こんにちは!
小説初心者ですのであたたかい目でみていただけるとうれしいです!
「あんなって恋しないの?」
ざわざわとうるさい昼休み 。
仲良しの女子グループと机をくっつけて喋ってたらそんなことを言われてしまった私、小道 杏奈 。
そして「恋しないの?」なんてずばっと言ってきた美奈子ちゃんはきょと、と首をかしげている 。
なんで、こんなこと言われたのかって?
それは、10分前のこと 。
その時私と美奈子ちゃんはトイレに向かってる途中だった 。
ばしっ 。
急に数学の教科書であたまをたたかれ慌てて振り向く 。
「やっぱ遊希か 。頭爆発しろ 。」
振り向いた所には幼馴染の矢沢 遊希が立っていた 。家が隣で生まれた時からの仲 。
「は……?頭?!なんだ、お前 。お前、本当は『あんな』じゃなくて、『へんな』だろ」
こめかみにシワを寄せてぶっさいくな顔をしながらそう言う遊希 。
へんなっていうのは私の言動がなんか変だからって最近遊希がつけてきたあだ名 。
そんなことないのに!私は生まれた時から正常だったのに!
「へんなーへんなっ♪へんなーなーっ♪」
美奈子ちゃんはへんなが気に入ったらしく何故かメロディーにのせて歌っていた 。
これが元気が取り柄の馬鹿な男子……例えば遊希とか遊希とかだったら私は殴っていただろう 。ぱーじゃなくて、ぐーで 。
でも、歌っていたのは性格も見た目も天使な美奈子ちゃんなのだ 。
美奈子ちゃんだったら、問題なんてないのだ 。皆無だ 。
「美奈子ちゃんだったらノープログラムだよ!!」
「ノープログラム?!ノープログレムだね?!あと急にどうした?!熱でもあんの……?」
美奈子ちゃんは散々熱を計り、熱が無いということが分かると、黙って携帯を取り出して『ノープログラム 病気』と調べていた 。
泣いちゃうよ?!鉄の心を持つ私でも泣いちゃうからね?!傷つくからね?!
「お前ら、なにしてんだよ」
完全に空気になっていた遊希は呆れたようにはぁーっとため息をついていた 。
「んじゃ、へんな 。昇降口で待ってるから、早く来いよ 。」
遊希はそういってぽん、と私の頭の上に手を置けば自分の教室の方へ走り去っていた 。
ってか、へんなは決定なのか……
「え?!へんな、遊希君と帰ってるの?!」
「なんで、へんななのさ……まあ、うん 。家隣だし?近くに同い年遊希くらいしか居ないもん 。」
そう言うと美奈子ちゃんはきらきらとした目で逃がさないみたいに肩をがしっとつかんできた 。
あ、そういえば美奈子ちゃんって恋バナ大好きだったような?
「そんなんじゃないよ?!私、遊希男としてみてないし?!実は女じゃないのかって疑ってるレベルだから?!」
「やめてあげよう?!男として見なくてもいいから、女じゃないのか疑うのやめてあげよう?!遊希君結構モテるから恨まれるからね?!」
「だって、遊希だよ?あと、遊希がちょっとモテるっていう話は聞きたくないから、話さないでね?」
人差し指を立ててむぎゅっと美奈子ちゃんの唇に押し付ける 。
「それは……ライバルの話は聞きたくないってこと?意識してしまってるのー?ついにあんなにも春がきてしまうの?!」
美奈子ちゃんはそう言ってぎゃあぎゃあと一人でよくわからないことを言ってきたので逃げるようにして教室に入って………
今に至る 。
「いいねぇ?青春だねぇ?」
話を黙って聞いていた仲良しグループ、いわゆるいつメンってやつの一人、日向 李埜 (ひなたりの)がそう言ってこくり、と首を傾げた 。
彼女はのほほん、とした掴み所の無い少女である 。かなりのマイペースでいつも眠そうな所が特徴的だと私は思う 。
「恋愛と、友情と、ご飯は青春だよねぇ」
あと、食い意地が張ってるとことか、特徴的 かな 。
ご飯だったらいつでも青春してるよ?アラフォーやアラサーになったとしても青春してる!!とか言えちゃうね?!
………そんな大人ちょっと気持ち悪いよ?!
「李埜…… 。てか、ウチてっきり二人は付き合ってると思ってた」
そう言って驚いた様子なのは町野 由香里(まちの ゆかり) 。運動神経抜群でかなりボーイッシュな女の子 。可愛いより、格好いいって感じ 。あと由香里ちゃんもいつメンの一人だ 。
「なわけ?!私が付き合うわけないでしょ?!」
思わずむせそうになった卵焼きを飲み込み、けほけほとせきまじりに言うと、由香里ちゃんは納得できないようでうーん、と首をひねっていた 。
「でも、私も付き合ってると思ってたよ?リア充爆発っていっつも思ってたよ?」
「美奈子ちゃん?!ひどくない?!付き合ってないし!リア充爆発っておもってたの?!だから遊希と話してるときこっち睨んでる時があったの?!」
「どーかなー?」
美奈子ちゃんはむふふ、と不気味な笑みを浮かべながらこくり、とくびを傾げていた 。