暇つぶしに書いてます笑
※人生で初めて書いた小説なので表現が陳腐すぎて稚拙すぎて目が腐ります。
人類は大いに発展した。
それまで築かれてきた論理は覆され、進展を遂げることになる。
冷暖器具が内蔵されたソファ、半永久定期に壊れないことを約束された電化製品、そして防護壁・・・
しかしそれと引き換えに、人々は必要とされなくなった大量のゴミをも獲得することとなる。
そんな物を処分する手間を惜しんで、
一斉排除するために、
時間を短縮するために、
費用を抑えるために、
少しでも無駄な労力を出すことを惜しんだために
私は、
死んだ。
「何か・・・変じゃない?」
ふと、隣席から聞こえた瑠亜の声で、ようやく私は街の異変を察した。
2泊の外泊から、先輩の車で3日ぶりに帰ってきた私達5人グループは改めて、街の異常な風景に目を疑った。
異変――――
それは街に人っ子一人、通行人どころか車一台通っていないことだった。
ひっそりと静寂に包まれた街は、誰の目から見ても不気味だった。
3日留守にしただけですっかり豹変してしまった繁華街を、疑い気に見つめる。
私は慄然としながらも、瑠亜と同じように過ぎ行く店に視点を合わせた。
窓越しから見える、平日だというのに客どころか店員すらいない、店、店、店。閉まっているということは一瞥しただけでも明白だった。
ほんとに誰もいないや…定休日でも無い、筈なのに、ね。さして気にも留めずに、その有様をぼんやりと見据えて息をついた。
同乗していた他のメンバーも、とつとつとしゃべり始め、「人がいないね」「何か嫌(や)な感じ―」と口々に会話を飛び交わせていたものの、次第に皆口籠ってしまった。
結局、その後誰も一言も発さなくなり、各自が家まで送迎されて行った。
この時、気づけばよかったのに。
この街に、緊急避難警告が出されていたことを。
「ん?」
私は我が家の入口のドアに差し込んだ合鍵を、ゆっくりと引き抜いた。
…開いてる。
車庫に車は無かったのに、と疑問を抱きつつ、見慣れた我が家に足を踏み入れる。
むろん、人気(ひとけ)はない。
「ただいま。父さん、母さん、…リナ?いないの?」
声を張り上げるも、その声はむなしく反響するのみに留まった。
やっぱり3人とも出かけてるのかなぁ。施錠もせずに?
まぁ、録画してた韓国ドラマでもみるか。
と、普段は妹のリナに占領されている特等席のソファにどっかりと座った。ついでにそこらへんに落ちていたリモコンも拾う。
カチカチ、と小気味良い音を立てて、何度もリモコンのボタンを押す。画面は黒いままだ。
「・・・テレビが点かない」
何回かそれを実行してみたが、相変わらずテレビは黒一色のまま、全く変わる気配が無かった。
リモコンの中を電池を交換しても、結果は同じだった。
私は訝しげに眉を顰(ひそ)め、舌打ちをしてリモコンをぽうんとほった。―――壊しちゃったかも・・・
やり場のない手をポケットに突っ込むと、立ち代りで携帯を引っ張り出した。乱暴な手つきで電源を点ける。
とりあえず、母さん達に帰宅したことを一報しておこうっと。
ロック画面を解除すると、<メール 一件>という表示が眼に飛び込んできた。
「ん?」
誰からだろう、と確認すると差出人は、母。急いでメールにも目を通す。
・・・そこには、目を疑いたくなるような、文字の羅列が並んでいた。
『凛へ
今どこ?電話通じない メールする いま緊急避難勧告が街に出された
理由はわからないけどとにかく家で待ってる』
面倒くさくなって途中で投げ出すかもです
6:せろり:2015/06/07(日) 17:17 ID:LY. ↓続き↓
「…何これ」
よっぽど打字する時間が無かったのか、ところどころ誤字や脱字があり、お世辞にも文章とは言い難いものだった。
どういうこと?緊急避難警告って?
まさか、それで街の人が誰もいなかったということ?
認識不能にまでこそ陥らなかったものの、それらをすべて理解するには数十秒の時間を要した。
「意味わかんないんだけど…第一父さんも母さんも家にいないじゃん!」
齟齬があることに苛立ちを覚えるもつまり、裏を返せば――――?
…待てないほど、よっぽどのコトが起こったということ?とうか
そのままゆっくりと、私は嫌な予感を抱えながら、メールの受信経歴に目を移した。
メールが受信された時間は9時。携帯の時刻欄は―――現在10時半を指していた。――――
緊急避難警告が発令されてから、既に一時間半が経過していた。
改めて自分が危険な状況下に置かれていると理解し、嫌な汗が止まらなくなる。
急激に体温が冷却され、心拍数が一気に倍に跳ね上がった。
じっとりと背中を濡らす冷や汗に、私は不快気にに身をよじらせた。
一体どうすれば?
でも、避難と一言にいっても一体どこに避難すればいいんだろう??
学校?地区の体育館?公園?
うーん、といまいち状況が呑み込めず、こんがらがった頭を抱え込む。
とりあえずやっぱり、母さんに電話してみるか、と考えていた、その刹那。
突然携帯が振動したかと思うと、『トルコ行進曲』の着メロを吐き出し、私は「ぎゃぁっ!?」と飛び上がった。
―――誰かからの電話のようだ。発信者を確認すると、瑠亜。
「よかった、瑠亜からだ!」
押し寄せてきた安堵に胸をなでおろし、通話ボタンを押す。
しかし、瑠亜の発した第一声は、そんな淡い希望をすべて吹き飛ばした。
「いやあぁぁぁぁっ!!やだっ来ないでぇぇぇっ!」
突如、耳をつんざくような絶叫が、
重なり合うように聞こえたシュウシュウという雑音(ノイズ)が、
怒涛のごとく電話からなだれ込んできた。
あまりの轟音に、一瞬耳が遠くなる。
「いっ!?」
耳をふさぐ間もなく再び、悲鳴。
「やだやだやだ死にたくない死にたくない死にたくない!!」
「ど、どうしたの瑠亜!?この変な音は…」
「たっ助けて凛…コロサレル…」
「はぁ!?ナニソレ!?」
「そ・・・」
そこで瑠亜の声は途切れた。それに反比例し、雑音が一気に高まる。
同時に、ガシャンという鈍い音がした後――――――――――――
・・・無機質な通話終了の音がした。
_φ(・_・
9:カナブン:2015/06/11(木) 19:59 ID:Yow なかなか面白いです!
続きが気になります・・・(#^.^#)
(^o^)/