運命の終焉

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1:千代◆Qg:2015/09/13(日) 10:50 ID:gVw




もし、


もしも、


世界の命運がアナタに託されたら、




アナタはどうしますか?



→一つ前の画面に戻る
→助ける
→逃げる



xxxxxxxxxxxx.amtrsxxxxxxxxxxxxx.



>>2登場人物

2:千代◆Qg:2015/09/13(日) 12:28 ID:gVw

登場人物

名前/前原 志帆(まえはら しほ)
説明/17歳。女。市立高校二年。ゲーム好き。それ以外は人並みに明るく人並みに暗い普通の高校生。
コードネームはシーナ。

名前/林 若菜(はやし わかな)
説明/17歳。女。私立高校二年。志帆とは幼なじみ。皮肉屋で現実主義。現役人気モデル。
コードネームはリン。

名前/清水 樹(しみず いつき)
説明/18歳。男。県立高校三年生。気さくな好青年。ポジティブ。不運。諦めにくい。
コードネームはクリア。

名前/旭川 大地(あさひがわ だいち)
説明/15歳。男。高校一年。臆病で泣き虫。長いものに巻かれる癖がある。人の顔色をよく伺う。
コードネームはガイア。

名前/旭川 海斗( あさひがわ かいと )
説明/15歳。男。高校一年。大地の双子の弟。無口だがいたずら大好きでお茶目。大地とは話さなくても会話できる。
コードネームはサイレス。

名前/早瀬 陽菜( はやせ ひな )
説明/19歳。女。私立大一年。面倒見がよく優しいお姉さんタイプ。清水の幼なじみで幸運を呼び込む。
コードネームはハルナ。

名前/田中 (たなか)
説明/40歳。男。対異変事象施設の施設員。イケメンだけどどうにも格好がつかない。

名前/亜美(あみ)
説明/38歳。女。田中の妻で対異変事象施設の幹部。人をからかうことが好き。旦那とはラブラブ。


登場人物は増えます。取り敢えずこれだけ。

3:千代◆Qg:2015/09/13(日) 13:04 ID:gVw

※追記
旭川兄弟は県立高校生です




story 1【予想外の始まり】

突然だけど皆さんはゲームをする時攻略本を初めから見る派と見ない派、どちらだろうか。私は中間。初めは見ずに自力でやって、二週目から攻略本を見ながらサブストーリーや隠しダンジョンを回収していく。私は攻略本を見ずにサブストーリー、隠しダンジョン、小ネタ、裏技を全て網羅する強者のような事は出来ない。だが、初めから全部分かっているのも嫌だ。と、言うわけでさっき言ったような方法をとっている。

さて、前置きはこれくらいにして何が言いたいかというと。この前近所の某リサイクルショップに行ったら前々から欲しかったお目当てのゲームを見つけた私は速攻で買いその日にゲームを起動した。CMでも紹介されていた派手でキラキラなアクション、笑いあり、涙ありのシナリオ。いい意味で予想を裏切る出来栄えに感動しつつ恒例通り私は攻略本を買った。ペラペラと裏の方までページをめくる。あった。攻略本の後ろの方には裏技や隠しダンジョンが書かれていることが多い。この攻略本もそのようで隠しダンジョンの開け方が書かれてあった。
ゲームクリア後の画面で↑↑〇✕↓→→←□□〇△↑。
長い上に一度でも間違えたらまたラスボスからやり直し。さっき二週目を終えた私は間違えずにコマンドを入れさぁ、どんな画面が出てくるんだとワクワク待っていた。すると、






もし、


もしも、


世界の命運がアナタに託されたら、




アナタはどうしますか?



一つ前の画面に戻る
→助ける
逃げる



xxxxxxxxxxxx.amtrsxxxxxxxxxxxxx.







普通のゲームならコマンド入力後ふわっとブラックアウトして新しいダンジョンが出てくるはずなのに。このゲームで出てきたのはこんな不思議な文が出てきた。
しかも言ってることは結構深刻っていうか大変そう。まあ厨二病にも見えるけど……。一つ前の画面に戻るっていうのは多分GAME CLEARって書かれてる画面のことかな。でも逃げるのと何が違うんだろう。
うーん、と唸るも分からない。落ち着くべくテーブルにコントローラーを置いてお茶を飲むことにした。とくとくコップに継がれてゆく麦茶。それを一気に飲み干して、よし!





