今、これを読んでくれているあなたへ。
あなたは今、幸せ?
何をすれば、幸せ?
私は分からない。
「幸せ」簡単なようで難しい、この言葉。
あなたはこれを、考えてみたことがありますか―?
「わぁ!雪だぁ!」
空から降ってくる白い雪に、春名優羽は目を細めた。
見上げると、頬に雪がくっついて、少し冷たい。
「優羽。風邪ひくよ」
そんな優羽に声をかけたのは、友達の加奈。
優羽と加奈は、とっても仲良し。
幼稚園からずっと一緒だし、これからもずっと一緒。
「おいおい、お前らはしゃぎすぎなんだよ」
もう一つ、男子の声が加わる。
振り返ると、美形の男子が二人立っていた。
敬太と夏希。
この4人は幼馴染。
「雪のどこが珍しいんだよ」
バカにしたように笑う夏希に、優羽は素直にうなずく。
「でもさ、何か綺麗じゃない?」
「まぁ、そりゃあな」