黒咲 謎の少女

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1:みちる:2014/12/15(月) 19:01 ID:utc

謎。

謎と呼ばれるものはこの世にたくさんあるが。

この少女ほど謎に包まれた者はいない。

黒咲 麗子...

2:みちる:2014/12/15(月) 19:51 ID:utc

「高峰さん?カバン持っていただけないかしら」

「え...でも昨日も...」

「いいじゃない、私たちトモダチでしょう?」

「う、うん...」

「頼むわね」

まただ。また言えなかった。

「嫌だ。」の一言が。

今年中等部3年でもうすぐ高等部に進学するというのに

美春を取り巻く状況に変わりはなかった。

ここは、私立星藍学院。

某財閥や、政治家などと言ったいわゆる

『リッチ』

の御子息や御令嬢が通う学校。

そして美春は.....『庶民』だ。

1週間前までは美春も"御令嬢”だった。

美春の父、高峰透の会社

高峰財閥が倒産してしまったがために

庶民に突き落とされた。

それでも星藍学院に通えるほどの金はあったため

そのまま通っている。

他のところは知らないが、星藍学院には何故か

より、『リッチ』な方が"偉い”と言う風習があった。

だから庶民ではないにしろこの学院の中では庶民に近いような

下流リッチの生徒たちはこぞって美春のことをつつき始めた。

ちなみにさっき美春に荷物を持たせた女生徒...

彼女は星藍学院でもトップクラスの上流リッチであり

父親の会社が海外進出もしている加賀野財閥の次女、

加賀野 茜お嬢様であった。

文字通り金持ちなので下流リッチは頭が上がらなかった。

美春は以前、茜よりリッチだったため

美春が庶民になったとたんに

いじめと呼べる行為を仕掛けてくるようになった。

だが美春には友人がいないわけではない。

もともとリッチで、その上驕り高ぶることがなかったため

周りに人が集まりやすかったからだ。

その友人の中でもひときわ仲のいい

これまた上流リッチの御令嬢がいた。

父親が衆議院議員、しかも与党のおエライ様で

国会でふんぞり返っている国会議員だ。

彼女の名前は佐々木 弥生。

我が強いが、リーダーシップがあり、周りからしたわれている。

美春には心強い友人がいた。

美春は、教室につくと茜の席に持たされたカバンを置いた。

それを目撃した弥生がつかつかと寄ってきて

「美春、それ茜のでしょ?なんで美春が持ってるの」

と言いながら茜の方を見る。

「なんでも何も、高峰さんが持ってくれるって言ったからよ。」

「はぁ?美春が?」

弥生が茜に食ってかかる。

「なによ。疑ってるの?聞いてみればいいじゃない。」

茜が不愉快そうに言った。

「美春、本当?」

弥生が振り返って美春に聞く。

「え、う..うん。」

美春は弥生の顔を見れなかった。

「ほら、言っているでしょう?あなたも無駄な詮索はやめた方がいいわよ」

茜が勝ち誇ったように言う。

「あたしは美春を心配してるの!」

弥生は食い下がる。

「あなたのは心配じゃないわ、偽善よ。それか"野次馬”よ。」

茜の取り巻き、華奈と莉子がくすくす笑う。

「いいこと?野次馬は" はしたなきこと このうえなし ”よ。」

弥生の顔が真っ赤になる。

「もう辞めたら?はしたないのはあなたよ。」

教室の奥の方から声がした。

見ると、お嬢様学級委員、三輪 藍子が立っていた。

三輪 藍子の母親は上流リッチの娘、父親はこの学院の理事長で

藍子は五本の指に入る、とんでもない上流リッチだ。

「藍子様、ご機嫌麗しゅう。」

茜がうやうやしく挨拶する。

「もう授業が始まるわ。赤金先生は時間に厳しい方よ。」

そういえば、そんな時間だ。

「藍子さん、ありがとう!美春、行くよ!」

「あ、うん!!」

美春がちらっと藍子の方をみると

藍子は笑顔で美春に手を振ってくれた。

続く

3:みちる:2014/12/23(火) 02:20 ID:W5U

「美春、藍子さんて結構優しいんだね、堅苦しいイメージしかなかったわ」

次の時限は音楽。赤金先生がいる音楽室へと向かう途中で

弥生が美春に言った。

「そう?私は結構前から優しいなって思ってたけど、、」

「やっぱり、藍子さんは見た目だけじゃないんだね〜」

そんな話をしながら二人が音楽室に入ると案の定茜が突っかかってきた。

「高峰さん?いま、藍子様の話してたわよね。」

「う、うん、してたけど、どうしたの?」

「"藍子さん”だなんてあなたみたいな庶民が言っていいことじゃなくてよ」

すると弥生が

「美春は庶民じゃないと思うけど?」

「いいえ。そこはきっちり分けませんと。あなたは庶民よ。」

そのとき、茜の顔がドアの方に釘付けになった。

なんだと思って弥生は振り返ったが、すぐに意味がわかった。

「美春さん!本、忘れてたよ?」

彼は神谷和泉。美春の幼なじみで小さい頃から一緒にいる。

美春は彼のことを「いず」と呼ぶが和泉は何故か美春の事を

「美春さん」と呼んでいる。

「あ、ごめん、いずありが.....」

「いずみく〜ん♡ご機嫌麗しゅう♡」

美春が言い終わらないうちに茜が横から入ってきた。

「加賀野さん、俺は元気ですよ」

「いやだ和泉くん、茜って呼んでよぉ〜」

「いえ、俺はその.....」

そんなやり取りを見ていた弥生が呟いた。

「茜酔ってんじゃないの?」

周りにいた下流リッチがクスクス笑ったため茜は顔を真っ赤にして

憤慨した。

「なんですって!?口の聞き方に気をつけなさいな!許しませんわよ!」

「本当のこと言っちゃだめとかあんたいつからそんな偉くなったの〜?」

「もともとえらいわよ!あなたなんかより!!」

「はぁ?あんた何言って....」

「うるさいのよ。ぎゃあぎゃあ騒いで。周りを見なさいよ」

声のした方を見ると、読書している少女がいた。

彼女は大手企業、四条財閥の一人娘。

四条薫子だ。

普段はあまり喋らず、いざ喋ると爆弾が落ちる。

喋らせてはいけない、と評判になっている子だ。

そんな薫子にも余裕綽々の笑みで茜は向かっていく。

「あなたに口出しする権利はあって?」

「.....ないとでも?」

「あるのならおっしゃって下さらないこと?」

「迷惑なのよ。うるさくて。あたし本読んでるのよ?」

「関係ないわ。私にとってはどうでもいいもの。」

「読んでるのよ?」

「読まなければいいじゃない。」

「かおるちゃん。茜さん。授業始まるわよ。」

藍子が言ってきた。

「はーい。」






続く


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