ドンッ。



「ドンッ……!?ああああああああああああ!?」

お茶を置いた拍子にたまたまコントローラーに手が当たりたまたまコントローラーが地面に落ちてそのまま〇ボタンが押されてしまった。カーソルは……助ける、の所に止まっている。その助ける、の文字はチカチカ光っていてまるで「選んでくれてありがとうございます!」と言わんばかりだ。まあ、別に、ね?たぶん助けるってやんないとゲーム進まないだろうし良いんだけどさ。こう、心の準備というか気合というか……。
さて、どんなダンジョンが出てくるのやら、とコントローラーを持ち直し待ち構えていると画面にはこんな文字が出てきた。



頑張ってくださいね。



ブチッ。非常に歯切れのいい音を立てて電源が落ちた。……ん?電源が落ち、た……?

「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

前原志帆、本日二度目の絶叫。近所迷惑ごめんなさい。
だってだって!ブチッ、っていや、ブチッ、じゃなくて!どういうことなの!?さっきから!
訳が分からず混乱する私の耳にインターホンの音が聞こえる。ピーンポーン。ちらり、とモニターを振り返れば十数年の幼なじみ、林 若菜が傘を持って立っていた。

4:千代◆Qg:2015/09/16(水) 21:18 ID:gVw

story 2【無茶振り天変地異】前編




「ハイ……なんでしょうか、若菜さ…ん…」
『あんた今日まだ部屋は出てないでしょ出不精』
「へ?そうだけど……なんで分かるの?!もしかしてエスp」
『なわけないでしょ馬鹿』

のっそりと立ち上がってインターホン越しに若菜と会話をする。相手はなんだかイラついているようでいつもより冷たかった。しかも食い気味ですね若菜さん。

『今外酷い天気になってんのよ。なのに洗濯物も干しっぱなしだから……』
「あぁ、それで言いに来てくれたんだ。わざわざありがとう」
『ってことで上がらせて』
「え、なんで?用は聞いたよ。ありがとう」
『へぇ、あんたは幼なじみをこんな寒い空の下ほっとくって言うわけね。いい趣味してるわぁ』
「寒い?何言ってんの?まだ夏だよ?たしかにそろそろ夏休み終わるけど……」
『いいから早く!』
「えー?もう、分かったよ」

本当に若菜の言っていることが分からない。今は8月下旬とはいえまだまだ暑いし、それに『ほっとく』って言われた。放っとくも何も自分の家に帰ればいいのに。若菜の家は庭を挟んだ向こう側のお家だ。だから洗濯物が干しっぱなしなのも見えたんだろう。
ガチャ、と扉を開ける。すると_____


ッビュォォォオオオオオ!!!!!


「っうわっ!?な……に……」

凄まじい風が私の体を横殴りするように襲う。慌てて両手で顔を防御するような姿勢をとった。でもそれは一瞬のことですぐに風は止んだ。それにしてもすごい寒くて強い風だった……。これなら若菜が寒いって言ってたのも分かる気がする。それと、空の色も灰色で少し不気味だ。まあ雨が降ってるから仕方が無いっちゃ仕方ないんだけど。赤い傘を開いて若菜の元へ向かう。

「遅い」
「そう言わないでよ……。確かに寒いね」
「でしょう?ほら、早く家に入れて」
「はいはい」

傘を掴んでない方の手で若菜の手を握ると驚くほど冷たかった。思わずギョッとした顔をする。当の本人はむすっとした顔で『早く、』と目だけで急かしてきた。よく見れば髪の毛が所々湿ってぺたん、となっている。これは雨に打たれた証拠。これは早くしないと風を引く、と思い急いで家の中へ入った。



リビングへ着くなり若菜がテレビのリモコンを付ける。映されたのは本来ドラマをやってるはずなのに、ニュース番組。大きな台風が来た時みたいに左端と下側に赤いふちが出ていて『全国で行方不明者6000人超』と書かれていた。……へ?


