!!」

だから僕も笑って言う。

「おはよ、・・・朝からお前は元気だな。」

友人こと、アオは人懐っこい笑顔で

「それが俺の取り柄だからな!」

不敵にニッと笑った。

4:Sia:2014/12/02(火) 17:16 ID:s5E

俺たちの仕事は犯罪者を取り締まること。

・・・あとはまぁ、悩み相談とか。

つい最近、魔法使いを保護する法律ができた。

が、死んだ人は生き返らない。

魔法は、便利でも死者を蘇生することは出来ない。

・・・つまり、犯罪者は魔法使いがほとんどだ。

なかには、ずっと隠れていて法律を知らずに過ごしている奴もいるだろう。

俺は、この仕事に誇りも持っていないし尊敬もしていない。

アオがポツリと呟く。

「そんなことやったって、死んだ人が返ってくるわけじゃないのにな。」

そうじゃない。・・・復習が目的じゃない。

出かかった言葉を飲み込む。

「・・・ああ、そうだな。」

辛うじて、笑えた。

「・・・ああ。」

アオは何かを堪えているような顔で頷いた。

5:Sia:2014/12/07(日) 16:14 ID:s5E


刹那、悲鳴が聞こえた。

無言で頷きあう。

余談だが、検挙数というのがあって、アオは魔法使いの犯罪者を過去、20人捕まえている。

そして俺は、人間の犯罪者を今現在までで128人捕まえている。

目を瞑り、犯罪者は人間か、魔法使いかを考える。

6:Sia:2014/12/07(日) 16:20 ID:s5E


ここで軽い登場人物紹介です。

【アオ】 アデルの友人。アデルより1歳下。茶髪。

【アデル】常にしかめっ面で、愛想がない。黒髪。

【フレア】お金持ちのお嬢様。性格に難あり。金髪。

7:Sia:2014/12/14(日) 09:42 ID:s5E


悲鳴が飛び交う街中。

逃げ惑う人たち。

「・・・アオ、多分だけどお前の出番だ。」

「ああ、覚悟しておく。」

色々な家が次々燃えていく。

「・・・くそっ、好き勝手し放題だな!」

火事に乗じて強奪も発生している。

急がないと・・・。

アイツが犯人か・・・!

「がっ、うぐっ・・・。」

腹を殴られたか。まずい、逃げられ・・・

「待ちなさい!!」

誰だお前。

「この私にぶつかっておいて謝罪も無しなんて図々しいにもほどがあるわ!!」

長々と強盗に説教する金髪の女。

・・・とりあえず、犯人があっけにとられている間に。

「確保。」

「「あ・・・。」」

金髪と強盗の声が重なる。

・・・後はアオだけだな。


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