初めまして!花魁(おいらん)という者です!
今回小説板初めてです…。
スレ名特に気にしないでください(
切ない系ですかね…。若干恋愛入るかも。ド素人なので文才もないし構成も下手です。
とある曲をイメージしています!その曲の歌詞も出てきます!
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夕暮れの海辺。
一人の少女が佇んでいた。
柔らかい風を受け、潮の香りとともに綺麗な髪を靡かせる。
その少女は、確かに歌っていた。
声は出ていないハズなのに、
口を動かしているだけなのに、その透き通る程綺麗で、切なげな声が…
俺には確かに聞こえた。
『 どうせ死ぬくせに辛いなんておかしいじゃないか どうせ死ぬくせに辛いなんて 』
第一話 、 少年
最近、何もかもが上手くいっていない気がする。
何もやっていなかったから、天罰でもくだったんだろうか?
そんな事を考えてしまうようになった俺の頭は、もう使い物にはならなそうだ。
今日返されたテストは、前回よりも大分点数が落ちていた。
友達もいつのまにかいなくなった。 別に寂しくないけど。
海岸沿いの道を、少年、高校三年生の佐藤匠は重たい足を引きずるようにして歩いていた。
全部が全部平均並みだから、完全に名前負けである。こんな名前大嫌いだ。
はぁ、と深い溜息をつく。溜息をつけば幸せが逃げていくなんて迷信、今まで信じてなかったが、こんな状況じゃ信じざるを得ない。
なんて無駄な事まで考え始める自分の頭をガシガシと掻き毟る。
はぁ、早く帰ろうと先程よりも重く感じる足を引きずりながら海岸沿いの道を歩く。
だがなぜか、ふと、いつも通ってるハズの海辺が視界に入り、自然とピタリ、足も止まる。
潮の香りと、ザザ、という波の音が耳に余韻を与える。
海にはトラウマがあるんだよな…。
昔…、といっても中三の頃。
なんとなく海辺に佇んでいた俺は、前方に、溺れているかのように手足をジタバタさせる少女を見つけた。
急いで助けに向かったから、少女は何事もなかったが、その代わり俺が溺れそうになった。
すげぇダセェ…、
嫌な思い出を脳内で繰り広げていても、なぜか自分の足は、何かに誘われるように海辺に向かっていた。
段々と潮の香りが強くなりツン、と鼻孔を刺激する。波の音も大きくなる。
すぐに着いた海辺には、眼前に大きな海が広がる。今は夕暮れ時。夕日も顔を覗かせている。
なんだか、どうしようもなく懐かしい感覚に襲われたが、無理矢理にもそれをシャットアウトする。
その時。
僅かな視界の端に、一人の少女を見つけた。