「ろくせんにん、ちょう……?」
「その様子だと本当になんにも知らないみたいね。洗濯物っていうのは、ま、確かに干されっぱなしだったけど、あんたの家に入ってニュースを見させるための口実」
「は、はぁ……。で、これはどういうこと?」
「……よく、分からないけど」

そう前置きして若菜は話し始めた。昨日の夜あたりから台風の予報でもないのに風が強くなり始めたこと。朝起きたら庭の木がなぎ倒されていてゲリラ豪雨が起きていたこと。テレビを見れば全国でも一夜でおかしい天気になっていて、いわゆる『天変地異』的現象が起きていること。

「地域によっては雷が頻繁に落ち続けたり津波が起きたり……。とにかく酷い有様らしいわ。たまたまここは台風みたいな状況で済んでるけど……」
「え、でも、今朝お母さん普通に仕事に行ったよ?何かあったら戻ってくるんじゃない?」
「……お母さん、朝テレビ付けてた?」
「いや、寝坊したとかなんとかですぐ出てっちゃった」
「さっきも行ったけどここは朝、ゲリラ豪雨が降っていただけなの。ゲリラ豪雨は短時間で止むしそんなに気に止めてなかったんだと思うわ。仕事に遅れそうだったら尚更早く行かなきゃ、ってそっちの方に気が向くだろうと思うし」

確かにお母さんは少し大雑把な所があるからそんなに気にしてなかったのかもしれない。もう一度テレビ画面を見る。今映ってるのは山火事が起きている様子。なのに空からはゲリラ豪雨が降っていて雷も落ちている。空には黒い塊が何か飛んでいた。まさか……隕石?

5:千代◆Qg:2015/09/16(水) 21:19 ID:gVw

story2【無茶振り天変地異】後編


「……日本だけじゃない、他の国も同じような事が起きてるみたい」
「そ、んな……」

なんでこんなに若菜は冷静でいられるんだろう。私は心臓が爆発しそうなほどバクバクして今にも吐きそうな気分だ。そんな私の状況を察したのか若菜がぽん、と優しく私の肩に触れる。

「早くここを出ましょう、志帆。きっとお母さんもこの異変に気付いているはずだし、いつまでもここが安全とは限らない」
「だけど……どこに……」
「すぐ近くの中学校があるでしょう?私達の母校。そこが避難場所みたい。取り敢えず行くわよ」
「う、うん」

リュックサックに携帯や何日か分の食料、衣服を入れて玄関を開ける。正直この寒さの中思いリュックを背負うのはキツイがそんな事言ってられない。突然来る強風に耐えられるよう二人で手を繋ぎながら外へ出た。

雨は相変わらず降り続いている。さっきよりも酷くなっている気がした。若菜と顔を見合わせ頷き一歩を踏み出す。私の家は玄関から家の前の道路に出るまで階段が数段あるので滑らないよう慎重に、しかし迅速に歩く。ようやく道路に出た。いつもは走っている車も居ないし人も見えない。ただ雨がザアザア降ってる音が聞こえるだけ。
傘を握りしめ中学校に向かおうときたその時、一際強い風が吹いた。


ダーン!!


「きゃっ!?」
「っうぁっ!?」

悲鳴を上げて慌てて後ろに飛び退く。大きな音を立てて何かが落ちてきた。目の前に横たわっていたのは、

「電柱……!?」
「折れた、わね」

それが始まりだったかのように再び強い風が吹き始める。しかも1回じゃない。ずっとだ。電柱だけじゃなく木々もバキバキ音を鳴らし始めるし、空を見上げれば車やら何やらも飛んでいた。

「早く行くわよ!」
「う、うん!」

手を惹かれ走り出す、が。強風に煽られ上手く進めない。傘は風によって飛ばされリュックサックもどこかに吹っ飛んでいた。唯一残っているのは繋いだ手と手のみ。雨が体に叩きつけられ体中がビリビリしてくる。

