これは…愚かな私の物語。
目の前の光景を笑って見ているお父さん。
そのお父さんを見てなにかを堪えているお母さん。
ねぇ。どうしてこうなる?
どうして喧嘩ばかりするの…?
親の喧嘩など見たくなかった。多分それが普通なのだ。
喧嘩して、いつも私が悪者扱い。
『あんたが居なければよかったのに…
『お前のせいでこっちがしんどくなるんだ。』
私はなにもしていないのに。
ただ…ちゃんと言うことを聞いてきただけなのに。
ちゃんと我慢もした。
なのに、なぜ?なぜ私は認めてもらえないの?
私がただ邪魔だから…?
私が無愛想で無口だから?
……馬鹿みたい。
こっちはずっと我慢してきたのに。
自分勝手な親なんか要らない。
いなくなってしまえばいい。
なんて思って。
だけど今、本当に両親が最低だ。なんて本気で思っている。
目の前には血を流した男性が一人。
頭からの出血でもう死んでいた。
殺ったのはきっとお父さんだ。
私には分かるから。この人はこんな人だから。
人の死をなんとも思わない人だ。
………だから…苦手なんだ。
長い夢を見た。いや、実際はそんなに長くなかったのかもしれない。
ただ長く感じただけだから。
『…あ、起きたのか。』
私の隣では本を片手に持ちながら私を見つめる九条くん。
……またコイツか。
コイツはいつもここにいている。
今日は来ていないからラッキーだと思ったのに…。
『…なんでいるの。』
『俺の場所だから。』
意味がわからない。なんだこいつ。
多分続かない