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1:雪:2015/09/16(水) 20:35 ID:ZRo

第一話「よみがえる悪夢」

―パッパー……
鳴り響くクラクション。
急ブレーキをかけるトラックの残像。
悲鳴を上げる女の子。
そして、その女の子に手を伸ばすもう一人の少女は……私?
―りあらっ……!
目の前にいる私は勝手に叫んで、勝手に道路に飛び出して―……。

2:雪:2015/09/16(水) 20:58 ID:ZRo

―ピピピピッ……

「りあらっ……」

目を開けると、そこは、私の部屋の白い天井。
鳴り続ける目覚ましを止めて、私は上半身を起こした。

―コンコン……ガチャッ……

「せあらー?」

声のする方に顔を向けると、そこにはいつもの姿のりあらが。
じっと見つめていると、りあらが不思議そうに首をかしげる。

「せあら?どーした?」
「……あっ、ううん。何でもない」
「?そう?まぁ、良いけど。早く起きなよー」

良かった。りあらはいつも通り元気そう。
私の名前は、火宮せあら。
りあらの、双子の妹。

3:雪:2015/09/16(水) 21:12 ID:ZRo

私は、あの夢をもう何回も見ている。
6年前……いや、6年後と言った方が正しいかな?
私、火宮せあらは、あの日、短い人生のページを閉じた……。
はずだったんだ。

あの夏の日、私はりあらと一緒に下校していた。
そして、信号が青になり、横断歩道を渡ろうとしたとき、私よりも前を歩いていたりあらに、大型トラックが突っ込んできたのだ。
私は考えるより早く、その、姉の背中を押した。
それからの記憶は無い。
今でも覚えているのは、ほとばしる痛みと鮮血。
周りの人たちの悲鳴だけ。

4:エネ◆bk RESET:2015/09/16(水) 21:14 ID:d06

もっと書いてください!
面白いです!

5:ミツ ミツ:2015/09/16(水) 21:19 ID:cNA

とっても面白いです!早く続きが読みたいです。

6:雪:2015/09/17(木) 18:36 ID:ZRo

二人とも、コメントありがとう☆

7:雪:2015/09/17(木) 18:44 ID:ZRo

そして、目が覚めたら6年前のまだ幼い姿に戻っていた。
しかも、外傷もなく、自分のパジャマを着て―。

「……あら……せあら!」

パンッと目の前で手をたたいて、りあらが私に話しかけてきた。
その顔は、凄く心配そう。

「りあら……、どうしたの?」
「どうしたじゃないよ。せあら、あんた今日ちょっと変だよ?」

りあら……。

「……ごめん、何でもないよ」
「まぁ、話したくないならいいけど。でも、あまり溜め込まないようにね」
「ありがと……」

ごめん、りあら……。
心配してくれてるんだよね。
でも、これは誰にも言えない、私だけの秘密。

8:雪:2015/09/17(木) 18:52 ID:ZRo

でも……りあらも私と同じく未来から来たのなら、話は別なんだけどな。
まぁ、そんなことありえないからね。

帰り道、私はりあらと一緒に歩いていた。
その頃になると、私は夢のことなどほとんど忘れていた。
何回も見ているから、慣れってやつかな?

「あ、そういえばせあら」
「何?」

りあらが突然思い出したように私に話しかけた。

「私達のクラスの森川翔っているじゃん?」
「うん」

りあらはくるりと振り返ってにっこりとほほ笑んだ。
いや、正確にはニヤついていた。

「あいつ、せあらの事好きらしいよ」
「はっ!?」
「おー、良いね。せあらはかわいいねぇ」

りあらはさらにニヤニヤしている。
そして、私の顔は多分赤い。

9:雪:2015/09/17(木) 18:57 ID:ZRo

「何言ってるの、りあら……。私とりあらって顔は同じじゃない。なのに、何で私だけを好きになるのよ」

りあらは呆れたように首を横に振る。
笑ったり呆れたり……表情豊かだこと。

「あのねぇ、人って見た目だけどその人を好きになるんじゃないと思うよ。確かに私たちは同じ顔だけど、性格は少し違うじゃん」
「うん、まぁ……」

確かに、私とりあらは顔は同じだけど中身は違う。
りあらは活発で運動が得意な女の子。
私は結構おとなしくて、読書が好きな女の子。
りあらが言うには、翔君はそんな私の内面を好きになってくれたらしい。

10:雪:2015/09/17(木) 19:50 ID:ZRo

一瞬嬉しく思ったけれど、今の私は、10歳の女の子。
本当の私は未来にいる。

「……ねぇ、せあら」
「ん?」
「……ごめんね」
「えっ?」

何を言い出すかと思えば……。

「何言ってるの?」
「ごめんなさい……」

ごめんなさいの後に、りあらが何か言ったような気がしたけれど、私はそれをスルー。

11:雪:2015/09/17(木) 19:53 ID:ZRo

りあらは時々不思議なことを言う。
オカルト好きな私の血が混ざっているのか……。
りあらの瞳に一瞬透明な雫が浮いているように見えたけれど……。
多分、私の気のせいなんだろう。

12:雪:2015/09/17(木) 20:01 ID:ZRo

―キィィィィ!

この音は……。
ボーっとする頭を動かして、私は音がする前の方を見た。
目の前には、私そっくりな女の子。

―りあらっ……!

私は反射的にその女の子の背中を押す。
その瞬間、何かがぶつかった大きな音が聞こえてくる。

―せあらっ、せあらぁ!!

りあらが私の体を揺らしながら、泣いている。

―おねが……ま……なん……を……い……。

13:雪:2015/12/11(金) 22:22 ID:ZRo

私は、そこで目が覚めた。
何だか……昨日よりも夢が進んでいるような気がする……。
これは、きっと気のせいなんかじゃない。
あの時、りあらはなんて言っていたのかな……?


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