「っ、若菜っ!!」
「、!?!」

突然若菜がバランスを崩し手が離れた。風の勢いでそのまま後ろに吹っ飛ばされる。

「若菜っ!!!」

叫んでも雨にかき消されてしまい、手を伸ばすも当然届かないわけで。私はその場にへたれ込んだ。どうしよう、どうしよう。若菜がこんなに早くいなくなるなんて。どうしよう、どうしよう、どうしよう。このままじゃ、私もああやって吹っ飛ばされちゃう。どうしよう、どうしよう。若菜をどうやって助けよう。

頭の中がぐるぐると色んなことが回り初め、混ざり合い、ぐちゃぐちゃになっていく。誰か、誰か________。



「いやぁ、俺吹っ飛ばされた人お姫様抱っこするの初めてっすよ、陽菜さん」
「あら、私はこんな異常事態に駆り出されたのが初めてだけど?樹君」


のんきな2人組の声が、聞こえた。

6:千代◆Qg:2015/09/17(木) 00:09 ID:gVw

story 3 【現実的マイノリティー】


絶体絶命最大のピンチ!な私の前に現れたのは二人の男女。しかも男の人は若菜をお姫様抱っこしている。二人は吹いてる風や打ち付ける雨をものともせず涼しい顔でそこに立っていた。

「……あ、えと、」

声が喉に張り付いたみたいでうまく話せない。そりゃそうだ。外に出たらいきなり電柱が倒れて若菜がいなくなって突然二人の人間が現れただなんて。一体何を話せばいいのやら。まだ混乱している頭は到底まともに動いてはくれなさそう。

「あの、ありがとうございました」

とかなんとか考えてるうちに若菜は男の人にお礼を言うとその腕からぴょん、と飛び降りた。男の人は「いえいえ〜」って感じで手を振っている。

「これが俺達の仕事だからな。ね、陽菜さん」
「いちいち語尾に私の名前を付けなくていいんだよ、樹君」

……なんだか、とても、マイペースですね。と思っていると若菜がこちらにすたすたと歩いて私に手を差し伸べてくれた。大人しくその手に捕まり立ち上がる。ふと、気づいたことがあった。

「あれ……風が、吹いてない……」
「ん?あぁ、今は俺が操ってるかな」
「「は?」」

若菜と私の声が重なった。風を操る、だって?そんな、どこかのRPGじゃあるまいし。でも今風が私たちの周りに吹いていないことは事実で。それにあんな非現実的な状況を見た後じゃ案外嘘でもないのかもしれない。

「ふふ、何がなんだかわからないって顔してるね。私達も最初はそうだったよ、安心して」

女の人が優しく微笑み、私たちの目線に合わせるように少しかがんだ。背高いなこの人。その微笑みは根拠がないけど、なんだかとても安心するもので。思わずホッとため息がこぼれた。

「で、まあここで話すのもなんだし一回本部に一緒に来てもらうぜ。なにしろ君たちは『選ばれた人間』だからな」
「選ばれた……」
「人間?」

なんだそのますますRPGっぽい展開は……!男の人はまだ秘密、というようにウインクすると指を鳴らした。するとそよそよと穏やかな風が吹き始めた。おぉ、すごい。

「一個本部に行く前に知って欲しいこと。見ての通り俺は能力者な訳で……。ざっくり言うと風の力が使えるんだ」
「だから、先程の強風も収めることが出来たんですか?」
「そういうことだな。本部にはこういうやつがたくさんいる」
「成程」

ちょ、若菜さんなんでそんなに普通でいられるの。戸惑ってたのはさっきまでで今は普通に話している。若菜って頭の回転早いから多分私より状況把握が出来てるんだな。

「じゃ、行こっか。あぁ、私の名前は早瀬 陽菜。ちなみに重力を自由に操れるよ。よろしくね」
「俺は清水 樹。よろしくな!」
「林 若菜です。よろしくお願いします」
「ま、前原志帆です。よろしくお願いします」

パン、と手を叩いて陽菜さんが言った。ふわりと微笑み軽く自己紹介をしてくれる。それにつられて樹さん、若菜、私の順番でご挨拶。陽菜さんと樹さんは笑っていて、若菜はなぜか無表情のままだった。


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